JP2793454B2 - 走査系の駆動装置 - Google Patents

走査系の駆動装置

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JP2793454B2
JP2793454B2 JP4313558A JP31355892A JP2793454B2 JP 2793454 B2 JP2793454 B2 JP 2793454B2 JP 4313558 A JP4313558 A JP 4313558A JP 31355892 A JP31355892 A JP 31355892A JP 2793454 B2 JP2793454 B2 JP 2793454B2
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electromagnetic clutch
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pulse
scanning
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貢 宮本
生一 北川
高志 永島
大介 林
弘 楠本
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    • G03G15/043Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for exposing, i.e. imagewise exposure by optically projecting the original image on a photoconductive recording material with means for controlling illumination or exposure

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機やイメージスキ
ャナなどのように原稿を照明走査する走査系を有する画
像形成装置などにおいて用いられる走査系の駆動装置に
関し、特にその駆動力の伝達制御の改良に係る。複写機
等に備えられた走査系には、静止した原稿に対して光学
系が移動するもの、および静止した光学系に対して原稿
載置台が移動するものの2種類があるが、本明細書中に
おいては用語「走査系」は上記の2種類の走査系を総称
する用語として使用される。したがって、走査系の駆動
装置には、光学系を移動制御する装置、および原稿台を
移動制御する装置の双方が含まれる。
【0002】
【従来の技術】たとえば複写機のような画像形成装置で
は、光学系または原稿載置台を駆動することによって、
原稿を光学的に走査する走査系が備えられている。たと
えば、光学系が駆動される走査系を備えた複写機では、
光源や反射鏡を保持した移動体が原稿に対して等速で変
位させられる。これにより原稿の表面が照明されて走査
される。その過程で原稿から反射された光により感光体
が露光され、この感光体の表面に静電潜像が形成され
る。この静電潜像がトナー像に現像され、そのトナー像
が複写用紙に転写され定着されることにより複写が達成
される。
【0003】このような複写機等の画像形成装置におい
ては、小形化、高速化と共に、画像品質向上の要求が強
い。そのため、走査系による原稿の走査速度が所定の速
度に達するまでの立上がり時間を短縮すると共に、原稿
の走査中に速度むらが発生しないようにするための改良
がなされている。感光体の表面に形成される静電潜像
は、照明走査された原稿からの反射光によって形成され
るのであるから、複写速度の高速化のためには、走査系
の高速移動が不可欠である。また、原稿像を忠実に再現
するためには、走査速度を一定に保持する必要がある。
【0004】一方、複写機を小形化すると、ホームポジ
ションから照明走査開始位置までの走査系の移動距離が
短くなる。このため、走査系の移動速度を急激に立ち上
がらせる必要がある。このように走査系の移動速度を急
激に立ち上げると、走査系の速度が定格速度になる直前
に、定格速度を一旦越えるといった所謂オーバーシュー
トが発生する。このオーバーシュートは、照明走査開始
位置の近傍の領域に対応する複写像を劣化させる。その
ため、オーバーシュートの影響を排除するための配慮も
必要である。
【0005】走査系の移動速度を急激に立ち上げ、しか
もオーバーシュートの複写像への影響を排除した先行技
術は、図11に示されている。走査系への駆動力は、複
写機に備えられたメインモータから電磁クラッチを介し
て供給される。図11(a) はこの電磁クラッチへの印加
電圧の時間変化を示し、図11(b) は走査系の移動速度
の時間変化を示している。
【0006】この先行技術では、走査系の移動速度を急
激に立ち上げるために、図11(a)に示すように、走査
系のスタート時において、電磁クラッチへの印加電圧
を、瞬時に、所定の定格電圧まで立ち上げている。この
所定の定格電圧は、原稿の照明走査のために走査系が定
格速度で駆動されるときに、電磁クラッチに印加される
電圧である。なお、図11において、空転期間とはメイ
ンモータの回転が開始されてから電磁クラッチが接続さ
れるまでの期間であり、助走期間とは走査系がホームポ
ジションから照明走査開始位置に達するまでの期間であ
り、画像形成期間とは原稿の照明走査が行われる期間で
ある。
【0007】この先行技術では、電磁クラッチは瞬時に
接続されるから、メインモータからの駆動力は走査系に
衝撃的に伝達される。このため、走査系の立上がり直後
には、図11(b) に示すように、走査系の移動速度は振
動する。移動速度が振動していると、良好な画像形成を
行えない。そこで、移動速度に振動が生じている期間は
助走期間とし、移動速度が安定した後の期間を画像形成
期間としている。
【0008】ところが、この先行技術では、走査系の移
動速度を安定させるために充分な助走期間を確保するこ
とが必要である。そのため、走査系のホームポジション
から照明走査開始位置までの距離、すなわち助走距離が
長くなる。このため、複写機の小型化が妨げられるとい
う問題がある。この問題は、図12に示された他の先行
技術により解決される。この先行技術では、図12(a)
に示すように電磁クラッチへの印加電圧が徐々に増加さ
せられる。そのため、メインモータからの駆動力が走査
系に緩やかに伝達される。その結果、図12(b) に示す
ように走査系の移動速度はスムーズに立ち上がり、短時
間で定格速度で安定する。したがって、図11に示され
た先行技術とは異なり、長い助走距離が不要であるか
ら、複写機の小型化を図ることができる。
【0009】しかし、この先行技術では、電磁クラッチ
への印加電圧を徐々に増加させるために、複雑な構成の
専用の電気回路が必要となる。そのため、コストの増大
を招くという新たな問題が生じる。この問題が解決され
るさらに他の先行技術は、特開昭61−148138号公報に開
示されている。この公開公報には、走査開始初期におい
て電磁クラッチにパルス電圧を印加し、クラッチの接続
/遮断を繰り返すことにより、実質的な半クラッチ状態
を実現しようとした技術が開示されている。しかし、こ
の先行技術では、パルス電圧のパルス周期やパルス含有
率などについての充分な考慮がなされていない。すなわ
ち、たとえばクラッチの接続/遮断を繰り返すことによ
り、光学系の固有振動を助長させ、かえって画質が劣化
したりするおそれがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、走査
系の助走距離を短くしながら、走査系の立上がり直後の
振動をなくすことができる走査系の駆動装置を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】上記の目的を
達成するための請求項1記載の発明は、一定の慣性質量
を有する走査系と、上記走査系を一定速度で駆動するた
めの駆動力を出力する駆動源と、上記走査系に上記駆動
源からの駆動力を伝達するための電磁クラッチであっ
て、その連結力と上記走査系の慣性質量と上記駆動源の
駆動力との関係によって、上記駆動源の駆動力が上記走
査系に全く伝わらない遮断状態と上記駆動源の駆動力が
上記走査系にそのまま伝わる完全接続状態との間の中間
的な状態である半接続状態となり得、上記半接続状態で
は単位時間当たりの平均印加電圧の大小によって連結力
が変化する電磁クラッチと、一定時間以上上記電磁クラ
ッチに印加することにより、この電磁クラッチを上記完
全接続状態に至らせることができる定格電圧を発生する
電源と、上記走査系の走査開始時において、上記電磁ク
ラッチに、この電磁クラッチの連結力を減少させて上記
走査系の速度を一旦低下させることができるオフ時間間
隔で、上記電源が発生する定格電圧をパルス的に印加
し、電磁クラッチの連結力を徐々に増加させる制御手段
とを含むことを特徴とする走査系の駆動装置である。
【0012】この構成によれば、電磁クラッチには電源
が発生する定格電圧がパルス的に印加される。これによ
り、電磁クラッチは遮断状態から半接続状態となる。パ
ルス電圧は、電磁クラッチの連結力を減少させて走査系
の速度を一旦低下させることができるオフ時間間隔で印
加される。そのため、電磁クラッチの連結力は増加/減
少を繰り返しながら徐々に増加していく。
【0013】これにより、走査系には徐々に駆動力が伝
達され、走査系の速度はスムーズに立ち上がる。走査系
の速度が立ち上がるに従って電磁クラッチにおけるすべ
り量は減少し、走査系の速度は速やかに定格速度に達す
る。このようにして、短い助走距離で走査系の速度を定
格速度まで立ち上げ、かつ、安定させることができる。
【0014】したがって、走査系が適用された装置の小
型化を図ることができ、また、電磁クラッチへの印加電
圧を連続的に変化させるような複雑な回路は不要である
から、構成の複雑化やコストの増大を招くことがない。
また、走査系を穏やかにスタートさせることができ、走
査系の速度に大きな振動が生じることはない。そのた
め、この走査系がたとえば画像形成のために用いられる
場合には、走査系の速度の振動の影響の少ない良好な画
