JP2769887B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷の如き画像
形成法に於ける静電荷像を現像剤で可視化するための画
像形成方法に関する。
さらに詳細には電子写真プロセスに於いてOPC等の感
光体を使用し、ブレードクリーニング方式等の感光体へ
の強い圧接が行われる様なクリーニングを行う画像形成
装置において体積平均粒径6〜8μmの磁性現像剤を用
いた画像形成方法に関する。
[従来の技術] 従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42-23910号公報(米国特許第3,666,363号
明細書)、特公昭43-24748号公報(米国特許第4,071,36
1号明細書)等、多数の方法が知られているが、一般に
は光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に
電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像粉(以下トナ
ーと称す)を用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材
にトナー画像を転写した後、加熱、圧力,熱圧或は溶剤
蒸気などにより定着して複写物を得るものである。又ト
ナー画像を転写する工程を有する場合には、通常、感光
体上の残余のトナーを除去するための工程が設けられて
いる。
電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方法は例
えば、米国特許第2,874,063号明細書に記載されている
磁気ブラシ法、同2,618,552号明細書に記載されている
カスケード現像法及び同2,221,776号明細書に記載され
ている粉末雲法等がある。又、磁性トナーを使用する方
法として、米国特許第3,909,258号明細書に記載されて
いる導電性トナーを使用するマグネドライ法、トナー粒
子の誘電分極を使用する方法、トナーの撹乱による電荷
移送の方法、又、近年本出願人が提案した特願昭54-421
41号公報、特開昭55-18655号公報の如き潜像に対してト
ナー粒子を飛翔させえ現像する方法がある。
これらの現像法に適用するトナーとしては、従来、天
然或は合成樹脂中に染料、顔料を分散させた微粉末が使
用されている。例えば、ポリスチレンなどの結着樹脂中
に着色剤を分散させたものを1〜30μ程度に微粉砕した
粒子がトナーとして用いられている。磁性トナーとして
はマグネタイト等の磁性体粒子を含有せしめたものが用
いられている。一方、いわゆる二成分系現像剤を用いる
方式の場合には、トナーは通常、ガラスビーズ、鉄粉な
どのキャリア粒子と混合して用いる。
この様な磁性乾式現像剤を使用する方法において、良
好な画質の可視画像を形成するためには、現像剤が高い
流動性を有し、かつ均一な帯電性を有することが必要で
あり、そのために従来よりケイ酸微粉末をトナー粉末と
混合して外添することが行われている。然るにケイ酸微
粉体はそのままでは親水性であるためにこれが添加され
た現像剤は空気中の湿気により凝集を生じて流動性が低
下したり、甚だしい場合にはシリカの吸湿により現像剤
の帯電性能を低下させてしまう。そこで疎水化処理した
ケイ酸微粉体を用いることが特開昭46-5782号、特開昭4
8-47345号、特開昭48-47346号等で提案されている。具
体的には例えばケイ酸微粉末とジメチルジクロルシラン
等の有機ケイ素化合物とを反応させ、ケイ酸微粉体表面
のシラノール素を有機基で置換し、疎水化したケイ酸微
粉体が用いられている。
又、近年小型で安価なパーソナルユースの複写機やレ
ーザープリンタ等が出現し、これらの小型機に於いては
メンテナンスフリーの立場から、感光体、現像器、クリ
ーニング装置等を一体化したカートリッジ方式が用いら
れ、このカートリッジ方式を 使い捨てとするところか
ら、高価な感光体を使用することができずいわゆる有機
光導電体(OPC)等が感光体として使用されている。
更に、パーソナルユースに適した形態として複写機や
レーザプリンタ自体を小型化する必要があり、感光体と
してのドラム径も小さなものが要求されている。
又、クリーニング装置も装置を簡単にすることが可能
ないわゆるブレードクリーニングが用いられている。
同様に現像剤としても現像器の構造を簡単にできるこ
とから一成分系磁性現像剤を使用することが望まれる。
又現像剤のクリーニングに関わるいくつかの問題点を
改良したトナーとして特開昭61-241766号公報では特定
の分子量分布をもつポリアルキレンを用いたトナーが提
案され、特開昭63-139368号公報では表面の軟い感光体
とゴムブレードクリーニングに適したトナーが提案され
ているが近年画像品質への要求も次第に厳しくなってき
ており、極めて微細な潜像に至るまでつぶれたりとぎれ
たたりすることなく忠実に再現することが求められてい
る。それに伴いトナーの粒径も小粒径化する方向にあり
特開平1-112253号公報では体積平均粒径4〜9μmの現
像剤が提案されている。
しかし一般にトナーの粒径が小さくなるほど比表面積
が大きくなるため感光体表面との摩擦を生じ易く、又凝
集性が増大することから流動性確保のためにより多くの
無機微粉体の添加が必要となり感光体表面を削ることに
より白ヌケ現像、又感光体に傷をつけてしまうことによ
フィルミング等を助長し画像欠損を生じてしまう傾向が
ある。
このため粒径の小さいトナーは実用化が困難であっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的はデジタル潜像における微小スポットの
再現性に優れた現像剤を用いた画像形成方法の提供にあ
る。
又本発明の目的はクリーニングブレード方式等感光体
への圧接が行なわれる様なクリーニング工程において感
光体削れや感光体汚染による画像欠損を生じさせない画
像形成方法の提供にある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明の特徴とするところはテーバー摩耗試験機によ
る削れ量が4.0×10-2cm3以下の感光体にゴムブレードを
侵入量0.2〜2.0mm、当接圧Pが20<P≦50g/mで圧接す
る現像剤のクリーニング工程を有する画像形成装置に於
ける画像形成方法であって、該現像剤が、少なくとも結
着樹脂、磁性体及びポリアルキレンを含有する磁性トナ
ーを有し、磁性トナーの体積平均粒径が6〜8μmであ
り、現像剤がBET比表面積が1.8〜3.5m2/g、ゆるみ見掛
密度が0.4〜0.52g/cm3、真密度が1.45〜1.8g/cm3である
磁性現像剤であり、且つ該現像剤100重量部中にシリコ
ーンオイル又はワニス処理した疎水性無機微粉体0.6〜
1.6重量部を含有し、更に結着樹脂100重量部中にカルボ
キシル基或はその酸無水物からなる酸基を含む重合性モ
ノマー単位を1〜30重量部含有し、且つ酸価が1〜70で
あることを特徴とする画像形成方法にある。
本発明において酸基を有する結着樹脂と、GPCチャー
トにおける分子量分布が少なくとも2つ以上の極大値の
有するポリアルキレンと、表面をシリコーンオイル又は
ワニスで処理した無機微粉体と体積平均粒径6〜8μm
の磁性トナーと、テーパー摩耗試験機による削れ量が4.
