JP2770328B2 - ナイロン樹脂複合体の製法 - Google Patents

ナイロン樹脂複合体の製法

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JP2770328B2 JP63181222A JP18122288A JP2770328B2 JP 2770328 B2 JP2770328 B2 JP 2770328B2 JP 63181222 A JP63181222 A JP 63181222A JP 18122288 A JP18122288 A JP 18122288A JP 2770328 B2 JP2770328 B2 JP 2770328B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,熱可塑性のナイロンと熱可塑性液晶性樹脂
(以下TLCPと称する)よりなるナイロン樹脂複合体の製
法に関する。
さらに詳しくは,TLCPが繊維状に熱可塑性のナイロン
中に分散していることを特徴とする樹脂の複合体の製法
に関する。
〔従来の技術〕
ナイロンは,成形性に優れ,かつ高強度化できる,ま
た耐疲労性が高い,また軽い等の大きな利点がある。し
かし,吸湿により寸法が変化したり,また熱可塑性のナ
イロンはヤング率が低い等の大きな欠点があった。この
ため,特に産業用に関してみると,その用途が限定され
ていた。
このため,構造材料として使う場合には,硝子繊維
や,アラミド等で補強して使われているのが現状であ
る。
〔発明が解決しようすする課題〕
しかしながら,これらの繊維強化樹脂にも種々の欠点
がある。その代表的な欠点としては次のものが挙げられ
る。即ち、 繊維とマトリックス樹脂との接着性が十分でないの
で,複合材の強度が低い。
繊維集合体内へのマトリックス樹脂の浸透が不均一で
あるので,複合材の強度にばらつきが発生して,信頼し
て構造材料等へ使用出来ない。
繊維とマトリックス樹脂の混合を均一にするのは厄介
で,製造コストが高くなり,複合体の価格が高価なもの
となる。
特に補強材として硝子繊維を用いると重く,FRPが軽量
であるという特徴が損なわれる。
特に補強材として硝子繊維を用いたものはFRP全体と
しては焼却できないので,その処分が厄介である。時
に,放置されることにもなり,公害になることも多い。
かかる欠点を除去すべく,種々の手段がとられてい
る。しかし,根本的にこれらの問題点を回避する手段は
ない。
特に前記の,,はFRPの拡大,また品種の要求
の高度化とともに大きな問題となりだした。
かかる欠点を回避する手段として,別のポリマ系では
樹脂を補強材に使うことが検討されている。その代表例
が特公昭61−59350号公報に開示されているものであり,
FRP繊維と言うべきものを作り,それをさらに集合してF
RP化しようとするものである。確かにかかるものはある
限定された分野においては有効であるが,FRPとしての補
強材にポリエチレンテレフタレート(以下PETと称す
る)等の低弾性率,低強度ポリマをもちいているので,
広くFRP分野に使えるものではない。
また,特開昭62−26656号公報には液晶ポリエステル
と他のポリマが偏芯複合した繊維が開示されている。し
かし,かかるものは製糸しにくく,また自然にカールし
やすい欠点がある。また,TLCPと他のポリマをブレンド
することにより,他のポリマを補強する例としては,特
開昭61−26656号公報をはじめ,いくつか開示されてい
る。しかし,ブレンド品はミクロの相が不安定なため,
物性が不安定であるという問題点がある。
〔課題を解決するための手段〕
かかる現状にかんがみ,本発明者らは,従来の研究概
念に囚われることなく,鋭意検討を重ねた結果,本発明
に到達した。本発明は前記の問題点を解決するため,以
下の構成を有する。
(1)液晶樹脂とナイロンを溶融成形して、液晶樹脂が
ナイロン中で繊維状に存在する樹脂複合体を成形し、次
に、該液晶樹脂のガラス転移温度以上の不活性ガス流
中、または真空中で、処理することを特徴とするナイロ
ン樹脂複合体の製法。
(2)少なくともナイロンにアルカリ金属塩および/ま
たはアルカリ土類金属塩を含有および/または付着せし
めて、液晶樹脂を溶融成形して、液晶樹脂がナイロン中
で繊維状に存在する樹脂複合体を形成し、次に、該液晶
樹脂のガラス転移温度以上の不活性ガス流中、また真空
中で、処理することを特徴とするナイロン樹脂複合体の
製法。
(3)液晶樹脂がナイロン中で繊維状に存在する樹脂複
合体をアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の
水および/または有機液の溶液および/または分散液に
浸漬し、次に、該液晶樹脂のガラス転移温度以上の不活
性ガス流中、または真空中で、処理することを特徴とす
るナイロン樹脂複合体の製法。
(4)液晶樹脂がナイロン中で繊維状に存在する樹脂複
