JP2771920B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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JP2771920B2
JP2771920B2 JP3646192A JP3646192A JP2771920B2 JP 2771920 B2 JP2771920 B2 JP 2771920B2 JP 3646192 A JP3646192 A JP 3646192A JP 3646192 A JP3646192 A JP 3646192A JP 2771920 B2 JP2771920 B2 JP 2771920B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真式平版印刷用原
版に関し、特に印刷適性に優れて高い画質の印刷物が得
られ、しかも印刷の作業性の良い電子写真式平版印刷用
原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法により平版印刷版を製造する
方法として、従来、電子写真式平版印刷用原版の光導電
層を一様に帯電させ画像露光した後、乾式トナーにより
乾式現像あるいは液体トナーにより湿式現像してトナー
像を得、次いでこのトナー像を定着した後、不感脂化液
(エッチング液)で処理してトナー像のない非画像部を
親水化する方法が一般的に採用されている。また製版さ
れた印刷版は印刷機の版胴にとりつけて平版印刷に供さ
れるが、この際、印刷中には湿し水が使用される。電子
写真式平版印刷用原版の支持体として従来から導電性が
付与された紙等が使用されているが、この支持体への水
の浸透により耐刷力や画質性能に影響を与えていた。す
なわち、上記のエッチング液や印刷中の浸し水が支持体
に侵入すると、印刷版の伸び、版切れ等の問題を生じ
る。従って、このような電子写真式平版印刷用原版は一
般的な電子写真感光材料としての性質すなわち、表面の
電気的特性が均一で画像形成性能や現像性に優れるこ
と、カブリや印刷ムラがないなど環境安定性を有するこ
と等の電子写真特性と共に、印刷版として用いる際の印
刷特性すなわち不感脂化処理や湿し水に対する耐水性、
耐有機溶剤性や印刷作業性、環境安定性等の両立が望ま
れる。このために例えば、支持体の片面又は両面に耐水
性を有する例えばエポキシ樹脂やエチレンとアクリル酸
等との共重合体を塗布したり(特開昭50−13890
4、同55−105580、同59−68753各号公
報等)、あるいはポリエチレン等のラミネート層を設け
る(特開昭58−57994号公報)等の提案がなされ
ている。また、支持体の光導電層を有する面(トップ層
とも呼ばれる)とは反対の面に裏塗層(バック層)を設
けて耐水性付与や各種の機能保持を図る方法、さらには
光導電層とプレコート層の間に中間層を設けて電子写真
特性と耐水性の両立を図る方法等(特開平2−5046
5号公報)が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光導電層直下
にアンダー層(下塗層)を設けた場合、従来の光導電層
単一の場合に比べ、電子写真的に均一な特性の安定保持
と、耐水性及び強度保持を両立させる点に困難がある。
すなわち、アンダー層を設けてなお電子写真的に均一な
特性を保とうとすると、使用材料の性質上、支持体は硬
く脆いものとなり、折れたり、版切れを起こしたり、版
胴から飛びだしたりしてしまう問題があった。また、ア
ンダー層に強靱且つしなやかな材料を用いると電子写真
的に均一な安定性が得られず、現像時にカブリが増加し
たり、鮫肌状のムラが出たりする。本発明は電子写真式
平版印刷用原版において、支持体と光導電層の間且つ光
導電層直下にアンダー層を設けることによって生じる上
記のような問題点の解決を課題としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】本発明は、支持体の片面に光導電層と、該
光導電層の直下に設けられたアンダー層とを少なくとも
