JP2772597B2 - コネクタの製造方法 - Google Patents

コネクタの製造方法

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JP2772597B2 JP4130804A JP13080492A JP2772597B2 JP 2772597 B2 JP2772597 B2 JP 2772597B2 JP 4130804 A JP4130804 A JP 4130804A JP 13080492 A JP13080492 A JP 13080492A JP 2772597 B2 JP2772597 B2 JP 2772597B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,プレス加工によりコン
タクトを打ち抜いて所定形状に折り曲げ,これをインシ
ュレータに組み込むコネクタの製造方法の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプレス加工製品の製造は,母材か
らの打抜き工程,所定形状への曲げ工程を経る。図5
(A)及び(B)は従来のコネクタのコンタクトを製造
する方法を示す図である。図5(A)に示すように,プ
レスにて板状母材から一端部のキャリア部Cに結合され
た展開形状の複数のコンタクト1を打ち抜いた後,図5
(B)に示すように,各コンタクト1を一本ずつ個別に
夫々折曲げている。完成したコンタクト1は,一本ずつ
別途用意された箱状のインシュレータに組み込まれる。
【0003】図6は,図5(A)で示すコンタクトを組
み込む他の例を示す斜視図で,図7は図6のコネクタの
完成図である。図6に示すように,内部が仕切壁2aに
より区画されたインシュレータ2に,図5(A)で示す
コンタクトは,キャリア部Cで結合されたまま組み込ま
れ,しかる後,キャリア部Cを切断して,図7に示すよ
うに,コンタクト1の端子部1aを基板上の配線に半田
3に接続している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図8(A),(B)及
び(C)は,前述したような従来の方法の欠点を示す図
である。従来の方法により,板厚Tに対する板幅Wの比
率W/Tが小さいコンタクトを製造する場合に,打抜き
工程で,図8(A)に示すようにゆがみが生じ易く,板
厚と直交する方向へ曲がってしまうので,これに図8
(c)に示すように曲げ加工を施すと図8(B)に示す
ように先端部にコンタクトピッチのずれを生じる。この
状態でインシュレータに挿入しようとするとインシュレ
ータの区画壁ピッチと一致せず,コンタクトをさらに変
形させたり,組み込みが困難になる。また,組み込んだ
後,基板上の配線のピッチともずれるので半田付けが困
難になる。さらに,コンタクトの不要な変形を各工程で
矯正するのは煩わしく時間もかかる。コンタクトの位置
ずれを阻止するためにコンタクト毎にガイドを設けても
同様である。
【0005】そこで,本発明の技術的課題は,打抜き加
工における変形によるコンタクトピッチの不均一を防止
することができるコネクタの製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め,本発明のコネクタを製造する方法においては,イン
シュレータ12内に平板母材から形成された複数のコン
タクト11を列設するコネクタの製造方法であって,前
記平板母材から,列設した複数のコンタクト11と,前
記複数のコンタクト11の一端に形成されたキャリア部
10aと前記一端に対向する他端に形成された結合部1
0bとからなるコンタクト連結体10を,プレス加工に
て一体に打ち抜くと共に前記コンタクト連結体10から
前記結合部10bを折取り可能にする切込み10cを設
ける打抜き工程と,前記結合部を折り取ることなく前記
複数のコンタクト11を前記インシュレータ12に組み
込み可能な形状にプレスにて一体に折り曲げる曲げ工程
と,前記インシュレータ12に前記複数のコンタクト1
1の両端部が連結された状態で前記複数のコンタクトを
一体に組み込んだ後に,前記切込み10cに沿って前記
結合部を折り取って前記複数のコンタクト11に分離す
る組込み工程とを有することを特徴としている。
【0007】また,本発明においては,インシュレータ
12内に平板母材から形成された複数のコンタクト11
を列設するコネクタの製造方法であって,前記平板母材
から,列設した複数のコンタクト11と,前記複数のコ
ンタクト11の一端に形成されたキャリア部10aと前
記一端に対向する他端に形成された結合部10bとか
なるコンタクト連結体10を,プレス加工にて一体に打
ち抜くと共に前記コンタクト連結体10から前記結合部
10bを折取り可能にする切込み10cを設ける打抜き