合体を該液晶樹脂のガラス転移温度以上の不活性ガス流
中、または真空中で、処理し、次に該液晶樹脂の融点以
上で処理して液晶樹脂を不融化させることを特徴とする
ナイロン樹脂複合体の製法。
(5)少なくとも液晶樹脂に鉄,コバルト,クロムから
選ばれた少なくとも1種の金属化合物の微粒子を少なく
とも5重量%添加し,かつ,真空または不活性ガス中で
ナイロンと溶融成形して,液晶樹脂がナイロン中で繊維
状に存在する樹脂複合体を成形し,次に該液晶樹脂の
(融点−50)℃以上,かつ含酸素雰囲気下で加熱して,
液晶樹脂を不融化させることを特徴とするナイロン樹脂
複合体の製法。
以下さらに詳細に本発明を説明する。
本発明によれば,容易に,しかも低コストで,特にFR
P分野で,画期的に高品質で,その品質も安定し,か
つ,軽いFRPが低コストできることは誠に驚くべきこと
である。
また,所謂,繊維分野について言えば,高弾性率で,
かつ耐疲労性が高く,かつ安定した高品質の繊維が低コ
ストで出来ることは誠に驚くべきことである。
まず,最初に本発明の樹脂複合体を構成するポリマに
ついて述べる。
最初にTLCPについて述べる。
本発明にかかるTLCPとは熱可塑性で,かつ,液晶成形
性のポリマである。即ち,メソーゲン基が主鎖にあるTL
CPである。
かかるTLCPは種々のものがあるが,大別すると芳香族
ポリエステルからなるものと,芳香族ポリエステルアミ
ドからなるものがある。
そしてポリアリレートからなるものとして種々のもの
が上げられ,従来公知のものが適用でき,特に限定され
るものではない。
そして,特に好ましいものとしては,下記の構造単位
からなるTLCPが上げられる。即ち ここで,X,Yはそれぞれ独立に,水素,ハロゲン,炭素
数4以下のアルキル基を表す。
ここで,Xは水素,ハロゲン,炭素数4以下のアルキル
基を表す。
また,ジカルボン酸から誘導される構造単位として
は: ここで,Xは水素,ハロゲン,炭素数4以下のアルキル
基を表す。
さらに,ヒドロキシカルボン酸から誘導される構造単
位として: ここで,Xは水素,ハロゲン,炭素数4以下のアルキル
基をあらわす。
また,本発明の液晶樹脂は溶融粘度,融点を調節する
ため,次の構造単位を導入することも有効である。即ち また,さらに下記の一般式で示される構造単位を導入
することも有効である。即ち (ここでXは を表す。)などの芳香族環の間に比較的に自由回転でき
る構造単位,あるいは (ここでm,nは2から10の整数)で表される脂肪族ジオ
ール,脂肪族ジカルボン酸から誘導される構造単位など
が上げられる。
そして,特に好ましい液晶ポリアリレート樹脂として
は下記の構造式のものが上げられる。即ち ここで,Xは水素,ハロゲン,炭素数4以下のアルキル
基を表す。
ここで,各構造式においてΣni=100である。そし
て,特に好ましいのは各構造式のniが4以上の点であ
る。また,各式ともハロゲン等をはじめ,各種の置換基
が付加されていても良い。
これらに示されるものは溶融成形性が高く,かつ高強
度であり,また,融点,ガラス転位点も高く,特に好ま
しいものである。
次ぎに,芳香族ポリエステルアミドからなるTLCPも種
々のものが上げられ,従来公知のものが広く適用でき,
特に限定されるものではない。
そして,特に好ましいものとしては次のようなもの
が,代表的なものとして上げられる。即ち アミノフェノールから誘導される構造単位としては下
記式で示されるもの。
また,芳香族ジカルボン酸から誘導される構造単位と
しては,先の液晶ポリアリレートの項で上げたものはも
とより,下記式で示されるものが特に好ましいものとし
て上げられる。
ここで,ARは,炭素数4以下のアルキルもしくはアル
コキシ置換基をもち,かつ,その鎖延長結合が共軸もし
くは平行でかつ反対芳香を向いている少なくとも一つの
芳香族環である。
そして液晶ポリエステルアミドとしては下記の構造式
のものが上げられる。即ち ここで,ARは,炭素数4以下のアルキルもしくはアル
コキシ置換基をもち,かつ,その鎖延長結合が共軸もし
くは平行でかつ反対方向を向いているすくなくとも一つ
の芳香環である。
ここで,Xは水素,ハロゲン,炭素数4以下のアルキル
基を表す。
ここで,Xは水素,ハロゲン,炭素数4以下のアルキル
基を表す。
ここで,各構造式においてΣni=100である。そし
て,特に好ましいのは各構造式のniが15以上のことであ
る。また,各式ともハロゲン等をはじめ,各種の置換基
が付加されていてもよい。これらに示されるものはポリ
アリレートからなるTLCPと同様に溶融成形性があり,か
つ高強度である。
かかるTLCPは本来,熱可塑性のものではある。そして
樹脂複合体として特に耐熱性を要求する時には,TLCPは
融点がナイロンより20℃以上高いことが好ましい。そし
て,特に好ましいのはTLCPが不融化していることであ
る。
また,樹脂複合体として特に強度,弾性率を要求する