像を形成することができる。
【0015】請求項2記載の走査系の駆動装置は、上記
走査系と、上記駆動源と、上記電磁クラッチと、上記電
源と、上記走査系の走査開始時において、上記電磁クラ
ッチに、当初の所定期間は相対的に長いパルス幅で上記
電源が発生する定格電圧をパルス的に印加し、上記所定
期間の経過後は上記走査系の速度が所定速度に立ち上が
るまで相対的にオン時間が短いパルス幅で上記定格電圧
をパルス的に印加して電磁クラッチの連結力を徐々に増
加させる制御手段とを含むことを特徴とする。
【0016】この構成では、まず相対的に長いパルス幅
のパルス電圧が電磁クラッチに印加される。そのため、
電磁クラッチは、遮断状態から速やかに半接続状態とな
る。これにより、走査系の速度が定格速度まで立ち上が
る時間を短縮することができ、また、走査系の助走距離
を一層短縮することができる。また、所定期間の経過後
には、短いパルス幅のパルス電圧が電磁クラッチに印加
される。これにより、駆動源からの駆動力が走査系に衝
撃的に伝達されることが防がれるから、走査系の速度に
大きな振動を生じさせることなく、この走査系の速度を
穏やかに立ち上げることができる。
【0017】なお、最初に長いパルス幅のパルス電圧が
電磁クラッチに印加されることで、電磁クラッチは確実
に半接続状態となる。そのため、電磁クラッチの吸引特
性のばらつきの影響を吸収することもできる。また、電
磁クラッチを一旦半接続状態に至らせた後に短いパルス
幅のパルス電圧が電磁クラッチに印加されるから、電磁
クラッチの接続/遮断が繰り返されることにより発生す
る異常音を効果的に抑制できる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の走
査系の駆動装置において、上記制御手段は、走査系の走
査開始時において、上記電磁クラッチに上記定格電圧を
パルス的に与える際に、まず、比較的パルス幅の長い第
1パルスを与え、その後は、比較的パルス幅の短い第2
パルス以降のパルスを所定のオフ時間間隔で上記走査系
の速度が所定速度に立ち上がるまで印加するものである
ことを特徴とする。
【0019】これにより、第1パルスの印加よって電磁
クラッチは速やかに半接続状態に至り、第2パルス以降
のパルスの印加によって走査系の速度が穏やかに立ち上
がる。なお、上記第1パルスのパルス幅は、この第1パ
ルスを上記電磁クラッチに印加することで、上記電磁ク
ラッチの最大連結力の20%乃至50%の連結力が得ら
れるように設定されていることが好ましい(請求項
4)。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の走査系の駆動装置において、上記第2パルス以降
のパルスが上記電磁クラッチに印加されるときのオフ時
間間隔は、上記走査系の速度が一旦低下するように上記
電磁クラッチの連結力を低下させることができる時間に
設定されていることを特徴とする。このようにすれば、
走査系の速度をより一層穏やかに立ち上げることができ
る。
【0021】請求項6記載の発明は、上記走査系と、上
記駆動源と、上記電磁クラッチと、上記電源と、上記走
査系の走査開始時において、上記電磁クラッチに、上記
電源が発生する定格電圧を所定のパルス含有率を有する
ようにパルス的に印加してその連結力を徐々に増大させ
るとともに、そのパルス含有率を時間経過に伴って増大
させる制御手段とを含むことを特徴とする走査系の駆動
装置である。
【0022】この構成によれば、電磁クラッチに印加さ
れるパルス電圧のパルス含有率が時間経過に伴って増加
させられる。そのため、電磁クラッチは半接続状態にお
ける連結力の増加/減少を繰り返しながら、速やかに、
かつ、確実に完全接続状態に移行する。なお、上記制御
手段は、パルス周期は不変に保ち、パルス含有率のみを
変化させるものであることが好ましい(請求項7)。
【0023】請求項8記載の発明は、上記走査系と、上
記駆動源と、上記電磁クラッチと、上記電源と、上記走
査系の走査開始時において、上記電磁クラッチに当初の
期間には相対的に長いパルス幅で上記電源が発生する定
格電圧をパルス的に印加し、その後は相対的に短いパル
ス幅で上記電源が発生する定格電圧をパルス的に印加し
てその連結力を徐々に増大させるとともに、そのパルス
含有率を時間経過に伴って増大させる制御手段とを含む
ことを特徴とする走査系の駆動装置である。
【0024】この構成によれば、当初は長いパルス幅の
パルス電圧が印加されるから、電磁クラッチは速やかに
半接続状態に至る。そして、その後は短いパルス幅のパ
ルス電圧の印加により、電磁クラッチの連結力は増加/
減少を繰り返しながら徐々に増加する。これにより、走
査系の速度は穏やかに立ち上がる。そして、短いパルス
幅のパルス電圧のパルス含有率は時間経過に伴って増大
させられるから、電磁クラッチは速やかに、かつ、確実
に完全接続状態に至ることになる。
【0025】これによって、走査系の速度を速やに、か
つ、スムーズに定格速度に立ち上げることができる。し
かも、電磁クラッチを確実に完全接続状態に至らせるこ
とができるから、走査系の速度が定格速度に立ち上がっ
た後には、駆動源からの駆動力を確実に走査系に伝達す
ることができる。これにより、走査系による走査を良好
に行わせることができる。
【0026】また、最初に長いパルス幅のパルス電圧が
電磁クラッチに印加されることで、電磁クラッチは確実
に半接続状態となる。そのため、請求項2記載の発明の
場合と同様に、電磁クラッチの吸引特性のばらつきの影
響を吸収することができ、さらに、電磁クラッチの接続
/遮断が繰り返されることによる異常音の発生を効果的
に抑制できる。
【0027】なお、上記制御手段は、パルス含有率を時
間経過に伴って増大させる際に、パルス周期は不変に保
つものであることが好ましい(請求項9)。請求項10
記載の発明は、請求項8または9記載の走査系の駆動装
置において、上記制御手段は、走査系の走査時におい
て、上記電磁クラッチに定格電圧をパルス的に与える際
に、まず、比較的パルス幅の長い長パルスを与え、その
後の所定期間には比較的パルス幅の短い複数の短パルス
を与え、その所定期間の経過後には長パルスのパルス幅
よりも短く短パルスのパルス幅よりも長いパルス幅を有
する1つ以上の中パルスを与えることを特徴とする。
【0028】この構成により、長パルスの印加により電
磁クラッチを速やかに半接続状態に至らせることがで
き、短パルスの印加により駆動源からの駆動力を穏やか
に走査系に伝達してその速度をスムーズにかつ速やかに
立ち上げることができ、中パルスの印加により電磁クラ
ッチを確実に完全接続状態に至らせることができる。な
お、上記長パルスのパルス幅は、この長パルスを上記電
磁クラッチに印加することで、上記電磁クラッチの最大
連結力の20%乃至50%の連結力が得られるように設
定されていることが好ましい(請求項11)。
【0029】請求項12記載の発明は、請求項10また
は11記載の走査系の駆動装置において、上記短パルス
が上記電磁クラッチに印加されるときのオフ時間は、上
記走査系の速度が一旦低下するように上記電磁クラッチ
に連結力を低下させることができる時間に設定されてい
ることを特徴とする。これにより、走査系の速度を一層
穏やかに立ち上げることができる。
【0030】請求項13記載の発明は、上記走査系と、
上記駆動源と、上記電磁クラッチと、上記電源と、上記
走査系の走査開始時において、上記電磁クラッチに、上
記電源が発生する定格電圧を、上記電磁クラッチの連結
力が等速的に増大するようなパルス含有率を有するよう
にパルス的に印加する制御手段とを含むことを特徴とす
る走査系の駆動装置である。
【0031】この構成によれば、電磁クラッチの連結力
は等速的に増加し、加速度的に増加することがない。そ
のため、走査系の速度の振動を効果的に抑制しつつ、そ
の速度を速やかに定格速度に立ち上げることができる。
また、この構成では、使用される電磁クラッチのトルク
の大小によらずに、走査系の立ち上がり特性をほぼ一定
にすることができる。
【0032】請求項14記載の発明は、請求項1乃至1
3のいずれかに記載の走査系の駆動装置において、上記
走査系の走査開始時に上記電磁クラッチに印加されるパ
ルス電圧波形は、上記走査系の固有振動を抑制すること
ができるように設定されていることを特徴とする。この
構成によれば、走査系の固有振動が抑制される。そのた
め、たとえばこの走査系が画像形成のために利用される
場合などには、走査系の固有振動の影響の少ない良好な
画像を形成することができる。
【0033】請求項15記載の発明は、請求項1乃至1
4のいずれかに記載の走査系の駆動装置において、上記
走査系の走査開始時に上記電磁クラッチに印加されるパ
ルス電圧波形を可変設定するパルス波形設定手段をさら
に含むことを特徴とする。この構成によれば、使用され
る電磁クラッチの特性に応じて電磁クラッチに印加され
るパルス電圧波形を可変設定することができる。そのた
め、電磁クラッチの個体差に依らずに、走査系の駆動を
良好に行える。
【0034】なお、上記パルス波形設定手段は、走査開
始時に上記電磁クラッチに印加されるパルス電圧波形を
複数種類記憶した記憶手段と、この記憶手段に記憶され
た複数種類のパルス電圧波形から任意のパルス電圧波形
を選択する手段とを含むものであってもよい(請求項1
6)。請求項17記載の発明は、請求項1乃至16のい
ずれかに記載の走査系の駆動装置において、上記駆動源
からの駆動力を、上記走査系が上記電磁クラッチを介し
て与えられる駆動力により駆動される方向とは逆方向に
駆動されるように上記走査系に伝達する逆転用電磁クラ
ッチであって、その連結力と上記走査系の慣性質量と上
記駆動源の駆動力との関係によって、上記駆動源の駆動
力が上記走査系に全く伝わらない遮断状態と上記駆動源
の駆動力が上記走査系にそのまま伝わる完全接続状態と
の間の中間的な状態である半接続状態となり得、上記半
接続状態では単位時間当たりの平均印加電圧の大小によ
って連結力が変化する逆転用電磁クラッチをさらに含
み、上記制御手段は、上記走査系が移動終端位置に達し
たことに応答して上記逆転用電磁クラッチに上記電源か
らの定格電圧を連続的に印加し、上記走査系が初期位置
