JP2780901B2 - 生麺類の製造方法 - Google Patents

生麺類の製造方法

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JP2780901B2
JP2780901B2 JP5006804A JP680493A JP2780901B2 JP 2780901 B2 JP2780901 B2 JP 2780901B2 JP 5006804 A JP5006804 A JP 5006804A JP 680493 A JP680493 A JP 680493A JP 2780901 B2 JP2780901 B2 JP 2780901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた保存性、味覚お
よび食感を有する生麺類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年の
簡便化志向と本格志向の流れの中で、麺類についても、
たとえば、熱湯を注ぐだけで調理、喫食でき、しかも長
期保存性を有するウエット状態の包装麺類(いわゆる
「ロングライフ麺」)が市場で人気を得ている。
【0003】しかしながら、市場で見受けられる「ロン
グライフ麺」は、いずれも麺の腰や粘弾性に欠けてお
り、満足の得られる品質を備えていないのが実情であ
る。
【0004】これらウエット状態の麺類では保存性付与
のために、静菌剤添加法、レトルト殺菌法の他に、pH
調整(pHを酸性側に調整)と比較的低温での加熱殺菌
を併用する簡易殺菌等が検討されており、うどんなどに
ついては、後者の方法を採用する場合が多い。
【0005】しかしながら、静菌剤添加法は、添加物使
用の点で消費者に与えるイメージが好ましくなく、ま
た、レトルト殺菌法では、高温加熱処理するために麺が
いわゆるレト焼けを起こして美観上好ましくない上に、
喫食しても生の麺類とは掛け離れた食感になっているの
が実情である。さらに、pH調整と比較的低温での加熱
殺菌を併用する方法では、小麦粉のグルテンの粘弾性が
喪失され、加えて麺に展延性が無くなり、その結果、麺
は弱くて腰のない食感となり、いわゆる、茹でたての生
麺の食感が得られないのが実情であった。
【0006】そこで、本発明者らは、アルギン酸及び/
又はアルギン酸塩をめんに混入し、酸処理を行うこと
で、「ロングライフめん」であっても、めんに『腰』
『粘弾性』を付与できるめん類の製造方法を特許出願
(特願平3−174129号)したところである。
【0007】しかしながら、特願平3−174129号
においては、めんに『腰』を付与させることはできるも
のの、生めん独特の『しなやかさ』にやや欠け、『舌ざ
わり(滑らかさ)』においてもやや劣るという問題点が
あった。
【0008】また、比較的低温での加熱殺菌によって常
温での長期保存性を付与するためには、めんのpHを一
定値(約4.5)以下の酸性域に調整する必要があるた
め、めんに酸味があるという欠点があった。
【0009】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者ら
は、特願平3−174129号に残された前記問題点の
改良検討を加えたところ、特願平3−174129号に
示された工程のうち、最終の殺菌工程を100℃を超え
る温度、好ましくは105〜120℃で行えば、めんに
『しなやかさ』と『滑らかさ』を付与できるという効果
が得られると同時に、長期保存性付与のために必要なp
Hを従来の低温殺菌における場合よりも若干高く設定す
ることも可能となり、その結果めんの酸味も緩和するこ
とができることを見いだし、本発明を完成した。 ま
た、麺の酸味を緩和する必要がない場合は、従来の低温
殺菌におけるよりも加熱時間を短縮できる利点を有する
のである。
【0010】すなわち、本発明は上記した特徴を含む生
めん類の製造方法であって、下記の工程、すなわち、 (1) 小麦粉もしくは小麦粉と澱粉を主成分とする原料
粉、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩、アルカリ剤、