工程と,前記結合部10bを折り取ることなく前記複数
のコンタクト11を前記インシュレータ12に組み込み
可能な形状にプレスにて一体に折り曲げる曲げ工程と,
前記結合部10bを折り取ることなく前記複数のコンタ
クト11の両端部が連結された状態で前記複数のコンタ
クト11をインシュレータ12に組み込む組込み工程
と,前記複数のコンタクト11の端子部を配線に接続し
た後に,前記切込み10cに沿って結合部10bを折り
取って夫々のコンタクト11に分離する実装工程とを有
することを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明においては,先ず打抜き工程で,平板母
材から,端部の結合部10bにより一体に結合する複数
のコンタクト11をプレスにて打ち抜く。このとき,結
合部10bに予め切込み10cを設ける。コンタクト1
1の端部が結合部10bで固定されるので,コンタクト
11が変形せずピッチは変わらない。次に,折曲げ工程
で,コンタクト11をプレスにて所定の形状に一体に折
り曲げる。そして,結合部10bの切込み10cに沿っ
て結合部10bを折り取る。次いで,組み込み工程でコ
ンタクト11をインシュレータ12に夫々組み込む。ま
た,コンタクト11を連結させたまま,組込み工程でイ
ンシュレータ12に挿入すれば,初期のピッチを保持し
ているので,インシュレータ12の区画壁12aのピッ
チに適合して一度に複数のコンタクト11を組み込むこ
とができる。そして,この後で,結合部10bを折り取
ってコンタクト11を分離する。さらに,組込み工程で
結合部10bを折り取らずにおき,コネクタの実装工程
で,基板Bの配線に端子部11bを半田付けした後に結
合部10bを折り取る。このとき配線ピッチと端子部の
ピッチは一致する。
【0009】
【実施例】以下,本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図1(A),(B)及び図2(A),(B)は
本発明の実施例のコネクタの製造方法の説明に供する図
である。図1(A)に示すように,本発明の実施例のコ
ネクタは,先ず打抜き工程において,平板状の母材から
プレスにてコンタクト連結体10を打ち抜く。コンタク
連結体10は,内側にコンタクト11が間隔をおいて
形成され,両端部で連続している。即ち,コンタクト1
1の端子部11bが運搬移動用のキャリア部10aに結
合しており,接触部11a側が結合部10bに結合して
いる。この打抜き工程では,同時に結合部10bにこの
部分を折取って除去するための切り込み10cを入れ
る。切り込み10cは,図2(A)に示すように,コン
タクト11側をダイス20に,結合部4a側をエジェク
ター21に置き,ストリッパー22をダイス20との間
にコンタクト11側を挟み込むように固定して,エジェ
クター21上にパンチ23を打ち込み,打ち抜かない程
度に段差を形成して,図2(B)に示すようにエジェク
ター12を原位置に復帰させて形成する。
【0010】次に,コンタクト連結体10を,折曲げ工
程において,プレスにて組み込み形状に折曲げる。この
折曲げの際,コンタクト11の端部は夫々キャリア部
10a及び結合部10bで固定されているので,プレス
により縦方向の力が急激に加わっても横方向へ移動する
ことができず,ピッチが維持される。
【0011】図3は本発明の実施例に係るコネクタを製
造する方法を示す図である。
【0012】図3に示す実施例においては,先と同様の
打抜き工程後,折曲げ工程でコンタクト11を折曲げた
後に結合部10bを折取らないでおく。そして,組込
み工程において,図3に示すように,コンタクト連結体
10のまま一体でインシュレータ12に挿入し,しかる
後に,結合部10bを折取りキャリア部10aを除去し
て,コンタクト11を夫々分離する。このとき用いるイ
ンシュレータ12は,直方形状の箱形を成し,内部に仕
切壁12aが設けられている。インシュレータ12内の
仕切壁12bの内側には,結合部10bを挿入するため
の隙間Sが形成されている。この実施例の方法によれ
ば,コンタクト11の接触部11a及び端子部11b
ピッチが維持され,インシュレータ12の仕切壁12a
のピッチに合致する。しかも一度の挿入により複数のコ
ンタクト11の組み込みが可能となる。
【0013】図4は本発明の他の実施例の製造方法の説
明に供する図である。図4の実施例において,打抜き工
程でコンタクト11の端子部11b側に結合部10bを
形成してここに10cを設けておく。そして,折曲げ工
程でコンタクト11を折り曲げ,組込み工程でコンタク
ト連結体10のまま一体にインシュレータ12に組み込
む。この時点で結合部10bは折り取らないでおく。そ
して,図4に示すように,実装工程でコンタクト11の
端子部11bを基板Bの配線に半田13で接続し,しか