時には,TLCPの数平均分子量はある程度,高いことが好
ましい。より好ましいのは数平均分子量が1.3万以上で
ある。特に好ましいのは3万以上である。TLCPの数平均
分子量がかかる値のものになると強度,弾性率,伸度と
もに高くなる。従って,樹脂複合体としての強度,弾性
率も高くなるので好ましい。
次に本発明の他の必須ポリマであるナイロンについて
述べる。
ナイロンは熱可塑性のナイロンであれば特に限定はさ
れず,従来公知のナイロンが広く適用でき,特に限定さ
れるものではない。そして,特に好ましいものとして
は,ナイロン6,ナイロン66,ナイロン6とナイロン66の
共重合ナイロン,ナイロン610,ナイロン46,ナイロン10,
ナイロン11,ナイロン12,またテレフタル酸との共集合で
あるナイロン10T,ナイロン12T,またイソフタル酸とテレ
フタル酸との共重合体であるナイロン6TI,またナイロン
6,ナイロン66,テレフタル酸との共重合であるナイロン6
/66/T,等をはじめとする芳香族ナイロン等が挙げられ
る。
またナイロンの熱安定性,TLCPとの反応性をコントロ
ールするためにナイロンの末端のアミノ基をカルボン酸
で封鎖したナイロンも特にこのましいものである。
そして,特に好ましいナイロンとしてはより高融点の
ナイロンが挙げられる。即ち,ナイロン6,ナイロン66,
ナイロン6とナイロン66の共重合ナイロン,ナイロン61
0,ナイロン46,またテレフタル酸との共集合であるナイ
ロン10T,ナイロン12T等が挙げられる。かかるナイロン
であると得られる樹脂複合体の耐熱性が高くなることは
もとより,本発明の樹脂複合体を作る時にも安定して作
れる。また,本発明の樹脂複合体をさらに加工する時に
も安定に加工出来るので特に好ましい。
本発明はかかる2種のポリマが必須の構成成分とする
ものであるが,他のポリマを構成ポリマとしても何等差
支えない。
本発明の樹脂複合体は,かかるポリマの組合せよりな
るものであり,その形態は種々とりうるものである。そ
して本発明の樹脂複合体はTLCPがナイロンで実質的に覆
われていることが好ましい。即ち芯−鞘,マトリックス
ポリマの中に多数の島が分散している,いわゆる,高分
子配列体型,分散した繊維のアスペクト比(長さ/直径
の比)が10以上のポリマブレンド型等が特に好ましい。
そしてTLCPはかかるナイロンの中で繊維状の形態であ
る。繊維状の形態は特に限定されるものではなく,所
謂,繊維状物は総て含まれる。
即ち,連続繊維状,フィブリル状繊維等いずれであっ
ても何等かまわない。しかし,かかる繊維状もののアス
ペクト比は少なくとも10以上であることが好ましい。特
に好ましくは100以上である。アスペクト比がかかる値
になると得られる樹脂複合体は高物性となる。また特に
繊維や,それを加工したFRPにした時にも,極めて高物
性となる。アスペクト比が10未満であると得られた繊維
は弱く,また複合体に加工しても弱い。従来のポリマで
あると柔軟性が高いので,アスペクト比が低くてもそれ
ほど問題もなかったが,TLCPの場合には非常に弱くな
る。
また分散しているTLCPの繊維の形状として,特に好ま
しいのは繊維が連続していて,かつ,その直径も均一な
ことである。
連続繊維状であると高強度のFRPとなる。また特に本
発明の樹脂複合体が繊維状の場合にはその強度が高く出
来る。またナイロン中に分散しているTLCPの強度も容易
に高強度化できる。このため,樹脂複合体の強度も高く
出来る。
そしてマトリックスポリマであるナイロンに分散して
いるTLCPの太さは余り太くないことが好ましい。特に好
ましい繊維状のTLCPの直径は20μ以下である。さらに好
ましくは10μ,特に好ましいのは5μ以下である。TLCP
のアスペクト比,直径はマトリックスポリマであるナイ
ロンの除去,断面の連続的観察等により容易に測定でき
る。
直径が細いTLCPであると,樹脂複合体の強度が高いの
みならず,特に樹脂複合体の表面が良好なものができ
る。また,特に衝撃強度が高くなる。また物性も安定し
たものとなる。特に高弾性のTLCPがナイロン中に分散し
ている時にはこの傾向が顕著である。
また,樹脂複合体中のTLCPの本数は多いことが好まし
い。繊維本数が多いと外力を分散するので高強度のもの
が得られる。
樹脂複合体が繊維状のものであれば横断面あたり3本
以上,特に好ましくは5本以上,さらに好ましくは10本
以上分散していることが好ましい。また,かかるTLCP繊
維状物は高度に配向していることが好ましい。またでき
るだけ高弾性率であることが好ましい。好ましくは4t/m
m2以上,さらに好ましくは6t/mm2以上,特に好ましくは
10t/mm2以上の弾性率を有することである。
また,伸度は0.6%以上,さらに好ましくは1%以
上,特に好ましくは1.6%以上であることが好ましい。
かかるものであると良好な樹脂成形物となる。
本発明の樹脂複合体の形態は得に限定されるものでは