必要に応じて食塩と、水とを混練し、弱酸性から弱アル
カリ性のpHを呈する麺生地を調製し、 (2) 前記麺生地を麺線として、α化処理を施し、 (3) 前記α化処理を施した麺線を酸液処理して、麺線p
Hを酸性域に調整し、次いで (4) 前記pH調整を行った麺線を包装・密封した後、
05〜120℃の温度で加熱殺菌処理する工程からなる
生麺類の製造方法である。
【0011】また、本発明の第2の方法として、前記工
程中、めん線のα化処理を酸液浸漬工程において同時に
実施する工程を有する生めん類の製造方法である。
【0012】なお、『しなやかさ』『滑らかさ』の改良
に関して、本発明者らは、めんを三層構造として中央層
のみにアルギン酸及び/又はアルギン酸塩を添加するこ
とで改良した特願平3−251856号(中華麺に関す
る)、特願平5−4954号(中華麺以外のその他の麺
に関する)も出願しているが、これらの方法は、麺線を
三層にすることで100℃を超える殺菌工程によらなく
とも『しなやかさ』『滑らかさ』を付与できるものであ
る。 しかし、これらの場合においても、105〜12
0℃の温度で殺菌工程を行うことによって、めんの酸味
の低減等の効果を有することは勿論である。
【0013】本発明におけるアルカリ剤は、好ましくは
カルシウムを含んだアルカリ剤を除く、いわゆる食品用
のアルカリ剤であって、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸塩、縮合
リン酸塩等の1種又は2種以上の混合物などを用いるこ
とができる。
【0014】ここで、アルカリ剤を用いるのは、切出後
のめん生地のpHを約6.5〜9.0にすることによっ
て、めんへの『腰』の付与効果をより一層高めることが
できること(特願平3−174129号「実施例2」等
参照)と、めん生地にアルギン酸及び/又はアルギン酸
塩を混合する際に、中性〜アルカリ性下においてはこれ
らは溶解するので、扱いやすくなるためである。
【0015】また、カルシウムを含んだアルカリ剤が好
ましくないのは、めん生地にアルギン酸及び/又はアル
ギン酸塩を混合する時に、カルシウムがアルギン酸と反
応してゲル化し、操作しにくくなるためである。従っ
て、このような反応を起こさないカルシウム塩や当該反
応が生じない条件下では、カルシウムを含むアルカリ剤
を使用することも可能である。
【0016】本発明におけるアルギン酸塩としては、ア
ルギン酸のアルカリ金属塩(例えば、アルギン酸ナトリ
ウム、アルギン酸カリウム等)、マグネシウム塩、アン
モニウム塩などを用いることができ、これらアルギン酸
塩及びアルギン酸は、適宜市販の製品を使用できる。そ
の添加方法は、粉体のままでも、また、予め水溶液とし
て添加してもよく、適宜選択できる。
【0017】アルギン酸及び/又はアルギン酸塩の添加
量は、麺生地における他の製麺原料との関係、例えば、
アルカリ剤の添加量とそれに基づく麺生地のpH、また
酸液処理の程度、製品の麺質(腰の強さ等)を勘案して
適宜決定されるが、原料粉1kgに対して通常約0.5
g(約0.05%以上)以上が好ましく、アルギン酸成
分が約0.05%よりも少ないと、製品の生めん類にお
いて『腰』の軟弱化を防止する効果が発揮されにくく、
また、一方過剰に添加すると麺質の腰が強くなりすぎ、
食感及び食味が悪くなって、生めんとしてのテクスチャ
ーが損なわれる。
【0018】本発明において、麺線のα化処理は、煮熱
・蒸煮等、従来公知の方法及び装置を使用して実施で
き、また、麺線の酸液処理は、当該α化処理の後に別途
pH調整した酸液にて麺線を処理する方法(本発明の第
1方法)、当該α化処理と同時に同一工程で麺線の酸液
処理を行う方法(本発明の第2方法)のいずれかを選択
できる。前者方法においては、麺線の酸液中への浸漬、
酸液の麺線への塗布・噴霧等にて実施でき、後者方法に
おいては、煮熱用水に酸を添加し酸性溶液を用いての煮
熱、蒸煮工程中で麺線への酸液の散布又は噴霧等にて実
施できる。
【0019】酸液処理に使用する酸としては、酢酸、乳
