JP2771469B2 - 改良された耐炎性を有する全芳香族ポリアミド - Google Patents

改良された耐炎性を有する全芳香族ポリアミド

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JP2771469B2 JP7074095A JP7409595A JP2771469B2 JP 2771469 B2 JP2771469 B2 JP 2771469B2 JP 7074095 A JP7074095 A JP 7074095A JP 7409595 A JP7409595 A JP 7409595A JP 2771469 B2 JP2771469 B2 JP 2771469B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された耐炎性を有す
る全芳香族ポリアミドに関し、詳しくはm−フェニレン
イソフタルアミドの繰り返し単位を少なくとも85モル
パーセント、および特定の芳香族ジアミンと二塩基酸塩
化物との繰り返し単位を含む全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】重合混合物の中で溶解したまま存在する
芳香族ポリアミドは1950年代から合成されている
(S.L.クヲレク(Kwolek)およびH.H.ヤン(Ya
ng)「アラミド繊維の歴史」(History of Aramidfiber
s)、「人造繊維:その起源と発展」(Manmade Fiber
s:Their Origin and Development)R.B.ザイモオ
ル(Seymour)およびR.S.ポーター(Porter)編 E
lsevier Applied Science(1993年)参照)。低温溶液
重縮合を経る重合技術においては更に改良が行われ19
60年代末に完成された。このことはパラ−配向の芳香
族ポリアミドの合成へとつながった(S.L.クヲレク
(Kwolek)による米国特許第3600350号(1977
年)明細書参照)。以来、幾つかの特色を有する全芳香
族ポリアミドがこれらの開発によって導き出されてき
た。これには、例えばポリ(m−フェニレンイソフタル
アミド)(以下、MPD−Iということもある)、ポリ
(p−ベンズアミド)(以下、PBAということもあ
る)、およびポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)
(以下、PPD−Tということもある)があげられる。
MPD−IおよびPPD−Tの繊維は各々1962年お
よび1972年上市されて以来工業用に広く採用されて
いる。
【0003】芳香族ポリアミドおよびその成形物品は、
熱安定性、耐薬品性、寸法安定性、耐炎性等のような極
めて優れた性質で知られている。これらの性質の中で
も、耐炎性は熱防護用衣服の用途に対して特に関心が高
い。極めて優れた熱安定性、耐炎性および織物様の性質
を併せもつMPD−I繊維はそのような用途には特に有
用である。
【0004】ポリマーおよび成形物品の耐炎性は、限定
酸素指数(Limiting Oxygen Index)(以下、LOIと
いうこともある)によって測定されるが、その指数は、
酸素/窒素雰囲気で燃焼を続けるために必要な最少の酸
素含量(酸素/窒素雰囲気中の酸素含量)として定義さ
れる。一般に全芳香族ポリアミドは、脂肪族や脂肪族−
芳香族ポリマーに比べてより高いLOI値、即ちより良
好な耐炎性を示すことが文献からよく知られている(例
えば、H.H.ヤン(Ynag)「芳香族高強度繊維」(Ar
omatic High-Strength Fibers)、Wiley Interscienc
e、New York(1989年)参照)。けれども、芳香族ポリ
マーの中では、芳香族複素環ポリマーおよび芳香族ポリ
イミドが芳香族ポリアミドに比べて耐炎性ではすぐれて
いる。ナイロンおよびポリエステルの場合、耐炎性を改
良するために添加剤またはポリマーブレンドによるポリ
マーの改質が工業的に試みられてきた。芳香族ポリアミ
ドとしては、たとえば、MPD−Iの耐炎性を改良する
ために難燃剤としてリンおよびハロゲンを含む有機化合
物を使用する方法がある(フジエ(Fujie)らによる、
米国特許第4196118号(1980年)明細書参照)。
そのようなポリマー組成物の繊維は、極めて優れた耐炎
性を示すが、一方熱安定性の著しい低下を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な熱安定性を保持したままで全芳香族ポリアミドの耐炎
性を改良することにある。また、本発明のさらなる目的
は、特に、ポリマーの改質によってMPD−Iの耐炎性
を改良することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)メタ芳
香族ジアミン:(b)メタ芳香族二塩基酸塩化物:およ
び(c)
【0007】
【化13】
【0008】(式(I)、式(II)、式(III)、
式(IV)および式(V)中、W1およびW2はハロゲン
原子、COOHまたはCn2n+1(ここで、nは1また
は2である)であり、X1、X2、X3、X4およびX5
ハロゲン原子、CH3または水素原子であり、X2とX3
とは同じであっても異なっていてもよく、X4とX5とは
同じであっても異なっていてもよく、YはCm2m(こ
こで、mは1または2である)、O、S、SO2または
単結合であり、Zはハロゲン原子、COOHまたはCn
