JP2788467B2 - 脱臭剤組成物 - Google Patents

脱臭剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アミン臭およびメルカプト臭のいずれに対
しても優れた脱臭効果を発揮し、かつ水溶性で、しかも
皮膚、粘膜などに対する刺激性が少なく、安全性が高い
脱臭剤組成物に関する。
〔従来の技術〕
悪臭を発生する主たる物質としては、トリメチルアミ
ンやアンモニアなどの低分子のアミン類とエチルメルカ
プタンや硫化水素などの低分子のメルカプト化合物が挙
げられる。
しかしながら、これら低分子のアミン類から発生する
悪臭(アミン臭)と低分子のメルカプト化合物から発生
する悪臭(メルカプト臭)の両方に対して優れた脱臭効
果を発揮する脱臭剤は少ない。
すなわち、従来の脱臭剤は、塩基性物質から発生する
悪臭に対しては酸性物質を施して中和し、酸性物質から
発生する悪臭に対しては塩基性物質を施して中和するこ
とにより、脱臭するものであるが、このような化学的な
中和反応を利用した脱臭剤では、メルカプト化合物のよ
うに中性物質から発生する悪臭に対して、ほとんど効果
を発揮できない。また、上記のような化学的中和反応を
利用した脱臭剤以外に、活性炭やシリカゲルのように吸
着作用を利用した脱臭剤もあるが、活性炭の場合、物質
によっては、アミン臭、メルカプト臭のいずれに対して
も脱臭効果を発揮するものの、アンモニアや硫化水素な
どのように分子が小さいものに対しては脱臭効果が悪い
というように、脱臭能力に選択性があり、一方、シリカ
ゲルの場合は総じて脱臭能力が小さく、これらも充分に
満足すべきものとはいえなかった。
また、水に容易に溶解し、かつ人体に対して悪影響を
及ぼさず、しかもアミン臭およびメルカプト臭の両方に
対して有効に作用し、例えばパーマネントウェーブ処理
後の毛髪の脱臭にも使用できるような脱臭剤はさらに少
ない。つまり、パーマネントウェーブ用第1剤には、チ
オグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウムなどの
メルカプト化合物とpH調整のためのアンモニア、モノエ
タノールアミンなどが含まれているので、パーマネント
ウェーブ処理後の毛髪はメルカプト臭とアミン臭が入り
混じっており、この脱臭にはメルカプト臭とアミン臭の
両方に対して有効に作用し、しかも水に容易に溶解して
水溶液状で毛髪に使用することができ、かつ安全性の高
いものでなければならない。したがって、このパーマネ
ントウェーブ処理後の毛髪の脱臭に際しては、たとえア
ミン臭およびメルカプト臭に対する脱臭効果が優れてい
ても、水に溶けないものや皮膚や粘膜に対して刺激性が
あって安全性に欠けるものは使用することができず、こ
のようなパーマネントウェーブ処理後の毛髪の脱臭に使
用できるような脱臭剤で効果の優れたものはほとんど見
当たらない。
例えば、これまでに提案された脱臭剤では、特公昭61
−48379号公報に示される脱臭剤が、平均分子量200〜5,
000のケラチン加水分解物を脱臭基剤として含有したも
ので、比較的上記のような制約された条件下でも使用で
きるものであるが、それでも、効果が充分といえず、よ
り効果の優れた脱臭剤の出現が望まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記したように、従来の脱臭剤が、たとえ
アミン臭の脱臭に対しては有効に作用しても、メルカプ
ト臭の脱臭に際しては有効でなく、また、アミン臭およ
びメルカプト臭の両方の脱臭に作用するものも、その性
能面において必ずしも満足すべき結果が得られなかった
という問題点を解決し、アミン臭およびメルカプト臭の
いずれに対しても優れた脱臭効果を発揮し、しかも水に
容易に溶解し、かつ皮膚や粘膜に対する刺激性が少な
く、安全性の高い脱臭剤組成物を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために種々研究を重ね
た結果、脱臭基剤としてケラチンペプチドのN−二塩基
カルボン酸モノアシル化誘導体を用いるときは、上記目
的が容易に達成されることを見出すことによって、完成
されたものである。
すなわち、本発明は、一般式(I) (式中、Aは炭素数2〜6の炭化水素骨格を示し、Rは
ケラチンペプチドを構成するアミノ酸の側鎖を示す。M1
およびM2は、HまたはNa、K、Li、Mg/2、Ca/2などのア
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属、またはアンモニ
ア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2
−メチル−1,3−プロパンジオールなどの無機アミンあ
るいは有機アミン、またはアルギニン、リジンなどの塩
基性アミノ酸のオニウムを示し、M1およびM2は同一でも
よく、また異なっていてもよい。nは2〜30である) で示されるN−二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチン
ペプチドを脱臭基剤として含有することを特徴とする脱
臭剤組成物に関する。
上記一般式(I)で示されるN−二塩基カルボン酸モ
ノアシル化ケラチンペプチドにおけるケラチンペプチド
部分は、その分子構造中にアミノ基などの塩基性基やカ
ルボキシル基などの酸性基を有しており、またその各種
アミノ酸の側鎖も同様に塩基性基や酸性基を有してい
て、これらの塩基性基や酸性基が悪臭物質と造塩して酸
性物質に基づく悪臭や塩基性物質に基づくアミン臭など
を脱臭する。そして、メルカプタンや硫化水素などのよ
うに中性でメルカプト臭を発生する物質に対しては、ケ
ラチンペプチドを構成するシスチン(シスチンのジスル
フィド結合部分)が上記メルカプト臭を発生する物質の
メルカプト基と反応してメルカプト臭を脱臭する。した
がって、メルカプト臭の脱臭には、ケラチンペプチド中
のシスチンが多い方が好ましく、本発明においては、上
記一般式(I)で示される二塩基カルボン酸モノアシル
化ケラチンペプチドのケラチンペプチドを構成するアミ
ノ酸のうち、シスチンがハーフシスチンとして6.0モル
%以上含まれていることが望ましい。
そして、上記一般式(I)で示されるN−二塩基カル
ボン酸モノアシル化ケラチンペプチドは、上記のように
アミン臭、メルカプト臭の脱臭に有用なケラチンペプチ
ドをアシル化したものであって、そのアシル化によって
