JP2771919B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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JP2771919B2
JP2771919B2 JP3646092A JP3646092A JP2771919B2 JP 2771919 B2 JP2771919 B2 JP 2771919B2 JP 3646092 A JP3646092 A JP 3646092A JP 3646092 A JP3646092 A JP 3646092A JP 2771919 B2 JP2771919 B2 JP 2771919B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真式平版印刷用原
版に関し、特に印刷適性に優れて高い画質の印刷物が得
られ、しかも印刷の作業性の良い電子写真式平版印刷用
原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法により平版印刷版を製造する
方法として、従来、電子写真式平版印刷用原版の光導電
層を一様に帯電させ画像露光した後、乾式トナーにより
乾式現像あるいは液体トナーにより湿式現像してトナー
像を得、次いでこのトナー像を定着した後、不感脂化液
(エッチング液)で処理してトナー像のない非画像部を
親水化する方法が一般的に採用されている。また製版さ
れた印刷版は印刷機の版胴にとりつけて印刷に供される
が、この際、印刷中には湿し水が使用される。電子写真
式平版印刷用原版の支持体として従来から導電性が付与
された紙等が使用されているが、この支持体への水の浸
透により耐刷力や画質性能に影響を与えていた。すなわ
ち、上記のエッチング液や印刷中の浸し水が支持体に侵
入すると、印刷版の伸び、版切れ等の問題を生じる。従
って、このような電子写真式平版印刷用原版は一般的な
電子写真感光材料としての性質すなわち、表面の電気的
特性が均一で画像形成性能や現像性に優れること、カブ
リや印刷ムラがないこと等の環境安定性と共に、印刷版
として用いる際の印刷特性すなわち不感脂化処理や湿し
水に対する耐水性、耐有機溶剤性や印刷作業性、環境安
定性等の両立が望まれる。このために例えば、支持体の
片面又は両面に耐水性を有する例えばエポキシ樹脂やエ
チレンとアクリル酸等との共重合体を塗布したり(特開
昭50−138904、同55−105580、同59
−68753各号公報等)、あるいはポリエチレン等の
ラミネート層を設ける(特開昭58−57994号公
報)等の提案がなされている。また、支持体の光導電層
を有する面(トップ層とも呼ばれる)とは反対の面に裏
塗層(バック層)を設けて耐水性付与や各種の機能保持
を図る方法、さらには光導電層とプレコート層の間に中
間層を設けて電子写真特性と耐水性の両立を図る方法等
(特開平2−50465号公報)が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光導電層直下
にアンダー層(下塗層)を設けた場合、従来の光導電層
単一の場合に比べ、電子写真的に均一な特性の安定保持
を耐水性と両立させる点に困難がある。すなわち、アン
ダー層により電子写真特性が影響を受けて、トナーカブ
リ、感光特性の環境による変動、特に低温低湿条件下で
は印刷物の非画像部がさめ肌状の汚れを発生する等の問
題が生じる。前記のように電子写真感光体の表面層はト
ナー画像を形成した後エッチング処理により非画像部を
親水性にして印刷版とするが、表面層の電子写真的に均
一な特性を保有させることと、版伸びしない程度の耐水
性維持との両立にはかなり困難がある。本発明は電子写
真式平版印刷用原版において、支持体と光導電層の間且
つ光導電層直下にアンダー層を設けることによって生じ
る上記のような問題点の解決を課題としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体の片面
に光導電層と、該光導電層の直下に設けられたアンダー
層とを少なくとも有してなる電子写真式平版印刷用原版
において、該アンダー層が複数層からなり、該複層は表
面抵抗率が1×1011Ω以下である最外層とコッブ(C
obb)の吸水度が15g/m2 (45分)以下であ
る内層とを有してなるものである電子写真式平版印刷用
原版により上記課題を解決するものである。
【0005】
【作用】本発明の特徴は、支持体と光導電層の間で、且
つ該光導電層に接してその直下に設けるアンダー層の構
成を複層とし、従来困難であった電子写真特性(カブ
リ)と耐刷性を両立させたことにある。即ち、本発明の
アンダー層は表面抵抗率1×1011Ω以下の最外層(光