に戻る直前の期間には、上記逆転用電磁クラッチに、上
記電源からの定格電圧をパルス的に印加するものである
ことを特徴とする。
【0035】この構成によれば、逆転用電磁クラッチを
介して駆動源からの駆動力が走査系に伝達されると、走
査系は移動終端位置から初期位置に戻る方向に駆動され
る。このとき、制御手段は、走査系が初期位置に戻る直
前に期間には、逆転用電磁クラッチにパルス電圧を印加
する。これにより、走査系を初期位置に復帰させる際
に、この初期位置において走査系を穏やかに停止させる
ことができる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施例の走査
系の駆動装置が適用される複写機の内部構成を示す概念
図である。複写機本体1の内部空間は、区画板11によ
って、上部ケーシング12と下部ケーシング13とに区
画されている。そして、上部ケーシング12内には、原
稿を照明走査するための走査系である一定の慣性質量を
有する光学系2が設けられており、下部ケーシング13
内には、複写紙P上に複写画像を形成する複写処理部4
と、複写紙搬送部5とが設けられている。
【0040】光学系2は、発光体31および主反射板3
2で構成される光源21と、第1〜第3反射鏡22〜2
4と、レンズ25と、第4反射鏡26とを有している。
光学系2は、ガイド軸27a,27bおよびガイドレ―
ル(図示せず。)に沿って、光源21および第1〜第3
反射鏡22,23,24を矢印Aで示す方向に移動させ
ることにより、コンタクトガラス等からなる原稿載置台
14上の原稿Dを照明走査することができるように構成
されている。但し、光学系2の移動時には、光源21と
第1反射鏡22とが一体として往復動し、第2反射鏡2
3および第3反射鏡24が一体として往復動する。
【0041】複写紙搬送部5は、給紙ロ―ラ51,5
2、給紙路53,54、搬送ロ―ラ55a,55b、レ
ジストロ―ラ56、搬送ベルト57、加熱定着ロ―ラ5
8および排出ロ―ラ59を有している。そして、複写紙
搬送部5は、給紙ロ―ラ51,52を選択的に駆動する
ことにより、給紙カセット16又は17から複写紙Pを
取り出し、複写処理部4に導いてトナ―像を転写させ、
加熱定着ロ―ラ58によってトナ―像を加熱して定着さ
せた後、排紙トレイ18上に排出するように構成されて
いる。なお、複写紙搬送部は、この構成に限定されるも
のではなく、例えば給紙側と排出側を同じ側とする構成
等、従来公知の他の構成の複写紙搬送部を用いることも
できる。
【0042】複写処理部4は、図中Cで示す方向に回転
する感光体ドラム41の周囲に、帯電チャ―ジャ42、
現像装置43、転写チャ―ジャ44、分離チャ―ジャ4
5およびクリ―ナ46を順次配設して成る。そして、複
写処理部4は、帯電チャ―ジャ42によって均一に帯電
させた感光体ドラム41の外面に原稿像を結像させて静
電潜像を形成させた後、現像装置43によってトナ―像
に顕像化し、転写チャ―ジャ44によってトナ―像を複
写紙P上に転写するように構成されている。トナー像を
転写した後の感光体ドラム41の表面に残留するトナ―
は、クリ―ナ46で回収される。なお、複写処理部は、
この構成に限定されるものではなく、例えばベルト状の
感光体を用いたもの等、従来公知の他の構成の複写処理
部を用いることもできる。
【0043】図2は走査系の駆動装置の構成を詳細に示
す平面図である。駆動装置100は、走査領域間に張設
された駆動ワイヤ101と、駆動ワイヤ101の所定位
置に取り付けられているとともに光学系2の各構成部分
を保持している移動体102と、駆動ワイヤ101が巻
き付けられたワイヤ巻付ドラム103と、駆動力をワイ
ヤ巻付ドラム103に伝達してドラム103を正転させ
移動体102をL方向に移動させる正転用電磁クラッチ
104と、駆動力をワイヤ巻付ドラム103に伝達して
ドラム103を逆転させ第1ミラーボックス61および
第2ミラーボックス62をR方向に移動させる逆転用電
磁クラッチ105とを備えている。
【0044】正転用電磁クラッチ104およ逆転用電
磁クラッチ105には、たとえば、神鋼電機株式会社製
のマイクロクラッチBH−3−A01が用いられる。こ
のマイクロクラッチの主な仕様は次のとおりである。 定格入力電圧 ・・・・ DC24V±10% 定格入力電流 ・・・・ 0.175A 静摩擦トルク ・・・・ 3kgfcm 以上 負荷トルク ・・・・ 0.46kgfcm 移動体102は、光源21および第1反射鏡22を支持
する第1ミラーボックス61と、第2反射鏡23および
第3反射鏡24(図1参照。)を支持する第2ミラーボ
ックスとを有している。そして、第1ミラーボックス6
1側は駆動ワイヤ101の所定位置に固定されている。
また、第2ミラーボックス62側には、ガイドプーリ1
06が設けられている。
【0045】駆動ワイヤ101は、一端が走査領域の逆
転側(R方向)端部に固定され、移動体102のガイド
プーリ106、プーリ107に掛巻され、ワイヤ巻付ド
ラム103に複数回巻き付けられ、さらにプーリ10
8、ガイドプーリ106に掛巻されて他端が走査領域の
正転側(L方向)端部にばね109を介して固定されて
いる。
【0046】この構成により、ワイヤ巻付ドラム103
が回転すると、第1ミラーボックス61がL,R方向に
移動し、第2ミラーボックス62は第1ミラーボックス
61の移動速度の半分の速さでL,R方向に移動する。
正転用電磁クラッチ104は、図3および図4に示すよ
うに、メインモータ110(図5参照。)に連結された
駆動ギア111に噛合して常時回転するクラッチギア1
12と、このクラッチギア112と同軸に設けられてい
るとともに、このクラッチギア112とは独立に回転す
ることができる従動ギア113とを有している。そし
て、内蔵した電磁コイル(図示せず。)により従動ギア
113をクラッチギア112側に吸引して、従動ギア1
13を適当な摩擦板など(図示せず。)を介してクラッ
チギア112に摩擦接触させ、この摩擦力によりクラッ
チギア112に与えられている駆動力を従動ギア113
に伝達する構成となっている。
【0047】一方、逆転用電磁クラッチ105は、メイ
ンモータ(図示せず。)に連結された駆動ギア111に
噛合して常時回転するクラッチギア114と、このクラ
ッチギア114と同軸に設けられているとともに、この
クラッチギアとは独立に回転することができる従動ギア
115とを有している。そして、内蔵した電磁コイル
(図示せず。)により従動ギア115をクラッチギア1
14側に吸引して、従動ギア115を適当な摩擦板など
(図示せず。)を介してクラッチギア114に摩擦接触
させ、この摩擦力によりクラッチギア114からの駆動
力を従動ギア115に伝達する構成となっている。
【0048】また、正転用電磁クラッチ104の従動ギ
ア113は、図4に示すように、逆転用電磁クラッチ1
05の従動ギア115に噛合されており、従動ギア11
5は、ワイヤ巻付ドラム103に噛合している。正転用
電磁クラッチ104および逆転用電磁クラッチ105
は、完全接続状態に至る以前には単位時間当たりの平均
印加電圧の大小によって連結力が変化するものである。
そして、この連結力と、光学系2の慣性質量と、メイン
モータ110からの駆動力との関係によって、電磁クラ
ッチ104,105は、遮断状態と完全接続状態との間
の中間的な状態である半接続状態となり得る。なお、遮
断状態とは、メインモータ110からの駆動力が移動体
102に全く伝達されない状態である。また、完全接続
状態とは、メインモータ110からの駆動力がそのまま
移動体102に伝達される状態である。
【0049】正転用電磁クラッチ104と逆転用電磁ク
ラッチ105とはいずれか一方が選択されて接続状態と
され、これにより、図3に示す正転動作および逆転動作
を行わせることができる。すなわち、図4(a)に示す
ように、正転用電磁クラッチ104を接続状態とする
と、クラッチギア112からの回転力が従動ギア113
へ伝達され、さらに自由回転状態の従動ギア115を介
してワイヤ巻付けドラム103に伝達されるから、ワイ
ヤ巻付けドラム103は図3の正転方向に回転すること
になる。この結果、第1ミラーボックス61および第2
ミラーボックス62は、図2のL方向に駆動されること
になる。一方、図4(b)に示すように、逆転用電磁ク
ラッチ105を接続状態とすると、クラッチギア114
からの回転力が従動ギア115からワイヤ巻付けドラム
103に伝達される。このとき、従動ギア115と噛合
した従動ギア113は従動ギア115の回転に従動する
に過ぎない。このため、ワイヤ巻付けドラム103は図
3の逆転方向に回転することになり、この結果、移動体
102は図2のR方向に駆動されることになる。
【0050】なお、逆転用のクラッチギア114には、
正転用のクラッチギア112よりも歯数の少ないものが
適用され、これにより画像形成のための走査を終了した
第1ミラーボックス61および第2ミラーボックス62
がホームポジションに戻る際のリターン動作を高速に行
わせるようにしている。図5は、上記の駆動装置を制御
するための電気的構成を示す機能ブロック図である。両
電磁クラッチ104,105の接続および遮断は、制御
回路200により制御される。制御回路200の動作電
力は電源回路300で作成されており、この制御回路2
00にはさらに、複写動作の開始を指示するためのプリ
ントスイッチ301、およびメインモータ110をオン
/オフさせる出力回路304が接続されている。
【0051】電源回路300は、電磁クラッチ104,
105に与えるべき定格電圧を発生する。この定格電圧
は、一定時間以上にわたって連続的に電磁クラッチ10
4,105に印加することにより、これらの電磁クラッ
チ104,105を完全接続状態に至らせることができ
る電圧である。この定格電圧の印加は、制御回路200
により制御される。
【0052】図6(a) は走査開始初期において制御回路
200から正転用電磁クラッチ104に印加される電圧
波形を示す波形図であり、図6(b) は移動体102(第
1ミラーボックス61)の移動速度の時間変化を示す図
である。プリントスイッチ301がオンされると、プリ