導入されたカルボン酸(カルボキシル基)が、トリメチ
ルアミンやアンモニアなどのアミン臭を発生する低分子
のアミン類と造塩するので、これらアミン類から発生す
るアミン臭に対する脱臭効果がさらに高まるとともに、
そのアシル化によって導入された炭化水素骨格がエチル
メルカプタンや硫化水素などのルカプト臭を発生する低
分子のメルカプト化合物に対して親和性を発揮し、ケラ
チンペプチドの有するメルカプト臭の脱臭効果をさらに
高めている。したがって、この一般式(I)で示される
N−二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチンペプチドの
脱臭効果は、ケラチンペプチドそのものの脱臭効果より
さらに優れている。しかも、上記一般式(I)で示され
るN−二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチンペプチド
は、そのケラチンペプチド部分が天然の蛋白質から誘導
されるものであって、皮膚、粘膜などに対する刺激が少
なく安全である。さらに、この一般式(I)で示される
N−二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチンペプチド
は、そのケラチンペプチド部分がもともと水溶性であ
り、それに加えて、アシル化によりさらに水溶性が高め
られているので、水に容易に溶解する。したがって、水
に溶解させた水溶液状で使用することができる。しか
も、パーマネントウェーブ処理時の毛髪の脱臭には、こ
の一般式(I)で示されるN−二塩基カルボン酸モノア
シル化ケラチンペプチドは、そのケラチンペプチドが毛
髪の構成蛋白質であるケラチンと同様の化学構造を有し
ていて、両者の有するアミノ基やカルボキシル基が互い
に吸着するので、この一般式(I)で示されるN−二塩
基カルボン酸モノアシル化ケラチンペプチドは、水溶解
性ではあるが、水洗によって全部が毛髪上から洗い流さ
れるのではなく、一部が毛髪に吸着して毛髪上に残っ
て、毛髪を保護する。
上記一般式(I)で示されるN−二塩基カルボン酸モ
ノアシル化ケラチンペプチドは、ケラチンペプチドと、
下記の一般式(II) (式中のAは炭素数2〜6の炭化水素骨格を示す)で示
される二塩基カルボン酸無水物とを反応させることによ
って得られる。
上記ケラチンペプチドは、羊毛、ヤギ毛、モヘア毛、
ウサギ毛、カシミア毛などの獣毛、人毛、ニワトリ、ガ
チョウ、アヒルなどの羽毛、羽根、爪、角、蹄、鱗のケ
ラチン蛋白質などを、酸、アルカリまたは酵素で加水分
解することによって得られる。このようなケラチンペプ
チドを得るための加水分解の詳細は、例えば特開昭59−
84898号公報に記載されている。
上記一般式(I)において、ケラチンペプチド部分の
側鎖がRで示されるアミノ酸としては、アラニン、グリ
シン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フ
ェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン、メチ
オニン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギ
ン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、シス
チン、システイン、トリプトファンなどがあげられる。
そして、これらのアミノ酸の組成比の分析結果の一例を
示すと第1表のとおりである。なお、第1表中にはアス
パラギンやグルタミンが示されていないが、これは分析
に先だって行われる加水分解時に(常法では6N塩酸によ
り完全加水分解される)、それぞれアスパラギン酸とグ
ルタミン酸になったからである。つまり、第1表中のア
スパラギン酸やグルタミン酸にはケラチン中ではアスパ
ラギンやグルタミンとして存在したものも含まれてい
る。また、シスチンはアミノ基およびカルボキシル基を
2個ずつ持っているので、第1表ではハーフシスチンと
してモル%を示している。また、トリプトファンは分析
に先だって行われる6N塩酸による完全加水分解の時に失
われるので、第1表中には示されていないが、ケラチン
中には約1モル%程度含まれている。
上記ケラチンペプチドを得るためのケラチンの加水分
解は、前記のように、酸、アルカリまたは酵素によって
行われる。
酸加水分解に際しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、
臭化水素酸などの無機酸、酢酸、ギ(蟻)酸などの有機
酸が用いられる。
アルカリ加水分解に際しては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどが用いら
れる。ただし、アルカリ加水分解は、その加水分解時の
条件によって、シスチンが破壊されるおそれがあるた
め、本発明においては、好ましい方法とはいえない。
また、酵素による加水分解に際しては、ペプシン、プ
ロクターゼA、プロクターゼBなどの酸性蛋白質分解酵
素、パパイン、ブロメライン、サーモライシン、トリプ
シン、プロナーゼ、キモトリプシンなどの中性蛋白質分
解酵素などが使用される。また、スブチリシン、スタフ
ィロコッカスプロテアーゼなどの菌産性の中性蛋白質分
解酵素も使用できる。酵素の使用に際しては、それらの
菌産性蛋白質分解酵素を含む菌体、あるいは酵素または
酵素を含む菌体を固定化した膜、粒体などの状態で使用
に供することもできる。
上記のような酸、アルカリまたは酵素による加水分解
によって得られるケラチンペプチドは、一般式(I)に
おけるnが2〜30(ただし、nの値は平均値であり、n
が2〜30ということは平均分子量で約150〜約5,000に相
当する)になるようにされる。これはnが2未満では脱
臭効果、特にメルカプト臭に対する脱臭効果が低下し、
また、nが30を超えると水溶性が低下して取り扱いにく
くなり、また脱臭効果も低下するからである。
一般式(I)で示されるN−二塩基カルボン酸モノア
シル化ケラチンペプチドは、前記のように、ケラチンペ
プチドと一般式(II)で示される二塩基カルボン酸無水
物との反応によって得られるが、それらの反応式を示す
と次のとおりである。なお、反応式を示すにあたって、
ケラチンペプチドは、次の一般式(III)で示す。
上記ケラチンペプチドと、一般式(II)で示される二
塩基カルボン酸無水物との反応は、通常、ケラチンペプ
チドの水溶液に一般式(II)で示される二塩基カルボン
