JP2776386B2 - 磁気特性の良好な方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の良好な方向性珪素鋼板の製造方法Info
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- C21D8/12—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は(110)<001>方位を主方位とする方向性珪
素鋼板の製造方法に関するものである。
素鋼板の製造方法に関するものである。
<従来の技術> 方向性珪素鋼の成分としてCuを添加し磁気特性を向上
させる製造方法としては特公昭57−45818号公報,特公
昭58−13605号公報,特公昭58−43443号公報が公知であ
るが、これらはAlNとMnS及びCuSを析出分散相として用
い、最終冷延を80%以上の強圧下で行う方向性珪素鋼板
の製造方法である。これらの方法では二次再結晶粒径が
粗大になり鉄損値は劣化し、磁区細分化技術を用いない
限り回復しない。
させる製造方法としては特公昭57−45818号公報,特公
昭58−13605号公報,特公昭58−43443号公報が公知であ
るが、これらはAlNとMnS及びCuSを析出分散相として用
い、最終冷延を80%以上の強圧下で行う方向性珪素鋼板
の製造方法である。これらの方法では二次再結晶粒径が
粗大になり鉄損値は劣化し、磁区細分化技術を用いない
限り回復しない。
また特公昭60−57207号公報,特開昭58−42727号公
報,特開昭61−12822号公報,特公昭54−32412号公報に
はCuを添加し、最終冷延圧下率が50〜80%である冷延2
回法の技術が開示されているが、これらは析出分散相の
性質を考慮した成分および熱延条件の検討がなされてお
らず磁気特性の向上が不十分であった。
報,特開昭61−12822号公報,特公昭54−32412号公報に
はCuを添加し、最終冷延圧下率が50〜80%である冷延2
回法の技術が開示されているが、これらは析出分散相の
性質を考慮した成分および熱延条件の検討がなされてお
らず磁気特性の向上が不十分であった。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、析出分散相の性質及び挙動と熱延条
件を検討することにより、さらに良好な磁気特性を有す
る方向性珪素鋼板の製造方法を提供するものである。
件を検討することにより、さらに良好な磁気特性を有す
る方向性珪素鋼板の製造方法を提供するものである。
<課題を解決するための手段> 本発明は、C:0.02〜0.07wt%,Si:2.0〜4.0wt%を含む
珪素鋼スラブを加熱炉にて加熱し、粗圧延機及び仕上圧
延機にて熱間圧延して熱延板とした後、1回又は中間焼
鈍を挟む2回の冷間圧延により最終板厚とし、その後脱
炭・一次再結晶焼鈍とこれに続く高温最終仕上焼鈍を施
す一連の工程からなる(110)<001>方位を主方位とす
る方向性珪素鋼板を製造する方法において、上記珪素鋼
スラブの成分として、さらにMn:0.02〜0.08wt%,Cu:0.0
5〜0.30wt%,Se:0.012〜0.050wt%を含有させ、かつS
の含有量を0.005wt%以下に規制し、さらに必要に応じ
てZn:0.002〜0.05wt%及び/又はSn:0.02〜0.2wt%を加
え、該珪素鋼スラブの粗圧延機入側の温度を1050〜1150
℃とすることを特徴とする磁気特性の良好な方向性珪素
鋼板の製造方法である。
珪素鋼スラブを加熱炉にて加熱し、粗圧延機及び仕上圧
延機にて熱間圧延して熱延板とした後、1回又は中間焼
鈍を挟む2回の冷間圧延により最終板厚とし、その後脱
炭・一次再結晶焼鈍とこれに続く高温最終仕上焼鈍を施
す一連の工程からなる(110)<001>方位を主方位とす
る方向性珪素鋼板を製造する方法において、上記珪素鋼
スラブの成分として、さらにMn:0.02〜0.08wt%,Cu:0.0
5〜0.30wt%,Se:0.012〜0.050wt%を含有させ、かつS
の含有量を0.005wt%以下に規制し、さらに必要に応じ
てZn:0.002〜0.05wt%及び/又はSn:0.02〜0.2wt%を加
え、該珪素鋼スラブの粗圧延機入側の温度を1050〜1150
℃とすることを特徴とする磁気特性の良好な方向性珪素
鋼板の製造方法である。
<作 用> 本発明者等は、析出分散相と熱延条件が方向性珪素鋼
