JP2780652B2 - ルテニウム系再生触媒 - Google Patents

ルテニウム系再生触媒

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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルテニウム系再生触媒
に関する。詳しくは、単環芳香族炭化水素を部分水素化
してシクロオレフィンを製造する際に好適に使用される
ルテニウム系再生触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロオレフィンの製造方法は様々な方
法が知られており、その中でも、単環芳香族炭化水素を
ルテニウム触媒と、アルカリ剤または金属塩等の添加剤
を含有させた水溶液の存在下、水素により部分還元する
方法が、対応するシクロオレフィンの選択率が高く、好
ましい方法とされている。(特公昭56−22850、
特開昭57−130926、特公昭57−7607、特
開昭61−40226、特開昭62−45544等)。
一方、一般的に、ルテニウム等の白金族金属触媒が劣化
した場合、アルカリ水にて洗浄する方法、鉱酸処理をす
る方法、還元する方法、酸素含有ガスにて焼成する方
法、あるいは、これらの方法を組み合わせた方法により
再生されることが知られている(特公昭56−2458
0、特公平3−41216、特開昭53−39283、
特開昭57−132548等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような公知の方法では、触媒再生がなお不十分な点があ
る。特に、一般に高価とされるルテニウム系触媒を用い
て単環芳香族炭化水素を部分水素化してシクロオレフィ
ンを製造する方法を工業的に実用化する場合は、より一
層、効果的な触媒の再生方法を確立することが必須の課
題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、工業的
により有利なシクロオレフィンの製造方法を提供するこ
とにあって、本発明者は、この目標達成のために鋭意検
討を進めた結果、ルテニウム系触媒は反応系においては
多量の金属塩成分と共存下で使用するにもかかわらず、
反応に供したルテニウム系触媒上に必要以上に金属成分
が残留する状況、あるいは、金属成分が不適切な形態で
存在する状況などが、意外にも再生触媒の性能に著しく
悪影響があることを見出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、単環芳香族炭
化水素を水及び金属塩の存在下、液相中で部分水素化し
てシクロオレフィンを製造する際に使用したルテニウム
系触媒を、該触媒を30倍量の水に漬けて1時間混合し
たときの水中の金属イオン濃度が100ppm以下とな
る程度まで、水洗してなるルテニウム系再生触媒に存す
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、再生対象となるルテニウム系触媒は、種々のル
テニウム化合物を還元して得られるもの、またはその調
製段階もしくは調製後において他の金属、たとえば亜
鉛、クロム、モリブテン、コバルト、マンガン、ニッケ
ル、鉄、金、銅などを加えたルテニウムを主体とするも
のである。これら金属成分を添加することによりルテニ
ウム単独の場合よりも一般的に反応速度は多少小さくな
るものの、選択率を高めることができる。ルテニウムと
共に他の金属を用いる場合には、ルテニウムに対する原
子比で、通常0.1〜10の範囲で選択される。
【0007】種々のルテニウム化合物としては特に制限
はされないが、たとえば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、
硝酸塩、塩酸塩、水酸化物、酸化物、あるいは各種のル
テニウムを含む錯体などを用いることができる。還元法
としては、水素ガスによる還元、あるいはホルマリン、
水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等による化学還元
法によって行なうことができる。ルテニウム触媒は担体
に担持してもよく、担体として、シリカ、アルミナ、シ
リカ−アルミナ、ゼオライト、活性炭、あるいは一般的
な金属酸化物、複合酸化物、水酸化物、難水溶性金属塩
等が例示される。ルテニウムは、担体に各種のルテニウ
ム化合物を通常行なわれる方法、例えば、イオン交換
