JP2772804B2 - 塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する重層めっき鋼材 - Google Patents
塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する重層めっき鋼材Info
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動車その他の各種機械装置に使用される
鉄鋼材からなる板、管、クランプ、ボルト、ナットなど
の表面に塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する重層め
っきを施しためっき鋼材に関するものである。
鉄鋼材からなる板、管、クランプ、ボルト、ナットなど
の表面に塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する重層め
っきを施しためっき鋼材に関するものである。
［従来の技術］ 自動車その他の機械装置などに使用される鉄鋼材から
なる板、管、継手、クランプ、ボルト、ナットなどは、
従来から、これら部材に、Znめっき施行後さらに該Znめ
っき層の表面にクロメート皮膜を形成した製品が多用さ
れている。
なる板、管、継手、クランプ、ボルト、ナットなどは、
従来から、これら部材に、Znめっき施行後さらに該Znめ
っき層の表面にクロメート皮膜を形成した製品が多用さ
れている。
［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、前記めっき製品は、いずれも常温にお
ける腐食環境下での耐食性の向上は図ることができる
が、後述するように、自動車のエンジンルーム内などの
温度の高い環境下では未だ十分な耐食性を発揮し得な
い、という問題があった。
ける腐食環境下での耐食性の向上は図ることができる
が、後述するように、自動車のエンジンルーム内などの
温度の高い環境下では未だ十分な耐食性を発揮し得な
い、という問題があった。
本発明は、前記問題を解決し、高性能の耐食性に加え
て、耐熱性をも有し、さらに塑性加工性に優れた重層め
っき鋼材を提供することを目的とするものである。
て、耐熱性をも有し、さらに塑性加工性に優れた重層め
っき鋼材を提供することを目的とするものである。
［課題を解決するための手段］ 本発明者は、前記問題を解決し、前記目的を達成する
ために鋭意研究を重ねた結果、下層として特定層厚のNi
めっき層を形成し、その上にZnめっき層を被着し、さら
に、その上にクロメート皮膜を形成せしめることによっ
て前記した目的を達し得ることを見出して本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、鉄鋼材の表面、又は
表面に銅を有する鉄鋼材の表面に電気鍍金により形成し
た層厚0.2〜10μｍのNiめっき層上に、更にZnめつき層
を重層し、該Znめっき層の表面にクロメート被膜を有し
て構成した塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する耐熱
・耐食性重層めっき鋼材を特徴とするものである。
ために鋭意研究を重ねた結果、下層として特定層厚のNi
めっき層を形成し、その上にZnめっき層を被着し、さら
に、その上にクロメート皮膜を形成せしめることによっ
て前記した目的を達し得ることを見出して本発明を完成
するに至った。すなわち本発明は、鉄鋼材の表面、又は
表面に銅を有する鉄鋼材の表面に電気鍍金により形成し
た層厚0.2〜10μｍのNiめっき層上に、更にZnめつき層
を重層し、該Znめっき層の表面にクロメート被膜を有し
て構成した塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する耐熱
・耐食性重層めっき鋼材を特徴とするものである。
本発明において使用する素材は、板、管、継手、クラ
ンプ、ボルト、ナット等の鉄鋼材であって、特に自動車
用の油圧、燃料配管などに使用される外径が10mm程度以
下の比較的細径管に適用され、この場合、表面及び重合
面間に溶着のための銅層を有する二重巻鋼管であっても
よく、優れた効果を発揮し得るものである。
ンプ、ボルト、ナット等の鉄鋼材であって、特に自動車
用の油圧、燃料配管などに使用される外径が10mm程度以
下の比較的細径管に適用され、この場合、表面及び重合
面間に溶着のための銅層を有する二重巻鋼管であっても
よく、優れた効果を発揮し得るものである。
次に、下層として施されるNiめっきはその層厚を0.2
〜10μｍと限定したものであって、後に示す試験結果か
らも明らかなように層厚が0.2μｍ未満では、鉄鋼素地
に対する被覆能力が劣り、耐熱耐食性の改善効果があま
り認められないし、又、層厚を10μｍを超えて厚くする