の磁気特性に及ぼす影響に関して研究を行った。
の磁気特性に及ぼす影響に関して研究を行った。
実験として、まず1350℃までMnSeを析出分散相として
含むスラブを加熱して粗圧延で35mm厚のシートバーとし
た後、仕上圧延を行い2.0mm厚の熱延板にして、中間焼
鈍を挟む2回の冷延により0.23mm厚とし、脱炭・一次再
結晶焼鈍を行った後、最終仕上焼鈍を行い製品板を得
た。
含むスラブを加熱して粗圧延で35mm厚のシートバーとし
た後、仕上圧延を行い2.0mm厚の熱延板にして、中間焼
鈍を挟む2回の冷延により0.23mm厚とし、脱炭・一次再
結晶焼鈍を行った後、最終仕上焼鈍を行い製品板を得
た。
このときの粗圧延機に入る時の温度と、シートバーの
頭部をシャーで切り落とし急冷して断面をマクロエッチ
して求めたシートバー断面の再結晶率との関係を第1図
に、粗圧延に入る時の温度と磁気特性との関係を第2図
に示す。この第1図,第2図によると、粗圧延入側温度
が1200〜1300℃の温度においてはシートバーの再結晶率
が高いほど磁気特性(鉄損)が良好になっているが、粗
圧延温度が1050℃〜1150℃の温度範囲ではシートバー再
結晶率が80%以上になっているのに、磁気特性は悪化し
ている。
頭部をシャーで切り落とし急冷して断面をマクロエッチ
して求めたシートバー断面の再結晶率との関係を第1図
に、粗圧延に入る時の温度と磁気特性との関係を第2図
に示す。この第1図,第2図によると、粗圧延入側温度
が1200〜1300℃の温度においてはシートバーの再結晶率
が高いほど磁気特性(鉄損)が良好になっているが、粗
圧延温度が1050℃〜1150℃の温度範囲ではシートバー再
結晶率が80%以上になっているのに、磁気特性は悪化し
ている。
一方第3図は、この実験で得られた熱延板の表面から
中心への集合組織をX線回折によって調べ、主方位が
(110)<001>方位である領域が表面からどのくらいの
深さまで浸透しているかを調査した結果と粗圧延入側温
度との関係を示したものである。この第3図によると、
シートバー再結晶率の高い粗圧延入側温度1050℃〜1150
℃の範囲で(110)<001>方位の板厚内部への侵透距離
が深くなっており、熱延板段階で(110)<001>方位を
形成するのにシートバー段階で再結晶させておくことが
有利であることを見出した。
中心への集合組織をX線回折によって調べ、主方位が
(110)<001>方位である領域が表面からどのくらいの
深さまで浸透しているかを調査した結果と粗圧延入側温
度との関係を示したものである。この第3図によると、
シートバー再結晶率の高い粗圧延入側温度1050℃〜1150
℃の範囲で(110)<001>方位の板厚内部への侵透距離
が深くなっており、熱延板段階で(110)<001>方位を
形成するのにシートバー段階で再結晶させておくことが
有利であることを見出した。
この熱延板表層の(110)<001>組織が冷間圧延で
(111)<112>方位へ変化し、さらに脱炭焼鈍で(11
0)<001>方位へ戻る、ストラクチャーメモリーの機構
により二次再結晶核が形成されることが、鉄と鋼(198
4)15第2033〜2040頁で説明されている。これによれば
熱延板表層の先鋭化した(110)<001>方位を多く形成
することにより、磁気特性を向上することができること
が予想される。
(111)<112>方位へ変化し、さらに脱炭焼鈍で(11
0)<001>方位へ戻る、ストラクチャーメモリーの機構
により二次再結晶核が形成されることが、鉄と鋼(198
4)15第2033〜2040頁で説明されている。これによれば
熱延板表層の先鋭化した(110)<001>方位を多く形成
することにより、磁気特性を向上することができること
が予想される。
従って、(110)<001>方位が主方位である領域が板
厚内部へ侵透することが、結果的に先鋭化した(110)
<001>方位を増やし磁気特性が向上することにつなが
ると本発明者等は考えた。
厚内部へ侵透することが、結果的に先鋭化した(110)
<001>方位を増やし磁気特性が向上することにつなが
ると本発明者等は考えた。
二次再結晶を左右するもう一つの要因である析出分散
層の平均粒径と粗圧延入側温度との関係を第4図に示
す。これによると粗圧延入側温度が低くなるほど平均粒
径は粗大化し、粗成長の抑制力が低下し二次再結晶に不
利となる。そのために熱延組織的には有利な条件である
