JP2783791B2 - 共役ジエンポリマーの選択的水素化方法 - Google Patents

共役ジエンポリマーの選択的水素化方法

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JP2783791B2 JP8287564A JP28756496A JP2783791B2 JP 2783791 B2 JP2783791 B2 JP 2783791B2 JP 8287564 A JP8287564 A JP 8287564A JP 28756496 A JP28756496 A JP 28756496A JP 2783791 B2 JP2783791 B2 JP 2783791B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共役ジエンポリマ
ーの選択的水素化、更に詳しくは特定の置換または非置
換ビス(シクロペンタジエニル)第VIII族遷移金属化合
物および有機リチウム化合物を含む水素化触媒複合体を
用いる共役ジエンポリマーの選択的水素化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、共役ジエンを重合または共重
合して得られるポリマーは、商業規模で広く利用されて
いる。これらのポリマーは、そのポリマー鎖の中に不飽
和二重結合を残している。これらの不飽和二重結合は、
加硫のために利用するには有利であるが、気候条件、酸
化およびオゾンに対する耐性では安定性に欠ける点でや
はり不利である。特に、共役ジエンおよびビニル芳香族
炭化水素から得られるブロックコポリマーは、熱可塑性
エラストマーや透明の耐衝撃性樹脂として、或いはスチ
レン系樹脂やオレフィン系樹脂用の改質材としてその未
加硫状態で使用される。けれども、これらのポリマー鎖
の中の不飽和二重結合のために、このようなブロックコ
ポリマーは、気候条件、酸化およびオゾンに対する耐性
が不十分である。従って、このような性質が不可欠な外
装材料の分野ではこのブロックコポリマーはその短所の
ために用途が制限される。
【0003】これらの共役ジエンポリマーを水素化し
て、結果としてポリマー鎖に強く結合している不飽和二
重結合を無くすことによってこのように不足している安
定性を著しく改善できる。適当でかつ効果的な水素化触
媒の存在で共役ジエンポリマーを水素化するためにこれ
まで多数の方法が提案されてきた。代表的な水素化触媒
は3つのタイプに分類できる:(1)活性炭、シリカお
よびアルミナのような担体に担持されたコバルト、ニッ
ケル、白金、パラジウム、またはルテニウムの化合物を
含む担持型不均一系触媒で、このような触媒は、米国特
許第3,432,481号;第3,855,185号;第
4,078,011号;第4,125,569号;第4,1
52,351号;第4,152,365号;第4,560,
817号および第4,629,767号;に開示されてい
る;(2)有機酸塩、アセチルアセトン塩またはコバル
ト、ニッケル、鉄もしくはクロムのアルコキシ塩を、有
機アルミニウム化合物のような還元剤と反応して得られ
る、所謂チーグラー(Ziegler)型均一触媒で、
このようなチーグラー型触媒は、米国特許第3,595,
942号;第3,634,549号;第3,670,054
号;第3,673,281号;第3,696,088号;第
3,700,633号;第3,792,127号および第
3,823,203号;に開示されている;(3)有機リ
チウム還元剤で処理されたシクロオレフィン化第III族
または第IV族金属( チタン、ジルコニウムおよびサマ
リウムのような金属)のハロゲン化物またはアリール化
合物でこのような触媒は、米国特許第4,501,857
号;第4,673,714号;第4,801,666号;第
4,929,699号;第5,039,755号;第5,1
32,372号および第5,173,537号;に開示さ
れている。
【0004】前記の3つのタイプの水素化触媒のうち
で、タイプ(3)の触媒が最も高い水素化活性を示す。
従って、水素化は比較的少量のタイプ(3)触媒で比較
的低い反応水素圧のもとで起こる。更に、従来の技術の
中で記述されているようなタイプ(3)の触媒は2種類
に分類できる。第1の種類は、非置換または置換ビス
(シクロペンタジエニル) 第III族または第IV族金属の
ハロゲン化物と有機リチウム化合物との複合体である。
第2の種類は、非置換または置換ビス(シクロペンタジ
エニル)第III族または第IV族金属のアリール化合物の
複合体である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タイプ
(3)の水素化触媒でもやはり多くの欠点がある。注目
すべき欠点は、触媒溶液は極性溶媒の中でビス(シクロ
ペンタジエニル) 第III族または第IV族金属と有機リチ
ウム化合物と反応させて調製されると、この調製された
触媒溶液は不安定なので窒素の存在のもとでも速やかに
分解することである。従って、ヘリウム、ネオンおよび
アルゴンのような貴ガスの中に貯蔵しなければならない
ので、設備費がかさむか或いは直ちに使用しなければな
らないので非常に不便である。
【0006】また、タイプ(3)の水素化触媒のもう1
つの欠点は、触媒調製直後にこの触媒を水素化用のポリ
マー溶液に添加した時のみ水素化が速やかにかつ完全に
進行することである。従って、触媒をポリマー溶液と完
全に混合することは難しいので、水素化の場合の触媒お
よびポリマー溶液の濃度を制御することは困難である。
【0007】更に、ビス(シクロペンタジエニル) 第I
II族または第IV族金属のハロゲン化物を使用する時の別
の欠点は、第III族または第IV族金属ハロゲン化物は、
第III族または第IV族金属ハロゲン化物と有機リチウム
化合物から生成されるリチウムハロゲン化物と同様に、
金属材料の配管を腐食するので、輸送装置の配管は高価
な耐食性合金製としなければならず、従って設備費がか
さむ。
【0008】ビス(シクロペンタジエニル)チタン化合
物を使用するときは、この化合物は触媒除去工程で水と
反応して二酸化チタンを生成して配管の内面にスケール
を生成する。この時に生成するスケールは除去が容易で
なく、しかもゴムの中に残ったままになりやすいのでゴ
ムの使用が制限される。
【0009】
【課題を解決するための手段】従って、前記問題を解決
すること、および少なくとも1つの非置換または置換ビ
ス(シクロペンタジエニル)第VIII族遷移金属化合物お
