JPH0973021A - 方向性結合器およびその製造方法 - Google Patents
方向性結合器およびその製造方法Info
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Abstract
長依存性や損失の少ない優れた性能を得ることができる
方向性結合器を提供する。 【解決手段】 基板11に2本の光導波路12,13が
所定の間隔で隣接する結合領域をもって配設された方向
性結合器において、2本の光導波路12,13の結合領
域にこれら2本の光導波路12,13の底部を連結する
光導波路12,13と同じ材料からなる光結合層14が
設けられる。2本の光導波路12,13は結合領域の中
央部で間隔が最小になりここから離れるにつれて間隔が
大きくなるようにパターン形成され、かつ光結合層14
は結合領域中央部で最も厚くこれから離れるにつれて徐
々に薄くなるように膜厚が調整される。
Description
における光集積回路に有用な方向性結合器に関する。
向性結合器として、図5に示すものが知られている。こ
れは、基板51の表面に、2本の光導波路52、53を
微小間隔dを持つ距離Lの結合領域を持たせてパターン
形成して得られる。この方向性結合器は、二つの入力ポ
ートIN1,IN2のうち例えば入力ポートIN1から
の入力光を二つの出力ポートOUT1,OUT2に振り
分ける働きをする。
2,53間の漏れ電界(エバネセント電界)の干渉によ
る結合を利用したもので、隣接導波路への結合の割合
は、結合領域の長さLを変えることにより、0〜100
%の範囲で変えることができる。一方の導波路の光を完
全に他方の導波路に移行させるに必要な結合領域の長さ
を完全結合長という。完全結合長は、結合領域の導波路
間隔d、導波路の寸法および入射光の波長等によって決
まる。従って結合領域の長さを適切に設定することによ
り、例えば一方の入射端から入射された光を波長に応じ
て二つの出力端に振り分けることができる。
他の用途として、例えば、図6に示すような、複数波長
の信号光を8チャネルに分配するといった光分配システ
ムがある。ここで方向性結合器61は、一方の入力ポー
トIN1に入る波長λ1/λ2(例えばλ1=1.3μ
m 、λ2=1.5μm )の信号光を導波路62,63に
1:1で分岐するもので、更にそれらの分岐光は2分
岐,2分岐を繰り返して8分岐されて出力ポートOUT
1〜OUT8に取り出される。また、もう一つの入力ポ
ートIN2には例えば入力ポートIN1への信号供給が
故障で断たれたときに予備の信号光源の信号光が用意さ
れる。この予備の信号光が入力されたときも同様に、方
向性結合器61でこれが導波路62,63に2分岐さ
れ、更にそれらの分岐光が2分岐を繰り返して、8分岐
されて出力ポートOUT1〜OUT8に取り出される。
性結合器61は波長依存性がないことが必要である。し
かし図5に示した従来の方向性結合器は波長依存性を有
し、例えば波長λ1で入力光を1:1に分岐するように
結合領域が設計された場合、異なる波長λ2では、1:
1の光分岐ができない。従って図6のような光分配シス
テムにはそのまま適用することが難しいという問題があ
る。また方向性結合器を各種光集積回路の回路要素とす
るには、できるだけ小さい面積に形成できることが望ま
れる。しかし従来の方向性結合器は、結合領域の二つの
導波路の間隔が一定であり、この間隔が大きいといわゆ
る完全結合長が長くなり、小さい面積に形成することが
難しい。占有面積の小型化のためには、二つの導波路の
結合領域の間隔を小さくすることが必要であるが、これ
は加工技術の限界により制限される。
ので、小さい面積で波長依存性や損失の少ない優れた性
能を得ることができる方向性結合器を提供することを目
的としている。この発明はまた、上述の優れた性能の方
向性結合器を簡単な工程で得ることができる方向性結合
器の製造方法を提供することを目的としている。
の光導波路が所定の間隔で隣接する結合領域をもって配
設された方向性結合器において、前記2本の光導波路の
結合領域にこれら2本の光導波路を連結する光導波路と
同じ屈折率の光結合層が設けられていることを特徴とし
