JPH07150421A - ポリウレタン弾性繊維の製造方法 - Google Patents
ポリウレタン弾性繊維の製造方法Info
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- JPH07150421A JPH07150421A JP32124893A JP32124893A JPH07150421A JP H07150421 A JPH07150421 A JP H07150421A JP 32124893 A JP32124893 A JP 32124893A JP 32124893 A JP32124893 A JP 32124893A JP H07150421 A JPH07150421 A JP H07150421A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリウレタンを熔融紡糸するに際し、口金よ
り吐出した糸にポリアリルアミンを含有してなる水系エ
マルジョンを付与した後、引き続き非水系油剤を付与
し、次いで巻き取る事を特徴とするポリウレタン弾性繊
維の製造方法。 【目的】 熔融紡糸法などでポリウレタン弾性糸を紡糸
する際に、糸表面に存在する活性イソシアナート基によ
る糸の膠着並びに経時の膠着上昇を抑えると共に紡糸並
びに後次工程でのボビン綾落ち、崩れを防止し、紡糸か
ら後工程において優れた操業性,作業性が得られるポリ
ウレタンの製造方法を提供することにある。
り吐出した糸にポリアリルアミンを含有してなる水系エ
マルジョンを付与した後、引き続き非水系油剤を付与
し、次いで巻き取る事を特徴とするポリウレタン弾性繊
維の製造方法。 【目的】 熔融紡糸法などでポリウレタン弾性糸を紡糸
する際に、糸表面に存在する活性イソシアナート基によ
る糸の膠着並びに経時の膠着上昇を抑えると共に紡糸並
びに後次工程でのボビン綾落ち、崩れを防止し、紡糸か
ら後工程において優れた操業性,作業性が得られるポリ
ウレタンの製造方法を提供することにある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熔融紡糸法によるポリ
ウレタン弾性繊維の製造方法に関する。更に詳しくは、
ポリウレタン弾性繊維を熔融紡糸する時に、紡糸ボビン
上での糸間の膠着を防止し、後次加工工程での糸の解舒
性を良好にすると共に、糸の滑りを適度に保ち、紡糸ボ
ビン等の綾落ち、崩れを防止し、紡糸およびその後の加
工工程での操業性を安定化させる方法に関するものであ
る。
ウレタン弾性繊維の製造方法に関する。更に詳しくは、
ポリウレタン弾性繊維を熔融紡糸する時に、紡糸ボビン
上での糸間の膠着を防止し、後次加工工程での糸の解舒
性を良好にすると共に、糸の滑りを適度に保ち、紡糸ボ
ビン等の綾落ち、崩れを防止し、紡糸およびその後の加
工工程での操業性を安定化させる方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維を得る方法として
は、従来から熔融紡糸法,乾式紡糸法,湿式紡糸法等が
行われており、又最近はウレタン糸の伸縮特性,耐熱特
性を向上させるために活性イソシアナートを有するプレ
ポリマーを混合して紡糸する方法が利用される事が多
い。これらの方法ではいずれの場合でも紡出時に繊維を
巻き取った際、繊維同志が膠着し、そのため後次工程で
ボビンから糸を解舒して引き出す時、膠着の抵抗のため
糸の引き出しが困難で糸切れが発生し、順調な操業が出
来ない状態が発生する。特に、活性イソシアナート基が
多量に存在するプレポリマー混合紡糸法ではこの膠着が
著しく、通常の油剤を付与したのでは後次工程で糸の引
き出しが出来るものは得られない。
は、従来から熔融紡糸法,乾式紡糸法,湿式紡糸法等が
行われており、又最近はウレタン糸の伸縮特性,耐熱特
性を向上させるために活性イソシアナートを有するプレ
ポリマーを混合して紡糸する方法が利用される事が多
い。これらの方法ではいずれの場合でも紡出時に繊維を
巻き取った際、繊維同志が膠着し、そのため後次工程で
ボビンから糸を解舒して引き出す時、膠着の抵抗のため
糸の引き出しが困難で糸切れが発生し、順調な操業が出
来ない状態が発生する。特に、活性イソシアナート基が
多量に存在するプレポリマー混合紡糸法ではこの膠着が
著しく、通常の油剤を付与したのでは後次工程で糸の引