はずの粗圧延入側温度1050℃〜1150℃の範囲で特性が最
良にならずに、析出分散相の粗大化条件とのかね合い
で、粗圧延入側温度が1200℃のときに磁気特性が最良に
なると考案した。
層の平均粒径と粗圧延入側温度との関係を第4図に示
す。これによると粗圧延入側温度が低くなるほど平均粒
径は粗大化し、粗成長の抑制力が低下し二次再結晶に不
利となる。そのために熱延組織的には有利な条件である
はずの粗圧延入側温度1050℃〜1150℃の範囲で特性が最
良にならずに、析出分散相の粗大化条件とのかね合い
で、粗圧延入側温度が1200℃のときに磁気特性が最良に
なると考案した。
以上の考案の上に立って、熱延組織的に最良になるは
ずの粗圧延温度が、析出分散相が粗大化する温度でもあ
るために磁気特性が悪化してしまうという問題を、本発
明者等は析出分散相としてCuXSeを用いることによって
解決した。
ずの粗圧延温度が、析出分散相が粗大化する温度でもあ
るために磁気特性が悪化してしまうという問題を、本発
明者等は析出分散相としてCuXSeを用いることによって
解決した。
本発明者等は次の成分による小型鋼塊を溶製した。
これらの鋼塊を熱延して熱延板とし、それらより試料
を採取し、1350℃2時間の焼鈍後1100℃に60秒から180
秒保持した。この試料より電子顕微鏡用薄膜の試料を採
取し、析出物の平均粒径を示したのが第5図である。ま
た同じ試料で1100℃で180秒保持したものについて化学
分析により析出量を定量したのが次の表である。
を採取し、1350℃2時間の焼鈍後1100℃に60秒から180
秒保持した。この試料より電子顕微鏡用薄膜の試料を採
取し、析出物の平均粒径を示したのが第5図である。ま
た同じ試料で1100℃で180秒保持したものについて化学
分析により析出量を定量したのが次の表である。
第5図によるとMnSeを析出分散相として利用するAの
素材の析出物の成長速度が最も速く、Cuを添加しMnを低
減したDの析出物の成長速度が最も遅かった。
素材の析出物の成長速度が最も速く、Cuを添加しMnを低
減したDの析出物の成長速度が最も遅かった。
Seの代りにSを加え、Mnを低減したEについては鋼魂
から熱延する際に熱間割れを生じた。
から熱延する際に熱間割れを生じた。
次の表によるとSeの代りにSを使用しCuを添加したC,
Eについては析出物としてはMnSおよびCuXSが存在するこ
とがわかる。これに対しSeとCuを使用したBは析出Mnが
ほとんど存在せずDでは全く存在しない。
Eについては析出物としてはMnSおよびCuXSが存在するこ
とがわかる。これに対しSeとCuを使用したBは析出Mnが
ほとんど存在せずDでは全く存在しない。
SeまたはSの固定率を析出(SeまたはS)/全(Seま
たはS)量とすると、Mnを低減したEではSの固定率が
小さく粒界割れを起こしやすくなったと考えられる。
たはS)量とすると、Mnを低減したEではSの固定率が
小さく粒界割れを起こしやすくなったと考えられる。
このようにSeおよびCuを添加しMnを低減したDでは、
その析出物はCuXSeであり成長速度は遅く、かつMnを低
減してもSeの固定能力には差が無く熱間圧延で割れを生
じることもなかった。よってSe,Cuを用いSを低減し、
析出分散相として主にCuXSeを利用して、熱延組織的に
有利な温度域でより微細な分散を保ったまま熱延するこ
とにより磁気特性を改善する可能性のあることを見い出
した。
その析出物はCuXSeであり成長速度は遅く、かつMnを低
減してもSeの固定能力には差が無く熱間圧延で割れを生
じることもなかった。よってSe,Cuを用いSを低減し、
析出分散相として主にCuXSeを利用して、熱延組織的に
有利な温度域でより微細な分散を保ったまま熱延するこ
とにより磁気特性を改善する可能性のあることを見い出
した。
本発明はこのような作用を有するものであり、このよ
うな考案の上に構成されたものである。
うな考案の上に構成されたものである。
次に本発明の構成要件の限定理由について説明する。
Cの含有量は0.07wt%を超えると脱炭焼鈍で完全に除
去することができず磁気特性が悪化し、一方0.02wt%未
満では熱延組織の改善が不十分であるので0.02〜0.07wt
%の範囲に限定される。
去することができず磁気特性が悪化し、一方0.02wt%未
満では熱延組織の改善が不十分であるので0.02〜0.07wt
%の範囲に限定される。
