JP2791966B2 - 溶解方法 - Google Patents

溶解方法

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JP2791966B2 JP3349725A JP34972591A JP2791966B2 JP 2791966 B2 JP2791966 B2 JP 2791966B2 JP 3349725 A JP3349725 A JP 3349725A JP 34972591 A JP34972591 A JP 34972591A JP 2791966 B2 JP2791966 B2 JP 2791966B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デンプン溶液の製造方
法と製造装置、該方法で製造されるデンプン溶液および
かかる溶液の製紙への使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙において、カチオンデンプンが歩留
り助剤および補強剤として広く用いられている。近年、
カチオンデンプンは、製紙時での歩留りおよび/または
脱水を改善するために、ベントナイトおよび各種のシリ
カベースのゾルのようなアニオン無機物質と共に多用さ
れている(例えば、ヨーロッパ特許第41,056号並
びにPCT特許出願公開公報第WO86/00100号
および同WO89/12661号参照)。
【0003】 最近、高カチオン化されたデンプン、即
ち置換度が0.07を越えるデンプンが製造できるよう
になった。例えば、ヨーロッパ特許明細書第233,3
36号および同第303,039号には乾燥カチオン化
を行うことによって前記のような高カチオン化デンプン
を製造できる方法が開示されており、後者にはアルミン
酸ナトリウムを触媒として用いて行う方法が開示されて
いる。
【0004】一般に、デンプンを水に溶解すると、粘度
が初めは上昇し、次いでより低いレベルに低下する。し
たがって、最大粘度を越えなければならず、このこと
は、低カチオン化デンプンを溶解する場合、約80℃を
越える温度で熱処理することによってのみ達成できる。
通常低カチオン化デンプンを溶解するには、該デンプン
をスラリータンク内で冷水と混合し、次いで沸騰させ
る。前記の特許明細書には、高カチオン化デンプンは冷
水に可溶であることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冷水による溶
解では、妥当な時間で最大粘度を越えてかつ未膨潤のデ
ンプン粒が実質的に存在しない溶液を得ること−このこ
とは、その溶液を製紙に用いたときに満足すべき結果が
得られなければならない場合に望ましいことである−が
困難である。したがって、冷水による溶解は、長い滞留
時間を要し、しかも乾燥分含量が高すぎないことが必要
であり、そのため、使用する装置の容積を大きくしなけ
ればならない。低カチオン化デンプンに通常用いられる
方法にしたがって、溶解工程で熱を使用すると、スラリ
ータンク内で粘度が高度に上昇する結果となり、溶液の
その後の取扱いが一層困難になる。この粘度上昇は、デ
ンプンを製造する際にアルミン酸ナトリウムを活性剤と
して用いて、デンプンがアルミニウムを含有するように
なる場合には、特に著しい。それ故、著しく低い乾燥分
含量に維持する必要があり、そのため、引続き加熱する
のに相当量のエネルギーが必要となる。またこの場合、
ヒーターを含む溶解装置は、比較的大容積の寸法にしな
ければならず、経費が高くつく。したがって、好ましく
は約2重量%を越える高い乾燥分含量で熱処理をしなが
ら高カチオン化デンプンを溶解することによって、エネ
ルギーと投資コストを減らすことが望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、上記の
目的が本願の特許請求の範囲第1項の方法によって達成
されたのである。更に詳しく述べれば、本発明は、好ま
しくは高カチオン化デンプンを含有する粒子を冷水と混
合しかつせん断力を加えて、生成した凝集塊を分解しか
つ個々の各粒子を湿潤させ、それから前記混合物を少な
くとも約60℃、好ましくは少なくとも約80℃、特に
好ましくは少なくとも約100℃に加熱して該溶液の最
大粘度を越えるまでその加熱状態を維持する、デンプン
溶液の製造方法に関する。上記の湿潤と加熱の操作は、
取扱いの観点から容認できない粘度に到達する前に行わ
れる。
【0007】上記の方法は、あらゆる種類のデンプンを
溶解するのに利用できるが、高カチオン化デンプンを溶
解するのに特に有効である。高カチオン化デンプンと
は、置換度が少なくとも約0.07で約1を越えないデ
