JP2018070973A - 耐食性に優れた接合体 - Google Patents

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真明 内山
辻村 太佳夫
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太佳夫 辻村
服部 保徳
Yasunori Hattori
保徳 服部
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Abstract

【課題】主にアルミニウム合金で構成される部材と、主に鋼板で構成される部材から構成される複合体が腐食環境下に置かれた場合に、異種金属の接触により生じる電位差によって腐食が促進される、いわゆる電食と呼ばれる問題が起こる。この問題を、部材の表面に塗装などの絶縁性を有する被覆を施すことや、部材間に絶縁フィルムを挟みこむなどの、コストアップや工程増となる対策以外の手段で電食を軽減することができる接合体を提供する。【解決手段】主にアルミニウム合金で構成される部材と、主に鋼板で構成される部材が、金属薄膜層を介して接触する状態で一体化された接合体であって、鋼板に施された表面処理層が2重量%以上10重量%以下のマグネシウムと3.5重量%以上20重量%以下のアルミニウムを含み、残部が亜鉛からなる金属合金である接合体。【選択図】図1

Description

本発明は、主にアルミニウム合金で構成される部材と、主に鋼板で構成される部材が、金属薄膜層を介して接触する状態で一体化された金属部材の接合体に関する。
アルミニウム合金、あるいは鋼板、特に亜鉛系めっき鋼板はいずれも、自動車部品、家電製品、電子部品、建材等様々な分野で用いられている。アルミニウム合金は軽量で耐食性に富む一方、亜鉛系めっき鋼板は比較的安価で強度に優れた材料である。そこで、両者の材料のそれぞれの長所を生かすように設計し、接合等の手法で一体化した部材として使用する方法がある。
すなわち、アルミニウム合金のみで作製した部材に対して、強度が必要な部位を鋼板に置き換える等の設計を行うことにより、アルミニウム合金と鋼板を一体に接合した部材は、同一の強度を有しながら、より低コストで作製することができる。また、鋼板のみで作製した部材に対して、強度が不要な部位をアルミニウム合金で置き換える等の設計を行うことにより、部材を軽量化することができる。このため、アルミニウム合金と鋼板を一体に接合して部材を作製することは、コスト、軽量化等でメリットが大きいため、広く一般的に行われている。
一方、腐食環境に置かれた異種金属の接合体は、その電位差により腐食が促進される現象が知られており、一般に電食と呼ばれている。アルミニウム合金と鋼板からなる接合体もこの例外ではない。
電食を軽減したり、防止したりする方法として、接合体を構成する部材同士を電気的に絶縁する方法がある。接合前に部材の表面に塗装などの絶縁性を有する被覆を施したり、接合面に絶縁性のフィルムを挟み込んだりすることができる。しかし、この方法は部材のコストが上がることは明らかであり、コストアップや余分な部材あるいは製造工程なしに電食が軽減される方法が求められている。
近年、自動車や建材に用いられる部材に対して、CO2排出量の削減につながるライフサイクルコスト低減が重視されるようになっている。すなわち、部材に対し、非常に高いレベルの耐久寿命が求められるようになってきている。
亜鉛合金は大気暴露環境下や塩害環境下で優れた耐食性を示すことが知られており、鋼板表面に亜鉛合金をめっきにより被覆した亜鉛系めっき鋼板も、この亜鉛合金の働きにより、高い耐食性を有する。
亜鉛系めっき鋼板の耐食性をさらに向上させる方法として、めっき層中の亜鉛合金中にアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、シリコン、ニッケル、マンガン等の添加元素を導入することが知られている。特に、アルミニウムおよびマグネシウムはめっき層を構成する亜鉛合金に添加することにより、亜鉛系めっき鋼板の耐食性を向上させる元素であり、この技術は溶融Zn-Al-Mg合金めっき鋼板として実用化されている。
特許第3149129号
腐食環境に置かれたアルミニウム合金と鋼材からなる異種金属の接合体は、その電位差により腐食が促進される、いわゆる電食という現象が不可避である。そのため、コストアップや余分な部材あるいは製造工程なしに電食が軽減される方法が求められている。
本発明者らは、アルミニウム合金板と各種表面処理鋼板の接合体における接合部の腐食について広範な調査研究を実施した。その結果、特定の組成を有する金属合金がアルミニウムと鋼板の接触界面付近に存在することで接触界面におけるアルミニウム合金の腐食速度が大幅に変化するという知見を得た。具体的には、アルミニウム合金と、めっき層にアルミニウムおよびマグネシウムを添加した亜鉛系めっき鋼板を接合体とした場合、アルミニウム側の耐食性を著しく向上させることに成功し、本発明に至ったものである。
以上の知見に基づき得られた本発明は次のとおりである。主にアルミニウム合金で構成される部材と、主に鋼板で構成される部材が、金属薄膜層を介して接触する状態で一体化された接合体において、金属薄膜層が、2重量%以上10重量%以下のマグネシウムと3.5重量%以上20重量%以下のアルミニウムを含み、残部が亜鉛ならびに不可避的不純物からなる金属合金である場合に、特にアルミニウム合金の電食が実用上十分に軽減され、部材の長寿命化が達成できる。
本発明により、軽量化、高強度化、低コスト化が同時に達成できるように設計されたアルミニウムと鋼板の接合体を、部材コストアップや余分な部材あるいは製造工程なしに電食を軽減し、著しく耐食性を向上させて長寿命化することができる。
試験に用いた接合部材の形状を示す図である。