き出しが出来るものは得られない。
【0003】このポリウレタンの膠着を防止する方法に
は、タルク,シリカ,コロイダルアルミナ等の固体微粒
子を水性または油性スラリーとして繊維に付与する方
法、高級脂肪酸の金属塩粉末を水又は鉱物油に分散させ
る方法(特公昭41−286号公報、特公昭40−55
7号公報)高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族アルコー
ル、パラフィン、酸化ポリエチレン等の常温固体のワッ
クスを使用する方法(特公昭43−272号公報、特公
昭43−9955号公報、特公昭44−8907号公
報)、常温液状物質としてポリアルキレノキサイド変性
シリコン(特公昭44−8907号公報)、環状アミル
シロキサン(特公昭39−24858号公報)、など多
くの方法が提案されている。
は、タルク,シリカ,コロイダルアルミナ等の固体微粒
子を水性または油性スラリーとして繊維に付与する方
法、高級脂肪酸の金属塩粉末を水又は鉱物油に分散させ
る方法(特公昭41−286号公報、特公昭40−55
7号公報)高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族アルコー
ル、パラフィン、酸化ポリエチレン等の常温固体のワッ
クスを使用する方法(特公昭43−272号公報、特公
昭43−9955号公報、特公昭44−8907号公
報)、常温液状物質としてポリアルキレノキサイド変性
シリコン(特公昭44−8907号公報)、環状アミル
シロキサン(特公昭39−24858号公報)、など多
くの方法が提案されている。
【0004】しかし、これら離型効果を主体とした膠着
防止剤では後述のイソシアナート基による化学反応によ
る膠着には効果がなく、十分に満足がゆく方法とは言い
難い。
防止剤では後述のイソシアナート基による化学反応によ
る膠着には効果がなく、十分に満足がゆく方法とは言い
難い。
【0005】ポリウレタン弾性糸の紡糸における糸間の
膠着は、ポリウレタンのゴム状粘着性に因るものだけで
はなく、一般に自着作用と言われている糸表面の特性イ
ソシアナート基の糸表面での化学反応による膠着(アロ
ハネート結合、その他の化学結合の生成)が起こる。こ
の自着作用はポリマー表面に存在するイソシアナート基
が多いほど、糸表面の化学反応が進み、強固な膠着を形
成する。紡糸直後には糸の解舒が可能なボビンでも数日
間経過すると糸間の自着作用が進み、糸の解舒が不能と
なり、極端な場合にはボビンに巻かれた糸の各層が板状
に膠着してしまい、まったく糸が引き出せない状態にな
ってしまう。
膠着は、ポリウレタンのゴム状粘着性に因るものだけで
はなく、一般に自着作用と言われている糸表面の特性イ
ソシアナート基の糸表面での化学反応による膠着(アロ
ハネート結合、その他の化学結合の生成)が起こる。こ
の自着作用はポリマー表面に存在するイソシアナート基
が多いほど、糸表面の化学反応が進み、強固な膠着を形
成する。紡糸直後には糸の解舒が可能なボビンでも数日
間経過すると糸間の自着作用が進み、糸の解舒が不能と
なり、極端な場合にはボビンに巻かれた糸の各層が板状
に膠着してしまい、まったく糸が引き出せない状態にな
ってしまう。
【0006】特に、この現象は熔融紡糸法でポリウレタ
ン弾性糸を製造する際に激しく、末端に活性なイソシア
ナート基を有するプレポリマーを混合紡糸する方法で
は、その傾向が顕著であり、前述の璃型性の膠着防止剤
だけでは十分な膠着防止性が得られない。このイソシア
ナート基の化学反応による膠着を防止するためには、イ
ソシアナート基の失活が必要であり、活性水素基を有す
る失活剤を使用する方法が提案されている。その方法と
して、既にモノアミンを溶解した鉱物油を紡糸時に付与
する方法(特公昭46−16312号公報)、ジアミン
を配合した油剤(特開昭58−132170号公報)が
提案されている。この方法は、イソシアナート基を失活
するには有効な方法であるが、熔融紡糸時にウレタンポ
リマー自体の粘度が低くかったり、低粘度のプレポリマ
ーを紡糸時に混合するため、熔融時のポリマー粘度が下
がり紡出直後の糸状がまだ柔らかいうちに巻き取られる
場合には、ポリウレタンの粘着による膠着が強くあらわ
れ、イソシアナート基の失活剤だけでは十分な膠着防止
性を得ることができない。
ン弾性糸を製造する際に激しく、末端に活性なイソシア