ンプンを意味する。上記加熱状態では、温度は、少なく
とも約60℃、好ましくは少なくとも約80℃、特に好
ましくは少なくとも約100℃とすべきである。デンプ
ンの連鎖構造の分解が過度になりすぎないように、上記
の温度は、約135℃より低く、好ましくは約130℃
より低くすべきである。同じ理由から、場合によって、
せん断力は熱処理中最小に保持することが望ましい。更
に、前記冷水の温度は、約0℃〜約35℃が好都合であ
り、約0℃〜約25℃が好ましく、約0℃〜約20℃が
特に好ましい。この温度の上限は、特にデンプンの置換
度に依存している。少なくとも置換度が高い場合に、温
度が高過ぎると、粘度が著しく速く上昇して、湿潤の操
作とその後の溶液の取扱いが一層困難となる危険があ
る。前記温度の下限は臨界的な数値ではない。デンプン
粒子の直径は、約1mmより小さいことが好都合であ
り、約0.5mmより小さいものが好ましく、約0.2
mmより小さいものが特に好ましい。粒子が小さければ
小さい程溶解性は高いが、一段と取扱い易くするため、
例えばダストの発生を避けるために、下限を設けること
が推奨される。
【0008】デンプン粒子は湿潤したならば膨潤を開始
するが、このことが、溶解工程で粘度が大きく上昇する
主な理由である。取扱いの観点から、どの程度の粘度が
不満足なものであるかは、使用される装置によって決ま
る。事実上すべての粒子が湿潤した後に全体的な粒度が
実質的に上昇するのが好ましい。その理由は、未湿潤粒
子は凝集塊を形成する傾向があり、過度に粘性の液体は
このような凝集塊に浸透しにくいからである。特に、前
記混合物が加熱状態にあるときに全体的な粘度が実質的
に上昇するのが好ましく、というのは、さもなければポ
ンプ、ノズルなどの装置が詰まるからである。さらに、
存在する凝集塊を分解するのに必要なせん断力を前記混
合物に加える以前に、デンプン粒子を事実上膨潤させな
いことが好ましい。したがって、液体中で最初と最後の
デンプン粒子の湿潤の間の時間はできるだけ短くすべき
であり、このことは、前記混合物に強いせん断力を加え
て凝集塊や塊を分解して、デンプン粒子を水と接触させ
た後できる限り速やかに該粒子を湿潤させることによっ
て行える。デンプン粒子が充分に湿潤して加熱状態にな
るまでに必要な、容認しうる接触時間は、デンプンの置
換度と冷水の温度の関数である。前記置換度がより高く
かつ冷水の温度がより低いほど、最大接触時間はより短
くすることができる。一般に、前記混合物には、デンプ
ン粒子が水と接触した後、約5分間以内、好ましくは約
1分間以内、より好ましくは約30秒以内、特に好まし
くは約10秒以内に、強いせん断力を加えるのが好都合
である。前記の点で、前記せん断力は、デンプン粒子を
水と接触させた後、約5分間以内、好ましくは約1分間
以内、より好ましくは約30秒以内、特に好ましくは約
10秒以内に、実質的にすべてのデンプン粒子を湿潤さ
せるのに充分に強いものであるべきである。湿潤したデ
ンプン粒子を含有する混合物は、約5分間以内、好まし
くは約1分間以内、より好ましくは約30秒以内、特に
好ましくは約10秒以内に加熱状態にすることが一層好
都合である。
【0009】上記の水は、約10秒〜約5分間、より好
ましくは約30秒〜約90秒の間、加熱状態に維持する
ことが好ましい。前記加熱は、例えば液体が沸騰しない
ような圧力でジェットボイラー内で実行することができ
る。前記溶液は、熱処理が完了した後、乾燥分含量が約
0.01〜約2重量%になるまで希釈するのが好まし
い。
【0010】デンプンと冷水の混合物にはビーター内で
せん断力を加えるのが好ましく、この操作は、回転手段
を内蔵したハウジングを通じて連続して行われ、その回
転手段の回転周速度はデンプン混合物の輸送速度より高
いことが好ましい。したがって、存在する凝集塊や塊
は、デンプン粒子が湿潤するのと同時に、有効に分解さ
れる。ビーターから出る液体は、湿潤していないデンプ
ン粒子を実質的に含有していないことが好ましい。デン
プン混合物の前記ハウジング内での平均滞留時間は、約
1秒〜約30秒、特に約5秒〜約20秒であるのが好ま
しい。
【0011】好ましいビーターは、その回転手段が少な
くとも1つの任意に傾斜したロータディスクを備え、当
該ディスクの中心部に回転駆動軸が配置されている。前
記ハウジングの内部は実質的に円筒形で、当該ハウジン
グは軸方向の入口と接線方向の出口を備えているものが
好ましい。その出口は、送り出すことができる粒子の最
大粒径を決定する寸法を有する開孔もしくはスリットが
形成されたセグメントで適切に覆われている。前記回転
手段としては、その周囲とハウジング内面との距離が実
質的に一定になるように設計されているものが一層好ま