とプレス、曲げ加工などの塑性加工の際に剥離、亀裂な
どが発生する恐れがあり、めっき層を厚くする割には耐
食性の向上を期待できないからである。このNiめっき層
は、電気めっきにより形成され、めっき浴としては、め
っき層の応力を少なくする上でワット浴を使用し、層厚
が0.2〜10μｍの範囲の所定層厚になるように処理する
ことが好ましい。
〜10μｍと限定したものであって、後に示す試験結果か
らも明らかなように層厚が0.2μｍ未満では、鉄鋼素地
に対する被覆能力が劣り、耐熱耐食性の改善効果があま
り認められないし、又、層厚を10μｍを超えて厚くする
とプレス、曲げ加工などの塑性加工の際に剥離、亀裂な
どが発生する恐れがあり、めっき層を厚くする割には耐
食性の向上を期待できないからである。このNiめっき層
は、電気めっきにより形成され、めっき浴としては、め
っき層の応力を少なくする上でワット浴を使用し、層厚
が0.2〜10μｍの範囲の所定層厚になるように処理する
ことが好ましい。
又、Znめっき層は、公知の青化浴又は硫酸浴を使用し
て電気めっきにより形成されるものである。
て電気めっきにより形成されるものである。
尚高温環境下における耐食性の向上はZnめっき層とNi
めっき層との界面にZn−Ni拡散層が形成されるものと思
われる。
めっき層との界面にZn−Ni拡散層が形成されるものと思
われる。
さらに、クロメート皮膜は、クロム酸又は重クロム酸
に硫酸を添加した処理液或いは市販のZnめっき用クロメ
ート処理液（例、デイップリール社製Ｚ−493）を使用
して形成される。
に硫酸を添加した処理液或いは市販のZnめっき用クロメ
ート処理液（例、デイップリール社製Ｚ−493）を使用
して形成される。
本発明は、このようにして形成された重層めっき鋼材
であって、以下に示す実施例の結果からも明らかなよう
に耐食性に優れ、とくに高温環境下においても、また塑
性加工として曲げ加工を施した屈曲部においても耐食性
が優れていることが確認された。
であって、以下に示す実施例の結果からも明らかなよう
に耐食性に優れ、とくに高温環境下においても、また塑
性加工として曲げ加工を施した屈曲部においても耐食性
が優れていることが確認された。
［実施例］ 次に、本発明の実施例について述べる。
実施例１ 表面に造管時の溶着Cuめっき層約３μｍを有するSPCC
材を使用して管径8mm、肉厚0.7mm、長さ380mmの二重巻
鋼管（ａ）を製作し、まず、Niめっき層をワット浴を使
用して液温52〜57℃、電流密度3A/dm2で層厚を0.5μｍ
乃至10μｍの範囲でそれぞれ変えて形成した。ついで、
28g/ ZnO、50g/ NaCN、80g/ NaOHからなる浴液を
使用して、液温25℃、電流密度3A/dm2で15分間処理して
層厚８μｍのZnめっき層をNiめっき層上に被着した。さ
らに、Ｚ−493（商品名、デイップリール社製）10ml/
を使用して液温25℃で20秒間浸漬処理してクロメート皮
膜をZnめっき層上に形成し、重層めっき鋼管を製作し
た。
材を使用して管径8mm、肉厚0.7mm、長さ380mmの二重巻
鋼管（ａ）を製作し、まず、Niめっき層をワット浴を使
用して液温52〜57℃、電流密度3A/dm2で層厚を0.5μｍ
乃至10μｍの範囲でそれぞれ変えて形成した。ついで、
28g/ ZnO、50g/ NaCN、80g/ NaOHからなる浴液を
使用して、液温25℃、電流密度3A/dm2で15分間処理して
層厚８μｍのZnめっき層をNiめっき層上に被着した。さ
らに、Ｚ−493（商品名、デイップリール社製）10ml/
を使用して液温25℃で20秒間浸漬処理してクロメート皮
膜をZnめっき層上に形成し、重層めっき鋼管を製作し
た。
得られた重層めっき鋼管のそれぞれの一端側を、25R
で180゜屈曲させてステッキ状とし、その２本について
耐食性をJIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験を行ない、赤
銹発生までの時間を測定して求め、さらに、他の２本に
ついて200℃に24時間加熱した後のJIS Z 2371に基づく
塩水噴霧試験による赤銹発生までの時間を測定して耐熱
耐食性を求めた。これらの結果を第１表に示す（試料番
号１〜５）。
で180゜屈曲させてステッキ状とし、その２本について
耐食性をJIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験を行ない、赤
銹発生までの時間を測定して求め、さらに、他の２本に
ついて200℃に24時間加熱した後のJIS Z 2371に基づく
塩水噴霧試験による赤銹発生までの時間を測定して耐熱
耐食性を求めた。これらの結果を第１表に示す（試料番
号１〜５）。
実施例２ 鉄鋼材としてSTPG−38材を使用して実施例１と同様寸
法の電縫管（ｂ）を製作し、実施例１と同様にして重層
めっき鋼管を製作し、実施例１と同様に各試験を行なっ
