JP2010284658A - 金属部材の接合構造及び金属部材の接合方法 - Google Patents

金属部材の接合構造及び金属部材の接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄鋼材料とめっき層との間の金属間化合物の成長を抑制して、接合強度を高めることが可能な金属部材の接合構造を提供する。
【解決手段】第1の金属部材と第2の金属部材とをはんだで接合する金属部材の接合構造において、前記第1、第2の金属部材のうち少なくとも一方がSn系めっき鋼板であり、前記はんだはPbを含まずSnを主成分とするはんだであり、0.3質量%以上1.0質量%以下のNi、0.1質量%以上1.5質量%以下のCoまたは0.5質量%以上1.0質量%以下のFeのうちの1種または2種以上を含むことを特徴とする金属部材の接合構造を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属部材の接合構造及び金属部材の接合方法に関する。
従来、はんだはPb-Sn合金が主流であったが、環境問題の高まりにより、はんだの脱Pb化が進んでいる。代替となるPbフリーはんだとして、低融点金属であるSnを主成分として含むSn基合金、例えばSn−Ag系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Zn系合金といった二元系合金をベースにした多元系合金の開発が進んでいる。
これらPbフリーはんだを金属部材の接合に適用する際、十分な濡れが確保されることは重要な要求特性の一つである。このため、金属部材にはPbフリーはんだと同様のSn基合金のめっきや、Ni系のめっきが施されることが多い。下記特許文献1では、Sn-Zn合金めっきを有する金属部材を、Sn-Ag合金はんだで接合する技術が開示されている。
ところで、金属部材として鉄鋼材料を使用し、接合材料としてPbフリーはんだを使用した接合構造において、接合強度を更に向上させることが求められている。例えば、鉄鋼材料からなる自動車用燃料タンクでは、タンク本体に対してパイプ類がはんだにより接合されることがある。はんだ付け部には、高い正負圧に対するシール性、走行時の振動、加減速時の応力負荷、衝突時の燃料漏れに対する安全性などが要求される。一方で自動車のユースフルライフの延長、新興国を中心とする舗装状態が十分ではない等の使用環境を考慮して、はんだ接合強度をさらに向上させ、長期耐久性、信頼性を確保する必要がある。
しかしながら、金属部材として鉄鋼材料を使用し、Pbフリーはんだを使用した従来の接合構造では、はんだの接合強度の向上には限界があった。それは以下の理由によるものである。
(i) Pbフリーはんだは一般に、Pb-Sn合金より融点(共晶温度)が高いため、はんだ付け温度を高くする必要がある。具体的には、Pb−61.9質量%Snの共晶温度が183℃であるのに対し、Sn−3.5質量%Agは221℃であり、Sn−0.7質量%Cuは227℃であり、Sn−8.8質量%Znは199℃である。
(ii)また、Pbフリーはんだの主成分であるSnは、鉄鋼材料の主成分であるFeと比較的低温でも容易に合金化する性質がある。
(iii)このように、はんだのPbフリー化によってはんだ中のSn量が増加し、なおかつはんだ付け温度が高くなると、Fe-Sn合金化が著しく進行する。鉄鋼材料にSn系めっきが施されている場合は、はんだ接合の際にめっきが溶融し、FeとSnとの間で合金化が進行する。
(iv)その結果、FeSnやFeSn2といった脆い金属間化合物が鉄鋼材料とはんだの間に厚く生成し、Fe-Sn合金層の機械強度が低下して、はんだの接合強度の向上が望めなくなる。
特許第3762146号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、鉄鋼材料とめっき層との間の金属間化合物の成長を抑制して、接合強度を高めることが可能な金属部材の接合構造を提供することを目的とする。
