JP2788977B2 - 導波型光分岐素子 - Google Patents

導波型光分岐素子

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JP2788977B2 JP1174072A JP17407289A JP2788977B2 JP 2788977 B2 JP2788977 B2 JP 2788977B2 JP 1174072 A JP1174072 A JP 1174072A JP 17407289 A JP17407289 A JP 17407289A JP 2788977 B2 JP2788977 B2 JP 2788977B2
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    • G02B6/2804Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers
    • G02B2006/2865Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers couplers of the 3x3 type

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光通信分野や光センサ分野等で用いられる
光分岐素子(カプラ)に関し、さらに詳細には、パワー
結合率の波長依存性を緩和した導波型光分岐素子に関す
るものである。
[従来の技術] (3×3)カプラはその形態により、1)ファイバ
型、2)導波型に大別することができる。ファイバ型
は、光ファイバ自身を構成材料として融着・延伸工程を
経て構成されるものであるが、その作成工程には、職人
芸を要し、再現性が不良で量産に適さない問題点を残し
ている。これに対して、導波型は、フォトリソグラフィ
工程により、平面基板上に一括大量生産できる利点があ
り、再現性や小型集積可能性の点で将来型の形態として
注目されている。
第6図は、従来の導波型(3×3)光分岐素子(カプ
ラ)の構成例を示す平面図である。第6図において、平
面基板21上に3本の光導波路21a,21bおよび21cが配置さ
れ、これら光導波路の一部は互いに近接して方向性結合
器22を構成している。方向性結合器22は、例えばポート
23bから入射された信号光を、ポート24a,24b,24cに分岐
して出力するように設計されている。この時、方向性結
合器のパワー結合率を、希望する特定の波長で所望の値
に設定することは可能であるが、広い波長域で光分岐素
子を使用する場合には、結合率の波長依存性が問題であ
った。
[発明が解決しようとする課題] 第7図は、第6図に示した導波型光分岐素子の結合率
の波長依存性の一例であるが、この例では、波長1.3μ
mにおいて信号光が各出力ポート24a,24b,24cに等分配
されるよう各出力ポートの結合比(I23b-24a=I23b-24c
=0.33、I23b-24b=0.34)を得た場合、波長1.55μmで
は、(I23b-24a=I23b-24c=0.45、I23b-24b=0.10)と
なってしまい、波長1.3μmと波長1.55μmの双方にお
いて同時に等分配光分岐素子として動作させることはで
きなかった。
一般に、(3×3)方向性結合器の中心導波路(ここ
では導波路21b)から信号光を入射した際のパワー結合
率C(=I23b-24a=I23b-24c)は次式で与えられる。
C=(sin2ψ)/2 (1) ここで、ψは、方向性結合器の結合部の光導波路間隔
や結合部長さ、波長等に依存する。通常、ψは波長の増
加につれて増加し、この事実が、第7図において33%結
合率(C=0.33)を広い波長域にわたって保持すること
ができなかった理由である。
以上、従来の(3×3)光結合素子の問題点を導波型
を例に説明したが、ファイバ型についても全く同様の問
題が存在していた。
そこで本発明の目的は、上記の欠点を解決し、所望の
波長域、たとえば1.3μm−1.55μmを含む波長域にお
いて、結合率の波長依存性が、大幅に緩和された導波型