法、吸着法、共沈法、乾固法などによって担持される。
ルテニウムの担持量は、通常0.01〜10重量%であ
る。
【0008】部分水素化の原料として用いられる単環芳
香族炭化水素としては、ベンゼン、またはトルエン、キ
シレンなど、通常、炭素数4以下程度の低級アルキル基
で置換されたベンゼンがあげられる。部分水素化の反応
系には、水の存在が必要である。水の量としては、反応
形式によって異なるが、通常、ベンゼンの0.01〜2
0重量倍であり、好ましくは、0.1〜5重量倍であ
る。水が少なすぎても、多すぎても共存の効果が減少す
る。さらに、水が相当量存在している場合は、反応系か
ら取り出した反応液が有機相と水相に分離することにな
るので、有機相に含まれる目的シクロヘキセンの回収が
容易となる。
【0009】また、部分水素化の反応系には、金属塩を
水中に共存させることが必須である。かかる金属塩とし
てはIUPAC無機化合物命名法(1989年度版)の
周期表の1族元素、2族元素、亜鉛、鉄、マンガン、コ
バルトなどの金属塩の添加が有効であり、特に、亜鉛の
塩類の添加によって好ましい反応成績が得られる。ここ
で各種金属の塩類としては、例えば、炭酸塩、酢酸塩等
の弱酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、等の強酸塩が使用
される。金属塩の使用量は、共存する水に対し、通常1
×10-3〜1重量倍である。
【0010】部分水素化の反応条件としては、反応温度
が通常50〜250℃、好ましくは100〜220℃、
反応圧力が通常0.1〜20MPaという高温、高圧下
で行なわれる。反応は回分式でも連続的でも実施できる
が、工業的には通常連続的に行なわれる。反応は原料で
あるベンゼン、水、触媒などが懸濁された液状反応混合
物に水素ガスを供給することにより実施され、水素ガス
はかかる液状反応混合物中にノズル開口部を介して供給
される。本発明は、以上のような単環芳香族炭化水素の
部分水素化反応に供したルテニウム系触媒の再生触媒に
関するものである。本発明におけるルテニウム系触媒の
再生手段の最大のポイントは、単環芳香族炭化水素の部
分水素化反応に供したルテニウム系触媒を回収し、これ
を、まず、純水で充分に水洗し、該ルテニウム系触媒に
付着した金属塩を実質的に除去することにある。
【0011】かかる水洗の具体的な目安としては、ルテ
ニウム系触媒に30倍量の純水を加えて1時間撹拌など
により充分に混合し、実質的に平衡状態となった際の洗
浄水中における金属塩濃度が金属イオンとして100p
pm以下、好ましくは10ppm以下、更に好ましくは
5ppm以下にとなる程度まで水洗することである。水
洗の方法は特に制限はなく、一般的には、ルテニウム系
触媒とpHが通常6〜8の純水を充分に混合し、次い
で、水を濾過して、新しい洗浄用の純水を触媒に加えて
混合するという操作を繰り返す方法、あるいはルテニウ
ム系触媒をカラムに充填し、十分な量の純水を通液する
方法などが例示できる。また、洗浄効率を高めるため、
40〜80℃程度に加温した水で洗浄してもよい。な
お、触媒を一度乾燥させてしまうと触媒表面に付着した
金属潮が洗浄されにくくなる恐れがあるので、水洗は一
度に連続して行った方が望ましい。
【0012】水中の金属塩濃度は、通常、ICP発光分
光分析法、キレ−ト滴定法等で容易に測定することがで
きる。金属塩濃度が高い場合には希釈後、低い場合には
濃縮後にかかる分析法によって測定することができる。
水洗によりルテニウム系触媒に付着した金属塩を実質的
に除去することすることによって触媒再生が効果的に行
える理由は明確ではないが、以下のように考えられる。
触媒再生方法として公知の、アルカリ洗浄法、酸洗浄
法、還元法、酸化法等を実施する場合、触媒上に金属塩
化合物が過度に残留した状態行なうと、金属塩化合物が
触媒に固定され、触媒性能が悪化する。例えば気相酸
化、気相還元等、本反応にて使用した触媒を乾燥状態に
する場合には、金属塩化合物は、触媒上に強制乾固され
る。また、アルカリ性にて難水溶性化合物を生じる金属
の塩を使用する場合、アルカリ洗浄中に難水溶性金属塩
化合物を生じ、触媒上に蓄積する。これら以外の方法に
おいても、金属塩化合物が異なる形態に変化し、触媒上
に蓄積し、触媒性能を悪化させることが推定される。こ
れら触媒性能悪化要因から回避するためには、触媒上に
金属塩化合物が過度に残留しない洗浄を事前に充分に実
施することが必要となる。
【0013】本発明では、以上の水洗を実施した後、必