る後に,結合部10bを折り取ってコンタクト11を分
離する。この実施例の方法によれば,先の実施例と同様
にしてコンタクト11の接触部11a及び端子部11b
のピッチが維持され,インシュレータ12の仕切壁12
bのピッチに合致し,一度の挿入により複数のコンタク
ト11の組込みが可能となるし,配線ピッチにも合致し
て半田付けが容易になる。
【0014】
【発明の効果】以上の説明のように,本発明では,板厚
に対する板幅の比率が小さいコンタクトでも,キャリア
部と結合部によりコンタクト端部が固定されるので,打
抜き工程,折曲げ工程及び組み込み工程において曲げ方
向と直交する方向への曲がりが阻止され,所期のコンタ
クトピッチを維持することができる。これによって,イ
ンシュレータの仕切壁のピッチや基板上の配線ピッチと
一致するので,インシュレータへの組み込みや配線との
接続,さらには相手コネクタとの接続を円滑に行うこと
ができる。また,本発明では,コンタクトの位置ずれを
阻止するためにコンタクト毎にガイドを設ける必要もな
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る打抜き工程後のコンタク
ト連結体の部分平面図,(B)は折曲げ工程後のコンタ
クトの正面図である。
【図2】(A)は切込みの形成過程を示すコンタクト連
結体の一部拡大断面図,(B)は切り込み形成後のコン
タクト連結体の一部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例の方法における組み込み工程の
コンタクト連結体の斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例の方法におけるコネクタの
斜視図である。
【図5】(A)は従来の打抜き工程後のコンタクト連結
体の部分平面図,(B)は曲げ工程後のコンタクトの正
面図である。
【図6】図5(A)におけるコンタクトを組み込む他の
例を示す図である。
【図7】従来の他の方法における組み込み工程のコンタ
クト連結体の斜視図である。
【図8】従来の方法におけるコネクタの欠点を示す図
で,(A)は変形したコンタクトの拡大断面図,(B)
はコンタクト端部の正面図,(C)は側面図である。
【符号の説明】
10 コンタクト連結体 10b 結合部 10c 切込み 11 コンタクト 11a 接触部 11b 端子部 12 インシュレータ 12a 仕切壁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インシュレータ内に平板母材から形成さ
    れた複数のコンタクトを列設するコネクタの製造方法で
    あって, 前記平板母材から,列設した複数のコンタクトと,前記
    複数のコンタクトの一端に形成されたキャリア部と前記
    一端に対向する他端に形成された結合部とからなるコン
    タクト連結体を,プレス加工にて一体に打ち抜くと共に
    前記コンタクト連結体から前記結合部を折取り可能にす
    る切込みを設ける打抜き工程と, 前記結合部を折り取ることなく前記複数のコンタクトを
    前記インシュレータに組み込み可能な形状にプレスにて
    一体に折り曲げる曲げ工程と, 前記インシュレータに前記複数のコンタクトの両端部が
    連結された状態で前記複数のコンタクトを一体に組み込
    んだ後に,前記切込みに沿って前記結合部を折り取って
    前記複数のコンタクトに分離する組込み工程とを有する
    ことを特徴とするコネクタの製造方法。
  2. 【請求項2】 インシュレータ内に平板母材から形成さ
    れた複数のコンタクトを列設するコネクタの製造方法で
    あって, 前記平板母材から,列設した複数のコンタクトと,前記
    複数のコンタクトの一端に形成されたキャリア部と前記
    一端に対向する他端に形成された結合部とからなるコン
    タクト連結体を,プレス加工にて一体に打ち抜くと共に
    前記コンタクト連結体から前記結合部を折取り可能にす
    る切込みを設ける打抜き工程と, 前記結合部を折り取ることなく前記複数のコンタクトを
    前記インシュレータに組み込み可能な形状にプレスにて
    一体に折り曲げる曲げ工程と, 前記結合部を折り取ることなく前記複数のコンタクトの
    両端部が連結された状態で前記複数のコンタクトをイン
    シュレータに組み込む組込み工程と, 前記複数のコンタクトの端子部を配線に接続した後に,
    前記切込みに沿って結合部を折り取って夫々のコンタク
    トに分離する実装工程とを有することを特徴とするコネ
    クタの製造方法。
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