0×10-2cm3以下の感光体を、該感光体に侵入量0.2〜2.0
mm、線圧20g/cmをこえる圧力で当接されたクリーニング
ゴムプレートによって感光体表面の傷の発生が防止され
微小ドットの再現性の良好な高画質のプリントが得られ
る。
感光体表面の傷の発生の原因となるのは複写またはプ
リント中に無機微粉体がゴムブレード等によって感光体
表面とこすられた際の傷が主である。この場合一部の無
機微粉体がトナー粒子等から遊離状態で存在することが
感光体表面の傷の発生を促進している。
又本発明に係るクリーニング装置としてはブレードク
リーニング方式が用いられる。
更にクリーニング工程に至る直前において必要に応じ
て現像剤クリーニングを容易にするために除電工程等を
設けてもよい。
第1図にブレードクリーニング方式を用いたクリーニ
ング装置の一例を示す。
図において、1は感光体を示し、この感光体は図中に
矢印で示す方向に回転している。感光体1の表面には周
知の方法で静電潜像が形成され、トナーによって該潜像
は鏡面化され、この鏡面像を転写材に転写される。転写
後に感光体1上に残留するトナー2を除去するために、
クリーニング装置7を設ける。第1,2図で示すクリーニ
ング装置は感光体1上のトナー2を掻き落とすように、
感光体の表面に当接するクリーニング部材8と、該クリ
ーニング部材8による感光体1から脱離したトナーを捕
集する捕集部材9を備えている。一般に捕集部材9を感
光体の表面に当接するように配置し、クリーニング部材
8によって掻き落としたトナーがクリーニング装置の外
に飛散するのを防止する。
クリーニング部材8はウレタンゴムの如きJIS-A硬度6
0°〜80°の弾性ゴムブレードが好ましく、感光体1と
は第2のようにと当接角θが鋭角であることが好まし
い。
この時当接する圧力P[g/cm]は20<P≦50で用いら
れる。P≦20ではクリーニング不良や画像流れが生じ易
く、P>50ではブレードめくれや感光体表面の傷が生じ
易い。
又クリーニングブレードの侵入量は0.2〜2.0mmが用い
られより好ましくは0.3〜1.5mmが用いられる。本発明に
おける侵入量とは第2図において感光体を取りはずした
時にクリーニングブレードの先端が感光体表面に侵入す
る長さα[m]を示し当接圧P[g/cm]とともにブレー
ドクリーニングにおける重要な要素となる。
図中ブレード先端に接する破線の円は感光体表面と同
心円であり、感光体の半径と破線円の半径との差を侵入
量αとするものである。
本発明は感光体としては表面が有機化合物である画像
形成装置に対し特に有効である。有機化合物が表面層を
形成している場合、トナー中に含まれる結着樹脂との接
着性が良く、特に同質の材料を用いた場合、接点に於い
ては化学的な結合が生じ、トナーまたは現像剤と感光体
表面の摩擦力が大となるからである。
本発明に用いる潜像担体の表面物質としては、シリコ
ン樹脂、塩化ビニリデン、エチレン−塩ビ、スチレン−
アクリロニトリル、スチレン−メチルメタクリレート、
スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート等が挙げられるが、これらに限定されることはな
く、他のモノマー或は、例示樹脂間での共重合、ブレン
ド等も使用する事ができる。
感光体表面の摩耗特性はテーパー摩耗試験機により削
れ量測定で4.0×10-2cm3以下のものが用いられる。4.0
×10-2cm3をこえると感光体上に傷がつき易く画像欠損
が発生し易い傾向がある。
摩耗特性の測定は以下のようにして行なった。
装 置:テーパー摩耗試験機 測定条件 試料調製:樹脂溶液をアルミ円板上に塗布、乾燥して50
μ前後の塗膜を形成したものを用いる 砥石型番:CS17 荷 重:1000g 回転速度:70rpm 回転総数:5000回転 測定環境:温度23±1℃,湿度55±5%RH 本発明は、ドラム感光体の直径が50mm以下の画像形成
装置に対し特に有効である。小径ドラムの場合、同一の
線圧にしても曲率が大きい為、当接部に於いて圧力の集
中が起り易い為である。
ベルト感光体でも同一の現象があると考えられ、転写
部での曲率半径25mm以下の画像形成装置に対しても有効
である。
本発明に係る酸基を有する結着樹脂としては様々な樹
脂を用いることができるが本発明に用いることのでき
る、酸基を含有する重合性モノマーとしては以下のもの
が挙げられる。
アクリル酸、メタクリル酸のようなα,β−不飽和カ
ルボン酸類;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン
酸オクチル、フマル酸、フマル酸ブチルのようなα,β
−不飽和ジカルボン酸類又はそのハーフエステル類;n−
ブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ブテ
ニルコハク酸ブチル、n−ブテニルマロン酸、n−ブテ
ニルアジピン酸などのようなアルケニルジカルボン酸類
又はそのハーフエステル類等が挙げられるが一部はジカ
ルボン酸として樹脂中に存在することが好ましい。
この場合、結着樹脂全体量に対し、酸基を含む重合性
モノマー量は、1〜30重量部が好ましく、結着樹脂全体
の酸価としては1〜70、更に好ましくは5〜50が良い。
本発明に用いた酸価の測定方法を以下に示す。
酸価はJIS K-0670に準じて測定する。
サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量
し、エタノール:ベンゼン=1:2の混合溶媒約50ml加え
て樹脂を溶解する、溶解性が悪いようであれば少量のア
セトンを加えてもよい。フェノールフタレイン指示薬を
用い、あらかじめ標定されたN/10水酸化カリウム〜エタ
ノール溶液で滴定し、アルコールカリウム液の消費量か
らつぎの計算式(3)で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量…(3) (ただしNはN/10 KOHのファクター) 本発明に係るバインダー樹脂を得る為のコモノマーと