酸無水物の結晶を投入し、水中で両者を接触させること
によって行われる。反応に際して反応系内のpHを8〜1
2、特に9〜11に保つことが好ましく、そのために水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの
アルカリ溶液を必要に応じて反応液中に滴下することが
行われる。反応時、反応系内のpHを前記の範囲に維持す
るのは、ケラチンペプチドのアミノ基が一般式(II)で
示される二塩基カルボン酸無水物と反応するためには、
pH8以上のアルカリ側であることが望ましく、またpHが1
2を超えるとケラチンペプチドや一般式(II)で示され
る二塩基カルボン酸無水物が加水分解を起こすからであ
る。反応は常温でも進行するが、温度が高いほど反応は
速くなる。しかし、pHが高い状態で温度が高くなると、
一般式(II)で示される二塩基カルボン酸無水物の加水
分解も促進されるため、高くても80℃以下にするのが好
ましい。一般式(II)で示される二塩基カルボン酸無水
物は、通常、結晶で用いるのが好ましい。結晶は細かい
方がよいので砕いてから用いてもよい。ケラチンペプチ
ド溶液への一般式(II)で示される二塩基カルボン酸無
水物の投入は、30分間〜6時間で終わるのが好ましい。
そして、その一般式(II)で示される二塩基カルボン酸
無水物の投入後、さらに1〜24時間反応を継続させるの
が好ましい。
上記反応においては、反応によってカルボキシル基が
生成して反応液のpHが低下するので、アルカリを反応の
開始と同時に滴下し、撹拌して液中のpHを反応に適する
範囲に維持することが必要である。
反応の進行と終了は、アミノ基への反応についてファ
ン・スレーク(Van Slyke)法により、反応液中のケラ
チンペプチドのアミノ態チッ素を測定することによって
確認することができる。反応が終了したのち、反応液
は、適宜、濃縮あるいはイオン交換樹脂、ゲル濾過、電
気透析などによって精製した上で、濃縮して、反応生成
物を固体あるいは濃縮液の状態で得ることができる。
上記のように、ケラチンペプチドとの反応に使用され
る一般式(II)で示される二塩基カルボン酸無水物につ
いて、その具体例を示すと、例えば、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、シス−1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸無水物などである。なお、一般式
(I)および一般式(II)中の炭化水素骨格を示すA
は、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族炭化水素、
環式不飽和炭化水素、環式飽和炭化水素のいずれであっ
てもよい。
本発明の脱臭剤組成物は、脱臭基剤、つまり脱臭にあ
たって有効に作用する一般式(I)で示されるN−二塩
基カルボン酸モノアシル化ケラチンペプチドを、脱臭剤
組成物に通常採用されている形態、例えば、水、有機溶
剤などに溶解するか、または界面活性剤、乳化剤などに
よって乳化させた液状脱臭剤、上記液状脱臭剤を噴射剤
とともにスプレー容器に充填したエアゾール型脱臭剤、
ゲル状多糖類、ポリエチレングリコールなどの天然また
は合成高分子からなるゲル化剤に添加してゲル状にした
ゲル状脱臭剤、布状、粉末状、粒状などの多孔性物質に
吸着させ、または合成樹脂とともに固体状にした固体状
脱臭剤などの形態に調製される。また、一般式(I)で
示されるN−二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチンペ
プチドをそのまま固体状で用いることもできる。
そして、上記組成物には、必要に応じて、水、溶剤、
pH調整剤、香料、防腐剤、着色料などを適宜添加するこ
とができる。また、パーマネントウェーブ時など、毛髪
に関連した脱臭に応用する場合には、通常の毛髪用化粧
品に配合される種々の成分を添加することができる。こ
のような成分としては、例えば、ラウリル硫酸アンモニ
ウム、ラウリル硫酸エタノールアミン、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどのア
ルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(2EO)ラウリルー
テル硫酸トリエタノールアミン(なお、EOはエチレンオ
キサイドで、EOの前の数値はエチレンオキサイドの付加
モル数を示す)、ポリオキシエチレン(3EO)アルキル
(炭素数11〜15のいずれかまたは2種以上の混合物)エ
ーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ラウリルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミ
ンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレン(3EO)トリデシルエーテル酢酸ナトリウムなど
のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ヤシ油
脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシント
リエタノールアミン、ラウロイルメチル−β−アラニン
ナトリウム、ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウ
ム、ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミ
ン、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ
油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、ヤ
シ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチ
ルタウリンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、エ
ーテル硫酸アルカンスルホン酸ナトリウム、硬化ヤシ油
脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ウンデシレノイルア
ミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オクチルフェ
