JP2770373B2 - 液 晶 - Google Patents

液 晶

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JP2770373B2
JP2770373B2 JP4222789A JP4222789A JP2770373B2 JP 2770373 B2 JP2770373 B2 JP 2770373B2 JP 4222789 A JP4222789 A JP 4222789A JP 4222789 A JP4222789 A JP 4222789A JP 2770373 B2 JP2770373 B2 JP 2770373B2
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忠彦 横田
孝男 桜井
学 北澤
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な液晶化合物及び該液晶化合物を含む液
晶組成物に関する。
又本明細書に於いて液晶化合物とは、それ自体で液晶
相を呈することが検知されなくとも液晶組成物の構成成
分として有用な化合物を意味する。
従来の技術 液晶表示素子の表示方式として、現在広く実用化され
ているものは、ねじれネマチック型(TN型)および動的
散乱型(DS型)である。これらはネマチック液晶を、主
成分としたネマチック液晶セルによる表示である。従来
のネマチック液晶セルの短所のひとつに、応答速度が遅
く、たかだか数msecのオーダーの応答速度しか得られな
いという事実があげられる。そして、このことがネマチ
ック液晶セルの応用範囲をせばめる一因となっている。
しかし、最近に至ってスメクチック液晶セルを用いれ
ば、より高速な応答が得られるということがわかってき
た。
光学活性なスメクチック液晶の中には、強誘電性を示
すものがあることが、明らかになってきており、その利
用に関して、大きな期待が寄せられつつある。強誘電性
を示す液晶すなわち強誘電性液晶は、1975年R.B.Meyer
らにより合成され、4−(4−n−デシルオキシベンジ
リデンアミノ)ケイ皮酸−2−メチルブチルエステル
(以下、DOBAMBCと略記する。)を代表例とする化合物
であり、その、カイラルスメクチックC相(以下、Sm C
*相と略記する。)において強誘電性を示すことを特徴
とするものである(J.Physique.36,L−69(1975))。
近年、N.A.Clarkら(Appl.Phys.Lett.36,89(198
0))によって、DOBAMBCの薄膜セルにおいて、μsecオ
ーダーの高速応答性が、見出されたことを契機に、強誘
電性液晶はその高速応答性を利用して液晶テレビ等のデ
ィスプレイ用のみならず、光プリンターヘッド、光フー
リエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニク
ス関連素子の素材用にも使用可能な材料として注目を集
めている。
発明が解決しようとしている問題点 DOBAMBCは自発分極が小さく、またシッフ塩基である
ため、その物理的化学的安定性に難がある。そこで、強
誘電性液晶材料として、物理的化学的に安定な種々の化
合物が探索されてきた。そして現在、強誘電性液晶素材
の開発は、高速応答性、配向性、高いコントラスト、メ
モリー性、しきい値特性、さらにこれらの諸特性の温度
依存性等の実用特性の最適化にその主力がうつってきて
いる。
しかし、現在知られている強誘電性液晶は単独では、
上記実用特性を発現させるのに十分な程の大きい自発分
極、低い粘性、長いらせんピッチ、適当なチルト角、等
の諸物性を室温域を含む広い温度範囲で示すものはな
い。そこで実際には、大きい自発分極を持つあるいは誘
起する化合物、低粘性の化合物、らせんピッチが互いに
逆の化合物等数種類の物質を混合して上記諸特性を最適
化すべく検討が行われている。また、十分に広い温度範
囲で強誘電性を示す液晶組性物を得るためには温度範囲
の広い強誘電性液晶またはカイラルでないスメクチック
C液晶(Sc液晶と略記する)を混ぜることが有効であ
る。特に、Sc液晶は固有らせんピッチが無限大であるた
め全体の配合設計のなかで配合量を自由に設定すること
が可能であり、広い温度範囲で強誘電性を示す液晶組性
物を得る上で用いるSc液晶の物性は非常に重要である。
従って、強誘電性液晶組成物に用いる液晶素材とし
て、1.骨格的に高速応答すると考えられる化合物、2.広
い温度範囲でSc相を示す液晶化合物、等の化合物の開発
