JP2791783B2 - 蕎麦酒の製造方法及びその方法により製造した蕎麦酒 - Google Patents

蕎麦酒の製造方法及びその方法により製造した蕎麦酒

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は蕎麦酒及びその製造方法に関するものであ
り、更に詳しくは、風味に優れ且つ好ましい色彩を有す
る蕎麦酒及びその簡便な製造方法に関するものである。
[従来の技術] 一般に、「酒」といえば清酒即ち日本酒を意味し、そ
の製造原料としては米が使用されていたが、古くは我国
の主食たる米が不足してきたため、又、最近では需要者
の嗜好が多様化するようになったため、米以外の原料を
使用した酒類の研究が盛んに行なわれるようになった。
例えば、特公昭30-4437号公報には小麦等を原料とす
る清酒の醸造法が開示されており、又、特開昭52-25098
号公報には穀類酒の製造方法が、更に、特開昭61-25417
5号公報には米以外の穀類を用いた酒類の製造方法が開
示されている。
一方、蕎麦も古くから我国の常用食となっているのみ
ならず、焼酎の原料として広く用いられていたものであ
るので、これを原料として清酒と同様の酒類を製造する
ことができれば、蕎麦の有する香気をそのまま含んだ酒
類とすることができて好都合と考えられ、事実、上記特
開昭52-25098号公報及び特開昭61-254175号公報には、
穀類酒を製造するために使用する穀類の一種として、蕎
麦が挙げられている。
[発明が解決しようとする問題点] 然しながら、上位概念として穀物類を原料として酒類
を製造することは知られていても、実際に蕎麦を原料と
して酒類を製造した例は少なく、上記特開昭52-25098号
公報では、原料として蕎麦が使用できるということは記
載されているが、実施例において蕎麦を使用した酒類の
製造方法は見当たらない。
又、上記特開昭61-254175号公報には、蕎麦を使用し
た酒類の製造方法が実施例と共に記載されているが、過
熱水蒸気の存在下で蕎麦をα化しなければならず、煩雑
であるばかりか、蕎麦の表面がヌルヌルとした状態とな
り、製麹が実質的に不可能となるという難点がある。
本発明は上述した従来技術の難点を解消することを目
的としてなされたものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明が採用した蕎麦酒の
製造方法は、蕎麦を原料の一とし、通常の醸造法に従っ
て醸造した後、酸素の不存在化で適宜期間貯蔵すること
を特徴とするか、或は、蕎麦を原料の一とし、通常の醸
造法に従って醸造した後、酸素の不存在化、常温より低
い温度で適宜期間貯蔵することを特徴とするものであ
り、又、本発明による蕎麦酒は、蕎麦を原料の一とし、
通常の醸造法に従って醸造した後、酸素の不存在化で適
宜期間貯蔵して得られることを特徴とするか、或は、蕎
麦を原料の一とし、通常の醸造法に従って醸造した後、
酸素の不存在化、常温より低い温度で適宜期間貯蔵して
得られることを特徴とするものである。
即ち、本発明は、蕎麦を原料として清酒と同様の酒類
を製造することのできる方法を得るため、発明者が鋭意
検討を重ねた結果、本発明の蕎麦酒の製造方法が完成さ
れ、そして当該方法で製造された蕎麦酒を吟味してみる
と、これには蕎麦の有する香気をそのまま含んでいると
いう特徴のみならず、好ましい色彩を有するに至ことを
見出して本発明蕎麦酒の発明が完成されたものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の蕎麦酒の製造方法においては、蕎麦を
原料の一とし、従来公知の醸造法に従って蕎麦酒を醸造
する。
この醸造工程において採用される醸造方法は、例えば
清酒につき知られているものをそのまま利用することが
でき、例えば、所謂清酒醸造の常法の他、糖化と発酵と
を別個に行なう方法や仕込水として蕎麦を糖化した液を
使用する方法等を挙げることができる。
尚、上記醸造工程において所謂酵素剤を使用すること