ナート基を有するプレポリマーを混合紡糸する方法で
は、その傾向が顕著であり、前述の璃型性の膠着防止剤
だけでは十分な膠着防止性が得られない。このイソシア
ナート基の化学反応による膠着を防止するためには、イ
ソシアナート基の失活が必要であり、活性水素基を有す
る失活剤を使用する方法が提案されている。その方法と
して、既にモノアミンを溶解した鉱物油を紡糸時に付与
する方法(特公昭46−16312号公報)、ジアミン
を配合した油剤(特開昭58−132170号公報)が
提案されている。この方法は、イソシアナート基を失活
するには有効な方法であるが、熔融紡糸時にウレタンポ
リマー自体の粘度が低くかったり、低粘度のプレポリマ
ーを紡糸時に混合するため、熔融時のポリマー粘度が下
がり紡出直後の糸状がまだ柔らかいうちに巻き取られる
場合には、ポリウレタンの粘着による膠着が強くあらわ
れ、イソシアナート基の失活剤だけでは十分な膠着防止
性を得ることができない。
【0007】紡糸直後の璃型性と活性イソシアナート基
の失活による効果の両特性を備えた膠着防止剤として、
既にアミノ変性シリコンを併用した油剤(特公昭44−
8907号公報)が提案されている。この方法は熔融紡
糸時に、紡出糸条が柔らかく、かつ糸表面にイソシアナ
ート基が多量に存在する場合でもジメチルシリコン鎖の
離型効果とアミノ基の活性水素によるイソシアナート基
の失活作用で優れた膠着性を示す。
の失活による効果の両特性を備えた膠着防止剤として、
既にアミノ変性シリコンを併用した油剤(特公昭44−
8907号公報)が提案されている。この方法は熔融紡
糸時に、紡出糸条が柔らかく、かつ糸表面にイソシアナ
ート基が多量に存在する場合でもジメチルシリコン鎖の
離型効果とアミノ基の活性水素によるイソシアナート基
の失活作用で優れた膠着性を示す。
【0008】しかし、十分な膠着防止性が得られるアミ
ノ変性シリコンでは、得られた糸条の繊維間摩擦力が極
めて低く、紡糸時の巻き取りボビン、並びに紡糸ボビン
から他ボビンに巻き返しをする際に、巻き返し糸の綾落
ち、崩れが起こる。そのために、膠着防止性をある程度
犠牲にし、巻き取り性に問題がないアミノ変性シリコン
を限定して使用せざるをえない。
ノ変性シリコンでは、得られた糸条の繊維間摩擦力が極
めて低く、紡糸時の巻き取りボビン、並びに紡糸ボビン
から他ボビンに巻き返しをする際に、巻き返し糸の綾落
ち、崩れが起こる。そのために、膠着防止性をある程度
犠牲にし、巻き取り性に問題がないアミノ変性シリコン
を限定して使用せざるをえない。
【0009】上述のように膠着防止剤には各種の物質が
提案されている。膠着防止性だけから見るとほぼ満足で
きる組成は提案されているが、紡糸ならびに後加工工程
の操業性も含め、実際の使用に際し問題のない油剤は見
いだされていない。
提案されている。膠着防止性だけから見るとほぼ満足で
きる組成は提案されているが、紡糸ならびに後加工工程
の操業性も含め、実際の使用に際し問題のない油剤は見
いだされていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熔融紡糸法
などでポリウレタン弾性糸を紡糸する際に、糸表面に存
在する活性イソシアナート基による糸の膠着並びに経時
の膠着上昇を抑えると共に紡糸並びに後次工程でのボビ
ン綾落ち、崩れを防止し、紡糸から後工程において優れ
た操業性,作業性が得られるポリウレタンの製造方法を
提供することにある。
などでポリウレタン弾性糸を紡糸する際に、糸表面に存
在する活性イソシアナート基による糸の膠着並びに経時
の膠着上昇を抑えると共に紡糸並びに後次工程でのボビ
ン綾落ち、崩れを防止し、紡糸から後工程において優れ
た操業性,作業性が得られるポリウレタンの製造方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ポリウレ
タンを熔融紡糸するに際し、口金より吐出した糸に一般
式
タンを熔融紡糸するに際し、口金より吐出した糸に一般
式
【化2】 で示されるポリアリルアミンを含有してなる水系エマル
ジョンを付与した後、引き続き非水系油剤を付与し、次
いで巻き取る事を特徴とするポリウレタン弾性繊維の製
造方法である。
ジョンを付与した後、引き続き非水系油剤を付与し、次
いで巻き取る事を特徴とするポリウレタン弾性繊維の製
造方法である。
