JP2788097B2 - ポリウレタン弾性糸用油剤 - Google Patents

ポリウレタン弾性糸用油剤

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、膠着の少ないポリウレタン弾性糸を得るた
めに使用する油剤に関するものである。更に詳しくは、
ポリウレタン弾性糸を溶融紡糸として製造する時に紡出
ボビン上での糸間の膠着を防止し後次加工工程での糸の
解舒性を良好にすると共に、糸の滑りを適度に保ち、紡
糸ボビン等の綾落ち,崩れを防止し、紡糸及びその後の
加工工程での操業性を安定化させる油剤に関するもので
ある。
(従来の技術) ポリウレタン弾性糸を製造する方法としては、従来か
ら溶融紡糸法,乾式紡糸法,湿式紡糸法等が行なわれて
おり、又最近はウレタン糸の伸縮特性,耐熱特性を向上
させるため活性イソシアネート基を有するプレポリマ
ー、言わゆる架橋剤を混合して紡糸する方法が利用され
る事が多い。これらの方法ではいずれの場合でも紡出時
に繊維を捲取った際、繊維同志が膠着し、そのため後次
工程でボビンから糸を解舒して引出す時膠着の抵抗のた
め糸の引出しが困難で糸切れが発生し、順調な操作が出
来ない状態が発生する。特に活性イソシアネート基が多
量に存在する架橋剤混合紡糸法ではこの膠着が著しく、
通常油剤を付与したのでは後次工程に糸の引出しができ
るのは得られない。
この膠着を防止する方法にはタルク,シリカ,コロイ
ダルアルミナ等の固体微粒子を水性又は油性スラリーと
して繊維に付与する方法、高級脂肪酸の金属塩粉末を水
又は鉱物油に分散させる方法(特公昭41−286号公報,
特公昭40−5557号公報)、高級脂肪族カルボン酸,高級
脂肪族アルコール,パラフィン,ポリエチレン等の常温
固体ワックスを鉱物油中心の油剤に分散させる方法(特
開昭43−272号公報,特公昭43−9955号公報,特公昭44
−8907号公報)、常温液状物質としてポリアルキレンオ
キサイド変性シリコンを膠着防止剤に使用する方法(特
公昭45−40719号公報,特開昭48−19893号公報,特開昭
57−128270号公報)、環状アミルシロキサンをジメチル
シロキサンに溶解する方法(特公昭39−24858)等の多
くの方法が提案されている。
しかし、これら離型効果を主体とした膠着防止剤では
後述のイソシアネート基による化学反応による膠着には
効果がなく、十分に満足のゆく方法とは言い難い。
ポリウレタン弾性糸の紡糸における糸間の膠着は、ポ
リウレタンのゴム状粘着性によるものだけでなく、一般
に自着作用と言われている、糸表面の活性イソシアネー
ト基による糸間の表面化学反応による膠着(アロハネー
ト結合,その他の化学結合の生成)が起る。この自着作
用は紡糸時のポリマー表面に存在するイソシアネート基
が多い程糸表面の化学反応が進み、強固な膠着を形成す
る。紡出直後には糸の解舒が可能なボビンでも数日間経
過後には糸間の自着作用が進み糸の解舒が不能となり、
極端な場合には捲取ボビンに捲かれた糸が板状に膠着し
てしまう事もある。特にこの膠着現象は溶融紡糸によっ
てポリウレタン弾性糸を製造する時に激しく、架橋剤と
して紡糸時の活性両末端ジイソシアネートプレポリマー
を混合紡糸する方法ではその傾向が顕著であり、前述の
離型性の膠着防止剤だけでは十分に膠着を防止する事が
出来ない。
このイソシアネート基の化学反応による膠着を防止す
るためにはイソシアネート基の失活が必要であり、活性
水素基を有する失活剤を使用する方法が提案されてい
る。その方法として、既に、モノアミンを溶解した鉱物
油を紡糸時に付与する方法(特公昭46−16312号公
報)、ジアミンを配合した油剤(特開昭58−132170号公
報)が提案されている。しかしこれらの方法はイソシア
ネート基の失活には有効であり高分子量のポリウレタ
ン,高硬度のポリウレタンの紡糸では優れた膠着防止性
が得られるが、溶融紡糸時にウレタンポリマー自体の粘
度が低かったり、低粘度の架橋用プレポリマーを紡糸時