ノキシジエトキシエチルスルホン酸ナトリウム、オレイ
ン酸アミドスルホコハク酸二ナトリウム、スルホコハク
酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜1
5)エーテルリン酸(8〜10E)、ポリオキシエチレンオ
レイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
セチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ラウリルスル
ホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム
などのアニオン性界面活性剤、塩化ジステアリルジメチ
ルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレンオレイルメ
チルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルア
ンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、
塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオ
キシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ポリオキ
シプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ミリス
チルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルトリ
メチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、2−
アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチ
ルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエ
チルイミダゾリウムベタインナトリウム、ウンデシル−
N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾ
リニウムベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタ
イン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油
アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイ
ン、ヤシ油アルキルN−カルボキシエチル−N−ヒドロ
キシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ
油アルキルN−カルボキシエトキシエチル−N−カルボ
キシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシ
ド、ヤシ油アルキルN−カルボキシメトキシエチル−N
−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムラウ
リル硫酸、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチ
ル・DL−ピロリドンカルボン酸塩などの両性界面活性
剤、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エー
テル(7EO)、ポリオキエチレンオクチルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル、
ポリオキシエチレンソルビトール・ラノリン(40EO)、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシ
エチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンス
テアリルエーテルなどのノニオン性界面活性剤、カチオ
ン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、ポリ
ビニルピリジン、ポリエチレンイミンなどのカチオン性
ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマーなどの合
成ポリマー、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ウ
ンデシレン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタ
ノールアミド、牛脂肪酸モノエタノールアミド、硬化牛
脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノール
アミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ス
テアリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタ
ノールアミド、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、ヤシ油
脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノー
ルアミド、ラウリン酸エタノールアミド、ラウリン酸ジ
エタノールアミド、ラノリン脂肪酸ジエタノールアミド
などの増粘剤、動植物抽出物、ポリサッカライドまたは
その誘導体、プロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチ
レングリコールなどの湿潤剤、エタノール、メタノー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなど
の低級アルコール類、L−アスパラギン酸、L−アスパ
ラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、L−アルギニン、
グリシン、L−グルタミン酸、L−システイン、L−ス
レオニンなどのアミノ酸などをあげることができる。
本発明の脱臭剤組成物を使用する場合、その使用量は
悪臭の強さおよび種類によって異なり、脱臭基剤として
の一般式(I)で示されるN−二塩基カルボン酸モノア
シル化ケラチンペプチドの濃度が被処理系中、通常、0.