要に応じて乾燥することにより、ルテニウム系触媒とし
て再使用することができる。また、水洗を実施した後、
触媒を還元して使用することも好適であり、本発明の一
態様に含まれる。この際、還元法としては、水素ガスに
よる還元、あるいはホルマリン、水素化ホウ素ナトリウ
ム、ヒドラジン等による化学還元法によって行なうこと
ができる。更に、場合によっては、水洗を実施した後、
触媒をpHが10以上のアルカリ性水溶液にて洗浄を実
施することも好適である。この際には、アルカリ性水溶
液で触媒を洗浄後、洗浄液のpHが8以下となるまで水
洗を行なうことが望ましい。かかる洗浄を実施しない場
合、反応系内にかかるアルカリ性物質が混入し、反応へ
悪影響を示すおそれがあるからである。アルカリ性水溶
液としては、通常、各種金属水酸化物、もしくは、塩基
性塩、アンモニア、アミン類等の水溶液を用いる。ま
た、かかるアルカリ洗浄後、水洗した後、更に触媒を還
元することも好適である。還元は前記の方法にて実施さ
れる。
【0014】また、上記のアルカリ洗浄とは別に、前記
の水洗浄を実施した後、触媒をpH4が以下の酸水溶液
にて洗浄を実施することも好適である。この際には、酸
水溶液で触媒を洗浄後、洗浄液のpHが6以上となるま
で水洗を行なうことが望ましい。かかる、水洗を実施し
ない場合、反応系内にかかる酸性物質が混入し、反応へ
悪影響を示すおそれがあるからである。また、かかる酸
洗浄、水洗した後、更に触媒を還元することも好適であ
り、還元は前上記の方法にて実施される。
【0015】
【実施例】以下に実施例を記すが、本発明はこれらの実
施例によって限定されるものではない。 実施例1 内部に静置槽を設置した反応器を使用し、ベンゼン3
3.9重量部、シリカに担持したルテニウム触媒1.4
重量部、及び6重量%硫酸亜鉛水溶液を64.7重量部
からなる液に、ノズル開口部より水素ガスを供給し、反
応圧力5.0MPa、温度150℃にて、高速攪拌を行
いながら、ベンゼンを連続的に供給し、ベンゼンの部分
水素化反応を行った(油相の平均滞留時間35分)。更
に、反応器内の静置槽にて油相を分離させ、油相のみを
連続的に採取した。反応開始5時間後、採取した油相を
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ベンゼ
ン転換率は36.3%、シクロヘキセン選択率は76.
3%であり、他の生成物はシクロヘキサンであった。ま
た、反応開始500時間後、採取した油相を分析したと
ころ、ベンゼン転換率は25.2%、シクロヘキセン選
択率は60.7%であった。
【0016】反応後、かかる使用後の触媒の硫酸亜鉛水
溶液スラリ−を取出し、触媒を濾別した後、触媒に対し
て30倍量の純水中に再懸濁させた。更に、触媒を濾別
し、濾液の亜鉛含有量をICP発光分光分析にて測定し
た。濾液の亜鉛イオン濃度が1ppmとなるまで、純水
中への懸濁、触媒の濾別を繰り返し行った。なお、亜鉛
以外の金属イオンは検出されなかった(検出限界:例え
ばナトリウムイオンで0.07ppm以下、鉄イオンで
0.005ppm以下)。かかる処理後、触媒を乾燥さ
せ、更に、水素気流中、100℃にて3時間、還元し
た。以上の処理を行った触媒を使用し、前記方法にてベ
ンゼン部分水素化反応を実施した。反応開始5時間後、
ベンゼン転換率は34.8%、シクロヘキセン選択率は
78.9%であった。
【0017】実施例2 実施例1記載の使用後の触媒の硫酸亜鉛スラリ−を、実
施例1記載の水洗浄を実施後、2%の水酸化ナトリウム
水溶液中に懸濁し、1時間攪拌した。かかる触媒スラリ
−を濾別し、純水中に再懸濁させた。更に、触媒を濾別
し、濾液のpHが8以下となるまで、繰り返して、純水
中への懸濁、触媒の濾別を行った。かかる処理後、触媒
を乾燥させ、更に、水素気流中、100℃にて3時間、
還元した。以上の処理を行った触媒を使用し、前記方法
にてベンゼンの部分水素化反応を実施した。反応開始5
時間後、ベンゼン転換率は35.6%、シクロヘキセン
選択率は76.5%であった。
【0018】比較例1 実施例1記載の劣化触媒の硫酸亜鉛スラリ−を濾過し、
触媒を濾別した後、水洗することなく、水素気流中で1
00℃にて還元した。かかる触媒を使用し、前記方法に
てベンゼンの部分水素化反応を実施した。反応開始5時
間後、ベンゼン転換率は15.6%、シクロヘキセン選
択率は70.5%であった。
【0019】比較例2 実施例1記載の劣化触媒の硫酸亜鉛スラリ−を濾過し、
触媒を濾別した後、水洗することなく、2%の水酸化ナ