しては次のようなものが挙げられる。
例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、
p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジ
クロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレン及
びその誘導体;エチレン、プロッピレン、ブチレン、イ
ソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;ブ
タジエン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル、沸化ビニルなどのハロゲン化ビニ
ル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビ
ニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン
脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オク
チル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル
類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプ
ロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロー
ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、
N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニル
ナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリ
ル酸誘導体;のビニル系モノマーが単独もしくは2つ以
上で用いられる。
これらの中でもスチレン系共重合体、スチレンアクリ
ル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ま
しい。
又架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可
能な二重結合を有するモノマーが用いられる。
本発明に用いられるビニル系共重合体は、以下に例示
するような架橋性モノマーで架橋された重合体であるこ
とが好ましい。
芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニルベンゼン、
ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれたジアクリ
レート化合物類、例えば、エチレングリコールジアクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4
−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び
以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代え
たもの;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類、例えば、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチエングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレン
グリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコ
ールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレート
をメタアクリレートに代えたもの;芳香族基及びエーテ
ル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例
えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキ
シエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のア
クリレートをメタアクリレートに代えたもの;更には、
ポリエステル型ジアクリレート化合物類、例えば、商品
名MANDA(日本化薬)が掲げられる。多官能の架橋剤と
しては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリ
メチロールエタントリアリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上
の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたも
の;トリアクリルシアヌレート、トリアリルトリメリテ
ート;等が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100重量部に対
して、0.01〜5重量部(更には0.03〜3重量部)用いる
ことが好ましい。
本発明に係るバインダー樹脂の合成方法は、基本的に
2種以上の重合体を合成する方法が好ましい。
すなわち、THFに可溶で且つ重合モノマーに可溶な第
1の重合体を重合モノマー中に溶解し、モノマーを重合
して樹脂組成物を得る方法である。この場合、前者と後
者の重合体が均一に混合している組成物が形成される。
THFに可溶な第1の重合体は、溶液重合もしくはイオ
ン重合などが好ましく、THFに不溶な成分を生成するた
めの第2の重合体は、第1の重合体を溶解している条件
