JP2779493B2 - 被熱転写シート - Google Patents

被熱転写シート

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JP2779493B2
JP2779493B2 JP61135524A JP13552486A JP2779493B2 JP 2779493 B2 JP2779493 B2 JP 2779493B2 JP 61135524 A JP61135524 A JP 61135524A JP 13552486 A JP13552486 A JP 13552486A JP 2779493 B2 JP2779493 B2 JP 2779493B2
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    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/40Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
    • B41M5/42Intermediate, backcoat, or covering layers

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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱転写シートと組み合わせて使用され、熱
転写シートをサーマルヘッド等により加熱して染料を移
行させる画像形成方式に適した区域と、他の方式による
画像形成にも適した区域とを共に有する、被熱転写シー
トに関するものである。 (従来の技術) 昇華性の分散染料等を含有する染料層を有する熱転写
シートを、サーマルヘッド等により、画像信号に応じて
点状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に、移行した染料から
なる画像を形成する試みが行われている。 ところが、従来の樹脂塗工紙は、熱転写シートを使用
して行なわれる画像形成方式に用いるのには適している
けれども、樹脂が塗工された部分は、他の方式、例え
ば、筆記具による筆記や印刷等による画像の形成には適
していなかった。 なぜならば、熱転写シートを使用して行なわれる画像
形成方式においては、樹脂塗工紙の塗工面を構成する樹
脂は、染料が染着しやすいものである必要があり、イン
キ等の接着性は必ずしも考慮されてなく、加えて、昇華
して移行してくる染料が熱転写シートと樹脂塗工紙の界
面で動き回るのを防止する観点から、表面の平滑性が高
すぎ、インキ等が付着しにくい、等の事情があるからで
ある。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明においては、従来の樹脂塗工紙の上記の欠点を
解消することを目的とし、熱転写シートを使用して行な
われる画像形成方式に用いるのにも適していて、その
上、他の方式による画像の形成にも適している、高温高
湿下で保存してもブロッキングすることのない被熱転写
シートを提供することを目的としている。 (問題点を解決するための手段) 本発明の被熱転写シートは、 熱により溶融もしくは昇華して移行する染料を含有す
る染料層を有する熱転写シートと組み合わせて使用さ
れ、シート状基材の片面に前記熱転写シートより移行す
る染料を受容する受容層を有し、シート状基材のもう一
方の面には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸
化マグネシウム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタ
ン、酸化亜鉛の充填剤を少なくとも1種類以上含有する
有機溶剤に可溶な合成樹脂からなる充填剤層を有し、該
充填剤層中における合成樹脂と充填剤との比率が、合成
樹脂:充填剤=65:35〜20:80である充填剤層を有するこ
とを特徴とするものである。 図は本発明の被熱転写シートの実施態様を示し、第1
図においては、被熱転写シート1は、シート状基材2の
片方の面(図では上面)全面に受容層(換言すれば画像
を受容する層、もしくは受像層)3を有し、シート状基
材2の他方の面(図では下面)全面に充填剤を含有する
合成樹脂からなる充填剤層4を有している。 (シート状基材) シート状基材2としては、合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系など)、上質紙、アート紙、コー
ト紙、キャストコート紙、壁紙裏打用紙、合成樹脂又は
エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成
樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレフ
ィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、
ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネート等の
各種のプラスチックノフィルムもしくはシートが使用で
きる。このうちの合成紙はその表面に、熱伝導率の低
い(換言すれば断熱性の高い)ミクロヴォイド層を有し
ているので好ましい。又、上記〜の任意の組み合わ
せによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例とし
て、セルロース繊維紙と合成紙、プラスチックフィルム
と合成紙、あるいは、セルロース繊維紙とプラスチック
フィルムもしくはシートとの積層体が挙げられる。この
うちセルロース繊維紙と合成紙との積層体は、合成紙が
有する熱的な不安定さ(伸縮など)をセルロース繊維紙
が補ない、合成紙が有する低熱伝導率による印字熱感度
の高さを発揮できてよい。又、この組み合わせにおいて
積層体表裏のバランスをとるため、合成紙〜セルロース
繊維紙〜合成紙の三層積層体を用いるのがよく、吸湿に
よるカールを少なくできる。 上記のような積層体に用いる合成紙としては、通常被
熱転写シートの合成紙基材として用いうる合成紙であれ
ないかなるものをも使用できるが、特に微細空孔を含有
する紙状層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙
「ユポ」:王子油化合紙製)が望ましい。上記紙状層に
おける微細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填剤含有
状態で延伸することにより形成することができる。上記
微細空孔を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成
した被熱転写シートは、熱転写により画像を形成した場
合、画像濃度が高く、画像のバラツキも生じないという
効果がある。これは、微細空孔により断熱効果があり、
熱エネルギー効率が良いこと、微細空孔によるクッショ
ン性の良さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成さ
れる受容層に寄与するものと思われる。又、上記微細空
孔を含有する紙状層を直接、セルロース繊維紙などの芯
材の表面に設けることも可能である。 上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムとをラミネートした
ものも使用することができる。 合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着材を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着等が挙げられ、また
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法等による貼着等が挙げられる。上記貼
着手段は合成紙と貼着するものの材質等に応じて適宜選
択される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマルジョン接
着剤、カルボキシル基う含むポリエステル等の水溶性接
着剤等が挙げられ、またラミネート用の接着剤として
は、ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤溶液タイ
プの接着剤が挙げられる。 (受容層) 受容層3を構成する材質は、熱転写シートから移行す
る染料、例えば、昇華性の分散染料を受容し、受容によ
り形成された画像を維持するためのものである。例え
ば、下記(a)〜(e)の合成樹脂が使用できる。 (a)エステル結合を有するもの。 ポリエステル樹脂(変性樹脂を含む)、ポリアクリル
酸エステル、樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエン
アクリレート樹脂等。 (b)ウレタン結合を有するもの。 ポリウレタン樹脂等。 (c)アミド結合を有するもの。 ポリアミド樹脂(ナイロン)。 (d)尿素結合を有するもの。 尿素樹脂等。 (e)その他極性の高い結合を有するもの。 ポリカプロラクトン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等。 上記の(a)〜(e)の樹脂は単独でも使用できる
が、適宜に混合して使用してもよい。 上記の樹脂の混合例の好ましい例として、ポリエステ
ル樹脂(特に飽和ポリエステル樹脂)と塩化ビニル/酢
酸ビニル共重合体との組み合わせがある。 受容層には、熱転写シートとの離型性を向上させるた
めに受容層中に離型剤を含有させて表面に離型性を与え
ることができる。離型剤としてはポリエチレンワック
ス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワック
ス類;フッ素系、リン酸エステル系の界面活性剤;シリ