酸、クエン酸、リンゴ酸、醸造酢等食品に使用できる酸
を適宜選択して用いることができる。使用する酸の種類
及び麺線のpHは、付与すべき長期保存性の程度、製品
としての生めん類の麺質等を考慮して適宜設定できる
が、酸液処理した後の麺線のpHが酸性になることが必
須である。
【0020】本発明においては、当該酸液処理によっ
て、麺線に含有されるアルギン酸及び/又はアルギン酸
塩が不溶化したアルギン酸となり、これが麺全体に3次
元的な網目組織を形成して、麺線の『粘弾性』、『腰』
を保持又は強化することができ、また、同時に麺線を酸
性域に調整するために、長期保存性を付与することがで
きる。従って、本発明における酸液処理は、従来の二律
背反であった問題点を一挙に解決できるものである。特
に、麺の『腰』の付与の点から考えれば、およそpH6
以下においてその作用が顕著である。
【0021】しかしながら、過度に酸性化すると、めん
に酸味が強くなり食味を損なうので好ましくない。そこ
で、酸味の問題点については、できるだけpHの高い状
態で処理する方法が好ましい。ところが、常温での長期
保存性の付与に関しては、水分活性とpH、殺菌時の加
熱条件が特に重要な要件であり、一般に加熱条件が弱け
れば、pHを低くする必要がある。例えば、特願平3−
174129号に開示されるように、水分活性が高い生
めん類等の食品の場合、通常、pHが4.5以下であれ
ば100℃で35分程度の殺菌で充分であるが、pHが
4.5〜5.0の場合はFo値が1、pHが5.0〜
6.0の場合は、Fo値が1〜2.5程度の殺菌が必要
と言われている。ここで、Fo値とは250°F1分に
相当する殺菌条件であって、Fo=1の殺菌条件とは、
121℃では1分、116℃では3分、111℃では1
0分の殺菌条件となる(「缶詰時報Vol.62,N
o.11(pp.1097−1103)」及び「食品衛
生研究Vol.36,No.9(pp.21−33),
社団法人 日本食品衛生協会」参照)。
【0022】このことから、めんの酸味を低減させるた
めには、pH値を上げる必要があるが、pH値を上げる
と、Fo値を高くすること、すなわち、殺菌温度を高く
するか加熱時間を長くする必要があることが判る。本願
は、このような観点から、100℃を超える温度、好ま
しくは105〜120℃の温度で加熱を行うことによ
り、従来品より、pH値を上げることが可能となり、そ
の結果、酸味を低減した生めん類を製造することが可能
となるのである。
【0023】なお、めんの酸味低減のためにpHをでき
るだけ高くすることと、アルギン酸のめんへの「腰」の
付与効果発現のために酸処理が必要なこととは、一見矛
盾するように思われるが、実際には「腰」付与作用を発
現させるに必要なpH域は、酸味低減に必要なpHより
も充分に高い所にあり問題とはならない。つまり、アル
ギン酸のめんへの「腰」付与の効果の発現に必要なpH
はほぼ6以下であれば良いのに対し、酸味はpHを約
4.5以上にすれば弱く感じるため、pHがその範囲にあ
れば、アルギン酸による一定の効果は得られるのであ
る。
【0024】また逆に、めんの酸味が問題とならない場
合は、たとえば調理時にアルカリ剤を用いて該麺の酸味
低減策が採られるような商品の場合においては、麺のp
Hを約4.5以下に調整した後、本願の100℃を超え
る殺菌を組み合わせることで、殺菌時間を従来より短縮
でき、かつ「腰」、「滑らかさ」、「しなやかさ」を同
時に有する生めん類の製造が可能である。
【0025】本発明によって製造された生めん類は、従
来のごとき袋入りの包装生麺として商品化される他、ポ
リスチレン等の容器に他の調味料、具材と共に収納し、
いわゆるカップ入り生めんとしての商品形態をとること
ができる。また、本発明は、水分含量を下げた、いわゆ
る半生状態の中華めんについても適用できる。
【0026】
【実施例】実施例1:アルギン酸配合めんの調製方法
(中華めん) 以下に、製造方法の各工程を説明する。なお、以下の調
製方法は本発明の一実施例を示すものであって、本発明
の製造方法がこれに限定されないのは勿論である。
【0027】(1)カンスイ2.5g、食塩15.0
