JP2706229B2 - 被熱転写シート - Google Patents

被熱転写シート

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、熱転写シートと組み合
わせて使用される被熱転写シートに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の被熱転写シートとして、合成紙の
表面に飽和ポリエステル樹脂等の塗工層を設けたものが
知られており、この種の被熱転写シートは、ポリエチレ
ンテレフタレート等の表面に昇華性染料及びバインダー
等からなる熱転写層が設けられた熱転写シートと併用さ
れ、これらの両シートを熱転写層と受容層とが接するよ
うにして重ね合わせ、熱転写シートの背面側から画像情
報に応じた電気信号により制御されて発熱するサーマル
ヘッド等の点状感熱手段により加熱を行い、熱転写層中
の昇華性染料を受容層中に転写させて天然色写真調の画
像等を形成する試みがなされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記被
熱転写シートは基材としてポリオレフィン系樹脂など耐
熱性の低い樹脂を樹脂成分とする合成紙を用いた場合、
画像形成時の加熱によりもたらせる熱で合成紙に歪が残
り、画像形成後の被熱転写シートがカールしてしまう不
都合がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
なされたもので、合成紙にカール防止のための芯材を貼
着した基材を用い、かつ芯材の合成紙を貼着していない
側に樹脂層を設けることにより、画像形成後のカールを
抑え、滑性を付与し、写真調画像等を形成した後にも平
面性のよい、仕上がりの良い被熱転写シートを提供する
ことを目的とする。 【0005】即ち、本発明の被熱転写シートは、基材上
に、加熱時に熱転写シートから移行する昇華性染料を受
容する受容層を設けた被熱転写シートにおいて、上記基
材が芯材の片面に微細空孔を含有する合成紙を貼着して
なり、該基材の合成紙側に合成樹脂よりなる中間層を介
して受容層を設けると共に該芯材の合成紙が貼着されて
ない側に樹脂層を設けたものである。 【0006】 【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 【0007】図1は本発明被熱転写シートの基本的構造
を示すもので、被熱転写シート1は合成紙2の下面に芯
材3を設けた構成からなる基材4上に中間層9、受容層
5を順次設けると共に、芯材3の合成紙が貼着されてな
い側に樹脂層6が設けられたものである。 【0008】上記合成紙2としては、通常被熱転写シー
トの合成紙基材として用いられる合成紙であればいかな
るものも使用できるが、特に、微細空孔を含有する紙状
層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙ユポ:王子
油化合成紙製)が望ましい。上記紙状層における微細空
孔は、例えば、合成樹脂を微細充填剤含有状態で延伸す
ることにより形成することができる。市販品の合成紙ユ
ポはフイルム法合成紙であり、主原料はポリプロピレン
樹脂でこれに無機充填剤と小量の添加剤を加えたものを
原料として、二軸延伸フイルム成形法により微細空孔を
発生させながら製膜されたものであり、基層と該基層の
表裏両面に形成された紙状層との3層構造を有し、基層
は縦及び横方向に延伸配向され、両紙状層は横方向にの
み延伸配向されているものである。上記延伸工程におい
て発生する微細空孔により、光が乱反射して白色不透明
となり紙的性質を有する。ユポは上記の3層構造と微細
空孔の多少によって、下記に示すように基本的に4つの
グレードがある。(1)FPGグレード(標準品):両
表面とも同じ紙状層であり、白色度、不透明度が高く、
両紙状層が微細空孔を多数有するもの。(2)SGGグ
レード:片面の紙状層はFPGグレードと同じ多数の微
細空孔を有し、他面の紙状層は表面強度が強く高光沢面
になっており、微細空孔が少ないか或いは微細空孔が形
成されていないもの。(3)TPGグレード:紙状層両
面ともに半透明のやや微細空孔の少ないもの。(4)K
PGグレード:紙状層の表面強度を上げたもので、両表
面とも強い表面を有し、微細空孔が少なくFPGグレー
ドに比較して不透明度が若干低いもの。その他、上
(1)〜(4)のグレードのユポどうしを貼合した厚手
グレートや、上記の(1)〜(4)のグレードのユポの
表面に特殊なコートを施したグレード(ユポコート)等
がある。上記微細空孔を含有する紙状層を設けた合成紙
を用いて構成した被熱転写シートは、熱転写により画像
を形成した場合、画像濃度が高く、画像のバラツキも生
じないという効果がある。これは、微細空孔により断熱
効果があり、熱エネルギー効率が良いことと、微細空孔
によるクッション性の良さが、上記合成紙上に設けら