有してなる電子写真式平版印刷用原版において、該アン
ダー層が複数層からなり、該複数層は表面抵抗率が1×
1011Ω以下である最外層とヤング率が1000kg/
cm2 以下である内層とを有するものである電子写真式
平版印刷用原版により上記課題を解決するものである。
【0006】
【作用】本発明の特徴は、支持体と光導電層の間で、且
つ該光導電層に接してその直下に設けるアンダー層の構
成を複層とし、従来困難であった電子写真特性(カブ
リ)と強度保持性を両立させたことにある。即ち、本発
明のアンダー層は表面抵抗率1×1011Ω以下の最外層
(光導電層に接する光導電層直下の層)と、ヤング率1
000kg/cm2 以下の内層(支持体側の層)を有し
てなるものである。
【0007】本発明においては、アンダー層の最外層が
表面抵抗率1×1011Ω以下であるために、その上にに
設けられている光導電層の電子写真特性の均一性を妨げ
ることなく、画像形成性能、現像性能は光導電層単一の
場合と同等の性能が得られる。また、該内層はそのヤン
グ率が1000kg/cm2 以下であり、この領域の剛
性をもつ層を設けることにより版切れを起こすことがな
くなる。そして本発明では、このように機能を分担した
複層構造とすることにより、従来の単一層では表面抵抗
率を低くしようとすると支持体のしなやかさが失われ
て、印刷時に版がヒビ割れを起こして切れてしまうよう
な問題も解消できた。
【0008】以下に、本発明のアンダー層を更に詳細に
説明する。本発明のアンダー層の最外層は、表面抵抗率
が1×1011Ω以下の層である。表面抵抗率が1×10
11Ωを越えると、カブリが大きくなり好ましくない。こ
の点については、後記の実施例1,2に詳しい実験結果
を示す。また、表面抵抗率の下限値は1×107 Ωであ
る。これより小さい表面抵抗率では、原版全体の周辺部
において帯電後にリークが起き、露光・現像しても画像
が得られなくなり好ましくない。本発明の最外層の表面
抵抗率を上記範囲内にするために、最外層には例えば酸
化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛などの
導電性金属酸化物、コロイド質アルミナ、コロイド質シ
リカ、カーボンブラック、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、脂肪酸、脂肪酸モノグリセリド、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルメチルアンモニウム塩、及びアル
キルリン酸アルカノールアミン塩、ポリオキシエチレン
アルキルリン酸塩などの界面活性剤等の導電性物質を含
有させる。これらの物質は該最外層組成物を調製・分散
する際に添加しても良いし、また最外層塗布後に試料を
導電性物質分散液に含浸させても良い。
【0009】本発明のアンダー層最外層は上記の導電性
材料と他の最外層形成用材料からなり、該形成用材料と
しては、例えば各種の耐水性材料、耐水性耐有機溶剤性
材料、合成エマルジョン、更には天然又は合成の親水性
高分子等の1種以上を用いることができる。該耐水性材
料としては、耐水性膜形成材料である例えばポリ塩化ビ
ニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ア
ルキド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等や耐有機溶剤性膜形成材料であ
る例えば澱粉、酸化澱粉、PVA、メチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、CMC等が挙げられる。
該耐水性耐有機溶剤性材料としては、例えばエチレン−
ビニルアルコール共重合体、高重合度ポリエステル、高
重合度ポリウレタン等が用いられる。また、澱粉、PV
A、アクリル樹脂(但し反応性アクリル樹脂で、有機溶
剤溶液型でもO/W型エマルジョン型でもよい)、アル
キド樹脂(但し空気硬化型のもの)等とメラミン樹脂の
ような架橋剤とを併用して耐水性耐有機溶剤性材料とし