g、クチナシ色素1.0gを水340mlに溶解して練
り水を調製した。次に、小麦粉(準強力粉)1.0kg
とアルギン酸5.0gの混合物に、前記練り水を加え、
ミキサーにて15分混練した。
【0028】(2)前記混合物を圧延ロールにて圧延
し、1.3mmのめん帯とした後、#20の切刃を通し
てめん線とした。
【0029】(3)前記めん線を蒸機にて2分常圧蒸煮
してカットし、30秒茹で、30秒液切りし、30秒水
洗、30秒水切りを行った。
【0030】(4)前記工程(3)で調製しためん線を
乳酸溶液(濃度は適宜調整;実施例3に各条件による検
討結果を記載)に1分間浸漬した後、液切りを行い、白
絞油をめん1kg当たり20g添加した。
【0031】(5)前記工程(4)で調製しためん線1
80gをパウチに封入した。
【0032】(6)前記包装後のめんを所定温度(実施
例2に98〜120℃の各温度条件による検討結果を記
載)で加熱殺菌したのち冷却した。
【0033】実施例2:殺菌温度の違いにおける効果 実施例1の製造方法において、(6)の殺菌温度を以下
のように変えて行った。なお、殺菌前のめん線のpHは
(4)の乳酸4〜5g/l溶液とすることにより、4.
7に調整した。
【0034】また、比較対照群は実施例1の製造方法に
おいて、(1)の工程でアルギン酸を混合しないもの
で、この点の他、かんすい添加量を1.0gとしたこと
以外は、すべて実施例1と同じ製法によった。
【0035】また、殺菌条件(温度は殺菌釜内温度)
は、98℃、35分、105℃、83分、110
℃、38分、115℃、22分、120℃、16
分、120℃、27分で行った。
【0036】なお、各試作品は、冷蔵庫に4日放置した
後、めんをスチロール容器に入れ、熱湯を注いで1分た
ってから、試食評価を行った。その結果を下記の表1に
示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1中、殺菌条件の温度は殺菌釜内の温度
であり、また時間は釜温が設定温度に到達した時点から
の時間である。一方、Fo値は、製品が実際に受けた殺
菌指標値である。これは、製品温度が所定値まで上昇す
るのには時間がかかることを考慮したためである。
【0039】また、表1中、各試験項目の判定基準は以
下のとおりである。
【0040】(1)色調、腰、しなやかさ、滑らかさの
判定基準 充分に訓練された試食パネラー10人で試食を行い、そ
れぞれ、5(良好)・4(やや良好)・3(普通)・2
(やや不良)・1(不良)の5段階で評価し、その平均
点で以下のとおり判定した。
【0041】 良好 …4.6 〜5.0 ポイント やや良好 …3.6 〜4.5 ポイント 普通 …2.6 〜3.5 ポイント やや不良 …1.6 〜2.5 ポイント 不良 …1.0 〜1.5 ポイント (2)ほぐれの判定基準 湯もどし時の麺線のほぐれの状態をいい、下記基準によ
る 良好とは …はしを1〜2回入れれば、麺線が十分に
ほぐれる やや良好とは…はしを1〜2回入れれば、麺線がほぼほ
ぐれる 普通とは …はしを3回以上入れればほぐれて支障が
ない やや不良とは…はしを3回以上入れても麺線が完全にほ
ぐれない 不良とは …はしを3回以上入れても麺線が団子状で
全くほぐれない 表1の結果から明かなように、アルギン酸添加群では、
の98℃、35分加熱殺菌したのものに比較して、1
00℃を超える温度で加熱殺菌した〜は、めんの
「色調」、「ほぐれ」、「腰」はやや弱いものの、めん
の「しなやかさ」、と「滑らかさ」は改良された。ただ
し、の120℃、27分(Fo=5.6)で加熱殺菌
したのものはめんに腰がなく、色も悪く(いわゆる「レ
ト焼け」を起こしている)商品価値を有さないものとな
った。
【0042】また、アルギン酸を混合しない対照群につ
いては、いずれも腰がなく、全条件において喫食に耐え
ないものとなり、これに比較すると、アルギン酸を含む
〜は「ほぐれ」の点でもはるかに優れていた。
【0043】すなわち、100℃を越える殺菌温度、好
ましくは、105〜120℃においてFo値を高い値
(例えば、5.6以上)としなければ、「色調」「ほぐ