2n+1(ここで、nは1または2である)である)で表
わされる繰り返し単位を与える1種または2種以上のコ
モノマー:の重縮合により製造される全芳香族ポリアミ
ドに関する。
【0009】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(VI):
【0010】
【化14】
【0011】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0012】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(VII):
【0013】
【化15】
【0014】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0015】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(VIII):
【0016】
【化16】
【0017】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0018】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(IX):
【0019】
【化17】
【0020】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0021】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(X):
【0022】
【化18】
【0023】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0024】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(XI):
【0025】
【化19】
【0026】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0027】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(XII):
【0028】
【化20】
【0029】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0030】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(XIII):
【0031】
【化21】
【0032】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0033】また、本発明は、前記(a)がm−フェニ
レンジアミンであり、前記(b)がイソフタロイル塩化
物であり、前記(c)が式(XIV):
【0034】
【化22】
【0035】で表わされる繰り返し単位を与えるモノマ
ーであることを特徴とする全芳香族ポリアミドに関す
る。
【0036】また、本発明は、式(XV):
【0037】
【化23】
【0038】で表されるm−フェニレンイソフタルアミ
ドの繰り返し単位が少なくとも85モルパーセント:お
よび、
【0039】
【化24】
【0040】(式(I)、式(II)、式(III)、
式(IV)および式(V)中、W1およびW2はハロゲン
原子、COOHまたはCn2n+1(ここで、nは1また
は2である)であり、X1、X2、X3、X4およびX5
ハロゲン原子、CH3または水素原子であり、X2とX3
とは同じであっても異なっていてもよく、X4とX5とは
同じであっても異なっていてもよく、YはCm2m(こ
こで、mは1または2である)、O、S、SO2または
単結合であり、Zはハロゲン原子、COOHまたはCn
2n+1(ここで、nは1または2である)である)で表
わされる繰り返し単位を与える1種または2種以上のコ
モノマーが15モルパーセント以下とから本質的に成る
ことを特徴とする全芳香族ポリアミドに関する。
【0041】また、本発明は前記の全芳香族ポリアミド
からなる成形物品に関する。
【0042】また、本発明は0.25デニール/フィラ
メントより大きい線密度を有する繊維であることを特徴
とする成形物品に関する。
【0043】
【作用および実施例】本発明における「全芳香族ポリア
ミド」の用語は、次の式(XV)または式(XVI)に
よって表される繰り返し単位を少なくとも85モルパー
セントを含む直鎖状ポリマーを意味する。
【0044】
【化25】
【0045】(式(XV)および式(XVI)中、Ar
1、Ar2およびAr3は芳香族基であり、Ar1およびA
2は同じでもよいし異なってもよい。また、R1、R2
およびR3は低級アルキル基または水素であり、R1およ
びR2は同じでもよいし異なってもよい)。
【0046】本発明におけるメタ芳香族ジアミンの具体
例としては、m−フェニレンジアミン、3,3′−ジア
ミノビフェニル、3,4′−ジアミノビフェニル、3,
3′−オキシジフェニレンジアミン、3,4′−オキシ
ジフェニレンジアミン、3,3′−スルホニルジフェニ
レンジアミン、3,4′−スルホニルジフェニレンジア
ミン、4,4′−オキシジフェニレンジアミン、4,
4′−スルホニルジフェニレンジアミン、2,4−トリ
レンジアミンまたはスルホンジアミンがあげられ、低コ
ストで入手しえ、そのコポリマーがより好適な耐炎性を
有しえるという点から、m−フェニレンジアミンまたは
2,4−トリレンジアミンが好ましい。