Siに関しては4wt%を超えると圧延が不可能であり、
2.0wt%未満では電気抵抗が小さく鉄損が大きいので2.0
〜4.0wt%に限定される。
2.0wt%未満では電気抵抗が小さく鉄損が大きいので2.0
〜4.0wt%に限定される。
Mnの含有量は通常と異なり0.02〜0.08wt%と低目に規
制される。Mnが0.08wt%を超すと析出分散相としてMnSe
が混じるために、析出物が熱延中に粗大化しやすくなり
磁気特性は悪化する。一方0.02wt%未満では熱間圧延中
に割れを生じるので0.02〜0.08wt%に限定される。
制される。Mnが0.08wt%を超すと析出分散相としてMnSe
が混じるために、析出物が熱延中に粗大化しやすくなり
磁気特性は悪化する。一方0.02wt%未満では熱間圧延中
に割れを生じるので0.02〜0.08wt%に限定される。
Cuの含有量は0.05wt%未満では析出分散相形成のため
の量が不十分であり、0.30wt%を越えると酸洗性,脱炭
性が悪くなるので0.05〜0.30wt%に限定される。
の量が不十分であり、0.30wt%を越えると酸洗性,脱炭
性が悪くなるので0.05〜0.30wt%に限定される。
Seの含有量は0.012wt%未満では析出分散相形成のた
めの量が不十分であり0.050wt%を越えると表面外観が
悪化するので0.012〜0.050wt%に限定される。
めの量が不十分であり0.050wt%を越えると表面外観が
悪化するので0.012〜0.050wt%に限定される。
その他、本発明における特徴のひとつは、S含有量を
極力低減することであり、0.005wt%以下にする。0.005
wt%を超えるとMnS,CuXSを形成し、析出分散相の微細分
散が妨げられ良好な磁気特性は得られない。
極力低減することであり、0.005wt%以下にする。0.005
wt%を超えるとMnS,CuXSを形成し、析出分散相の微細分
散が妨げられ良好な磁気特性は得られない。
粗圧延入側の温度を1050〜1150℃に制限した理由は、
この温度範囲でシートバー階段での再結晶が高く、かつ
熱延板での(110)<001>方位を有する組織の板厚方向
における厚みを増加させ磁気特性が良好になるからであ
る。
この温度範囲でシートバー階段での再結晶が高く、かつ
熱延板での(110)<001>方位を有する組織の板厚方向
における厚みを増加させ磁気特性が良好になるからであ
る。
また熱延前のスラブ加熱温度はCuXSeの溶体化温度(1
200〜1300℃)で十分である。このことは経済的に有利
である。
200〜1300℃)で十分である。このことは経済的に有利
である。
また本発明における析出分散相はCuXSeに限られる
が、これを補強する元素としてZnおよび/又はSnを微量
添加することにより一層磁気特性を向上させることがで
きる。添加量はZn0.002〜0.05wt%、Snは0.02〜0.2wt%
が好ましい。Znは0.002wt%未満では磁気特性改善効果
がなく、0.05wt%を越えると磁束密度が低くなり、また
Snは0.02wt%未満では磁気特性改善効果がなく、0.2wt
%を越えると脆性が悪化する。また、冷延の最終圧下率
は50〜80%が好適である。
が、これを補強する元素としてZnおよび/又はSnを微量
添加することにより一層磁気特性を向上させることがで
きる。添加量はZn0.002〜0.05wt%、Snは0.02〜0.2wt%
が好ましい。Znは0.002wt%未満では磁気特性改善効果
がなく、0.05wt%を越えると磁束密度が低くなり、また
Snは0.02wt%未満では磁気特性改善効果がなく、0.2wt
%を越えると脆性が悪化する。また、冷延の最終圧下率
は50〜80%が好適である。
この発明の条件で熱延された以後の工程は通常と変る
ことなく1回又は中間焼鈍を含む2回の冷延工程と脱炭
・一次再結晶焼鈍およびこれに続く高温箱焼鈍で最終製
品厚の方向性珪素鋼板を製造することができる。
ことなく1回又は中間焼鈍を含む2回の冷延工程と脱炭
・一次再結晶焼鈍およびこれに続く高温箱焼鈍で最終製
品厚の方向性珪素鋼板を製造することができる。
<実施例> 実施例1 C:0.041wt%,Si:3.2wt%,Mn:0.03wt%,Se:0.022wt%,
Cu:0.12wt%,S:0.002wt%を含み残部実質的にFeよりな
る(成分Aとする)珪素鋼スラブを1250℃に加熱し、粗
圧延入側温度を1000℃〜1200℃にして熱間圧延を行い2.
