JP2744366B2 - 複写機 - Google Patents

複写機

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JP2744366B2
JP2744366B2 JP3230609A JP23060991A JP2744366B2 JP 2744366 B2 JP2744366 B2 JP 2744366B2 JP 3230609 A JP3230609 A JP 3230609A JP 23060991 A JP23060991 A JP 23060991A JP 2744366 B2 JP2744366 B2 JP 2744366B2
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  • Optical Systems Of Projection Type Copiers (AREA)
  • Stopping Of Electric Motors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、読取位置に載置された
原稿に対して、光学系を移動させることによって原稿像
の読取露光動作を行う複写機に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、複写機で実施されている原稿像の
読取露光方法には、下記の2種類の方法がある。
【0003】読取位置を成す透明ガラスの一方表面上
に原稿を載置し、前記透明ガラスの他方表面側に光学系
を配置し、この光学系を移動させながら原稿面に光を照
射して原稿像を読取る。
【0004】光学系を固定して読取位置を設定し、こ
の読取位置上を通過するように原稿を搬送しながら、光
学系から光を照射して原稿像を読取る。
【0005】上記の方法が採用されている複写機の場
合、光学系はまず予め定める初期位置に停止している。
操作者によってコピースイッチが操作されると、光学系
はモータによって駆動され、予め定める走査方向に移動
を開始する。モータの回転数が予め定める回転数、すな
わち光学系が予め定める速度に達した時点(読取開始位
置)から原稿像の読取露光動作が開始される。したがっ
て、前記初期位置は、読取開始位置から一定距離だけ前
記走査方向の上流側に設定される。
【0006】原稿像の読取露光動作が終了すると、光学
系は一旦停止し、その後、直ちに前記初期位置への復帰
動作、すなわち走査方向とは逆方向への移動が開始され
る。
【0007】図13は、光学系の復帰動作時の制動制御
を説明するためのタイミングチャートである。光学系が
初期位置に近づくと、逆転制動(プラッキング)が行わ
れる。プラッキングとは、現在のモータの回転方向とは
反対方向に回転するようにモータに電流を与え、急激に
回転を停止させる制動方法である。
【0008】図13(1)において、1点鎖線L1はモ
ータの目標速度を示しており、実線L2はモータの実際
の速度変化を示している。従来のプラッキングでは、目
標速度と実際の速度とを比較しながら、図13(2)に
示すように、予め定めるモータ電流ImのON/OFF
を制御して、モータを目標速度に近づけるように制御し
ている。つまり、実際の速度が目標速度よりも大きい場
合に、モータに電流が供給される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のプラッキングに
よる制動制御の場合、モータの回転数が低下してきたと
きに比較的大きな逆転電流をON/OFFさせると、図
13(1)に示すように、モータの回転数は目標速度を
挟んで上下に振動してしまう。このため、光学系のミラ
ーベースのように比較的慣性モーメントの大きい物体の
場合、比較的長時間にわたって振動を続けることにな
る。したがって、モータ電流Imを「0」とし、モータ
の回転数が「0」となるべき光学系の初期位置での停止
期間においても、図13(1)の時刻ta以降に示すよ
うに、前記光学系の振動によってモータの回転数は0r
pmを挟んで変化してしまう。
【0010】もし、この光学系の振動が完全に停止する
前に、次のコピー動作を開始すると、原稿像の読取開始
位置においても、初期位置での振動に起因する回転数の
乱れが生じる。これによって、読取られた原稿像に乱れ
が生じ、いわゆる複写のぶれが発生する。
【0011】本発明の目的は、予め定める停止位置であ
る初期位置における光学系の振動を防止することができ