コーンオイル等が挙げられるが、このうちでもシリコー
ンオイルが好ましい。 シリコーンオイルとしては油状のものも用いるこきが
できるが、硬化型のものがより好ましく、硬化型のシリ
コーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬
化型等のタイプのもが挙げられるが、中でも、反応硬化
型のシリコーンオイルが特に好ましい。反応硬化型のシ
リコーンオイルとしてはアミノ変性シリコーンオイルと
エポキシ変成シリコーンオイルとを反応硬化させたもの
が好ましい。 硬化型のシリコーンオイルの添加量は、受容層を形成
する樹脂の0.5〜30重量%程度であることが好ましい。 離型剤は、また、受容層の表面に、離型剤を適当な溶
媒で溶解または分散させて塗布することにより受容層と
は別の層としての離型層を形成することができる。この
ときは、離型層の厚みは0.01〜5μmである。 あるいは又、離型剤を受容層を形成する際に受容層形
成用塗料組成物の中に離型剤を含有させておき、塗布
後、ブリードするのを待って、受容層と共に硬化させて
も離型層を形成することができる。 (充填剤層) 熱転写シートをサーマルヘッド等により加熱して染料
を移行させる画像形成方式以外の画像形成方式、例え
ば、印刷、筆記具による筆記等に対する適性を被熱転写
シートに与えるものである。 充填材層4は、原則的には合成樹脂と充填剤とからな
っている。 ここで、被熱転写シートの長期保存性の観点からは合
成樹脂として水溶性樹脂を使用することは好ましくな
く、有機溶剤に可溶な合成樹脂を使用することが、形成
される被膜の耐水性、特に高温高湿下での長期保存性が
高く、好ましい。また、合成樹脂として、エマルジョン
の形で供給されるものは、形成される被膜の耐水性が十
分でなく、好ましくない。 例えば、ポリメチルメタクリレート、メチルアクリレ
ートとアクリル酸エステルとの共重合体、塩化ビニル/
酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂等は、充填剤層を構成
する樹脂として好適な例である。 上記の合成樹脂には充填材を添加することにより、塗
膜の表面に細かい凹凸を与えて鉛筆による筆記性の付与
を行なうと共に、切手等の再湿糊の投錨効果を向上さ
せ、切手の接着性の付与を行う。又、これら充填剤は親
水性であるので、水性インキを吸収してインキを用いて
の筆記性を高めると共ににじみを防止するし、切手等の
再湿糊とのなじみを向上させることができる。 具体的な充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、クレー、タル
ク、酸化チタン、酸化亜鉛、導電性酸化亜鉛、等が使用
できる。 充填剤層4における合成樹脂と充填剤との比率は、合
成樹脂:充填剤=65:35〜20:80であることが好ましく、
水性ペン、鉛筆、ボールペン等を用いた筆記、印刷イン
キを用いての印刷が良好に行える。充填剤の比率が上記
の範囲よりも少ないと、印刷適性や筆記具による筆記性
が不充分であり、また、充填剤が上記の範囲よりも多い
と、充填剤の合成樹脂中の分散が不均一になり、形成さ
れる被膜の表面が粗くなって、インキのにじみ等が生じ
やすくなる上、充填剤層の表面の滑りが悪くなり、被熱
転写シートの扱い時、特に自動給紙機を備えたプリンタ
ーでの扱い時にスムースな走行が保証できない。 充填剤層4の形成は、合成樹脂および充填剤を、合成
樹脂を溶解し得る溶剤、更に必要であればその他の添加
剤と共に混合して充填剤層形成用塗料組成物を調製し、
シート状基材上に塗布して乾燥することによって行な
う。塗布の方式としては、バーコーティング、ロールコ
ーティング、グラビアコーティング等の方式が利用でき
る。グラビアコーティングの方式による多層コーティン
グによると受容層3と充填剤層4を一度に基体シート上
に形成することができるし、グラビアコーティングの方
式による部分コーティングによるとグラビア印刷版とし
て所望の版を使用することにより、受容層3や充填剤層
4を所望の形状に形成できる。 (その他の層) 本発明の被熱転写シートは基本的には以上のような構
成からなるが、更に次のような改変を行なってもよい。 (中間層) 被熱転写シートには、基体シートと受容層との間にク
ッション性層として、あるいは、多孔層としての中間層
を設けてもよい。 クッション性層はJIS−K−6301に規定される100%モ
ジュラスが100kg/cm2以下である樹脂を主とするもので
ある。100%モジュラスが100kg/cm2を超えると剛性が高
すぎて印字の際に熱転写シートと被熱転写シートとの間
の密着性が保たれないから好ましくない。100%モジュ
ラスの下限は実際上、0.5kg/cm2程度である。 上記の条件に合致する樹脂としては次のようなものが