ている。この発明において好ましくは、前記2本の光導
波路は、前記結合領域の中央部で間隔が最小になり中央
部から離れるにつれて間隔が大きくなるようにパターン
形成され、また好ましくは前記光結合層は前記結合領域
の中央部で最も厚く中央部から離れるにつれて薄くなる
ように層厚が調製されていることを特徴とする。
折率の層を形成し、前記高屈折率の層上に耐エッチング
マスクを形成して前記高屈折率の層を選択エッチングし
て所定間隔で隣接する結合領域を持つ2本の光導波路を
形成する方向性結合器の製造方法において、前記耐エッ
チングマスクを、形成されるべき2本の光導波路の結合
領域の中央部で間隔が最小になり中央部から離れるにつ
れて間隔が大きくなるような2本のマスクパターンとし
て形成し、前記選択エッチングの工程で、前記耐エッチ
ングマスクの間隔が小さくなるにつれてエッチング速度
が低下するエッチング特性を利用して、形成される2本
の光導波路の結合領域に、その底部を連結し、中央部で
最も厚く中央部から離れるにつれて薄くなるように層厚
が調製された前記高屈折率の層からなる光結合層を形成
することを特徴とする。
領域にこれらの光導波路を連結する光導波路と同じ屈折
率の光結合層を設けることによって、実質的に2本の光
導波路が結合領域で一体のものとなり、一方の光導波路
に入力された光信号を1:1の割合で2分岐することが
できる。この結合は、通常の方向性結合器における漏れ
電界の重なりを利用するものと異なり、波長依存性が少
なく、従って波長に拘らず信号光を2分岐するという用
途に適用して有効である。また、結合領域では光導波路
が光結合層を介して直接連結されるため、短い結合領域
で光結合が可能である。
部で間隔が最小になり中央部から離れるにつれて間隔が
大きくなるようにパターン形成され、かつ光結合層が結
合領域の中央部で最も厚く中央部から離れるにつれて薄
くなるように層厚が調製されたものとすると、入力ポー
トから入力された光が結合領域に入る点で光結合層を設
けたことに起因する無用な反射や散乱を起こすことがな
く、損失の少ない方向性結合器が得られる。
なる高屈折率の層をパターニングする際に、耐エッチン
グマスクの間隔の小さい領域でエッチング速度が遅くな
るというエッチング特性を利用することにより、一回の
エッチング工程で、不均一間隔を持つ結合領域の間に光
導波路と同じ層からなる光結合層を、結合領域の中央部
で最も厚く、ここから離れるにつれて薄くなるように自
動的に層厚調製された状態で形成することができる。
の実施例を説明する。図1はこの発明の一実施例に係る
方向性結合器を示すもので、(a)は平面図、(b)は
(a)のA−A′断面図、(c)は同じくB−B′断面
図であり、(d)は同じくC−C′断面図である。
11上に、基板より高屈折率材料からなる2本の光導波
路12,13が配設されて構成される。2本の光導波路
12,13は、図1(a)のa点とc点の間の距離Lで
示す結合領域において、その中央部(b点)、即ちB−
B′断面位置で間隔が最小となり、ここから離れるにつ
れて間隔が広がるように、滑らかな円弧状パターンを描
いて形成されている。
は、これら2本の光導波路12,13の底部を連結する
ように光結合層14が形成されている。光結合層14
は、光導波路層12,13と同じ屈折率の層、この実施
例の場合光導波路12,13と同じ材料層により形成さ
れている。またこの光結合層14は、図1(a)に示す
ように、2本の光導波路12,13の結合領域の中央部
b点で最も厚く、ここから離れるにつれて薄くなるよう
に層厚が調製されている。
えば基板11として石英基板を用い、光導波路12,1
3としてガラス層を用いて作ることができる。この材料
系の他、基板11としてGaAs基板(屈折率n1=
3.55)を用い、光導波路12,13および光結合層
14としてAlGaAs層(屈折率n2=3.6)を用
いて作ることができる。あるいはまたガラス基板(屈折
率1.5)を用い、光導波路12,13および光結合層
14をZnS層(屈折率2.29)を用いて作ることも
できる。
性結合器の製造工程を、図2を用いて説明する。図2