て用いることもできる。該合成エマルジョンとしては、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、塩化ビ
ニール、塩化ビニリデン、酢酸ビニール、ポリウレタ
ン、プレポリマー、アクリロニトリル、ブタジエン、ス
チレン−ブタジエン等の単量体またはプレポリマーを乳
化重合または乳化共重合させて得られるものを挙げるこ
とができる。天然又は合成の親水性高分子としては通常
の石灰処理ゼラチンの他に酸処理ゼラチン、改質ゼラチ
ン、誘導体ゼラチン等のゼラチン類、アルブミン、アル
ギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ラテックス、セルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等のセルロース類やデンプン等の水溶性誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体
等の親水性高分子等が挙げられる。これらの最外層形成
用材料は併用して使用することも可能である。なお、最
外層には必要に応じて分散剤、レベリング剤、架橋剤等
を添加することができる。最外層形成用組成物全量中の
上記導電性材料の存在割合は使用する材料によっても異
なるが、表面抵抗率が1×1011Ω以下を満足すればよ
く、通常0.1〜10重量%程度である。
【0010】本発明の内層は該内層用組成物を単独フィ
ルムにしたときのヤング率が1000kg/cm2 以下
という条件を満足するものであればよい。ヤング率10
00kg/cm2 を上回ると、版の強靱性が損なわれて
脆くなり、印刷時に支持体が吸水して伸びるにつれて該
内層にヒビ割れが生じてついには版が切断するに至る。
この点については後記する実施例1,2に詳しく実験結
果を示す。
【0011】内層形成用材料としては、最外層形成用材
料として前記した各種の耐水性材料、耐水性耐有機溶剤
性材料、合成エマルジョンを用いることができ、更に水
溶性高分子化合物も使用できる。該水溶性高分子化合物
としては、澱粉又はその水溶性誘導体、水溶性セルロー
ス誘導体、カゼイン、ポリビニールアルコール、スチレ
ン無水マレイン酸共重合体、酢ビ−無水マレイン酸共重
合体などを挙げることができる。この場合も、内層の吸
水度が15g/m2 以下となるようにその使用量を選択
する。これらの内層形成用材料は併用して使用すること
も可能であり、必要に応じて分散剤、レベリング剤、架
橋剤等を添加することができる点は、最外層の場合と同
様である。また、最外層と内層の一方又は両方に親水性
高分子結合剤例えば有機チタン化合物等を添加すること
で、両層の密着性を向上できる。
【0012】本発明において最外層の厚さはその性能を
発揮できる厚さであればよく、特に限定されるものでは
ないが、1〜25μm、好ましくは1〜15μm程度で
ある。また、内層の厚さは1〜30μm、好ましくは3
〜20μmである。内層が複層構成の場合にはトータル
の厚さがこの範囲であればよい。本発明の最外層及び内
層を含めたアンダー層全体の厚さは1〜60μmが一般
的であり、好ましくは4〜40μmである。
【0013】本発明の支持体としては、この種の電子写
真式平版印刷用原版に使用される公知の支持体のいずれ
をも用いることができる。例えば、金属、紙、プラスチ
ックシート等の基体やこれらに低抵抗物質を含浸させる
などして導電処理したもの、前記支持体の表面に耐水性
接着層または少なくとも1層以上のプレコート層を設け
たもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチックを紙
にラミネートしたもの等が使用できる。また、支持体の
裏面(光導電層を設ける面とは反対の面)に公知の手段
によりバック層を設けてもよい。導電性基体あるいは導
電化材料の例として具体的には、坂本幸男「電子写真」
14,(No.1),p2〜11(1975)、森賀弘之
「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1975)、M.