に混合するため溶融時のウレタンポリマー粘度が下が
り、紡糸直後の糸条がまだ柔らかいままで捲取られる場
合には、ポリウレタンの粘着による膠着が強くあらわ
れ、イソシアネート基の失活剤だけでは十分な膠着防止
性を得る事が出来ない。
紡糸直後の離型効果と活性イソシアネート基の失活に
よる効果の両特性を兼ね備えた膠着防止剤として、本発
明者等はアミノ変性シリコンを併用した紡糸油剤を提案
している(特公昭63−008233号公報)。この方法は溶融
紡糸時に柔らかく、かつ糸表面にイソシアネート基が多
量に存在する場合でもジメチルシリコン鎖の離型効果と
アミノ基の活性水素によるイソシアネート基の失活作用
で優れた膠着防止性を示す。しかし十分な膠着防止性が
得られるアミノ変性シリコンでは得られた糸条の繊維間
摩擦力が極めて低く、紡出時の捲取ボビン並びに場合に
より紡糸ボビンから他ボビンに捲返しをする際、捲返糸
の綾落ち,捲崩れが起る。捲形状保持のため膠着防止性
が弱いアミノ変性シリコンを使用し、膠着による糸の拘
束と高い繊維間摩擦力で捲き形状を保っているため使用
するアミノ変性シリコンを限定せざるを得ない。
この様に膠着防止剤には各種の物質が提案されている
が、膠着防止性の他に紡糸並びに後加工工程での操業性
も含め実際の使用に供し満足のゆくものは未だ見出され
ていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明方法は、溶融紡糸法特に両末端にイソシアネー
ト基を有するプレポリマーを紡糸時に混合してポリウレ
タン弾性糸を製造するに際し、紡出時の紡糸ボビンの膠
着上昇及び紡糸並びに後次工程でのボビン綾落ちと捲崩
れを防止し、紡糸から後工程において順調な操業性を提
供するものである。詳しくは、アミノ変性シリコンを膠
着防止剤に使用する際優れた膠着防止性のアミノ変性シ
リコンは繊維間摩擦力が下がり過ぎ紡糸並びに後次工程
のボビン綾落ち,捲崩れが発生するという問題を改善
し、優れた膠着防止性と良好なボビン捲形状が両立出来
るアミノ変性シリコン併用油剤を見出すことにある。
(問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、溶融
紡糸時に鉱物油及び/又は直鎖状ポリオルガノシロキサ
ンに一般式 (Rは炭素数が1以上のアルキル基又はアルコキシ基、
R1,R2及びR3は炭素数が1以上のアルキル基、m,nは1
以上の整数) で示されるアミノ変性シリコンを少なくとも1種と環状
構造を有するポリオルガノシロキサンを配合せしめてな
る配合油をポリウレタン弾性糸に付与する事で本発明に
到達したものである。本発明はアミノ変性シリコン単独
の使用では到達し得なかった、膠着防止性とボビン捲形
状保持の相反する特性を環状構造を有するポリオルガノ
シロキサンを混合使用する事で可能ならしめたものであ
る。
本発明に使用するアミノ変性シリコンは分子中に存在
するアミノ基の活性水素による糸表面のイソシアネート
基の失活作用とジメチルシリコン鎖による離型作用の両
特性が有効に作用し極めて優れた膠着防止性を示す。し
かし、このアミノ変性シリコンは優れた膠着防止性を示
す反面、繊維上の活性イソシアネート基をすべて失活さ
せるだけの多量のアミノ基が存在すると得られた糸の繊
維間摩擦力が極端に下り紡糸ボビンが捲崩れして実用に
は供せず、又捲崩れが起きない程度にアミノ基量を下げ
ると十分な膠着が得られないという欠点を有し実用に供
せるものではなかった。そこでアミノ変性シリコンを多
量に配合し、優れた膠着防止性が得られるだけのアミノ
基が存在していても得られた糸の繊維間摩擦力が低下さ
せない油剤ろ検討した結果、環状構造を有するポリジメ
チルシロキサンを適量配合する事でアミノ変性シリコン
の単独使用では不可能であった繊維間摩擦力の高水準維
持が可能となる事が判明した。環状構造を有するポリジ
メチルシロキサンの単独使用でも紡糸直後には優れた膠
着防止性を示すが、活性イソシアネート基を失活させる