よび少なくとも1つの有機リチウム化合物を含む特定の
水素化触媒複合体を用いて、共役ジエンポリマーの選択
的水素化方法を提供するすることが本発明の1つの目的
である。特定の水素化触媒複合体を用いることによって
ポリマーの耐酸化、耐熱および耐候性が改善され、しか
もこの水素化は効率も選択性も比較的高い。触媒にはハ
ロゲン化物もチタンも含まれないので、腐食はおろかス
ケールも発生しない。また、触媒は簡単に除去できる。
最も重要なことは、この特定の水素化触媒結合体は、窒
素雰囲気中で安定性が高いので、貯蔵できる。
【0010】前記の目的を達成するために、共役ジエン
ポリマーの選択的水素化方法は、(A)非置換または置
換ビス(シクロペンタジエニル)第VIII族遷移金属化合
物および(B)有機リチウム化合物を含む水素化触媒複
合体の存在で不活性有機溶媒中の共役ジエンポリマー
を、水素と接触させて共役ジエンポリマーの共役ジエン
単位中の不飽和二重結合を選択的に水素化することを含
む。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、共役ジエンポリマーの
選択的水素化方法を提供する。本発明の中で使用する
“共役ジエンポリマー”の用語は、共役ジエンのホモポ
リマーもコポリマーをも意味する。一般的に、この用語
は、共役ジエンホモポリマー、2個以上の共役ジエンの
ランダム、ブロックおよびグラフトコポリマー、並びに
少なくとも1個の共役ジエンと少なくとも1個のビニル
芳香族炭化水素のランダム、ブロックおよびグラフトコ
ポリマーを包含する。
【0012】本発明の方法による水素化の使用対象とな
る共役ジエンポリマーは、前記のポリマーの分子量によ
って特に区別しない。けれども、一般的に使用対象のポ
リマーは、約1,000から約1,000,000、好
ましくは10,000から500,000の範囲内の数
平均分子量を持つことが必要である。
【0013】共役ジエンポリマーが、少なくとも1個の
共役ジエンブロックと少なくとも1個のビニル芳香族炭
化水素ブロックを含むブロックコポリマーの時は、この
ブロックコポリマー中のビニル芳香族炭化水素ブロック
含量はポリマーの全重量基準で10ないし90重量%の
範囲内が好ましく、そしてこのブロックコポリマー中の
共役ジエン単位の1,2−ビニル二重結合含量は共役ジ
エン単位の全重量基準で20ないし70重量%の範囲内
にあるのが好ましい。適当なブロックコポリマーには、
テーパー型ブロックコポリマー、完全型ブロックコポリ
マーまたはグラフトコポリマーが可能である。販売上有
利な熱可塑性エラストマーを製造するためには、少なく
とも1個の共役ジエンポリマーブロックと少なくとも1
個のビニル芳香族炭化水素ポリマーブロックを含むブロ
ックポリマーが特に重要である。
【0014】本選択的水素化方法は不飽和二重結合を含
む全ての炭化水素ポリマーに適用できるけれども、この
方法は共役ジエンポリマーに適用するのが好ましい。重
合触媒として有機リチウム化合物を用いてリビング重合
行う過程(プロセス)から得られる共役ジエンリビン
グポリマーに、この選択的水素化方法を適用することが
最も好ましい。
【0015】本発明で使用する“共役ジエンリビングポ
リマー”の用語は、重合触媒として有機リチウム化合物
を使用することによって得られる共役ジエンのホモポリ
マーおよびコポリマー、並びにポリマー鎖中にリチウム
原子を持つことに基づき追加のモノマーの重合によって
成長する能力を持つポリマーを含む程度の広い意味を持
つ。簡単に言うと、“リビング”ポリマーは、ポリマー
鎖の末端部にリチウム原子を持つポリマーを指す。一般
的に、共役ジエンリビングポリマーは、共役ジエンのリ
ビングホモポリマー、2個以上の共役ジエンのランダ
ム、ブロック、およびグラフトリビングコポリマー、並
びに少なくとも1個の共役ジエンと少なくとも1個のビ
ニル芳香族炭化水素とのランダム、ブロックおよびグラ
フトリビングコポリマーまでも包含する。
【0016】本発明の共役ジエンポリマーの製造に適す
る共役ジエンは、C4 −C12の共役ジエンが好ましく、
これには1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジ
エン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエンおよび
3−ブチル−1,3−オクタジエンが挙げられる。物理
的性質に優れ、しかも工業的に有利な展開が可能なエラ
ストマーを製造する観点からは、1,3−ブタジエンお
よびイソプレンが望ましい共役ジエンであることが判っ
ている。
【0017】本発明の共役ジエンポリマーの製造に適す
るビニル芳香族炭化水素には、スチレン、t−ブチルス
チレン、α−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェ
ニルエチレン、ビニルナフタレン、N,N−ジメチル−
p−アミノエチルスチレンおよびN,N−ジエチル−p
−アミノエチルスチレンが挙げられる。スチレンは、工
業的理由から使用するのが好ましい。前記ポリマーの代
表例には、水素化されたコポリマーが極めて高い工業的
価値を持つので、ブタジエン/スチレンコポリマーおよ
びイソプレン/スチレンコポリマーが挙げられる。熱可
塑性エラストマーを得るためには、ビニル芳香族炭化水
素含量はコポリマーの全重量基準で5ないし90重量%
の範囲内が好ましい。
【0018】本発明の選択的水素化方法で使用に適する
共役ジエンポリマーは、そのポリマー鎖の微細構造に特
に区別されない;即ち、そのポリマー鎖がどのような微
細構造を持とうとも便利に使用できることに変わりはな
い。本発明の水素化方法で利用するのに適する共役ジエ
ンポリマーの1つの代表例は、1,3−ブタジエンおよ
び/またはイソプレンである。共役ジエンポリマー中の
共役ジエン単位の1,2−ビニル二重結合含量は、5%
ないし70%が好ましい。1,3−ブタジエンおよび/
またはイソプレンおよびスチレンのコポリマーは、利用
に適するコポリマーのもう1つの代表例である。
【0019】前記のブロックコポリマーの中では、少量
のビニル芳香族炭化水素を共役ジエンブロック構造体の
中に含んでいてもよく、また逆に少量の共役ジエンをビ
ニル芳香族炭化水素ブロック構造体の中に含んでいても
よい。本水素化方法の適用にふさわしい共役ジエンポリ
マーには、米国特許第3,135,716号;第3,15
0,209号;第3,231,635号;第3,265,7
65号; 第3,322,856号;第3,496,154