01重量%、特に0.1重量%以上となるようにするのが好
ましい。したがって、脱臭剤組成物中における一般式
(I)で示されるN−二塩基カルボン酸モノアシル化ケ
ラチンペプチドの含有量は、0.1〜100重量%、特に1〜
30重量%とするのが好ましい。
本発明の脱臭剤組成物は、酸性またはアルカリ性のpH
調整剤を用いて、広いpH領域、例えばpH0.5〜10、好ま
しくはpH1〜6に調整し、使用することができる。本発
明の脱臭剤組成物の使用にあたって、上記のように、pH
を1〜6の範囲に調整するのが好ましいというのは、そ
のように酸性側に調整することによってアミノ臭に対す
る脱臭効果がより向上するからである。
また、本発明の脱臭剤組成物中に、極く少量の銅イオ
ンなどの重金属イオンが含有されるようにしておくと、
メルカプタン類に対する脱臭効果がさらに向上する。す
なわち、銅などの2種以上のイオン価をとり得る金属
は、メルカプタン類のメルカプト基が空気酸化してジチ
オ化合物となる過程に触媒として働く作用がある。その
ため、本発明の脱臭剤組成物中に銅イオンなどの重金属
イオンが微量でも存在すると、脱臭すべき対象であるメ
ルカプタン類と該メルカプタン類に反応して生成したN
−二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチンペプチドの還
元体との酸化が促進され、脱臭効果がさらに向上する。
これら銅イオンなどの重金属イオンは脱臭剤組成物中に
0.1〜100ppm程度存在していればよい。これら銅イオン
などの重金属イオンは、0.1ppm程度であれば、通常、脱
臭剤組成物を調製する際に自然に混入するが、効果を上
げるためには、例えば硫酸銅などの塩の形で銅イオンな
どの重金属イオンを添加して濃度を高めるようにすれば
よい。しかし、濃度が100ppmを超えるようになるとそれ
以上の効果の増加は期待できない。なお、本発明の脱臭
剤組成物によって悪臭を脱臭した結果、悪臭が消失する
ので、「消臭」という表現の方が適切な場合もあるが、
本明細書では、「脱臭」という表現で統一した。また、
本発明の脱臭剤組成物は悪臭を脱臭するので、当然、防
臭効果も有している。
〔実施例〕
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明は
実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例に
先立って実施例で用いるN−二塩基カルボン酸モノアシ
ル化ケラチンペプチドの合成例を参考例として示す。
参考例1 羊毛を塩酸で加水分解することによって得たケラチン
ペプチド〔n(一般式(III)におけるn)=5ただ
し、nは平均値であり、以下においてもnはいずれも平
均値である。なお、このケラチンペプチドのシスチン含
有量はハーフシスチンとして10.2モル%である。〕の25
%水溶液500gを撹拌下で加温して50℃に保ち、その中に
無水マレイン酸100gを1時間で投入した。この間、反応
液のpHを20%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9.5に
保った。50℃で3時間撹拌したのち、50℃に保ったまま
24時間静置して反応を終了した。反応液をpH7に中和
し、電気透析によって、副生したマレイン酸のナトリウ
ム塩を除去したのち、減圧濃縮し、N−二塩基カルボン
酸モノアシル化ケラチンペプチドとしてのN−マレオイ
ルケラチンペプチドの30%水溶液を得た。このN−マレ
オイルケラチンペプチドのアミノ酸分析を行ったとこ
ろ、ケラチンペプチドを構成するアミノ酸中のシスチン
含有量はハーフシスチンとして9.8モル%であった。
得られた生成物がN−マレオイルケラチンペプチドで
あることは、次の(1)および(2)によって確認し
た。
(1) 反応前のケラチンペプチドのアミノ態チッ素の
総量と反応生成物のアミノ態チッ素の総量をファンスレ
ーク法(Van Slyke)によって測定したところ、反応前
のケラチンペプチドのアミノ態チッ素の総量は421ミリ
モルで、反応生成物のアミノ態チッ素の総量は34ミリモ
ルであり、反応によってアミノ態チッ素が減少してい
た。このアミノ態チッ素の減少は、ケラチンペプチド中