F. Hoover, J. Macromol. Sci. Chem., A−4
(6),p1327〜1417(1970)等に記載さ
れているもの等を用いる。
【0014】本発明の光導電層は、少なくとも光導電体
と結着剤とを含有してなり、光導電体としては無機材
料,有機材料のいずれであってもよい。無機光導電材料
としては例えばSi、Ge、酸化亜鉛、硫化カドミウ
ム、酸化チタン、セレン、セレン化カドミウム、セレン
化亜鉛又は酸化鉛、Se−Te合金、As2 3 、As
2 Se3 等のカルコーゲン合金等を挙げることができ
る。有機光導電材料としては、例えば光導電性シアニン
系顔料、光導電性キノリン系顔料、光導電性フタロシア
ニン系顔料、光導電性ピリリウム塩系顔料、置換ビニル
オキサゾール、トリフェニルアミン誘導体、アントラセ
ン、ベンゾ縮合複素環、ピラゾリン又はイミダゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、ビニル芳香族ポリマー
ならびにこれらの共重合生成物、フルオレノン誘導体、
トリアリールメタンロイコ染料やスクエアリン酸誘導体
染料等のポリアリールアルカン類、ペリレン、テトラセ
ン、カルバゾール、テトラベンジル−p−フェニレンジ
アミン、スクエアリウム、インジゴ、ジメチルペルイミ
ド、ポリゼニルテトラセン、ポリゼニルペリレン、アシ
ルヒドラゾン誘導体、ベンチアゾール誘導体、テトラ
シアノピレン、クロロシアンブルー等各種のものを挙げ
ることができる。これらは併用して用いてもよい。結着
剤としてはシリコン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリル
酸又はポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルブチラール及びそれらの誘導
体やその他の光導電層用結着剤として公知の材料を用い
ることができる。光導電層中の光導電体量は、光導電性
物質と結着剤の比は例えば重量比で3:1〜20:1の
範囲等で用いるが、本発明では特に限定されるところは
ない。また、必要に応じて増感剤や、塗布を行なうとき
に用いられる塗布助剤その他の添加剤を添加することが
できる。この光導電層の厚さは通常2〜20μm程度で
あるが、本発明では特に限定されるところはない。ま
た、光導電層とアンダー層との接着力を向上させるため
に、アンダー層の表面を予め例えば米国特許第3,41
1,908号明細書に記載されているように、コロナ放
電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線処理、オゾ
ン処理、プラズマ処理等の表面処理を行っておくことが
好ましい。
【0015】本発明の平版印刷用原版の作製は、この種
の電子写真式平版印刷用原版製造分野で公知の技術によ
ればよく、分散方式として例えばボールミル、コロイド
ミル、超音波分散機、3本ロールミル、グレインミル、
ホモジナイザー、ホモミキサー等通常のものが使用でき
る。また、塗布方式としては、エアーナイフコーター、
トレイリンググレードコーター、ワイヤーバーコータ
ー、リバースロールコーター、キスロールコーター、フ
ァウンテンコーター等が使用できる。
【0016】以上の本発明の原版は、通常の帯電、画像
露光、現像等の工程を経て平版印刷版とされる。また、
通常の湿式現像は勿論、例えば特願昭63−89373
号明細書、特開平2−132464号公報に記載される
ような直接給電方式の現像を行なうのにも適している。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例挙げて説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 坪量100g/m2 の上質紙の片面にSBRエマルジョ
ン、ポバール(ポリビニルアルコール)、クレー、メラ
ミン、水からなる分散液をワイヤーバーを用いて塗布
し、140℃のオーブンにて1分間乾燥して塗布量7g
/m2 のアンダー層内層を設けた。この時の該内層組成
物の量比は次の通りであるが、SBRエマルジョンとポ
バールについては、その量を該目の単独フィルムにした
時のヤング率が約300kg/cm2 から約3000k
g/cm2 の範囲で4段階に変化するように調整し、4