は、図1(c)の断面での製造工程を示している。図2
(a)に示すように石英からなる基板11上全面に、光
導波路層となるガラス層20を形成し、次いで図2
(b)に示すように、ガラス層20上に、例えばアモル
ファスSiからなるマスク材を堆積し、通常のリソグラ
フィ工程を経て、マスク材をパターンニングして、図1
で説明した2本の光導波路12,13と同じパターンで
耐エッチングマスク21,22を形成する。そして、反
応性イオンエッチング(RIE)法によりガラス層20
を選択エッチングして、図2(c)に示すように、2本
の光導波路12,13をパターン形成する。最後に図2
(d)に示すように、耐エッチングマスク21,22を
除去する。
チングマスクに挟まれた狭い領域ではエッチング速度が
低く、2μm 以下の幅の領域はきれいにエッチングする
ことができなくなるというエッチング特性を示す。この
実施例ではこのエッチング特性を利用することにより、
図2(c)に示すように、2本の光導波路12,13の
間は、間隔が大きい領域ではガラス層20がきれいに除
去され、結合領域においては、間隔に応じて層厚が変化
するガラス層20が残った状態、即ち前述した層厚分布
を持つガラス層による光結合層14を得ることができ
る。
向性結合器とこの実施例の方向性結合器について、結合
領域の断面とこの断面での電界分布を示している。従来
の方向性結合器では、光導波路断面が正方形であれば、
図3(a)に示すように横方向電界はほぼ円形になり、
漏れ電界の重なりによって結合が生じることになる。こ
れに対してこの実施例の場合、光導波路12,13の底
部を連結するように光結合層14が設けられている結
果、図3(b)に示すように導波光の電界は横方向に広
がって楕円形状になり、結合領域の中央部b点では二つ
の光導波路12,13がほぼ一体になって大きく結合さ
れる。従って、一方の入力ポートIN1から入力された
光信号は、1:1で分岐されて二つの出力ポートOUT
1,OUT2に取り出される。他方の入力ポートIN2
に光信号が入力された場合も同様である。
領域に滲み出す電界とその干渉は、光導波路とその周囲
の屈折率の相違、および光導波路境界での入射角等に依
存するため、波長依存性を有し、ある波長成分について
1:1の分配が行われるように結合領域を設計したと
き、他の波長では分配比が1:1にならない。これに対
してこの実施例の場合、二つの光導波路12,13の間
は光結合層14を通して、波長に関係なく直接の結合が
生じるため、波長依存性が少ない。従って図6に示した
ような光分配システムに適用して、異なる波長の信号光
をいずれも均等に分配することが可能になる。
部、即ち図1(a)のa点,c点においてステップ状に
立上がる一定層厚で形成されたとすると、これらa,c
点での構造の急激な変化による光の反射,散乱があるた
め、光の損失が生じる。これに対してこの実施例におい
ては、二つの光導波路12,13を結合領域において滑
らかな曲線で漸近させるパターンとすることにより、図
1(a)に示すように、光結合層14はa点およびc点
からb点に向かって連続的に層厚が増加するように層厚
が調製される結果、結合に伴う光損失が小さいものとな
る。しかもこの実施例の方法によれば、光導波路をパタ
ーニングする一回のエッチング工程で、自然にその様な
光結合層の層厚分布を得ることができる。
ば実施例では、光導波路12,13および光結合層14
の上部および側部は空気に接するようにしたが、図4に
示すように光導波路12,13および光結合層14を覆
うようにこれらより低屈折率のクラッド層41を設けた
構造としても良い。なお図4は、図1(b)の断面に対
応する断面を示している。また、2本の光導波路は結合
領域に設けられる光結合層の層厚を一定として、これら
2本の光導波路を中央部で間隔が最小になり中央部から
離れるにつれて間隔が大きくなるようなパターンとする
こと、あるいは、2本の光導波路の結合領域の間隔は一
定として、これらの間に結合領域の中央部で最も厚く中
央部から離れるにつれて薄くなるように層厚調製された
光結合層を設けることによっても、一定の効果が得られ