ントスイッチ301からの操作信号が制御回路200に
入力される。この操作信号に応答して、制御回路200
は、出力回路304を通じてメインモータ110を付勢
する。さらに制御回路200は、少なくとも移動体10
2がホームポジションから照明操作開始位置にまで達す
るまでの助走期間が終了するまでは、正転用電磁クラッ
チ104に対してパルス電圧を印加する。
【0053】すなわち、図6(a) に示すように、制御回
路200は、電源回路300が発生する上記定格電圧を
スイッチングすることで、一定のオン時間ΔONのパルス
電圧をオフ時間ΔOFF の間隔で正転用電磁クラッチ10
4に印加する。オフ時間ΔOF F は、正転用電磁クラッチ
104の連結力を減少させて移動体102の移動速度を
一旦低下させることができる時間である。このオフ時間
ΔOFF は一定値であってもよく、また、時間経過や移動
体102の位置に応じて変化する値であってもよい。図
6(a) に示されたパルス波形は一例であり、この例で
は、オフ時間ΔOF F は5msec で一定とされている。ま
た、オン時間ΔONは5msec とされている。このような
パルス電圧が、たとえば9周期分だけ継続的に印加され
る。なお、1つのパルスの印加で正転用電磁クラッチ1
04が一気に完全接続状態に至ることがないように、オ
ン時間ΔONは、30msec以下とすることが好ましい。
【0054】これにより、図6(b) に示すように、移動
体102の移動速度は、さほど大きな振動を生じること
なく徐々に立ち上がり、助走期間の末期には定格速度で
安定させることができる。その結果、移動体102を図
2のL方向に向けて穏やかにスタートさせることができ
る。なお、クラッチギア112や従動ギア113などの
歯数ピッチなどを考慮し、移動体102の移動速度の振
動が光学系2の固有振動を抑制するような振動となるよ
うにオン時間ΔONおよびオフ時間ΔOFF を定めることが
好ましい。これにより、光学系2の固有振動を抑制でき
るから、画質を向上できる。
【0055】移動体102が所定の移動速度で照明走査
開始位置に達した後の画像形成期間には、制御回路20
0は、正転用電磁クラッチ104に対して連続的に定格
電圧を印加する。これにより、移動体102は、メイン
モータ110からの駆動力を得て、等速移動する。そし
て、移動体102がL方向終端位置まで達すると、正転
用電磁クラッチ104はオフされ、制御回路200は逆
転用電磁クラッチ105に対して連続的に定格電圧を印
加する。これにより、移動体102はR方向(図2参
照。)に向かって等速移動し、リターン動作が行われ
る。
【0056】このリターン動作の末期には、移動体10
2は再び画像領域を経て助走領域に達する。このとき、
制御回路200は、逆転用電磁クラッチ105に対して
所定のパルス電圧を印加する。このパルス電圧は、逆転
用電磁クラッチ105のクラッチギア114と駆動ギア
111との連結力を徐々に減少させることができるよう
な電圧である。これにより、移動体102はスムーズに
減速し、ホームポジションで停止する。その後、制御回
路200は、出力回路304を通じてメインモータ11
0をオフする。
【0057】以上のように本実施例によれば、走査系の
スタート時において、電磁クラッチ104の連結力を減
少させて移動体102の速度を一旦低下させることがで
きるようなオフ時間間隔で、一定のオン時間のパルス電
圧を正転用電磁クラッチ104に継続的に印加してい
る。すなわち、正転用電磁クラッチ104には、パルス
的に電圧が印加され、これにより、クラッチ104の連
結力は増加/減少を繰り返しながら徐々に増加してい
く。これにより、移動体102には徐々に駆動力が伝達
されるから、この移動体102の移動速度はスムーズに
立ち上がる。移動体102の移動速度が立ち上がるに従
って、正転用電磁クラッチ104の一対の摩擦板の間の
すべり量が少なくなっていく。れにより、移動体102
の移動速度を短い助走距離で定格速度に立ち上げて、か
つ、安定させることができる。したがって、複写機の小
型化に有利であるとともに、画像の劣化も防止できる。
しかも、電磁クラッチへの印加電圧を連続的に変化させ
るような複雑な回路は不要であるから、構成が複雑化す
ることも、コストが過度に増大することもない。
【0058】一方、正転用電磁クラッチ104や逆転用
電磁クラッチ105に印加されるパルス電圧の波形パタ
ーンを複数種類記憶したメモリ310(図5参照。)を
制御回路200に備え、各パルス波形をたとえばディッ
プスイッチ311(図5参照。)で選択する構成とする
こともできる。この構成を採用すれば、製品の出荷時
に、その製品に使用されている電磁クラッチ104,1
05の性能に応じたパルス波形をディップスイッチ31
1で選択したり、保守点検時に、経時変化した電磁クラ
ッチ104,105の性能に応じてパルス波形をディッ
プスイッチ311で選択したりすることができる。これ
により、移動体102の移動速度の立ち上がり特性に、
正転用電磁クラッチ104の個体差に起因したばらつき
が生じることが抑制される。
【0059】なお、パルス波形の記憶は、波形自体を記
憶することもできるが、オン時間Δ ONおよびオフ時間Δ
OFF をいずれも一定とするときには、オン時間ΔONおよ
びオフ時間ΔOFF を複数種類記憶しておけば足りる。ま
た、パルス波形の選択は、ディップスイッチ311以外
の、たとえば複写機に備えられたキー入力部の操作によ
り行われてもよい。
【0060】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例の説明においては、上述の図1乃至図5を
再び参照するとともに、さらに図7を参照する。図7
(a) は移動体102の移動開始初期に制御回路200が
正転用電磁クラッチ104に印加する電圧波形を示す波
形図であり、図7(b) は移動体102の移動速度の時間
変化を示す図である。
【0061】操作者がプリントスイッチ301をオンす
ると、プリントスイッチ301からの操作信号が制御回
路200に入力される。この操作信号に応答して、制御
回路200は出力回路304を通じてメインモータ11
0をオンし、さらに、移動体102が照明走査開始位置
に達するまでの期間にわたって正転用電磁クラッチ10
4に対してパルス電圧を印加する。
【0062】すなわち、図7(a) に示すように、空転期
間から助走期間の初期にわたる期間において、正転用電
磁クラッチ104に対して、オン時間ΔLONが相対的に
長い第1パルスP1が印加される。その後は、第1パル
スP1のオン時間ΔLONよりも相対的に短い一定のオン
時間ΔSONのパルス電圧をオフ時間ΔOFF の間隔で正転
用電磁クラッチ104に印加する。オフ時間ΔOFF は、
正転用電磁クラッチ104の連結力を減少させて走査系
の立ち上がり速度を一旦低下させることができる時間で
ある。このオフ時間ΔOFF は一定値であってもよく、ま
た、時間経過や移動体102の位置に応じて変化する値
であってもよい。図7(a) に示されたパルス波形は一例
であり、この例では、オフ時間ΔOFF は5msec で一定
とされている。また、オン時間ΔSONは5msec とされ
ている。このようなパルス電圧が、たとえば7周期分だ
け継続的に印加される。
【0063】なお、第1パルスP1のオン時間ΔL
ONは、クラッチギア112と従動ギア113との各摩擦
面間の隙間を無くし、クラッチギア112と従動ギア1
13との連結力が、その連結力の最大値の20%乃至5
0%程度となるように設定されている。これにより、先
ず、第1パルスP1に対応したパルス電圧により正転用
電磁クラッチ104のクラッチギア112と従動ギア1
13との摩擦面間の隙間がなくされる。その後に、比較
的短いオン時間ΔSONのパルス電圧が正転用電磁クラッ
チ104に印加される。これにより、移動体102の移
動速度にさほど大きな振動を生じさせることなく、移動
体102を穏やかにスタートさせることができる。そし
て、比較的短い助走距離で移動体102の移動速度を定
格速度まで立ち上げて安定させることができる。
【0064】電磁クラッチ104のクラッチギア112
と従動ギア113との隙間は、第1パルスP1の印加に
より一気に減少するから、助走期間が短くなるばかりで
なく空転期間も短くなる。さらに、電磁クラッチ104
の吸引特性のばらつきに起因して助走期間における移動
体102の挙動にばらつきが生じることを効果的に抑制
でき、また、電磁クラッチ104の接続/遮断が繰り返
されることにより生じる異常音も防止できる。なお、電
磁クラッチ104の吸引特性とは、従動ギア113がク
ラッチギア112の方向に吸引されるときの応答性のこ
とである。
【0065】なお、クラッチギア112や従動ギア11
3の歯数ピッチなどを考慮し、移動体102の移動速度
の振動が光学系2の固有振動を抑制するような振動とな
るようにオン時間ΔLON,ΔSONおよびオフ時間ΔOFF
を定めることが好ましい。これにより、光学系2の固有
振動を抑制できるから、画質を向上できる。移動体10
2が所定の移動速度で画像領域に達すると、制御回路2
00は、正転用電磁クラッチ104に対して連続的に定
格電圧を印加する。これにより、移動体102は、メイ
ンモータ110からの駆動力を得て、等速移動する。そ
して、移動体102がL方向終端位置まで達すると、正
転用電磁クラッチ104はオフされ、制御回路200は
逆転用電磁クラッチ105に対して連続的に定格電圧を
印加する。これにより、移動体102はR方向(図2参
照。)に向かって等速移動し、リターン動作が行われ
る。
【0066】このリターン動作の末期には、移動体10
2は、照明走査開始位置を超えて、再び助走区間に達す
る。このとき、制御回路200は、逆転用電磁クラッチ
105に対して所定のパルス電圧を印加する。このパル
ス電圧は、逆転用電磁クラッチ105のクラッチギア1
14と駆動ギア111との連結力を徐々に減少させるこ
とができるような電圧である。これにより、移動体10
2はスムーズに減速し、ホームポジションで停止する。
その後、制御回路200は、出力回路304を通じてメ
インモータ110をオフする。
【0067】以上のように本実施例によれば、走査スタ