のアミノ基が無水マレイン酸と反応したことを示してお
り、そのアミノ態チッ素の減少量から、ケラチンペプチ
ドのアミノ態チッ素の92%が反応していることがわか
る。
(2) 以下の条件でゲル濾過を行い、反応前のケラチ
ンペプチドと反応後の生成物の平均分子量を測定した。
反応前の平均分子量 770 反応後の平均分子量 950 測定条件: カラム:TSK gel G3000PWXL 直径7.8mm×長さ30cm 溶 媒:0.05%トリフロロ酢酸、45%アセトニトリル−
水 流 速:0.3ml/分 検 出:紫外吸光度検出器(波長210nm) 標準物質:アプロチニン(MW6500) α−MSH(MW1665) ブラジキニン(MW1060) グルタチオン(MW307) 上記のような分子量増加は、ケラチンペプチドが反応
したときのマレイン酸の導入による分子量増加によるも
のと考えられ、この分子量増加とアミノ熊チッ素量の減
少から、ケラチンペプチドと無水マレイン酸とが反応し
て、反応生成物としてN−マレオイルケラチンペプチド
が生成していることがわかる。なお、このようにして得
られたN−マレオイルケラチンペプチドは、pH7となっ
ているため、部分的にナトリウム塩として存在している
ものと考えられる。
参考例2 羊毛を塩酸で加水分解することによって得たケラチン
ペプチド(n=8、シスチン含有量:ハーフシスチンと
して8.4モル%)の40%水溶液900g(アミノ態チッ素の
総量504ミリモル)を反応容器に入れ、40℃に加熱して
撹拌しながら無水コハク酸150gを1時間かけて投入し、
かつその間、20%水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下し
て反応液のpHを10.0に維持した。無水コハク酸の投入終
了後、pHを10.0に維持しながら2時間撹拌を続け、つい
で24時間放置したのち、アミノ態チッ素を測定したとこ
ろ、アミノ態チッ素の総量は28ミリモルであり、アミノ
態チッ素の94%が反応していた。つぎに反応液をpH7に
中和し、電気透析によって、副生したコハク酸のナトリ
ウム塩を除去したのち、減圧濃縮して、濃度30%のN−
二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチンペプチドとして
のN−サクシノイルケラチンペプチドの水溶液を得た。
このN−サクシノイルケラチンペプチドのアミノ酸分析
を行ったところ、ケラチンペプチドを構成するアミノ酸
中のシスチン含有量はハーフシスチンとして8.2モル%
であった。
反応前のケラチンペプチドと反応後の生成物の平均分
子量を参考例1と同様の方法により測定したところ、反
応前のケラチンペプチドの平均分子量は1,200で、反応
後の生成物の平均分子量は1,350であった。このように
して求めた反応前後の平均分子量変化とアミノ態チッ素
の減少量から、反応生成物がケラチンペプチドと無水コ
ハク酸との反応によるN−サクシノイルケラチンペプチ
ドであることが確認された。なお、このようにして得ら
れたN−サクシノイルケラチンペプチドはpH7となって
いるため、部分的にナトリウム塩として存在しているも
のと考えられる。
参考例3 羽毛を酵素で分解することによって得たケラチンペプ
チド(n=25、シスチン含有量:ハーフシスチンとして
7.0モル%)の40%水溶液700g(アミノ態チッ素の総量1
78ミリモル)を反応容器に入れ、30℃で撹拌しながら無
水フタル酸80gを3時間かけて投入し、かつその間、20
%水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下した反応液のpHを
11.0に維持した。無水フタル酸の投入終了後、pHを11.0
に維持しながら2時間撹拌を続け、ついで24時間放置し
たのち、アミノ態チッ素を測定したところ、アミノ態チ
ッ素の総量は18ミリモルであり、アミノ態チッ素の90%
が反応していた。つぎに反応液をpH7に中和し、電気透
析によって、副生したフタル酸のナトリウム塩を除去し
たのち、減圧濃縮して濃度30%のN−二塩基カルボン酸
モノアシル化ケラチンペプチドとしてのN−フタロイル
ケラチンペプチドの水溶液を得た。このN−フタロイル
ケラチンペプチドのアミノ酸分析を行ったところ、ケラ