導電層に接する光導電層直下の層)と、コッブ法(Co
bb法)による吸水度が15g/m2 (45分)以下
の内層(支持体側の層)を少なくとも有してなるもので
ある。本発明においては、アンダー層の最外層が表面抵
抗率1×1011Ω以下であるために、その上にに設けら
れている光導電層の電子写真特性の均一性を妨げること
なく、画像形成性能、現像性能は光導電層単一の場合と
同等の性能が得られる。また、該内層は吸水度が小さい
層であるために、耐水性を高め、アンダー層単一の場合
に問題となる版伸びを実際の印刷で全く問題のないレベ
ル(0.1〜0.2mm)に抑えることができる。
【0006】ここで、コッブ法とは、JIS P−81
40の「紙および板紙の吸水度試験方法(コッブ法)」
であり、非吸収性の紙および板紙の片面が一定時間水に
接触する場合の吸水度を試験する方法である。本発明で
は該接触時間は45分間である。また、この方法による
吸水度は紙のはっ水度とは直接関係はない。そして本発
明では、このように機能を分担した複層構造とすること
により、従来の単一層では耐水性を十分にすると印刷用
原版、印刷版としての用時に硬くなりすぎて作業性に支
障をきたしたような問題も解消できた。
【0007】以下に、本発明のアンダー層を更に詳細に
説明する。本発明のアンダー層の最外層は、表面抵抗率
が1×1011Ω以下の層である。表面抵抗率が1×10
11Ωを越えると、カブリが大きくなり好ましくない。こ
の点については、後記の実施例1,2に詳しい実験結果
を示す。また、表面抵抗率の下限値は1×107 であ
る。これより小さい表面抵抗率では、原版全体の周辺部
において帯電後にリークがおき、露光・現像しても画像
が得られなくなり好ましくない。本発明の最外層の表面
抵抗率を上記範囲内にするために、最外層には例えば酸
化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛などの
導電性金属酸化物、コロイド質アルミナ、コロイド質シ
リカ、カーボンブラック、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、脂肪酸、脂肪酸モノグリセリド、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルメチルアンモニウム塩、及びアル
キルリン酸アルカノールアミン塩、ポリオキシエチレン
アルキルリン酸塩などの界面活性剤等の導電性物質を含
有させる。これらの物質は該最外層組成物を調製・分散
する際に添加しても良いし、また最外層塗布後に試料を
導電性物質分散液に含浸させても良い。
【0008】本発明のアンダー層最外層は上記の導電性
材料と他の最外層形成用材料からなり、該形成用材料と
しては、例えば各種の耐水性材料、耐水性耐有機溶剤性
材料、合成エマルジョン、更には天然又は合成の親水性
高分子等の1種以上を用いることができる。該耐水性材
料としては、耐水性膜形成材料である例えばポリ塩化ビ
ニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ア
ルキド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等や耐有機溶剤性膜形成材料であ
る例えば澱粉、酸化澱粉、PVA、メチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、CMC等が挙げられる。
該耐水性耐有機溶剤性材料としては、例えばエチレン−
ビニルアルコール共重合体、高重合度ポリエステル、高
重合度ポリウレタン等が用いられる。また、澱粉、PV
A、アクリル樹脂(但し反応性アクリル樹脂で、有機溶
剤溶液型でもO/W型エマルジョン型でもよい)、アル
キド樹脂(但し空気硬化型のもの)等とメラミン樹脂の
ような架橋剤とを併用して耐水性耐有機溶剤性材料とし
て用いることもできる。該合成エマルジョンとしては、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、塩化ビ
ニール、塩化ビニリデン、酢酸ビニール、ポリウレタ
ン、プレポリマー、アクリロニトリル、ブタジエン、ス
チレン−ブタジエン等の単量体またはプレポリマーを乳
化重合または乳化共重合させて得られるものを挙げるこ
とができる。天然又は合成の親水性高分子としては通常
の石灰処理ゼラチンの他に酸処理ゼラチン、改質ゼラチ
ン、誘導体ゼラチン等のゼラチン類、アルブミン、アル
ギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ラテックス、セルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等のセルロース類やデンプン等の水溶性誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体