号;第3,498,960号; 第4,145,298号お
よび第4,238,202号;に記載されているポリマー
が挙げられる。一般的に、本発明で使用できる直鎖およ
び分岐ブロックコポリマーには次の一般式で表されるコ
ポリマーが挙げられる: Ak−(B−A)l−Bm 式中、 Aは主にビニル芳香族炭化水素モノマー単位を含む直鎖
または分岐ポリマーブロック; Bは主に共役ジエンモノマー単位を含む直鎖または分岐
ポリマーブロック; kとmは、別々に0または1に等しい数、lは、0ない
し15の範囲内の整数で、これらの合計は、k+l+m
≧2である。
【0020】本発明に従って処理してよいカップリング
型およびラジアルブロックコポリマーには、米国特許第
4,033,888号;第4,077,893号;第4,1
41,847号;第4,391,949号および第4,44
4,953号に記載されているポリマーが挙げられ、次
の一般式で表される: [Bm−(A−B)l−Akn−C−Pr 式中、A、B、k、lおよびmは、前に定義された通り
であり;nおよびrは、別々にn+r≧3となるような
1から15までの数であり;Cは、多官能性カップリン
グ剤で生成するカップリング型またはラジアルポリマー
の核であり;そして各Pは同じかまたは異なるポリマー
ブロックか或いは次の一般式を持つポリマーブロックで
ある: Bs”−(A’−B’)t−Aw” 式中、A”は、Aと同じように定義され、B”はBと同
じように定義され; A’−B’は、ビニル芳香族炭化水素モノマー単位
(A’)と共役ジエンモノマー単位(B’)を含むポリ
マーブロックであり、A’−B’モノマー単位はランダ
ム、テイパー型またはブロックであり、A’−B’がブ
ロックの時は、A’ブロックはA”と同じかまたは異な
り、そしてB’ブロックはB”と同じかまたは異なり; sおよびwは、別々に0または1に等しい数であり、t
は0から15の整数で、これらの合計はs+t+w≧1
である。ラジアルポリマーは対称でも非対称でもよい。
【0021】一般的に、前記共役ジエンポリマーの調製
に有用である、従来の技術で知られている溶媒のいずれ
を使用してもよい。この場合の適当な溶媒には、ペンタ
ン、ヘキサン、ペプタン、オクタン等のような直鎖型お
よび分岐型炭化水素、並びにこれらのアルキル置換誘導
体;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン
等のような脂環式炭化水素、並びにこれらのアルキル置
換誘導体;ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン
等のよう芳香族およびアルキル置換芳香族炭化水素;テ
トラリン、デカリン等のよう水素化芳香族炭化水素;特
にハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、クロロトルエ
ン等のようなハロゲン化芳香族炭化水素;メチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のような直鎖および環状エーテルが挙げ
られる。
【0022】本発明で使用する共役ジエンポリマーは、
例えば、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合
法、ラジカル重合法、溶液重合法、および乳化重合法の
ような業界で知られているいずれの方法で製造してもよ
い。これらのポリマーの中でも、有機リチウム化合物を
リビングポリマー用触媒として使用して、ポリマー鎖の
中にリチウム原子を含ませて得られるリビングポリマー
が特に有益である。前記のリビングポリマーの製造に当
たっての重合触媒としては、分子単位の中に結合した少
なくとも1個のリチウム原子を持つ炭化水素化合物を使
用する。このような炭化水素化合物の例は、メチルリチ
ウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプ
ロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチル
リチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリ
チウム、n−ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、ベ
ンジルリチウムおよびスチリルリチウムのようなモノリ
チウム化合物、および1,4−ジリチオ−n−ブタン、
1,5−ジリチオ−ペンタン、1,2−ジリチオ−ジフ
ェニルエタン、1,4−ジチリオ−1,1,4,4−テ
トラフェニルブタン、1,3−または1,4−ビス(1
−リチオ−3−メチルペンチル)−ベンゼンのような二
リチウム化合物である。重合触媒は、前記の有機リチウ
ム化合物によって得られるリチウムオリゴマーおよび
α、ω−二リチウムオリゴマーでもよい。重合触媒のう
ちでn−ブチルリチウムおよびsec−ブチルリチウム
が特に有益であることが判っている。これらの有機リチ
ウム化合物は、単独でも或るいは2種類以上から成る混
合物の状態で使用してもよい。前記の重合触媒は重合過
程の中で、一斉に或いは別々に複数回に分けて添加して
もよい。前記の有機リチウム化合物の量は、所望のポリ
マーの分子量によって適当に決めてよい。一般的にこの
量は使用する全モノマーの全重量基準で0.005ない
し5wt%の範囲内である。
【0023】本発明の選択的水素化方法は、少なくとも
1つの触媒(A)および少なくとも1つの触媒(B)を
含む特定の水素化触媒複合体の存在で、不活性有機溶媒
中の共役ジエンポリマーを水素と接触させて共役ジエン
ポリマーの共役ジエン単位中の不飽和二重結合を選択的
に水素化することを含む。
【0024】触媒(A)は、非置換または置換ビス(シ
クロペンタジエニル)第VIII族遷移金属化合物であり、
次の式によって表される: (C5nR’5-n)(C5mR”5-m)M 式中、R、R’およびR”は、同じかまたは異なり、か
つ水素、C1−C8のアルキルおよびアルコキシ基、C6
−C8のアリールおよびアリールオキシ基、C6−C8
シクロアルキルおよびシクロアルコキシ基、C1−C5
ヒドロキシアルキル基、アルデヒド基、カルボキシル
基、シリル基から成るグループ中から選ばれ、mおよび
nは、別々に0から5までの整数、C5nR’5-nおよ
びC5mR”5-mは同じかまたは異なる非置換または置
換シクロペンタジエニル基であり、Mは、コバルト、ニ
ッケル、ロジウム、パラジウム、白金およびイリジウム
から成るグループ中から選ばれる第VIII族遷移金属であ
