JP2780383B2 - 粉末油脂およびその製造法 - Google Patents

粉末油脂およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、粉末油脂およびその製造法に関する。詳細
には、高い抗酸化性を有し長期間保存可能な粉末油脂お
よびその製造法に関する。
[従来の技術] 従来、粉末油脂の製造法としては例えば特公昭45−30
700公報や特公昭62−35741号公報記載の技術が知られて
いる。しかしながら、これらの技術は油脂の取扱性の改
良や簡便な利用を目的とするものであり、油脂の長期保
存を目的とするものではない。
また、魚油等にその脂肪酸成分として多く含まれてい
るエイコサペンタエン酸(以後「EPA」という)ドコサ
ヘキサエン酸(以後「DHA」という)等の多価不飽和脂
肪酸の摂取が血栓症や動脈硬化の予防に有効であるこ
と、また主に植物油に含まれているリノール酸やリノレ
ン酸等の多価不飽和脂肪酸が体内でのアラキドン酸代謝
や脳神経系の働きに対して重要な役割を有し各種疾病を
予防し得ることが広く知られており、そのような多価不
飽和脂肪酸の有効活用を目的として各種製品の開発や多
数の特許出願がなされている。
ところで、EPA、DHA、リノール酸、リノレン酸等の多
価不飽和脂肪酸は分子中に多数の不飽和結合を有してお
り、そのために該多価不飽和脂肪酸含有油脂は極めて酸
化され易く長期保存が不可能であり、かかる酸化は油脂
の風味や食味を著しく損ない、場合によっては毒性を生
ずる場合もある。
かかる点から、多価不飽和脂肪酸含有油脂をゼラチン
を使用してカプセル化して酸化されにくい保存可能な形
態にすることが提案されている。しかしながら、その場
合にはゼラチンが水溶性であるために得られたカプセル
を常に乾燥状態に保つように注意を払う必要があり、ま
た該カプセルを水分を含有する食品や飲料中に添加して
長期間保存することが不可能であった。
[発明の内容] 本発明者等は、油脂、特に多価不飽和脂肪酸含有油脂
の長期保存をはかるべく種々研究を行ってきた。その結
果、グリアジン等のプロラミンとともにレシチンを併用
すると油脂に極めて高い抗酸化性を付与できること、そ
してかかる抗酸化性抗向上作用は、他の界面活性剤に比
べて特にレシチンとの併用において優れていることを見
出して本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、油脂、プロラミンおよびレシ
チンからなる粉末油脂である。
更に、本発明は、油脂、プロラミンおよびレシチンを
アルコールに溶解または分散させ、次いで粉末化するこ
とを特徴とする油脂粉末の製造法を包含する。
本発明でいう油脂とは特に限定されず、飽和脂肪酸を
含有する油脂および不飽和脂肪酸を含有する油脂のいず
れもが包含される。本発明は特に多価不飽和脂肪酸を含
有する油脂に対して有効であり顕著な酸化防止効果を奏
し、その場合の多価不飽和脂肪酸類としてはEPA、DHA、
リノール酸、リノレン酸等の生体にとって有効な多価不
飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えば多価不飽和脂
肪酸のエステル)が挙げられる。
油脂として多価不飽和脂肪酸類含有油脂を使用する場
合には、油脂中の多価不飽和脂肪酸含有量を必要に応じ
て適宜定めることができるが、通常約5〜80%程度にし
ておくのがよい。
EPA、DHA等の多価不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として有
する油脂としては、イワシ、サバ、ニシン、タラ、イ
カ、アンチョビー、サケ等の魚類やクジラから得られる
油脂を挙げることができ、またリノール酸やリノレン酸
を脂肪酸成分として有する油脂としては、大豆油、ゴマ
油、綿実油、オリーブ油、紅花油、カポック油、落花生
油、小麦胚芽油、米胚芽油等を挙げることができる。本
発明では、かかる油脂のうちの1種のみ、または複数種
を組合わせて使用することができる。
本発明で用いるプロラミンとは、イネ科植物種子の胚
乳中に高濃度で存在する、濃度60〜90%のアルコール可
溶性の単純蛋白質の総称である。これに属する蛋白質と
しては小麦中のグリアジン、大麦中のホルデイン、トウ
モロコシ中のゼイン、ライ麦中のセカリンなどがあり、
特に小麦中のグリアジンが好ましく、これは粉末状で存
在する。グリアジンは、通常、小麦粉または小麦グルテ
ンを70%エタノール水溶液で抽出処理したときの70%エ
タノール可溶性画分として分離、回収される。
本発明では未精製および精製したプロラミンのいずれ
もが使用でき、70%エタノール抽出法以外の方法で得ら
れたプロラミンも使用できる。
更に、本発明ではレシチンとして天然レシチンおよび
合成レシチンのいずれもが使用できる。
天然レシチンは、ホスファチジルコリン、ホスファチ
ジルエタノールアミンおよびホスファチジルイノシート
を主要成分とする複数種のリン脂質の混合物であり、動
植物や微生物の生体に広く分布し、特に脳、肝臓、卵
黄、大豆、落花生、ヒマワリの種、カブ、酵母等に多く
含まれている。
本発明の粉末油脂の製造にあたっては、油脂100重量
部(以後、単に「部」という)に対して、プロラミン約
10〜80部、特に約20〜70部、およびレシチン約0.1〜10
部、特に約1〜5部使用するのが、油脂の抗酸化性、粉