下で架橋性モノマー存在下で懸濁重合もしくは乳化重合
で合成することが好ましい。第1の重合体は第2の重合
体を生成するための重合性単量体100重量部に対して10
〜120(好ましくは、20〜100重量部)重量部使用するの
が好ましい。
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエ
ン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコー
ル、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマーの場合
はキシレン、トルエン又はクエンが好ましい。重合生成
するポリマーによって適宜選択される。又開始剤は、ジ
−tertブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)等がモノマー100重量部に対し
て0.1重量部以上(好ましくは0.4〜15重量部)の濃度で
用いられる。反応温度としては、使用する溶媒、開始
剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃〜180℃
で行うのが良い。溶液重合に於いては溶媒100重量部に
対してモノマー30重量部〜400重量部で行うのが好まし
い。
尚、α,β−不飽和ジカルボン酸類、又はそのハーフ
エステル類を用いて溶液重合を行なった場合、反応終了
後昇温して反応溶媒を蒸発させる際ある程度無水化によ
る環化が起こることがわかっており、本発明においても
IRにより確認された。
この酸無水物基を含有する共重合体を第1の重合体と
して用い水溶液中で懸濁重合を行なった場合、酸無水物
基が開環しジカルボン酸となる。本発明者らの検討で
は、現像剤に含まれる酸基はモノカルボン酸よりもジカ
ルボン酸の方が感光体表面の傷の防止に対してより好ま
しい(同じ酸価で比較した場合)。これは、ジカルボン
酸の場合一つのケイ基原子を2個のカルボキシル酸素が
丁度はさみ込む形で強固に結合するためと考えている。
その際生成する環状構造が安定かに影響しているものと
考えられる。
又本発明に用いられる疎水性無機微粉体は疎水性金属
酸化物微粉体であることが好ましく、疎水性シリカ微粉
末であることが更に好ましい。
表面をシリコーンオイル処理したケイ酸微粉体を含有
するトナーが感光体の保護に効果があることは特開昭61
-277964号公報で開示されており有効な手段であると認
められるが本発明のトナーに於いてはその表面が無数の
酸基から構成されており、一般にケイ素と酸素の結合エ
ネルギーが大きいことから予想されるように、このトナ
ー表面にはシリコーンオイル又はワニスで処理された無
機微粉体が強く吸着していると考えられる。
吸着された該無機微粉体は遊離状態ではないので感光
体表面を傷つけることなく、適度にシリコーンオイル又
はワニスを供給し感光体表面に薄膜を形成し、摩擦抵抗
及び表面エネルギーの低減によって更に感光体表面の傷
を防止している。
上記効果は比表面積の大きく無機微粉体の添加量が多
くかつ真密度の大きい本発明に係る現像剤で顕著であ
り、この効果によって本発明のトナーは感光体上の傷の
防止に対しより厳しい条件下でより高い効果を達成し得
る。
本発明中で用いられるシリコーンオイル又はワニスで
処理した無機微粉体のうちで、BET法で測定した窒素吸
着による比表面積が70〜300m2/gの範囲内のものが良好
な結果を与える。磁性トナー100重量部に対して無機微
粉体0.6〜1.6重量部使用するのが良い。
疎水性無機微粉体としては、負帯電性の疎水性シリカ
微粉体が好ましい。
本発明に係る疎水性シリカ微粉体はトリボ電荷量が−
100〜−300μc/gを有するものが好ましく使用される。
トリボ電荷量が−100μc/gに満たないものは、現像剤自
体のトリボ電荷量を低下せしめ、湿度特性が低下する。
又、−300μc/gを越えるものを用いると現像剤担持体メ
モリーを促進させ、又、シリカの劣化等の影響を受け易
くなり、耐久特性に支障をきたす。又、300m2/gより細
かいものが現像剤への添加効果がなく、70m2/gよりあら
いものは遊離物としての存在確率が大きく、シリカの偏
積が凝集物による黒ポチの発生原因となり易い。
負帯電性のシリカ微粉体のトリボ値は次の方法で測定
される。即ち、23.5°,60%RHの環境下に1晩放置され
たシリカ微粉体0.2gと200〜300メッシュに主体粒度を持
つ、樹脂で被覆されていないキャリアー鉄粉(例えば、
日本鉄粉社製EFV200/300)9.8gとを前記環境下で精秤
し、およそ50c.c.の容積を持つポリエチレン製ふた付広
口びん中で十分に(手を持って上下におよそ50回約20秒
間振とうする)混合する。
次に第3図に示す様に底に400メッシュのスクリーン3
3のある金属製の測定容器32に混合物約0.5gを入れ金属
製のフタ34をする。この時の測定容易器32全体の重量を
秤りW1(g)とする。次に、吸引機31(測定容器32と接
する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口37から
吸引し風量調節弁36を調整して真空計35の圧力を250mmH
gとする。この状態で充分吸引を行いシリカを吸引除去
する。この時の電位計39の電位をV(ボルト)とする。
ここで38はコンデンサーであり容量をC(μF)とす
る。又、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)と
する。このシリカのトリボ電荷量(μc/g)は下式の如
く計算される。
ここで用いられるケイ酸微粉体は、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又は
ヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス
等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能
であるが表面及びケイ酸微粉体の内部にあるシラノール
基が少なく、又Na2O,SO3 2-等の製造残渣のない乾式シ
リカの方が好ましい。
又、乾式シリカにおいて製造工程において例えば、塩
化アルミニウム又は、塩化チタンなど他の金属ハロゲン
化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いる事によって
シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得る事も可能で
あり、それらも包含する。
その粒径は平均の一次粒径として、0.001〜2μmの
範囲内である事が望ましく、特に好ましくは0.002〜0.2
μの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
本発明に用いられる微粉体のシリコーンオイル処理に
おいては、シリコーンオイルがケイ酸微粉体の表面に塗
布されることにより、シラノール基を完全に覆いかくす
ことができ、耐湿性が飛躍的に向上する。
本発明に使用されるシリコーンオイル又はシリコンワ
ニス固形分は、一般に次の式で示されるものであり、 R :C1〜3のアルキル基 R′:アルキル、ハロゲン変性アルキル,フェニル,変
性フェニル等のシリコンオイル変性基 R″:C1〜3のアルキル基又はアルコキシ基 例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シ
リコンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が挙げられる。又、上記シリコーンオイ
ルは好ましくは25℃における粘度がおよそ50〜1000セン
チストークスのものが用いられる。分子量が低すぎるシ
リコーンオイルは加熱処理等により、揮発分が発生する
ことがあり、又、分子量が高すぎると粘度が高くなりす
ぎ処理操作がしにくくなる。
シリコーンオイル処理の方法は公知の技術が用いら
れ、例えば微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミ
キサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、ベー
スシリカヘシリコーンオイルを噴霧する方法によっても
良い。或は適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解或は分
散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合した後、
溶剤を除去して作成しても良い。
又、本発明に用いられる微粉体を、まずシランカップ
リング剤で処理し、しかる後にシリコーンオイル又はシ
リコーンワニスで処理することはより好ましい。
一般にシリコーンオイル処理のみでは、微粉体表面を
覆うためのシリコーンオイル量が多く、処理中に微粉体
の凝集体ができ易く、現像剤に適用した場合現像剤の流
動性が悪くなる場合も考えられ、シリコーンオイルの処
理工程を充分注意する必要がある。そこで良好な耐湿性
を保ちつつ、微粉体の凝集体を除くためには、ケイ酸微
粉体をシランカップリング剤で処理した後、シリコーン
オイルで処理する方がシリコーンオイルの処理効果を充
分発揮できるということである。
本発明に用いられるシランカップリング剤は一般式 RmSiYn R:アルコキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 n:3〜1の整数 で表わされるもので例えば代表的にはジメチルジクロル
シラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロ
ルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジ
クロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニル
トリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビニ
ルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等を挙げ
ることができる。
上記微粉体のシランカップリング剤処理は、微粉体を
撹拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカ
ップリング剤を反応させる乾式処理又は、微粉体を溶媒
中に分散させシランカップリング剤を滴下反応させる湿
式法等一般に知られた方法で処理することができる。
本発明におけるシリコーンオイル又はシリコーンワニ
スの処理量は、微粉体の比表面積に対し1〜35%、より
好ましくは2〜30%が良い。上記処理量を限定した理由
は、シリコーンオイル処理量が少なすぎると、シランカ
ップリング剤処理のみと同一の結果となり耐湿性が向上
せず高湿下では微粉体が吸湿してしまい高品位のコピー
画像が得られなくなる。又、シリコーンオイル処理量が
多すぎると、前述の微粉体の凝集体ができ易くなり、
又、はなはだしくは遊離のシリコーンオイルができてし
まうため、現像剤に適用した場合流動性を向上すること
ができない等の欠点が生じる。
本発明における微粉体の疎水化度は、以下の方法で測
定された値を用いる。もちろん、この測定法を参照しな
がら他の測定法の適用も可能である。
密栓式の200mlの分液ロートにイオン交換水100ml及び
試料0.1gを入れ、振とう機(ターブラシェーカーミキサ
ーT2C型)で90rpmの条件で10分間振とうする。振とう後
10分間静置し、無機粉末層と水層が分離した後、下層の
水層を20〜30mlを採取し、10mmセルに入れ、500nmの波
長で微粉体を入れていないブランクのイオン交換水を基