しい。前記ハウジングが円筒形で、前記回転手段が傾斜
した実質的にフラットなディスクの場合、当該ディスク
は、卵形、実質的には楕円形が好ましい。前記ハウジン
グの内面には、事実上軸方向におよび/または該軸方向
に対して事実上直角方向に溝が形成され、かつ前記回転
手段の周囲には、回転方向に沿ってハウジングの溝と合
致する歯を備えていることが一層好ましい。前記のビー
ターは、遠心ポンプに似ているが、遠心ポンプと比べて
与えるせん断力が強くかつポンプ作用が低い。当該ビー
ターは、使用時、かつポンプの前方に配置するのが好ま
しい。これらの特徴を有し、本発明に適合しうる装置
は、登録商標Gorator(R) のもとに市販されてい
る。事実上同じ効果を有するその他の装置も利用するこ
とができ、例えば、好ましくは歯を具備する実質的に円
筒形の回転体を備えた、実質的に円筒形のハウジングを
含むビーターがある。この種の装置は、例えば登録商標
Ytron(R) のもとに市販されている。
【0012】その他の好ましいビーターは、回転容積形
ポンプ、例えば歯車ポンプ、ローブポンプまたはウイン
グポンプで構成されている。該ポンプの回転速度はデン
プン溶液の輸送速度より大きいが、このことは、ポンプ
の吸引側でシステムに空気を導入することによって達成
できる。一般に、この態様は、追加のポンプを必要とし
ないので投資費用を節減しうる。
【0013】特に好ましい方法では、前記デンプン粒子
は、水が接線方向に供給され、そして渦を発生させるフ
ァンネルに供給することによって水と混合させる。した
がって空気も上記システムに導入され、このことは、ビ
ーターが回転容積形ポンプの場合に一つの利点となる。
次いで、追加の水が供給されてから、前記混合物はビー
ターに送られ、次にポンプによってジェットボイラーに
送られる。前記ファンネルから、ジェットボイラーの入
口までのデンプンの平均滞留時間は、約1秒〜約60秒
が好ましく、約5秒〜約30秒がより好ましい。しか
し、デンプン粒子と水を混合するビーターを用いること
も考えられる。
【0014】 本発明の方法によれば、前述のヨーロッ
パ特許明細書第303,039号にしたがつて、置換度
が約0.3を越えずかつアルミニウムをアルミン酸塩の
形態で約0.01〜約5重量%含有するデンプンでは、
熱処理中、約5重量%までの乾燥分含量を維持すること
ができる。前記デンプンが置換度が一段と低いかまたは
アルミン酸塩を含有していないならば、例えば約10重
量%までの一層高い乾燥分含量を維持できる。置換度が
より高い場合、例えば約3〜約1のときは、乾燥分含量
はほんの少しだけ低くするべきである。したがって本発
明の方法によれば、かなりの量のエネルギーを節約する
ことが可能である。
【0015】本発明は、さらに、デンプン溶液の製造装
置に関する。その装置は、デンプン粒子を軸方向に供給
し液体を接線方向に供給することができるファンネルを
好ましくは備えている、該粒子と水を混合する手段;存
在する凝集塊を分解して個々の各粒子を完全に湿潤させ
るのに充分に強いせん断力を発生する手段、好ましくは
回転手段を内蔵するハウジングを備えたビーター;およ
び好ましくはジェットボイラーを含む、前記混合物を加
熱する手段を具備している。デンプン粒子と水を混合す
る手段とせん断力を発生する手段は、1台の同じビータ
ーで構成されていてもよい。
【0016】本発明は、さらに、前記の方法で製造され
る、未膨潤デンプン粒を実質的に含有していないデンプ
ン溶液に関し、さらにまたかかる溶液の、紙もしくはパ
ルプシート、主には紙を製造するための使用にも関す
る。前記デンプン溶液は、製紙時の歩留りおよび/また
は脱水を改良するためにアニオン性無機粒子とともに使
用するのが好適である。ヨーロッパ特許出願第235,
893号に記載されている種類のベントナイト類を使用
するのが好適である。本発明の方法に用いることができ
るシリカをベースとする粒子、即ちSiO2 をベースと
する粒子には、コロイドシリカ;コロイド状のアルミニ
ウム変性シリカもしくはアルミニウムシリカ;および各
種のポリケイ酸がある。これらのものは、コロイド分散
液いわゆるゾルの形態で、セルロース繊維含有懸濁液に
添加される。シリカをベースとするゾルとして適当なも
のは、先に述べたヨーロッパ特許第41,056号とP
CT特許出願公報第WO86/00100号に記載され
ている。その他の適当なシリカゾルは、スウェーデン特
許出願第8903753−5号に記載されている。さら
にヨーロッパ特許出願第348,366号、同第35
9,552号およびPCT特許出願公開公報第WO89
/06637号は、ポリケイ酸に基づく適当なゾルを開