末化のし易さ等の点から好ましい。
本発明の粉末油脂は、油脂、プロラミンおよびレシチ
ンをアルコール中に溶解または分散させたのち、粉末す
ることにより製造される。
その際のアルコールとしては、メタノール、エタノー
ル等の低級アルコール類を使用するのがよい。アルコー
ルのうち、特に70%エタノールは、プロラミンおよびレ
シチンを溶解でき更に粉末化を円滑に行うことができる
ので好ましい。
油脂、プロラミンおよびレシチンはアルコール中に同
時に添加しても、または逐次に添加してもよい。アルコ
ール中にそれらの成分を添加、溶解または分散する際に
窒素ガスを導入しながら行うと、抗酸化性のより向上し
た粉末油脂を得ることができ望ましい。
アルコールの使用量は、油脂の種類、アルコールの種
類に応じて適宜調節するとよい。
粉末化は、上記で生成した溶液または分散液(分散
物)を使用して、噴霧乾燥法等の通常の方法によって行
うことができる。
そして、油脂、プロラミンおよびレシチンの3者を70
%エタノールに添加して得られる液を噴霧乾燥して粉末
化すると、得られた粉末油脂はその球状粒子の内部に油
脂を包含したマイクロカプセル状態になっている。
このようにして製造される本発明の粉末油脂は、通
常、約1μ〜0.5mmの粒径を有しており、極めて酸化さ
れにくく、かつ吸湿性が低く、流動性に富み取扱いも容
易である。
また、本発明の粉末油脂は、必要に応じてビタミン、
ミネラル、アミノ酸、ペプチド等を含有することができ
る。
本発明の粉末油脂は、そのまま単独で、または各種飲
食物、家畜飼料等に配合して使用することができる。
また、油脂の代わりに遊離の脂肪酸を用いて行えば、
保存性のよい粉末脂肪酸を得ることができる。
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発
明はそれらの例により限定されない。
例 1〜7 70%エタノール1500mlにグリアジン粉末120gを入れ、
25℃で攪拌して完全に溶解させた。この溶液に窒素ガス
を吹き込みながら攪拌下に大豆レシチン4.5gおよび精製
イワシ油(脂肪酸成分のうちEPA含有量28%、DHA含有量
15%)30gを添加し、超音波攪拌によって乳化した後、
更に1分間窒素ガスを導入して乳化液を調製した。この
液をスプレードライヤー(CL−8型:大川原化工機社
製)を使用して、120℃で噴霧乾燥して、内部にイワシ
油の油滴を包含するマイクロカプセル(平均粒径20μ)
を得た。このマイクロカプセルの過酸化物価(以後「PO
V」という)およびこのマイクロカプセルを45℃で室内
に4週間保存した時のPOVを測定した(例1:実施例)。
大豆レシチンを使用しない以外は例1と同様にして、
マイクロカプセルを製造し、その当初および45℃で4週
間保存後のPOVを測定した(例2:比較例)。
また、レシチンの代わりにグリセリンモノステアレー
ト、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびショ
糖脂肪酸エステルからなる界面活性剤の各々を使用した
以外は例1と同様にしてマイクロカプセルを製造し、そ
の当初および45℃で4週間保存後のPOVを測定した(例
3〜7:参考例)。
上記の結果を下記の表−1に示す。
上記表−1の結果から、レシチンおよびグリアジンを
併用している本発明の例1では、4週間後におけるイワ
シ油(多価不飽和脂肪酸)のPOVが12であって、極めて
わずかしか酸化されていないのに対して、グリアジンの
みを使用している例2(比較例)では4週間後にはPOV
は138になり酸化が著しいことがわかる。
またレシチン以外の界面活性剤(グリセリンモノステ
アレート、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルまた
はショ糖脂肪酸エステル)を使用した例3〜7(参考
例)では、プロピレングリコール脂肪酸エステルの場合
を除き、グリアジン単独に比べて4週間後のPOVが低く
抗酸化性が改善されているものの、レシチンに比べてそ
の酸化防止効果が大きく劣ることがわかる。
[発明の効果] 油脂に対してプロラミンとともにレシチンを併用して
いる本発明の粉末油脂は、抗酸化性が大幅に改善されて
おり長期間安定に保存、使用が可能であり、特に多価不
飽和脂肪酸を含有する油脂を用いた場合はその効果が顕
著である。
また、本発明で使用するプロラミンおよびレシチンは
ともに水不溶性であるため本発明の粉末油脂は吸湿性が
低く、そのままでまたは飲食物や家畜飼料等に配合され
て長期間安定に使用できる。
更に、本発明で使用されるレシチン自身も抗血栓作
用、抗動脈硬化作用を有することが知られており、多価
不飽和脂肪酸を含有する油脂を用いた場合の本発明の粉
末油脂は、血栓症や動脈硬化の予防やその他各種の疾病
の予防に対して一層有効である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂100重量部とプロラミン10〜80重量部
    とレシチン0.1〜10重量部とからなる粉末油脂。
  2. 【請求項2】油脂100重量部とプロラミン10〜80重量部
    とレシチン0.1〜10重量部とをアルコールに溶解または
    分散させ、次いで噴霧乾燥することからなる粉末油脂の
    製造方法。
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