準として透過率を測定し、その透過率の値をもって無機
微粉体の疎水化度とするものである。
本発明に係る疎水性シリカ微粉体の疎水化度は、60%
以上(より好ましくは90%以上)を有する。疎水化度が
90%未満であると、高湿下での無機微粉体の水分吸着に
より高品位の画像が得られにくい。
本発明に係るトナーに用いられるポリアルキレンはゲ
ルパーミエーシュンクロマトグラフィー(GPC)のチャ
ートの分子量分布が2,000〜80,000の範囲に少なくとも
1つの主ピークを有しこの主ピークより低分子量側に少
なくとも1つの他のピークを有するものが良い。
トナー中に添加されたポリアルキレンは細かく分散し
トナーまたは現像剤と感光体表面との摩擦力をコントロ
ールし感光体表面の傷を防止する。この再感光体表面に
付着する導電性物質の除去のために適度の研磨力を有し
ていた方が良く本発明に係る現像剤においては特定の感
光体強度と特定のクリーニング部材圧接状態との組合せ
において上述のポリアルキレンは最大の効果を発揮す
る。
より詳しくはGPCチャートにおける分子量の主ピーク
が2,000〜80,000の範囲にあり少なくとも1つのピーク
が300〜2,000の範囲にあるポリアルキレンが好ましい。
又このポリアルキレンの主鎖中にプロピレン単位がある
ことがより好ましい。該ポリアルキレンはトナー中の結
着樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部好ましくは0.5〜
8重量部含有されると良い。
本発明の現像剤の窒素ガス吸着法によるBET比表面積
は1.8〜3.5m2/gである。この範囲において本発明現像剤
は立ち上りが早く、現像剤効率も良く、トナー表面の酸
基の効果が強く、感光体上への傷の防止効果も高い。
又、本発明現像剤の真比重は1.45〜1.8であり、この
範囲において本発明現像剤は、現像の際の潜像にのる量
が適量であり、潜像に対して太くなったり細くなったり
することなく忠実な高濃度の画像が得られる。真比重が
1.45以下では現像剤の飛散により装置内を汚染しやすく
またカブリの増大で感光体上の傷が生じ易くなる。
又、本発明の現像剤のゆるみ見掛密度は0.4〜0.52g/c
m3であり、真比重の大きさに比し、ゆる見掛密度が小さ
いことが特徴的である。真比重とゆるみ見掛密度から計
算される空隙率は62〜75%であることが好ましい。
空隙率(εa)は下記式で計算される。
又、固め見掛密度は0.8〜1.0の範囲が好ましくこの際
の空隙率(εp)は40〜50%が好ましい。
この範囲において本発明現像剤は、現像器内部での現
像剤づまりを生じることなく、現像部への現像剤の補給
が円滑に行なわれるため白ヌケを発生することなく、常
に安定した濃度を保つことができ、且つトナーのもれや
飛散を生じず多数回のプリントテストにおいてもトナー
が変質せずに感光体表面の傷を防止することが可能であ
る。
磁性トナー粒子のBET比表面積はQUANTACHROME社製比
表面積計オートソーブ1を使用し、BET1点法により求め
た。
本発明におけるゆるみ見掛密度は細川ミクロン(株)
製のパウダーテスター及び該パウダーテスターに付属し
ている容器を使用して該パウダーテスターの取扱い説明
書の手順に従って測定した。
本発明における真密度の測定は微粉体を測定する場
合、正確且つ簡便な方法として次の方法を採用した。
ステンレス製の内径10mm,長さ約5cmのシリンダーと、
その中に密着挿入できる外径約10mm,高さ5mmの円盤
(A)と、外径約10mm,長さ約8cmのピストン(B)を用
意する。シリンダーの底に円盤(A)を入れ、次いで測
定サンプル約1gを入れ、ピストン(B)を静かに押し込
む。これに油圧プレスによって400kg/cm2の力を加え、
5分間圧縮したものをとり出す。この圧縮サンプルの重
さを秤量(wg)しマイクロメーターで圧縮サンプルの直
径(Dcm),高さ(Lcm)を測定し、次式によって真密度
を計算する。
本発明に係る磁性トナーにおいては、体積平均粒径が
6〜8μmを有し、好ましくは5μm以下の粒径を有す
る磁性トナー粒子が17〜60個数%含有され、6.35〜10.0
8μmの粒径を有する磁性トナー粒子が5〜50個数%含
有され、12.7μm以上の粒径を有する磁性トナー粒子が
2.0体積%以下で含有され、 5μm以下の磁性トナー粒子群が下記式 [式中、Nは5μm以下の粒径を有する磁性トナー粒
子の個数%を示し、Vは5μm以下の粒径を有する磁性
トナー粒子の体積%を示し、kは4.6乃至6.7の正数を示
す。但し、Nは17乃至60の正数を示す。] を満足する粒度分布を有する。
体積平均粒径6μm未満ではグラフィック画像などの
画像面積比率の高い用途では転写紙上のトナーののり量
が少なく画像濃度が低くなり易い。これは、後に述べる
潜像におけるエッジ部に対して、内部の濃度が下がる理
由と同じ原因によると考えられる。又6μm未満では感
光体上に傷を生じ易い。
体積平均粒径8μmを越える場合では解像度が良好で
なく、又、耐久による画質の低下を生じ易い。又、5μ
m以下の粒径の磁性トナー粒子が17個数%未満である
と、高画質に有効な磁性トナー粒子が少なく、特に、プ
リントアウトを続けることによってトナーが使われるに
従い、有効な磁性トナー粒子成分が減少して、本発明で
示すところの磁性トナーの粒度分布のバランスが悪化
し、画質が次第に低下してくる。又、60個数%を越える
場合は、磁性トナー粒子の相互の凝集状態が生じ易く、
本来の粒径以上のトナー塊となるため、荒れた画質とな
り、解像性を低下させ、又は潜像のエッジ部と内部との
濃度差が大きくなり、中ぬけ気味の画像となり易く、感
光体上の傷も生じ易くなる。
又、6.35〜10.08μmの範囲の粒子が5〜50個数%以
下であることが良く、好ましくは8〜40個数%が良い。
50個数%より多いと、画質が悪化すると共に、必要以上
の現像、即ち、トナーののりすぎが起こり、細線再現性