本発明者は、鉄鋼材料とPbフリーはんだとの組合せで起こる固有の課題に対し、鋭意検討した結果、金属間化合物の成長を抑制し、はんだ付け部の接含強度を向上させることに成功した。発明のポイントは、PbフリーはんだへのNi、FeまたはCoの添加により、はんだ付け工程での、“はんだ中のSn”と“鋼板のFe”との過剰なFe−Sn合金層の形成を抑制するものである。これを実現するために本発明は、以下の構成を採用する。
(1) 第1の金属部材と第2の金属部材とをはんだで接合する金属部材の接合構造において、前記第1、第2の金属部材のうち少なくとも一方がSn系めっき鋼板であり、前記はんだはPbを含まずSnを主成分とするはんだであり、0.3質量%以上1.0質量%以下のNi、0.1質量%以上1.5質量%以下のCoまたは0.5質量%以上1.0質量%以下のFeのうちの1種または2種以上を含むことを特徴とする金属部材の接合構造。
(2) 第1の金属部材と第2の金属部材とをはんだで接合する金属部材の接合方法において、前記第1、第2の金属部材のうち少なくとも一方をSn系めっき鋼板とし、前記はんだとして、Pbを含まずSnを主成分とするはんだであって、0.3質量%以上1.0質量%以下のNi、0.1質量%以上1.5質量%以下のCoまたは0.5質量%以上1.0質量%以下のFeのうちの1種または2種以上を含むはんだを用い、前記はんだを溶融させて前記第1、第2の金属部材を相互に接合することを特徴とする金属部材の接合方法。
(3) 前記Ni、CoまたはFeが金属粒子または金属フィラーの形態で前記はんだに含まれることを特徴とする(2)に記載の金属部材の接合方法。
本発明によれば、はんだ中にNi、FeまたはCoを添加することで、鉄鋼材料とめっき層との間の金属間化合物の成長を抑制することができ、金属部材同士の接合強度を高めることができる。
図1は、実施例におけるTピール試験用サンプルを示す側面図である。
本実施形態の接合構造に用いられる第1,第2の金属部材のうち、少なくとも一方はSn系めっき鋼板であることが好ましい。また、第1、第2の金属部材の両方がSn系めっき鋼板であってもよい。更に、第1,第2の金属部材のうち一方がSn系めっき鋼板である場合の他方の金属部材は、本発明に係るはんだによって接合可能な鋼板であれば特に制限はない。
Sn系めっき鋼板は、鋼板と、この鋼板の表面に形成されたSn系めっき層とを具備してなるものを用いることができる。また、鋼板とSn系めっき層との間に、下地めっき層として例えばFe−Ni合金めっき層を設けても良い。
鋼板としては、鋼鋳片を熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、調質圧延等の一連の工程を経た焼鈍済みの鋼板、または圧延材などが挙げられる。鋼成分については、例えば、自動車の燃料タンクに適用する場合は、複雑な形状に加工できる成分系であること、鋼−めっき層界面の合金層の厚みが薄くめっき剥離を防止できること、燃料タンク内部および外部環境における腐食の進展を抑制する成分系である必要がある。特に高度な加工性を要求される部位だけに、加工性に優れたIF鋼(Interstitial atom Free)の適用が望ましく、さらには接合後の気密性、二次加工性等を確保するためにBを数ppm添加した鋼板が望ましい。このIF鋼の代表成分範囲は、C≦0.003質量%、Si<0.01質量%、Mn:0.10質量%〜0.20質量%、P<0.025質量%、S:0.005質量%〜0.02質量%、Ti:0.040質量%〜0.060質量%、残部:Fe及び不可避不純物が好ましく、これにさらにBが5ppm程度含有されていることがさらに好ましい。例えばC:0.003質量%、Si:0.01質量%、Mn:0.20質量%、P:0.01質量%、S:0.01質量%、Ti:0.06質量%、残部:Fe及び不可避不純物からなるIF鋼が挙げられる。熱延では1150℃前後でスラブ加熱した後、3〜6mm程度に圧延し、酸洗後に0.5〜1.5mm程度に冷延し、表面の圧延油・鉄粉などをアルカリ電解にて除去した後に焼鈍する。焼鈍は、コストの点からは連続焼鈍が望ましいが、バッチ焼鈍でも製造可能である。その後、調質圧延し、一般的にフラックス法と呼ばれるめっき法にて溶融めっきすることでSn系めっき層を形成する。また、Sn系めっき層の形成前に、電気めっき法によって下地めっき層を形成してもよい。