(3×3)光分岐素子を提供することにある。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために、本発明では、(3
×3)形方向性結合器2個で構成した3光束光干渉計回
路を基板上に配置し、これら2個の方向性結合器を連結
する3本の光導波路の方向性結合器間の実効光路長の差
を、制御された微小量に定めて、3光束光干渉計回路全
体で光分岐素子を構成する。
すなわち、本発明は、基板と、基板上に配置された3
本の光導波路と、3本の光導波路を2箇所で互いに近接
させた構成の2個の(3×3)形方向性結合器とを有す
る3光束式光干渉計を具え、3本の光導波路のいずれか
一本の一端を入力ポートとし、3本の光導波路の他端
を、それぞれ出力ポートとする導波型光分岐素子であっ
て、3本の光導波路のうち、2個の方向性結合器間を結
合する部分の実効光路長を、1本の光導波路と他の2本
の光導波路とで異ならせ、3光束式光干渉計全体として
のパワー結合率の波長依存性を所定波長域にわたって緩
和するよう、実効光路長差を所定波長域の短波長端の波
長端よりやや小さく設定したことを特徴とする。
ここで、所定の波長域をλ〜λとするとき、方向
性結合器の結合率Cを、波長域λ〜λで単調に増加
するように設定し、(n・△L)値が波長域の短波長端
λの値よりやや小さく設定するのが好適である。
[作 用] 本発明では、2個の(3×3)方向性結合器を連結し
その間にθの位相差を与えて、方向性結合器の波長依存
性を緩和している点で従来の(3×3)光分岐素子と
は、大きく相違する。
第1図は、本発明の導波型(3×3)光分岐素子の基
本的な構成例を示す平面図であり、平面基板1の上に光
導波路1a,1bおよび1cが配置される。これら光導波路1a,
1bおよび1cを2箇所で互いに近接させて(3×3)方向
性結合器2aおよび2bを構成する。中心の光導波路1bの一
端3bを入力ポートとし、光導波路1a,1bおよび1cの各他
端をそれぞれ出力ポート4a,4bおよび4cとする。Pinは入
力ポート3bに入来する入力光であり、Pmainは出力ポー
ト4bから取り出される主出力光、Psubは出力ポート4aお
よび4cから取り出される副出力光である。
ここで、2個の方向性結合器2aと2bとの間における光
導波路1aと1bの光路長差、および、光導波路1bと1cの光
路長差が微小量△Lに設定されている。このように設定
された3光束干渉計回路では、2個の方向性結合器2aと
2bの間に、実効光路長差(n・△L)による位相差 θ=2π・n・△L/λ (2) (ここで、n=光導波路の屈折率、λ=波長) が存在し、第1図の3光束光干渉計全体としてのパワー
結合率Ci Ci=Psub/(Pmain+2Psub) (3) は、次式で与えられる。
Ci=2cos2(θ/2)・sin2ψ・ [1−cos2(θ/2)・sin2ψ] (4) ここで、ψは(3×3)方向性結合器単体の結合率を
規定する(1)式の変数である。
参考までに、θ=零、すなわち△L=零の場合には、
(4)式は、次のように変形される。
CiO=[sin2(2ψ)]/2 (4′) 本発明では、(4)式において、方向性結合器単体の
波長依存性を規定する結合項sin2ψが、位相差項cos
2(θ/2)との積の形で現れている点に着眼している。
すなわち、本発明は、(4)式において、sin2ψ項の波
長依存性を、cos2(θ/2)項の波長依存性、すなわち、
(2)式の位相差θの波長依存性を利用して打ち消すこ
とに原理を置いている。もちろん、sin2ψ項の波長依存
性とcos2(θ/2)項の波長依存性が、所定波長域で都合
よく打ち消しあい、波長依存性の小さい所望の結合率を
実現するためには、(4)式を吟味して、方向性結合器
2aおよび2bの結合率Cの波長依存性や実効光路長差(n
・△L)値を適切に設定することが必要である。
以下に、本発明の光分岐素子の設計指針を説明する。
波長域λ〜λにおいて結合率の波長依存性の小さい
光分岐素子を構成する場合には、この波長域において結
合率が単調増加するように各方向性結合器を設計し、し
かも方向性結合器間の(n・△L)値を波長域の短波長
端λ値よりもやや短めの値λに設定すると良い。こ