等の親水性高分子等が挙げられる。これらの最外層形成
用材料は併用して使用することも可能である。なお、最
外層には必要に応じて分散剤、レベリング剤、架橋剤等
を添加することができる。最外層形成用組成物全量中の
上記導電性材料の存在割合は使用する材料によっても異
なるが、表面抵抗率が1×1011Ω以下を満足すればよ
く、通常0.1〜10重量%程度である。
【0009】本発明の内層はコッブ法による吸水度15
g/m2 (45分)以下の条件を満足するものであれ
ばよい。このコッブ法による吸水度の値は、内層の耐水
性コート剤の組成のみならず、内層の厚さにも依存す
る。同組成であれば層厚に応じて吸水度は低下する。内
層の吸水度が15g/m2 (45分)を越えると、版
伸びがひどくなり、印刷に実用できない。この点につい
ては後記する実施例1,2に詳しく実験結果を示す。内
層の吸水度の下限については特に制限はない。
【0010】内層形成用材料としては、最外層形成用材
料として前記した各種の耐水性材料、耐水性耐有機溶剤
性材料、合成エマルジョンを用いることができ、更に水
溶性高分子化合物も使用できる。内層形成用組成物全量
中の耐水性材料の存在割合は、コッブの吸水度を本発明
の範囲にできる量であればよいわけであるが、本発明に
おいて通常は30〜60重量%程度である。該水溶性高
分子化合物としては、澱粉又はその水溶性誘導体、水溶
性セルロース誘導体、カゼイン、ポリビニールアルコー
ル、スチレン無水マレイン酸共重合体、酢ビ−無水マレ
イン酸共重合体などを挙げることができる。この場合
も、内層の吸水度が15g/m2 (45分)以下とな
るようにその使用量を選択する。 これらの内層形成用
材料は併用して使用することも可能であり、必要に応じ
て分散剤、レベリング剤、架橋剤等を添加することがで
きる点は、最外層の場合と同様である。また、最外層と
内層の一方又は両方に親水性高分子結合剤例えば有機チ
タン化合物等を添加することで、両層の密着性を向上で
きる。
【0011】本発明において最外層の厚さはその性能を
発揮できる厚さであればよく、特に限定されるものでは
ないが、1〜25μm、好ましくは1〜15μm程度で
ある。また、内層の厚さは1〜30μm、好ましくは3
〜20μmである。内層が複層構成の場合にはトータル
の厚さがこの範囲であればよい。本発明の最外層及び内
層を含めたアンダー層全体の厚さは1〜60μmが一般
的であり、好ましくは4〜40μmである。
【0012】本発明の支持体としては、この種の電子写
真式平版印刷用原版に使用される公知の支持体のいずれ
をも用いることができる。例えば、金属、紙、プラスチ
ックシート等の基体やこれらに低抵抗物質を含浸させる
などして導電処理したもの、前記支持体の表面に耐水性
接着層または少なくとも1層以上のプレコート層を設け
たもの、Al等の導電性箔を紙にラミネートしたもの、
Al等を蒸着した基体導電化プラスチックを紙にラミネ
ートしたもの等が使用できる。また、支持体の裏面(光
導電層を設ける面とは反対の面)に公知の手段によりバ
ック層を設けてもよい。導電性基体あるいは導電化材料
の例として具体的には、坂本幸男「電子写真」14,
(No.1),p2〜11(1975)、森賀弘之「入門特
殊紙の化学」高分子刊行会(1975)、M. F. Hoove
r, J. Macromol. Sci. Chem., A−4(6),p13
27〜1417(1970)等に記載されているもの等
を用いる。
【0013】本発明の光導電層は、少なくとも光導電体
と結着剤とを含有してなり、光導電体としては無機材
料,有機材料のいずれであってもよい。無機光導電材料
としては例えばSi、Ge、酸化亜鉛、硫化カドミウ
ム、酸化チタン、セレン、セレン化カドミウム、セレン
化亜鉛又は酸化鉛、Se−Te合金、As2 3 、As
2 Se3 等のカルコーゲン合金等を挙げることができ
る。有機光導電材料としては、例えば光導電性シアニン
系顔料、光導電性キノリン系顔料、光導電性フタロシア
ニン系顔料、光導電性ピリリウム塩系顔料、置換ビニル
オキサゾール、トリフェニルアミン誘導体、アントラセ
ン、ベンゾ縮合複素環、ピラゾリン又はイミダゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、ビニル芳香族ポリマー
ならびにこれらの共重合生成物、フルオレノン誘導体、
トリアリールメタンロイコ染料やスクエアリン酸誘導体
染料等のポリアリールアルカン類、ペリレン、テトラセ
ン、カルバゾール、テトラベンジル−p−フェニレンジ
