JP2003253469A - 半田濡れ性および耐食性に優れたSn系表面処理鋼板並びにその製造方法 - Google Patents

半田濡れ性および耐食性に優れたSn系表面処理鋼板並びにその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pbを一切含有することなく、かつPbフリー半
田との間に良好な濡れ性を備え、しかも耐食性に優れ
た、Sn系表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼板表面の少なくとも片面に、鋼板側か
ら順に、付着量が1.0〜10.0g/m2かつZnを5.0〜50.0質量
%含有する電気Ni−Zn合金層、Sn、NiおよびFeを含有す
るSn−Fe−Ni合金層および付着量が5.0〜10.0g/m2Sn層
を形成し、さらに該Sn層の上に、付着量が0.5〜50.0mg/
m2のPとSnとを含有するりん酸塩皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半田濡れ性に優
れたSn 系表面処理鋼板であって、特にPbを全く含有せ
ずかつ耐食性に優れた、家電製品等の部品に用いて好適
な、Sn系表面処理鋼板並びにその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】家電製品のシャーシや部品ケース等に
は、冷間圧延鋼板が用いられることが多い。これらシャ
ーシや部品ケースに用いられた鋼板は、その設置先にお
いて、各種部品と半田により接合される場合がある。こ
の半田接合を良好に行うために、鋼板には半田との濡れ
性を向上させる表面処理が施されるのが通例である。こ
の表面処理として、例えばPb−Sn合金めっき皮膜は、鋼
板に良好な半田濡れ性を付与し、またホイスカーを発生
しないため、この皮膜をめっきした鋼板は、従来家電製
品等に広く用いられてきた。
【0003】ここで、ホイスカーとは、SnやZnなどの金
属より自然に発生、成長するひげ状結晶のことである。
このホイスカーが成長して他の部品に接触するか、ある
いは振動や空気流などにより折れて電気回路上に落下す
ると、回路の短絡の原因になる。従って、家電製品等に
は、ホイスカーを発生しない表面処理を施した鋼板を用
いる必要がある。
【0004】ところで、近年、廃棄された工業製品の部
品に含まれるPbが、雨などに曝される事により溶出し、
土壌汚染の原因となることが指摘されている。また、Pb
で汚染された地下水を飲用することによりPbが人体に蓄
積され、疼痛、知能障害、精神不安定などの中毒症状を
引き起こす。このため、世界的にPbの使用を規制しよう
とする機運が高まってきており、Pbを含有する製品の代
替品開発が産業上非常に重要となってきている。
【0005】これまで半田にはSn−Pb合金が用いられて
きたが、上記の理由から、Pbを含まない半田、つまりPb
フリー半田として、Sn−Ag−Cu系等の合金が開発され、
用いられるようになってきている。前述のように、半田
との間で良好な濡れ性が必要とされる鋼板には、Pb−Sn
合金めっき皮膜を形成した鋼板が用いられてきたが、Pb
を含有する半田とともに、このPbを含有する表面処理鋼
板もその代替が求められている。すなわち、皮膜中にPb
を含まず、Pbフリー半田とも良好な濡れ性を備え、かつ
ホイスカーの発生の無い表面処理鋼板が必要とされてい
る。特に、Pbフリー半田は、Pb−Sn半田に比べ融点が高
くなっているものが多く、従来以上に優れた半田濡れ性
が、表面処理鋼板に要求される。
【0006】Pbを含まずかつ半田濡れ性のある表面処理
を施した鋼板としては、特開昭63−266089号、特開平2
−270970号および特開平3−183796号各公報に、鋼板側
から順にNiめっき、SnめっきおよびZnめっきを施した
後、加熱処理によって該めっき層を合金化させ、Sn−Z
n、Zn−Ni、Sn−NiおよびFe−Ni合金を主体とする皮膜
を形成させ、さらにクロメート皮膜を付着させたことを
特徴とする耐ホイスカー性並びに半田性に優れた表面処
理鋼板が開示されている。しかし、この鋼板は、耐ホイ
スカー性は良いものの、Pbフリー半田との濡れ性に劣
り、前記の要求を満足するものではなかった。
【0007】また、特開昭63−290292号公報には、Niめ
っき後加熱処理して鋼板と合金化させた後、0.2〜1.0g/
m2のSnめっき、その上にZnめっきを施したのち加熱す
る、製造方法が開示されているが、この製造方法による
鋼板ではSnめっき量が小さいために半田濡れ性そのもの
が劣っている。
【0008】さらに、同公報に開示されている鋼板で
は、不働態化処理として従来公知のクロメート処理を行
っているが、Cr酸化物を主体とするクロメート皮膜は表
面処理鋼板の半田濡れ性を阻害するものであり、上記公