示しているが、これは、前記ケイ酸物質が、1nmのオ
ーダーの大きさで、1000m2 /gを越えるが約17
00m2 /gを越えない非常に大きな比表面積を有し、
ある程度凝集するかもしくはミクロゲルを生成する微小
粒子の形態で存在することを示している。紙またはパル
プシート製造用のセルロース繊維懸濁液にアニオン性無
機物質が添加される場合、その量は、乾燥ファイバーお
よびフィラーに対する乾燥物質として計算して、少なく
とも0.01Kg/トンであるべきである。適切な量は
0.1〜5Kg/トンの範囲内である。カチオンデンプ
ン:前記無機物質の重量比が使用される場合、それは、
少なくとも0.01:1、適切には少なくとも0.2:
1であるべきである。カチオンデンプンが使用される場
合、それは、乾燥ファイバーとフィラーに対する乾燥物
質として計算して、少なくとも前記0.1Kg/トンの
量で一般的に用いられる。適切な量は、0.5〜50K
g/トンの範囲内である。その他のカチオンポリマー、
例えば、前期のカチオン性ポリアクリルアミド、ポリエ
チレンイミン、ポリ(ジアリルジメチル塩化アンモニウ
ム)およびポリアミドアミンなども、前記のカチオンデ
ンプンおよび無機物質とともに使用することができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施態様を、添付図面を参照して以
下により詳細に説明する。
【0018】図1は溶解装置の基本的概略図、図2は好
ましいビーターの横断面図、図3は前記ビーターの軸方
向断面図、そして、図4は、図2と図3のビーターに用
いられるロータディスクの平面図である。もちろん、本
発明は図示した実施態様に限定されず、その特許請求の
範囲は多数の実施態様を包含している。
【0019】図1はデンプン粉末用のサイロ1を示し、
そのサイロはスクリューコンベヤ2に接続され、そのコ
ンベヤはファンネル3の上方で終端している。ファンネ
ル3の上部には、接線方向に水用の入口管4が設けら
れ、一方下部は、水位を制御するフロート8を備えたレ
ベリングタンク7からの水管14と合流している。この
水管14は、ビーター5とポンプ6(好ましくは偏心ス
クリューポンプ)とを通じてジェットボイラー10まで
伸び、そのジェットボイラー10には蒸気管15から水
蒸気が供給される。ジェットボイラー10の出口11
は、追加水用の管路12と合流して出口管13を形成し
ている。ビーター5が回転容積形ポンプの場合、ポンプ
6は省略できる。
【0020】図2,図3および図4は適切なビーター5
を示す。軸方向の入口21は、実質的に円筒形のハウジ
ング20と連通し、ハウジング20の内面には、縦方向
の溝27と横方向の溝28が形成され、接線方向の出口
22を有する。前記ハウジング内には、傾斜しかつ実質
的に平らなロータディスク24が配置され、ディスク2
4の中心部が駆動軸25に固定され、駆動軸25は電動
機に接続されている。ロータディスク24は、実質的に
前記ハウジングの軸方向全長に沿って伸び、かつ前記平
面において実質的に楕円形であって、ディスク24の周
囲とハウジング20の内面との距離が、ディスクが回転
するときに、事実上一定となる。さらにロータディスク
24の周囲は、ハウジング20の横方向の溝28と合致
するがハウジング壁とは接触しない歯29を備えてい
る。出口22には、大きすぎる塊が通過するのを防止し
うる孔もしくはスリットを有するセグメント26が形成
されている。図4は、ほぼ楕円形に延びた歯付きロータ
ディスク24の平面図である。
【0021】本発明のデンプン粉末溶解方法では、デン
プン粉末は、サイロ1からスクリューコンベア2を通じ
てファンネル3に供給され、そのファンネル内で、デン
プン粉末は、入口4を通じて接線方向に供給される水と
混合され、その結果、渦が発生する。得られた混合物
は、次いで、レベリングタンク7からの水でさらに希釈
される。約15〜60%の水をファンネルから受け、そ
れ以外の水はレベリングタンクから受けることが好まし
い。次に、前記混合物は、入口21を通じてビーター5
に送られ、ハウジング20内で回転ディスク24によっ
て強いせん断力を受け、凝集塊が分解されて該粒子が湿
潤してから、出口22を通ってビーターから出る。この
ようにビーターはポンプ作用を行うが、その作用は、前
記混合物を蒸気管15からの水蒸気とともに注入すべき
ジェットボイラー10に当該混合物を移送するポンプ6
ほどに大きくはない。ジェットボイラー10の圧力は、
適切には約60℃〜約130℃である作動温度において
沸騰するのを防ぐのに充分な高さである。出口11で
は、全デンプンが溶解しており、その溶液を、正圧があ
る場合これを放出する前に、管路12からの追加の水と