ート時において、正転用電磁クラッチ104に対して、
最初に相対的に長いオン時間ΔLONのパルス電圧を印加
して電磁クラッチ104の摩擦面間の隙間が無くされ
る。そして、その後に、電磁クラッチ104の連結力を
減少させて移動体102の速度が一旦低下するようなオ
フ時間ΔOFF の間隔で一定のオン時間ΔSONのパルス電
圧が電磁クラッチ104に継続的に印加される。これに
より、電磁クラッチ104が徐々に連結される。これに
より、移動体102の移動速度を短い助走距離で定格速
度で安定させることができる。したがって、複写機の小
型化に有利であるとともに、画像の劣化も防止できる。
しかも、電磁クラッチへの印加電圧を連続的に変化させ
るような複雑な回路は不要であるから、構成が複雑化す
ることも、コストが過度に増大することもない。
【0068】さらには、上記の第1実施例の場合と同様
に、正転用電磁クラッチ104や逆転用電磁クラッチ1
05に印加されるパルス電圧の波形を複数種類記憶した
メモリ310(図5参照。)を制御回路200に備え、
各パルス波形をたとえばディップスイッチ311(図5
参照。)で選択する構成とすることもできる。この構成
を採用すれば、製品の出荷時に、その製品に使用されて
いる電磁クラッチ104,105の性能に応じたパルス
波形をディップスイッチ311で選択したり、保守点検
時に、経時変化した電磁クラッチ104,105の性能
に応じてパルス波形をディップスイッチ311で選択し
たりすることができる。これにより、移動体102の移
動速度の立ち上がり特性に、正転用電磁クラッチ104
の個体差に起因したばらつきが生じることが抑制され
る。
【0069】なお、パルス波形の記憶は、波形自体を記
憶することもできるが、オン時間ΔSONおよびオフ時間
ΔOFF ならびに第1パルスP1のオン時間ΔLONを複数
種類記憶しておくようにしてもよい。また、パルス波形
の選択は、ディップスイッチ311以外の、たとえば複
写機に備えられたキー入力部の操作により行われてもよ
い。
【0070】また、走査系の移動を停止させる電磁ブレ
ーキを設け、走査系を停止させる時において、電磁ブレ
ーキに対して最初にオン時間が相対的に長いパルス電圧
を印加し、その後は相対的にオン時間が短いパルス電圧
を移動体102が停止するまで印加するよう構成すれ
ば、移動体102を穏やかに停止させることができる。
次に、本発明の第3実施例について説明する。本実施例
の説明においては、上述の図1乃至図5を再び参照する
とともに、さらに図8を参照する。
【0071】図8(a) は移動体102の移動開始初期に
制御回路200が正転用電磁クラッチ104に印加する
電圧波形を示す波形図であり、図8(b) は移動体102
の移動速度の時間変化を示す図である。操作者がプリン
トスイッチ301をオンすると、プリントスイッチ30
1からの操作信号が制御回路200に入力される。この
操作信号に応答して、制御回路200は出力回路304
を通じてメインモータ110をオンし、さらに、移動体
102が照明走査開始位置に達するまでの期間にわたっ
て正転用電磁クラッチ104に対してパルス電圧を印加
する。
【0072】すなわち、図8(a) に示すように、制御回
路200は、空転期間から助走期間の前半から中盤に渡
る期間T1には、オン時間ΔONが一定のパルス電圧を一
定のオフ時間ΔOFF の間隔で正転用電磁クラッチ104
に印加する。オフ時間ΔOFFは、電磁クラッチ104の
連結力をわずかに減少させて移動体102の速度を一旦
低下させることができるような時間である。この期間T
1におけるオフ時間Δ OFF は一定値であってもよく、ま
た、時間経過や移動体102の位置に応じて変化する値
であってもよい。図8(a) に示されたパルス波形は一例
であり、この例では、期間T1におけるオフ時間ΔOFF
は5msec で一定とされている。また、期間T1におけ
るオン時間ΔONは5msec とされている。このようなパ
ルス電圧が、たとえば7周期分だけ継続的に印加され
る。
【0073】期間T1につづく、助走期間の後半の期間
T2には、パルス周期Pcは一定のままで、オン時間Δ
ONを徐々に長くしたパルス電圧が電磁クラッチ104に
印加される。換言すれば、パルス含有率が徐々に増加さ
せられる。たとえば、図8(a) に示された例では、第8
パルスP8のオン時間ΔONは6msec であり、この第8
パルスP8に続くオフ時間ΔOFF は4msec とされてい
る。また、第9パルスP9のオン時間ΔONは7msec と
され、それに続くオフ時間ΔOFF は3msec となってい
る。さらに、第10パルスP10のオン時間ΔONは8m
sec とされ、それに続くオフ時間ΔOFF は2msec とさ
れている。
【0074】このように、パルス含有率を徐々に増加さ
せることにより、電磁クラッチ104では、従動ギア1
3をクラッチギア112側に完全に吸引することができ
る。その結果、移動体102が照明走査開始位置に達す
る以前に、電磁クラッチ104を完全接続状態に至らせ
ることができる。これにより、原稿の照明走査が行われ
る画像形成期間には、電磁クラッチ104は、確実に、
完全な接続状態となっている。
【0075】このように、本実施例では、空転期間およ
び助走期間の前半から中盤にかけての期間T1には、オ
フ時間ΔOFF は、正転用電磁クラッチ104のクラッチ
ギア112と従動ギア113との連結力をわずかに減少
させることができる長さに設定されている。このため、
図8(b) に示すように、移動体102の移動速度は、さ
ほど大きな振動を生じることなく徐々に立ち上がり、す
みやかに安定する。したがって、移動体102を図2の
L方向に向けて穏やかにスタートさせることができる。
そして、助走期間の中盤から末期にかけての期間T2に
は、電磁クラッチ104に印加されるパルス電圧のパル
ス含有率が徐々に増大させられ、移動体102が照明走
査開始位置に達するまでには、電磁クラッチ104は完
全接続状態となる。その結果、助走期間に続く画像形成
期間には、メインモータ110からの駆動力を移動体1
02に安定に伝達することができる。
【0076】また、助走期間の後半においては、電磁ク
ラッチ104は完全な連結状態に至るから、正転用電磁
クラッチ104にトルクの大小のような個体差がある場
合でも、走査スタート時の制御が終わるまでに移動体1
02をL方向(図2参照。)に向かって安定に駆動する
ことができる。よって、正転用電磁クラッチ104の性
能の個体差のために、移動速度の立ち上がり時の挙動に
ばらつきが生じる場合でも、助走期間につづく画像形成
期間には、原稿を等速で安定に走査できる。
【0077】なお、本実施例においても、クラッチギア
112や従動ギア113などの歯数ピッチなどを考慮
し、移動体102の移動速度の振動が光学系2の固有振
動を抑制するような振動となるようにオン時間ΔONおよ
びオフ時間ΔOFF を定めることが好ましい。これによ
り、光学系2の固有振動を抑制できるから、画質を向上
できる。
【0078】移動体102が所定の移動速度で画像領域
に達すると、制御回路200は、正転用電磁クラッチ1
04に対して連続的に定格電圧を印加する。これによ
り、走査系は、メインモータ110からの駆動力を得
て、等速移動する。そして、移動体102がL方向終端
位置まで達すると、正転用電磁クラッチ104はオフさ
れ、制御回路200は逆転用電磁クラッチ105に対し
て連続的に定格電圧を印加する。これにより、移動体1
02はR方向(図2参照。)に向かって等速移動し、リ
ターン動作が行われる。
【0079】このリターン動作の末期には、移動体10
2は照明走査開始位置を超えて再び助走区間に達する。
このとき、制御回路200は、逆転用電磁クラッチ10
5に対して所定のパルス電圧を印加する。このパルス電
圧は、逆転用電磁クラッチ105のクラッチギア114
と駆動ギア111との連結力を徐々に減少させることが
できるような電圧である。これにより、移動体102は
スムーズに減速し、ホームポジションで停止する。その
後、制御回路200は、出力回路304を通じてメイン
モータ110をオフする。
【0080】以上のように本実施例によれば、走査スタ
ート時において、移動体102の移動速度を短い助走距
離で定格速度に立ち上げて安定させることができる。し
たがって、複写機の小型化に有利であるとともに、画像
の劣化も防止できる。しかも、電磁クラッチへの印加電
圧を連続的に変化させるような複雑な回路は不要である
から、構成が複雑化することも、コストが過度に増大す
ることもない。
【0081】本実施例においても上記の第1実施例およ
び第2実施例と同様に、正転用電磁クラッチ104や逆
転用電磁クラッチ105に印加されるパルス電圧波形を
複数種類記憶したメモリ310(図5参照。)を制御回
路200に備え、各パルス波形をたとえばディップスイ
ッチ311(図5参照。)で選択する構成とすることも
できる。この構成を採用すれば、電磁クラッチ104,
105の個体差や経時変化に容易に対処して、移動体1
02の移動速度の立ち上がり特性を一定に保持すること
ができる。
【0082】なお、パルス波形の記憶は、波形自体を記
憶することもできるが、各期間におけるオン時間ΔON
よびオフ時間ΔOFF を複数種類記憶するようにしてもよ
い。また、パルス波形の選択は、たとえば複写機に備え
られたキー入力部の操作により行われてもよい。次に、
本発明の第4実施例について説明する。本実施例の説明
においては、上述の図1乃至図5を再び参照するととも
に、さらに図9を参照する。
【0083】図9(a) は移動体102の移動開始初期に
制御回路200が正転用電磁クラッチ104に印加する
電圧波形を示す波形図であり、図9(b) は移動体102
の移動速度の時間変化を示す図である。操作者がプリン
トスイッチ301をオンすると、プリントスイッチ30
1からの操作信号が制御回路200に入力される。この
操作信号に応答して、制御回路200は出力回路304
を通じてメインモータ110をオンし、さらに、移動体
102が照明走査開始位置に達するまでの期間にわたっ
て正転用電磁クラッチ104に対してパルス電圧を印加
する。
【0084】すなわち、図9(a) に示すように、空転期