なく,繊維状,チップ状,フレーク状,ブロック状,フ
ィルム状等いかなる形態も取れる。また,これらを更に
加工した形態もとれる。適宜用途により選択することが
できる。そして特に好ましいのは繊維状,チップ状,フ
ィルム状の形態である。繊維状,フィルム状の場合,樹
脂複合体の強度が高く出来る。また取扱易い,特に本発
明の樹脂複合体を成層してFRPとする時には強度コント
ロールが容易である,等の利点がある。また,チップ状
の場合には本発明の樹脂複合体をさらに各種の形状に加
工出来るので特に好ましい。
そして本発明の樹脂複合体の引張強度は35kg/mm2,特
に好ましくは70kg/mm2以上であることが好ましい。かか
る値の樹脂複合体となると広く適用できるようになるの
で特に好ましい。驚くべきことに本発明の構成をとるこ
とにより,かかる高強度のナイロン樹脂複合体が出来る
のである。
本発明の樹脂複合体のTLCPとナイロンの組合せの形態
は目的,用途により決められるべきものである。
即ち,TLCPとナイロンの親和性,強度,伸度,融点,
熱分解点,工程通過性等を考慮して決めるべきものであ
る。
そして,所謂,繊維として本発明の樹脂複合体を使う
のであれば,TLCPとナイロンの融点は近い方が好まし
い。また親和性が特に高いことが好ましい。一方,本発
明の樹脂複合体をFRPの素材等として使うのであれば,
ある程度両者の間に融点差があることが好ましい。即
ち,TLCPとナイロンの融点差は20℃以上,さらに好まし
くは40℃以上,特に好ましくは50℃以上の融点差がある
ことである。
かかる融点差があると本発明の樹脂複合体を用い容易
に樹脂繊維(マトリックスポリマ中のTLCP繊維状物)で
補強したFRPが作れる。
次にTLCPとナイロンの比率であるが,本値も目的,用
途により適宜選択されるべきのもである。しかし,一般
にはTLCPは5重量%〜95重量%であることが好ましい。
5重量%未満であるとTLCPによる補強効果が低下するこ
とが多い。
一方,95重量%を超過するとナイロンが破壊すること
が多く,物としてはもとより,工程的にも問題である。
しかし,TLCPを高比率にした樹脂複合体をマスター樹脂
複合体としてナイロンに添加する場合はこの限りでな
い。
従って上限に関しては適宜,目的,工程通過性等を勘
案して決めるべきものである。
なお,本発明の樹脂複合体はTLCPとナイロンのみより
なっても良いがその他のポリマ,可塑剤,耐光剤,帯電
防止剤,末端停止剤,螢光増白剤,難燃剤,老防剤等が
含有されていてもよい。また,酸化チタン,酸化鉄,カ
ーボンブラック等の無機物等が含有されていてもよい。
また,TLCPとナイロンの相溶性をよくすべく,各種の
添加剤を添加したり,TLCP,ナイロンを変性することも特
に好ましいことである。
そして,これらの第3成分として特に好ましいものに
次のものがある。
その1:アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩。
その2:鉄,コバルト,クロムの金属化合物の微粒子。
アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩等が少なくとも
ナイロンに付着および/または含有されていることが特
に好ましい。なお,TLCPに付着および/または含有され
ていても良い。アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩と
して特に好ましいのはカリウム塩とナトリウム塩であ
る。かかる塩としては無機塩,有機塩いずれもあるが,
いずれも適用できる。即ち,沃化カリ等を初めとする無
機塩,またアルキルホスフェートカリ等を初めとする有
機塩も特に好ましいものである。
かかる塩は樹脂複合体の成形時に添加してもよいし,
成形後に吸着させても良い。しかし,有機塩の場合には
成形時に分解することも考えられるので成形時に添加す
る時には,成形に耐えるものに限定することが必要であ
る。
添加量としては極少量で良く,TLCPの重量にたいして
0.05重量%〜5重量%が好ましい。余りに多いと樹脂複
合体の物性が低下する等の問題点も生ずるので,0.05重
量%〜5重量%の範囲から選ぶことが好ましい。また,
特に無機塩のみの時には,所謂,界面活性剤も同時に付
与することが好ましい。
かかるアルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩等が付着
および/または含有されることによる利点は樹脂複合体
の強度を容易に高くできることである。即ち,高温の真
空下や窒素ガスを初めとする不活性ガス中で処理するこ
とによりTLCPの強度が短時間で容易に強度が向上するの
で,得られる樹脂複合体の強度も高くなる。
次に鉄,コバルト,クロムの金属化合物の微粒子を少
なくともTLCPに含有および/または付着させることも好