り、水素化触媒(A)の具体例には、ビス(シクロペン
タジエニル)コバルト(II)、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ニッケル(II)、ビス(シクロペンタジエニル)
パラジウム、ビス(シクロペンタジエニル)白金、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)コバルト(I
I)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ニッ
ケル(II)、(メチルシクロペンタジエニル)(シクロ
ペンタジエニル)コバルト(II)、(メチルシクロペン
タジエニル)(シクロペンタジエニル)ニッケル(I
I)、(カルボキシシクロペンタジエニル)(シクロペ
ンタジエニル)コバルト(II)および(カルボキシシク
ロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ニッケル
(II)が挙げられる。
【0025】重合触媒(B)は、少なくとも1個のリチ
ウム原子を持つ有機リチウム化合物またはリチウム水素
化物であり、この触媒は、重合触媒(A)を還元するた
めに使用する。有機リチウム化合物を使用するのが好ま
しいけれども、有機アルミニウム化合物、有機亜鉛化合
物および有機マグネシウム化合物のような別の強い還元
剤を使用してもよい。重合触媒(B)が少なくとも1個
のリチウム原子を持つ有機リチウム化合物であるとき
は、この化合物は、R''' Liによって表される1個の
リチウム原子でも或いはR''' Li2 で表される2個の
リチウム原子を含んでもよい。R''' はC1ないしC30
の炭化水素成分で、より好ましくはC1ないしC20の炭
化水素成分である。前記のモノリチウム化合物の具体例
には、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピル
リチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、フ
ェニルリチウム、ベンジルリチウムおよびスチリルリチ
ウムが挙げられる。C1 ないしC20のアルキルリチウム
を使用するのが好ましい。二リチウム化合物の具体例に
は、1,4−ジリチオ−n−ブタン、1,5−ジリチオ
−ペンタン、1,2−ジリチオ−ジフェニルエタン、
1,4−ジチリオ−1,1,4,4−テトラフェニルブ
タン、1,3−および1,4−ビス(1−リチオ−3−
メチルペンチル)−ベンゼンが挙げられる。いろいろな
水素化触媒(B)の中では、n−ブチルリチウムおよび
sec−ブチルリチウムが高い水素化活性および選択性
を示し、しかも市販品として入手できることからこの2
つのリチウム化合物が、より好ましい。
【0026】別法として、R''' は、ポリマー状成分で
もよく、限定的に言えば、水素化触媒(B)は、ポリマ
ー鎖の中にリチウム原子を含む共役ジエンリビングポリ
マーがよく、このリビングポリマーは、1,000ない
し1,000,000の数平均分子量を持つことが好ま
しい。共役ジエンリビングポリマーには、共役ジエンの
リビングホモポリマー、2個以上の共役ジエンのコポリ
マー、および重合触媒として有機リチウム化合物を使用
して得られる少なくとも1個の共役ジエンと少なくとも
1個のビニル芳香族炭化水素とのリビングコポリマーが
挙げられる。
【0027】本発明の共役ジエンリビングポリマーの代
表例は、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレン
のリビングポリマーおよび1,3−ブタジエンおよび/
またはイソプレンおよびスチレンとのリビングコポリマ
ーである。触媒(B)が1,3−ブタジエンおよび/ま
たはイソプレンおよびスチレンとのリビングコポリマー
のとき、スチレンブロック含量は、全ポリマー中の10
ないし90重量%の範囲内が好ましく、そして1,2−
ビニル二重結合含量は、1,3−ブタジエンおよび/ま
たはイソプレン単位中の20ないし70重量%の範囲内
が好ましい。
【0028】水素化触媒(A)は、共役ジエンポリマー
の100g当たり0.05ないし20ミリモルの量で存
在するのが好ましい。触媒(A)と触媒(B)のモル比
は0.5ないし20の範囲内が好ましい。
【0029】本発明の方法による水素化をポリマー鎖の
中にリチウム原子を含むリビングポリマーについて実施
するとき、この場合の水素化は、触媒(A)だけの存在
で実施するのが好ましい。ポリマー溶液に添加する触媒
(A)の量は、リビングポリマーの100g当たり0.
005ないし10ミリモルの範囲内が好ましい。添加さ
れる触媒の量をこの範囲内に収める限り、この水素化は
芳香族の二重結合の水素化までも殆ど伴うことなく、リ
ビングポリマーの共役ジエン単位中の不飽和二重結合に
作用できることが好ましい。たとえ触媒(A)を10ミ
リモルより多く添加しても、リビングポリマーは水素化
する場合がある。触媒(A)を10ミリモルよりも多く
すると、過剰の触媒は水素化効果を高めることなく、む
しろ、水素化生成物から残留触媒を除去するのに必要な
作業が増え、逆にコストを高めることになる。触媒
(A)を0.005ミリモル以下の量で添加すると、異
物によって失活しやすくなり水素化が円滑に進行しなく
なる。好ましくはポリマー溶液に添加する触媒(A)の
量は、リビングポリマーの100g当たり0.02ない
し8ミリモルの範囲内である。
【0030】触媒(B)のリチウム原子と触媒(A)の
M原子(Mはコバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウ
ム、白金およびイリジウムである。)のモル比は0.1
ないし100の範囲内が好ましく、更に好ましのは0.
5ないし20の範囲内である。Li/Mが0.5未満の
とき、水素化触媒結合体は殆ど水素化効果を発揮しな
い。Li/Mが20より大きくなっても、水素化効率は
更に上がることなく、過剰の高価な触媒(B)により余
分のコストがかさむばかりでなく、ゲルの生成や望まし
くない二次反応につながる。2ないし6の範囲内のLi
/Mが最も望ましいことが判っている。
【0031】ポリマー鎖の中にリチウム原子を含むリビ
ングポリマーとは別のポリマーで本発明の方法による水
素化を実施するときは、少なくとも1つの触媒(A)と
少なくとも1個の触媒(B)とを組み合わせて使用する
ことが不可欠である。ポリマー溶液へ添加する触媒
(A)の量は、失活ポリマーの量の100g当たり0.
