JP4271383B2 - 即席麺類の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、即席フライ麺において麺線にランダムな焦げ目を付与する方法に関する。さらに詳しくは、即席フライ焼きそばにおいて、実際に麺を炒めたような自然な焦げ目を付与し、焼きそばらしい風味を得るための即席麺の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品においてアミノカルボニル反応を利用して焦げ目を付与する技術は、従来より多数の技術がある。麺類においても、特開昭61−12259号には、蒸し中華麺において、糖類やアミノ酸類を原料に添加して強めの蒸し処理を行うことで、香ばしく保存性の良い麺を得る技術が開示されている。また、特開2000−245376号には、α化処理後の麺線に高温の熱風を吹きつけて加熱し、焦げ目を付与する技術が開示され、当該公開公報中には当該技術において麺線表面に糖類やアミノ酸を付着させておく技術が記載されている。
【0003】
しかし、前記特開昭61−12259号の方法では、蒸し処理の条件をかなり強くしても十分に焦げ色を発色させるのは困難と思われ、実際、当該公開公報の実施例では、蒸し後さらに熱水シャワーによる処理を行って発色させている。また、特開2000−245376号の方法においては、発色させるためにわざわざ後工程で220〜360℃の高温で熱風を吹きつける操作を必要としている。
【0004】
そして、これらいずれの方法も麺線を均一に褐色化、あるいは焦げ目を付けるもので、鉄板で炒めて調理したような自然でランダムな焦げ目の付与を可能とするものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の即席麺の製造工程、製造装置に対して、特別煩雑な操作や装置を必要とせずに、それでいて実際に炒めて調理したような自然でランダムな焦げ目を付与する方法を提供すること、また、実際に炒めて調理したような香ばしい風味を得る方法を提供することを課題とする。特に本発明は、即席フライ焼きそばとして相応しい麺を得るための即席麺の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
本発明は、上掲の課題を解決すべく発明されたものであり、その要旨とするところは、 麺線にランダムな焦げ目を有する即席フライ焼そばの製造方法であって、
a:麺帯を麺線に切り出す際にウェーブを付けて切り出す工程
b:切り出されたウェーブを有する麺線群の上面および/または下面から、糖類を含む発色液を麺線に部分的に付着させる工程
c:糖類を含む発色液を付着させた麺線を型枠に投入する工程
d:型枠に入れられた麺をフライ処理する工程
のa〜dの各工程を含み、前記発色液を付着させる工程以降、フライ処理するまでの間に、蒸しによって麺線をα化処理する工程を含む即席フライ焼そばの製造方法。
【0007】
この方法によると、麺線のウェーブの上面および、または下面、もしくは一部のみに、糖類を含む発色液(「発色液」とは、後のフライ処理によって焦げ色を付与することのできる溶液で、このような性質を有する糖類、好ましくは糖類とアミノ酸類等を含む溶液を言う。なお、このように焦げ色の付与を目的に添加される糖類または糖類とアミノ酸類等の添加物を、以下総称して「発色剤」という)を付着させることができるので、麺塊中にランダムに発色剤を付着させることができ、実際に炒めて調理したような自然で不均一な焦げ目を付与することができる。また、この方法の場合、即席麺の製造工程であるフライ処理によって発色させるため、発色のための特別な加熱装置を必要とせず、また蒸煮時間を長くする等、特別な操作も必要としない。さらに、この方法の場合、工程cの型詰め後に発色液を麺塊上面に処理した時のような、製品麺塊の上面一面に焦げ目が付いて見栄えが悪くなるというような問題が無い。
【0008】