【0012】本発明に使用されるポリアリルアミンは、
分子中に存在するアミノ基の活性水素が糸表面に露出し
たポリウレタンの活性なイソシアナート基と反応して、
その反応性をなくす事でイソシアナート基の化学反応に
よる膠着発生を押さえることが出来る。
分子中に存在するアミノ基の活性水素が糸表面に露出し
たポリウレタンの活性なイソシアナート基と反応して、
その反応性をなくす事でイソシアナート基の化学反応に
よる膠着発生を押さえることが出来る。
【0013】本発明はポリウレタン単独の紡出には有効
であるが、とくに活性イソシアナート基を有するプレポ
リマーを紡糸時に混合して紡出する場合など糸表面にイ
ソシアナート基が多量に存在する場合に本発明の効果が
よく発揮される。
であるが、とくに活性イソシアナート基を有するプレポ
リマーを紡糸時に混合して紡出する場合など糸表面にイ
ソシアナート基が多量に存在する場合に本発明の効果が
よく発揮される。
【0014】本発明に使用するポリウレタンは、熔融紡
糸に供する事が出来る熱可塑性ポリウレタンであればど
のような組成でも使用出来る。又ポリウレタンの伸縮物
性並びに耐熱物性を向上させるため、紡糸時にジイソシ
アナート化合物を混合紡糸で得られる物など、紡糸時に
何らかの変性を受けた物でも同様に使用出来る。
糸に供する事が出来る熱可塑性ポリウレタンであればど
のような組成でも使用出来る。又ポリウレタンの伸縮物
性並びに耐熱物性を向上させるため、紡糸時にジイソシ
アナート化合物を混合紡糸で得られる物など、紡糸時に
何らかの変性を受けた物でも同様に使用出来る。
【0015】熱可塑性ポリウレタンを構成するポリオー
ル成分としては、ポリエチエングリコール,ポリプロピ
レングリコール,ポリテトラメチレングリコール,エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体など
のポリエーテル,ポリエチエングリコール,ポリプロピ
レングリコール,ポリテトラメチレングリコール,エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体とア
ジピン酸などの二塩基酸とのエステル,ポリεカプロラ
クトン,ポリヘキサメチレンカーボネート,シリコンポ
リオールなどが上げられる。
ル成分としては、ポリエチエングリコール,ポリプロピ
レングリコール,ポリテトラメチレングリコール,エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体など
のポリエーテル,ポリエチエングリコール,ポリプロピ
レングリコール,ポリテトラメチレングリコール,エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体とア
ジピン酸などの二塩基酸とのエステル,ポリεカプロラ
クトン,ポリヘキサメチレンカーボネート,シリコンポ
リオールなどが上げられる。
【0016】又、ジイソシアナート成分としては4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4′−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、イソホロン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートが
上げられる。
4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4′−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、イソホロン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートが
上げられる。
【0017】本発明に使用する水系油剤は、ポリアリル
アミンのみを溶解した水溶液を用いても良いし、糸への
均一付着性を考え水溶液の浸透性を上げるため浸透効果
があるノニオン活性剤を併用するか、又は糸の平滑性を
上げるため、鉱物油,脂肪酸エステル,ジメチルシロキ
サンを主体とした通常使用する油剤とポリアリルアミン
を混合使用しても良い。
アミンのみを溶解した水溶液を用いても良いし、糸への
均一付着性を考え水溶液の浸透性を上げるため浸透効果
があるノニオン活性剤を併用するか、又は糸の平滑性を