005ないし20ミリモルの範囲内であることが好まし
い。添加される触媒の量をこの範囲内に収める限り、こ
の水素化は、芳香核の二重結合までも水素化を殆ど伴う
ことなく、リビングポリマーの共役ジエン単位中の不飽
和二重結合に作用できることが好ましい。
【0032】本発明によると、本発明によって企図され
る水素化は、不活性有機溶媒で与えられるポリマー溶液
で実施するのが望ましく、更には、共役ジエンの重合に
よって得られるポリマー溶液を使用して、例えば、後続
の水素化反応で連続して使用する不活性溶媒の中で実施
するのが、より望ましい。用語“不活性有機溶媒”は、
重合および水素化の反応中に関与する物質のいずれとも
反応しない溶媒を意味する。望ましい溶媒の例は、n−
ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンおよびn−オク
タンのような脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、および
シクロペンタンのよう脂環式炭化水素、並びにジエチル
エーテルおよびテトラヒドロフランのようなエーテルで
ある。ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
のような芳香族炭化水素は、水素化の選択された条件の
もとで芳香族二重結合が水素化されないときだけ使用で
きる。前記溶媒は、単独でも混合物の状態でも使用して
よい。
【0033】本発明の水素化は、使用する溶媒の量基準
で1ないし50重量%、好ましくは3ないし30重量%
の濃度で与えられるポリマーについて実施される。リビ
ングポリマーについて水素化を実施するとき、水素化を
受けるリビングポリマーはリチウムに影響を及ぼしては
ならず、また、溶媒中に存在する水または或る種の他の
異物によって決して失活を起こしてはならない。
【0034】前記触媒、即ち(A)および(B)はポリ
マー溶液へ直接添加してよい。もしそうでなければ、そ
れらの触媒は前に列挙したような不活性有機溶媒の中で
前もって溶解することによって添加してもよい。溶液の
形で添加することは、水素化が均一にかつ速やかに進行
できるようにするために、より有益である。
【0035】水素化を(A)および(B)の両触媒を使
用して実施する場合は、2つの触媒(A)および(B)
を混合した後、混合状態で還元してポリマー溶液へ添加
してもよい。これらの触媒を別々に交互にポリマー溶液
に添加してもよい。もしそうでなければ、これらの触媒
を同時にポリマー溶液へ添加してもよい。必要な時は、
これらの触媒、即ち(A)および(B)を水素化過程中
の反応系へ追加して組み入れてもよい。水素化を素早く
進行させるために、これらの触媒、即ち(A)および
(B)は、指示された比率で混合した後、混合状態で還
元して、次いでポリマー溶液に添加することが望まし
い。
【0036】従来法によると、重合触媒としてビス(シ
クロペンタジエニル) 第III族または第IV族金属化合物
を用いて共役ジエンポリマーを水素化する時は、この触
媒は、不活性雰囲気のもとで取り扱われれなければなら
ない。用語“不活性雰囲気”は、例えばヘリウム、ネオ
ン、またはアルゴン窒素の雰囲気を意味するが、この雰
囲気は水素化の反応中に関与するいずれの物質とも反応
しない。空気および酸素は水素化触媒を酸化または分解
して、触媒を失活させることにつながることになるから
これらを選ぶことは良くない。窒素を選ぶことも従来型
のシクロペンタジエニル第III族または第IV 族金属化合
物の場合には良くないことに注意しなければならない。
けれども、ビス(シクロペンタジエニル)第VIII族遷移
金属化合物および有機リチウム化合物を含む、本発明の
触媒複合体は窒素のもとでも取り扱うことができ、高価
な不活性雰囲気は何も必要ないので、コストを大きく下
げ得る。従ってこのことは従来から使用されてきた触媒
より優れた1つの利点である。 更に、従来型のシクロ
ペンタジエニル第III族または第IV族金属化合物をポリ
マー溶液に添加するには水素ガス雰囲気中で実施しなけ
ればならない。これに対して本発明の触媒複合体におい
ては、有利なことに本発明の特定の触媒複合体をポリマ
ー溶液と完全に混合した後で水素を供給できる。
【0037】本発明の選択的水素化の目的は、共役ジエ
ン単位中の不飽和二重結合を可能な限り多く水素化する
こと、一方、ビニル芳香族炭化水素単位(芳香核部分)
中の不飽和二重結合は可能な限り水素化しないことであ
る。非置換または置換ビス(シクロペンタジエニル)第
VIII族遷移金属化合物(触媒(A))および有機リチウ
ム化合物(触媒(B))を含む特定の水素化触媒複合体
を使用することにより、共役ジエン単位の水素化反応率
と選択性は高い。共役ジエン単位中の不飽和二重結合の
少なくとも50%、多分90%まで選択的に水素化する
ことが可能であり、一方、ビニル芳香族炭化水素単位中
の不飽和二重結合は10%以下、多分5%以下しか水素
化されない。
【0038】一般的に、水素化は−20℃と150℃と
の間、好ましくは20℃ないし100℃の範囲内の温度
で実施される。前記ポリマーの水素化に使用される水素
の圧力は特に明確に定まっていないが、1ないし100
g/cm2 の範囲内であることが好ましく、2ないし5
0g/cm2 の範囲内であることが更に好ましい。本発
明によって効果が確認される水素化時間は、数秒ないし
50時間の範囲内に概ね収まる。本発明の水素化は、回
分方式や連続方式のような公知の方法のいずれによって
も実施できる。水素化の経過は、ポリマー溶液によって
吸収される水素量を監視することによって水素化の全過
程の始めから終わりまでを把握できる。
【0039】ビニル芳香族炭化水素ポリマーのブロック
含量は、コルトフ(L.M.Kolthoff)等の
J.Polymer Sci.,第1巻、429頁、1
946年に報告された方法によって測定した。共役ジエ
ンポリマー中の共役ジエン単位の1,2−ビニル二重結