のような設定下では、波長λ=λにおいては、(2)
式のθは2πとなり、(4)式におけるcos2(θ/2)項
は、θ=0の場合と同様に最大値1となり、連結された
2個の方向性結合器の結合率は、(4′)式と一致し、
連結された2個の方向性結合器の結合率がそのまま、光
分岐素子全体としての結合率となる。波長λがλを越
えて大きくなると、θの波長依存性により、cos2(θ/
2)項は次第に減少し、sin2ψ項の増加現象を抑制する
ように作用する。この抑制波長域が、長波長側へどこま
で伸び長波長端λをどこにまで拡大できるかは、個々
の方向性結合器の詳細設計に依存する。
[実施例] 以下に、光導波路としてシリコン基板上に形成した石
英系単一モード導波路を使用した本発明の具体的実施例
について説明する。石英系単一モード光導波路は単一モ
ード光ファイバとの接続性に優れ、実用的な導波路型光
分岐素子を提供できるが、本発明は、かかる石英系光導
波路にのみ限定されるものではないことはもちろんであ
る。
実施例1 第2図(A),(B),(C)および(D)は本発明
の導波型光分岐素子の第1実施例として、波長域λ
1.2μm〜λ=1.6μmで、Ci=33%±5%の結合率を
有するよう設計した3分岐素子の構成を示すそれぞれ、
平面図、およびこの平面図(A)における線分AA′,B
B′およびCC′にそれぞれ沿った断面を示す拡大断面図
である。
ここで、基板1としてはシリコン基板、光導波路1a,1
bおよび1cとしてはシリコン基板1上に石英系ガラス材
料により形成された石英系光導波路を用いた。光導波路
1a,1bおよび1cは、2箇所で互いに近接させて方向性結
合器2a,2bを構成した。
光導波路1a,1bおよび1cは、膜厚50μm程度のSiO2
ガラスによるクラッド層5に埋設された断面寸法8μm
×8μm程度のSiO2−TiO2系ガラスコア部からなり、直
線パターンと曲率半径50mmの円弧パターンの組合せによ
り3光束式光干渉計回路を構成した。このような石英系
光導波路1a,1bおよび1cは四塩化シリコンや四塩化チタ
ンの火炎加水分解反応を利用したガラス膜堆積技術と反
応性イオンエッチングによる微細加工技術との公知の組
合せで形成できる。
方向性結合器2aおよび2bの各結合部は、3本の光導波
路1a,1b,1cの間隔を4μmに保ち、1.2mmの距離にわた
って平行に配置することにより構成した。
入力ポート3a,3bおよび3cのピッチ、出力ポート4a,4b
および4cのピッチは、いずれも0.250mmに定めた。光導
波路1a,1bおよび1cのうち、2個の方向性結合器2aと2b
とを連結する部分の導波路長は、光導波路1bがL、光導
波路1aと1cがL+△Lであり、(n・△L)値は、1.15
μmに設定した。石英系光導波路の屈折率nは約1.45で
あるから、△Lは0.79μmに設定されていることにな
る。△Lは、第2図(A)における2個の方向性結合器
2aと2b間の曲線導波路と直線導波路との長さのわずかな
差を利用してフォトマスクパターン段階で正確に設定し
た。
第3図は、本実施例の光分岐素子についての結合率Ci
の波長依存性を説明する図である。ここで曲線(a)
は、構成要素である方向性結合器2a,2b自身の結合率特
性を示す。曲線(b)は、本発明による光干渉計型光分
岐素子(n・△L=1.15μm)の結合率特性を示す。曲
線(c)は、n・△L=0.0μmに設定した場合、すな
わち、(4′)式のCiOに対応する結合率特性を示す。
曲線(a)および曲線(c)では、結合率が1.3μm
〜1.55μm波長域で波長増加につれて単調増加している
が、曲線(b)では、波長1.4μm近傍にピークを持つ
なだらかな変化を示し、1.2μmから1.6μmの広い波長
域にわたって、33%±5%の結合率に保たれている。こ
れは、適正に設定された(n・△L)値の作用により、
方向性結合器複合体の結合率の単調増加(曲線(c)が
抑制されているためである。すなわち、(2)式のθが
決まり、(4)式のcos2(θ/2)項によりsin2ψ項の増
加現象が抑制されるためである。ここで、入=n・△
Lとすると、波長λがλに等しくなるときにθ=2π
となるから、cos2(θ/2)項は1となり、(4)式は