なお、本発明に係る鋼板は上記の鋼成分に限定されるものではなく、どのような鋼成分であっても良い。
Sn系めっき層は、Snを主成分とするめっき層であり、その成分組成は特に限定するものではないが、例えば基本成分として、Znを1〜50質量%、好ましくは1〜8.8質量%、より好ましくは4〜8.8質量%の範囲で含有し、残部がSn及び不可避的不純物からなるものを例示できる。SnめっきにZnを添加することで、めっき層の電位を下げて犠牲防食能を付与することができる。
また、Agを所定の割合で含有するとともに残部がSn及び不可避的不純物からなるSn−Ag系めっき層を用いても良い。
更に本発明ではSn及び不可避的不純物からなる、ほぼ100%のSnめっきを用いても良い。
また、鋼板とSn系めっき層との間に、下地めっき層としてFe-Ni合金からなるめっき層を設けても良い。下地めっき層は、Niと残部がFe及び不可避的不純物からなる合金で構成されてなり、Niの組成比が15〜70質量%の範囲のものが好ましく、21質量%以上70質量%以下の範囲のものがより好ましい。また、Niが15〜21質量%の範囲のものであってもよい。下地めっき層は電気めっき法で形成できる。めっき浴としては、硫酸ニッケル240〜350g/L、塩化ニッケル30〜60g/L、ホウ酸30〜45g/Lに更に、硫酸鉄を30〜200g/L添加したものが使用可能である。めっき条件はpH=2.5〜4.5、浴温度40〜60℃、電流密度2〜10A/dmの範囲で操業可能である。
次に、本発明に係るはんだは、実質的にPbを含まずSnを主成分とするはんだを用いることができる。このはんだには、0.3質量%以上1.0質量%以下のNi、0.1質量%以上1.5質量%以下のCoまたは0.5質量%以上1.0質量%以下のFeのうちの1種または2種以上が含まれる。本発明に係るはんだは、所謂Pbフリーはんだであり、Pbを含まないはんだであるが、不可避的に含まれるPbの存在は許容する。
実質的にPbを含まずSnを主成分とするはんだとしては、例えば、Ag、Zn、Bi、In、AlまたはCuの何れか一種以上を含み、残部がSn及び不可避的不純物からなる組成の合金を用いることができる。例えば、Sn-Ag系はんだ合金、Sn-Ag-Cu系はんだ合金、Sn-Zn系はんだ合金、Sn-Zn-Bi系はんだ合金、Sn-Cu系はんだ合金、Sn-Ag-In-Bi系はんだ合金、Sn-Zn-Al系はんだ合金等の所謂鉛フリーはんだ合金を用いることができる。
本発明に係るはんだには、Snを主成分とする上記のはんだ合金に、Ni、CoまたはFeの何れか1種または2種以上を添加することが好ましい。Ni、CoまたはFeは、金属の形態で添加することが好ましく、例えば金属粒子、金属フィラーといった状態で添加することが好ましい。これらNi、CoまたはFeは、はんだ接合の際に、はんだの他の合金成分と反応して金属間化合物を形成したり、あるいははんだとSn系めっき鋼板との間で濃度勾配を形成することによって、はんだ中のSnと鋼板中のFeとの金属間化合物の過剰な生成を抑制する。これにより、はんだとSn系めっき鋼板との接合強度を高めることが可能になる。
NiとSnでは、Ni3Sn4、Ni3Sn2、Ni3Snといった金属間化合物の存在が知られている。Niを添加したはんだを用いてはんだ付け工程を行うと、Niとはんだ中のSnとが反応してNi3Sn4を主体とする合金相を形成し、この合金相が鋼板とはんだとの界面に密に偏析する。このNi3Sn4を主体とする合金相の形成によって、はんだ中のSnと鋼板のFeとの金属間化合物の過剰な生成が抑制される。このようにしてNi3Sn4を主体とする合金相がバリア効果を発揮する。このバリア効果は、はんだ中にNiが0.3質量%以上添加されることで発現する。一方、Niが1.0質量%を超えると、はんだの融点が上昇してはんだ付け工程上好ましくないとともに、Fe-Sn合金相の生成速度が高くなるので好ましくない。Niのより好ましい範囲は0.5〜0.8質量%である。