【0047】また、本発明におけるメタ芳香族二塩基酸
塩化物(aromatic diacid chloride)の具体例として
は、イソフタロイルクロライド、3,3′−ジベンゾイ
ルクロライド、3,4′−ジベンゾイルクロライド、
3,3′−オキシジベンゾイルクロライド、3,4′−
オキシジベンゾイルクロライド、3,3′−スルホニル
ジベンゾイルクロライド、3,4′−スルホニルジベン
ゾイルクロライド、4,4′−オキシベンゾイルクロラ
イドまたは4,4′−スルホニルジベンゾイルクロライ
ドなどがあげられ、低コストで入手しえ、そのコポリマ
ーがより好適な耐炎性を有しえるという点から、イソフ
タロイルクロライドまたは3,3′−ジベンゾイルクロ
ライドが好ましい。
【0048】この全芳香族ポリアミドの一例としては、
ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)および次の式
(XV)で表わされるm−フェニレンイソフタルアミド
の繰り返し単位を少なくとも85モルパーセントを含む
同種類のコポリマーがあげられる。
【0049】
【化26】
【0050】全芳香族ポリアミド、特にポリ(メタ−フ
ェニレンイソフタルアミド)(以下、MPD−Iという
こともある)の耐炎性は、該全芳香族ポリアミド(また
は、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド))の分
子鎖中に、
【0051】
【化27】
【0052】(式(I)、式(II)、式(III)、
式(IV)および式(V)中、W1およびW2はハロゲン
原子、COOHまたはCn2n+1(ここで、nは1また
は2である)であり、X1、X2、X3、X4およびX5
ハロゲン原子、CH3または水素原子であり、X2とX3
とは同じであっても異なっていてもよく、X4とX5とは
同じであっても異なっていてもよく、YはCm2m(こ
こで、mは1または2である)、O、S、SO2または
単結合であり、Zはハロゲン原子、COOHまたはCn
2n+1(ここで、nは1または2である)である)によ
って表わされる芳香族セグメントを組み入れることによ
って改良できることを見出し本発明に至った。
【0053】組み入れる前記式(I)、式(II)、式
(III)、式(IV)および/または式(V)で表わ
される繰り返し単位は、えられるコポリマー中に2〜1
5モルパーセント含有されていることが好ましく、5〜
15モルパーセント含有されていることがさらに好まし
い。この繰り返し単位が15モルパーセントを超える
と、製造コストが増大する傾向にあり、一方2モルパー
セント未満であると、充分な改質効果をうることができ
ない傾向がある。
【0054】また、前記式(I)、式(II)、式(I
II)、式(IV)および/または式(V)におけるW
1、W2、X1、X2、X3、X4、X5またはZがハロゲン
原子のばあい、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子があげられる。W
1、W2、X1、X2、X3、X4、X5またはZがヨウ素原
子のばあい、より好適な効果をうることができるが、コ
ストが増大する傾向がある。そのような点から、W1
2、X1、X2、X3、X4、X5またはZとしての好適な
ハロゲン原子は塩素原子である。
【0055】本発明に用いることができる前記式
(I)、式(II)、式(III)、式(IV)または
式(V)で表わされる繰り返し単位を与えるコモノマー
の具体例としては、4,4′−ビフェニルジカルボキシ
ルクロライド(biphenyldicarboxylchloride)、5−ク
ロロ−m−フェニレンジアミン(5-chloro-m-phenylene
diamine)、4−クロロ−m−フェニレンジアミン(4-
chloro-m-phenylene diamine)、2−クロロ−5−メチ
ル−p−フェニレンジアミン(2-chloro-5-methyl-p-ph
enylene diamine)、3,5−ジアミノベンゾイリック
(3,5-diamino benzoylic acid)、3,3′−ジメチル
ベンジジン(3,3′-dimethyl benzidine)、4,4−ジ
アミノジフェニルエーテル(4,4-diamino diphenyl eth
er)、4,4−ジアミノジフェニルメタン(4,4-diamin
o diphenyl methane)または4,4−メチレンビス(2
−クロロアニリン)(4,4-methylene bis(2-chloro ani
line))などがあげられる。
【0056】また、本発明における全芳香族ポリアミド
の固有粘度は0.7〜2.5dl/gの範囲内にあるこ
とが好ましい。
【0057】本発明の全芳香族ポリアミドを用いる成形
物品としては、たとえば繊維製品、フィルムまたはファ
イブリッド(fibrids)などさまざまな成型物品などが
あげられる。
【0058】また、前記成形物品が繊維であるばあい、
この繊維としては1.5〜13デニール/フィラメント
程度の線密度のものがえやすい。また、えられる繊維の
線密度の最低限界は0.25デニール/フィラメント程
度である。
【0059】本発明の全芳香族ポリアミドの重合反応
は、アミド溶媒中で、場合によってはアルカリ塩の存在
下で行なわれる。有用なアミド溶媒としては、N、N′
−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルム
アミド、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
があげられる。アルカリ塩としては、塩化カルシウム、
塩化リチウム、炭酸リチウム等があげられる。前記アミ
ド溶媒および重合体からなる重合混合物には通常は10
重量パーセントを超えるポリマーが含まれる。重合混合
物中のアルカリ塩の量は、重合混合物中のポリマー溶解
度およびポリマー濃度によるが、零から塩の溶解限度を
超える過剰量まで変動させてもよい。重合温度は、一般
に反応開始時は−10℃ないし10℃であり、反応終了
時は約70℃より低い温度である。反応時間は、ポリマ
ー組成物によって変動する。高分子量のポリマーは通
常、1〜2時間の反応時間内で得ることができる。
【0060】以下、本発明を実施例および比較例をあげ
て説明するが、本発明はこれら実施例により限定される
ものではない。
【0061】比較例1 この比較例でポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)
(MPD−I)の製造方法を具体的に説明する。
【0062】壁を掃き取る螺旋形の一対の混合翼を備え
た5リッターのジャッケト付き円筒形ガラス反応器の中
に、無水のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP
ということもある)3605g(3500ml)中のm
−フェニレンジアミン(以下、MPDということもあ
る)409.0g(3.78モル)の混合物を窒素パー
ジのもとで入れた。MPD/NMP溶液を約0℃まで冷
却するために、混合翼で穏やかに撹はんしながら氷水を
反応器ジャッケトに循環させた。約15分の後、微粉状
のイソフタロイル塩化物(以下、IClということもあ
る)767.9g(3.78モル)をそのガラス反応器
にゆっくりと添加した。反応温度が上がり始めて反応混
合物が次第に粘性を増すにつれて、反応器ジャッケトに
通す氷水の循環を続けながら混合速度を次第に増加させ
た。約20分の反応時間の後、更に10〜15分間経つ
と反応系の温度が約0℃から60℃へと上昇できるよう
に反応器ジャッケトを通る氷水の循環を減少させた。そ
の時点で反応混合物を貯蔵容器に移すことによって反応
を停止させた後、その混合物を静置させた。周囲温度ま
で冷却する間に、反応混合物は淡い琥珀色で高粘性のゲ
ル状物質となった。重合混合物は約20重量%のMPD
−Iポリマーを含んでいた。そこで生成した全芳香族ポ
リアミドの固有粘度(以下、ηinhということもある)
を、30℃で97%濃硫酸100ml当たり0.5gの
ポリマー濃度(C)で測定して、次式によって相対粘度
(ηrel)から算出した: ηinh=ln(ηrel)/C このポリマーは、1.1dL/gの固有粘度を有してい
た。
【0063】ポリマーフィルムの小片、約2グラム、を
通常の方法によってガラス板上にキャスティングした。
このフィルムを、真空炉中で、150℃、76mmHg
で6時間乾燥すると乾燥状態となった。次にこのフィル
ムを熱重量分析(以下、TGAということもある)およ
び限定酸素指数(LOI)試験にかけた。TGAによっ
てASTM記載の方法で測定したこのポリマーの5%重
量減少温度(以下、T5ということもある)は444.
5℃であった。ASTM法D2863−87記載の方法
で測定したフィルム状でのこのポリマーのLOIは27
%であった。表1にはこのポリマーの物理的性質(I
V、T5、LOI)を示している。
【0064】実施例1〜9 これらの実施例は、本発明におけるm−フェニレンイソ
フタルアミドのコポリマーの性質を具体的に説明してい
る。
【0065】表1記載の繰り返し単位を与える芳香族ジ
アミンまたは二塩基酸塩化物のコモノマー(各実施例で
使用したコモノマーは、実施例1;4,4′−ビフェニ
ルジカルボキシルクロライド(biphenyldicarboxyl chl
oride)、実施例2;5−クロロ−m−フェニレンジア
ミン(5-chloro-m-phenylene diamine、実施例3;4−
クロロ−m−フェニレンジアミン(4-chloro-m-phenyle
ne diamine)、実施例4;2−クロロ−5−メチル−p
−フェニレンジアミン(2-chloro-5-methyl-p-phenylen
e diamine)、実施例5;3,5−ジアミノベンゾイリ
ック(3,5-diamino benzoylic acid)、実施例6;3,
3′−ジメチルベンジジン(3,3′-dimethyl benzidin
e)、実施例7;4,4−ジアミノジフェニルエーテル
(4,4-diamino diphenyl ether)、実施例8;4,4−
ジアミノジフェニルメタン(4,4-diamino diphenyl met
hane)、実施例9;4,4−メチレンビス(2−クロロ
アニリン)(4,4-methylene bis(2-chloro aniline)で
ある)が芳香族ジアミン全体のまたは芳香族二塩基酸塩
化物全体の10モルパーセントの量で各々MPDまたは
IClと一緒に反応器に添加されることを除いて比較例
1の方法に従った。次いで重合反応を比較例1と同様の
方法で実施しコポリマーをえた。
【0066】これらのコポリマーの固有粘度、劣化温度
および限定酸素指数を表1に示す。これらのコポリマー
の5%重量減少温度は、MPD−Iの場合の444.5
℃と比べると388.5℃から449.4℃の範囲にあ
った。これらのコポリマーの限定酸素指数はMPD−I
の場合の27.2%と比べると27.24%から33.