(4′)式となる。すなわち、λ=λのときに、曲線
(b)と(c)が一致する。
波長がλさらにはλを越えて増加するにつれて、
cos2(θ/2)項は、1の値より減少を開始し、sin2ψ項
の増加を打ち消す。
換言すれば、本実施例では、波長とともに結合率Cが
50%に向かって増加してしまう2個の方向性結合器の間
の光路長に位相差θ=2πλ0/λを与えることにより、
これら方向性結合器の複合体に(n・△L)の非対称性
を与え、この非対称性により、方向性結合器複合体の結
合率Ciが50%に達するのを抑制し、抑制された最大結合
率が得られる波長帯が所望波長域λ〜λのほぼ中間
に位置するよう設定していることになる。
本発明では、実効光路長差(n・△L)値、すなわち
△Lの設定は、精密に行う必要があり、本実施例で、n
・△Lが適正値1.15μmからずれて、例えば1.4μmに
なると望ましいなだらかな波長依存性がえられないこと
を指摘しておく。すなわち、n・△Lあるいは△Lの設
定には、サブミクロン以下の精度が必要であるが、これ
は、前述したように、今日のフォトリソグラフィ技術で
は、容易に達成される。
ここで、本実施例の(3×3)光分岐素子の寸法につ
いて述べておくと、長さ25mm、幅2.5mmと小形であり、
例えば3インチSiウェハ基板上に一括して40個程度作製
することが可能であった。
また、本光分岐素子の損失値は0.2dB程度と極めて小
さかった。入出力ポートに接続した単一モード光ファイ
バとの接続損を含めた光分岐素子の損失値も、0.5dB程
度以下と小さく、十分実用に耐えるレベルにあることを
確認した。
上記実施例では、本発明の基本原理を理解してもらう
ために、2個の方向性結合器2aおよび2bが同一の結合率
特性を有する場合を扱ったが、本発明は、これに限定さ
れるものではなく、2個の方向性結合器の結合特性を必
ずしも等しく選ぶ必要はなく、むしろ、互いに異なるよ
う選んだ方が、全体として波長依存性がより緩和された
(3×3)光分岐素子を構成できることを、以下の実施
例で説明する。
実施例2 第4図は本発明の第2実施例の特性図、すなわち、方
向性結合器2aおよび2bとして、異なる特性の方向性結合
器を用いて構成した(3×3)光分岐素子についての結
合率の波長依存性を示す特性図を示す。第4図におい
て、曲線(a)は、一方の方向性結合器2aの結合特性を
示し、曲線(b)は、方向性結合器2aの3倍の結合長を
もつよう設定された他方の方向性結合器2bの結合特性を
示す。曲線(c)は、方向性結合器2aと2bの間の、光導
波路1aと1bとの実効光路長差、および光導波路1cと1bと
の実効光路長差を、いずれも(n・△L)=1.06μmに
設定した際に得られた3光束干渉計型(3×3)光分岐
素子全体としての結合特性を表している。
なお、本実施例での方向性結合器2aおよび2bの基本構
造は、下記の通りである。
方向性結合器2a 導波路間隔4μm 結合長 0.6mm 方向性結合器2b 導波路間隔4μm 結合長 1.8mm 第4図曲線(c)に示した本実施例光結合素子の結合
特性は、第3図の曲線(b)に示した実施例1の光分岐
素子に比べて、より広い波長域で、より平坦化、すなわ
ち波長無依存化されていることがわかる。
本実施例ように、2個の方向性結合器2aおよび2bの結
合特性が異なる場合には、光分岐素子全体としての結合
率Ciを記述する式は、(4)式に比べて複雑になり、電
気計算機上で、結合方程式を解いて、所定波長域で波長
依存性が緩和される数値解を求めることが望ましい。し
かし、本実施例においても、実効光路長差(n・△L)
の適正設定により、方向性結合器2aおよび2bが本来もっ
ている波長依存性を、緩和していることに変わりはな
い。
なお、本実施例において、2つの方向性結合器2aおよ
び2bとして、上記特性のものを入れ替えても、同一結合
特性の光分岐素子が得られる。
実施例3 第5図は、本発明の第3実施例の特性を示す。本図
は、波長域1.1μm〜1.8μmもの広い波長域において10
%程度の結合率を有するよう構成した光分岐素子につい
ての結合率の波長依存性を示す特性図である。