反応基を持たないだけに経時の膠着上昇が大きく、実用
上問題があった。このように本発明はアミノ変性シリコ
ン及び環状構造を有するポリジメチルシロキサンの各々
単独の使用では種々の問題があり使用できなかったもの
を、両者を適度に配合する事で実用上支障がなく使用で
きるようにしたものである。
本発明に使用する鉱物油は任意の組成のものが使用で
きるが糸への均一付着のため、又紡出時の油剤の粘性抵
抗による糸のローラーへの捲付き防止のため粘度は30℃
において5〜50cstが好ましい。
本発明に使用する直鎖状ポリオルガノシロキサンとし
てはジメチルシロキサン,メチルフェニルボリシロキサ
ン等を用いる事が出来る。又膠着防止性を該成分で向上
させる必要がある場合には離型効果が強い長鎖アルキル
変性シリコンその他低粘度変性シリコンを使用してもよ
い。いずれの場合でも均一付着性,ローラー捲付き,及
び膠着防止班の減少の点から低粘度の方が良く、30℃に
おいて5〜50cstのものが好適である。鉱物油及び直鎖
状ポリオルガノシロキサン共に粘度が5cst以下では揮発
性が高く、紡糸後に糸表面から揮散消失し糸の平滑性低
下,膠着防止性低下を招き好ましくない。
鉱物油と直鎖状ポリオルガノシロキサンは、配合する
アミノ変性シリコン並びに環状構造を有するポリオルガ
ノシロキサンの溶解性に応じ適宜配合して使用する事が
できる。鉱物油と直鎖状ポリオルガノシロキサンのみの
配合で溶解できない場合は10重量%未満の脂肪酸エステ
ル,高級アルコールを配合してもよい。膠着防止性の点
からみると直鎖状ポリオルガノシロキサンに鉱物油,脂
肪酸エステル,高級アルコールが多量に入る程、膠着防
止性は下るので出来るだけ直鎖状ポリオルガノシロキサ
ン単独で使用するのが好ましい。
本発明でいうアミノ変性シリコンは、ポリジメチルシ
ロキサンの分子鎖にアミノ基が付加したものを言うが、
ポリジメチルシロキサンのメチル基が他のアルキル基,
アリル基に置換してももちろん有効である。アミノ基に
の付加位置によりポリジメチルシロキサンの分子鎖末端
に付加した末端タイプと分子鎖の途中に付加した側鎖タ
イプがあり、又アミノ基の構造によりモノアミン,ジア
ミンタイプがある。膠着防止性からみるとアミノ基の付
加位置の影響は小さく末端タイプでも側鎖タイプでも同
様な効果が得られる。一方アミノ基の構造はモノアミン
及びジアミンタイプ共に優れた膠着防止性を示し有用で
あるが、ジアミンタイプの方がモノアミンタイプより良
好である。アミノ変性シリコンのアミノ基量は多い程、
膠着防止性は良好である。又粘度も低粘度より高粘度の
方が優れた膠着防止性が得られる。アミノ基量は本発明
ではアミノ当量で定量的に表現されアミノ当量が小さい
程、アミノ基量が大きいという関係になる。アミノ当量
はアミノ基1ケ当りのジメチルポリシロキサンの分子量
に相当し次のように定義され又測定される。
アミノ当量の定義: アミノ当量の測定法: フラスコに試料約1gをとり攪拌する。イソプロピルア
ルコールを25ml加え、よく攪拌・溶解し、0.1N塩酸にて
指示薬ブロムフェノールブールを用いて適定中和する。
アミノ当量は下式で計算される。
優れた膠着防止性を得るためにはアミノ当量15000以
下のアミノ変性シリコンが好適である。アミノ当量1500
0以上では膠着防止性が劣り紡糸ボビンの後次工程での
解舒性が悪く好ましくない。アミノ変性シリコンの併用
量は、糸表面のイソシアネート基量の多少により変り経
時膠着上昇が起らない量を使用する必要があるが、溶融
紡糸法によるウレタン弾性糸の製造においては油剤全体
の0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%が更に好ま
しい。0.1%以下では優れた膠着防止性が得られず、一
方15重量%以上では環状構造を有するポリシロキサンの
配合効果が出ずに繊維間摩擦力が下ってしまい紡糸ボビ
ンの捲崩れが起り好ましくない。
本発明に使用する環状構造を有するポリオルガノシロ
キサンは、従来の技術の項に記載の公知方法(特公昭39