れ、画像が形成される受容層に寄与するものと思われ
る。尚、上記微細空孔を含有する紙状層を直接、芯材3
の表面に設けることも可能である。 【0009】また基材4における芯材3としては、セル
ロース繊維紙又はプラスチックフィルムが挙げられ、更
に、上記セルロース繊維紙とプラスチックフィルムとを
ラミネートしたものも使用することができる。上記セル
ロース繊維紙としては、上質紙、アート紙、コート紙、
壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合
成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等が挙
げられ、また上記プラスチックフィルムとしては、ポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリスチレン、メタクリレート、ポリカーボネー
ト等のフィルムが挙げられる。上記芯材3としては、上
記セルロース繊維紙にポリオレフィン等をエクストルー
ジョンコーティングしたものを使用することができる。
また、芯材3の厚さは30〜500μが好ましい。 【0010】合成紙2と芯材3との貼着方法としては、
例えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネー
ト法を用いた貼着、熱接着による貼着等が挙げられ、ま
た芯材3がプラスチックフィルムである場合、該芯材3
の形成を同時に兼ねたラミネート法、カレンダー法等に
よる貼着等が挙げられる。上記貼着手段は合成紙2と芯
材3の材質等に応じて適宜選択される。上記接着剤の具
体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル等のエマルジョン接着剤、カルボキシル基を含
むポリエステル等の水溶性接着剤等が挙げられ、またラ
ミネート用の接着剤としては、ポリウレタン系、アクリ
ル系等の有機溶剤溶液タイプ等の接着剤が挙げられる。 【0011】受容層5は、転写シートから移行してくる
昇華性染料を受容する働きをするものであり、上記基材
4上に設けられる。該層5の材質としては、下記合成樹
脂が挙げられる。 【0012】(a) エステル結合を有するもの。 【0013】ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、
スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレー
ト樹脂等。 【0014】(b) ウレタン結合を有するもの。 【0015】ポリウレタン樹脂等。 【0016】(c) アミド結合を有するもの。 【0017】ポリアミド樹脂(ナイロン)。 【0018】(d) 尿素結合を有するもの。 【0019】尿素樹脂等。 【0020】(e) その他極性の高い結合を有するも
の。 【0021】ポリカプロラクタン樹脂、スチレン系樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等。上記の樹脂に
加えて、これらの混合物若しくは共重合体等も使用でき
る。 【0022】或いは上記のような合成樹脂を単に用いて
構成されたものでなく、次のような海−島構造を有する
受容層も使用できる。例えば、−100〜20℃のガラ
ス転移温度を有する合成樹脂により受容層の第1領域
を、また40℃以上のガラス転移温度を有する合成樹脂
により受容層の第2領域をそれぞれ形成して第1及び第
2の領域を共に受容層5の表面に露出させ、第1領域を
表面の15%以上とすると同時に第1領域を互いに独立
して島状に形成し、それぞれの島状部の長手方向の長さ
を好ましくは0.5〜200μとしたもの。 【0023】上記した(a)〜(e)の材料を使用して
構成されたもの、海−島構造を有するもののいずれにも
更に必要に応じてシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛等の体質顔料を含有させることができる。
受容層5の形成方法としては、上記樹脂等を用いてエア
ーナイフコーティング、リバースロールコーティング、
グラビアコーティング又はワイヤーバーコーティング等
のコーティング方法により塗布を行い、乾燥させて形成
する。 【0024】受容層5は基材4上に合成樹脂からなる中
間層9を介して設けられる。上記合成樹脂層の材質とし
ては、飽和ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸エ
ステル等の有機溶剤溶液等が挙げられる。合成樹脂層の
形成方法としては、リバースロールコーティング、グラ
ビアコーティング、又はワイヤーバーコーティング等が
挙げられ、該層の厚さは3〜15μが好ましい。 【0025】中間層の材質としては、上記合成樹脂の有
機溶剤溶液の代わりに、水溶性合成樹脂の水溶液又は合
成樹脂水性エマルジョンのいずれか又は両者を用いても
