JP2771025B2 - イソプレンの改良された熱二量化法 - Google Patents

イソプレンの改良された熱二量化法

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JP2771025B2 JP2235497A JP23549790A JP2771025B2 JP 2771025 B2 JP2771025 B2 JP 2771025B2 JP 2235497 A JP2235497 A JP 2235497A JP 23549790 A JP23549790 A JP 23549790A JP 2771025 B2 JP2771025 B2 JP 2771025B2
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C2/02Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a smaller number of carbon atoms by addition between unsaturated hydrocarbons
    • C07C2/50Diels-Alder conversion
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はイソプレンの重合を抑制するのに十分なジニ
トロクレゾールの存在下での約110℃〜約250℃の温度に
おけるイソプレンの熱二量化法に関する。
発明の背景 イソプレンは熱二量化を含めて様々な反応を受け得る
反応性ジエンである。イソプレンの熱二量化の最初の報
告は1800年代の後半に記録された。空気または過酸化者
の不在下ではイソプレンの熱二量化で環状二量体だけが
形成される。6種類の環状二量体が形成される。
それらは1.5−ジメチル−5−ビニル−1−シクロヘ
キセン(I)、リモネンとしても知られる1−メチル−
4−イソプロペニル−1−シクロヘキセン(II)、1,4
−ジメチル−4−ビニル−1−シクロヘキセン(II
I)、ジプレンとしても知られる1−メチル−5−イソ
プロペニル−1−シクロヘキセン(IV)、2,5−ジメチ
ル−1,5−シクロオクタジエン(V)及び1,5−ジメチル
−1,5−シクロオクタジエン(VI)である、6種類の二
量体の相対量は反応条件に依存性である。その熱二量化
を約100〜190℃の範囲の温度で行うと、二量体の1−メ
チル−4−イソプロペニル−1−シクロヘキセンと1−
メチル−5−イソプロペニル−1−シクロヘキセン(ジ
プレン)が二量体生成物の57%乃至80%を構成する。
高温でのイソプレンの熱二量化に伴われる1つの主要
な問題は多量のイソプレンが重合体生成のために失われ
てしまうことである。重合体の生成を減少させるために
多くの抑制剤が試されてきたが、成功の程度は様々であ
る。たとえば、ゴムの化学と技術(Rubber Chemistry a
nd Technology).22.956(1949)でジー・ソロモン
(G.Solomon)らは、イソプレンを200℃で10,000ppmの
ピクリン酸の存在下で二量化させたとき、32重量%の重
合体が生成したことを開示している。ジャーナル・オブ
・ポリマー・サイエンス(J.Poly.Sci.).38.229(195
9)でジェー・バインダー(J.Binder)らは、イソプレ
ンを227℃で1000ppmのヒドロキノンの存在下で二量化さ
せたとき、10.8重量%の重合体が生成したことを開示し
ている。西独特許第2,421,820号明細書は、4000ppmのニ
トロシルペンタシアノ鉄酸ナトリウム/50ppmのt−ブチ
ルカテコールの混合物を使用することによって二量化中
に150℃でイソプレンの重合が0.5%程度の低率まで低下
したことを開示している。
1−メチル−4−イソプロペニル−1−シクロヘキセ
ンとしても知られるリモネンは様々な油、特にレモン、
オレンジ、キャラウエー、イノンド及びベルガモット中
に存在する。リモネンはイソプレンの熱二量化により生
成させることができるが、一般的にはレモンの皮から単
離され、そのためその価格はレモン収穫量がどの程度大
きいかに依存して大幅に変動する可能性がある。リモネ
ンは通常溶剤、湿潤剤及び分散剤として、あるいは高度
に軟かく、無色透明な粘着性の樹脂の成分として使用さ
れている。リモネンの商業的応用は数多くあるが、リモ
ネンを生成するしっかりしていて経済的な方法はないの
で、リモネンをよい収率で提供するための安価で信頼で
きる方法が十分に必要である。
発明の概要 本発明はジニトロクレゾールの存在下で約110℃乃至2
50℃の温度でイソプレンを加熱することを含むイソプレ
ンの熱二量化法に関する。
好ましい態様の詳細な説明 本発明はイソプレンの熱二量化中の重合反応を抑制す
る方法に関する。イソプレンを重合抑制剤の存在下で約
110℃乃至約250℃の温度に加熱する。好ましくは、イソ
プレンを約175〜約200℃の温度に加熱する。
本発明で使用する重合抑制剤はジニトロクレゾールで
ある。さらに具体的には、ジニトロクレゾールは3,5−
ジニトロo−クレゾール、4,6−ジニトロ−o−クレゾ
ールまたは2,6−ジニトロ−p−クレゾールであること
ができる。好ましくは、商業的に入手可能であるため4,
6−ジニトロ−o−クレゾールを使用する。ジニトロク
レゾールはイソプレンの重合を抑制するのに十分な量で
存在していなければならない。一般的に言えば、ジニト
ロクレゾールの濃度は約100ppm〜1000ppmの範囲を含め
て約25〜約3000ppmの範囲であることができる。ジニト
ロクレゾールの好ましい範囲は約50〜約1000ppmであ
る。
一般的に言えば、イソプレンの熱二量化は当技術に熟