混合して、該溶液が沸騰しないようにする。
【0022】実施例1 図1〜3の装置を用いて、置換度が0.18でかつ2重
量%のアルミン酸ナトリウムを含有する高カチオン化デ
ンプンから、デンプン溶液を連続的に製造した。1時間
当り、62.4Kgのデンプン粉末を1.350m3
冷水(約16〜17℃)とファンネル3内で混合し、1
時間当り0.050m3 の冷水で希釈し、そしてGor
ator(登録商標)型のビーター5(1435rp
m)とポンプ6を通じてジェットボイラー10にポンプ
輸送し、ジェットボイラー10でデンプン1Kg当り約
5Kgの蒸気を添加した。ボイラー内の温度は87℃
で、乾燥分含量は3.5重量%であった。上記ジェット
ボイラーを通過した後、前記溶液を1時間当り1.40
0m3 の水で希釈した。デンプンと水の前記混合物は、
ビーターを通過させるのに約15秒かけ、ジェットボイ
ラーに到達させるのに約26秒かけ、そしてジェットボ
イラー内で約90秒間滞留させた。製造されたデンプン
溶液は、事実上、未膨潤デンプン粒を含有していなかっ
た。
【0023】実施例2 実施例1で使用したのと同じ品質のデンプンと同じ装置
を使用した。1時間当り52Kgのデンプン粉末を、フ
ァンネル内で、1時間当り1.350m3 の冷水(約2
〜3℃)と混合し、そして、1時間当り0.350m3
の冷水で希釈した。デンプン1Kg当り約5Kgの蒸気
をジェットボイラーに添加したところ、温度が110℃
になり、乾燥分含量は2.4重量%になった。上記ジェ
ットボイラーを出てから、前記溶液を1時間当り210
0m3 の水で希釈した。デンプンと水の前記混合物は、
ビーターを通過するのに約13秒かけ、ジェットボイラ
ーに到達するのに約21秒かけ、そしてジェットボイラ
ー内には約80秒間滞留させた。製造されたデンプン溶
液は、未膨潤デンプン粒を事実上含有していなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶解装置の基本的概略図である。
【図2】 好ましいビーターの横断面図である。
【図3】 図2のビーターの軸方向断面図である。
【図4】 図2と図3のビーターに用いられるロータデ
ィスクの平面図である。
【符号の説明】
1:サイロ、2:スクリューコンベヤ、3:ファンネ
ル,4:入口管、5:ビーター、6:ポンプ、7:レベ
リングタンク、8:フロート、10:ジェットボイラ
ー、11:出口、12:管路、15:蒸気管、20:ハ
ウジング、21:軸方向の入口、22:接線出口、2
4:ロータディスク、25:駆動軸、26:セグメン
ト、27:縦方向の溝、28:横方向の溝、29:歯。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 17/28 B01F 1/00 C08B 30/14 C08L 3/02 - 3/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも0.07の置換度を有
    する高度にカチオン化されたデンプンを含有する粒子を
    冷水と混合し、 (b)前記デンプン粒子を前記水と接触させてから1分
    間以内にせん断力を前記混合物に加えて、生成した凝集
    塊を分解しかつ個々の各粒子を湿潤させ、それから (c)前記混合物を1分間以内に少なくとも60℃まで
    加熱して、得られる溶液の最大粘度を越えるまで該混合
    物を上記加熱状態に維持することを特徴とする、デンプ
    ン溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷水の温度が0℃〜35℃であるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 実質的にすべてのデンプン粒子を、前記
    水と接触させてから5分間以内に湿潤させることを特徴
    とする、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 回転手段(24)が内蔵されたハウジン
    グを通じてせん断力の付加が連続的に行われる装置内
    で、デンプン粒子と冷水の前記混合物にせん断力を加
    え、存在する凝集塊と塊を、前記デンプン粒子が湿潤す
    る時に分解することを特徴とする、請求項1に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 乾燥分含量が加熱中2重量%を越えるよ
    うな量で前記デンプンが添加されることを特徴とする、
    請求項1に記載の方法。
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