種類の試料(あ)、(い)、(う)、(え)を得た。内層組成 : SBRエマルジョン 適量 ポバール 適量 澱粉 3重量部 クレー 30重量部 メラミン 3重量部 水 100重量部
【0018】なお、内層組成物物の単独フイルムは、該
組成物の分散液をワイヤーバーによりガラス支持体に塗
布し、自然乾燥後、140℃のオーブンにて1分間乾燥
して塗布量100g/m2 の被膜を形成し、これをガラ
ス支持体より剥離することにより得る。
【0019】次に内層の上にスチレン−ブタジエン樹脂
(以下、SBRと略記する)エマルジョン、クレー、導
電性酸化チタン、メラミン、水からなる最外層組成物分
散液をワイヤーバーを用いて塗布し、140℃のオーブ
ンにて1分間乾燥して塗布量3g/m2 の外層を設け
た。この時の最外層組成物の量比は次の通りであるが、
導電性酸化チタンについてはその量を該外層の表面抵抗
率ρsが約1×109 Ωから約1×1012Ωの範囲で4
段階に変化するように調整して、上記各試料(あ)〜
(え)のそれぞれに塗布し、各4種類ずつの試料、合計
16種類の試料を作成した。外層組成: SBRエマルジョン 23重量部 クレー 30重量部 導電性酸化チタン 適量 メラミン 2重量部 水 100重量部
【0020】上記16種類の試料の支持体である紙の裏
面側に、SBRエマルジョン25重量部、クレー45重
量部、カゼイン4重量部、メラミン4重量部および水1
00重量部からなる分散液をワイヤーバーを用いて塗布
し、140℃のオーブンにて1分間乾燥して塗布量10
g/m2 のバック層を設けた。このようにして得られた
16種類の試料の内層組成物の単独フィルムのヤング率
及び最外層の表面抵抗率を測定した結果を、表1にまと
めて示す。
【表1】
【0021】上記で得られた各試料(支持体)の外層側
に、光導電性酸化亜鉛100重量部、アクリル樹脂20
重量部、トルエン125重量部、無水フタル酸0.1重
量部、及びローズベンガルの4%メタノール溶液 4.
5重量部からなる分散液をワイヤーバーを用いて塗布
し、110℃のオーブンにて20秒間乾燥して塗布量2
5g/m2 の光導電層を設けて電子写真感光紙とした。
この電子写真感光紙について市販の電子写真製版機EL
P404V(富士写真フイルム(株)製)を用いて、2
0℃,65%RHと15℃,30%RHの環境条件下で
現像を行い非画像部のカブリを調べたところ、表2、表
3に示す結果が得られた。なお、表2及び表3における
各記号は、下記のとおりのカブリ濃度の評価を意味す
る。 ○ : カブリ濃度 0.6以下 △ : 0.7〜1.0 ▲ : 1.0〜1.4 × : 1.5以上 カブリ濃度が0.7を越えて高い場合、印刷中に汚れが
発生するので実用的には不適当である。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】表2及び表3の結果から、より厳しい環境
条件である15℃、30%RHの条件下でも、アンダー
層の表面抵抗率を本発明の範囲内に制御することによ
り、十分に電子写真性能を満足させる領域が確保できる
ことが確認できた。
【0025】次に、上記の(あ−1〜4)〜(え−1〜
4)の感光紙を、市販の黄血塩系のエッチ液ELP−E
2(富士写真フイルム(株)製)にてエッチング処理し
て印刷版とし、AD−80型印刷機(リョービ印刷機
(株)製)にかけ、印刷版としての性能を、200枚印
刷後の刷版の版切れについて調べた結果を、表4に示
す。
【0026】
【表4】 なお、表4の各記号は下記のとおりの評価結果を示す。 ○ : 版切れなし、全く裂目なし △ : 版切れあり、裂目が全体の1/3以上 ▲ : 版切れあり、裂目が全体の1/2以上 × : 版切れあり、完全に切れてしまう 版切れありでは実用に不適当である。
【0027】上記表3と表4の結果を合わせたものは、
表5に示すようになり、16種類の試料のうちカブリも
版切れも少ない試料が、う−1、う−2、え−1、え−
2であること、すなわち本発明に限定した、外層の表面
抵抗が1×1011Ω以下であり、内層のヤング率が10
00kg/cm2 以下である範囲が、本発明の目的を達
成できる領域であることが明らかに判る。
【表5】
【0028】実施例2 実施例1において、アンダー層の内層及び外層に用いた
SBRエマルジョンに代えて、アクリルエマルジョンを
用い、またポバールについてはその量を該内層のヤング
率が約400kg/cm2 から約2000kg/cm2