る。また上に説明した材料系の他、LiNbO3 基板に
Ti拡散層により光導波路を形成する場合等にも同様に
この発明を適用することが可能である。
本の光導波路の結合領域にこれら2本の光導波路の底部
を連結する光導波路と同じ屈折率の光結合層を設けるこ
とにより、波長依存性の少ない光分岐が可能で、かつ小
型化を図った光集積回路に適した方向性結合器が得られ
る。また2本の光導波路を結合領域の中央部で間隔が最
小になるようにパターン形成すると共に、光結合層を結
合領域の中央部で最も厚くなるように層厚調製されたも
のとすることで、損失の小さい方向性結合器を得ること
ができる。
パターニング工程で、耐エッチングマスク間隔の小さい
領域でエッチング速度が遅くなるというエッチング特性
を利用することにより、一回のエッチング工程で不均一
間隔を持つ結合領域の中央部で最も厚くなるような層厚
分布をもつ光結合層を形成することができ、これにより
小型化と同時に損失低減を図った方向性結合器を得るこ
とができる。
造を示す。
の光結合の様子を示す。
構造を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 基板に2本の光導波路が所定の間隔で隣
接する結合領域をもって配設された方向性結合器におい
て、 前記2本の光導波路の結合領域にこれら2本の光導波路
を連結する光導波路と同じ屈折率の光結合層が設けられ
ていることを特徴とする方向性結合器。 - 【請求項2】 前記2本の光導波路は、前記結合領域の
中央部で間隔が最小になり中央部から離れるにつれて間
隔が大きくなるようにパターン形成されていることを特
徴とする請求項1記載の方向性結合器。 - 【請求項3】 前記光結合層は前記結合領域の中央部で
最も厚く中央部から離れるにつれて薄くなるように層厚
が調製されていることを特徴とする請求項1または2に
記載の方向性結合器。 - 【請求項4】 基板表面に基板より高屈折率の層を形成
し、前記高屈折率の層上に耐エッチングマスクを形成し
て前記高屈折率の層を選択エッチングして所定間隔で隣
接する結合領域を持つ2本の光導波路を形成する方向性
結合器の製造方法において、 前記耐エッチングマスクを、形成されるべき2本の光導
波路の結合領域の中央部で間隔が最小になり中央部から
離れるにつれて間隔が大きくなるような2本のマスクパ
ターンとして形成し、 前記選択エッチング特性を利用して、形成される2本の
光導波路の結合領域に、その底部を連結し、中央部で最
も厚く中央部から離れるにつれて薄くなるように層厚が
調製された前記高屈折率の層からなる光結合層を形成す
ることを特徴とする方向性結合器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25198495A JP3562670B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 方向性結合器およびその製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0973021A true JPH0973021A (ja) | 1997-03-18 |
JP3562670B2 JP3562670B2 (ja) | 2004-09-08 |
Family
ID=17230932
Family Applications (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015090449A (ja) * | 2013-11-06 | 2015-05-11 | 株式会社フジクラ | モード変換素子及び光導波路素子 |
JP2016004238A (ja) * | 2014-06-19 | 2016-01-12 | 株式会社フジクラ | 基板型光導波路素子 |
-
1995
- 1995-09-05 JP JP25198495A patent/JP3562670B2/ja not_active Expired - Fee Related
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