本実施例においても、実施例2と同様に2個の方向性
結合器2aおよび2bの結合特性を異ならせてあり、基本構
造は、下記の通りである。
方向性結合器2a 導波路間隔4μm 結合長 0.6mm 方向性結合器2b 導波路間隔4μm 結合長 1mm 実効光路長差(n・△L)=1.0μm 以上の実施例において、方向性結合器の結合部の構造
パラメータについてそれぞれ記述したが、方向性結合器
は極めて構造敏感な光回路素子であるので、製造者はそ
れそれの製造工程の癖などを考慮して、パラメータを変
更することができる。
以上の実施例の説明では、3本の光導波路1a,1bおよ
び1cのうちの中心導波路1bの一端、入力ポート3bから信
号光を入力した際の、結合特性について扱った。これ
は、このような使用形態が最も一般的であるからであ
る。しかし、本発明の光分岐素子の波長依存性緩和特性
は、他の入力ポート3aあるいは3bから信号光を入力して
も維持されることを指摘しておく。もちろん、入力ポー
ト3aあるいは3cを用いた場合には、出力ポート4aの出力
光強度と出力ポート4bの出力広強度とには、通常、大き
な強度差が見られることはもちろんである。
また、上述の各実施例においては、導波路1aと1cの実
効光路長が、2個の方向性結合器間で、中心導波路1bを
基準にしてそれぞれ(n・△L)だけ長い場合を扱っ
た。バリエーションとして、導波路1cを基準にして、導
波路1bおよび1aの実効光路長が、それぞれ(n・△L)
および2(n・△L)だけ長い構成も試みたが、やは
り、波長依存性の緩和された(3×3)光分岐素子が実
現できたことを指摘しておく。この場合、入力ポート3b
に信号光を入力しても、出力ポート4aと4cに等しく分配
されなくなることは、対称性の考察から当然帰結され
る。
以上の実施例においては、方向性結合器2aと2bの結合
部分は、中心導波路1bを中心にして、光導波路1a側と1c
側のが対称であったが、場合によっては、この対称性を
崩して、例えば光導波路1aと1bの間隔を光導波路1bと1c
との間隔より広くして、信号光を中心導波路1bの入力ポ
ート3bに入力した際の出力ポート4aからの出力光強度を
出力ポート4cからの出力光強度よりも小さくすることも
可能である。もちろんこの場合でも(n・△L)値の設
定により、結合特性の波長依存性は緩和される。
なお、本発明の光分岐素子は入力ポート3個、出力ポ
ート3個の(3×3)構造を基本とするが、場合によっ
ては、例えば入力ポートのうち2個を省略して、見かけ
上(1×3)カプラとして構成する等の変形を与えるこ
とも適宜できる。
また、以上の実施例においては、シリコン基板上の石
英系(SiO2−TiO2)光導波路により、光分岐素子を構成
したが、基板は、シリコンに限定されず、石英ガラス基
板に変更することも可能である。また、コア部の主ドー
パントとしてGeO2を用いたSiO2−GeO2系光導波路を用い
ることもできる。また、前述したように、本発明はこれ
らの石英系光導波路に限定されるものではなく、他の導
波路材料系、例えば、多成分ガラス導波路系やニオブ酸
リチウム導波路系にも適用できる。
また、上記実施例では、実効光路長差(n・△L)
を、2個の方向性結合器を連結する光導波路の長さの差
として設定したが、場合によっては、光導波路長を同一
にしておき、2本の光導波路の屈折率値nに僅かな差を
与えことにより、実効的な光路長差を設定してもよい。
例えば、方向性結合器間の光導波路上部に薄膜ヒータを
装着しておき、片側の光導波路の屈折率値を熱光学効果
により調整して所望の光分岐素子を実現することもでき
る。予め設定しておいた△L値に加えて、長い方あるい
は短い方の導波路上に予備的な薄膜ヒータを装荷してお
き、薄膜ヒータをオン・オフすることにより結合率特性
をスイッチング(波長依存性小←→波長依存性大)する
ことも可能であることを指摘しておく。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明では、2個の(3×3)
方向性結合器を連結して3光束干渉計回路を構成し、こ
れら2個の方向性結合器を連結する光導波路の実効光路
長に制御された僅かな差を与え、3光束干渉計回路全体