た。これらの結果を第１表に示す（試料番号６〜10）。
法の電縫管（ｂ）を製作し、実施例１と同様にして重層
めっき鋼管を製作し、実施例１と同様に各試験を行なっ
た。これらの結果を第１表に示す（試料番号６〜10）。
比較例１ 実施例１及び実施例２と同様な二重巻鋼管（ａ）及び
電縫管（ｂ）を使用して、実施例１と同様にして、Niめ
っき層を層厚0.1及び15μｍになるようそれぞれ形成
し、その上に実施例１と同様のZnめっき層及びクロメー
ト皮膜を形成した重層めっき鋼管を製作し、実施例１と
同様にして各試験を行なった。これらの結果を第１表に
示す（試料番号11〜14）。
電縫管（ｂ）を使用して、実施例１と同様にして、Niめ
っき層を層厚0.1及び15μｍになるようそれぞれ形成
し、その上に実施例１と同様のZnめっき層及びクロメー
ト皮膜を形成した重層めっき鋼管を製作し、実施例１と
同様にして各試験を行なった。これらの結果を第１表に
示す（試料番号11〜14）。
比較例２ 実施例１及び実施例２と同様な二重巻鋼管（ａ）及び
電縫管（ｂ）を使用して、Niめっき層を形成しないで実
施例１と同様にしてZnめっき層及びクロメート皮膜を形
成したZnめっき鋼管を製作し、実施例１と同様にして各
試験を行なった。これらの結果を第１表に示す（試料番
号15,16）。
電縫管（ｂ）を使用して、Niめっき層を形成しないで実
施例１と同様にしてZnめっき層及びクロメート皮膜を形
成したZnめっき鋼管を製作し、実施例１と同様にして各
試験を行なった。これらの結果を第１表に示す（試料番
号15,16）。
［発明の効果］ 本発明は、下層として特定層厚のNiめっき層を形成
し、その上にZnめっき層、さらにその上にクロメート皮
膜を形成させた重層めっき鋼材であるので、いちじるし
く耐食性に優れ、とくに加熱処理後においても耐食性が
劣化を生じることなく、また曲げ加工やプレス加工など
の塑性加工に際してめっき層の剥離や亀裂などの発生が
なく、かつ該塑性加工部における耐食性も優れており、
自動車のエンジンルーム内など温度の高い環境下で使用
する鉄鋼材として好適であるなど、きわめて優れた効果
が認められる。
し、その上にZnめっき層、さらにその上にクロメート皮
膜を形成させた重層めっき鋼材であるので、いちじるし
く耐食性に優れ、とくに加熱処理後においても耐食性が
劣化を生じることなく、また曲げ加工やプレス加工など
の塑性加工に際してめっき層の剥離や亀裂などの発生が
なく、かつ該塑性加工部における耐食性も優れており、
自動車のエンジンルーム内など温度の高い環境下で使用
する鉄鋼材として好適であるなど、きわめて優れた効果
が認められる。
Claims (2)
- 【請求項１】鉄鋼材の表面に電気鍍金により形成した層
厚0.2〜10μｍのNiめっき層上に、更にZnめつき層を重
層し、該Znめっき層の表面にクロメート被膜を有して構
成したことを特徴とする塑性加工性に優れ耐熱・耐食性
を有する重層めっき鋼材。 - 【請求項２】表面に銅層を有する鉄鋼材の表面に電気鍍
金により形成した層厚0.2〜10μｍのNiめっき層上に、
更にZnめっき層を重層し、該Znめっき層の表面にクロメ
ート被膜を有して構成したことを特徴とする塑性加工性
に優れ耐熱・耐食性を有する重層めっき鋼材。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63274220A JP2772804B2 (ja) | 1988-10-29 | 1988-10-29 | 塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する重層めっき鋼材 |
| DE3934112A DE3934112A1 (de) | 1988-10-29 | 1989-10-12 | Stahlerzeugnis mit waermebestaendigen, korrosionsbestaendigen ueberzugsschichten |
| KR1019890015483A KR930008343B1 (ko) | 1988-10-29 | 1989-10-27 | 내열성 및 내식성 도금층을 갖는 강제품 |
| US07/900,795 US5246786A (en) | 1988-10-29 | 1992-06-22 | Steel product with heat-resistant, corrosion-resistant plating layers |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63274220A JP2772804B2 (ja) | 1988-10-29 | 1988-10-29 | 塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する重層めっき鋼材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02122093A JPH02122093A (ja) | 1990-05-09 |