−24858号公報)により製造され、アルキルジハロゲン
化シロキサン又はアルキルトリハロゲン化シロキサンを
加水分解し、更に縮合して得られる。
アミノ変性シリコンと配合するとアミノ変性シリコン
による過度の滑り性が表われてこない理由が明らかでは
ないが、環状のかさ高構造のため糸の表面のNCO基と反
応して平滑層を形成しているアミノ変性シリコン膜の外
側に平滑性が悪い環状構造のポリオルガノシロキサン層
が形成されるためと考えられる。環状構造を有するポリ
オルガノシロキサンは高粘度のもの程、膠着防止性及び
アミノ変性シリコンと配合した時の過度の滑り防止性に
優れているが、高粘度のもの程、鉱物油及び/又は直鎖
状ポリオルガノシロキサンと配合した時高粘度となり、
糸への付与時に粘着によるローラー捲付き等の障害が発
生する。従って通常は30℃において10000〜20000cstの
粘度を有するものが使用されるが、更に好ましくは1200
0〜15000cstのものが好適である。
環状構造を有するポリオルガノシロキサンの配合量は
併用するアミノ変性シリコンのアミノ当量及び併用量に
よって適宜決定される。アミノ変性シリコンのアミノ基
量が多い程、又併用量が多い程、その配合量は多くなる
が、本発明のポリウレタン弾性糸では3〜15重量%、こ
のましくは5〜10重量%である。3重量%以下ではアミ
ノ変性シリコンの滑り性を防止する効果が不十分であ
り、15重量%以上では配合油の粘度が高くなり糸への付
与時にローラー捲付き等の障害が起り好ましくない。従
って10重量%以下の配合量で適度な膠着防止性と適度な
滑り性が得られるように併用するアミノ変性シリコンの
アミノ当量並びに併用量を選択して使用する事が必要で
ある。
本発明の油剤をポリウレタン弾性繊維に付着させる方
法としては、紡糸口金から吐出されたフィラメントが捲
取られるまでの間にオイリングローラに接触させる方法
又は計量吐出ノズルで給油する方法など通常の方法を用
いる事ができる。本発明の油剤をフィラメントに対し通
常2〜10重量%、好ましくは5〜8重量%を付着させる
事により、紡糸直後でも適度な繊維間滑り性を有し、紡
出ボビンの捲崩れが発生せず、又優れた膠着防止性のた
め紡出後の経時膠着上昇が起らず、後次工程での捲返
し,カバリング,整経,編立等の操業を円滑に実施する
事が出来る。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。尚本発
明の効果を評価する方法として、膠着防止性の代用特性
である解舒張力,繊維間滑り性の代用特性である繊維間
摩擦力及び紡糸捲崩れ状況を用いた。各々の測定方法は
次の通りである。
解舒張力…紡出ボビンから1m/分の引取速度で糸を引
出した時のボビン表面から糸をひきはがすに要する張力
を言い(第1図参照)、本方法では糸長5m当りの最高張
力20点の平均値をもって解舒張力とする。この値が小さ
い程膠着が少なく膠着防止性に優れている事を示す。
繊維間摩擦力…総デニールが400dとなるよう単糸を合糸
し(例えば400dモノフィラメントであれば10本合糸し40
0dで10フィラメントの糸を作る)、第2図に示す交叉法
により二次張力(T2)を測定する。
1)初張力(T1) 1g 2)糸交叉数 1回撚り (360°回転) 3)糸速 2cm/分 紡糸捲崩れ…紡糸フリクションローラとボビン間の接圧
が500gで80mmの捲巾(200φ捲取ボビン),綾角5°で4
0dの糸を、500m/分で10時間捲取った時の捲形状を肉眼
で観察し、綾落ち,崩れ,底糸拡がりのないものを良と
する。
実施例1 分子量2000のポリ(1,4オキシブチレン)グリコール7
0.6部と1,4ブタンジオール4.9部と4,4′ジフェニルメタ
ンジイソシアネート24.5部とから重合したポリウレタン
重合体を195℃で溶融し、スクリュー型の押出機に入る
前に分子量1750のポリ(1,4オキシブチレン)ジイソシ
アネートをポリウレタン重合体に20部混合した後直径0.