また、本発明は前記工程bにおいて、切り出されたウェーブを有する麺線群の上面および/または下面に、糖類を含む発色液を麺線に部分的に付着させる方法が、麺線のウェーブの頂点周辺のみに発色剤が付着するように、ウェーブを有する麺線群の上面および/または下面に前記発色液を塗布または噴霧する方法である即席麺類の製造方法である。
【0009】
このような方法を採用することで、簡単な装置、方法で麺線にランダムに発色剤を付着でき、実際に炒めて調理したような自然な焦げ目が付与される。具体的にはウェーブが付与された麺線群の上方に発色液を含ませた刷毛やスポンジをセットし、麺線のウェーブの上面(頂点付近)がこれに触れるようにして麺線群を流す方法、麺線群の上方から発色液を軽くスプレーする方法、麺線群を運ぶコンベア上面を発色液で濡らしておく等の方法が望ましい。
【0011】
本発明の方法においては、麺線のウェーブ形成後蒸し工程までの間に発色液を麺線に付着させることで、麺線への発色剤の吸着が良く、また固定されやすく、希望する通りの焦げ目を付与しやすい。さらに、この方法によると後の着味工程(着味工程はα化後の麺線に着味液を処理する工程であるが、本発明においては必須の工程ではない)やフライ工程で、着味液中やフライ油中に発色剤が流出する量が少なく、流出した発色剤によって製品の麺塊全体が褐色化する問題が起こりにくく、またフライ油の汚染等も抑制されるため好ましい。
【0012】
また、本発明は工程bにおいて麺線に付着させる発色液が、糖類のほかにアミノ酸類を含む前記即席麺の製造方法である。発色液にさらにアミノ酸類を含むことで、アミノカルボニル反応による発色をより確実にし、かつ鮮やかにすることができる。特に、使用する糖としてはキシロースが好ましく、アミノ酸としてはグリシンが好ましい。また、最も好ましくは、キシロースとグリシンの組み合わせを含む発色剤を使用するのがよい。
【0013】
さらに、本発明は発色液にかんすい等アルカリ剤を添加することも好ましい。アルカリ剤の添加によって、発色やロースト臭を増強、もしくは改良することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、製造工程に順じて本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明に用いられる麺原料としては、通常麺原料として使用される、小麦粉、澱粉、そば粉、米粉、その他穀粉等が使用できる。これら原料粉(主原料)に必要に応じて、かんすい、食塩、グルテン、卵白、増粘類、色素等の添加剤を添加し、練り水(練り水に前記添加剤等を溶解させておいてもよい)を加えて混練し、麺生地を作成した後、圧延して麺帯を形成する。
【0016】
麺帯は、さらに圧延ロール等で圧延した後、切り刃(切り出しロール)によって麺線に切り出す。麺線として切り出す際に、導管を通すか、シリコンラバーによって麺線に規則的なウェーブを付与して切り出す。
【0017】
本発明においては、ウェーブが形成された麺線群において、麺線群の上面および、または下面から発色液を麺線に部分的に付着させるが、この工程は、麺線のα化処理前でもα化処理後でも可能である。ただし、α化処理前の方が麺線への発色剤の吸着、固定が良好で、予定した通りの発色が期待できるため好ましい。また、α化処理として蒸し工程を採用する場合には、α化処理前に発色液を付着させた方が、後の着味工程(本発明において必須の工程ではない)の着味液中や、フライ油中に発色剤が溶出する量が少なく、溶出した発色剤による発色によって、経時的に後に生産された商品が褐色化する等の不都合が無く好ましい。また、α化処理前に発色液を麺線に付着させた方が、フライ油の汚染やフライ釜への影響も少なく好ましい。
【0018】
発色液の付着方法としては、麺線全体に付着されるような付着方法では、麺線が一律に褐色化するので不都合であり、例えば、麺線を発色液に浸漬して処理する方法や発色剤を原料に練りこむ方法は採用できない。したがって、本発明では麺線群の上面および、または下面から麺線に部分的に付着させる。その方法としては麺線群の上面から発色液を塗布する、または噴霧する、もしくは滴下する方法、あるいは、麺線群の下面から発色液を塗布する、または噴霧する方法がある。発色液を麺線に付着させる方法は、発色剤が麺線全体に行き渡らないようにすることが肝心で、そのためには麺線の上面および、または下面のみに、好ましくはウェーブの頂点周辺のみに塗布又は噴霧によって付着するように処理するのが良い。