チンペプチドを構成するアミノ酸中のシスチン含有量は
ハーフシスチンとして6.1モル%であった。
反応前のケラチンペプチドと反応後の生成物の平均分
子量を参考例1と同様の方法により測定したところ、反
応前のケラチンペプチドの平均分子量は3,600で、反応
後の生成物の平均分子量は3,750であった。このように
して求めた反応前後の平均分子量変化とアミノ態チッ素
の減少量から、反応生成物がケラチンペプチドと無水フ
タル酸との反応によるN−フタロイルケラチンペプチド
であることが確認された。なお、このようにして得られ
たN−フタロイルケラチンペプチドは、pH7となってい
るため部分的にナトリウム塩として存在しているものと
考えられる。
実施例1〜4および比較例1〜4 第2表に示す組成の脱臭剤組成物を調製した。なお、
第2表中の各成分の配合部数は重量部によるものであ
る。
上記のようにして調製した実施例1〜4および比較例
1〜4の脱臭剤組成物ならびに市販の脱臭剤〔A:活性
炭、B:酸性担体に鉄アスコルビン酸を含浸させたもの、
C:5〜10メッシュのシリカゲル、D:茶抽出物〕の脱臭効
果を次のようにして確認した。
内容積5の広口瓶(ビン)の中に、あらかじめ実施
例1〜4および比較例1〜4の脱臭剤組成物をそれぞれ
5g(したがって有効成分として1g)ずつ入れ、ガラス管
を通したゴム栓で栓をした。また、同様に内容積5の
広口瓶の中に市販の各脱臭剤をそれぞれ1gずつ入れ、ガ
ラス管を通したゴム栓で栓をした。
上記のようにして実施例1〜4および比較例1〜4の
脱臭剤組成物ならびに市販の脱臭剤を封入した広口瓶中
に、悪臭物質としてアンモニア、トリメチルアミン、硫
化水素、エチルメルカプタンをガスタイトのディスポー
ザル型注射器で同量ずつ注入し、一定時間経過後にガス
を抜き、悪臭物質をガスクロマトグラフにより定量し、
その脱臭率を求めて、その結果をそれぞれ第3〜6表に
示した。なお、この脱臭効果確認試験にあたって、実施
例1〜4および比較例1〜4の脱臭基剤濃度を20%と高
く調製したのは、固体系の市販脱臭剤との比較上、水に
よる影響をできるかぎり少なくするためである。
第3〜第6表に示すように、本発明の実施例1〜4の
脱臭剤組成物は、アンモニア、トリメチルアミンに対す
る脱臭効率が高く、また、硫化水素、エチルメルカプタ
ンに対する脱臭効率も高く、アンモニアやトリメチルア
ミンなどから発生するアミン臭に対しても、また硫化水
素やエチルメルカプタンから発生するメルカプト臭に対
しても、脱臭効果が優れていた。
これに対し、ケラチンペプチドを脱臭基剤とする比較
例1〜3の脱臭剤組成物は、アンモニア、トリメチルア
ミンなどのアミン臭に対する脱臭効果は比較的良好であ
ったが、硫化水素に対する脱臭効果は本発明の実施例1
〜4の脱臭剤組成物に比べて低く、エチルメルカプタン
に対する脱臭効果はさらに低かった。これら硫化水素、
エチルメルカプタンなどのメルカプト臭に対する本発明
の実施例1〜4の脱臭剤組成物と比較例1〜3の脱臭剤
組成物の脱臭効果の差は、本発明の脱臭剤組成物では、
ケラチンペプチドのアシル化によって導入された炭化水
素骨格により、これらメルカプト臭を発生する物質に対
する親和性が高まっていることによるものと考えられ
る。
また、コラーゲンペプチドを脱臭基剤として用いた比
較例4の脱臭剤組成物は、コラーゲンペプチドがシスチ
ン(このシスチンがメルカプト化合物と反応する)を含
有しないため、硫化水素、エチルメルカプタンなどのメ
ルカプト化合物に対する脱臭効果が非常に低かった。
市販品A、つまり、活性炭は、トリメチルアミンやエ
チルメルカプタンに対する脱臭効果は比較的良好であっ
たが、分子が小さいアンモニアや硫化水素に対する脱臭
効果が低かった。また、市販品B、つまり、酸性担体に
アスコルビン酸鉄を含浸させたものは、アンモニアやト
リメチルアミンに対する脱臭効果は比較的良好であった
が、硫化水素やエチルメルカプタンに対する脱臭効果が
低く、市販品C、つまり、シリカゲルや、市販品D、つ
まり、茶抽出物も、同様に硫化水素やエチルメルカプタ
ンに対する脱臭効果が非常に低かった。
実施例5〜7および比較例5〜8 第7表に示す組成のパーマネントウェーブ用脱臭剤組
成物を調製した。なお、第7表中の各成分の配合部数は