挙げられる。 ポリウレタン樹脂 ポリエステル樹脂 ポリブタジエン樹脂 ポリアクリル酸エステル樹脂 エポキシ樹脂 ポリアミド樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 テルペンフェノール樹脂 エチレン/酢酸ビニル共重合体 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して用いて
もよい。また、上記の樹脂は比較的粘着性を有している
ので、加工中に支障があるときは無機物の添加剤が添加
されていても良い。クッション性層の厚みは0.5〜50μ
m、より好ましくは2〜20μmである。厚み0.5μm未
満であるとシート状基材の表面の凹凸を吸収できず、50
μmを超えると、効果の向上が認められない。 多孔層3は1)ポリウレタン等の合成樹脂エマルジョ
ン、メチルメタクリレート/ブタジエン系等の合成ゴム
ラテックスを機械的撹拌により発泡させた液をシート状
基材2上に塗布し、乾燥させた層、2)上記合成樹脂エ
マルジョン、上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合さ
せた液をシート状基材2上に塗布し、乾燥させた層、
3)塩ビプラスチゾル、ポリウレタン等の合成樹脂又は
スチレン/ブタジエン系等の合成ゴムに発泡剤を混合し
た液をシート状基材2上に塗布し加熱することにより発
泡させた層、4)熱可塑性樹脂又は合成ゴムを有機溶媒
に溶解した溶液と、該有機溶媒に比べ蒸発しにくく該有
機溶媒に該有機溶媒に対し相溶性を有し且つ熱可塑性樹
脂又は合成ゴムに対して溶解性を有しない非溶媒(水を
主成分とするものも含む)との混合液を、シート状基材
上に塗布し乾燥させることによりミクロ状に凝集した膜
を形成してなるミクロポーラス層等が用いられる。上記
1)〜3)の層は気泡の大きさが大きいため、該層上に
受容層3の形成用溶液を塗布し、乾燥させた場合、乾燥
させて形成された受容層3の表面に凹凸が生じる恐れが
ある。そのため上記凹凸が小さくまた均一性の高い画像
を転写せしめることが可能な受容層3の表面を得るため
には、多孔層として上記4)のミクロポーラス層を設け
ることが好ましい。 ミクロポーラス層形成のために用いられる熱可塑性樹
脂としては、飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、塩
化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテート
プロピオネート等が挙げられ、また同様に用いられる上
記合成ゴムとしては、スチレン/ブタジエン系、イソプ
レン系、ウレタン系等が挙げられる。また、該ミクロポ
ーラス層の形成に当たって用いられる有機溶媒及び非溶
媒としては、種々のものが使用可能であるが、通常、有
機溶媒としてメチルエチルケトン、アルコール等の親水
性溶媒が用いられる。 多孔層の厚みは3μm以上のものが好ましく特に5〜
20μmの厚みのものが好ましい。多孔層の厚みがが3μ
m未満であると断熱性やクッション性の効果が発揮され
ない。 (帯電防止処理) 本発明の被熱転写シートに帯電防止加工を施すこと
は、被熱転写シートへの塵埃の付着を防止する意味で好
ましい。 帯電防止剤としては、陽イオン型界面活性剤(例えば
第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオ
ン型界面活性剤(例えばアルキルホスフェート等)、両
性イオン型界面活性剤もしくは非イオン型活面活性剤等
が使用できる。 これら帯電防止剤は、グラビアコーティングやバーコ
ーティング等により受容層表面や充填剤層表面に塗布
し、乾燥させて帯電防止層としてもよいし、あるいはそ
れらの層を形成する際に用いる塗布組成物中に分散ない
し混合してそれらの層の表面に移行させてもよい。後者
の方法によるときは、陽イオン型のポリアクリル酸エス
テル系帯電防止剤も使用できる。 帯電防止処理を施す箇所としては被熱転写シートのい
ずれの部分でもよいが、熱転写シートをサーマルヘッド
等により加熱して染料を移行させる画像形成方式によっ
て画像を形成する際の支障とならないよう、受容層以外
の部分に施すのが良く、その意味で、充填剤層を設ける
部分に設けるのが良い。 (滑性処理) 本発明の被熱転写シートには、シートどうしを重ね合
わせたときのシート間の摩擦抵抗を下げ、被熱転写シー
トの扱い時、特に自動給紙機を備えたプリンターでの扱
い時にスムースな走行を保証し、かつ高温高湿下で保存
したときの比熱転写シートどうしのスリップ性を確保す
る意味で滑性処理を施すのがよい。 滑性処理は滑性剤、例えばフッ素樹脂粉末、ポリエチ
レン樹脂粉末を含有する塗料組成物を塗布することによ
って行なうことができるが、帯電防止処理において述べ
たように、熱転写シートをサーマルヘッド等により加熱
して染料を移行させる画像形成方式によって画像を形成
する際の支障とならないよう、受容層以外の部分に施す
のが良く、その意味で、充填剤層を設ける部分に、より
好ましくは充填剤層形成用塗料組成物中に混合して充填