る複写機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータによっ
て予め定める方向に移動される光学系を予め定める停止
位置に停止させるときに、光学系の移動方向に伴うモー
タの回転方向を逆転させる逆転電流をモータに与えるこ
とによって光学系の制動制御を行う複写機において、光
学系と前記予め定める停止位置との距離を検出する位置
検出手段と、位置検出手段の出力に基づいて、前記距離
が短くなるにつれて前記逆転電流の電流値を減少するよ
うに設定する設定手段と、前記設定手段の出力に応答し
て、逆転電流をモータに与えるモータ制御手段とを含む
ことを特徴とする複写機である。また本発明は、モータ
によって予め定める方向に移動される光学系を予め定め
る停止位置に停止させるときに、光学系の移動方向に伴
うモータの回転方向を逆転させる逆転電流をモータに与
えることによって光学系の制動制御を行う複写機におい
て、光学系の速度を検出する速度検出手段と、速度検出
手段の出力に基づいて、速度が低下するにつれて前記逆
転電流の電流値を減少するように設定する設定手段と、
前記設定手段の出力に応答して、逆転電流をモータに与
えるモータ制御手段とを含むことを特徴とする複写機で
ある。
【0013】また本発明は、前記設定手段は、逆転電流
の電流値を段階的に減少させて設定することを特徴とす
る。
【0014】さらに本発明は、前記モータ制御手段は、
制動制御時のモータの回転数が、予め定められる制動制
御時の基準回転数を上回る期間に、逆転電流をモータに
与えることを特徴とする。
【0015】さらにまた本発明は、前記モータ制御手段
は、制動制御時のモータの回転数が、予め定められる制
動制御時の基準回転数を上回る期間では、前記設定手段
によって設定された第1の電流値の逆転電流をモータに
与え、下回る期間では、前記設定された第1の電流値よ
り低い第2の電流値の逆転電流をモータに与えることを
特徴とする。
【0016】また本発明は、前記第2電流値は、第1電
流値の1/N(Nは2以上の整数)に選ばれることを特
徴とする。
【0017】
【作用】本発明に従えば、光学系と予め定める停止位置
との距離に基づいて、または光学系の速度に基づいて、
逆転電流の電流値が設定され、この逆転電流がモータに
与えられる。一般に、光学系が停止位置に近づき、モー
タの回転数が低下しているとき比較的大きな逆転電流を
与えて制動制御を行うと、停止位置において光学系に振
動が発生する。この振動は、複写機の光学系のように比
較的慣性モーメントが大きな物体の場合、特に大きくな
る。したがって、光学系が停止位置に近づくにつれて、
またはモータの回転数したがって光学系の速度が低下す
るにつれて、設定手段によって設定される逆転電流の電
流値を小さくしていくことによって、停止位置における
光学系の振動の発生を抑制することができる。
【0018】また本発明に従えば、逆転電流の電流値は
位置検出手段の出力に基づいて段階的に減少して設定さ
れる。したがって、連続的に電流値を設定する場合に比
べて制御が容易になる。
【0019】さらに本発明に従えば、制動制御時のモー
タの回転数が基準回転数を上回る期間では前記設定手段
によって設定された第1の電流値の逆転電流がモータに
与えられ、下回る期間では第1の電流値より低い第2の
電流値の逆転電流がモータに与えられる。これによっ
て、前記下回る期間において逆転電流を与えずに制動制
御を行う場合に比べて、停止位置における光学系の振動
の発生をさらに抑制することができる。この場合、第2
の電流値をあまり大きくすると停止位置の手前で光学系
が停止する場合があるので、第2電流値を第1電流値の
1/N(Nは2以上の整数)に選ぶことによって、前記
光学系の停止位置の手前での停止を防止することができ
る。
【0020】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である複写機1の
電気的構成を示すブロック図である。複写機1は、コピ
ーランプ点灯制御装置としての役割を有する主CPU
(中央演算処理装置)40と、光学系2の駆動制御など
を行う副CPU41とを備えている。主CPU40は、
ROM(リードオンリメモリ)42に予め記憶されてい
るプログラムに従って、操作部47に備えられる各種キ
ーや、複写機1および後述する自動原稿供給装置27に
設けられるセンサ類からの信号を受信し、副CPU41
に対して後述する第1および第2移動体10,11の矢