0mm厚の熱延コイルとした。比較材としてC:0.040wt%,S
i:3.0wt%,Mn:0.10wt%,Se:0.021wt%を含み残部実質的
にFeよりなる珪素鋼スラブ(成分Bとする)を1350℃で
加熱し、粗圧延入側の温度を1050〜1250℃にして熱間圧
延を行い2.0mm厚の熱延コイルとした。
Cu:0.12wt%,S:0.002wt%を含み残部実質的にFeよりな
る(成分Aとする)珪素鋼スラブを1250℃に加熱し、粗
圧延入側温度を1000℃〜1200℃にして熱間圧延を行い2.
0mm厚の熱延コイルとした。比較材としてC:0.040wt%,S
i:3.0wt%,Mn:0.10wt%,Se:0.021wt%を含み残部実質的
にFeよりなる珪素鋼スラブ(成分Bとする)を1350℃で
加熱し、粗圧延入側の温度を1050〜1250℃にして熱間圧
延を行い2.0mm厚の熱延コイルとした。
次にそれぞれ1次冷延で0.60mm厚とし1000℃4分の中
間焼鈍を行い2次冷延で0.23mm厚の製品厚に仕上げた。
次いで850℃4分間の脱炭焼鈍を湿水素中で行いMgOを塗
布してN2中での850℃の2次再結晶焼鈍とN2中での1200
℃での純化焼鈍からなる仕上焼鈍を行った。このように
して得られた最終製品の電磁特性は第1表の通りであ
る。
間焼鈍を行い2次冷延で0.23mm厚の製品厚に仕上げた。
次いで850℃4分間の脱炭焼鈍を湿水素中で行いMgOを塗
布してN2中での850℃の2次再結晶焼鈍とN2中での1200
℃での純化焼鈍からなる仕上焼鈍を行った。このように
して得られた最終製品の電磁特性は第1表の通りであ
る。
第1表に表わされるように、析出分散相としてCuXSe
を利用したAの成分で粗圧延入側温度を1050〜1150℃に
したものの磁気特性が良好である。MnSeを析出分散相と
して利用するBの成分ではAの成分に匹敵する特性は得
られない。
を利用したAの成分で粗圧延入側温度を1050〜1150℃に
したものの磁気特性が良好である。MnSeを析出分散相と
して利用するBの成分ではAの成分に匹敵する特性は得
られない。
実施例2 第2表で表わされる成分を含み残部実質的にFeよりな
る珪素鋼スラブ1250℃に加熱し粗圧延入側の温度を1100
℃にして熱間圧延を行い2.0mm厚の熱延コイルとした。
そして実施例1と同様な冷延以後の工程により0.23mm厚
の製品を得た。この製品の磁気特性は第2表のとうりで
ある。
る珪素鋼スラブ1250℃に加熱し粗圧延入側の温度を1100
℃にして熱間圧延を行い2.0mm厚の熱延コイルとした。
そして実施例1と同様な冷延以後の工程により0.23mm厚
の製品を得た。この製品の磁気特性は第2表のとうりで
ある。
第2表で表わされるようにCuXSの他にMnSを形成する
ようなS量となると良好な磁気特性は得られないことが
わかる。
ようなS量となると良好な磁気特性は得られないことが
わかる。
実施例3 第3表で表わされる成分を含み残部実質的にFeよりな
る珪素鋼スラブについて実施例2と同様な工程を用いて
得られた製品の電磁特性は第3表のとうりである。
る珪素鋼スラブについて実施例2と同様な工程を用いて
得られた製品の電磁特性は第3表のとうりである。
ZnおよびSnを添加することにより一層の磁気特性の向
上が見られる。
上が見られる。
<発明の効果> 以上詳述したように本発明により析出分散相としてCu
XSeを用いることで、結晶組織的に最も有利な温度域で
熱延することができ、磁気特性の極めて良好な方向性珪
素鋼板を得ることができた。
XSeを用いることで、結晶組織的に最も有利な温度域で
熱延することができ、磁気特性の極めて良好な方向性珪
素鋼板を得ることができた。
第1図はMnSeを析出分散相とする方向性珪素鋼のシート
バー再結晶率と粗圧延入側温度の関係を示すグラフ、第
2図は磁気特性と粗圧延入側の温度との関係を示すグラ
フ、第3図は熱延板での(110)<001>が主方位である
領域の厚さと粗圧延入側温度との関係を示すグラフ、第
4図は脱炭焼鈍後の析出物の平均粒径と粗圧延入側温度
との関係を示すグラフ、第5図は1100℃で各時間保持し
た鋼塊の析出物の平均粒径である。
バー再結晶率と粗圧延入側温度の関係を示すグラフ、第
2図は磁気特性と粗圧延入側の温度との関係を示すグラ
フ、第3図は熱延板での(110)<001>が主方位である
領域の厚さと粗圧延入側温度との関係を示すグラフ、第