は非常に重要な課題である。従来、骨格的に高速応答す
ると考えられる化合物として、一般式(VI)で表される
光学活性なフェニルピリミジン系液晶がセイコー電子工
業と帝国化学産業によって開発されてきた。(第11回液
晶討論会予稿集2N18,2N19,2N20,2N21) R11−Ph−Py−R12 (VI) (上式中、−Ph−は,14−フェニレン基を、−Py−は2,5
−ピリミジルを示し、R11、R12は、アルキル基、アルコ
キシ基、アシルオキシ基又はアルキルカルボニルオキシ
基を示し、R11、R12の一方は分枝を有し光学活性である
ものとする。) 該化合物は、自発分極は小さいが低粘度なため比較的
高速応答する化合物であった。しかし、光学活性であ
り、有限のらせんピッチを有するため全体の配合設計の
なかで配合量を自由に設定することが可能な化合物では
なかった。
分枝の無い直鎖アルキル基を有するフェニルピリミジ
ン系Sc液晶としては、一般的(VII)で表される化合物
が知られている。(H.Zaschke,R.Stolle,Z.Chem.15,44
1,(1975)及びFlussige Kristalle in Tabellen,Verla
g Grundstoffind,Leipzig,2nd ed.(1976))がSA相−
Sc相の相転移点が70゜C以下とあまり高くないため、強
誘電性液晶配合物用の素材としては必ずしも十分ではな
かった。
R13−Ph−Py−R14 (VII) (上式中、−Ph−は1,4−フェニレン基を、−Py−は2,5
−ピリミジルを示し、R13、R14は、直鎖アルキル基、直
鎖アルコキシ基または、直鎖アシルオキシ基を示す。但
し、R13、R14の少なくとも一方は炭素数7以上の直鎖ア
ルキル基を示すものとする。) 一方、側鎖にアシル基を導入することによりSA相−S
c相の相転移点が高くなる傾向を示すことが最近知られ
つつある。(第13回液晶討論会予稿集 1Z11)側鎖にア
シル基を有するフェニルピリミジン化合物として式(VI
II)で示される化合物がセイコー電子工業、帝国化学産
業によって開発されている。(特開昭61−251672) R15CO−Ph−Py−R16 (VIII) (上式中、−Ph−は1,4−フェニレン基を、−Py−は2,5
−ピリミジルを示し、R15、R16は、炭素数4−15のアル
キル基を示し、R15、R16の一方は分枝を有し、光学活性
であるものとする。) また、側鎖にアシル基を有するフェニルピリミジン化
合物は、メルク社によってもクレームされている。(DE
3515373)。
しかし、これらの化合物も光学活性であり、有限のら
せんピッチを有するため全体の配合設計のなかで配合量
を自由に設定することが可能な化合物ではなかった。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、上述のような問題点を解決するために
種々の液晶物質を探索し、強誘電性液晶組成物に用いる
液晶素材として有用な新規な化合物群を提供する本発明
に到達した。
即ち、本発明は骨格的に低粘度であると考えられるSc
液晶化合物であって、Sc相を示す温度範囲の上限が100
℃以上と高い化合物(既知の2環性化合物中最も高い)
を提供することを可能にしたものである。
即ち本発明は、一般式(I) R1−Ph−Py−R2 (I) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、R1、R2は直鎖の炭素数1〜18のアシル基
又はアルコキシ基を示す。但しR1、R2少なくとも一方
は、直鎖の炭素数2〜18のアシル基を示すものとする。
で、表される液晶物質及びそれを含有する液晶組成物に
関する。
上記一般式(I)中、R1、R2が炭素数6−14のアルキ
ル基を含む化合物は、単独であるいは配合物としてスメ
クチックC相をとりやすく強誘電性液晶材料として特に
重要である。また、それ以外の化合物も、強誘電性液晶
配合材料や、あるいは、一般に液晶材料などとして使用
することができる。
本発明の化合物と配合して強誘電性液晶組成物とする
のに適当な化合物としては、例えば次の1.,2.,3.に示す
ような化合物である。
1.本出願人らが、過去開発した強誘電性液晶である、特
願昭58−176823、特願昭58−175711、特願昭59−02351
0、特願昭59−023511、特願昭59−074748、特願昭59−1
89232、特願昭60−22920、特願昭60−87034、特願昭60
−117053、特願昭60−144136、特願昭60−162654、特願