ましい。これらは少なくとも1重量%以上であることが
好ましい。これらを含有および/または付着させること
による利点はTLCPの耐熱性が高くなることである。また
同時に耐光性も向上する。
次に本発明の樹脂複合体の製法について述べる。TLCP
とナイロンを複合成形する。複合方法は従来公知の方法
が適用出来,得に限定されるものではない。即ち,芯−
鞘溶融成形法,所謂,高分子配列体法,所謂,分割剥離
型繊維の製法,サイド−バイ−サイド法,スタテックミ
キサー等を用いたミクロ分割法,ポリマブレンド法等が
その代表例である。そして特に好ましいのは,所謂,高
分子配列体法,芯−鞘溶融成形法,分割剥離型繊維の製
法である。かかる方法をとると容易にTLCPを高強度化,
また高弾性率化できる。また,TLCPとナイロンの比率が
ミクロの構造まで常に一定であり,信頼性の高い樹脂複
合体ができる。一方,ポリマブレンド法の場合にはナイ
ロン中のTLCPの本数を比較的容易に多くできる利点があ
る。なお,ポリマブレンド法の場合,アスペクト比を高
くするためには,TLCPとナイロンの粘度差,混合比率を
限定する必要がある。
つまり,粘度に関しては2倍以内におさえることが好
ましく,また混合比率に関してはTLCP/ナイロン=40/60
〜60/40にすることが好ましい。
本発明の樹脂複合体は溶融成形で作る時にはある程度
の速度で引き取ることが好ましい。こうすることにより
樹脂複合体はもとより,TLCPも高強度,高弾性率とな
る。また,溶融成形時に電場をかけたり,磁場をかける
のも特に好ましい方法である。
TLCPとナイロンの複合溶融成形法はポリマ種,口金,
口金下雰囲気,溶融時間,吐出速度等により,微妙に影
響を受けるので適性に条件を設定することが重要であ
る。即ち,加熱筒,保温筒等を利用することは特に有効
である。
また本発明の予想外の効果として,特に芯−鞘溶融
法,高分子配列体法を適用した場合には,溶融成形の速
度が上がる利点がある。また,TLCPはもとより,樹脂複
合体の弾性率,強度ともTLCPを単独で製糸した時より高
くできる。
本発明の予想外の効果,即ち「特に芯−鞘溶融法,高
分子配列体法を適用した場合には,溶融成形の速度が上
がる利点がある。また,TLCPはもとより,樹脂複合体の
弾性率,強度ともTLCPを単独で製糸した時より高くでき
る」はTLCPとナイロンの複合成形に限定されるものでは
なく,TLCPとポリスチレン等の場合にもみられる特徴で
ある。
本発明の樹脂複合体はそのままでの利用法もあるが,
ナイロン成分を除去することにより高強度・高弾性率の
TLCPを作る良い方法である。
また,特に高強度の樹脂複合体をのぞむ時には,こう
して得られた樹脂複合体を窒素等の不活性ガス流中や真
空下で該TLCPのガラス転位温度以上で高温処理すること
が好ましい。特に好ましくは200℃以上の高温で処理す
ることが好ましい。こうすることにより樹脂複合体の強
度は成形後より2倍以上の高強度の樹脂複合体となるこ
ともまれではない。そして,特に,この高温処理時間を
短縮したい時にはアルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩
をTLCPの重量にたいして0.05重量%〜5重量%,少なく
ともナイロンに含有および/または付着せしめ,高温処
理することが好ましい。こうすることにより,高温熱処
理時間は無添加で処理する時より処理時間は半分以下に
削減可能である。
なお,かかる塩は溶融成形時に添加しても良いし,ま
た樹脂複合体とした後に付与しても良い。特に塩が有機
塩の場合には樹脂複合体として後に添加することが好ま
しい。
また,特に樹脂複合体中のTLCPが不融化していること
が好ましい時には,かかる高温熱処理して樹脂複合体を
更に高温で処理することが好ましい。即ち,該TLCPの融
点以上で処理することが好ましい。なお,TLCPの融点は
熱処理とともに上昇するので,高温熱処理後のTLCPの融
点を確認して熱処理を行う必要がある。こうすることに
よりTLCPはナイロン樹脂複合体中で不融化出来る。TLCP
が不融化したかどうかの確認はナイロン樹脂複合体をデ
ィフアレンシャル・スキャニング・カロリメーター(DS
C)等で測定すること等により,容易に確認出来る。
また,TLCPの融点近傍での耐熱性向上,また不融化に
は鉄,コバルト,クロムの金属化合物の内の少なくとも
1種の微粒子を少なくともTLCPに含有および/または付
着させることが好ましい。かかる微粒子の付与は樹脂複
合体の溶融成形時に行う。なお,ここで注意しなければ
ならないことは,かかる微粒子を添加し,溶融成形する
とTLCPが不融化することがある点である。従って,かか
る微粒子を添加する時には,窒素ガス等の不活性ガスで
シールするか,真空下で溶融成形することが必須であ
る。なお,かかる微粒子の添加量は少なくともTLCPにた
いして1重量%以上,特に好ましくは10重量%以上,付