符A方向への移動開始を指令する信号および矢符A方向
への移動を終了した第1および第2移動体10,11を
ホームポジション(初期位置)へ復帰させる信号などを
出力する。また、主CPU40は、点灯回路43を介し
てコピーランプ3への電圧の供給および供給停止を制御
するとともに、コピーランプ3へ印加する実効電圧レベ
ルの調整などを行う。
【0021】一方、副CPU41は、ROM44に予め
記憶されているプログラムに従って、モータ18の回転
速度を検出するロータリエンコーダ45からの信号およ
びホームポジションセンサ20(後述する図3参照)か
らの信号などを受信し、駆動回路46を介してモータ1
8の回転速度を制御するとともに、レジストローラ31
に感光体21(後述する図2参照)への記録紙の供給時
機を指令する信号を出力する。
【0022】図2は複写機1の構成を示す側断面図であ
り、図3は光学系2の移動機構を示す斜視図である。複
写機1内の上部には光学系2が配置されている。この光
学系2は、ハロゲンランプなどから成るコピーランプ3
と、複数のミラー4〜7と、ズームレンズ8とを含む。
【0023】コピーランプ3とミラー4とは、第1移動
体10に取付けられており、またミラー5,6は、第1
移動体10と一体的に連結された第2移動体11に取付
けられている。第1および第2移動体10,11は、一
対の案内部材12,13によって、矢符A方向および矢
符B方向に往復移動自在に支持されている。
【0024】第1移動体10の側方への突出部10aに
はワイヤ14が接続され、このワイヤ14はプーリ1
5,16に巻きまわされている。プーリ16は、ワイヤ
17を介してモータ18によって駆動され、このプーリ
16の回転に伴ってワイヤ14を介して第1および第2
移動体10,11が矢符A方向または矢符B方向へ移動
するように構成されている。
【0025】第1および第2移動体10,11のホーム
ポジション、つまり第1および第2移動体10,11の
矢符B方向への移動開始位置にはホームポジションセン
サ20が配置され、このホームポジションセンサ20
は、第1移動体10の突出部10aに設けられた下方へ
の折曲げ部10bを検出することによって、第1および
第2移動体10,11がホームポジションに位置してい
ることを検出する。
【0026】光学系2の下方には、感光体21が回転可
能に支持されている。感光体21の周辺には、帯電器2
2、現像部23、転写器24および除電器25などが配
置されている。原稿の複写を行う場合、感光体21の表
面が帯電器22によって予め定める電位に帯電させられ
た状態で、第1および第2移動体10,11が矢符A方
向に移動させられ、原稿カバー26によって覆われた図
示しない原稿が、第1および第2移動体10,11の移
動に伴って、第1移動体10上に配置されているコピー
ランプ3から光が照射される。原稿からの反射光が光学
系2を介して感光体21に露光されることによって、感
光体21上に静電潜像が形成される。
【0027】また、複写機本体の上方に配置された自動
原稿供給装置27を使用して複写を行う場合、この自動
原稿供給装置27における原稿搬送路28内で、原稿ド
ラム29a,29bなどによって原稿が搬送されなが
ら、原稿搬送路28の予め定める読取位置に設けられた
図示しないスリットを介してコピーランプ3から光が照
射され、上述と同様にして原稿からの反射光が感光体2
1上に露光される。
【0028】感光体21上に静電潜像が形成されると、
続いて、この静電潜像が現像部23から供給されるトナ
ーによって現像されてトナー像が形成される。その後、
複数の給紙カセットなどを備えた給紙部30からは図示
しない記録紙がレジストローラ31に送られ、この記録
紙は必要に応じてレジストローラ31によって一旦停止
されられた後、予め定めるタイミングで感光体21に供
給される。
【0029】供給された記録紙上には、転写器24によ
って上記トナー像が転写される。その後、記録紙は感光
体21から剥離され、搬送装置32によって定着部33
に搬送され、ここで上記トナー像が記録紙に定着された
後、片面複写である場合は、そのまま排紙トレイ34に
排出される。一方、合成複写または両面複写の場合は、
定着部33から排出された記録紙は用紙搬送路に送ら
れ、合成複写であればそのままの表示状態で中間トレイ
36に排出され、また両面複写であれば、反転部37に
よって表示状態が反転された後に中間トレイ36に排出
される。
【0030】中間トレイ36に一定枚数の記録紙が蓄積