昭60−162656、特願昭60−250335、特願昭60−291179に
開示されている化合物。
2.スメクチックC相を有する、例えば次のような化合物
群。
アルコキシビフェニルカルボン酸アルキルエステル、
アルキルカルボニルオキシビフェニルカルボン酸アルキ
ルエステル、アルコキシ安息香酸アルコキシフェニルエ
ステル、アルコキシ安息香酸アルキルオキシカルボニル
フェニルエステル、アルコキシ安息香酸アルコキシアル
コキシフェニルエステル、アルコキシ安息香酸アルコキ
シビフェニルエステル、アルコキシビフェニルカルボン
酸アルコキシフェニルエステル、アルキル安息香酸アル
コキシビフェニルエステル、アルキルビフェニルカルボ
ン酸アルコキシフェニルエステル、アルコキシ安息香酸
アルキルビフェニルエステル、アルコキシビフェニルカ
ルボン酸アルキルフェニルエステル、アルキルカルボニ
ルオキシ安息香酸アルコキシビフェニルエステル、アル
キルカルボニルオキシビフェニルカルボン酸アルコキシ
フェニルエステル、アルコキシ安息香酸アルキルカルボ
ニルオキシビフェニルエステル、アルコキシビフェニル
カルボン酸アルキルカルボニルオキシフェニルエステ
ル、5−アルキル−2−(4′−アルコキシフェニル)
ピリミジン、5−アルコキシ−2−(4′−アルコキシ
フェニル)ピリミジン、5−アルキル−2−(4′−ア
ルキルカルボニルオキシフェニル)ピリミジン、5−ア
ルコキシ−2−(4′−アルキルカルボニルオキシフェ
ニル)ピリミジン、5−アルキル−2−(4′−アルキ
ルオキシカルボニルフェニル)ピリミジン、5−アルコ
キシ−2−(4′−アルキルオキシカルボニルフェニ
ル)ピリミジン、5−アルキル−2−(4′−アルコキ
シフェニル)ピラジン、5−アルコキシ−2−(4′−
アルコキシフェニル)ピラジン、5−アルキル−2−
(4′−アルキルカルボニルオキシフェニル)ピラジ
ン、5−アルコキシ−2−(4′−アルキルカルボニル
オキシフェニル)ピラジン、5−アルキル−2−(4′
−アルキルオキシカルボニルフェニル)ピラジン、5−
アルコキシ−2−(4′−アルキルオキシカルボニルフ
ェニル)ピラジン、3−(4′−アルキルフェニル)−
6−アルコキシピリダジン、3−(4′−アルコキシフ
ェニル)−6−アルコキシピリダジン、3−(4′−ア
ルコキシフェニル)−6−アルキルピリダジン、5−
(4′−アルキルフェニル)−2−(4″−アルコキシ
フェニル)ピリミジン、5−(4′−アルコキシフェニ
ル)−2−(4″−アルコキシフェニル)ピリミジン、
5−(4′−アルキルフェニル)−2−(4″−アルキ
ルカルボニルオキシフェニル)ピリミジン、5−(4′
−アルコキシフェニル)−2−(4″−アルキルカルボ
ニルオキシフェニル)ピリミジン、5−(4′−アルキ
ルフェニル)−2−(4″−アルキルオキシカルボニル
フェニル)ピリミジン、5−(4′−アルコキシフェニ
ル)−2−(4″−アルキルオキシカルボニルフェニ
ル)ピリミジン、5−(4′−アルコキシフェニル)−
2−(4″−アルコキシフェニルカルボニルオキシ)ピ
リミジン、5−(4′−アルキルフェニル)−2−
(4″−アルコキシフェニルカルボニルオキシ)ピリミ
ジン、5−(4′−アルコキシフェニル)−2(4″−
アルキルフェニルカルボニルオキシ)ピリミジン、5−
(4′−アルキルフェニル)−2−(4″−アルキルフ
ェニルカルボニルオキシ)ピリミジン、5−(4′−ア
ルキルフェニル)−2−(4″−アルコキシフェニル)
−1,2,4−トリジアン、5−(4′−アルコキシフェニ
ル)−2−(4″−アルコキシフェニル)−1,2,4−ト
リアジン、5−(4′−アルキルフェニル)−2−
(4″−アルキルカルボニルオキシフェニル)−1,2,4
−トリアジン、5−(4′−アルコキシフェニル)−2
−(4″−アルキルカルボニルオキシフェニル)−1,2,
4−トリアジン、5−(4′−アルキルフェニル)−2
−(4″−アルキルオキシカルボニルフェニル)−1,2,
4−トリアジン、5−(4′−アルコキシフェニル)−
2−(4″−アルキルオキシカルボニルフェニル)−1,
2,4−トリアジン等 3.2.に挙げた化合物質群のアルキル基、アルコキシ基、
アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニ
ル基、の部分に不斉炭素を導入することにより、カイラ
ルスメクチックC相を示す強誘電性液晶とした化合物
群。
本発明の化合物である(I)式で表わされる化合物は
次のように合成される。