【0019】
具体的に、好ましい塗布または噴霧の方法としては、ウェーブが付与された麺線群の上方に発色液を含ませた刷毛やスポンジをセットし、麺線のウェーブの上面(頂点付近)がこれに触れるようにして麺線群を流す方法、麺線群上方から発色剤の溶液を軽くスプレーする方法、麺線群を運ぶコンベア上面を発色剤溶液で濡らしておく等の方法が提案される。
【0020】
本発明では麺線への発色液の付着工程は、α化処理の前、後のいずれも選択できる。しかし発色液の付着工程は、少なくとも、麺線群を型枠に投入する前に行われる。これは、発色液を型枠投入した後に麺線に付着させたのでは、例えば、発色液を塗布した一面のみが褐色化し、商品として見栄えが悪く、商品価値の落ちたものとなるためである。
【0021】
本発明に使用される発色剤はアミノカルボニル反応を利用して発色させるので、アミノカルボニル反応を起こす糖類又は糖類とアミノ酸類を含むものが望ましい。糖類としては還元糖がよく、キシロース、アラビノース、リボース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マルトース等がよく、アミノ酸類としては、リジン、グリシン、アラニン、グルタミン酸等のアミノ酸の他、ペプチドや蛋白分解物等が使用できる。特に好ましいものとしては、キシロースとグリシンの組み合わせが、発色性等の点から好ましく、この場合の配合比は重量比で1:2.5〜2.5:1程度が望ましい。発色液中の糖類又は糖類+アミノ酸類(発色剤)の濃度は5%〜25%程度が良く、塗布する溶液の量としては麺の粉体原料に対する重量比で原料粉1kgに対して2〜20ml、好ましくは5〜10ml程度とするのが好ましい。
【0022】
また、これらの糖類又は糖類とアミノ酸類を含む溶液に、かんすいや炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤を添加してもよく、アルカリ剤を添加することで、風味の改善の他、発色性や食感がさらに改善される場合がある。これは、アミノカルボニル反応がアルカリ性下で助長されること、アルカリ剤の付着した部分の麺線が硬くなる等の作用によると思われる。また、さらにこれら発色液には、醤油等の調味料等を加えることもでき、これによってさらに風味等を改善できる場合がある。
【0023】
本発明においては、発色液を付着させる工程の前または後においてα化処理を行う。α化の方法は蒸しまたは茹でのいずれの方法も使用できるが、α化前に発色液を麺線に付着させた場合には、茹で処理すると麺線に付着した発色剤が茹で液中に溶出する場合があるので、蒸しを行うことが望ましい。具体的な蒸しまたは茹での方法は、即席麺製法の常法に従って行えば良く、本発明の方法では、α化時に発色させて焦げ目を付けるわけではないので、α化処理の時間を長時間行ったり、高圧下で処理したりする必要はない。また、α化した後に麺線に着味を施すことも可能であるが、その場合は着味液に麺線を浸漬するか、または着味液を麺線に散布して処理することができる。
【0024】
前記α化処理は麺線を所定量にカットした後型枠に入れてから処理しても、また、α化処理後に麺線を所定量にカットして型枠に投入しても良い。ただし、工程管理上、また品質的にもα化処理後に麺線を型枠に入れる方が好ましい。型枠は、即席麺のフライに用いられる一般的な通液性のある金属製、あるいは合成樹脂製の物を用いればよい。
【0025】
型枠に入れられ、かつα化処理済みの麺線は、最終的にフライ処理される。フライ処理は即席フライ麺の常法で行えば良く、120℃〜170℃で5分〜1分程度好ましくは140℃〜160℃でフライ処理する。本発明においてはこのフライ処理によって、発色剤あるいは発色剤と麺線に含まれる物質がアミノカルボニル反応して着色するが、発色剤が麺線にランダムに付着されているために、ランダムで自然な焦げ目を付与することができる。
【0026】