合含量は、赤外線吸収スペクトルを利用して、1,2−
ビニル二重結合と共役ジエン単位の比率を計算した後、
この比率を重量比率の項で報告するハンプトン法[Ha
mpton、R.R.,Anal.Chem.,29
巻、923頁(1949年)]によって測定した。共役
ジエン単位の水素化反応率は赤外線吸収スペクトルによ
って測定が可能であり、そして芳香核部分の水素化反応
率は紫外線吸収スペクトルによって測定が可能であり、
これらは米国特許第4,501,857号に記載されてい
る。
【0040】結論として、本発明の選択的水素化方法
次の長所を持っている: (1)本発明によると、少量の高活性触媒の存在で穏や
かな条件のもとで共役ジエンポリマーを水素化できる。 (2)本発明によると、前記ポリマーの共役ジエン単位
中の不飽和二重結合の大部分を選択的に水素化でき、一
方、このポリマーのビニル芳香族炭化水素単位(芳香核
部分)中の不飽和二重結合は極めて少量しか水素化され
ない。 (3)本発明は、ポリマー鎖中にリチウム原子を持つ共
役ジエンリビングポリマーにも適用できる。この場合、
共役ジエンリビングポリマーは、触媒(A)を効率よく
還元できるリチウム原子を持つ。従って水素化は触媒
(A)単独で存在するだけで進行し、追加の触媒(B)
の添加は必要なく、従ってコスト低減となる。実際に、
共役ジエンリビングポリマー自身が触媒(B)として作
用する。 (4)この特定の水素化触媒複合体は窒素雰囲気のもと
で貯蔵できるので、ヘリウムおよびアルゴンのような高
価な不活性ガスを使用する必要がなく、従ってコスト低
減となる。
【0041】本発明の方法によって得られる水素化ポリ
マーは、気候条件や酸化に対する耐性が優れたエラスト
マー、熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂として
使用される。紫外線吸収剤、オイル類、および充填剤の
ような各種の添加剤を組み入れることにより、或いは他
のエラストマーおよび樹脂との混合により、この水素化
ポリマーは市場性の極めて高い各種用途に幅広く利用さ
れる。
【0042】多くの改良および変形は当業者には明かな
ので、次の実施例は本発明の範囲を限定することなく、
より充分に本発明を説明するためのものである。
【0043】
【実施例】(比較例1) 10gのタイポール(Taipol)−416(結合ス
チレン含量=29.5%、結合ブタジエン含量=70.
5%、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)によって測
定した数平均分子量=16.5×104 、1,2−ビニ
ル二重結合含量=10.5%)を、乾燥窒素のもとで、
シクロヘキサン/テトラヒドロフラン(THF)(10
0:15、容量比)で溶解して5重量%のポリマー溶液
とした。このポリマー溶液を内容積600mlのオート
クレーブに入れて、ラニー(Raney)ニッケル(ニ
ッケル原子/ポリマー=10.8、重量比)を水素化用
触媒として添加した後、乾燥水素を600psigの圧
力で装入した。オートクレーブの内容物を24時間14
0℃に加熱したところ、水素化は何も起こらなかった。
【0044】(比較例2) 10gのタイポール(Taipol)−411(結合ス
チレン含量=29.5%、結合ブタジエン含量=70.
5%、GPCによって測定した数平均分子量=25×1
4 、1,2−ビニル二重結合含量=9.0%)を、乾
燥窒素のもとで、シクロヘキサン/テトラヒドロフラン
(THF)(100:15、容量比)で溶解して5重量
%のポリマー溶液を得た。このポリマー溶液を内容積6
00mlのオートクレーブに入れて、アセチルアセトン
コバルト(III) およびトリエチルアルミニウム(Al
/Coモル比=5)を、水素化用触媒(ポリマー/Co
=85:1、重量比)として添加した後、乾燥水素を2
50psigの圧力で装入した。オートクレーブ中の内
容物を4時間27℃に加熱した。水素消費量によって測
定した共役ジエン単位の水素化反応率は98%である
が、スチレン単位の水素化反応率は13.3%もの高さ
であった。このような水素化選択性では満足できなかっ
た。
【0045】(比較例3) 10gのタイポール(Taipol)−416(結合ス
チレン含量=29.5%、結合ブタジエン含量=70.
5%、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)によって測
定した数平均分子量=16.5×104 、1,2−ビニ
ル二重結合含量=10.5%)を、乾燥窒素のもとで、
シクロヘキサン/テトラヒドロフラン(THF)(10
0:15、容量比)で溶解して5重量%のポリマー溶液
とした。このポリマー溶液を内容積600mlのオート
クレーブに入れて、アセチルアセトンニッケル(II)お
よびn−ブチルリチウム(Li/Niのモル比=4)を
水素化用触媒(ポリマー/Ni=170:1、重量比)
として添加した後、乾燥水素を250psigの圧力の
もとで装入した。オートクレーブの内容物を4時間27
℃に加熱した。水素消費量により測定した共役ジエン単
位の水素化反応率は32%であり、スチレン単位の水素
化反応率は1%未満であった。この水素化効率は満足で
きなかった。
【0046】(参考例1) 内容積5リッターのオートクレーブの中に、シクロヘキ
サン2700g、スチレン 90g、n−ブチルリチウ
ム 0.69gおよび適当な量のテトラヒドロフラン
(THF)(THF/n−ブチルリチウムのモル比は4
0である)を入れ、次に、3時間60℃に攪はんおよび
加熱して重合を行わせた。次に、この時生成した反応溶
液に1,3−ブタジエン210gを添加して、再度2時
間60℃に加熱して重合を続けた。ここで生成したスチ
レン−ブタジエンリビングブロックコポリマー溶液に安
息香酸フェニル0.9gを添加してカップリングを行わ
せた。その結果、結合スチレン含量29.5%、1,2
−ビニル二重結合含量43%および数平均分子量約9.