一般式(I)で表わされる化合物は、2−(4′−ア
ルコキシフェニル)ピリミジン−5−カルボン酸を常法
により、当該する酸クロライドにし、これをアルキルハ
ライドから調製したグリニャール試薬と反応させること
により得られる。あるいは、2−(4′−アルコキシフ
ェニル)ピリミジン−5−カルボン酸から誘導される2
−(4′−アルコキシフェニル)−5−シアノピリミジ
ンとグリニャール試薬とを反応させることによっても得
ることができる。また該化合物は2−(4′−アルコキ
シフェニル)ピリミジン−5−カルボン酸クロライドと
アルキルリチウムより調製したジアルキル銅リチウムと
を反応させることによっても得ることができる。
発明の作用 本発明の化合物はスメクチックC相を示す。本発明の
化合物は、フェニルピリミジン骨格を有し、本発明の化
合物を含む強誘電性液晶配合物は高速応答する。本発明
の化合物は光学活性を持たないため、該化合物を配合す
る際、らせんピッチ等の物性に縛られること無く自由に
強誘電性液晶配合物の中で使用することができる。また
本発明の化合物は、Sc相を示す温度範囲の上限が、2環
であるにもかかわらず100℃以上と非常に高いため応答
速度を損うことなく、強誘電性液晶配合物の温度域の上
限を拡大することが可能である。
実施例 以下実施例により、本発明の化合物につき更に詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例により、限定さ
れるものではない。
以下、C、Sc、SA、N、I相はそれぞれ、結晶相、ス
メクチックC相、スメクチックA相、ネマチック相、等
方相を示す。本発明の化合物の精製は、シリカゲルクロ
マトグラフィー及びアルコールまたはヘキサンによる再
結晶によって行った。以下に示す相転移点の測定値は、
物質の純度により若干の影響を受けることもありうる。
実施例1 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)ピリミジン−5
−カルボン酸(ア)の合成 C7H15O−Ph−Py−COOH (ア) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、表す。) 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)ピリミジン−
5−カルボン酸エチルエステル20g(58.5mmol)にジオ
キサン400ml、2N水酸化ナトリウム水溶液84mlを加え、
4時間還流した。溶媒を留去した後、1N塩酸400ml、続
いて水400mlで洗浄し、加熱真空下、乾燥させることに
より、目的化合物(ア)を定量的に得た。
2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)ピリミジン−5
−カルボン酸アミド(イ)の合成 CH7H15O−Ph−Py−CONH2 (イ) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、表す。) 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)ピリミジン−
5−カルボン酸(ア)20g(63.7mmol)に塩化チオニル8
0mlを加え3時間還流後、塩化チオニルを留去すること
により、2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)ピリミ
ジン−5−カルボン酸クロライドを得た。塩化メチレン
250mlに冷却下、アンモニアガスを吹込みながら、2−
(4′−ヘプチルオキシフェニル)ピリミジン−5−カ
ルボン酸クロライドを塩化メチレン200mlに溶かした溶
液を滴下した。滴下終了後、2時間室温で撹はんした
後、析出した白色沈殿をろ別した。ろ液を濃縮し、残さ
と白色沈殿を合せて水で洗浄後、加熱真空下、乾燥させ
ることにより、目的化合物(イ)18.03g(収率:90%)
を得た。
2−(4′ヘプチルオキシフェニル)−5−シアノピリ
ミジン(ウ)の合成 C7H15O−Ph−Py−CN (ウ) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、表す。) 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)−5−カルボ
ン酸アミド18g(57.5mmol)をピリジン120mlに分散させ
ベンゼンスルホニルクロライド11.2g(63.2mmol)を室