トリウム水溶液中に懸濁し、1時間攪拌した。かかる触
媒スラリ−を濾別し、純水中に再懸濁させた。更に、触
媒を濾別し、濾液のpHが8以下となるまで、繰り返し
て、純水中への懸濁、触媒の濾別を行なった。かかる処
理後、触媒を乾燥させ、更に、水素気流中、100℃に
て3時間還元した。以上の処理を行った触媒を使用し、
前記方法にてベンゼン部分水素化反応を実施した。反応
開始5時間後、ベンゼン転換率は13.8%、シクロヘ
キセン選択率は73.5%であった。
【0020】
【発明の効果】本発明の再生触媒は、従来の方法に比較
してより高い再生率で再生されており、単環芳香族炭化
水素の部分還元反応を工業的に実施する場合において極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 13/20 C07C 13/20 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 21/00 - 38/00 C07C 5/11 C07C 13/20

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単環芳香族炭化水素を水及び金属塩の存
    在下、液相中で部分水素化してシクロオレフィンを製造
    する際に使用したルテニウム系触媒を、該触媒を30倍
    量の水に漬けて1時間混合したときの水中の金属イオン
    濃度が100ppm以下となる程度まで、水洗してなる
    ルテニウム系再生触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1の水洗工程に続いて、還元を行
    ってなる請求項1のルテニウム系再生触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1の水洗工程に続いて、pHが4
    以下の酸性水溶液にて洗浄し、次に、水で、洗浄液のp
    Hが6以上となるまで洗浄してなる請求項1のルテニウ
    ム系再生触媒。
  4. 【請求項4】 請求項3の洗浄工程に続いて、還元を行
    ってなる請求項3のルテニウム系再生触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1の水洗工程に続いて、pHが1
    0以上のアルカリ性水溶液にて洗浄し、次に、水で、洗
    浄液のpHが8以下となるまで洗浄してなる請求項1の
    ルテニウム系再生触媒。
  6. 【請求項6】 金属塩として、亜鉛の塩を使用する請求
    項1ないし5のいずれかに記載のルテニウム系再生触
    媒。
  7. 【請求項7】 単環芳香族炭化水素を水及び亜鉛塩の存
    在下、液相中で部分水素化してシクロオレフィンを製造
    する際に使用したルテニウム系触媒を、該触媒を30倍
    量の水に漬けて1時間混合したときの水中の金属イオン
    濃度が100ppm以下となる程度まで、水洗したの
    ち、pHが10以上のアルカリ性水溶液にて洗浄し、次
    に、水で、洗浄液のpHが8以下となるまで洗浄してな
    るルテニウム系再生触媒。
  8. 【請求項8】 洗浄工程に続いて、還元を行ってなる請
    求項5又は7のルテニウム系再生触媒。
  9. 【請求項9】 金属イオン濃度が、10ppm以下であ
    る請求項1ないし8のいずれかに記載のルテニウム系再
    生触媒。
  10. 【請求項10】 金属イオン濃度が、5ppm以下であ
    る請求項1ないし9のいずれかに記載のルテニウム系再
    生触媒。
  11. 【請求項11】 単環芳香族炭化水素がベンゼンである
    請求項1ないし10のいずれかに記載のルテニウム系再
    生触媒。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    のルテニウム系再生触媒を用いて、単環芳香族炭化水素
    を水及び金属塩の存在下、液相中で部分水素化すること
    を特徴とするシクロオレフィンの製造方法。
  13. 【請求項13】 単環芳香族炭化水素がベンゼンである
    請求項12に記載のシクロオレフィンの製造方法。
  14. 【請求項14】 金属塩として、亜鉛の塩を使用する請
    求項12又は13に記載の製造方法。
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