8×104のコポリマーが得られた。
【0047】(参考例2) 内容積5リッターのオートクレーブの中に、シクロヘキ
サン2600g、スチレン45g、n−ブチルリチウム
0.35gおよび適当な量のテトラヒドロフラン(TH
F)(THF/n−ブチルリチウムのモル比は30であ
る)を入れ、次に、2時間60℃に攪はんおよび加熱し
て重合を行わせた。次に、この時生成した反応溶液に
1,3−ブタジエン220gを添加して、再度2時間6
0℃に加熱して重合を続けた。スチレン45gを更に添
加して、次に1時間60℃に加熱して第3段階の重合を
行わせた。最後に、ブチルリチウムのモル数の4倍量の
メタノールを添加して失活させた。その結果、結合スチ
レン含量29.0%、1,2−ビニル二重結合含量35
%および数平均分子量約9.0×104 のコポリマーが
得られた。
【0048】(比較例4) 参考例1から得られたポリマー溶液800gをシクロヘ
キサンで希釈して8重量%のポリマー溶液を得た。オク
タン酸ニッケル溶液を蒸留して、水含量を100ppm
未満に減少させた。この乾燥オクタン酸ニッケルおよび
トリイソブチルアルミニウム(モル比=1.6)を断熱
条件のもとで混合すると、黒色の触媒溶液が生成した。
調製後、この触媒溶液を直ちにポリマー溶液(オクタン
酸ニッケル/ポリマー=1:100、重量比)を含むオ
ートクレーブ(2リッターの内容積)に添加した後、8
0℃、20kg/cm2 の水素圧力のもとでいろいろな
反応時間について水素化を実施した。反応時間および結
果を表1に示している。
【0049】
【表1】
【0050】(比較例5) 参考例2から得られたポリマー溶液800gをシクロヘ
キサンで希釈して7.3重量%のポリマー溶液を得た。
グローブボックスの中で、ビス(シクロペンタジエニ
ル)二塩化チタン0.249gをシクロヘキサン100
mlで溶解してこれにn−ブチルリチウム1.1mlを
添加して約5時間、定速で攪はんすると、水素化触媒溶
液が得られた。この希釈されたポリマー溶液330gを
内容積1リッターのオートクレーブに装入して80℃に
加熱した。次にオートクレーブを窒素で清浄にした後、
先に調製した水素化触媒溶液を添加した。高速でかつ充
分な攪はんをしながらトリエチルアルミニウム2mlを
添加すると溶液中の不純物が除去された。最後に、水素
を25kg/cm2 の圧力のもとで装入してオートクレ
ーブの内容物を80℃に保ち、定速攪はんのもとでいろ
いろな時間について水素化した。反応時間および結果を
表2に示している。
【0051】
【表2】
【0052】(実施例1) グローブボックスの中で、ビス(シクロペンタジエニ
ル)コバルト(II)0.189gをシクロヘキサン10
0mlに溶解して、これに5時間より長く定速でかつ充
分に攪はんしながら還元剤としてn−ブチルリチウム
1.1mlを添加すると、水素化触媒溶液が生成した。
参考例2で得られたコポリマー溶液をシクロヘキサンで
希釈して7.3重量%のポリマー濃度とした。この希釈
されたポリマー溶液330gを、内容積1リッターのオ
ートクレーブに装入した。オートクレーブ中のガス状不
純物を除去するために窒素で洗浄した後、この調製した
水素化触媒溶液24mlを直ちに添加した。最後に、水
素を25kg/cm2 の圧力のもとで装入して80℃で
水素化を実施した。水素化時間および結果を表3に示し
ている。
【0053】
【表3】
【0054】(実施例2) ビス(シクロペンタジエニル)コバルト(II)0.18
9gをビス(シクロペンタジエニル)ニッケル(II)
0.192gに代えたこと以外は、実施例1の記載と同
じ手法を利用した。水素化時間と結果を表4に示してい
る。
【0055】
【表4】
【0056】(実施例3) 参考例2から得たポリマー溶液の水素化用に使用する前
にグローブボックスの中で2週間、調製済み水素化触媒
を貯蔵すること以外は、実施例1に記載と同じ手法を利
用した。調製した水素化触媒溶液を2週間貯蔵すると、
均一相の溶液は、懸濁液に変わった、即ち一部は懸濁
し、一部は沈澱した。けれども、この水素化触媒懸濁液
を激しく攪はんすると、依然として良好な分散性を保っ
ていた。水素化は実施例1と同じ手法に従って実施し、
反応時間は300分間であった。その結果は次の通りで
ある。残留1,2−ビニル二重結合は0%であった。残
留トランス二重結合は1.2%、ブタジエン単位の水素
化反応率は99.0%、そしてスチレン単位の水素化反
応率は1%未満であった。このことにより、水素化触媒
溶液は、その使用前の2週間、窒素のもとで貯蔵したけ
れども、この触媒溶液は依然として良好な作用をするこ
とが判った。
【0057】(実施例4) n−ブチルリチウム1.1mlをフェニルリチウム1.