また、CoとSnでは、CoSn2、CoSn、Co3Sn2といった金属間化合物の存在が知られている。Coを添加したはんだを用いてはんだ付け工程を行うと、Coとはんだ中のSnとが反応してCoSn2を主体とする合金相を形成し、この合金相が鋼板とはんだとの界面に密に偏析する。このCoSn2を主体とする合金相の形成によって、はんだ中のSnと鋼板のFeとの金属間化合物の過剰な生成が抑制される。このようにしてCoSn2を主体とする合金相がバリア効果を発揮する。このバリア効果は、はんだ中にCoが0.1質量%以上添加されることで発現する。一方、Coが1.5質量%を超えると、はんだの融点が上昇してはんだ付け工程上好ましくないとともに、Fe−Sn合金相の生成速度が高くなるので好ましくない。Coのより好ましい範囲は0.3質量%以上であり、更に好ましい範囲は0.5〜1.3質量%であり、最も好ましい範囲は0.8〜1.0質量%である。
更に、Feをはんだに添加し、はんだ中のFeの活量をあげると、はんだ付けの工程において、鋼板側からはんだ側へのFeの拡散が抑制され、その結果、Fe-Sn合金相の過剰な成長を抑制できる。この効果はFeの0.5質量%以上の添加で発現する。一方、Feが1.0質量%を超えると、はんだの融点が上昇するためにはんだ付け工程上好ましくないとともに、Fe−Sn合金相の生成速度が高まるので好ましくない。
更に、はんだに対するNi、CoまたはFe添加の効果は、Ni、CoまたはFeを2種類以上組み合わせても発現させることができる。組合せの例としては、NiとCoの組合せ、NiとFeの組合せ、CoとFeの組合せまたはNiとCoとFeの組合せのいずれでも良い。
以上の作用効果は、鋼板にSn系めっきがされていた場合であっても何ら制限されるものではない。鋼板に形成されたSn系めっき層は、Snを主成分とするはんだ合金と同程度の融点を有するため、はんだ付け工程において、はんだとともに溶融する。これにより、はんだと鋼板とが直接に接することになり、上記の作用効果が奏される。また、鋼板に形成されたSn系めっき層は、はんだ付けの際に溶融することではんだと鋼板との濡れ性を高め、はんだによる接合強度を更に高めることができる。
本発明の金属部材の接合構造は、通常のはんだ接合の手法を用いればよい。例えば、Ni、CoまたはFeの1種または2種以上を含むはんだを溶融させてはんだ浴とし、このはんだ浴に、あらかじめ仮組した第1の金属部材と第2の金属部材とを浸漬させ、その後引き上げてはんだを凝固させることで接合できる。
また、一方または両方の金属部材の接合面に、Ni、CoまたはFeの1種または2種以上を含むはんだからなるはんだ層を形成し、金属部材同士を重ね合わせてリフローすることによっても接合できる。
以上説明したように、本発明の接合構造及び接合方法によれば、金属部材として鉄鋼材料を使用し、所謂鉛フリーはんだを使用した接合構造において、はんだ接合強度を向上させ、長期耐久性、信頼性を確保できる。
なお、本発明に係る金属部材の接合構造及び接合方法は、例えば、プレス加工済みのSn系めっき鋼板からなる一対のシェル部材を重ね合わせて自動車用燃料タンクを製造する際の、シェル部材同士の接合に適用することができる。また、自動車用燃料タンクの本体に、給油管等の部品を接合する際にも、本発明に係る金属部材の接合構造及び接合方法は適用可能である。なお、これらは単なる例示であって、本発明は鋼板同士をはんだ付けする際に広く適用可能であることは言うまでもない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
第1、第2の金属部材として、JIS G 3141に規定される板厚1.0mmtの一般冷延鋼板(SPCC)を電解アルカリ脱脂(処理液:水酸化ナトリウム40g/L、電解条件:温度50℃、電流密度及び処理時間:20A/dm×10秒)、酸洗(液温50℃の100g/Lの硫酸水溶液に10秒浸漬)して表面を清浄にした後、以下のめっきを施した。
(i) Sn−8質量%Znめっき:溶融めっき浴に300℃で10秒浸漬後、エアワイピングで付着量を片面当たり30g/m2に制御。