以上のようにして本発明の即席麺が製造されるが、本発明の即席麺は、湯戻しして喫食する時に、麺を実際に炒めて調理したような見た目と風味を有するので、焼きそばに最適なものである。
【0027】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本発明は、これら実験例、実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。
【0028】
実験例1
小麦粉900gと澱粉100gを主原料粉とし、かんすい(炭酸ナトリウム2:炭酸カリウム1)2gと重合リン酸塩1g、塩20gを溶解した練り水350mlを加えてミキサーで15分間混練して麺生地を作成し、圧延して麺帯とした後、連続圧延機を用いて麺帯厚を1.0mmとし、切刃20番丸で導管を通してウェーブ付きの麺線を切り出した(ウェーブの高さ=麺線群の高さ20mm程度)。
【0029】
このウェーブ付きの切り出し麺の麺線群の上方から、主原料粉1kgに対して8mlの噴霧量となるように表1記載の濃度(表中の(%)は噴霧する溶液中の濃度で、水1lにキシロースとグリシンを溶解した)および構成割合の発色液をスプレーでほぼ均一に噴霧した。このスプレーした溶液は麺線のウェーブの上面頂点付近のみに付着して吸収され、麺線群の下面には全く付着していない状態である。この麺線を200kg/hrの蒸気庫で2分間蒸してα化し、次いで1%食塩水の着味液に3秒浸漬し、風乾した後1食あたり約170gとしてカットし、口径150mmのフライリテーナに型詰めして、植物油で150℃2分間フライ処理した。
【0030】
フライ処理した麺塊は、冷却した後、5人のパネラーで見た目を確認した。次いで、該麺塊を深皿型容器に入れて熱湯を500ml注湯して3分間放置し、湯切りして前記パネラーが外観を確認して喫食し、風味(ロースト臭等)を確認した。結果を表1に示す。その結果、噴霧した発色液の濃度が(糖+アミノ酸(キシロース+グリシン))が1%では効果がほとんどなかったが、5%では焦げ目が得られ、キシロース(糖)だけでも効果が得られた。ただし、その混合比は1:2.5〜2.5:1程度が良いように思われた。また本実験によって得られた麺塊は、1%のものを除いて麺塊中にランダムに焦げ目が付与されたものであり、見た目もよいものであった。
【0031】
【表1】
【0032】
実験例2
実験例1と同様の配合、方法によってウェーブ付麺線を切り出した後(ウェーブの高さ20mm)、発色液の配合を次の通りとして、麺線群に各種の方法で発色液を処理して効果の差を確認した。
【0033】
発色液は、キシロース70g、グリシン30g、醤油30g、炭酸ナトリウム40gを水1lにメスアップした溶液とし、この溶液を切り出された麺線群の上方から、実験例1同様にスプレーによって上面(ウェーブの頂点付近)のみに噴霧する方法(実施例1)、該溶液を刷毛によって麺塊の上面(同上)のみに塗布する方法(実施例2)(これら実施例1、2は、いずれも前記溶液の付着量が、主原料1kgに対して約8mlとなるように調整した)、比較例1として該溶液に3秒間浸漬する方法(比較例1)によって麺線に発色液を処理した。この麺線群を実験例1と同様の条件で蒸し処理、着味処理し、以降同様にしてフライ麺として、実験例1同様に評価した。
【0034】
また、比較例2として、発色剤を含む添加物を麺原料に練り込んで比較評価した。すなわち、小麦粉900gと澱粉100gを主原料粉とし、かんすい(炭酸ナトリウム2:炭酸カリウム1)2gと重合リン酸塩1g、塩20gと、発色剤(キシロース:グリシン7:3)5gを溶解した練り水350mlを加えてミキサーで15分間混練して麺生地を作成し、圧延して麺帯とした後、連続圧延機を用いて麺帯厚を1.0mmとし、切刃20番丸で導管を通してウェーブ付きの麺線を切り出した。当該発色剤を原料添加した麺線を発色液を付けずに実験例1同様に蒸し処理し、以降実験例1と同様にしてフライ麺とし、同様に評価した。
【0035】