良い。水溶性合成樹脂としては、1)ポリアクリルアマ
イド、2)カルボキシル基を含む各種の樹脂、例えばポ
リエチレン、ポリ酢酸ビニル等、3)セルロース系樹脂
等が使用できる。合成樹脂エマルジョンとしては、ポリ
アクリル酸エステル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
ポリウレタン、ポリエステル等の合成樹脂の水性エマル
ジョンが使用できる。また、上記水溶性合成樹脂と合成
樹脂水性エマルジョンとを混合して使用することも可能
である。水溶性合成樹脂又は水性エマルジョンを用いた
中間層の形成方法は、前記したコーティング手段を用い
ることができ、他にエアーナイフコーティング法を用い
ることができる。 【0026】中間層には形成時の塗料の塗布適性、塗膜
の耐ブロッキング性、隠蔽性の向上のために、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、クレー、炭酸カルシウム等の体質顔料を
添加してもよい。上記体質顔料は、中間層の樹脂固型分
の100重量部に対して30重量部以下とすることが好
ましい。 【0027】上記樹脂層6は、合成紙2の片面に芯材3
を設けた基材に対してカール防止の補強的役割を果た
し、また、被熱転写シート1を転写時に1枚ずつ取り出
すことを容易にするための滑性を付与する効果もある。
樹脂層6は、メチルメタクリレート樹脂等のメタクリレ
ート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の有
機溶剤溶液又はそれらのエマルジョン、合成ゴムラテッ
クス等のバインダーに、必要に応じて、クレー、炭酸カ
ルシウム、シリカ、酸化チタン等の充填剤を添加した液
を塗布、乾燥して形成することができる。塗布方法とし
ては、ミヤーバーコーティング、エアーナイフコーティ
ング、リバースロールコーティング等の手段を用いるこ
とができ、その塗布量はカールバランスにより適宜選択
する。また、樹脂層6は、ポリオレフィン等のエクスト
ルージョンコーティングにより設けることもできる。 【0028】本発明被熱転写シート1は、基材4の受容
層5が設けられていない側に、帯電防止層7を設けるこ
とができ、例えば、図2に示すように上記樹脂層6の下
面に設けることができる。尚、上記帯電防止層7は、樹
脂層6を形成する樹脂中に帯電防止剤を混入し、該帯電
防止剤を樹脂層6表面にブリーディングさせ、結果的に
樹脂層6上に設けることも可能である。帯電防止剤とし
ては、界面活性剤、例えば陽イオン型界面活性剤(例え
ば、第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等)、陰
イオン型界面活性剤(例えば、アルキルホスフェート
等)、両性イオン型界面活性剤若しくは非イオン型界面
活性剤等が挙げられる。帯電防止層7は、上記界面活性
剤を用いてグラビアコーティング、バーコーティング等
により塗布形成することができる。 【0029】本発明被熱転写シート1は、必要に応じて
熱転写シートとの離型性を向上せしめるために受容層5
に離型剤層8を形成することができ、例えば図2に示す
ように受容層5の表面に離型剤層8を設けることがで
き、また特に図示しないが受容層5の中に離型剤を含有
せしめることができる。更に離型剤を受容層5中に含有
せしめて、その後該離型剤を受容層5表面にブリードさ
せ、結果的に受容層5の表面に離型剤層を設けることも
可能である。上記離型剤層8の材質としては、ポリエチ
レンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の
固型ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性
剤;シリコーンオイル等の離型剤が挙げられるが、シリ
コーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとして
は、油状のものも使用することができるが、硬化型のも
のが好ましい。 【0030】硬化型のシリコーンオイルとしては、反応
硬化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応
硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。反応硬化型
シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイ
ルとエポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させた
ものが好ましい。上記硬化型シリコーンオイルの離型剤
を受容層5中に含有せしめる場合、その添加量は受容層
5を構成する樹脂の0.5〜30wt%が好ましい。離
型剤層9の厚さは0.01〜5μが好ましく、特に0.