(ii) Sn−3.5質量%Agめっき:溶融めっき浴に300℃で10秒浸漬後、エアワイピングで付着量を片面当たり30g/m2に制御。
(iii) Snめっき:電気めっき浴としてフェノールスルホン酸浴中で通電量を制御し、付着量を片面当たり2.8g/m2に制御。
(iv) Znめっき:電気めっき浴として硫酸亜鉛、硫酸ナトリウム、硫酸から構成されるめっき浴中で通電量を制御し、付着量を片面当たり20g/m2に制御。
(v) Pb−20質量%Snめっき:溶融めっき浴に350℃で10秒浸漬後、エアワイピングで付着量を片面当たり30g/m2に制御。
上記のめっき処理を施した後、幅10mm×長さ50mmのサイズにせん断し、供試材とした。
次に、はんだとして、Sn−3.5質量%Ag合金はんだ、Sn−9質量%Zn合金はんだ及びSn−0.7質量%Cu合金はんだにそれぞれ、Ni、Co、Feの金属粒子を所定量添加して接合用のはんだとした。また、比較として、Pb−60%Sn合金はんだを用いた。これらのはんだは、融点以上に加熱して溶融状態とした。
<はんだ付け工程>
60mmφ×60mm深さのステンレス製ポットにはんだを溶解し、所定の温度で保持をした。2枚の供試材の間に0.5mm厚みのスペーサを挿入して、供試材同士を重ね合わせた。次に、はんだ浴の浴面に浮いた酸化膜をかきとり、供試材をロジンメタノールフラックスに浸漬後、はんだ浴に10mm深さで10秒間浸漬させ、引き上げ後、自然放冷した。これにより、2枚の供試材の間に、10mm巾×10mm高さ×0.5mm厚のはんだ層が凝固し、供試材同士が接合された。なお、はんだと供試材との濡れが良すぎる場合には、はんだの這い上がりが認められたが、本試験ではその影響はほとんど考慮する必要はなかった。
はんだ付けした2枚の供試材をはんだ付け部から10mmの位置(最端部から20mmの位置)でL字型に外側に向けて折り曲げて、図1に示すTピール試験用サンプルを作製した。図1において、符号1a及び1bは供試材であり、符号2は、はんだである。Tピールは引張り試験機で100mm/minの速度で引張り、その強度を測定した。
Pb−20質量%Snめっき鋼板をPb−60質量%Snではんだ付けした場合のTピール強度を基準とし、基準より2倍以上をA、1.5倍以上2倍未満をB、1.0倍以上1.5倍未満をC、0.8倍以上1.0倍朱満をD、0.8倍未満をEとした。なお、はんだ組成により融点が変化するために、熱負荷の影響も考慮し、基準の浴温も変化させた。
実施例を表1〜6に示すが、本発明例ではいずれも優れたはんだ接合強度が認められた。
Figure 2010284658
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Claims (3)

  1. 第1の金属部材と第2の金属部材とをはんだで接合する金属部材の接合構造において、
    前記第1、第2の金属部材のうち少なくとも一方がSn系めっき鋼板であり、
    前記はんだはPbを含まずSnを主成分とするはんだであり、0.3質量%以上1.0質量%以下のNi、0.1質量%以上1.5質量%以下のCoまたは0.5質量%以上1.0質量%以下のFeのうちの1種または2種以上を含むことを特徴とする金属部材の接合構造。
  2. 第1の金属部材と第2の金属部材とをはんだで接合する金属部材の接合方法において、
    前記第1、第2の金属部材のうち少なくとも一方をSn系めっき鋼板とし、
    前記はんだとして、Pbを含まずSnを主成分とするはんだであって、0.3質量%以上1.0質量%以下のNi、0.1質量%以上1.5質量%以下のCoまたは0.5質量%以上1.0質量%以下のFeのうちの1種または2種以上を含むはんだを用い、
    前記はんだを溶融させて前記第1、第2の金属部材を相互に接合することを特徴とする金属部材の接合方法。
  3. 前記Ni、CoまたはFeが金属粒子または金属フィラーの形態で前記はんだに含まれることを特徴とする請求項2に記載の金属部材の接合方法。
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