本発明について以下に詳しく説明する。なお、以下の記載は、発明の趣旨をよりよく理解させるためのものであるから、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
アルミニウム合金は、純アルミニウム、または少なくとも85%以上のアルミニウム元素を含むアルミニウム合金を意図しており、公知の各種添加元素を含むアルミニウム合金を用いることができる。
鋼板は炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼板など、公知の鋼板を用いることができる。鋼板表面に施す亜鉛系めっき層の組成は、2重量%以上10重量%以下のマグネシウムと3.5重量%以上20重量%以下のアルミニウムを含み、残部が亜鉛からなる金属合金である。
めっき層中のアルミニウムおよびマグネシウムは接合体の電食を効果的に抑制し、耐食性を向上される元素として溶融亜鉛めっき層中に存在する。マグネシウム組成は2重量%以上10重量%以下が好ましい。2重量%未満では接合体の耐食性が不足する。10重量%を超えると、溶融めっきプロセス時のMgの酸化消耗が著しくなる。より好ましい範囲は2重量%以上5重量%以下である。アルミニウム組成は3.5重量%以上20重量%以下が好ましい。3.5重量%未満だと接合体の耐食性が不足する。20重量%を超えると、溶融めっき浴の融点が上昇し、溶融めっき時にめっき層と鋼板の間に形成される金属間化合物相が厚く成長するため、鋼材の加工性と加工時のめっき層の密着性を低下させる。
アルミニウム合金と鋼板を一体に接合した状態で、部材として強度やその他の機能を発揮するため、アルミニウム合金と鋼板が十分な接合強度を有しながら接合される必要がある。このための接合方法は、スポット溶接や、ボルトナット等による締結など、現在において公知の各種接合技術を用いることができる。
アルミニウム合金板は1050番(純度99.5%以上)を使用した。板厚1.0mmのアルミニウム合金板を幅30mm、長さ70mmに切断した後、2箇所に8mmの穴あけを施した。後述する接合工程後に亜鉛系めっき鋼板と接触しない面は、試験中の腐食を防止するためにポリエステルテープで保護した。
亜鉛系めっき鋼板は、溶融めっきプロセスにおいて、溶融亜鉛浴中へのアルミニウムとマグネシウムの添加量を適宜変えて作製したものを使用した。めっき母材となる鋼板には、JIS G3141に定められる冷間圧延鋼板を用いた。板厚1.0mmの鋼板に、付着膜厚を片面20μmにそろえて溶融亜鉛系めっきを施した後、幅50mm、長さ125mmに切断し、2箇所に8mmの穴あけを施した。後述する接合工程後にアルミニウム合金板と接触しない面は、試験中の腐食を防止するためにポリエステルテープで保護した。亜鉛系めっき鋼板の切断端面すなわち、試験片の外周部も端面からの腐食を防止するためにポリエステルテープで保護した。
アルミニウム合金板と亜鉛系めっき鋼板を、2箇所の穴あけ部を一致させた状態で重ね、塩化ビニル製のボルト、ナット、ワッシャーを用いて締結することで、接合体を作製した。締結部材に塩化ビニルを用いたのは、締結部材による電食が発生することを避けるためである。
接合体に対して、JIS H8502に規定される中性塩水噴霧サイクル試験を200サイクル行った後、塩化ビニル製締結部材を取り外し、アルミニウム合金板と亜鉛系めっき鋼板をそれぞれ分離した。
アルミニウム合金板の腐食生成物を除去した後、ポリエステルテープをはがし、ポイントマイクロメーターで板厚を測定することにより、アルミニウム合金板の片面の侵食深さを測定した。
亜鉛系めっき鋼板の腐食生成物とめっき層を除去した後、ポリエステルテープをはがし、ポイントマイクロメーターで板厚を測定することにより、鋼板の片面の侵食深さを測定した。
なお、侵食深さの測定は目視で腐食が著しい箇所を10点選んで計測し、その中で最大となる値を代表値として用いた。
表1に測定した侵食深さを示す。アルミニウム合金板の侵食深さと、亜鉛系めっき鋼板の母材鋼板の侵食深さとの合計が0.5mm未満の場を合格とし、0.5mm以上の場合を不合格とした。
アルミニウムが3.5重量%以上、あるいはマグネシウムが2重量%以上の場合に、アルミニウム合金板の侵食深さが0.5mm未満となり、比較材に比べて著しく耐食性が向上していることがわかる。
Figure 2018070973
本発明を用いれば、耐食性に優れたアルミニウムと鋼の接合体の製造が可能となる。これにより、自動車部品や建材等の分野において、軽量化、高強度化、低コスト化、等と、長寿命化が同時に達成できる部材を提供することができる。
10 アルミニウム合金板
20 亜鉛系めっき鋼板
30 塩化ビニル製ボルト
40 塩化ビニル製ワッシャー
50 塩化ビニル製ナット
60 接合面
70 ポリエステルテープ

Claims (1)

  1. 主にアルミニウム合金で構成される部材と、
    主に鋼板で構成される部材が、金属薄膜層を介して接触する状態で一体化された接合体であって、
    その金属薄膜層が鋼板に施された表面処理層であり、その表面処理層が、2重量%以上10重量%以下のマグネシウムと3.5重量%以上20重量%以下のアルミニウムを含み、残部が亜鉛からなる金属合金である、
    接合体。
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JP2022527593A (ja) * 2019-04-09 2022-06-02 アルセロールミタル アルミニウム部品と、ケイ素、鉄、亜鉛及びマグネシウムを含み、残余がアルミニウムである合金化コーティングを有するプレス硬化鋼部品との組立体

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