が低下し、トナー消費量の増大を招く一方、5個数%未
満であると、高画質濃度が得られにくくなる。又、5μ
m以下の粒径の磁性トナー粒子群の個数%(N%),体
積%(V%)の間に、N/V=−0.05N+kとなる関係があ
り、4.6≦k≦6.7の範囲の正数を示す。好ましくは4.6
≦k≦6.2、更に好ましくは4.6≦k≦5.7である。先に
示したように、17≦N≦60、好ましくは25≦N≦60、更
に好ましくは30≦N≦60である。
k<4.6では、5.0μmより小さな粒径の磁性トナー粒
子数が少なく、画像濃度、解像性、鮮鋭さで劣ったもの
となる。従来、不要と考えがちであった微細な磁性トナ
ー粒子の適度な存在が、現像において、トナーの最密充
填化を果たし、粗れのない均一な画像を形成するのに貢
献する。特に細線及び画像の輪郭部を均一に埋めること
により、視覚的にも鮮鋭さをより助長するものである。
即ち、k<4.6では、この粒度分布成分の不足に起因し
て、これら特性の点で劣ったものとなる。
別の面からは、生産上も、k<4.6の条件を満足する
には分級等によって、多量の微粉をカットする必要があ
り、収率及びトナーコストの点でも不利なものとなる。
又、k>6.7では、必要以上の微粉の存在によって、繰
り返しプリントアウトを続けるうちに、画像濃度が低下
する傾向がある。この様な現象は、必要以上の荷電をも
った過剰の微粉磁性トナー粒子が現像スリーブ上に帯電
付着して、正常な磁性トナーの現像スリーブへの担持及
び荷電付与を阻害することによって発生すると考えられ
る。又k>6.7では感光体上の傷が生じ易い。
又、12,7μm以上の粒径の磁性トナー粒子が2.0体積
%以下であることが良く、更に好ましくは1.0体積%以
下であり、更に好ましくは0.5体積%以下である。2.0体
積%より多いと、細線再現における妨げになる。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
った。
即ち、測定装置としては、コールターカウンターTA-I
I型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を
出力するインタフェーイス(日科機製)及びCX−1パー
ソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は
1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調整す
る。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスル
ホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え
る。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分
間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA-II型
により、アパチャーとして100μアパチャーを用いて、
個数を基準として2〜40μの粒子の粒度分布を測定し
て、それから本発明に係るところの値を求めた。
又、本発明に係るトナーに更に添加し得る着色材料と
しては、従来公知のカーボンブラック,銅フタロシアニ
ン,鉄黒などが使用できる。
本発明に係る磁性トナーに含有される磁性微粒子とし
ては、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、
鉄,コバルト,ニッケルなどの強磁性金属の粉末,もし
くはマグネタイト,γ−Fe2O3,フェライトなどの合金
や化合物が使用できる。
これらの磁性微粒子は窒素吸着法によるBET比表面積
が好ましくは1〜20m2/g、特に2.5〜12m2/g、更にモー
ス硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。この磁性粉の含有
量はトナー重量に対して10〜70重量%が良い。
又、本発明に係るトナーは負荷電性が好ましく必要に
応じて荷電制御剤を含有しても良く、モノマーアゾ染料
の金属錯塩,サリチル酸,アルキルサリチル酸,ジアル
キルサリチル酸又はナフトエ酸の金属錯塩等の負荷電制
御剤が用いられる。更に本発明に係る磁性トナーは体積
固有抵抗が1010Ω・cm以上、特に1012Ω・cm以上である
のがトリボ電荷及び静電転写性の点で好ましい。ここで
言う体積固有抵抗は、トナーを100kg/m2の圧で成型し、
これに100V/cmの電界を印加して、印加後1分を経た後
の電流値から換算した値として定義される。
本発明の現像剤には、実質的な悪影響を与えない限り
において、更に他の内添剤例えば定着助剤(例えば低分
子量ポリエチレンなど)、或は導電性付与剤として酸化
スズの如き金属酸化物等を外添しても良い。
本発明のトナーの製造にあたっては、熱ロール,ニー
ダー,エクストルーダー等の熱混練機によって構成材料
を良く混練した後、機械的な粉砕、分級によって得る方
法、或は結着樹脂溶液中に材料を分散した後、噴霧乾燥
することにより得る方法、或は、結着樹脂を構成すべき
単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合
させてトナーを得る重合法トナー製造法等、それぞれの
方法が応用出来る。
[実施例] 以下実施例にもとづいて具体的に本発明の方法につい
て説明する。しかしながら、これによって、本発明の実
施の態様がなんら限定されるものではない。製造例及び
実施例中の部数は重量部である。
合成例1 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。これにスチレンモノマー85重量部、アクリル酸モ
ノマー15重量部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド8.