間から助走期間の初期にわたる期間において、正転用電
磁クラッチ104に対して、オン時間ΔLONが相対的に
長い長パルスとしての第1パルスP1が印加される。そ
の後は、画像形成期間の初期までの期間において第1パ
ルスP1のオン時間ΔLONよりも相対的に短い一定のオ
ン時間ΔSONのパルス電圧をオフ時間ΔOFF の間隔で正
転用電磁クラッチ104に印加する。これが短パルスで
ある。オフ時間ΔOFF は、正転用電磁クラッチ104の
連結力を減少させて走査系の立ち上がり速度を一旦低下
させることができる時間である。このオフ時間ΔOFF
一定値であってもよく、また、時間経過や移動体102
の位置に応じて変化する値であってもよい。図9(a) に
示されたパルス波形は一例であり、この例では、オフ時
間ΔOFF は5msec で一定とされている。また、オン時
間ΔSONは5msec とされている。このようなパルス電
圧が、たとえば7周期分だけ継続的に印加される。
【0085】期間T10につづく期間T20には、パル
ス周期Pcは一定のままで、オン時間ΔONを長くしたパ
ルス電圧が電磁クラッチ104に印加される。換言すれ
ば、パルス含有率が増加させられる。たとえば、図9
(a) に示された例では、第9パルスP9および第10パ
ルスP10のオン時間ΔONは7msec であり、オフ時間
ΔOFF は3msec とされている。この第9パルスP9お
よび第10パルスP10が中パルスに相当する。
【0086】このように、パルス電圧を印加している期
間の末期にパルス含有率を大きくすることにより、電磁
クラッチ104では、従動ギア13をクラッチギア11
2側に完全に吸引することができる。その結果、画像形
成期間には、電磁クラッチ104を完全接続状態に至ら
せることができる。なお、第1パルスP1のオン時間Δ
ONは、クラッチギア112と従動ギア113との各摩
擦面間の隙間を無くし、クラッチギア112と従動ギア
113との連結力が、その連結力の最大値の20%乃至
50%程度となるように設定されている。
【0087】これにより、先ず、第1パルスP1に対応
したパルス電圧により正転用電磁クラッチ104のクラ
ッチギア112と従動ギア113との摩擦面間の隙間が
なくされる。その後に、比較的短いオン時間ΔSONのパ
ルス電圧が正転用電磁クラッチ104に印加される。こ
れにより、移動体102の移動速度にさほど大きな振動
を生じさせることなく、移動体102を穏やかにスター
トさせることができる。そして、比較的短い助走距離で
移動体102の移動速度を定格速度まで立ち上げて安定
させることができる。
【0088】電磁クラッチ104のクラッチギア112
と従動ギア113との隙間は、第1パルスP1の印加に
より一気に減少するから、助走期間が短くなるばかりで
なく空転期間も短くなる。さらに、電磁クラッチ104
の吸引特性のばらつきに起因して助走期間における移動
体102の挙動にばらつきが生じることを効果的に抑制
でき、また、電磁クラッチ104の接続/遮断が繰り返
されることにより生じる異常音も防止できる。なお、電
磁クラッチ104の吸引特性とは、従動ギア113がク
ラッチギア112の方向に吸引されるときの応答性のこ
とである。
【0089】一方、空転期間および助走期間の前半から
中盤にかけての第1パルスP1の印加後の期間T10に
は、オフ時間ΔOFF は、正転用電磁クラッチ104のク
ラッチギア112と従動ギア113との連結力をわずか
に減少させることができる長さに設定されている。この
ため、図9(b) に示すように、移動体102の移動速度
は、さほど大きな振動を生じることなく徐々に立ち上が
り、すみやかに安定する。したがって、移動体102を
図2のL方向に向けて穏やかにスタートさせることがで
きる。期間T10の後の期間T20には、電磁クラッチ
104に印加されるパルス電圧のオン時間ΔONが増大さ
せられる。これにより、画像形成期間には、電磁クラッ
チ104は確実に完全接続状態となるから、メインモー
タ110からの駆動力を移動体102に安定に伝達する
ことができる。したがって、画像形成期間には、原稿を
等速で安定に走査できる。
【0090】なお、クラッチギア112や従動ギア11
3の歯数ピッチなどを考慮し、移動体102の移動速度
の振動が光学系2の固有振動を抑制するような振動とな
るようにオン時間ΔLON,ΔSON,ΔONおよびオフ時間
ΔOFF を定めることが好ましい。これにより、光学系2
の固有振動を抑制できるから、画質を向上できる。移動
体102が所定の移動速度で画像領域に達すると、制御
回路200は、正転用電磁クラッチ104に対して連続
的に定格電圧を印加する。これにより、移動体102
は、メインモータ110からの駆動力を得て、等速移動
する。そして、移動体102がL方向終端位置まで達す
ると、正転用電磁クラッチ104はオフされ、制御回路
200は逆転用電磁クラッチ105に対して連続的に定
格電圧を印加する。これにより、移動体102はR方向
(図2参照。)に向かって等速移動し、リターン動作が
行われる。
【0091】このリターン動作の末期には、移動体10
2は、照明走査開始位置を超えて、再び助走区間に達す
る。このとき、制御回路200は、逆転用電磁クラッチ
105に対して所定のパルス電圧を印加する。このパル
ス電圧は、逆転用電磁クラッチ105のクラッチギア1
14と駆動ギア111との連結力を徐々に減少させるこ
とができるような電圧である。これにより、移動体10
2はスムーズに減速し、ホームポジションで停止する。
その後、制御回路200は、出力回路304を通じてメ
インモータ110をオフする。
【0092】以上のように本実施例によれば、走査スタ
ート時において、正転用電磁クラッチ104に対して、
最初に相対的に長いオン時間ΔLONのパルス電圧を印加
して電磁クラッチ104の摩擦面間の隙間が無くされ
る。そして、その後に、電磁クラッチ104の連結力を
減少させて移動体102の速度が一旦低下するようなオ
フ時間ΔOFF の間隔で一定のオン時間ΔSONのパルス電
圧が電磁クラッチ104に継続的に印加される。これに
より、電磁クラッチ104が徐々に連結される。これに
より、移動体102の移動速度を短い助走距離で定格速
度で安定させることができる。したがって、複写機の小
型化に有利であるとともに、画像の劣化も防止できる。
しかも、電磁クラッチへの印加電圧を連続的に変化させ
るような複雑な回路は不要であるから、構成が複雑化す
ることも、コストが過度に増大することもない。
【0093】また、電磁クラッチ104にパルス電圧が
印加される期間の末期にはパルス電圧のパルス幅が増加
させられるから、画像形成期間には電磁クラッチ104
は確実に完全接続状態となっている。そのため、原稿の
走査を安定に行える。さらには、上記の第1実施例の場
合と同様に、正転用電磁クラッチ104や逆転用電磁ク
ラッチ105に印加されるパルス電圧の波形を複数種類
記憶したメモリ310(図5参照。)を制御回路200
に備え、各パルス波形をたとえばディップスイッチ31
1(図5参照。)で選択する構成とすることもできる。
この構成を採用すれば、製品の出荷時に、その製品に使
用されている電磁クラッチ104,105の性能に応じ
たパルス波形をディップスイッチ311で選択したり、
保守点検時に、経時変化した電磁クラッチ104,10
5の性能に応じてパルス波形をディップスイッチ311
で選択したりすることができる。これにより、移動体1
02の移動速度の立ち上がり特性に、正転用電磁クラッ
チ104の個体差に起因したばらつきが生じることが抑
制される。
【0094】なお、パルス波形の記憶は、波形自体を記
憶することもできるが、オン時間ΔΔLON,SON,ΔON
およびオフ時間ΔOFF を複数種類記憶しておくようにし
てもよい。また、パルス波形の選択は、ディップスイッ
チ311以外の、たとえば複写機に備えられたキー入力
部の操作により行われてもよい。また、走査系の移動を
停止させる電磁ブレーキを設け、走査系を停止させる時
において、電磁ブレーキに対して最初にオン時間が相対
的に長いパルス電圧を印加し、その後は相対的にオン時
間が短いパルス電圧を移動体102が停止するまで印加
するよう構成すれば、移動体102を穏やかに停止させ
ることができる。
【0095】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。本実施例の説明においては、上述の図1乃至図5を
再び参照するとともに、さらに図10を参照する。図1
0(a) は移動体102の移動開始初期に制御回路200
が正転用電磁クラッチ104に印加する電圧波形を示す
波形図であり、図10(b) は移動体102の移動速度の
時間変化を示す図である。
【0096】操作者がプリントスイッチ301をオンす
ると、プリントスイッチ301からの操作信号が制御回
路200に入力される。この操作信号に応答して、制御
回路200は出力回路304を通じてメインモータ11
0をオンし、さらに、移動体102が照明走査開始位置
に達するまでの期間にわたって正転用電磁クラッチ10
4に対してパルス電圧を印加する。
【0097】すなわち、図10(a) に示すように、走査
系のスタート時において、一定のオン時間ΔONのパルス
電圧を一定のオフ時間ΔOFF の間隔で正転用電磁クラッ
チ104に印加する。オン時間ΔONおよびオフ時間Δ
OFF は、正転用電磁クラッチ104の連結力を等速的に
増加させることができる一定値に設定されている。した
がって、走査系のスタート時に電磁クラッチ105に印
加されるパルス電圧のパルス含有率は一定である。
【0098】たとえば、図10(a) に示されたパルス波
形では、オフ時間ΔOFF は5msecで一定とされてい
る。また、オン時間ΔONは5msec で一定とされてい
る。このようなパルス電圧が、たとえば9周期分だけ継
続的に印加される。このような走査系スタート時におけ
る電磁クラッチ105への印加電圧の制御により、正転
用電磁クラッチ104におけるクラッチギア112と従
動ギア113との連結力は等速的に増加する。すなわ
ち、連結力が加速度的に増大することがない。そのた
め、移動体102の移動速度の振動を一層効果的に抑制
