JP2792866B2 - バッファプール事前拡張装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 データ送信量に応じてバッファプールを拡張するバッ
ファプール事前拡張装置に関し、 送信バッファの残量が所定量以下となった場合に当該
送信バッファの残量を拡張し、バッファ獲得待ちによる
データ送信処理能力の低下を生じさせることなく通信す
ることを目的とし、 バッファを獲得するための共有バッファプールと、こ
の共有バッファプールからバッファがデータ送信のため
に獲得され、残りの容量が所定量以下になったことを検
出する枯渇警告線監視部と、データ送信要求に対応して
上記共有バッファプールから該当容量のバッファを獲得
して渡すと共に、枯渇警告線監視部からの共有バッファ
プール獲得要求指示に対応して独立処理で新たにバッフ
ァを獲得し、上記共有バッファプールの残量を拡張させ
るバッファプール管理処理部とを備え、データ送信に際
して共有バッファプールの残量が所定量以下になった時
に当該共有バッファプールの残量を事前に拡張するよう
に構成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、データ送信量に応じてバッファプールを事
前に拡張するバッファプール事前拡張装置に関するもの
である。

〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕

オンライン処理プログラムにおいて、相手システムに
対してデータを送信する場合、I/Oバッファを獲得して
これに送信データを格納した後、データ送信するように
している。従来、通信しようとした時にI/Oバッファが
不足した場合、I/Oバッファを拡張した後、通信を行う
ようにしている。このため、データ送信要求に対応する
処理が一時的に遅くなり、データ送信処理能力が低下し
てしまうという問題があった。

本発明は、送信バッファの残量が所定量以下となった
場合に当該送信バッファの残量を拡張し、バッファ獲得
待ちによるデータ送信処理能力の低下を生じさせること
なく通信することを目的としている。

〔課題を解決する手段〕

第１図を参照して課題を解決する手段を説明する。

第１図において、バッファプール管理処理部３は、共
有バッファプール４からバッファを獲得して渡すと共
に、共有バッファプール４の残量を拡張などするもので
ある。

共有バッファプール４は、データを一時的に格納する
バッファを獲得するためのものである。

枯渇警告線監視部５は、データ送信に際して共有バッ
ファプール４の残量が所定量（枯渇警告線）以下になっ
たことを検出するものである。

〔作用〕

本発明は、第１図に示すように、バッファプール管理
処理部３がデータ送信要求に対応して共有バッファプー
ル４からバッファを獲得して渡し、枯渇警告線監視部５
がこの共有バッファプール４の残量が所定量以下になっ
たことを検出した場合にこの旨をバッファプール管理処
理部３に通知して送信要求処理とは別の処理（タスク）
で共有バッファプール４の拡張を行うようにしている。

従って、データ送信要求に対応して共有バッファプー
ル４からバッファが順次獲得され、その残量が所定量
（例えば１回の送信要求で送信可能な最大送信データ長
に対応するメモリ容量）以下となった場合に、自動的に
バッファ拡張処理が実行されて共有バッファプール４の
残量不足による送信処理能力の低下を防ぐことが可能と
なる。

〔実施例〕

次に、第１図から第３図を用いて本発明の１実施例の
構成および動作を順次詳細に説明する。

第１図において、応用プログラム１は、データの送受
信を行って所定の業務処理を行うプログラムである。

データ送信処理部２は、データ送信要求に対応して
バッファプール管理処理部３にバッファの獲得を依頼
し、これにデータを一時的に格納して相手先に送信する
ものである。

バッファプール管理処理部３は、データ送信処理部２
からのバッファ獲得依頼に対応して共有バッファプー
ル４からバッファを獲得して渡すと共に、枯渇警告線監
視部５からのバッファプール拡張要求指示に対応してバ
ッファを獲得して共有バッファプール４の残量を拡張な
どするものである。

枯渇警告線監視部５は、データ送信のためにバッファ
が獲得されて共有バッファプール４の残量が所定量以
下、例えば１回の送信要求で送信可能な最大送信データ
長に対応するメモリ容量以下となった場合に、この旨を
検出して共有バッファプール４の残量拡張要求をバッフ
ァプール管理処理部３に通知するものである。