与することが好ましい。なお,本発明の微粒子で適用す
る微粒子はできるだけ,細かいものであることが好まし
い。特に好ましいのは直径が0.1mm以下の微粒子であ
る。なお,短いウイスカー等も本発明の微粒子には含ま
れる。
こうして,微粒子が付与された樹脂複合体を次に該TL
CPの(融点−50)℃以上の含酸素雰囲気中で加熱処理す
る。最高処理温度は(融点+20)℃で充分である。処理
時間はTLCPの種類,微粒子の種類,酸素の量等により大
幅に変わるが1秒以上処理することが必要である。
なお,当然のことではあるが,樹脂複合体のTLCPに微
粒子を添加して,樹脂複合体として,次に前記の方法で
高温加熱処理してTLCPを固相重合し,次に,空気中で該
TLCPの(融点−50)℃以上で処理してもTLCPは不融化す
る。本発明のナイロン樹脂樹脂複合体は高強度,高弾性
率,高成形性,高強靭性なので,下記の広い用途が考え
られる。
各種の補強材,タイヤコード,光ファイバー用補強
材,ベルト,プロペラ,窓枠,ブラインド,ヘルメッ
ト,成形用チップ,高強度成形用チップFRP,FRP用基
材,パラボナアンテナ用資材,コンクリート補強材,海
洋コンクリート補強材,海洋資材,電気絶縁用基材,プ
リント基盤用基材,ロープ,防護材,スクリーン紗,フ
ィルター,フィルター用補強材,炭素繊維等との混繊糸
用基材,高強度フィルム状物,車用資材,テント,壁
材,机,合板の表材,高強度クロス,各種のフレーム,
超伝導用資材,クリーニング用ブラシ,抄紙,印刷用等
のシャー織物,慴動部材,エンジンヘッドカバー,バン
パー,イス,合板用補強材,自転車用基材等。
以下実施例により,さらに詳しく説明する。なお,当
然のことではあるが,本発明がこれら実施例に拘束され
ないことはいうまでもない。
〔実施例〕
本発明,比較例における測定は次の方法によった。
(イ)強度,伸度=テンシロンで歪速度が1mm/分の変形
速度で歪を与え,測定した。
(ロ)曲げ特性:試料を次の寸法の長方形に切出し,次
に本試料をスパン間が50mmの架台の上に乗せ,歪速度が
1mm/分のテンシロンで測定した。
A.幅=12.7mm B.長さ=127mm (ハ)アイゾット衝撃強さ:試料を次の寸法に長方形に
切出し,モールドノッチ付き試験片を作り,ASTMD−256
に従い測定した。
A.幅=12.7mm B.長さ=63.5mm 参考例1 下記の通りTLCPを島成分,ナイロンを海成分とする高
分子配列体繊維よりなる樹脂複合体を作った。特に製糸
でのトラブルはなかった。
A.製糸条件 海成分:ナイロン6,相対粘度3.3で,ナイロンのア
ミン末端を酢酸で封鎖したもの。
島成分(TLCP):米国,セラニーズ社製の液晶ポリ
アリレート 商品名 ベクトラ タイプ A900 島/海=75/25(重量比) 島の数=70 紡糸温度=300℃ 紡速=1000m/分 延伸倍率=なし。
B.得られた繊維の特性 樹脂複合体繊維の繊度=35デニール(以下dと称す
る) 強度=9.8g/d(110kg/mm2) 伸度=2.8% 弾性率=465g/d 繊維の比重=1.25 本繊維の中のTLCPのアスペクト比=100以上(TLCP
は連続しているので,実質的には無限大である。) なお,TLCPの数平均分子量は約1.6万であった。
即ち,高強度,高弾性率で,かつ,低比重の繊維が,
高速製糸で得られた。なお,TLCP単独で同様に紡糸しよ
うとしたが,とてもかかる高速では紡糸できなかった。
参考例2 下記の条件で参考例1と同様に高分子配列体繊維から
なる樹脂複合体を作った。特に問題点はなかった。
A.製糸条件 海成分:ナイロン6,相対粘度3.4で,ナイロンのア
ミン,カルボン酸末端とも未封鎖。
島成分(TLCP):実施例1と同一 島/海=40/60 島の数=36 紡糸温度=295℃ 紡速=1000m/分 延伸倍率=なし。
B.得られた繊維の特性 樹脂複合体繊維の繊度=15d 強度=5.2g/d(57kg/mm2) 伸度=3.1% 弾性率=255g/d 繊維の比重=1.22 本繊維の中のTLCPのアスペクト比=100以上(TLCP
は連続しているので,実質的には無限大である。) 即ち,高強度,高弾性率で,かつ,低比重の繊維が,
高速で得られた。
次に該繊維を約10mmに切断した。なお,TLCPのアスペ
クト比は約2500であった。次に該短繊維をトリクレン中
に投入して,分散させ,篩ですくい,目付が約200g/m2
のシート状物を得た。さらに該シート状物を5枚積層し
テフロン板に乗せ,275℃の加熱炉に入れ,樹脂複合体の
ナイロンを溶融させ,ナイロン成分が融着したシート状
物を得た。引続き該シート状物を230℃でプレスし,薄
板とした。本品の物性は下記に示す通り,高強度,高弾
性率であり,また衝撃強度も強く,軽いものであった。
曲げ強度=27kg/mm2,曲げ弾性率=880kg/mm2
アイゾット衝撃強さ=10.8kg・cm/cm 比重=1.18 比較例 1,2 比較として参考例2と同様にしてナイロン6の5dの繊