4mlに代えたこと以外は実施例1に記載と同じ手法を
利用した。反応時間および結果を表5に示している。
【0058】
【表5】
【0059】(実施例5) n−ブチルリチウムの添加量を1.1mlから2.2m
lに増やした以外は実施例1と同じ手法を利用し、水素
を25kg/cm2 の圧力のもとで装入して、80℃で
5時間、水素化を実施した。その結果は次の通りであ
る。残留トランス二重結合は7.8%、残留1,2−ビ
ニル二重結合は0.5%、ブタジエン単位の水素化反応
率は95.1%、そしてスチレン単位の水素化反応率は
1%未満であった。
【0060】
【発明の効果】以上説明した通り本発明に係る共役ジエ
ンポリマーの選択的水素化方法によれば、次のような効
果を得ることができる。 (1)少量の高活性触媒の存在で穏やかな条件のもとで
共役ジエンポリマーを効率的に水素化することができ
る。 (2)共役ジエンポリマーにおける共役ジエン単位中の
不飽和二重結合の大部分を選択的に水素化できる一方、
このポリマーのビニル芳香族炭化水素単位(芳香核部
分)中の不飽和二重結合は極めて少量しか水素化されな
い。 (3)ポリマー鎖中にリチウム原子を持つ共役ジエンリ
ビングポリマーにも適用できる。この場合、共役ジエン
リビングポリマーは、触媒(A)を効率よく還元できる
リチウム原子を持つことから、水素化は触媒(A)単独
で存在するだけで進行し、追加の触媒(B)の添加は必
要ない。従って、共役ジエンポリマーの水素化を行うに
つきコストを格段に低減することができる。尚、共役ジ
エンリビングポリマー自身は実際に触媒(B)として作
用する。 (4)本発明における水素化触媒複合体は窒素雰囲気の
もとで貯蔵できるので、ヘリウムおよびアルゴンのよう
な高価な不活性ガスを使用する必要がなく、従って貯蔵
コストの低減を図ることができる。 (5)前記した本発明の水素化方法によって得られる水
素化ポリマーは、気候条件や酸化に対する耐性が優れた
エラストマー、熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹
脂として使用することが可能である。また、紫外線吸収
剤、オイル類、および充填剤のような各種の添加剤を組
み入れることにより、或いは他のエラストマーおよび樹
脂との混合により、この水素化ポリマーは市場性の極め
て高い各種用途に幅広く利用することができる。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエンのホモポリマー、2個以上の
    共役ジエンのコポリマー、或いは少なくとも1つの共役
    ジエンと少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素とのコ
    ポリマーからなる共役ジエンポリマーを、水素化触媒複
    合体の存在で不活性有機溶媒中にて水素と接触させて
    前記共役ジエンポリマーの共役ジエン単位中の不飽和二
    重結合を選択的に水素化することから成る共役ジエンポ
    リマーの選択的水素化方法において、 前記水素化触媒複合体が少なくとも1つの触媒(A)お
    よび少なくとも1つの触媒(B)を含み、 前記触媒(A)は次式で表される非置換または置換ビス
    (シクロペンタジエニル)第VIII族遷移金属化合物であ
    り: (C5nR’5-n)(C5mR”5-m)M (式中、R、R’およびR”は、同じかまたは異なり、
    かつ水素、C1−C8のアルキルおよびアルコキシ基、C
    6−C8のアリールおよびアリールオキシ基、C6−C8
    シクロアルキルおよびシクロアルコキシ基、C1−C5
    ヒドロキシアルキル基、アルデヒド基、カルボキシル
    基、シリル基から成るグループ中から選ばれ、 mおよびnは、別々に0から5までの整数、 C5nR’5-nおよびC5mR”5-mは同じかまたは異な
    る非置換または置換シクロペンタジエニル基であり、 Mは、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白
    金およびイリジウムから成るグループ中から選ばれる第
    VIII族遷移金属である)、 前記触媒(B)は少なくとも1個のリチウム原子を持つ
    有機リチウム化合物またはリチウム水素化物であり、有
    機リチウム化合物はR''' LiおよびR'''Li2から成
    るグループ中から選ばれる、 (式中、R''' はC1−C30 の炭化水素成分またはポリ
    マー成分で、リチウム原子とM原子のモル比は0.1か
    ら100までである)、 ことを特徴とする共役ジエンポリマーの選択的水素化
  2. 【請求項2】 前記共役ジエンが、1,3−ブタジエ
    ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
    ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペン
    タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
    1,3−オクタジエンおよび3−ブチル−1,3−オク
    タジエンから成るグループ中から選ばれることを特徴と
    する請求項1に記載の共役ジエンポリマーの選択的水素
    化方法
  3. 【請求項3】 前記ビニル芳香族炭化水素が、スチレ
    ン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、o−メ
    チルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
    ン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルナフタレン、
    N,N−ジメチル−p−エチルスチレンおよびN,N−
    ジエチル−p−アミノエチルスチレンから成るグループ
    中から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共役
    ジエンポリマーの選択的水素化方法
  4. 【請求項4】 前記共役ジエンポリマーが、1,3−ブ
    タジエンとスチレンのコポリマーであることを特徴とす
    る請求項1に記載の共役ジエンポリマーの選択的水素化
    方法
  5. 【請求項5】 前記水素化触媒(A)が、ビス(シクロ
    ペンタジエニル)コバルト(II)、ビス(シクロペンタ
    ジエニル)ニッケル(II)、ビス(シクロペンタジエニ
    ル)パラジウム、ビス(シクロペンタジエニル)白金、
    ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)コバルト
    (II)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ニ
    ッケル(II)、(メチルシクロペンタジエニル)(シク
    ロペンタジエニル)コバルト(II)、(メチルシクロペ
    ンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ニッケル(I
    I)、(カルボキシシクロペンタジエニル)(シクロペ
    ンタジエニル)コバルト(II)および(カルボキシシク
    ロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ニッケル
    (II)から成るグループ中から選ばれることを特徴とす
    る請求項1に記載の共役ジエンポリマーの選択的水素化
    方法
  6. 【請求項6】 前記水素化触媒(A)が、ビス(シクロ
    ペンタジエニル)コバルト(II)およびビス(シクロペ
    ンタジエニル)ニッケル(II)から成るグループ中から
    選ばれることを特徴とする請求項5に記載の共役ジエン
    ポリマーの選択的水素化方法
  7. 【請求項7】 前記水素化触媒(B)が、メチルリチウ
    ム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロ
    ピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリ
    チウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチ
    ウム、n−ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、ベン
    ジルリチウムおよびスチリルリチウムから成るグループ
    中から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の共役
    ジエンポリマーの選択的水素化方法
  8. 【請求項8】 前記水素化触媒(B)が、式R''' Li
    (式中、R''' はポリマー成分である)で表されること
    を特徴とする請求項1に記載の共役ジエンポリマーの選
    択的水素化方法
  9. 【請求項9】 前記水素化触媒(B)が、共役ジエンリ
    ビングポリマーのポリマー鎖の中にリチウム原子を含み
    かつ1,000から1,000,000の範囲内の数平
    均分子量を持つ共役ジエンリビングポリマーであり、前
    記共役ジエンリビングポリマーは共役ジエンのリビング
    ホモポリマー、2個以上の共役ジエンのリビングコポリ
    マー、または重合触媒として有機リチウム化合物を用い
    て得られる、少なくとも1個の共役ジエンと少なくとも
    1個のビニル芳香族炭化水素のリビングコポリマーであ
    ることを特徴とする請求項8に記載の共役ジエンポリマ
    ーの選択的水素化方法
  10. 【請求項10】 前記共役ジエンリビングポリマーが、
    1,3−ブタジエンまたはイソプレンとスチレンのリビ
    ングポリマーであることを特徴とする請求項9に記載の
    共役ジエンポリマーの選択的水素化方法
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