温で滴下した後55℃に加熱し、4時間撹はんした。反応
溶液を氷水200mlに注ぎ200mlのクロロホルムで抽出し
た。有機層を4N塩酸100mlで3回、水100mlで2回洗浄
後、濃縮し粗生成物を得た。これをエタノール300mlで
再結晶し、得られた薄茶色の粗結晶をクロロホルム200m
lに溶かし、活性炭を加えて4−5時間放置した。活性
炭をろ別し、ろ液を濃縮した後、再びエタノールより再
結晶することにより、目的化合物(ウ)の白色結晶10.4
g(収率:61%)を得た。
2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)−5−オクチル
カルボニルピリミジン(エ)の合成 C7H15O−Ph−Py−CO−C8H17 (エ) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、表す。) マグネシウム243mg(10.0mmol)にエーテル1mlを加え
た後、オクチルブロマイド1.93g(10.0mmol)をエーテ
ル1mlに溶かした溶液を加え、2時間超音波処理するこ
とによりグリニャール試薬を調製した。これにベンゼン
3mlを加え、2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)−
5−シアノピリミジン(ウ)1,5g(5.0mmol)を素速く
加え、6時間還流した。反応溶液に6N塩酸5mlを加え再
び4時間還流した。有機層を抽出し水層を10mlのエーテ
ルでさらに2回抽出後、無水硫酸マグネシウムを加えて
乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、ろ液を濃縮
した後フラッシュクロマト(展開溶媒:四塩化炭素100,
エーテル1)で精製することにより目的化合物(エ)を
得た。
この反応において溶媒のエーテル、ベンゼンは共に金
属ナトリウムで乾燥後、蒸留したものを用い、反応は窒
素下で行なった。
該化合物のNMRスペクトルを図1に示す。
該化合物の相転移点は以下に示す通りであっ
た。(()内は降温時の相転移点を示す。) C−Scの相転移点 80℃(67℃) Sc−SA相転移点 113℃(113℃) SA−I相転移点 122℃(122℃) 実施例2 2−(4′−ノニルオキシフェニル)−5−オクチルカ
ルボニルピリミジン(オ)の合成 C9H19O−Ph−Py−CO−C8H17 (オ) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、表す。) 実施例1と同様の方法で目的化合物(オ)を得た。
該化合物の相転移点は以下に示す通りであっ
た。(()内は降温時の相転移点を示す。) C−Sc相転移点 85℃(79℃) Sc−SA相転移点 114℃(114℃) SA−I相転移点 121℃(121℃) 実施例3 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)−5−デシルカ
ルボニルピリミジン(カ)の合成 C7H15O−Ph−Py−CO−C10H21 (カ) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、表す。) 窒素下、エーテル6.2mlにリチウム236mg(34.0mmol)
を加え−10℃に冷却し、デシルブロマイド3gをエーテル
3.1mlに溶かした溶液を滴下した。その後0−10℃に保
ち2時間反応させた。反応溶液を窒素下、グラスフィル
ターを通してろかし、デシルリチウムをエーテル溶液を
調製した。窒素下、テトラヒドロフラン24mlにヨウ化銅
1.29g(6.77mmol)を分散させ、−10℃に冷却し、デシ
ルリチウムのエーテル溶液を滴下した。滴下終了後、−
78℃に冷却し、2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)
−5−デシルカルボン酸クロライド1.59g(4.77mmol)
をテトラヒドロフラン8mlに溶かした溶液を滴下した。1
5分間反応させた後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム
水溶液に注ぎ、100mlのエーテルで3回抽出した。エー
テル層をフロリジルのカラムを通した後無水硫酸マグネ
シウム上で乾燥させた。ろか後、濃縮し得られた固体を
メタノールより再結晶することにより目的化合物(カ)
を得た。該化合物の相転移点は以下に示す通りであっ