4図は脱炭焼鈍後の析出物の平均粒径と粗圧延入側温度
との関係を示すグラフ、第5図は1100℃で各時間保持し
た鋼塊の析出物の平均粒径である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 嘉明 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 岩本 勝生 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.02〜0.07wt%,Si:2.0〜4.0wt%を含む
珪素鋼スラブを加熱炉にて加熱し、粗圧延機及び仕上圧
延機にて熱間圧延して熱延板とした後、1回又は中間焼
鈍を挟む2回の冷間圧延により最終板厚とし、その後脱
炭・一次再結晶焼鈍とこれに続く高温最終仕上焼鈍を施
す一連の工程からなる(110)<001>方位を主方位とす
る方向性珪素鋼板を製造する方法において、上記珪素鋼
スラブの成分として、さらにMn:0.02〜0.08wt%,Cu:0.0
5〜0.30wt%,Se:0.012〜0.050wt%を含有させ、かつS
の含有量を0.005wt%以下に規制し、該珪素鋼スラブの
粗圧延機入側の温度を1050〜1150℃とすることを特徴と
する磁気特性の良好な方向性珪素鋼板の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の珪素鋼スラブの成分として
さらにZn:0.002〜0.05wt%及び/又はSn:0.02〜0.2wt%
を加えたことを特徴とする磁気特性の良好な方向性珪素
鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP63156667A JP2776386B2 (ja) | 1988-06-27 | 1988-06-27 | 磁気特性の良好な方向性珪素鋼板の製造方法 |
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JP63156667A JP2776386B2 (ja) | 1988-06-27 | 1988-06-27 | 磁気特性の良好な方向性珪素鋼板の製造方法 |
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JPH028327A JPH028327A (ja) | 1990-01-11 |
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CN113604743B (zh) * | 2021-08-09 | 2022-08-02 | 长春工业大学 | 一种分步调控制备高磁感高强度无取向电工钢的方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5843446A (ja) * | 1981-09-10 | 1983-03-14 | Toppan Printing Co Ltd | テレビジヨン画像撮影装置におけるラスタ−の消去方法 |
JPS5931823A (ja) * | 1982-08-17 | 1984-02-21 | Kawasaki Steel Corp | 磁束密度の高い一方向性珪素鋼板の製造方法 |
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JPS6210213A (ja) * | 1985-07-08 | 1987-01-19 | Kawasaki Steel Corp | 電磁特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法 |
JPS62130217A (ja) * | 1985-12-03 | 1987-06-12 | Kawasaki Steel Corp | 電磁特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法 |
-
1988
- 1988-06-27 JP JP63156667A patent/JP2776386B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
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