を光分岐素子として動作させることにより、方向性結合
器自体の結合率・波長依存性を緩和して所望波長域にわ
たって、波長依存性の少ない、低損失光分岐素子を提供
することができる。このような導波型(3×3)光分岐
素子は、広い波長域に分布する光信号の分配用やモニタ
ー用、タップ用として幅広い用途が期待される。また逆
に、2本あるいは3本の信号光を合流させる光合流素子
としての用途も期待される。
また、平面基板上に本発明の分岐素子を多段に連結す
ることにより、9分岐素子や27分岐素子へ拡張も容易で
ある。また、同一基板上に光分岐素子をアレイ状に形成
し、例えば250μmピッチの光ファイバアレイと接続し
て使用することも可能である。
本発明光分岐素子は平面基板上に大量一括製作できる
ことから、低価格化も期待でき、本発明の光分岐素子お
よびその応用素子は、光通信システムや光センサシステ
ムの普及に大きく貢献するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の導波型光分岐素子の基本的構成例を示
す平面図、 第2図(A),(B),(C)および(D)は、本発明
による導波型(3×3)光分岐素子の第1実施例の構成
を示す、それぞれ、平面図、AA′線断面図、BB′線断面
図およびCC線断面図、 第3図は第1実施例の光分岐素子における結合率の波長
依存性の説明図、 第4図は本発明による導波型(3×3)光分岐素子の第
2実施例における結合率の波長依存性の説明図、 第5図は本発明による導波型(3×3)光分岐素子の第
3実施例における結合率の波長依存性の説明図、 第6図は、従来の導波型(3×3)光分岐素子の構成例
を示す平面図、 第7図は、従来の導波型(3×3)光分岐素子における
結合率の波長依存性を示す説明図である。 1……基板、 1a,1b,1c……光導波路、 2a,2b……方向性結合器、 3a,3b,3c……入力ポート、 4a,4b,4c……出力ポート、 5……クラッド層、 21……基板、 21a,21b,21c……光導波路、 22……方向性結合器、 23a,23b,23c……入力ポート、 24a,24b,24c……出力ポート。
フロントページの続き (72)発明者 高木 章宏 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−37507(JP,A) 特開 平3−213829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/12 G02B 6/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、 前記基板上に配置された3本の光導波路と、 前記3本の光導波路を2箇所で互いに近接させた構成の
    2個の(3×3)形方向性結合器とを有する3光束式光
    干渉計を具え、 前記3本の光導波路のいずれか1本の一端を入力ポート
    とし、前記3本の光導波路の他端を、それぞれ出力ポー
    トとする導波型光分岐素子であって、 前記3本の光導波路のうち、前記2個の方向性結合器間
    を結合する部分の実効光路長を、1本の光導波路と他の
    2本の光導波路とで異ならせ、前記3光束式光干渉計全
    体としてのパワー結合率の波長依存性を所定波長域にわ
    たって緩和するよう、前記異なる実効光路長の差を前記
    所定波長域の短波長端の波長値よりやや小さく設定した
    ことを特徴とする導波型光分岐素子。
  2. 【請求項2】前記2個の(3×3)形方向性結合器の結
    合特性が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載
    の導波型光分岐素子。
  3. 【請求項3】前記所定波長域が1.3μm〜1.55μm域を
    含み、かつ前記実効光路長差が1μm近傍であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の導波型光分岐素
    子。
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