の範囲で3段階に変化するように調整した他は、全て実
施例1と同様に行った。内層組成 : アクリルエマルジョン 30重量部 ポバール 適量 澱粉 3重量部 クレー 30重量部 メラミン 3重量部 水 100重量部外層組成: アクリルエマルジョン 23重量部 クレー 30重量部 導電性酸化チタン 適量 メラミン 2重量部 水 100重量部 得られた12種類の試料の内層組成物の単独フィルムの
ヤング率及び外層の表面抵抗率を測定した結果を、表6
にまとめて示す。
【表6】
【0029】これらの試料について、実施例1と同様に
現像(カブリの評価)、印刷試験を行ったところ、表7
に示す結果が得られた。表7中の各記号は表2〜表5に
おけると同様を意味する。
【0030】
【表7】 12種類の試料のうちカブリも版切れも少ない試料が、
か−5、か−6、き−5、き−6であること、すなわち
本発明に限定した、外層の表面抵抗が1×1011Ω以下
であり、内層のヤング率が1000kg/cm2 以下で
ある範囲が、本発明の目的を達成できる領域であること
が明らかに判る。
【0031】比較例1 坪量100g/m2 の上質紙の片面にSBRエマルジョ
ン、ポバール、澱粉、クレー、メラミン、水からなる分
散液をワイヤーバーを用いて塗布し、140℃のオーブ
ンにて1分間乾燥して塗布量15g/m2 の下塗層を一
層設けた。この時の下塗層組成物の量比は下記の通りで
あるが、導電性酸化チタンについてはその量を該下塗層
の表面抵抗率ρsが1×109 Ωで一定になるよう調整
し、SBRエマルジョンとポバールについてはその量を
該組成物の単独フィルムにしたときのヤング率が約30
0kg/cm2 から約3000kg/cm2 の範囲で変
化するように調整しようとした。しかし表面抵抗率を1
×109 に保持したままヤング率を1000kg/cm
2 以下にすることはできなかった。下塗層組成: SBRエマルジョン 30重量部 ポバール 適量 澱粉 3重量部 クレー 30重量部 メラミン 3重量部 水 100重量部 これらの試料の支持体である紙の裏面側に、SBRエマ
ルジョン25重量部、クレー45重量部、カゼイン4重
量部、メラミン4重量部および水100重量部からなる
分散液をワイヤーバーを用いて塗布し、140℃のオー
ブンにて1分間乾燥して塗布量10g/m2 のバック層
を設けた。更に、これらの下塗層の上に、光導電性酸化
亜鉛100重量部、アクリル樹脂20重量部、トルエン
125重量部、無水フタル酸0.1重量部、及びローズ
ベンガルの4%メタノール溶液4.5重量部からなる分
散液をワイヤーバーを用いて塗布し、110℃のオーブ
ンにて20秒間感想して塗布量25g/m2 の光導電層
を設け、電子写真感光紙とした。得られた各電子写真感
光紙について、実施例1と同様にして印刷試験を行った
が、200枚印刷後の版切れが全くないものは見出せな
かった。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればア
ンダー層を複層構造として、最外層は表面抵抗率を1×
1011Ω以下として電子写真特性、特に現像特性を確保
し、しかも内層のヤング率を1000kg/cm2 以下
とすることにより印刷時の版切れを防止して電子写真特
性と印刷特性の両立した電子写真式平版印刷用原版とす
ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−130042(JP,A) 特開 昭58−8696(JP,A) 特開 昭58−36494(JP,A) 特開 昭59−30547(JP,A) 特開 昭59−68753(JP,A) 特開 昭60−61766(JP,A) 特開 昭60−107041(JP,A) 特開 昭60−107043(JP,A) 特開 昭62−98362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に光導電層と、該光導電層
    の直下に設けられたアンダー層とを少なくとも有してな
    る電子写真式平版印刷用原版において、該アンダー層が
    複数層からなり、該複数層は表面抵抗率が1×1011Ω
    以下である最外層とヤング率が1000kg/cm2
    下である内層とを有するものである電子写真式平版印刷
    用原版。
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