できる。これにより、移動体102を穏やかにスタート
させることできる。そして、比較的短い助走距離で移動
体102の移動速度を定格速度で安定させることができ
る。
【0099】なお、クラッチギア112や従動ギア11
3の歯数ピッチなどを考慮し、移動体102の移動速度
の振動が光学系2の固有振動を抑制するような振動とな
るようにオン時間ΔONおよびオフ時間ΔOFF を定めるこ
とが好ましい。これにより、光学系2の固有振動を抑制
できるから、画質を向上できる。移動体102が所定の
移動速度で画像領域に達すると、制御回路200は、正
転用電磁クラッチ104に対して連続的に定格電圧を印
加する。これにより、走査系は、メインモータ110か
らの駆動力を得て、等速移動する。そして、移動体10
2がL方向終端位置まで達すると、正転用電磁クラッチ
104はオフされ、制御回路200は逆転用電磁クラッ
チ105に対して連続的に定格電圧を印加する。これに
より、移動体102はR方向(図2参照。)に向かって
等速移動し、リターン動作が行われる。
【0100】このリターン動作の末期には、移動体10
2は照明走査開始位置を超えて再び助走区間に達する。
このとき、制御回路200は、逆転用電磁クラッチ10
5に対して所定のパルス電圧を印加する。このパルス電
圧は、逆転用電磁クラッチ105のクラッチギア114
と駆動ギア111との連結力を徐々に減少させることが
できるような電圧である。これにより、移動体102は
スムーズに減速し、ホームポジションで停止する。その
後、制御回路200は、出力回路304を通じてメイン
モータ110をオフする。
【0101】以上のように本実施例によれば、走査系の
スタート時において、電磁クラッチ104の連結力が等
速的に増加するような一定のパルス含有率のパルス電圧
が当該電磁クラッチ104に印加される。これにより、
移動体102の移動速度を短い助走距離で定格速度に立
ち上げて安定させることができる。したがって、複写機
の小型化に有利であるとともに、画像の劣化も防止でき
る。しかも、電磁クラッチへの印加電圧を連続的に変化
させるような複雑な回路は不要であるから、構成が複雑
化することも、コストが過度に増大することもない。
【0102】また、トルクの大小にかかわらず、どのよ
うなクラッチにおいてもほぼ類似した立ち上がり波形を
得ることができる。さらに、本実施例においても、上記
の第1乃至第4実施例と同様に、正転用電磁クラッチ1
04や逆転用電磁クラッチ105に印加されるパルス電
圧波形を複数種類記憶したメモリ310(図5参照。)
を制御回路200に備え、各パルス波形をたとえばディ
ップスイッチ311(図5参照。)で選択する構成とす
ることもできる。この構成を採用すれば、電磁クラッチ
104,105の個体差や経時変化にも、容易に対処す
ることができる。
【0103】なお、パルス波形の記憶は、波形自体を記
憶することもできるが、オン時間Δ ONおよびオフ時間Δ
OFF を複数種類記憶するようにしてもよい。また、パル
ス波形の選択は、たとえば複写機に備えられたキー入力
部の操作により行われてもよい。また、走査系の移動を
停止させる電磁ブレーキを設け、移動体102を停止さ
せる時において、電磁ブレーキに対して一定のパルス含
有率でパルス電圧を印加するよう構成すれば、移動体1
02を穏やかに停止させることができる。
【0104】なお、上記の第1乃至第5実施例では、ア
ナログ複写機を例にとって説明したが、本発明はイメー
ジセンサにより画像を読み取り、読み取られた画像をデ
ィジタル処理し、このディジタル処理により得られたデ
ータに基づいて原稿の複写像を形成するディジタル複写
機にも適用できる。また、本発明は、複写機に限らず、
イメージスキャナなどのように、原稿を光学的に読み取
る装置に対して広く適用することができる。さらに、原
稿を走査する走査系以外の任意の走査系にも、本発明は
適用可能である。
【0105】本発明の実施例について詳細に説明してき
たが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするため
に用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例
に限定して狭義に解釈されるべきではなく、本発明の要
旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことができ
る。
【0106】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電磁クラ
ッチを接続/遮断するのではなく、電磁クラッチを遮断
状態から半接続状態に至らせ、この半接続状態で連結力
の増加/減少が繰り返される。これにより、走査系を穏
やかにスタートさせることができ、しかも、その移動速
度を速やかに安定させることができる。したがって、走
査系の助走距離が短くなり、しかも、走査系の移動速度
の振動も抑制できる。
【0107】また、電磁クラッチの各個体に対応して上
記の条件が満たされるようなパルス電圧を印加するよう
にすれば、個々の電磁クラッチにおける連結力のばらつ
きの影響を排除して、走査系の移動速度の振動を少なく
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例が適用される複写機の内部構成
を示す概略図である。
【図2】走査系の駆動装置の構成を示す平面図である。
【図3】駆動装置のギアの噛み合いを示す図である。
【図4】(a) は正転時の電磁クラッチの状態を示す図で
あり、(b) は逆転時の電磁クラッチの状態を示す図であ
る。
【図5】走査系の駆動装置のブロック図である。
【図6】(a) は本発明の第1実施例において走査系スタ
ート時に電磁クラッチに印加される電圧の波形図であ
り、(b) は本発明の第1実施例における走査系スタート
時の走査系の移動速度の時間変化を示す図である。
【図7】(a) は本発明の第2実施例において走査系スタ
ート時に電磁クラッチに印加される電圧の波形図であ
り、(b) は本発明の第2実施例における走査系スタート
時の走査系の移動速度の時間変化を示す図である。
【図8】(a) は本発明の第3実施例において走査系スタ
ート時に電磁クラッチに印加される電圧の波形図であ
り、(b) は本発明の第3実施例における走査系スタート
時の走査系の移動速度の時間変化を示す図である。
【図9】(a) は本発明の第4実施例において走査系スタ
ート時に電磁クラッチに印加される電圧の波形図であ
り、(b) は本発明の第4実施例における走査系スタート
時の走査系の移動速度の時間変化を示す図である。
【図10】(a) は本発明の第5実施例において走査系ス
タート時に電磁クラッチに印加される電圧の波形図であ
り、(b) は本発明の第5実施例における走査系スタート
時の走査系の移動速度の時間変化を示す図である。
【図11】(a) は走査系の助走領域を長くした従来の走
査系の駆動装置に係る電磁クラッチに対する印加電圧の
波形図であり、(b) はその従来技術における走査系の移
動速度の時間変化を示す図である。
【図12】(a) は電磁クラッチに対する印加電圧を徐々
に増加させる従来の走査系の駆動装置に係る電磁クラッ
チに対する印加電圧の波形図であり、(b) はその従来技
術における走査系の移動速度の時間変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 光学系 100 駆動装置 102 移動体 104 正転用電磁クラッチ 105 逆転用電磁クラッチ 110 メインモータ 200 制御回路 300 電源 310 メモリ 311 ディップスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−312609 (32)優先日 平3(1991)11月27日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 永島 高志 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 林 大介 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 楠本 弘 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−134375(JP,A) 特開 昭64−50076(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 27/50 H02P 15/00 H04N 1/04

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定の慣性質量を有する走査系と、 上記走査系を一定速度で駆動するための駆動力を出力す
    る駆動源と、 上記走査系に上記駆動源からの駆動力を伝達するための
    電磁クラッチであって、その連結力と上記走査系の慣性
    質量と上記駆動源の駆動力との関係によって、上記駆動
    源の駆動力が上記走査系に全く伝わらない遮断状態と上
    記駆動源の駆動力が上記走査系にそのまま伝わる完全接
    続状態との間の中間的な状態である半接続状態となり
    得、上記半接続状態では単位時間当たりの平均印加電圧
    の大小によって連結力が変化する電磁クラッチと、 一定時間以上上記電磁クラッチに印加することにより、
    この電磁クラッチを上記完全接続状態に至らせることが
    できる定格電圧を発生する電源と、 上記走査系の走査開始時において、上記電磁クラッチ
    に、この電磁クラッチの連結力を減少させて上記走査系
    の速度を一旦低下させることができるオフ時間間隔で、
    上記電源が発生する定格電圧をパルス的に印加し、電磁
    クラッチの連結力を徐々に増加させる制御手段とを含む
    ことを特徴とする走査系の駆動装置。
  2. 【請求項2】一定の慣性質量を有する走査系と、 上記走査系を一定速度で駆動するための駆動力を出力す
    る駆動源と、 上記走査系に上記駆動源からの駆動力を伝達するための
    電磁クラッチであって、その連結力と上記走査系の慣性