達している者に知られている条件のもとで行われる。そ
の反応の圧力は変わり得るが、一般に約300psi(0℃で
1551cmHg)〜約600psi(0℃で3100cmHg)の範囲で行わ
れる。
本発明の熱二量化方法からの生成物は一般に6種の成
分を含む。最も多量の2種の成分は1−メチル−5−イ
ソプロペニル−1−シクロヘキセン(ジプレン)および
リモネン(1−メチル−4−イソプロペニル−1−シク
ロヘキセン)である。その他の4種の成分は1,5−ジメ
チル−5−ビニル−1−シクロヘキセン、1,4−ジメチ
ル−4−ビニル−1−シクロヘキセン、2,5−ジメチル
−1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−ジメチル−1,5
−シクロオクタジエンである。一般的に言えば、リモネ
ンの収率はすべての二量体生成物の約25〜約35重量%の
範囲であることができる。
本発明はバッチ式、半連続式あるいは連続式で行え
る。
次の実施例は本発明を説明するために提供するもので
あって、本発明はこれらの特定の実施例に限定されるも
のでないと解すべきである。パーセンテージは特に記載
されない限り重量によるものである。
実施例1 2,4−ジニトロ−o−クレゾールを408g(6mol)の蒸
留したばかりのイソプレンに溶解し、1のオートクエ
レーブに仕込んだ。その溶液を窒素でフラッシュし、反
応温度まで加熱した。ジニトロクレゾールの量を各実験
で変化させた。これを下記表IIに示す。反応時間は反応
器が操作温度に達する点から測定した。反応が完了した
後、オートクレーブを冷却し、反応混合物を大気圧で蒸
留した。イソプレンを32℃で収集し、二量体留分を168
〜174℃の塔頂留出温度で収集した。これら留分とポッ
トの残留物の重量を測り、イソプレンの重量を物質収支
のどのような不足も反映するように調整した。物質収支
は典型的に95%であった。その二量体留分をDB−1701キ
ャピラリーカラムを使用してガスクロマトグラフによっ
て分析した。
下記表IIは、715℃、反応時間90分で1000ppm、500pp
m、250ppm、125ppmおよび50ppmの濃度のジニトロクレゾ
ールを使用した5つの実験から得られたデータを一覧表
にして示すものである。
イソプレン二量体留分のクロマトグラフは表Iに示し
た6種の成分であると同定された。下記の表IIIは最多
量の2種の成分はジブレン(1−メチル−5−イソプロ
ペニル−1−シクロヘキセン)およびリモネン(1−メ
チル−4−イソプロペニル−1−シクロヘキセン)であ
ることを示す。
実施例2 実施例1の手順を1000ppmの2,4−ジニトロ−o−クレ
ゾールを使用し、反応温度と反応時間を変化させたこと
を除いて再現した。表IVは6実験から得られたデータを
一覧表にして示すものである。
イソプレンの転化率と温度の函数としての重合体生成
に及ぼすジニトロクレゾールの影響が上記の表IVに見ら
れる。175℃では2.5時間後に2.1%の重合体しか生成し
なかったが、転化率は僅か72.6%に過ぎなかった。しか
し、200℃は、重合体濃度は2%より少し大きいくらい
で低いままであったが、転化率は90%に達した。このよ
うに、重合体の追加形成がほとんどなしでの高イソプレ
ン転化率は温度を上昇させることによって達成できるの
である。
実施例3 数多くの既知のスチレン用重合抑制剤をイソプレンの
二量化の抑制剤として使用するためのジニトロクレゾー
ルと比較した。各抑制剤をイソプレン中3×10-3molの
濃度になる量で蒸留したばかりのイソプレンに溶解し
た。この溶液を1のオートクレーブに仕込んだ。この
溶液を窒素でフラッシュし、175℃まで加熱した。反応
時間は90分であった。そのオートクレーブを冷却し、反
応混合物を大気圧で蒸留した。イソプレンを32℃で収集
し、二量体留分を160〜174℃の塔頂溜出温度で収集し
た。それら留分およびポット残留物の重量を測り、イソ
プレンの重量を物質収支中のどのような不足をも反映す
るように調整した。イソプレンの二量化反応における抑
制剤の効果を表V中に一覧表にして示す。
表Vからわかるように、4,6−ジニトロ−o−クレゾ
ール及び2,6−ジニトロ−p−クレゾールが他の抑制剤
に対して著しく重合体生成量を減少させた。さらに、二
量体に対する選択率は2種のジニトロクレゾールの場合
高いままであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジニトロクレゾールの存在下で約110〜約2
    50℃の温度においてイソプレンを加熱することを含む、
    イソプレンの熱二量化法。
  2. 【請求項2】ジニトロクレゾールが約25〜約3000ppmの
    濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】ジニトロクレゾールが3,5−ジニトロ−o
    −クレゾール、4.6−ジニトロ−o−クレゾール及び2,6
    −ジニトロ−p−クレゾールより成る群から選ばれる、
    請求項1に記載の方法。
JP2235497A 1989-09-05 1990-09-05 イソプレンの改良された熱二量化法 Expired - Lifetime JP2771025B2 (ja)

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US07/402,366 US4973787A (en) 1989-09-05 1989-09-05 Process for the thermal dimerization of isoprene

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