05〜2μが好ましい。 【0031】尚、本発明被熱転写シート1は該シート1
面、好ましくは裏面に光電管検知装置等により検知可能
な光電管検知マークを設けることができる。上記マーク
を設けることにより被熱転写シート1を、転写時に光電
管検知装置等によって、所定位置に位置合わせを行い正
確にセットし、画像を常に正確な所望位置に形成するこ
とができ、この他にも、1)被熱転写シート1の等級、
サイズ等の種類が検知されたり、2)被熱転写シート1
のセット時における表裏の正確さが検知されたり、3)
被熱転写シート1の方向が検知され、被熱転写シート1
を実際に用いて転写を行う際に、作業工程上、利点があ
る。上記光電管検知マークは、従来公知の光電管検知マ
ークと同様の材質、形成方法等により設けることができ
る。 【0032】次に、具体的実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 【0033】実施例1 微細空孔を有する合成紙(厚さ110μ、王子合成紙
製:ユポFPG)の片面にポリウレタン樹脂−ポリイソ
シアネート系接着剤の有機溶剤溶液を塗布(乾燥時塗布
量10g/m2 )、乾燥し、その面にキャストコート紙
(米坪量84g/m2 )を貼着させて基材を形成した。
次いで、上記基材の合成紙上にポリエステル樹脂(東洋
紡製:バイロン200)のトルエン/メチルエチルケト
ン=1/1混合溶剤溶液をワイヤーバーを用いて塗布
(乾燥時塗布量7g/m2 )、乾燥して中間層を形成し
た。次いで、上記中間層上に下記の組成の受容層形成用
インキ組成物をリバースロール方式で塗布(乾燥時塗布
量4g/m2 )、乾燥して受容層を形成した。 【0034】 受容層形成用インキ組成物 ポリスチレン樹脂(ハーキュレス製:ピコテックス100)・・15重量部 トルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶媒 ・・75重量部 アミノ変性シリコーンオイル(信越化学製:KF393) ・・ 5重量部 エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学製:X−22−343)5重量部 次いで、上記キャストコート紙の受容層のない側の面に
ポリメチルメタクリレート系樹脂のトルエン/メチルエ
チルケトン=1/1溶液(濃度12%)をワイヤーバー
を用いて塗布(乾燥時塗布量4g/m2 )、乾燥して樹
脂層を形成した。 【0035】次いで、上記樹脂層上に、帯電防止剤(ア
ナリティカルケミカル・ラボラトリー・オブ・スコーキ
ー製:スタチサイド)の1%イソプロパノール溶液を塗
布(乾燥時塗布量0.1g/m2 )、乾燥させ、被熱転
写シートを得た。 【0036】一方、厚さ6μのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に、下記組成からなる耐熱スリップ層形
成用インキ組成物を調整してミヤバー♯6で塗布し、温
風乾燥した。 【0037】 耐熱スリップ層形成用インキ組成物 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1) ・・ 4.5重量部 トルエン ・・ 45重量部 メチルエチルケトン ・・ 45.5重量部 リン酸エステル(第一工業製薬製:プライサーフA−208S) ・・ 0.45重量部 ジイソシアネート「タケネートD−110N」75%酢酸エチル溶液 ・・ 2重量部 上記フィルムを60℃で12時間、オーブン中で加熱し
て硬化処理した。乾燥後のインキ塗布量は、約1.2g
/m2 であった。 【0038】次いで、上記フィルムの耐熱スリップ層と
は反対側の面に、下記の組成の感熱昇華転写層形成用イ
ンキ組成物を調整し、ミヤバー♯10により塗布(塗布
量約1.2g/m2 )し、温風乾燥して転写層を形成
し、熱転写シートを得た。 【0039】 感熱昇華転写層形成用インキ組成物 分散染料(日本化薬製:カヤセットブルー714) ・・ 4重量部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1) ・・ 4.3重量部 トルエン ・・ 40重量部 メチルエチルケトン ・・ 40重量部 イソブタノール ・・ 10重量部 上記で得られた被熱転写シートの受容層に、上記熱転写