アミン、スクエアリウム、インジゴ、ジメチルペルイミ
ド、ポリゼニルテトラセン、ポリゼニルペリレン、アシ
ルヒドラゾン誘導体、ベンズチアゾール誘導体、テトラ
シアノピレン、クロロシアンブルー等各種のものを挙げ
ることができる。これらは併用して用いてもよい。結着
剤としてはシリコン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリル
酸又はポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルブチラール及びそれらの誘導
体やその他の光導電層用結着剤として公知の材料を用い
ることができる。光導電層中の光導電体量は、光導電性
物質と結着剤の比は例えば重量比で3:1〜20:1の
範囲等で用いるが、本発明では特に限定されるところは
ない。また、必要に応じて増感剤や、塗布を行なうとき
に用いられる塗布助剤その他の添加剤を添加することが
できる。この光導電層の厚さは通常2〜20μm程度で
あるが、本発明では特に限定されるところはない。ま
た、光導電層とアンダー層との接着力を向上させるため
に、アンダー層の表面を予め例えば米国特許第3,41
1,908号明細書に記載されているように、コロナ放
電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線処理、オゾ
ン処理、プラズマ処理等の表面処理を行っておくことが
好ましい。
【0014】本発明の平版印刷用原版の作製は、この種
の電子写真式平版印刷用原版製造分野で公知の技術によ
ればよく、支持体にアンダー層の内層を1層以上設けた
後最外層を設け、要すればバック層を設けた後光導電層
を設けるが、支持体として予めプレコート層を設けたも
の、プレコート層と中間層を設けたものを使用すること
もできる。いずれにしても各層に対応する形成用組成物
を混合分散した材料を塗布し、100℃以上に保ったオ
ーブン乾燥器に数分間入れる等の手段で乾燥固化して層
を形成する。分散手段として例えばボールミル、コロイ
ドミル、超音波分散機、3本ロールミル、グレインミ
ル、ホモジナイザー、ホモミキサー等通常のものが使用
できる。また、塗布手段としては、エアーナイフコータ
ー、トレイリンググレードコーター、ワイヤーバーコー
ター、リバースロールコーター、キスロールコーター、
ファウンテンコーター等が使用できる。
【0015】以上の本発明の原版は、通常の帯電、画像
露光、現像等の工程を経て平版印刷版とされる。また、
通常の湿式現像は勿論、例えば特願昭63−89373
号明細書、特開平2−132464号公報に記載される
ような直接給電方式の現像を行なうのにも適している。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例挙げて説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 坪量100g/m2 の上質紙の片面にスチレン−ブタジ
エン樹脂(以下、「SBR」と略記する)エマルジョ
ン、澱粉、クレー、メラミン、水からなる分散液をワイ
ヤーバーを用いて塗布し、140℃のオーブンにて1分
間乾燥して塗布量7g/m2 のアンダー層内層を設け
た。この時の該内層組成物の量比は次の通りであるが、
クレーについてはその量を該内層側のCobb吸水度が
約2g/m2(45分)から約50g/m2 (45分
)の範囲で5段階に変化するように調製し、5種類の
試料(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)を得た。内層組成 : SBRエマルジョン 30重量部 澱粉 3重量部 クレー 適量 メラミン 3重量部 水 100重量部
【0017】次に内層の上にSBRエマルジョン、導電
性酸化チタン、メラミン、水からなる最外層組成物分散
液をワイヤーバーを用いて塗布し、140℃のオーブン
にて1分間乾燥して塗布量3g/m2 の外層を設けた。
この時の外層組成物の量比は次の通りであるが、導電性
酸化チタンについてはその量を該外層の表面抵抗率ρ s
が約1×109 Ωから約1×1012Ωの範囲で、(1)
8.6×108 Ω、(2)4.6×1010Ω、(3)
1.5×1011Ω、(4)9.5×1011Ω、の4段階
に変化するように調整して、上記各試料(あ)〜(お)
のそれぞれについて4種類ずつの試料〔あ−1〜あ−
5、・・お−1〜お−5〕合計20種類の試料を作成し
た。外層組成: SBRエマルジョン 23重量部 クレー 30重量部 導電性酸化チタン 適量 メラミン 2重量部 水 100重量部
【0018】上記20種類の試料の支持体である紙の裏
面側に、SBRエマルジョン25重量部、クレー45重
量部、カゼイン4重量部、メラミン4重量部および水1