6%の範囲にあった。これらのコポリマーはMPD−I
に比べて良い耐炎性を有すると同時に、実質的に同様の
熱安定性を維持できる。
【0067】比較例2 この比較例は、米国特許第4196118号明細書(フ
ジエ(Fujie)ら)によるMPD−Iとトリス(クロル
エチル)ホスフェート(以下、TCPということもあ
る)との90/10の混合物による。
【0068】実施例1で調製したものと同じMPD−I
の乾燥ポリマー3グラムをNMP151グラムに溶解さ
せた溶液を約70℃で調製した。0.3グラムの量のT
CPをこのMPD−I/NMPのポリマー溶液に添加し
て完全に混合した。TGA試験用に、実施例1に記載し
たものと同様の方法でこの溶液からMPD−I/TCP
混合物のフィルム試験片を調製した。
【0069】TCP10重量%を含むMPD−Iの5%
重量減少温度(T5)は、比較例1のMPD−Iの場合
の444.5℃と比べると260.1℃であることが判
った。このようなMPD−I/TCP混合物のLOIは
フジエ(Fujie)等によって36%であったと報告され
ている(米国特許第4196118号明細書参照)。
【0070】
【表1】
【0071】高分子材料の耐炎性はLOIにより表わす
ことができる。LOIの値が大きくなればなるほど、耐
炎性が良くなる。比較例1に比べて、実施例1〜9のL
OIの値が大きく、これは耐炎性がより高いということ
を示している。また、比較例2の材料は36という高い
LOIの値を有するが、これは3個の塩素原子を含有す
るTCPを添加することによりなされたものであり、実
施例でえられたコポリマーは比較例2と比べて改良され
た耐炎性を有するものであるということができる。
【0072】高分子の熱安定性は前記のT5の温度によ
り表わすことができる。表1より比較例2の材料は26
0.1℃に達すると5%の重量が失われることが判る。
しかしながら、実施例1〜9の材料はそれぞれ約400
℃まで温度を上昇させないと5%の重量が失われず、熱
安定性がよいことが判る。
【0073】
【発明の効果】全芳香族ポリアミド、特にポリ(m−フ
ェニレンイソフタルアミド)(MPD−I)の耐炎性
は、該全芳香族ポリアミドの分子鎖中に前記式(I)、
前記式(II)、前記式(III)、前記式(IV)お
よび/または前記式(V)で表わされる繰り返し単位を
組み入れることによって、良好な熱安定性を保持したま
ま改良できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−11174(JP,A) 特開 昭61−246919(JP,A) 特開 昭62−177022(JP,A) J.POLYM.SCI.,POLY M.CHEM.ED.,19〜11! (1981)P.2799−2816 CHEMICAL ABSRACTS 第89巻 要約番号110498 (1978)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)m−フェニレンジアミン: (b)イソフタロイル塩化物:および (c)式(VI): 【化1】 で表わされる繰り返し単位を与えるモノマーの重縮合に
    より製造される全芳香族ポリアミド。
  2. 【請求項2】 (a)m−フェニレンジアミン (b)イソフタロイル塩化物:および (c)式VII): 【化2】 で表わされる繰り返し単位を与えるモノマーの重縮合よ
    り製造される全芳香族ポリアミド。
  3. 【請求項3】 (a)m−フェニレンジアミン (b)イソフタロイル塩化物:および (c)式IX): 【化3】 で表わされる繰り返し単位を与えるモノマーの重縮合に
    より製造される全芳香族ポリアミド。
  4. 【請求項4】 (a)m−フェニレンジアミン (b)イソフタロイル塩化物:および (c)式XI): 【化4】 で表わされる繰り返し単位を与えるモノマーの重縮合に
    より製造される全芳香族ポリアミド。
  5. 【請求項5】 (a)m−フェニレンジアミン (b)イソフタロイル塩化物:および (c)式XIV): 【化5】 で表わされる繰り返し単位を与えるモノマーの重縮合に
    より製造される全芳香族ポリアミド。
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