もできるが、酵素剤を使用して得られた蕎麦酒につき官
能検査をしてみると、うまみの点で問題のあることがあ
るので、米麹を使用するほうが好ましい。
又、醸造工程における作業の容易さや得られる蕎麦酒
の味等の観点からは、使用する蕎麦の量は総米に対して
10乃至20%とした場合に良い結果が得られる。
而して、得られた蕎麦酒は、当初所謂山吹色をしてい
るが、これを適当な条件下で貯蔵すると、所謂ワインレ
ッドへと変化し、従来は存在しなかった商品価値の高い
蕎麦酒となる。
上記貯蔵条件の第1は、酸素を絶って貯蔵することで
あり、これは、当初所謂山吹色であるものがワインレッ
ドへと変化する主たる原因が、酵素的褐変であり、この
酵素的褐変が酸素の存在下で促進されることが分かって
いるので、この反応の過剰な進行を防止するためであ
る。
尚、ワインレッドへと変化する他の原因としては、高
いPHにより促進されるアミノカルボニル反応や、鉄分に
由来する着色等があり、使用するそばの量を多くすれば
PHが高くなるとともに鉄分も多くなるので、この点から
しても使用するそばの量は上述したような割合であるこ
とが好ましいといえる。
そして、上記貯蔵条件の第2は、所謂常温より低い温
度で貯蔵することであり、これは、特に仕込時の蕎麦の
割合が大きいものについては、貯蔵期間中にみられる褐
変度(OD420/OD520)の低下がみられず、褐変が進んで
しまうので、これを防止するためである。
尚、上記の褐変は加熱処理をすることにより停止させ
ることができる。
一方、本発明の蕎麦酒は、上記本発明の製造方法によ
り得られるもので、風味に優れ且つ好ましい色彩を有す
るという特徴を有するものである。
[発明の作用及び効果] 上記本発明によれば、蕎麦を原料の一とし、従来公知
の醸造法に従って蕎麦酒を醸造して、これを適当な条件
下で貯蔵することにより、風味に優れ且つ好ましい色彩
を有する蕎麦酒を簡便に製造することができ、しかも得
られた蕎麦酒のこれらの特徴は、従来の酒類になかった
ものであり、高い商品価値を有するものであるといえ
る。
[実施例] 以下に本発明を実施例により更に詳細に説明する。
1蕎麦酒の醸造 A常法による醸造 総米3,000g(白米2,300g、麹米700g)とし、この総米
中の白米に対し蕎麦をおおむね10%、20%、30%、50%
の割合で使用し、くみ水は対原料重量比で128%とし
た。
詳細な仕込配合は以下の表1の通りであった。
15乃至16日間発酵させたところ、1仕込当り5,500ml
の蕎麦酒を得た。
尚、上記実施例においては、蕎麦を多量に使用した場
合、これを蒸すと粘性が出てしまうので、煮てから使用
したが、10%乃至20%の割合の場合は米と混合して蒸す
ことができる。
又、得られた蕎麦酒につき官能検査を行なったとこ
ろ、蕎麦を10%乃至20%の割合で使用したものが良好な
結果を示した。
B糖化と発酵を別個に行なう方法による醸造 総米600g(白米200g、麹米200g、蕎麦200g)とし、く
み水は対原料重量比で300%(1,800ml)とした。
仕込は、まず蕎麦200gと白米200gを常圧で40分間蒸煮
し、その後50℃に冷却して麹米200gを添加し、50℃で24
時間糖化させた。成分はボーメ12.5、酸度2.4となっ
た。
これに協会9号酵母を106/mlとなるように添加し、15
℃で発酵を5日間行ない、上槽して蕎麦酒を2,200ml得
た。
得られた蕎麦酒は、多少味が濃いが上記実施例Aで得
られたものとほぼ同様であり、この実施例による方法に
は短期間で所望の蕎麦酒を得ることができるという特徴
がある。
C蕎麦糖化液を仕込水に用いる方法による醸造 総米3,000g(白米2,400g、麹米600g)とし、白米2,40
0gのうちの500g及び麹米600gのうちの250gは蕎麦の糖化
に使用した。
くみ水としては、単なる水を用いるのではなく、蕎麦
を糖化させた糖液を使用した。即ち、蕎麦500gを水3,00
0ml中で40分間煮沸させ、50℃に冷却後、米麹を添加し
て8乃至10時間、保温状態で糖化を行ない、ボーメ6.0,