た。(()内は降温時の相転移点を示す。) C−Sc相転移点 87℃(70℃) Sc−SA相転移点 112.5℃(112.5℃) SA−I相転移点 120℃(120℃) 実施例4 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)−5−ブチルカ
ルボニルピリミジン(キ)の合成 C7H15O−Ph−Py−CO−C4H9 (キ) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
リミジル基を、表す。) 実施例3と同様の方法で目的化合物(キ)を得た。該
化合物の相転移点は以下に示す通りであった。(()内
は降温時の相転移点を示す。) C−Sc相転移点 78℃(73℃) Sc−SA相転移点 78℃(78℃) SA−I相転移点 125℃(123℃) 実施例5 カイラルスメクチックC液晶組成物として次のような
組成物を調製した。
(S,S)−1−クロロ−2−メチルブチルカルボン酸
4−(4−オクチルオキシフェニル)フェニルエステル 10.7wt% (S,S)−1−クロロ−2−メチルブチルカルボン酸
4−(4−ノニルカルボニルオキシフェニル)フェニル
エステル 7.3wt% (R)−4−(4−ノニルカルボニルオキシフェニル)
安息香酸 2−クロロ−3−メチルブチルエステル 19.5wt% 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)−5−オクチ
ルカルボニルピリミジン(エ) 7wt% 2−(4′−ノニルオキシフェニル)−5−オクチルカ
ルボニルピリミジン(オ) 7wt% 2−(4′−ヘプチルオキシフェニル)−5−デシルカ
ルボニルピリミジン(カ) 7t% 2−(4−ノニルオキシフェニル)−5−ノニルピリミ
ジン 8.5wt% 2−(4−オクチルオキシフェニル)−5−オクチルピ
リミジン 8.5wt% 2−(4−オクチルオキシフェニル)−5−ノニルピリ
ミジン 8.5wt% 2−(4−デシルオキシフェニル)−5−オクチルオキ
シカルボニルオキシピリミジン 3wt% 2−(4−ノニルオキシカルボニルオキシフェニル)−
5−ドデシルピリミジン 3wt% 2−(4−デシルオキシフェニル)−5−オクチルオキ
シピリミジン 5wt% 2−(4−ノニルオキシフェニル)−5−ドデシルピリ
ミジン 5wt% この組成物は氷点下より50℃までカイラルスメチック
C相を50℃より65℃までスメクチックA相をそれ以上で
等方相を示した。
ポリイミドで配向処理をした2μmのセルに封入し±
20Vの短形波をかけ応答速度を測定したところ25℃にお
いて28μsecであった。
発明の効果 本発明の化合物のスメクチックC相を示す。そして本
発明の化合物は、実施例に示したようにSc相を示す温度
の上限が非常に高い。
このことは、類似のフェニルピリミジン化合物と比較
すればよく理解できる。
本発明の化合物と類似のフェニルピリミジン化合物の
SA−Sc相転移点を比較すると、 のようになりSA−Sc相転移点は20〜50℃高い。それゆ
え、本発明の化合物を配合した本発明の液晶組成物は、
実施例5に示したように、室温を含む広い温度範囲で動
作が可能であった。
また本発明の化合物は、DOBAMBC等と異なりシッフ塩
基を持たないため化学的に安定である。
また本発明の化合物は、スメクチック液晶となるの
で、熱書込レーザー等の記憶型表示素子用に用いること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例2で得た2−(4′−ノニルオキシフェニ
ル)−5−オクチルカルボニルピリミジンのNMRスペク
トルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 19/46 C09K 19/46 19/54 19/54 B G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 239/26 C07D 239/34 C09K 19/34 C09K 19/42 C09K 19/44 C09K 19/46 C09K 19/54 G02F 1/13 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) R1−Ph−Py−R2 (I) (−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−は、2,5−ピ
    リミジル基を、R1、R2は直鎖の炭素数2〜18のアシル基