されると、中間トレイ36上の記録紙が給紙ローラ38
によって最上部に位置するものから順次給紙されて再び
感光体21に送られ、引続き複写動作が行われる。
【0031】図4は、複写機1の複写動作を説明するフ
ローチャートである。ステップa1において、操作部4
7に備えられるコピースイッチがONとされると、ステ
ップa2においてモータ18が駆動され、ステップa3
では、コピーランプ3を点灯して原稿像の読取りが行わ
れる。
【0032】原稿像の読取りが終了するとモータ18を
停止させ、続いてステップa5ではモータ18を逆方向
に駆動してホームポジションへの復帰動作を行う。ステ
ップa6ではモータ18の制動制御が行われ、光学系2
がホームポジションに停止すると、ステップa1に戻
る。
【0033】図5は、複写機1の光学系2の動作を説明
するグラフである。時刻t1から時刻t2までの期間T
Cが、1回の複写動作に必要な時間である。時刻t1
は、コピースイッチが操作されて、光学系2が原稿の走
査方向Aへの移動を開始する時刻である。期間T1は、
光学系2が走査方向Aへ移動して原稿の読取露光動作を
行う期間である。
【0034】期間T2は、光学系2のホームポジション
への復帰動作が行われる期間である。時刻t2は、光学
系2がホームポジションにて一旦停止する時刻である。
期間T2内において、光学系2の制動制御が行われる期
間をプラッキング期間T2aと称する。
【0035】単位時間当りの複写枚数である複写速度を
向上させるためには、期間T2を短縮する必要がある。
特に、プラッキング期間T2aを短縮し、かつ従来の技
術に関連して説明したホームポジションにおける光学系
2の振動を防止することによって、複写速度の向上を図
ることができる。本発明は、光学系2のプラッキングを
円滑に行うために、光学系2の位置や速度に応じてモー
タ18に与える逆転電流値を変更するようにした複写機
である。
【0036】前述の図1のロータリエンコーダ45から
の出力を、副CPU41内のカウンタによって計数する
ことによって、モータ18の回転数を検出し、この回転
数に基づいて光学系2の位置およびモータ18の回転速
度を検出することができる。
【0037】図6は、光学系2の位置とモータ18の回
転数とモータ18に与えるモータ電流IMの上限値との
関係を示すグラフである。図6(1)における実線L3
は、モータ18の回転数と光学系2の位置との関係を示
している。これによって、光学系2の位置P4〜P1を
モータ18の回転数n4〜n1からそれぞれ検出するこ
とができる。
【0038】本実施例の複写機1では、光学系2が位置
P4,P3,P2,P1に達すると、モータ電流IMの
上限値をI3,I2,I1,0と設定変更していく。こ
のように、モータ18の回転数が低下してくると、逆転
電流の電流値が小さくなるので、光学系2の振動の発生
を防止することができる。これによって、ホームポジシ
ョンにおける光学系2の振動を防止することができるの
で、直ちに次の複写動作へ移行することができ、複写速
度が向上する。
【0039】図7は、時間とモータ18の回転数(光学
系2の速度)とモータ電流IMの上限値との関係を示す
グラフである。図7(1)における実線L4は、時間と
モータ18の回転数(光学系2の速度)との関係を示し
ている。本実施例の複写機において、光学系2の速度が
N4,N3,N2,N1になると、モータ電流IMの上
限値をそれぞれI3,I2,I1,0と設定変更するよ
うにしてもよい。
【0040】図8は、駆動回路46の具体的構成を示す
回路図である。電源49からの電圧Vccは、PNPト
ランジスタ50,51のエミッタにそれぞれ与えられ
る。すなわちPNPトランジスタ50,51の各コレク
タ間にモータ18が接続されている。また、PNPトラ
ンジスタ50,51の各コレクタには、NPNトランジ
スタ52,53のコレクタがそれぞれ接続されている。
NPNトランジスタ52,53の各エミッタは、接続点
58においてそれぞれ接続されている。
【0041】また接続点58には、接続点58における
電流を電圧に変換するための抵抗54の一方端子が接続
されている。抵抗54の他方端子は、接地されている。
接続点58の電圧は、比較器55の一方端子に与えら
れ、また比較器55の他方端子には、副CPU41から
の基準電圧Vrefが与えられる。基準電圧Vref
は、モータ電流IMの上限値とモータ18の負荷との積
で決定される。
【0042】比較器55の出力は、AND(論理積)回