剤層の形成と同時に滑性処理を施すのがよい。 (発明の作用・効果) 以上の本発明によれば、被熱転写シートの片面に、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛の
充填剤を少なくとも1種類以上含有する有機溶剤に可溶
な合成樹脂からなる充填剤層を設けているので、水性イ
ンキ、ボールペン、筆記等の筆記具を使用して筆記した
り、あるいはスタンプインキを塗布したゴム印で押印し
ても、にじみがあったり、筆記が押印がしにくいことが
なく、また、切手やラベル等の再湿糊を使用しての貼着
も可能になる。 また、充填剤層は充填剤を含有する有機溶剤に可溶な
合成樹脂からなっており、高温高湿下での長期保存性が
高いので、被熱転写シート同士を重ねて高温高湿下で保
存しても、ブロッキングすることがない。被熱転写シー
トに帯電防止処理を施すとブロッキングを起こしやすい
傾向があるが、この場合でも充填剤層の存在はブロッキ
ング防止に役立つ。ブロッキング防止は充填剤層に更に
滑性粉末を含有させて併用すると、尚、一層向上する。 さらに、受容層面と反対面に皮膜の耐水性の良い有機
溶剤に可溶な合成樹脂からなる充填剤層が形成されてる
ので、温度や湿度等の環境変化に伴うカールを防止で
き、且つ、充填剤層中における合成樹脂と充填剤との比
率が、合成樹脂:充填剤=65:35〜20:80であることによ
り自動給紙機を備えたプリンターでの扱い時にスムーズ
な走行が可能となる。 (実施例) 実施例1 シート状基材として厚み150μmの合成紙(王子油化
合成紙製、ユポFPG)を準備し、その両面に塩素化ポリ
プロピレン樹脂の酢酸エチル溶液を塗布し、乾燥させ
て、乾燥後塗布量0.25g/m2のプライマー層を形成した。 次に、プライマー層を形成した合成紙の一方の面に、
下記組成の受容層形成用組成物を塗布し、乾燥させて、
乾燥後塗布量7.0g/m2の受容層を設けた。 受容層形成用組成物 ポリエステル樹脂 ……10重量部 (東洋紡製、バイロン200) アミノ変成シリコーン ……0.5重量部 (信越化学製、KF−393) エポキシ変成シリコーン ……0.5重量部 (信越化学製、X−22−343) 溶剤 ……89重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 次に、プライマー層を形成した合成紙の他方の面に、
下記組成の充填剤層形成用組成物をワイヤーバーを用い
て塗布し、乾燥させ、乾燥後塗布量3.5g/m2の充填剤層
を設けた。 充填剤層形成用組成物 ポリメチルメタクリレート樹脂 ……11重量部 (三菱レーヨン製、BR−90) マイクロシリカ ……11重量部 溶剤 ……78重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 更に、充填剤層を設けた側に重ねて、下記組成の帯電
防止層形成用組成物をワイヤーバーを用いて塗布し、乾
燥させ、乾燥後塗布量0.01g/m2の帯電防止層を設け、被
熱転写シートを得た。 帯電防止層形成用組成物 帯電防止剤 ……2.5重量部 (米国アナリティカル、ケミカル、ラボラトリー、オ
ブ、スコーキー製、スタチサイド) イソプロピルアルコール ……97.5重量部 実施例2 シート状基材としては85g/m2のコート紙を使用し、そ
の両面に、厚み60μmの合成紙(王子油化製、ユポ)を
貼りあわせた。貼り合わせのための接着剤としてはウレ
タン系の接着剤(武田薬品製、タケラック)を使用し
た。 上記で得られたものの両面の合成紙の表面に実施例1
におけるのと同様にしてプライマー層を形成した後、一
方の面には、下記組成の受容層形成用組成物を用いて乾
燥後塗布量5.0g/m2の受容層を、また、他方の面には、
下記組成の充填剤層形成用組成物を用いて乾燥後塗布量
3.5g/m2の充填剤層を形成し、更に充填剤層の上には帯
電防止層を形成して被熱転写シートを得た。 受容層形成用組成物 ポリエステル樹脂 ……8.4重量部 (東洋紡製、バイロン200) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 (ユニオンカーバイド製、ビニライトVYHH) ……3.6重量部 アミノ変成シリコーン ……0.8重量部 (信越化学製、KF−393) エポキシ変成シリコーン ……0.8重量部 (信越化学製、X−22−343) 溶剤 ……86.4重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 充填剤層形成用組成物 ポリメチルメタクリレート樹脂 (三菱レーヨン製、BR−90) ……10.1重量部 マイクロシリカ ……5.1重量部 水酸化マグネシウム ……5.1重量部 フッ素樹脂粉末 ……17重量部 (ダイキン工業製、ルブロンL2) 溶剤 ……78重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 実施例3 実施例2と同様の貼り合わせたシート状基材を使用
し、受容層形成用組成物および充填剤層形成用組成物と