維のみから作った板(比較例1),ポリエチレンテレフ
タレートの5dの繊維のみから作った板(比較例2)のデ
ーターを示す。両者とも低強度であった。
A.ナイロン6のみから作られた板状物 曲げ強度=3.7kg/mm2,曲げ弾性率=410kg/mm2
アイゾット衝撃強さ=1.7kg・cm/cm 比重=1.13 B.ポリエチレンテレフタレートからの板状物 曲げ強度=4.1kg/mm2,曲げ弾性率=340kg/mm2
アイゾット衝撃強さ=0.9kg・cm/cm 比重=1.31 実施例1 下記の条件で参考例1と同様に高分子配列体繊維から
なる樹脂複合体を作った。特に問題点はなかった。
A.製糸条件 海成分:ナイロン66,相対粘度3.4。
島成分(TLCP):実施例1と同一 島/海=80/20 島の数=16 紡糸温度=305℃ 紡速=1000m/分 延伸倍率=なし。
B.得られた繊維の特性 樹脂複合体繊維の繊度=8d 強度=7.8g/d(94kg/mm2) 伸度=2.3% 弾性率=333g/d 繊維の比重=1.34 本繊維の中のTLCPのアスペクト比=100以上。
次に本繊維を250℃の窒素ガス流下で10時間熱処理し
たところ,下記の高強度,高弾性率繊維(ナイロン樹脂
複合体)を得た。
樹脂複合体繊維の繊度=8d 強度=18.9g/d(228kg/mm2) 伸度=3.3% 弾性率=597 なお,TLCPの数平均分子量は約5.3万であった。本繊維
はタイヤコードとして特に適するものであった。
実施例2 実施例1の高温熱処理した繊維を,約25mmに切断して
鉄板の上にばらまき,335℃で5分プレス処理して不織布
とした。次に本不織布から繊維を切出し,DSCでその融解
挙動をか察したところ,TLCPにもとずく吸熱ピークは観
察されなかった。なお,335℃処理前のDSCにはTLCPの融
解による吸熱ピークが318℃に存在していた。即ち,TLCP
が不融化したナイロン樹脂複合体が得られた。
実施例3 ナイロン66のチップを沃化カリの水溶液に浸漬し,沃
化カリを約2重量%付与した。次に乾燥して,以下実施
例1と同様にしてナイロン樹脂複合体(繊維)を作っ
た。なお,引き取り油剤としてノニルフェノールにエチ
レンオキシドが付加された油剤を用いた。次に実施例3
と同様に処理し,また,同様に高温熱処理して,下記の
特性を持つ高強度の樹脂複合体(繊維)を得た。なお,
高温処理時間は3時間であった。
即ち,より短時間で,特に高弾性率で,高強度のナイ
ロン樹脂複合体を得た。
樹脂複合体繊維の繊度=9d 強度=15.3g/d(184kg/mm2) 伸度=2.9% 弾性率=630 また,本繊維中のTLCPの数平均分子量は約4.7万であ
った。
本繊維はタイヤコードとして特に適するものであっ
た。
実施例4 実施例1のナイロン樹脂複合体(繊維)の引き取り油
剤にノニルフォスフェートカリを用い,該油剤を繊維に
約2重量%付与した。
次に実施例3と同様に処理して,下記の特性を持つ,
高強度,高弾性率のナイロン樹脂複合体(繊維)を得
た。
樹脂複合体繊維の繊度=8d 強度=17.8g/d(202kg/mm2) 伸度=3.1% 弾性率=635 また,本繊維中のTLCPの数平均分子量は約5.1万であ
った。
本繊維はタイヤコードとして特に適するものであっ
た。
実施例5 実施例1の繊維を収束して,250℃のダイスに通しテ直
径が約3mmのガットとした。次に約8mmにカットして,チ
ップとした。次に本チップを230℃の真空下で20時間処
理した。
本チップの中のTLCPの融点は321℃であった。
次に本チップをエクストルーダーに通し,射出成形
し,下記の高強度の板状物を作った。
なお,TLCPは板の中でも繊維状構造を形成していた。
また,TLCPは不融化していた。
曲げ強度=25kg/mm2 曲げ弾性率=840kg/mm2 アイゾット衝撃強さ=8.9kg・cm/cm 実施例6 参考例1のTLCPと磁性酸化鉄をエクストルーダーで混
合溶融成形し,磁性酸化鉄が14重量%含まれるTLCPのチ
ップを得た。
次に本チップを実施例1と同様に紡糸してナイロン樹
脂複合体とした。なお,紡糸速度は250m/分であり繊度
は15デニールである。
本繊維の強度は4.1g/d(55kg/mm2)であった。次に本
繊維を250℃の真空中で3時間高温処理し,次に250℃の
空気中で1時間,次に270℃の空気加熱炉の中で約5秒
処理したところ,下記の特性を有するTLCPが不融化した
ナイロン樹脂複合体を得た。なお,250℃の真空中で3時
間高温処理した繊維はDSCでは融解にもとずく吸熱ピー
クが弱いながら見られた。
強度=12.8g/d(172kg/mm2) 弾性率=540g/d 実施例7 下記の通りTLCPを島成分とする高分子配列体繊維より
なる樹脂複合体を作った。特に製糸でのトラブルはなか
った。
A.製糸条件 海成分:実施例1と同一。