報に記載の無電解処理によるクロメート皮膜でも半田濡
れ性は阻害される。しかしながらSn−Zn系めっき皮膜の
表面では、酸化によるSn酸化物やZn酸化物の成長が大き
く、半田濡れ性が経時劣化してしまうために、表面にク
ロメート処理を行わざるを得ず、従って十分な半田濡れ
性を得ることは難しいものであった。さらにまた、この
鋼板では、塩水噴霧試験等の耐食性試験における耐食性
が劣り、家電製品用としての耐食性が不十分である。
【0009】一方、特開2000−119833号公報には、1〜
50質量%のZnを含むSn−Znめっき鋼板が開示されている
が、この鋼板は溶融めっきであり、表層に熱によるZn酸
化物が多量に生成するのを避けられないため、半田濡れ
性が十分ではない。また、同公報の実施例に開示されて
いる、アクリル樹脂を含有するクロメート皮膜やPとSi
とアクリル樹脂からなる化成皮膜も半田濡れ性に劣る物
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、Pbを一切
含有することなく、かつPbフリー半田との間に良好な濡
れ性を備え、しかも耐食性に優れた、Sn系表面処理鋼板
を、その製造方法に併せて提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】さて、Sn−Znを主体とす
るめっき層にクロメート処理を行う上記従来技術では、
Pbフリー半田に対して濡れ性を満足させることは困難で
あった。そこで、発明者らは、表面処理鋼板における上
記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特に半田濡
れ性には最表面の皮膜が重要であり、P付着量が50.0mg
/m2 以下であり、Snを含有するりん酸塩皮膜が、従来の
Cr酸化物主体のクロメート処理に比べて、Znの酸化を抑
制しつつPbフリー半田との濡れ性をもたらすのに有効で
あることを新規に見出し、この発明を完成するに到っ
た。さらに、最下層に、Ni−Zn合金層を設けることによ
って、塩水噴霧試験において優れた耐食性を示すこと
も、新規に見出した。
【0012】すなわち、この発明は、鋼板表面の少なく
とも片面に、鋼板側から順に、付着量が1.0〜10.0g/m2
かつZnを5.0〜50.0質量%含有する電気Ni−Zn合金層、S
n、NiおよびFeを含有するSn−Fe−Ni合金層および付着
量が5.0〜10.0g/m2Sn層を有し、さらに該Sn層の上に、
付着量が0.5〜50.0mg/m2のPとSnとを含有するりん酸塩
皮膜を有することを特徴とする半田濡れ性および耐食性
に優れたSn系表面処理鋼板である。
【0013】また、上記Sn系表面処理鋼板は、鋼板表面
の少なくとも片面に、電気Ni−Zn合金めっき処理を施し
た後、錫めっき処理を施し、次いで加熱したのち、Pお
よびSnを含有するりん酸塩皮膜を形成することを特徴と
する方法によって、製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の構成を詳細に
説明する。この発明では、まず鋼板表面の少なくとも片
面に、1.0 〜10.0g/m2でかつZnを5.0 〜50.0質量%含有
する電気Ni−Zn合金層を有する。この電気Ni−Zn合金層
は、塩水噴霧試験における赤錆発生の抑制のために設け
る。ここに、発明者らが、家電用として半田濡れ性を損
なわず耐食性を向上させる方法を鋭意検討した結果、Sn
層の下層として電気Ni−Zn合金めっきを設けると、半田
性と耐食性との両方を十分満足できることを新規に見出
した。すなわち、付着量1.0 g/m2未満の電気Ni−Zn合金
層では、塩水噴霧試験で十分な耐食性が得られず、一方
10.0g/m2をこえると耐食性は十分であるが、これ以上多
くても耐食性には格段の効果がなくコスト高になるだけ
であることから、電気Ni−Zn合金層の付着量は1.0 〜1
0.0g/m2の範囲とする。
【0015】また、電気Ni−Zn合金層中のZn含有量は、
5.0 〜50.0質量%とする。すなわち、Zn含有量が5.0 質
量%未満では、耐食性が不十分になり、一方50.0質量%
をこえると、かえって耐食性が低下する。
【0016】ここで、電気Ni−Zn合金層は、Znイオンお
よびNiイオンを含有する、酸性めっき浴を用いる電気め
っきによって、形成することが肝要である。なぜなら、
電気めっき法では上記Zn含有範囲のNi−Zn合金めっきを
均一かつ安定に形成でき、その後のSnめっき後溶錫処理
においても表層の一部のみがSnと合金化するのみで耐食
性に必要なNi−Zn合金層が堅持できるからである。ちな
みに、NiとZnを別に重ねてめっきし、その上にSnめっき
して溶錫処理で合金化させる方法では、Ni−Znの合金よ
りもSn−Zn合金やSn−Ni合金の形成が早くおこるために
不均一となり、優れた耐食性は得られない。