シートの転写層を向かい合わせて、感熱転写プリンター
で熱転写シートの背面側から感熱ヘッドにより最高画像
濃度が得られるように加熱して画像形成を行ったとこ
ろ、画像はザラツキもなく、画像濃度も良好で、被熱転
写シートのカールは殆ど認められなかった。 【0040】実施例2 合成紙(厚さ60μ、王子油化合成紙製:ユポ)の片面
に塩素化ポリプロピレンのトルエン/メチルエチルケト
ン混合溶媒(重量比1/1)溶液をプライマー層として
塗布(乾燥時塗布量0.5g/m2 )し、この合成紙と
上質紙(米坪量105g/m2 )とをウレタン系接着剤
を用いてドライラミネートして基材を形成した。 【0041】次いで、上記基材の上質紙の面側にスチレ
ン・ブタジエン系ラテックスにクレーを混合分散(固型
分重量比1:2)した液をワイヤーバーを用いて塗布
(乾燥時塗布量8g/m2 )、乾燥して樹脂層を形成し
た。 【0042】次いで、上記基材の合成紙の面側に実施例
1と同様の中間層(乾燥時塗布量5g/m2 )を設け、
更にその中間層上に下記組成の受容層形成用組成物をワ
イヤーバーを用いて塗布し乾燥させ、乾燥時塗布量3g
/m2 の受容層を形成して被熱転写シートを得た。 【0043】 受容層形成用組成物 ポリエステル樹脂(東洋紡製:バイロン200) ・・ 10重量部 アミノ変成シリコーン(信越化学製:KF−393)・・ 0.5重量部 エポキシ変成シリコーン(信越化学製:X−22−343) 0.5重量部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) ・・ 89重量部 得られた被熱転写シートに実施例1と同様にして熱転写
シートを用いて画像を転写形成したところ、被熱転写シ
ートのカールは殆ど認められなかった。 【0044】比較例 ピグメントコーティング方式により製造され、微細空孔
を有しない合成紙(厚さ110μ、日清紡製;ピーチコ
ートWP−110)を合成紙として用い、実施例1と同
様の構成からなる被熱転写シートを形成した。 【0045】得られた被熱転写シートに実施例1と同様
にして熱転写シートを用いて画像を転写形成したとこ
ろ、カールは少なかったものの、少々、画像がバラツ
キ、写真画像の鮮明度が劣るものであった。 【0046】 【0047】 【0048】 【0049】 【0050】 【発明の効果】以上説明したように、本発明被熱転写シ
ートは基材が合成紙に芯材を貼着すると共に芯材の合成
紙が貼着されてない側に樹脂層を設けた構成からなるた
め、転写時におけるサーマルヘッド等の加熱による実質
的な熱収縮が起こらず、その結果、画像形成後のカール
が殆ど発生せず、従来の被熱転写シートにおけるカール
の発生による不具合が解消されるという効果と共に滑性
に優れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明被熱転写シートの構成を示す縦断面図で
ある。 【図2】本発明被熱転写シートの構成を示す縦断面図で
ある。 【符号の説明】 1…被熱転写シート、2…合成紙、3…芯材、4…基
材、5…受容層、6…樹脂層、7…帯電防止層、8…離
型剤層、9…中間層

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.基材上に、加熱時に熱転写シートから移行する昇華
    染料を受容する受容層を設けた被熱転写シートにおい
    て、上記基材が芯材の片面に微細空孔を含有する合成紙
    を貼着してなり、該基材の合成紙側に合成樹脂よりなる
    中間層を介して受容層を設けると共に該芯材の合成紙が
    貼着されてない側に樹脂層を設けたことを特徴とする被
    熱転写シート。 2.芯材がセルロース繊維紙又はプラスチックフイルム
    である特許請求の範囲第1項記載の被熱転写シート。3. 基材の受容層のない側に帯電防止層を設けた特許
    請求の範囲第1項記載の被熱転写シート。4. 受容層に剥離剤層を設けた特許請求の範囲第1項
    記載の被熱転写シート。
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