れ」「腰」において充分に商品価値のある状態で、しか
もアルギン酸を混合した「ロングライフめん」の欠点で
ある、めんの「しなやかさ」「滑らかさ」不足を改良で
きることがわかる。
【0044】実施例3:殺菌時の麺線pHの違いによる
効果 実施例1の製造方法において、(4)の乳酸濃度の条件
と殺菌時の麺線pHを以下の条件とした。(a)乳酸0
g/l溶液、麺線pH6.7、(b)乳酸1.0g/l
溶液、麺線pH6.2、(c)乳酸2.0g/l溶液、
麺線pH5.6、(d)乳酸5.0g/l溶液、麺線p
H4.7、(e)乳酸7.5g/l溶液、麺線pH4.
3。 また、(6)の温度条件・処理時間を次の通りと
した。115℃、13分(Fo=0.2)(麺線pH4.
3のみ)、115℃、22分、(Fo=1.4)、11
5℃、39分、(Fo=5.0)。なお、対照品は、9
5℃、30分で処理した。
【0045】なお、各試作品は、冷蔵庫に4日放置した
後、めんをスチロール容器に入れ、熱湯を注いで1分た
ってから、試食評価を行った。また、各試験項目の判定
基準は上記実施例2と同様な基準を採用した。
【0046】
【表2】
【0047】その結果、表2から明かなように、めんの
酸味に関しては、対照群については酸味を感じ好ましく
なかったが、pH4.7以上区では良好な結果が得られ
た。なお、pHは低いほうが、強い殺菌条件に耐えられ
る傾向が見られ、Fo=5.0の条件であっても、pH
4.7では何とか食せるものの、pH6.2以上では喫
食に耐えないものであった。これは、酸処理が「レト焼
け」を抑制しているものと考えられるからである。ま
た、pH6.7ではFo=1.4でも極めて「腰」「ほ
ぐれ」等が悪いものとなったが、これはこのpHにおい
てはアルギン酸のこし付与の効果が充分でないことを示
すものと思われる。従って、殺菌条件におけるpHとし
ては、約4.5〜6.0の範囲にあるのが、好ましいこ
とがわかる。
【0048】実施例4:うどんの調製 下記手順にしたがって、めん(うどん)の調製を行っ
た。すなわち、 (1)炭酸ナトリウム2.5g、アルギン酸5.0g
を、水370mlに溶解して練り水を調製した。次に、
小麦粉(中力粉)0.9kgとタピオカ澱粉0.1kg
の混合物に、前記練り水を加え、ミキサーにて15分間
混練した(生地pH7.4)。
【0049】(2)前記混練物を圧延ロールにて圧延
し、2.8mmのめん帯とした後、#11の切刀を通し
てめん線とした。
【0050】(3)前記めん線を蒸機にて2分常圧蒸煮
してカットし、0.05g/lの乳酸溶液中で15分茹
で、30秒液切りし、2分水洗後30秒水切りを行っ
た。
【0051】(4)前記工程(3)で調製しためん線を
乳酸の6.5g/l溶液に1分間浸漬後、液切りを行っ
た(殺菌前のめん線pH4.7)。
【0052】(5)前記工程(4)で調製しためん線2
20gを、白絞油3mlと共にパウチに封入した。
【0053】(6)前記包装後のめんを加熱殺菌した後
冷却した。
【0054】上記方法において(6)の加熱殺菌条件を
めんの環境条件として115℃、30分として操作を行
った。また、比較対照として、加熱殺菌条件を98℃、
35分としたものを作成した。
【0055】上記各試作品は、室温に一日放置した後、
めんをスチロール容器に入れ、熱湯を注いで2分たって
から、試食評価を行った。また、各試験項目の判定基準
は上記実施例2と同様な基準を採用した。
【0056】
【表3】
【0057】その結果、表3から明かなように、加熱殺
菌条件115℃、30分のめんは98℃35分の対照品
に比較して、めんの「色調」「腰」「ほぐれ」に関して
は何ら遜色はなく、一方「しなやかさ」「滑らかさ」の
点に関しては改善が見られ、食味、食感とも良好なもの
であった。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、本発明者らによって先
に出願された、特願平3−174129号と同様、アル
ギン酸及び/又はアルギン酸塩とアルカリ剤の添加、α
化処理、ならびに酸処理によって、麺線に含有されるア