その結果、実施例1のスプレーした麺、実施例2の刷毛によって塗布した麺は、鉄板で炒めたような自然でランダムな焦げ目となったが、比較例1の発色液に浸漬処理した麺、比較例2の原料添加した麺は、麺全体が茶褐色になり、フライし過ぎたような色調で、鉄板で炒めたような自然な焦げ目ではなかった。また、実施例1の麺は、実験例1のキシロース7%+グリシン3.5%の麺よりもロースト臭が強く、風味の改良効果が見られた。
【0036】
実験例3
実験例1と同様の配合、方法によってウェーブ付麺線を切り出した後(ウェーブの高さ20mm)、すぐに発色液を処理せずに、実験例1同様の条件で蒸し処理した後に、麺線群に以下の方法で発色液を処理して効果の差を確認した。
【0037】
蒸し処理した麺線群に対して、キシロース70g、グリシン30g、醤油30g、炭酸ナトリウム40gを水1lにメスアップした溶液を発色液とし、この溶液をスプレーによって当該蒸し麺線の上方から麺線群の上面(ウェーブの頂点付近)に噴霧して、主原料1kgに対して発色液の付着量が約8ml程度になるように、麺線に発色液を付着させた。次いで、数分間放置した後、実験例1同様の着味液に3秒間浸漬後、以降実験例1同様に1食分にカットしてフライリテーナ−に型詰めし、フライ処理して、実施例3の麺塊とした。
【0038】
一方、比較例3として、発色液を処理しないまま蒸し処理した麺線群を、実施例3と異なって発色液を付着させずに着味液に浸漬し、1食分ごとにカットしてフライリテーナに型詰めした後、該型詰めした麺線群の上方から前記実施例3の発色液を主原料1kgに対して約8mlとなるように噴霧して、麺線に発色剤を付着させた。この麺塊を実験例1の条件でフライ処理して、比較例3の麺塊とした。
【0039】
その結果、蒸煮後リテーナに型詰めする前に発色剤を処理した実施例3の麺は、鉄板で炒めたような自然でランダムな焦げ目となったが、比較例3の型詰め後に発色液を処理した麺は、麺塊の上面だけが広く茶色に焦げた状態で、見た目が非常に悪いものとなった。
【0040】
なお、本実施例3の麺については、実施例1、2の蒸煮前に発色剤を処理する場合に比べて、若干色合いが薄くなる傾向がある程度で、少量生産の場合には特に問題はなかった。しかし、大量連続生産の場合には、着味液やフライ油に徐々に発色剤が溶出し、フライ油や釜に悪影響を及ぼす恐れがある他、液中に溶け出した発色剤が麺線に付着することで、麺塊が次第に、しかも全体的に褐色化する傾向が生じる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の即席フライ麺の製造工程、製造装置に対して、煩雑な操作や装置を必要とせずに、実際に鉄板で炒めて調理したような自然でランダムな焦げ目を付与でき、香ばしい風味を付与することもできる。特に本発明の製造方法によれば、調理感のある本格的な即席焼きそばの製造が可能となる。
Claims (4)
- 麺線にランダムな焦げ目を有する即席フライ焼そばの製造方法であって、
a:麺帯を麺線に切り出す際にウェーブを付けて切り出す工程
b:切り出されたウェーブを有する麺線群の上面および/または下面から、糖類を含む発色液を麺線に部分的に付着させる工程
c:糖類を含む発色液を付着させた麺線を型枠に投入する工程
d:型枠に入れられた麺をフライ処理する工程
のa〜dの各工程を含み、前記発色液を付着させる工程以降、フライ処理するまでの間に、蒸しによって麺線をα化処理する工程を含む即席フライ焼そばの製造方法。 - 前記工程bの切り出されたウェーブを有する麺線群の上面および/または下面から糖類を含む発色液を麺線に部分的に付着させる方法が、麺線のウェーブの頂点周辺のみに前記発色液が付着するように、ウェーブを有する麺線群の上面および/または下面に前記発色液を塗布または噴霧する方法である請求項1に記載の即席フライ焼そばの製造方法。
- 前記糖類を含む発色液が、さらにアミノ酸類を含む請求項1または2に記載の即席フライ焼そばの製造方法。
- 前記糖類を含む発色液が、さらにアルカリ剤を含む請求項1から3のいずれかに記載の即席フライ焼そばの製造方法。
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