路56の一方入力として与えられ、またAND回路56
の他方入力には速度比較回路57からのデューティ信号
PWMが与えられる。AND回路56の出力は、NPN
トランジスタ52のベースに与えられる。また、トラン
ジスタ50,51,53の各ベースには、副CPU41
から制御信号が与えられる。
【0043】図9は、駆動回路46の動作を説明するた
めのタイミングチャートである。図9(1)にはモータ
18の基準回転数の変化が破線L5で、実際の回転数の
変化が実線L6でそれぞれ示されている。速度比較回路
57は、図9(3)に示すように、モータ18の回転数
が基準回転数よりも大きいときにハイレベルとされる切
換信号H/L(デューティ信号PWM)を出力する。切
換信号H/Lのハイレベル期間Hは、詳しくは図9
(4)に示すように、ハイレベル期間W1とローレベル
期間W2とが繰返されるデューティ信号PWMである。
【0044】比較器55は、基準電圧Vrefと接続点
58での電圧レベルとを比較し、電圧レベルが一致する
と出力はローレベルとされる。したがって、デューティ
信号PWMおよび比較器55からの出力が共にハイレベ
ルのときのみ、AND回路56はハイレベルの信号をN
PNトランジスタ52のベースに出力するので、NPN
トランジスタ52はON状態となり、モータ18に電流
が供給される。このときPNPトランジスタ51は、O
N状態とされ、トランジスタ50,53はOFF状態と
される。
【0045】上述のように切換信号H/Lのハイレベル
期間Hは、ハイレベル期間W1とローレベル期間W2と
が繰返されているので、ローレベル期間W2ではNPN
トランジスタ52はOFF状態となり、モータ18への
電流は遮断される。また、ハイレベル期間W1であって
も、供給される電流値に対応する電圧が基準電圧Vre
fを超えたときにも、同様にモータ18への電流が遮断
される。したがって、実際のモータ18へ供給される電
流は、図9(2)に示すように、鋸波形となる。ここ
で、基準電圧Vrefは、モータ18の回転数や光学系
2の位置に応じて前述のように変更される。
【0046】図10は、駆動回路46の他の動作を説明
するためのタイミングチャートである。ここでは、切換
信号H/Lのハイレベル期間H内のハイレベル期間W1
を、モータ18の回転数あるいは光学系2の位置に応じ
て変化させるようにしている。たとえば図10(2)に
示すようにハイレベル期間を期間W3とすることによっ
て、ハイレベル期間W3の立下り時点でNPNトランジ
スタ52はOFF状態になる。したがって、図10
(3)に示すように、ハイレベル期間が期間W1の時に
比べて、最大電流値が小さくなる。このように、デュー
ティ信号PWMのハイレベル期間W1を変更することに
よって、モータ18に供給するモータ電流IMの上限値
を変更することができる。
【0047】上述の駆動回路46では、抵抗54、比較
器55およびAND回路56を省くことも可能ではある
が、最大電流制限のために設けた方がよい。最大電流制
限とは、トランジスタ52,53の保護と、電源49の
電圧低下および破壊の防止とのために、モータ18へ供
給されるモータ電流IMの上限値を規定することであ
る。
【0048】以上のように本実施例によれば、光学系2
の位置がホームポジションに近づくにつれて、あるいは
モータ18の回転数が低下するにつれて、モータ18へ
の逆転電流の電流値を小さくするようにしたので、光学
系2のホームポジションにおける振動を防止することが
でき、直ちに次の複写動作に移行することができる。こ
れによって複写速度が向上する。
【0049】本実施例では、段階的に逆転電流の電流値
(上限値)を変化させるようにしたけれども、連続的に
変化させるようにしてもよい。
【0050】また、光学系2の制動制御に限らず、一般
的にモータによって駆動される移動体の制動制御に用い
るようにしてもよい。
【0051】本実施例では、光学系2が矢符B方向に移
動しているときの制動制御を説明したけれども、矢符A
方向に移動しているときの制動制御も同様にして行うこ
とができる。
【0052】図11は、本発明のさらに他の実施例を説
明するためのタイミングチャートである。本実施例の特
徴は、切換信号H/Lのローレベル期間Lにおいても若
干の逆転電流をモータ18に与えるようにしたことであ
る。
【0053】前述の図9に示す実施例では、ハイレベル
期間Hだけに逆転電流を与えるようにしている。この場
合、ハイレベル期間Hとローレベル期間Lとにおけるモ