上げるため、鉱物油,脂肪酸エステル,ジメチルシロキ
サンを主体とした通常使用する油剤とポリアリルアミン
を混合使用しても良い。
【0018】ポリアリルアミンの離型効果を有効に発揮
させるためには、高分子量のポリアリルアミンの方が効
果的であるが、通常10000から100000の数平
均分子量の物が使用される。分子量10000未満では
膠着の経時上昇は抑えられるが、紡糸直後の離型効果が
やや弱く、また100000を超えると紡糸時に付与す
る水溶液の粘度が高くなり過ぎ、糸表面への均一付着性
が悪くなり、膠着防止斑が発生し好ましくない。
させるためには、高分子量のポリアリルアミンの方が効
果的であるが、通常10000から100000の数平
均分子量の物が使用される。分子量10000未満では
膠着の経時上昇は抑えられるが、紡糸直後の離型効果が
やや弱く、また100000を超えると紡糸時に付与す
る水溶液の粘度が高くなり過ぎ、糸表面への均一付着性
が悪くなり、膠着防止斑が発生し好ましくない。
【0019】ポリアリルアミンの糸への付与量は、紡出
糸条の膠着状況により適宜設定するが、ポリアリルアミ
ンの付与量が多すぎると、糸の平滑性が悪くなるので、
0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下がより
好ましい。ポリアリルアミン水溶液の糸への付与量は、
巻き取りボビンの表面に水滴がにじみ出さない程度であ
ればどの水準でもよいが、通常糸に対し20重量%が限
度であり、水溶液の付与量に応じ、ポリアリルアミンの
付与量が0.5重量%以下になるように水溶液濃度は適
宜決定される。
糸条の膠着状況により適宜設定するが、ポリアリルアミ
ンの付与量が多すぎると、糸の平滑性が悪くなるので、
0.5重量%以下、好ましくは0.3重量%以下がより
好ましい。ポリアリルアミン水溶液の糸への付与量は、
巻き取りボビンの表面に水滴がにじみ出さない程度であ
ればどの水準でもよいが、通常糸に対し20重量%が限
度であり、水溶液の付与量に応じ、ポリアリルアミンの
付与量が0.5重量%以下になるように水溶液濃度は適
宜決定される。
【0020】ポリアリルアミンの付与だけでは糸の平滑
性が極めて悪いため、ポリアリルアミンの付与に加え、
非水系油剤の付与が必須である。水系エマルジョンに引
き続き付与される非水系油剤は任意の組成の物が使用出
来るが、糸への均一付着のためと、紡糸時の油剤の粘性
抵抗による糸のローラーへの巻き付き防止のため、30
℃の粘度は50CSTが好ましい。
性が極めて悪いため、ポリアリルアミンの付与に加え、
非水系油剤の付与が必須である。水系エマルジョンに引
き続き付与される非水系油剤は任意の組成の物が使用出
来るが、糸への均一付着のためと、紡糸時の油剤の粘性
抵抗による糸のローラーへの巻き付き防止のため、30
℃の粘度は50CSTが好ましい。
【0021】又、水系油剤に鉱物油や脂肪酸エステル,
ジメチルシロキサンなどの平滑財油剤WO使用しない場
合、粘度が5CST以下では、油剤の揮発性が高く、紡
糸後に糸表面から揮散消失し、糸の平滑性低下を招き好
ましくない。
ジメチルシロキサンなどの平滑財油剤WO使用しない場
合、粘度が5CST以下では、油剤の揮発性が高く、紡
糸後に糸表面から揮散消失し、糸の平滑性低下を招き好
ましくない。
【0022】油剤を糸に付与する方法は、噴霧法,ロー
ラー表面接触法,給油ガイド法など、公知の方法が使用
出来るが、糸への均一付着を考えると給油ガイド法が最
良である。
ラー表面接触法,給油ガイド法など、公知の方法が使用
出来るが、糸への均一付着を考えると給油ガイド法が最
良である。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
本発明の効果を評価する方法として、膠着防止性の代用
特性である解舒張力(紡糸直後と経時後)、紡糸ボビン
や巻き返しボビンの巻崩れの代用特性である繊維間摩擦
力、紡糸ボビン巻崩れ状況を用いた。
本発明の効果を評価する方法として、膠着防止性の代用
特性である解舒張力(紡糸直後と経時後)、紡糸ボビン
や巻き返しボビンの巻崩れの代用特性である繊維間摩擦
力、紡糸ボビン巻崩れ状況を用いた。
【0024】解舒張力 紡糸ボビンから1m/minの引き取り速度で、糸を引
き出した時の、ボビン表面から糸を引きはがすのに要す