| JP2772804B2 true JP2772804B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=17538699
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63274220A Expired - Fee Related JP2772804B2 (ja) | 1988-10-29 | 1988-10-29 | 塑性加工性に優れ耐熱・耐食性を有する重層めっき鋼材 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2772804B2 (ja) |
| KR (1) | KR930008343B1 (ja) |
| DE (1) | DE3934112A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04202795A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-23 | Nitto Seiko Co Ltd | ねじのめっき方法 |
| GB9111633D0 (en) * | 1991-05-30 | 1991-07-24 | Raychem Ltd | Dimensionally-recoverable article |
| JP2652609B2 (ja) * | 1993-05-31 | 1997-09-10 | ミズ株式会社 | 電解水生成装置 |
| DE19813641B4 (de) * | 1998-03-27 | 2009-02-26 | Luk Lamellen Und Kupplungsbau Beteiligungs Kg | Hydraulisch betätigbare Ausrückvorrichtung |
| US7726121B2 (en) | 2004-08-06 | 2010-06-01 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Engine part |
| ITPN20130032A1 (it) * | 2013-06-20 | 2014-12-21 | Evio Vazzoler | Metodo per la formazione di un elemento metallico sagomato |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5638495A (en) * | 1979-09-04 | 1981-04-13 | Kobe Steel Ltd | Surface-treated steel material with high corrosion resistance |
| JPS61222736A (ja) * | 1985-03-28 | 1986-10-03 | 臼井国際産業株式会社 | 耐食性被覆鋼管およびその被覆形成方法 |
| JPS6286191A (ja) * | 1985-10-09 | 1987-04-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 燃料容器用２層めつき鋼板 |
-
1988
- 1988-10-29 JP JP63274220A patent/JP2772804B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1989
- 1989-10-12 DE DE3934112A patent/DE3934112A1/de active Granted
- 1989-10-27 KR KR1019890015483A patent/KR930008343B1/ko not_active IP Right Cessation
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| DE3934112C2 (ja) | 1992-11-05 |
| JPH02122093A (ja) | 1990-05-09 |
| KR930008343B1 (ko) | 1993-08-30 |
| DE3934112A1 (de) | 1990-05-03 |
| KR900006564A (ko) | 1990-05-08 |
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Legal Events
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