ータ18へ供給されるエネルギー差(電流値差)に起因
して若干の回転数の振動が発生し、原稿の読取開始位置
付近においても振動が残り、複写先端部におけるぶれが
発生するおそれがある。したがって、本実施例において
は、上述のようにローレベル期間Lにおいても若干の逆
転電流を与えることによって、ハイレベル期間Hとロー
レベル期間Lとにおけるモータ18への供給されるエネ
ルギー差(電流値差)を小さくしている。これによっ
て、光学系2の停止位置におけるモータ18の回転数の
振動の発生を抑制することができる。
【0054】すなわち、図11(4)に示すように、切
換信号H/Lのローレベル期間Lにおいては、ハイレベ
ル期間W1Lとローレベル期間W2Lとが繰返される。
したがってハイレベル期間W1Lにおいてのみトランジ
スタ52がON状態とされ、モータ18には逆転電流が
与えられる。
【0055】図12は、駆動回路46の他の構成例を示
す回路図である。本実施例では、図8に示す構成に加え
て、AND回路56とNPNトランジスタ52との間に
切換スイッチ59を設けている。
【0056】切換スイッチ59は、端子59AにはNP
Nトランジスタ52のベースが接続され、端子59Bに
はAND回路56の出力が与えられ、端子59Cには比
較器55の出力が与えられる。切換スイッチ59は、ハ
イレベルの切換信号が与えられると端子59Aと端子5
9Bとを接続して、AND回路56の出力をNPNトラ
ンジスタ52のベースに与え、ローレベルの切換信号が
与えられると端子59Aと端子59Cとを接続して比較
器55の出力をNPNトランジスタ52のベースに与え
る。
【0057】本実施例では、速度比較回路57の出力で
ある切換信号H/L(デューティ信号PWM)を切換信
号として切換スイッチ59に与えているので、切換信号
H/Lのハイレベル期間HにおいてはAND回路56の
出力がNPNトランジスタに与えられ、ローレベル期間
Lでは比較器55の出力がNPNトランジスタに与えら
れる。ここで、比較器55に与えられる基準電圧Vre
fを変更することによって、ローレベル期間Lのハイレ
ベル期間W1Lを変更することができる。したがって、
図11(2)に示すように、モータ18に与えられる逆
転電流は、電流値I3,I3L,I2,I2L,I1,
I1L,0のように順次設定されてゆく。
【0058】ここでローレベル期間Lにおける逆転電流
の最大電流値InLは、ハイレベル期間Hにおける逆転
電流の最大電流値Inの1/N(N=2〜20)に設定
するのが適当である。つまり、電流値InLが電流値I
nの1/1〜1/2であると、電流値Inに対してロー
レベル期間Lにおける供給電流が大き過ぎて、モータ1
8の実際の速度が前述の図11(1)において破線L5
で示す基準速度に対して低いまま推移し、目標停止位置
であるホームポジションの手前で停止してしまう場合が
ある。また、電流値InLを電流値Inの1/20以下
にすると、本発明の目的とするハイレベル期間Hとロー
レベル期間Lとにおけるモータ18に供給されるエネル
ギー差(電流値差)の縮小を実現することができず、停
止位置であるホームポジションにおける光学系2の振動
が発生する。
【0059】本実施例においても、前述の実施例と同様
の効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、移動状態
から予め定める停止位置に停止したときの光学系の振動
の発生を防止することができる。これによって、複写機
における原稿の読取開始位置での光学系の振動を防止す
ることができ、いわゆる複写のぶれを防止することがで
きるとともに、光学系の読取開始位置への復帰後、直ち
に次の複写動作に移行することができるので、複写速度
の向上を図ることができる。
【0061】また本発明によれば、逆転電流の電流値は
位置検出手段または速度検出手段の出力に基づいて段階
的に減少して設定される。したがって、連続的に電流値
を設定する場合に比べて制御が容易になる。
【0062】さらに本発明によれば、制動制御時のモー
タの回転数が基準回転数を上回る期間では前記設定手段
によって設定された第1の電流値の逆転電流がモータに
与えられ、下回る期間では第1の電流値より低い第2の
電流値の逆転電流がモータに与えられるので、前記下回
る期間において逆転電流を与えずに制動制御を行う場合
に比べて、停止位置における光学系の振動の発生をさら
に抑制することができる。この場合、第2の電流値をあ
まり大きくすると停止位置の手前で光学系が停止する場