る張力を言い(図1)、本方法で糸長5m当たりの最高
張力20点の平均値をもって解舒張力とする。測定は、
紡糸直後と7日後に行った。
き出した時の、ボビン表面から糸を引きはがすのに要す
る張力を言い(図1)、本方法で糸長5m当たりの最高
張力20点の平均値をもって解舒張力とする。測定は、
紡糸直後と7日後に行った。
【0025】繊維間摩擦力 総デニールが400デニールとなるように、紡出糸を合
糸し、図2に示す交差法により二次張力を測定する。 (1)一次張力(初張力) 1グラム (2)糸交差回数 1回撚(360度回転) (3)糸速 2cm/min (4)測定温湿度 25℃,65%RH
糸し、図2に示す交差法により二次張力を測定する。 (1)一次張力(初張力) 1グラム (2)糸交差回数 1回撚(360度回転) (3)糸速 2cm/min (4)測定温湿度 25℃,65%RH
【0026】紡糸ボビン巻崩れ 紡糸フリクションローラーと巻き取りボビンの接圧が5
00gで80mmの巻幅(200φ巻き取りボビン)、
綾角5度で40デニールの糸を500m/minで10
時間巻き取ったときの巻形状を肉眼観察し、綾落ち,崩
れ,底糸広がりのないものを良とする。
00gで80mmの巻幅(200φ巻き取りボビン)、
綾角5度で40デニールの糸を500m/minで10
時間巻き取ったときの巻形状を肉眼観察し、綾落ち,崩
れ,底糸広がりのないものを良とする。
【0027】実施例1 ポリエーテルとして数平均分子量2000のポリテトラ
メチレングリコール,ジイソシアナート化合物として
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、鎖伸長
剤として1,4−グタンジオールから成るショアー硬度
90の熱可塑性ポリウレタン弾性体を210℃で熔融し
てスクリュー押し出し機にて押し出す際に、紡糸口金に
入る前に、分子量2000のポリ(1,4−オキシブチ
レン)ジイソシアナートをポリウレタン重合体に対し、
15重量%混合した後、0.5mmのノズルより吐出
し、500m/minでボビンに巻き取り、40デニー
ルのモノフィラメントを得た。
メチレングリコール,ジイソシアナート化合物として
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、鎖伸長
剤として1,4−グタンジオールから成るショアー硬度
90の熱可塑性ポリウレタン弾性体を210℃で熔融し
てスクリュー押し出し機にて押し出す際に、紡糸口金に
入る前に、分子量2000のポリ(1,4−オキシブチ
レン)ジイソシアナートをポリウレタン重合体に対し、
15重量%混合した後、0.5mmのノズルより吐出
し、500m/minでボビンに巻き取り、40デニー
ルのモノフィラメントを得た。
【0028】紡糸口金より押し出され、ボビンに巻き取
られるまでに、分子量60000のポリアリルアミンを
2重量%溶解した水溶液を、糸に対し20重量%付与し
た後、表1に示す油剤A及び表2に示す油剤Bの非水系
油剤を糸に対し2%付与し、次いで巻き取った。
られるまでに、分子量60000のポリアリルアミンを
2重量%溶解した水溶液を、糸に対し20重量%付与し
た後、表1に示す油剤A及び表2に示す油剤Bの非水系
油剤を糸に対し2%付与し、次いで巻き取った。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】本発明の比較例として、ポリアリルアミン
水溶液を紡糸後に付与しない場合の例として、油剤A及
びB及び表3の油剤Cの非水系油剤のみを使用した場合
と、ポリアリルアミンのみを付与した場合についても同
様に糸を採取し評価した。
水溶液を紡糸後に付与しない場合の例として、油剤A及
びB及び表3の油剤Cの非水系油剤のみを使用した場合
と、ポリアリルアミンのみを付与した場合についても同
様に糸を採取し評価した。
【0032】
【表3】
【0033】これらの糸を採取する各工程において、油
剤の優劣を判断するため、紡糸ボビンの解舒張力,繊維
間摩擦力,紡糸ボビンの巻形状を評価した。評価した結
果を表4,表5に示す。
剤の優劣を判断するため、紡糸ボビンの解舒張力,繊維
間摩擦力,紡糸ボビンの巻形状を評価した。評価した結
果を表4,表5に示す。
【0034】
【表4】
【0035】ポリアリルアミンのみ付与した比較例は、
糸の平滑性が悪いため巻き返し工程での糸道ガイド類と