して下記のものを使用し、更に充填剤層の上に実施例1
におけるのと同様な帯電防止層を形成して、被熱転写シ
ートを得た。 受容層の乾燥後塗布量は8.5g/m2、充填剤層の乾燥後
塗布量は3.5/m2であった。 受容層形成用組成物 ポリスチレン樹脂 ……6重量部 (理科ハーキュレス製、ピコラスティクD−125) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 (ユニオンカーバイド製、ビニライトVYHH) ……6重量部 アミノ変成シリコーン ……0.8重量部 (信越化学製、KF−393) エポキシ変成シリコーン ……0.8重量部 (信越化学製、X−22−343) 溶剤 ……86.4重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 充填剤層形成用組成物 ポリメチルメタクリレート樹脂 (三菱レーヨン製、BR−90) ……16重量部 炭酸カルシウム ……3重量部 マイクロシリカ ……3重量部 溶剤 ……78重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 実施例4 実施例2と同様の張り合わせたシート状基材を使用
し、受容層形成用組成物および充填剤層形成用組成物と
して下記のものを使用し、更に充填剤層の上に実施例1
におけるのと同様な帯電防止層を形成して、被熱転写シ
ートを得た。 受容層の乾燥後塗布量は7.0g/m2、充填剤層の乾燥後
塗布量は3.5g/m2であった。 ポリスチレン樹脂 ……12重量部 (電気化学製、MT−2) アミノ変成シリコーン ……0.5重量部 (信越化学製、KF−393) エポキシ変成シリコーン ……0.5重量部 (信越化学製、X−22−343) 溶剤 ……87重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 充填剤層形成用組成物 ポリメチルメタクリレート樹脂 (三菱レーヨン製、BR−85) ……10重量部 マイクロシリカ ……6重量部 水酸化マグネシウム ……6重量部 溶剤 ……78重量部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) で得られた各実施例の被熱転写シートの、充填剤層を設
けた側の面の筆記性を種々の筆記具を用いて調べ、ま
た、同じ面への郵便切手の付着性と、60℃および90%RH
の条件で10日間保存した後のブロッキングの有無を調べ
た。 筆記具としては次のものを使用した。 水性ペン pilot Hi−techpoint (黒、赤、青) ZEBRA Be−pen (黒、赤) Pentel Super Ball (青) MITSUBISHI (青) 鉛筆 三菱ハイユニHG ボールペン 三菱BOXY 結果は各実施例のものを表−1に一括して示す。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の被熱転写シートを示す断面図である。 1……被熱転写シート 2……シート状基材 3……受容層 4……充填剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−48847(JP,A) 特開 昭60−100144(JP,A) 特開 昭61−89093(JP,A) 実開 昭55−26579(JP,U) 実開 昭56−68234(JP,U) 実開 昭57−119361(JP,U)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.熱により溶融もしくは昇華して移行する染料を含有
    する染料層を有する熱転写シートと組み合わせて使用さ
    れ、シート状基材の片面に前記熱転写シートより移行す
    る染料を受容する受容層を有し、シート状基材のもう一
    方の面には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸
    化マグネシウム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタ
    ン、酸化亜鉛の充填剤を少なくとも1種類以上含有する
    有機溶剤に可溶な合成樹脂からなる充填剤層を有し、該
    充填剤層中における合成樹脂と充填剤との比率が、合成
    樹脂:充填剤=65:35〜20:80であることを特徴とする被
    熱転写シート。 2.充填剤層は更に滑性粉末を含有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の被熱転写シート。 3.充填剤層に帯電防止処理が施されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第2項、第3項記載の被熱転写シ
    ート。
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