酸度1.8の搾液3,000mlを得、この搾液を仕込水として使
用したのである。くみ水歩合は、原料重量比で142%と
なった。
仕込は、清酒製造の常法に従い、唯、水のかわりに上
気蕎麦糖化液を使用し、且つ、麹の割合を減じて行なっ
た。
詳細な仕込配合は以下の表2の通りであった。
19日目に上槽し、4,500mlの蕎麦酒を得た。
得られた蕎麦酒は、多少味が薄いが上記実施例Aで得
られたものとほぼ同様であり、この実施例による方法に
はすっきりした味の蕎麦酒を得ることができるという特
徴がある。
2醸造した蕎麦酒の貯蔵 A酸素の影響 1で得られた蕎麦酒は、当初所謂山吹色をしている
が、貯蔵容器に充満して酸素を追い出すか、或は、貯蔵
容器中に形成される空間に窒素等を充填した状態で貯蔵
すると、鮮やかなワインレッドに変化した。
尚、上記と同一の貯蔵容器の途中まで、上記醸造した
蕎麦酒を入れ、同一の条件で貯蔵したところ、変色が進
行して褐色の蕎麦酒となってしまった。
B温度の影響 上述したように1で得られた蕎麦酒は、当初所謂山吹
色をしているが、冷蔵庫(約4℃)内で貯蔵すると、鮮
やかなワインレッドに変化した。
尚、上記と同一の貯蔵容器を常温(約15℃乃至25℃)
で貯蔵したところ、変色が進行して褐色の蕎麦酒となっ
てしまうものがあり、これらにおいては香気も悪化して
しまった。
3本発明蕎麦酒の香気成分 ガスクロマトグラフィにより分析したところ、次に示
す表3のような結果が得られ、官能検査のみならず機器
分析によっても本発明蕎麦酒の優れた香気が証明され
た。
尚、上記表中の蕎麦酒Aは2年間貯蔵した本発明蕎麦
酒を、蕎麦酒Bは貯蔵期間が1年未満の本発明蕎麦酒を
示し、略号はそれぞれ以下のような香気成分を示す。
EA……酢酸エチル I-BAC……酢酸イソブチル I-BAL……イソブチルアルコール I-AAC……酢酸イソアミル I-AAL……イソアミルアルコール EC……カプロン酸エチル 又、表中の数値は、それぞれの香気成分の濃度をppm
単位で表わしたものであり、さらに略号E/Aは、清酒に
おける香りの良さを表わすための指標とされているもの
で、式 I-AAC/I-AAL×100 で求められるものである。
本発明は以上のとおりであるから、蕎麦酒の製造方法
及びその方法により製造した蕎麦酒として優れている。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蕎麦を原料の一とし、通常の醸造法に従っ
    て醸造した後、酸素の不存在化で適宜期間貯蔵すること
    を特徴とする蕎麦酒の製造方法。
  2. 【請求項2】蕎麦を原料の一とし、通常の醸造法に従っ
    て醸造した後、酸素の不存在化、常温より低い温度で適
    宜期間貯蔵することを特徴とする蕎麦酒の製造方法。
  3. 【請求項3】醸造に際しては、米麹を使用することを特
    徴とする請求項1又は2記載の蕎麦酒の製造方法。
  4. 【請求項4】使用する蕎麦の量は、総米に対し10乃至20
    %であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の蕎
    麦酒の製造方法。
  5. 【請求項5】得られる蕎麦酒は、ワインレッドの色彩を
    有していることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載の蕎麦酒の製造方法。
  6. 【請求項6】蕎麦を原料の一とし、通常の醸造法に従っ
    て醸造した後、酸素の不存在化で適宜期間貯蔵して得ら
    れることを特徴とする蕎麦酒。
  7. 【請求項7】蕎麦を原料の一とし、通常の醸造法に従っ
    て醸造した後、酸素の不存在化、常温より低い温度で適
    宜期間貯蔵して得られることを特徴とする蕎麦酒。
  8. 【請求項8】ワインレッドの色彩を有していることを特
    徴とする請求項5又は6記載の蕎麦酒。
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