合があるので、第2電流値を第1電流値の1/N(Nは
2以上の整数)に選ぶことによって、前記光学系の停止
位置の手前での停止を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である複写機1の電気的構成
を示すブロック図である。
【図2】複写機1の構成を示す側断面図である。
【図3】複写機1内に設けられる光学系2の移動機構を
説明するための斜視図である。
【図4】複写機1の複写動作を説明するフローチャート
である。
【図5】光学系2の動作を説明するためのグラフであ
る。
【図6】光学系2の復帰動作時における位置とモータ1
8に与えられるモータ電流IMとの関係を示すグラフで
ある。
【図7】光学系2の復帰動作時におけるモータ18の回
転数とモータ18に与えられるモータ電流IMとの関係
を示すグラフである。
【図8】駆動回路46の具体的構成を示す回路図であ
る。
【図9】駆動回路46の動作を説明するめたのタイミン
グチャートである。
【図10】駆動回路46の他の動作を説明するためのタ
イミングチャートである。
【図11】本発明の他の実施例を説明するためのタイミ
ングチャートである。
【図12】駆動回路46の他の構成例を示す回路図であ
る。
【図13】従来の技術を説明するためのタイミングチャ
ートである。
【符号の説明】
1 複写機 2 光学系 18 モータ 40 主CPU 41 副CPU 42,44 ROM 45 ロータリエンコーダ 46 駆動回路 47 操作部 49 電源 50,51 PNPトランジスタ 52,53 NPNトランジスタ 54 抵抗 55 比較器 56 AND(論理積)回路 57 速度比較回路 59 切換スイッチ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータによって予め定める方向に移動さ
    れる光学系を予め定める停止位置に停止させるときに、
    光学系の移動方向に伴うモータの回転方向を逆転させる
    逆転電流をモータに与えることによって光学系の制動制
    御を行う複写機において、 光学系と前記予め定める停止位置との距離を検出する位
    置検出手段と、 位置検出手段の出力に基づいて、前記距離が短くなるに
    つれて前記逆転電流の電流値を減少するように設定する
    設定手段と、 前記設定手段の出力に応答して、逆転電流をモータに与
    えるモータ制御手段とを含むことを特徴とする複写機。
  2. 【請求項2】 モータによって予め定める方向に移動さ
    れる光学系を予め定める停止位置に停止させるときに、
    光学系の移動方向に伴うモータの回転方向を逆転させる
    逆転電流をモータに与えることによって光学系の制動制
    御を行う複写機において、 光学系の速度を検出する速度検出手段と、 速度検出手段の出力に基づいて、速度が低下するにつれ
    て前記逆転電流の電流値を減少するように設定する設定
    手段と、 前記設定手段の出力に応答して、逆転電流をモータに与
    えるモータ制御手段とを含むことを特徴とする複写機。
  3. 【請求項3】 前記設定手段は、逆転電流の電流値を段
    階的に減少させて設定することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の複写機。
  4. 【請求項4】 前記モータ制御手段は、制動制御時のモ
    ータの回転数が、予め定められる制動制御時の基準回転
    数を上回る期間に、逆転電流をモータに与えることを特
    徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の複写機。
  5. 【請求項5】 前記モータ制御手段は、制動制御時のモ
    ータの回転数が、予め定められる制動制御時の基準回転
    数を上回る期間では、前記設定手段によって設定された
    第1の電流値の逆転電流をモータに与え、下回る期間で
    は、前記設定された第1の電流値より低い第2の電流値
    の逆転電流をモータに与えることを特徴とする請求項1
    〜3のうちの1つに2記載の複写機。
  6. 【請求項6】 前記第2電流値は、第1電流値の1/N
    (Nは2以上の整数)に選ばれることを特徴とする請求
    項5記載の複写機。
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