5mmのノズルより押出し、紡速470m/分でボビンに捲取
り、40デニールのモノフィラメントを得た。モノフィラ
メントを捲取る直前で給油用ノズルにより表1に示した
7種の各油剤をフィラメント重量に対し7%付与した。
各油剤の紡出結果を表1に示す。
比較例に示した油剤Cは膠着防止剤成分をまったく含
まない油剤であり、繊維間摩擦力が高くかつ糸間膠着が
大きいため紡糸捲崩れは起ないが、糸間膠着が大き過ぎ
るため後工程での糸の解舒が出来ず捲返しが不能であっ
た。油剤D及びEは膠着防止剤として環状構造を有する
ポリオルガノシロキサンのみを使用した油剤である。繊
維間摩擦力が高く紡糸ボビンの捲崩れはなく、又紡糸直
後の膠着防止性は良好であるが、D及びEには活性NCO
基を失活させる成分がないため3ケ月経過後の膠着が大
きく捲返しが出来ない状態になった。油剤F及びGは膠
着防止剤にアミノ変性シリコンのみを使用した油剤であ
る。活性NCO基を失活させるアミノ基を有するため膠着
防止性は極めて良好であるが、繊維間摩擦力が低過ぎる
ため紡糸ボビンの捲崩れが発生し、所定量の捲量が得ら
れなかった。これに比べ環状構造を有するポリオルガノ
シロキサンとアミノ変性シリコンを併用した本発明の油
剤A及びBは、優れた膠着防止性と程度な繊維間摩擦力
であり、紡糸工程で所定量の捲取りが可能で、又後部工
程での捲返し性も順調であった。
実施例2 次に環状構造を有するポリオルガノシロキサンの効果
について説明する。実施例1と同じ紡糸条件にて、環状
構造を有するポリオルガノシロキサンと同じ分子量の直
鎖状のポリジメチルシロキサンを使った油剤を糸に付与
した。
比較例の油剤Iは繊維間摩擦力を高く保つ効果がな
く、繊維間摩擦力が低下し紡糸ボビン捲崩れが発生し
た。
実施例3 環状構造を有するポリオルガノシロキサン並びにアミ
ノ変性シリコンの併用量の効果について説明する。
実施例1と同じ紡糸条件にて表3の油剤JからUの油
剤を糸に付与した。油剤成分は実施例1の油剤Aの成分
と同一のものを使用し、環状構造を有するポリオルガノ
シロキサンとアミノ変性シリコンの併用量を変化させ
た。
油剤J,M,P,Sはアミノ変性シリコンの併用量が少ない
ため経時膠着防止性が悪い。油剤K,Nでは環状構造を有
するポリオルガノシロキサンの併用量が少ないため、優
れた膠着防止性が得られるだけのアミノ変性シリコンを
使用すると繊維間摩擦力を高く維持できず捲崩れのトラ
ブルが発生する。油剤L,O,R,Sではアミノ変性シリコン
の併用量が多すぎるため優れた膠着防止性は得られるが
環状構造を有するポリオルガノシロキサンの繊維間摩擦
力を高目に保持する能力をはるかに超えるアミノ変性シ
リコン量であるため、繊維間摩擦力が低くなり紡糸での
捲崩れが発生する。一方、本発明の油剤Q及びSでは環
状構造を有するポリオルガノシロキサン及びアミノ変性
シリコンの併用量が適量であり、環状構造を有するポリ
オルガノシロキサンの繊維間摩擦力を高めに保持する効
果とアミノ変性シリコンの膠着防止性効果の両方がうま
く利用できており、紡糸捲取り並びに後次工程での捲返
性は問題なく操業性は良好であった。
(発明の効果) 以上に述べた如く、本発明の油剤を用いてポリウレタ
ン弾性糸を製造すれば、紡糸工程での紡糸ボビンの捲崩
れがなく又経時後の膠着上昇がないため、捲返工程での
解舒不良による糸切れがないため、ボビンが得られ、紡
糸工程から後次工程で優れた操業性を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は解舒張力,第2図は繊維間摩擦力を測定する方
法の説明図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉱物油及び/又は直鎖状ポリオルガノシロ
    キサンに一般式 (Rは炭素数が1以上のアルキル基又はアルコキシ基、
    R1,R2及びR3は炭素数が1以上のアルキル基、m,nは1
    以上の整数)で示されるアミノ変性シリコンを少なくと
    も1種と環状構造を有するポリオルガノシロキサンとを
    配合せしめた事を特徴とする油剤。
  2. 【請求項2】一般式(I)及び(II)で示されるアミノ
    変性シリコンのアミノ当量が15000以下である特許請求
    の範囲第1項記載の油剤。
  3. 【請求項3】一般式(I)及び(II)で示されるアミノ
    変性シリコンの配合量が0.5〜10重量%である特許請求
    の範囲第1項記載の油剤。
  4. 【請求項4】環状構造を有するポリオルガノシロキサン
    がアルキルジハロゲン化シロキサン又はアルキルトリハ
    ロゲン化シロキサンを加水分解し縮合して得られたもの
    である特許請求の範囲第1項記載の油剤。
  5. 【請求項5】環状構造を有するポリオルガノシロキサン
    の配合量が5〜10重量%である特許請求の範囲第1項記
    載の油剤。
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