00重量部からなる分散液をワイヤーバーを用いて塗布
し、140℃のオーブンにて1分間乾燥して塗布量10
g/m2 のバック層を設けた。このようにして得られた
20種類の試料の内層のCobb吸水度〔g/m2 (4
5分値)〕及び最外層の表面抵抗率を測定した結果を、
表1にまとめて示す。
【表1】
【0019】上記で得られた各試料(支持体)の外層側
に、光導電性酸化亜鉛100重量部、アクリル樹脂20
重量部、トルエン125重量部、無水フタル酸0.1重
量部、及びローズベンガルの4%メタノール溶液が、
4.5重量部からなる分散液をワイヤーバーを用いて塗
布し、110℃のオーブンにて20秒間乾燥して塗布量
25g/m2 の光導電層を設けて電子写真感光紙とし
た。この電子写真感光紙について市販の電子写真製版機
ELP404V(富士写真フイルム社製)を用いて現像
を行ったものを、20℃,65%RHと15℃,30%
RHの環境条件下で非画像部のカブリを調べたところ、
表2、表3に示す結果が得られた。なお、表2及び表3
における各記号は、下記のとおりのカブリ濃度の評価を
意味する。 ○ : カブリ濃度 0.6以下 △ : 0.7〜1.0 ▲ : 1.0〜1.4 × : 1.5以上 カブリ濃度が0.7を越えて高い場合、印刷中に汚れが
発生するので実用的には不適当である。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】表2及び表3の結果から、より厳しい環境
条件である15℃、30%RHの条件下でも、アンダー
層の表面抵抗率を本発明の範囲内に制御することによ
り、十分に電子写真性能を満足させる領域が確保できる
ことが確認できた。
【0023】次に、上記の(あ−1〜4)〜(お−1〜
4)の感光紙を、市販の黄血塩系のエッチ液ELP−E
2(富士写真フイルム(株)製)にてエッチング処理
し、印刷版として800枚印刷後の刷版の版伸びについ
て調べた結果を、表4に示す。
【0024】
【表4】 なお、表4の各記号は下記のとおりの評価結果を示す。 ○ : 版伸び 0.3mm以下 △ : 0.4〜0.6mm ▲ : 0.7〜1.0mm × : 1.1mm以上 版伸びが0.4mmを越えると、印刷物の文字や画像の
位置がずれる等の問題を生じ、実用に不適当である。
【0025】上記表3と表4の結果を合わせたものは、
表5に示すようになり、20種類の試料のうちカブリも
版伸びも少ない試料が、あ−1、あ−2、い−1、い−
2であること、すなわち本発明に限定した、外層の表面
抵抗が1×1011Ω以下であり、内層のコブの吸水度が
15g/m2 (45分)以下である範囲が、本発明の
目的を達成できる領域であることが明らかに判る。
【表5】
【0026】実施例2 実施例1において、アンダー層の内層及び外層に用いた
SBRエマルジョンに代えて、アクリルエマルジョンを
用い、またクレーについてはその量を該内層のCobb
吸水度が約2g/m2 (45分)から約50g/m2
(45分)の範囲で4段階に変化するように調整した
他は全て実施例1と同様に行った。内層組成 : アクリルエマルジョン 30重量部 澱粉 3重量部 クレー 適量 メラミン 3重量部 水 100重量部外層組成: アクリルエマルジョン 23重量部 クレー 30重量部 導電性酸化チタン 適量 メラミン 2重量部 水 100重量部 得られた16種類の試料の内層のCobb吸水度〔g/
2 (45分)〕及び最外層の表面抵抗率を測定した
結果を、表6にまとめて示す。
【表6】
【0027】これら16種類の試料について、実施例1
と同様に現像(カブリの評価)、印刷試験を行ったとこ
ろ、表7に示す結果が得られた。表7の各記号は表2〜
表5におけると同様を意味する。
【0028】
【表7】 16種類の試料のうちカブリも版伸びも少ない試料が、
か−5、か−6、、き−5、き−6、であること、すな
わち本発明に限定した、最外層の表面抵抗率が1×10
11Ω以下であり、内層のCobb吸水度が15g/m2
(45分)以下である範囲が、本発明の目的を達成で
きる領域であることが明らかに判る。
【0029】比較例1 坪量100g/m2 の上質紙の片面にSBRエマルジョ
ン、澱粉、クレー、メラミン、水からなる分散液をワイ
ヤーバーを用いて塗布し、140℃のオーブンにて1分
間乾燥して塗布量15g/m2 の下塗層を一層設けた。
この時の下塗層組成物の量比は下記の通りであるが、ク
レーについてはその量を該内層側のCobb吸水度が約
2g/m2 (45分)から約50g/m2 (45分
)の範囲内で5段階に変化するように調製しようと試
みた。通常下塗層の塗布量は約5〜15g/m2 であ
る。この塗布量が5g/m2 以下では防水性が劣化し、
15g/m2 を越えると紙がこわばって現像適性や印刷