の摩擦抵抗力が大きく、糸切れが多発した。本発明の糸
は膠着防止性も優れ、平滑性も適度であるため後次工程
の操業は極めて順調であった。
糸の平滑性が悪いため巻き返し工程での糸道ガイド類と
の摩擦抵抗力が大きく、糸切れが多発した。本発明の糸
は膠着防止性も優れ、平滑性も適度であるため後次工程
の操業は極めて順調であった。
【0036】
【表5】
【0037】ポリアリルアミンを使用しない比較例の
内、イソシアナート基を失活させる活性水素を持ってい
ない油剤A及びBは経時膠着上昇が大きく、巻き返しで
の糸の解舒性が悪く、糸切れが多く、紡糸工程以降の操
業性が不良であった。また、油剤Cは優れた膠着防止性
を示すものの、繊維間摩擦力が低く過ぎるため紡糸巻取
り時にボビンの崩れが発生し、所定時間の巻き取りが出
来ない状態であった。
内、イソシアナート基を失活させる活性水素を持ってい
ない油剤A及びBは経時膠着上昇が大きく、巻き返しで
の糸の解舒性が悪く、糸切れが多く、紡糸工程以降の操
業性が不良であった。また、油剤Cは優れた膠着防止性
を示すものの、繊維間摩擦力が低く過ぎるため紡糸巻取
り時にボビンの崩れが発生し、所定時間の巻き取りが出
来ない状態であった。
【0038】以上、本発明のポリアリルアミンを使用す
ることで、当化合物を使用しない場合に比べ紡糸ボビン
の巻崩れがなく、かつ主目的の優れた膠着防止性が得ら
れた。
ることで、当化合物を使用しない場合に比べ紡糸ボビン
の巻崩れがなく、かつ主目的の優れた膠着防止性が得ら
れた。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性繊維の製造方
法によれば、紡糸ボビン膠着が少なく、かつ紡糸ボビン
の巻形状も優れているため、後次工程での解舒性不良並
びに巻形状不良による糸切れが少なく、極めて操業性が
良い高品質のポリウレタン弾性繊維が得られる。
法によれば、紡糸ボビン膠着が少なく、かつ紡糸ボビン
の巻形状も優れているため、後次工程での解舒性不良並
びに巻形状不良による糸切れが少なく、極めて操業性が
良い高品質のポリウレタン弾性繊維が得られる。
【図1】解舒張力の測定方法を表す図である。
【図2】繊維間摩擦力の測定法を表す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリウレタンを熔融紡糸するに際し、口
金より吐出した糸に一般式 【化1】 で示されるポリアリルアミンを含有してなる水系エマル
ジョンを付与した後、引き続き非水系油剤を付与し、次
いで巻き取る事を特徴とするポリウレタン弾性繊維の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32124893A JPH07150421A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | ポリウレタン弾性繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32124893A JPH07150421A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | ポリウレタン弾性繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07150421A true JPH07150421A (ja) | 1995-06-13 |
Family
ID=18130468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32124893A Pending JPH07150421A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | ポリウレタン弾性繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07150421A (ja) |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP32124893A patent/JPH07150421A/ja active Pending
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