    質量と上記駆動源の駆動力との関係によって、上記駆動
    源の駆動力が上記走査系に全く伝わらない遮断状態と上
    記駆動源の駆動力が上記走査系にそのまま伝わる完全接
    続状態との間の中間的な状態である半接続状態となり
    得、上記半接続状態では単位時間当たりの平均印加電圧
    の大小によって連結力が変化する電磁クラッチと、 一定時間以上上記電磁クラッチに印加することにより、
    この電磁クラッチを上記完全接続状態に至らせることが
    できる定格電圧を発生する電源と、 上記走査系の走査開始時において、上記電磁クラッチ
    に、当初の所定期間は相対的に長いパルス幅で上記電源
    が発生する定格電圧をパルス的に印加し、上記所定期間
    の経過後は上記走査系の速度が所定速度に立ち上がるま
    で相対的にオン時間が短いパルス幅で上記定格電圧をパ
    ルス的に印加して電磁クラッチの連結力を徐々に増加さ
    せる制御手段とを含むことを特徴とする走査系の駆動装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の走査系の駆動装置におい
    て、 上記制御手段は、走査系の走査開始時において、上記電
    磁クラッチに上記定格電圧をパルス的に与える際に、ま
    ず、比較的パルス幅の長い第1パルスを与え、その後
    は、比較的パルス幅の短い第2パルス以降のパルスを所
    定のオフ時間間隔で上記走査系の速度が所定速度に立ち
    上がるまで印加するものであることを特徴とする。
  4. 【請求項4】請求項3記載の走査系の駆動装置におい
    て、 上記第1パルスのパルス幅は、この第1パルスを上記電
    磁クラッチに印加することで、上記電磁クラッチの最大
    連結力の20%乃至50%の連結力が得られるように設
    定されていることを特徴とする。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の走査系の駆動装置
    において、 上記第2パルス以降のパルスが上記電磁クラッチに印加
    されるときのオフ時間間隔は、上記走査系の速度が一旦
    低下するように上記電磁クラッチの連結力を低下させる
    ことができる時間に設定されていることを特徴とする。
  6. 【請求項6】一定の慣性質量を有する走査系と、 上記走査系を一定速度で駆動するための駆動力を出力す
    る駆動源と、 上記走査系に上記駆動源からの駆動力を伝達するための
    電磁クラッチであって、その連結力と上記走査系の慣性
    質量と上記駆動源の駆動力との関係によって、上記駆動
    源の駆動力が上記走査系に全く伝わらない遮断状態と上
    記駆動源の駆動力が上記走査系にそのまま伝わる完全接
    続状態との間の中間的な状態である半接続状態となり
    得、上記半接続状態では単位時間当たりの平均印加電圧
    の大小によって連結力が変化する電磁クラッチと、 一定時間以上上記電磁クラッチに印加することにより、
    この電磁クラッチを上記完全接続状態に至らせることが
    できる定格電圧を発生する電源と、 上記走査系の走査開始時において、上記電磁クラッチ
    に、上記電源が発生する定格電圧を所定のパルス含有率
    を有するようにパルス的に印加してその連結力を徐々に
    増大させるとともに、そのパルス含有率を時間経過に伴
    って増大させる制御手段とを含むことを特徴とする走査
    系の駆動装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の走査系の駆動装置におい
    て、 上記制御手段は、パルス周期は不変に保ち、パルス含有
    率のみを変化させるものであることを特徴とする。
  8. 【請求項8】一定の慣性質量を有する走査系と、 上記走査系を一定速度で駆動するための駆動力を出力す
    る駆動源と、 上記走査系に上記駆動源からの駆動力を伝達するための
    電磁クラッチであって、その連結力と上記走査系の慣性
    質量と上記駆動源の駆動力との関係によって、上記駆動
    源の駆動力が上記走査系に全く伝わらない遮断状態と上
    記駆動源の駆動力が上記走査系にそのまま伝わる完全接
    続状態との間の中間的な状態である半接続状態となり
    得、上記半接続状態では単位時間当たりの平均印加電圧
    の大小によって連結力が変化する電磁クラッチと、 一定時間以上上記電磁クラッチに印加することにより、
    この電磁クラッチを上記完全接続状態に至らせることが
    できる定格電圧を発生する電源と、 上記走査系の走査開始時において、上記電磁クラッチに
    当初の期間には相対的に長いパルス幅で上記電源が発生
    する定格電圧をパルス的に印加し、その後は相対的に短
    いパルス幅で上記電源が発生する定格電圧をパルス的に
    印加してその連結力を徐々に増大させるとともに、その
    パルス含有率を時間経過に伴って増大させる制御手段と
    を含むことを特徴とする走査系の駆動装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の走査系の駆動装置におい
    て、 上記制御手段は、パルス含有率を時間経過に伴って増大
    させる際に、パルス周期は不変に保つものであることを
    特徴とする。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載の走査系の駆動装
    置において、 上記制御手段は、走査系の走査時において、上記電磁ク
    ラッチに定格電圧をパルス的に与える際に、まず、比較
    的パルス幅の長い長パルスを与え、その後の所定期間に
    は比較的パルス幅の短い複数の短パルスを与え、その所
    定期間の経過後には長パルスのパルス幅よりも短く短パ
    ルスのパルス幅よりも長いパルス幅を有する1つ以上の
    中パルスを与えることを特徴とする。
  11. 【請求項11】請求項10記載の走査系の駆動装置にお
    いて、 上記長パルスのパルス幅は、この長パルスを上記電磁ク
    ラッチに印加することで、上記電磁クラッチの最大連結
    力の20%乃至50%の連結力が得られるように設定さ
    れていることを特徴とする。
  12. 【請求項12】請求項10または11記載の走査系の駆
    動装置において、 上記短パルスが上記電磁クラッチに印加されるときのオ
    フ時間は、上記走査系の速度が一旦低下するように上記
    電磁クラッチに連結力を低下させることができる時間に
    設定されていることを特徴とする。
  13. 【請求項13】一定の慣性質量を有する走査系と、 上記走査系を一定速度で駆動するための駆動力を出力す
    る駆動源と、 上記走査系に上記駆動源からの駆動力を伝達するための
    電磁クラッチであって、その連結力と上記走査系の慣性
    質量と上記駆動源の駆動力との関係によって、上記駆動
    源の駆動力が上記走査系に全く伝わらない遮断状態と上
    記駆動源の駆動力が上記走査系にそのまま伝わる完全接
    続状態との間の中間的な状態である半接続状態となり
    得、上記半接続状態では単位時間当たりの平均印加電圧
    の大小によって連結力が変化する電磁クラッチと、 一定時間以上上記電磁クラッチに印加することにより、
    この電磁クラッチを上記完全接続状態に至らせることが
    できる定格電圧を発生する電源と、 上記走査系の走査開始時において、上記電磁クラッチ
    に、上記電源が発生する定格電圧を、上記電磁クラッチ
    の連結力が等速的に増大するようなパルス含有率を有す
    るようにパルス的に印加する制御手段とを含むことを特
    徴とする走査系の駆動装置。
  14. 【請求項14】請求項1乃至13のいずれかに記載の走
    査系の駆動装置において、 上記走査系の走査開始時に上記電磁クラッチに印加され
    るパルス電圧波形は、上記走査系の固有振動を抑制する
    ことができるように設定されていることを特徴とする。
  15. 【請求項15】請求項1乃至14のいずれかに記載の走
    査系の駆動装置において、 上記走査系の走査開始時に上記電磁クラッチに印加され
    るパルス電圧波形を可変設定するパルス波形設定手段を
    さらに含むことを特徴とする。
  16. 【請求項16】請求項15記載の走査系の駆動装置にお
    いて、 上記パルス波形設定手段は、走査開始時に上記電磁クラ
    ッチに印加されるパルス電圧波形を複数種類記憶した記
    憶手段と、 この記憶手段に記憶された複数種類のパルス電圧波形か
    ら任意のパルス電圧波形を選択する手段とを含むことを
    特徴とする。
  17. 【請求項17】請求項1乃至16のいずれかに記載の走
    査系の駆動装置において、 上記駆動源からの駆動力を、上記走査系が上記電磁クラ
    ッチを介して与えられる駆動力により駆動される方向と
    は逆方向に駆動されるように上記走査系に伝達する逆転
    用電磁クラッチであって、その連結力と上記走査系の慣
    性質量と上記駆動源の駆動力との関係によって、上記駆
    動源の駆動力が上記走査系に全く伝わらない遮断状態と
    上記駆動源の駆動力が上記走査系にそのまま伝わる完全
    接続状態との間の中間的な状態である半接続状態となり
    得、上記半接続状態では単位時間当たりの平均印加電圧
    の大小によって連結力が変化する逆転用電磁クラッチを
    さらに含み、 上記制御手段は、上記走査系が移動終端位置に達したこ
    とに応答して上記逆転用電磁クラッチに上記電源からの
    定格電圧を連続的に印加し、上記走査系が初期位置に戻
    る直前の期間には、上記逆転用電磁クラッチに、上記電
    源からの定格電圧をパルス的に印加するものであること
    を特徴とする。
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