【0017】上記電気Ni−Zn合金層の上には、SnとNiお
よびFeとを含有する合金層を有する。このSn−Fe−Ni合
金層は、主にPbフリー半田と相溶する上層のSn層と下層
のNi−Zn合金層とを接続する役目を担う。このSn−Fe−
Ni合金層の存在により、上層のSn層がPbフリー半田と相
溶した際に、上層および半田中の溶融したSnが下層のNi
−Zn合金層に接触する過程がより円滑に進行する結果、
濡れ性が向上するのである。
【0018】このSn−Fe−Ni合金層の厚みや組成は特に
限定するものではないが、厚すぎるとかえって濡れ性が
低下する事があるため、0.20μm以下の厚に調整してお
くことが好ましい。一方、厚みが0.02μm未満では濡れ
性が不十分になることがあるため、Sn−Fe−Ni合金層の
厚みは、0.02〜0.20μmの範囲とすることが好ましい。
より優れた濡れ性を得るには、Sn−Fe−Ni合金層中のSn
量を、70質量%以上にしておくことが好ましい。
【0019】このSn−Fe−Ni合金層を形成するには、下
層のNi−Zn合金層上にSnめっき層を形成した後、加熱し
て熱的拡散により合金化させる方法が、最も低コストで
効率的である。
【0020】上記Sn−Fe−Ni合金層の上には、付着量が
5.0 〜10.0g/m2のSn層を有する。ここに、Pbフリー半田
は従来のPb−Sn半田より融点が高く濡れ難いことから、
このPbフリー半田との十分な濡れ性を確保できるSn量を
検討した結果、付着量が5.0g/m2以上のSnが必要である
ことがわかった。すなわち、Sn量が5.0g/m2未満では、P
bフリー半田との濡れ性が不十分になる。Sn量は多いほ
ど濡れ性は良好であるが、10.0g/m2をこえると濡れ性向
上効果はほとんど飽和し、また必要以上のSn量はコスト
高になるため、10.0g/m2以下とする。Sn層は、公知の電
気めっき法によって形成させれば良い。
【0021】さらに、この発明の表面処理鋼板は、Sn層
の上に、P付着量が0.5〜50.0mg/m2の範囲である、Pお
よびSnを含有するりん酸塩皮膜を有することが肝要であ
る。前述したようにSnは酸化されやすいため、経時的に
Sn層表面に酸化Snが生成し、半田濡れ性が劣化して行
く。そこで、この経時による酸化進行を抑制する方法を
鋭意検討した結果、りん酸塩処理が従来のクロメート処
理のような濡れ性低下を起こさずにSn経時酸化を抑制で
きることを新規に見出した。すなわち、りん酸塩処理に
て、PとSnとを含むりん酸塩皮膜がSn層表面に形成され
ると、このりん酸塩皮膜が効果的に酸素を遮断するた
め、Snの経時酸化が抑制される。また、このりん酸塩皮
膜にはSnが含有されるために、Snを90質量%以上含有す
る、Pbフリー半田との濡れ性を阻害することは極めて少
ない。
【0022】ここで、りん酸塩皮膜におけるP付着量は
0.5〜50.0mg/m2の範囲とする。すなわち、P付着量が0.
5mg/m2未満であると、Snの経時酸化が進行して半田濡れ
性が不十分になり、一方50.0mg/m2をこえると経時酸化
防止効果は十分であるが、皮膜が厚すぎてかえって半田
濡れ性が劣化するため、0.5〜50mg/m2の範囲とする。
【0023】りん酸塩皮膜の形成方法としては、例えば
りん酸系化成処理によって行うことが好ましく、この場
合、化成処理液中のPの供給源としては、りん酸イオン
換算で1〜80g/lのりん酸、りん酸ナトリウム、りん酸
アルミニウム、りん酸カリウム等の金属塩および/又は
1水素リン酸塩などを使用することが好ましい。りん酸
系化成処理では、Sn−Zn合金層表面の一部が溶解し、こ
の溶解時の水素イオン消費に伴う界面pH上昇によってり
ん酸塩皮膜が形成され、この際溶解したSnがりん酸塩皮
膜中に含有される。
【0024】なお、化成処理液には、Snの金属塩、例え
ば塩化Sn、硫酸Sn、硝酸Snなどを適宜添加し、より積極
的にりん酸Sn塩として皮膜形成させる。また、皮膜形成
促進剤として、塩素酸ナトリウム、亜硝酸塩などの酸化
剤、フッ素イオンなどのエッチング剤を適宜添加しても
よい。
【0025】次に、この発明の表面処理鋼板を製造する
方法の一例を、具体的に説明する。すなわち、通常の冷
延鋼板に電気Ni−Zn合金めっきを施し、さらにSnめっき
を施した後、Snの融点(231.9℃)以上の温度で加熱溶
融(リフロー)処理を行って、Sn−Fe−Ni合金層を下層
のNi−Zn合金層と上層のSn層との間に形成し、引き続き
浸漬による化成処理を行う。尚、リフロー処理後に、化
成処理の反応性を向上させるため、15g/l程度の炭酸
ナトリウム水溶液中で1C/dm2程度の陰極処理を行って
もよい。
【0026】化成処理液としては、りん酸イオン換算で
1〜80g/lのりん酸、錫イオン換算で0.001〜10g/lの
塩化第一錫および0.1〜1.0 g/lの塩素酸ナトリウムを