適性に支障をきたすため、塗布量はCobb吸水度を所
望の領域に抑えつつ紙のこわばり等の支障をきたさない
ように上限の15g/m2 にしたが、それでも表面抵抗
率を約1×109 Ωに保持したまま、Cobb吸水度を
15g/m2 (45分)以下にすることはできなかっ
た。下塗層組成: SBRエマルジョン 30重量部 澱粉 3重量部 クレー 適量 導電性酸化チタン 適量 メラミン 3重量部 水 100重量部 これらの試料の支持体である紙の裏面側に、SBRエマ
ルジョン25重量部、クレー45重量部、カゼイン4重
量部、メラミン4重量部および水100重量部からなる
分散液をワイヤーバーを用いて塗布し、140℃のオー
ブンにて1分間乾燥して塗布量10g/m2 のバック層
を設けた。更に、これらの下塗層の上に、光導電性酸化
亜鉛100重量部、アクリル樹脂20重量部、トルエン
125重量部、無水フタル酸0.1重量部、及びローズ
ベンガルの4%メタノール溶液4.5重量部からなる分
散液をワイヤーバーを用いて塗布し、110℃のオーブ
ンにて20秒間乾燥して塗布量25g/m2 の光導電層
を設け、電子写真感光紙とした。得られた各電子写真感
光紙について、実施例1と同様にして印刷試験を行った
が、800枚印刷後の版伸びが0.3mm以下になるも
のは見出せなかった。
【0030】比較例2 坪量100g/m2 の上質紙の片面にSBRエマルジョ
ン、澱粉、クレー、導電性酸化チタン、メラミン、水か
らなる分散液をワイヤーを用いて塗布し、140℃のオ
ーブンにて1分間乾燥して塗布量15g/m2 の下塗層
を一層設けた。このときの下塗層組成物の量比は下記の
通りである。クレーについてはその量を該下塗層のCo
bb吸水度が約5g/m2 (45分)で一定になるよ
うに調整し、導電性酸化チタンについてはその量を該下
塗層の表面抵抗率が約1×109Ωの範囲で変化するよ
うに調整しようと試みた。しかし、塗布量15g/m2
に保持したまま、表面抵抗率を5×1011Ω以下にする
ことはできなかった。下塗層組成: SBRエマルジョン 30重量部 澱粉 3重量部 クレー 適量 導電性酸化チタン 適量 メラミン 3重量部 水 100重量部 これらの試料の支持体である紙の裏面側に、SBRエマ
ルジョン25重量部、クレー45重量部、カゼイン4重
量部、メラミン4重量部および水100重量部からなる
分散液をワイヤーバーを用いて塗布し、140℃のオー
ブンにて1分間乾燥して塗布量10g/m2 のバック層
を設けた。更に、これらの下塗層の上に、光導電性酸化
亜鉛100重量部、アクリル樹脂20重量部、トルエン
125重量部、無水フタル酸0.1重量部、及びローズ
ベンガルの4%メタノール溶液4.5重量部からなる分
散液をワイヤーバーを用いて塗布し、110℃のオーブ
ンにて20秒間乾燥して塗布量25g/m2 の光導電層
を設け、電子写真感光紙とした。得られた各電子写真感
光紙について、実施例1と同様にして現像後のカブリを
試験したが、15℃/30%RHの環境下においてガブ
リが0.6以下になるものは見出せなかった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればア
ンダー層を複層構造として、最外層は表面抵抗率を1×
1011Ω以下として電子写真特性、特に現像特性を確保
し、しかも内層のCobb吸水度を15g/m2 (45
)以下とすることにより印刷時の版伸びを防止して
電子写真特性と印刷特性の両立した電子写真式平版印刷
用原版とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−130042(JP,A) 特開 昭58−5293(JP,A) 特開 昭58−8696(JP,A) 特開 昭58−36494(JP,A) 特開 昭59−13244(JP,A) 特開 昭59−30547(JP,A) 特開 昭59−68753(JP,A) 特開 昭60−61766(JP,A) 特開 昭60−107041(JP,A) 特開 昭60−107043(JP,A) 特開 昭62−98362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に光導電層と、該光導電層
    の直下に設けられたアンダー層とを少なくとも有してな
    る電子写真式平版印刷用原版において、該アンダー層が
    複数層からなり、該複数層は表面抵抗率が1×1011Ω
    以下である最外層とコッブ(Cobb)の吸水度が15
    g/m2 (45分)以下である内層とを有するもので
    ある電子写真式平版印刷用原版。
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