島成分(TLCP):特公昭62−50496号公報の実施例
1に開示されている方法に従い,液晶ポリエステルアミ
ドを作った。即ち,アセトキシアニリドとブトキシテレ
フタル酸を原料にして,液晶樹脂とした。該液晶樹脂の
液晶開始温度は約210℃であり,融点は約290℃であっ
た。
島/海=75/25(重量比) 島の数=70 紡糸温度=310℃ 紡速=1000m/分 延伸倍率=なし。
B.得られた繊維の特性 樹脂複合体繊維の繊度=16d 強度=8.2g/d(89kg/mm2) 伸度=2.9% 弾性率=424g/d 繊維の比重=1.21 本繊維の中のTLCPのアスペクト比=100以上(TLCP
は連続しているので,実質的には無限大である。) なお,TLCPの数平均分子量は約1.8万であった。
即ち,高強度,高弾性率で,かつ,低比重の繊維が,
高速製糸で得られた。なお,TLCP単独で同様に紡糸しよ
うとしたが,とてもかかる高速では防止できなかった。
次に本繊維を210℃の真空中で2時間高温処理したと
ころ,下記の特性を有する,高強度のナイロン樹脂複合
体を得た。本繊維は耐疲労性等の繰り返し疲労性が特に
優れるものであった。
強度=12.4g/d(135kg/mm2) 弾性率=510g/d 〔発明の効果〕 本発明の構成をとることにより,下記の大きな効果を
もたらす。
高強度・高弾性率のナイロン樹脂複合体が得られる。
TLCPのみでは接着性が劣る用途でも,ナイロンの接着
性が優れるので用途が拡大した。
TLCPとナイロンの剥離が少ない。特に樹脂複合体が高
分子配列体の構造を採用した場合は,両者の剥離が特に
少ない。
特に本発明のナイロン樹脂複合体をプレス処理等して
FRPの基材として用いると,高強度・高弾性率,高衝撃
強度のFRPが得られる。
樹脂複合体が特に高分子配列体の場合には,TLCPとナ
イロンの比率が常に安定しているので,高い信頼性のFR
Pなる。
樹脂複合体はそれ自身がFRP化しているのでマトリッ
クスポリマを後に添加する必要がないので,添加むらが
ない。このため,安定な物性のFRPが作れる。特に高分
子配列体の場合には良好である。
TLCPが不融化出来るので,特に樹脂複合体をチップや
繊維とした時に成形しやすい。
ナイロン樹脂複合体を高温で熱処理すると高強度,高
弾性率化するので,さらに高強度の樹脂複合体となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/90 311 D01F 6/90 311D (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08L 67/00 C08K 3/16,5/521,3/08 D01F 6/90

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶樹脂とナイロンを溶融成形して、液晶
    樹脂がナイロン中で繊維状に存在する樹脂複合体を成形
    し、次に、該液晶樹脂のガラス転移温度以上の不活性ガ
    ス流中、または真空中で、処理することを特徴とするナ
    イロン樹脂複合体の製法。
  2. 【請求項2】少なくともナイロンにアルカリ金属塩およ
    び/またはアルカリ土類金属塩を含有および/または付
    着せしめて、液晶樹脂を溶融成形して、液晶樹脂がナイ
    ロン中で繊維状に存在する樹脂複合体を形成し、次に、
    該液晶樹脂のガラス転移温度以上の不活性ガス流中、ま
    たは真空中で、処理することを特徴とするナイロン樹脂
    複合体の製法。
  3. 【請求項3】液晶樹脂がナイロン中で繊維状に存在する
    樹脂複合体をアルカリ金属および/またはアルカリ土類
    金属の水および/または有機液の溶液および/または分
    散液に浸漬し、次に、該液晶樹脂のガラス転移温度以上
    の不活性ガス流中、または真空中で、処理することを特
    徴とするナイロン樹脂複合体の製法。
  4. 【請求項4】液晶樹脂がナイロン中で繊維状に存在する
    樹脂複合体を該液晶樹脂のガラス転移温度以上の不活性
    ガス流中、または真空中で、処理し、次に該液晶樹脂の
    融点以上で処理して液晶樹脂を不融化させることを特徴
    とするナイロン樹脂複合体の製法。
  5. 【請求項5】少なくとも液晶樹脂に鉄、コバルト、クロ
    ムから選ばれた少なくとも1種の金属化合物の微粒子を
    少なくとも5重量%添加し、かつ、真空または不活性ガ
    ス中でナイロンと溶融成形して、液晶樹脂がナイロン中
    で繊維状に存在する樹脂複合体を成形し、次に該液晶樹
    脂の(融点−50)℃以上、かつ含酸素雰囲気下で加熱し
    て、液晶樹脂を不融化させることを特徴とするナイロン
    樹脂複合体の製法。
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