含有した水溶液を用いる。化成処理の条件は、温度を40
〜80℃、処理(浸漬)時間を1〜10秒とすることが好ま
しい。尚、上述したところは、この発明の実施形態の一
例を示したにすぎず、請求の範囲内において種々の変更
を加えることができる。
【0027】
【実施例】板厚0.6mm の低炭素鋼または極低炭素鋼から
なる冷延原板に、表1に示す電気めっき条件でNi−Zn合
金めっきを施し、表2に示すめっき条件でSnめっきを施
した後、Snの融点以上に加熱して、Ni−Zn合金層、Sn−
Ni−Zn合金層およびSn層からなるめっき層を形成し、次
いで表3に示す化成処理条件でりん酸塩皮膜を形成し
た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】また、比較のため、合金層および化成皮膜
のうちの少なくとも一方がこの発明の範囲外である、表
面処理鋼板についても製造した。かくして得られた各表
面処理鋼板について、以下に示す半田濡れ性および耐食
性の評価を行った。
【0032】(半田濡れ性評価)メニスコグラフ法によ
り半田濡れ性を評価した。このメニスコグラフ法は、垂
直に吊り下げた試験片にかかる力を検出しながら、試験
片を溶融半田浴に浸漬し、力の時間変化を読み取る試験
法である。すなわち、浸漬した直後は半田の表面張力に
より上向きの力がかかるが、濡れが進行するにしたがっ
て上向きの力が減少し、やがて半田が濡れ上がり、下向
きの力がかかるようになる。浸漬を開始してから上向き
の力が零になるまでの時間をゼロクロスタイムとし、濡
れ性の指標とする。すなわち、ゼロクロスタイムが短い
ほど濡れ性が良いということになる。半田はPbフリーの
Sn-3.5質量%Ag−0.75質量%Cu合金を使用し、試料に非
活性フラックスを塗布してから試験を行った。半田浴温
は245℃、浸漬深さは3mm、浸漬速度は5mm/sである。
半田濡れ性の評価結果はゼロクロスタイムで示し、ゼロ
クロスタイムが20s以上である場合は×の評価としてい
る。
【0033】(耐食性評価)耐食性は、JIS Z2371に準
拠した、塩水噴霧試験を48時間行って、赤錆が発生した
面積の占める比率をもって評価した。
【0034】以上の評価結果を、表4に示すように、こ
の発明のSn系表面処理鋼板は、比較材に比べて半田濡れ
性に優れ、しかも良好な耐食性を有していることがわか
る。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】この発明によって、特に家電製品に用い
られるSn系めっき鋼板であって、特にPbフリー半田に対
する濡れ性が良好で、かつ耐食性に優れるSn系めっき鋼
板を提供することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 千昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K024 AA07 AA19 AB02 BA02 BB09 BC01 CA01 CA02 CA03 CA04 CA06 DB02 DB05 GA04 GA16 4K026 AA02 AA07 AA10 AA12 AA22 BA03 BA12 BB08 BB10 CA18 CA26 CA28 CA32 CA33 CA34 DA03 DA13 4K044 AA02 AB02 BA06 BA10 BA17 BB05 BC02 BC14 CA16 CA18 CA62

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面の少なくとも片面に、鋼板側か
    ら順に、付着量が1.0〜10.0g/m2かつZnを5.0〜50.0質量
    %含有する電気Ni−Zn合金層、Sn、NiおよびFeを含有す
    るSn−Fe−Ni合金層および付着量が5.0〜10.0g/m2 のS
    n層を有し、さらに該Sn層の上に、付着量が0.5〜50.0mg
    /m2のPとSnとを含有するりん酸塩皮膜を有することを
    特徴とする半田濡れ性および耐食性に優れたSn系表面処
    理鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板表面の少なくとも片面に、電気Ni−
    Zn合金めっき処理を施した後、錫めっき処理を施し、次
    いで加熱したのち、PおよびSnを含有するりん酸塩皮膜
    を形成することを特徴とする半田濡れ性および耐食性に
    優れたSn系表面処理鋼板の製造方法。
JP2002057813A 2002-03-04 2002-03-04 半田濡れ性および耐食性に優れたSn系表面処理鋼板並びにその製造方法 Pending JP2003253469A (ja)

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