次に、第２図フローチャートに示す順序に従い、第１
図構成の動作を説明する。

第２図において、は、応用プログラム１がWRITE命
令を発行する。このWRITE命令の発行は、第１図応用プ
ログラム１がデータ送信要求をデータ送信処理部２に
通知することを意味している。

は、送信依頼されたデータを格納するためI/Oバッ
ファを獲得する。これは、第１図データ送信要求の通
知を受けたデータ送信処理部２が、バッファ獲得依頼
をバッファプール管理処理部３に通知して共有バッファ
プール４から送信しようとするデータを格納するために
十分なブロック数のバッファ（＝I/Oバッファ）を獲得
することを意味している。

は、残りI/Oバッファ数が枯渇警告線以下か否かを
判別する。これは、第１図枯渇警告線監視部５が、共有
バッファプール４の残量が所定量以下になったか否かを
判別することを意味している。YESの場合には、を実
行する。NOの場合には、でこの獲得したI/Oバッファ
にデータを格納し、送信先の端末にデータ送信する（re
quest to terminal）。そして、端末からの完了応答を
応用プログラム１に返答する（response from termna
l）。

は、バッファ拡張要求をスケジュールする。これ
は、第１図枯渇警告線監視部５が、共有バッファプール
４の残量が所定量以下になったことを検出したので、こ
の旨をバッファプール管理処理部３に通知して共有バッ
ファプール４の残量の拡張処理をスケジュールさせる。
このスケジュールされたバッファ拡張処理は、WRITEマ
クロ命令とは非同期に、独立した処理単位（タスク）で
実行され、第１図共有バッファプール４の点線で示した
ようにその残量が拡張される。

以上のように、データ送信時に共有バッファプール４
の残量が所定量以下になったことを契機として、共有バ
ッファプール４の残量を拡張する処理を実行することに
より、データ送信時にI/Oバッファの不足によるデータ
送信処理能力を低下させることなく、通信することが可
能となる。

第３図は利用可能な残りバッファ数の遷移説明図を示
す。ここで、I₀が残りバッファ数であって、既述したよ
うに、１回の送信要求で送信可能な最大送信データ長に
必要なバッファ数（ブロック数）である。共有バッファ
プール４の残量Ｉが、この残りバッファ数I₀以下になっ
た場合（図中）、枯渇警告線監視部４が第１図共有
バッファプール拡張要求をバッファプール管理処理部３
に通知して拡張処理を実行させ、図中に示すようにバ
ッファ数I₀以上に拡張する。従って、データ送信時に、
共有バッファプール４の残量がバッファ数I₀以下になっ
た時にバッファの不足が発生する前に自動的に残量が拡
張され、データ送信処理におけるバッファ不足による待
ち事象を発生させることなく、通信を行うことが可能と
なる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、データ送信要
求に対応して共有バッファプール４からバッファが順次
獲得され、その残量が所定量（例えば１回の送信要求で
送信可能な最大送信データ長に対応するメモリ容量）以
下となった場合に、自動的にバッファ拡張処理を実行す
る構成を採用しているため、共有バッファプール４の残
量不足による送信処理能力を低下させることなく、通信
を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例構成図、第２図は本発明の動
作説明フローチャート、第３図は利用可能な残りバッフ
ァ数の遷移説明図を示す。 図中、１は応用プログラム、２はデータ送信処理部、３
はバッファプール管理処理部、４は共有バッファプー
ル、５は枯渇警告線監視部を表す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】データ送信量に応じてバッファプールを拡
   張するバッファプール拡張装置において、 バッファを獲得するための共有バッファプールと、 この共有バッファプールからバッファがデータ送信のた
   めに獲得され、残りの容量が所定量以下になったことを
   検出する枯渇警告線監視部と、 データ送信要求に対応して上記共有バッファプールから
   該当容量のバッファを獲得して渡すと共に、上記枯渇警
   告線監視部からの残りの容量が所定量以下になった時に
   通知された共有バッファプール獲得要求指示に対応して
   新たなバッファを獲得し、上記共有バッファプールの残
   量を事前に拡張するバッファプール管理処理部と を備えたことを特徴とするバッファプール事前拡張装
   置。