重量部によるものである。
上記実施例5〜7および比較例5〜8のパーマネント
ウェーブ用脱臭剤組成物の脱臭効果を次のようにして検
討した。
脱臭効果確認試験方法 (i)パーマネントウェーブ用剤の調製: 上記パーマネントウェーブ用脱臭剤組成物の脱臭効果
を確認するにあたって、毛髪にパーマネントウェーブ処
理を施すために、第8表に示す2種類のパーマネントウ
ェーブ用第1剤(第1剤Xおよび第1剤Y)および第9
表に示すパーマネントウェーブ用第2剤を調製した。な
お、第8表および第9表における各成分の配合量は重量
部によるものである。
(ii)処理方法: 長さ18cmの毛髪を束ねた重さ1gの毛束を、それぞれ35
℃に温度調整したパーマネントウェーブ用第1剤(第1
剤Xおよび第1剤Y)に15分間浸漬し、第1剤中から取
り出した後、水洗し、ついで35℃に温度調整したパーマ
ネントウェーブ用第2剤に15分間浸漬してパーマネント
ウェーブ処理を行った後、第2剤から取り出し、水洗
後、軽くしぼってから、それぞれ35℃に温度調整した前
記実施例5〜7および比較例5〜8のパーマネントウェ
ーブ用脱臭剤組成物ならびに水に10分間浸漬した。
浸漬後、毛束を液中から取り出して、乾燥し、24時間
後、各毛束に残ったパーマネントウェーブ用第1剤に基
づく臭の残存程度をそれぞれ10人の専門パネルによって
4段階評価した。
4段階評価 4:最も強い (水で処理したものを基準とする) 3:強い 2:弱い 1:最も弱い (パーマネントウェーブ処理を行わなかった毛束を
基準とする) 10人の専門パネルによる評価結果の平均値をパーマネ
ントウェーブ用第1剤の種別ごとに次の第10表に示す。
第10表に示すように、本発明の実施例5〜7の脱臭剤
組成物は、比較例5〜8の脱臭剤組成物に比べて、パー
マネントウェーブ用第1剤に基づく臭の残存が少なく、
脱臭効果が優れていた。また、本発明の実施例5〜7の
脱臭剤組成物は、パーマネントウェーブ用第1剤の種類
が変わっても、脱臭効果を変わらなかった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の脱臭剤組成物は、アミ
ン臭、メルカプト臭のいずれに対しても脱臭効果が優れ
ており、しかも水に容易に溶解し、かつ皮膚、粘膜に対
して刺激性がなく、安全性が高く、パーマネントウェー
ブ処理後の毛髪の脱臭にあたっても、容易にかつ安心し
て使用することができ、しかも優れた脱臭効果を発揮す
ることができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Aは炭素数2〜6の炭化水素骨格を示し、Rは
    ケラチンペプチドを構成するアミノ酸の側鎖を示す。M1
    およびM2は、HまたはNa、K、Li、Mg/2、Ca/2などのア
    ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属、またはアンモニ
    ア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノ
    ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
    ン、2−アミノ−2−メチルプロパン、2−アミノ−2
    −メチル−1,3−プロパンジオールなどの無機アミンあ
    るいは有機アミン、またはアルギニン、リジンなどの塩
    基性アミノ酸のオニウムを示し、M1およびM2は同一でも
    よく、また異なっていてもよい。nは2〜30である) で示されるN−二塩基カルボン酸モノアシル化ケラチン
    ペプチドを脱臭基剤として含有することを特徴とする脱
    臭剤組成物。
  2. 【請求項2】一般式(I)で示されるN−二塩基カルボ
    ン酸モノアシル化ケラチンペプチドのケラチンペプチド
    を構成するアミノ酸のうち、シスチンがハーフシスチン
    として6.0モル%以上含まれていることを特徴とする請
    求項1記載の脱臭剤組成物。
  3. 【請求項3】pHが1〜6の範囲にあることを特徴とする
    請求項1記載の脱臭剤組成物。
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