5重量部混合した。更にクメン還流下(146℃〜156℃)
で溶液重合を完了し、昇温してクメンを除去した。得ら
れたスチレン−アクリル酸共重合体30重量部を下記単量
体混合物に溶解し、混合溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1重量部を溶解した水170重量部を加え懸濁分散液とし
た。水15重量部を入れ窒素置換した反応器に上記懸濁分
散液を添加し、反応温度70〜95℃で6時間懸濁重合反応
させた。反応終了後に別し、脱水、乾燥し、共重合体
の組成物を得た。該組成物はスチレン−アクリル酸共重
合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸n−ブチル共
重合体が均一に混合していた。
又、この共重合体の酸価は22.0であった。
合成例2 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で溶液重合を完了し、
反応終了後昇温して クメンを除去した。
上記スチレン−マレイン酸nブチルハーフエステル共
重合体30部を下記単量体混合物に溶解し、混合物とし、
合成例1と同様にして スチレン−マレイン酸nブチルハーフエステル共重合体
とスチレン−アクリル酸n−ブチル−マレイン酸n−ブ
チルハーフエステル共重合体の組成物を得た。
この共重合体の酸価は20.6であった。
合成例3 反応器にクメン200重量部を入れ還流温度まで昇温し
た。これにスチレンモノマー78部、アクリル酸n−ブチ
ルモノマー15重量部、マレイン酸n−ブチルハーフエス
テル7重量部、ジビニルベンゼン0.3重量部、ジ−tert
−ブチルパーオキサイド1.0重量部の混合物をクメン還
流下で4時間かけて滴下し、更に4時間重合反応を行な
いその後、通常の減圧蒸留により溶媒を除去し共重合物
を得た。
この共重合体の酸価は19.5であった。
比較合成例1 スチレンモノマー82重量部、アクリル酸n−ブチルモ
ノマー18重量部、マレイン酸n−ブチルハーフエステル
0重量部とする以外は合成例3と同様に行なった。
この共重合体の酸価は0.4であった。
製造例1 上記混合物を、140℃に加熱された2軸エクストルー
ダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗
粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた
微粉砕粉を更に、コアンダ効果を利用した多分割分級装
置(日鉄鉱社製エルボジェット分級機)で超微粉及び粗
粉を同時に厳密に分級除去して磁性トナー(I)を得
た。
製造例2 上記混合物を製造例1と同様にして磁性トナー(II)
を得た。
製造例3 上記混合物を製造例1と同様にして磁性トナー(II
I)を得た。
製造例4 製造例1の磁性体量を60部とした以外は製造例1と同
様にして体積平均粒径12μmの磁性トナー(IV)を得
た。
製造例5 上記成分を製造例1と同様にして磁性トナー(V)を
得た。
以上製造例1〜5で得た磁性トナー(IV)〜(V)の
粒度データを第1表に示す。
又使用したエチレン−プロピレン共重合体のGPCチャ
ートにおけるピーク位置の分子量を表2に示す。
実施例及び比較例 上記磁性トナーに疎水性シリカ微粉末を加えて、ヘキ
シェルミキサーで混合し疎水性シリカ微粉末が外添され
ている磁性トナーを有する現像剤を得た。
次に、これらの調製された個々の磁性現像剤を市販の
レーザビームプリンター(LBP-8IIキャノン製)をプリ
ント速度16枚(A4)/分機に改造し、OPCドラムを用
い、又、クリーニング部材として硬度65°のウレタン製
ゴムブレードを使用し、現像バイアス1500Vpp1、周波数
1800Hzとし、反転現像方式で約1万枚の画出し試験を、
低温低湿(15℃,10%RH)環境下で行なった。又、同時
に感光ドラム表面の様子を観察した。
第3表に疎水性シリカ微粉末の物性を、第4表に現像
剤の物性値及び現像剤の組成及び評価結果を示す。
第4表中のDmaxは一辺5mmのベタ黒正方形の画像の濃
度を5点測定し平均したものであり、微小ドット再現性
は第4図に示すような正方形の一辺が80μm及び50μm
のチェッカー模様の画像の再現性を顕微鏡により画像の
鮮鋭さ、非画像部へのとびちりに着目して観察して評価
したものである。
以下に評価基準を示す。
カブリ ○…ほとんどない △…カブっているが実用可 ×…実用不可 感光体傷 ○ …感光体上に全く傷が発生しない ○△…感光体上に傷の発生がみられるが画像上問題な し。
△ …感光体上に傷が発生し、画像上に1〜3本の白ス ジが発生。
× …感光体上に傷が発生し、画像上に3〜数本の白ス ジが発生。
ドット再現性 ○ …欠損2個以下 ○△…欠損3〜5個 △ …欠損6〜10個 × …欠損11個以上 [発明の効果] 以上のように本発明によると、クリーニング工程によ
る感光体の汚染がないため、画像欠損がなく、微小部分
の再現性にも優れ、高品質な画像を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のクリーニング装置の一例を示し、第2
図はクリーニング部における侵入量α及び当接角θの説
明図を示し、第3図はシリカ帯電量測定装置の概略図を
示し、第4図は実施例及び比較例のドット再現性試験に
用いた画像パターンの部分図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 遊佐 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テーバー摩耗試験機による削れ量が4.0×1
    0-2cm3以下の感光体にゴムブレードを侵入量0.2〜2.0m
    m、当接圧Pが20<P≦50g/mで圧接する、現像剤のクリ
    ーニング工程を有する画像形成装置に於ける画像形成方
    法であって、該現像剤が、少なくとも結着樹脂、磁性体
    及びポリアルキレンを含有する磁性トナーを有し、磁性
    トナーの体積平均粒径が6〜8μmであり、現像剤がBE
    T比表面積が1.8〜3.5m2/g、ゆるみ見掛密度が0.4〜0.52
    g/cm3、真密度が1.45〜1.8g/cm3である磁性現像剤であ
    り、該現像剤中、磁性トナー100重量部当り、シリコー
    ンオイル又はワニス処理した疎水性無機微粉体0.6〜1.6
    重量部を含有し、更に結着樹脂100重量部中にカルボキ
    シル基或はその酸無水物からなる酸基を含む重合性モノ
    マー単位を1〜30重量部含有し、且つ酸価が1〜70であ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】ポリアルキレンのゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィーのクロマトグラムに於ける分子量分布
    が分子量2,000〜80,000の範囲に主たるピークをもち分
    子量300〜2,000の範囲に従たるピークを少なくとも1つ
    有することを特徴とする請求項(1)記載の画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】ゴムブレードの硬度が60〜80°であり、感
    光体への当接角θが鋭角であることを特徴とする請求項
    (1)及び(2)記載の画像形成方法。
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