    又はアルコキシ基を示す。但しR1、R2の少なくとも一方
    は、直鎖の炭素数2〜18のアシル基を示すものとす
    る。)で表される化合物。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲(1)項一般式(I)で表
    される化合物を少なくとも一種含有することを特徴とす
    るカイラルでないスメクチックC液晶組成物。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲(1)項一般式(I)で表
    される化合物と、次式(II)で表されるカイラルでない
    スメクチックC液晶を少なくとも一種含有することを特
    徴とするカイラルでないスメクチックC液晶組成物。 R3−Ph−Py−R4 (II) (上式中、−Ph−は、1,4−フェニレン基を、−Py−
    は、2,5−ピリミジル基を、R3、R4は直鎖アルキル基、
    直鎖アルコキシ基、直鎖アシルオキシ基又は直鎖アルコ
    キシカルボニル基を示す。但しR3、R4の少なくとも一方
    は直鎖アルキル基を示すものとする。)で表される化合
    物。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲(1)項一般式(I)で表
    される化合物と、次式(III)で表されるカイラルでな
    いスメクチックC液晶を少なくとも一種含有することを
    特徴とするカイラルでないスメクチックC液晶組成物。 R5−Ph−COO−Ph−R6 (III) (−Ph−は1,4−フェニレン基を、R5、R6は直鎖アルキ
    ル基、直鎖アルコキシ基、直鎖アシルオキシ基又は直鎖
    アルコキシカルボニル基を示す。)で表される化合物。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲(1)項一般式(I)で表
    される化合物と、次式(IV)で表されるカイラルでない
    スメクチックC液晶を少なくとも一種含有することを特
    徴とするカイラルでないスメクチックC液晶組成物。 R7−Ph−Ph−R8 (IV) (−Ph−は1,4−フェニレン基を、R7、R8は直鎖アルキ
    ル基、直鎖アルコキシ基、直鎖アシルオキシ基又は直鎖
    アルコキシカルボニル基を示す。)で表される化合物。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲(2)項、(3)項、
    (4)項、(5)項記載の液晶組成物と、光学活性な化
    合物を少なくとも一種含有することを特徴とするカイラ
    ルスメクチックC液晶組成物。
  7. 【請求項7】カイラルスメクチックC相とカイラルネマ
    チック相の両方を有することを特徴とした、特許請求の
    範囲(6)項記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】カイラルネマチック相のある温度において
    ピッチが無限大に発散することを特徴とする特許請求の
    範囲(7)項記載の液晶組成物。
  9. 【請求項9】カイラル物質が一般式(V) (但し、上式に於いて、R9は直鎖又は分岐の炭素数1−
    18のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシア
    ルキル基、又はアラルキル基を示し、*は光学活性な炭
    素原子を示す。また、a、b、cは0、1、または2で
    しかもa+b+cが2以上であり、Aは、単結合、−O
    −、−COO−、−O−COO−、−O−CH2−、または−OCO
    −を示し、B、Cは、単結合、−COO−、−OCO−、−N
    =CH−、−CH=N−、−CH2−O−、−O−CH2−または
    −CH=CH−を示し、Dは、−COO−CH2−、−O−COO−C
    H2−、−O−CH2−または−OCO−を示しX、Y、Z、は
    1,4−フェニレン基、2,5−ピリミジン基、2,5−ピラジ
    ン基またはベンゼン環に、ハロゲン、シアノ基、ニトロ
    基、メチル基を1個またはそれ以上置換した1,4−フェ
    ニレン基を表す。)で、表される化合物であることを特
    徴とした、特許請求の範囲(6)、(7)、(8)項記
    載の液晶組成物。
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