ルギン酸及び/又はアルギン酸塩が不溶化したアルギン
酸となり、これが麺全体に3次元的な網目組織を形成し
て、麺線の『粘弾性』、『腰』を保持又は強化すること
ができ、しかも、同時に麺線を酸性域に調整するため
に、長期保存性を付与することができる。
【0059】また、特願平3−174129号で得られ
た『腰』があり『湯のびしにくい』「ロングライフめ
ん」に、本発明の100℃を超える温度、好ましくは1
05〜120℃の温度での加熱殺菌によって『しなやか
さ』『滑らかさ』を付与でき、また、「ロングライフめ
ん」の欠点であった、めんの酸味をも改善することが可
能である。
【0060】さらに、めんの『ほぐれ』の点でも、アル
ギン酸を加えないような通常の「ロングライフめん」に
比較して、本願発明が優れていることが認められた。
【0061】また、保存性付与のために、通常の生めん
をレトルト殺菌のような高温処理すると、いわゆる「レ
ト焼け」を起こして、商品価値が著しく低下するが、本
発明の場合、120℃程度まで加熱しても、あまり長時
間でなければ、めんの色調は若干劣るものの、充分に商
品価値を有するものとすることができる。また、あまり
pHを下げすぎるとめんの酸味が強くなって適切ではな
いが、殺菌前のめんのpHをある程度(pH4.5程度
まで)下げておけば、120℃程度の殺菌条件でも、や
や長い時間の殺菌に耐え得、充分に商品価値を有するも
のとすることができる。
フロントページの続き (72)発明者 田渕 満幸 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−15331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/16 - 1/162

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生麺類の製造方法であって、下記の工
    程、すなわち、 (1) 小麦粉もしくは小麦粉と澱粉を主成分とする原料
    粉、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩、アルカリ剤、
    必要に応じて食塩と、水とを混練し、弱酸性から弱アル
    カリ性のpHを呈する麺生地を調製し、 (2) 前記麺生地を麺線として、α化処理を施し、 (3) 前記α化処理を施した麺線を酸液処理して、麺線p
    Hを酸性域に調整し、次いで (4) 前記pH調整を行った麺線を包装・密封した後、
    05〜120℃の温度で加熱殺菌処理する工程からな
    、ことを特徴とする生麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 生麺類の製造方法であって、下記の工
    程、すなわち、 (1) 小麦粉もしくは小麦粉と澱粉を主成分とする原料
    粉、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩、アルカリ剤、
    必要に応じて食塩と、水とを混練し、弱酸性から弱アル
    カリ性のpHを呈する麺生地を調製し、 (2) 前記麺生地を麺線とし、 (3) 前記麺線をα化処理と同時に酸液処理して、麺線p
    Hを酸性域に調整し、次いで (4) 前記pH調整した麺線を包装・密封した後、105
    〜120℃の温度で加熱殺菌処理する工程からなる、こ
    とを特徴とする生麺類の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ剤を前記麺生地のpHが6.5
    〜9.0になるように添加する請求項1もしくは2に記
    載の生麺類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記麺線を酸液処理する工程において、
    酸液処理後の麺線のpHが6.0以下である請求項1か
    ら3のいずれかに記載の生麺類の製造方法。
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