JP2767192B2 - 法面用密着部材及びこれを用いた法面密着施工方法 - Google Patents

法面用密着部材及びこれを用いた法面密着施工方法

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JP2767192B2
JP2767192B2 JP5316741A JP31674193A JP2767192B2 JP 2767192 B2 JP2767192 B2 JP 2767192B2 JP 5316741 A JP5316741 A JP 5316741A JP 31674193 A JP31674193 A JP 31674193A JP 2767192 B2 JP2767192 B2 JP 2767192B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、施工密着性に優れた法
面用密着部材及びこれを用いたアンカー工法等の法面密
着施工方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来アンカー工法は、図7、図8に示す如
く、受圧板4としてのコンクリート製フレームを用いた
アンカー工法(図7参照)、受圧板4と支圧板5の併用
アンカー工法(図8参照)などの各種の方法により行わ
れている。
【0003】前記コンクリート製フレームを用いたアン
カー工法は、図7に示す如く、例えば地山3にアンカー
孔30を削孔した後、グラウンドアンカー(PC鋼材)
7をアンカー孔30内に挿入し、グラウティングした
後、緊張させた鉄筋入りプレストレスコンクリート板か
らなる受圧板4を据付けてグラウンドアンカー7を更に
緊張させる。その後、該グラウンドアンカー7のアンカ
ーヘッド部71にキャップ72等を配設する工法であ
る。
【0004】前記受圧板4と支圧板5の併用アンカー工
法は、図8に示す如く、例えばアーチ型のコンクリート
二次製品である支圧板5を兼ね備えた受圧板4を併用
し、該受圧板4によりグラウンドアンカー7を一次緊
張、二次緊張させることにより、軟弱地盤300等の法
面2、地山3を安定化させる工法である。なお、図中符
号43はアンカー挿入部、44は内部壁、85はモルタ
ル吹付部材を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次の問題がある。前記コンクリート製フレ
ームを用いたアンカー工法、又は受圧板4と支圧板5の
併用アンカー工法のいずれかにおいては、凹凸法面20
上において、前記受圧板4、支圧板5、法枠部材6を取
付け施工するに当り、これらの法面対向側41、51と
凹凸法面20との間に、図9に、示す如く、一定の隙間
9(不陸)を生じる場合がある。これらのうち、特に
受圧板4は、法面2と当接する面積が大きいため、顕著
に隙間49を生じ易い。
【0006】上記隙間49等が存在すると、図10に示
す如く、上記アンカー工法においては、前記受圧板4、
支圧板5は剛性を有するため、法面2との施工密着性が
優れず、隙間49を原因として緊張時に部分的に応力が
集中し、受圧板4等に亀裂48が生じる場合がある。そ
のため、上記隙間49等に、例えば発泡スチロール成形
体又は下地モルタル吹付材を介在させて、この隙間49
を出来る限り少なくしようとする試みがなされている。
しかしながら、発泡スチロール成形体を凹凸法面20の
各種形状に相応させることが煩雑であり、下地モルタル
吹付材では充分に隙間49等を塞ぐことができない場合
がある。
【0007】また、上記受圧板4と支圧板5の併用アン
カー工法においては、受圧板4の空隙部の中にコンクリ
ート、モルタル85を吹付けるに当り、図9に示す如
く、隙間49等よりコンクリート、モルタル85が流出
損失したり、緊張力に不均衡を生じる場合がある。ま
た、表面仕上げを平坦にするため、多大な労力を必要と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明の採った手段は、請求項におい
て使用する符号を用いて説明すると、「受圧板4、支圧
板5、これらに類する成形体、法枠部材6等の法面用鋼
性部材1を凹凸法面20と密着した状態で取付け施工す
るための法面用密着部材1であって、該法面用密着部材
1は法面対向側10において流体注入物12を充填硬化
させるための弾性袋体11を有するものであり、 上記弾
性袋体11は、弾性に優れたポリプロピレン樹脂、アク
リル樹脂等の合成樹脂成形体、ゴム弾性体等の弾性成形
体からなり、流体注入物12を注入するに当り、注入圧
力によって注入直後に破損しない程度の耐久性を有し、
流体注入物12としてウレタン樹脂発泡体製造用の溶液
である場合にも洩れ出ないようにし得る液密的かつ気密
的なものであり、 かつ、上記弾性袋体11は、凹凸法面
20が存在しない場合においても法面用密着部材1と法
面2との間に介在してシール材及びクッション材として
の役割を果たす程度の厚さを有するものであることを
徴とする法面用密着部材1」である。
【0009】請求項2に係る発明の採った手段は、「上
記弾性袋体11は、少なくとも1カ所において流体注入
物12を注入するための接続具112が付けられた注入
口111を有することを特徴とする請求項1に記載され
た法面用密着部材1」である。
【0010】請求項3に係る発明の採った手段は、「上
記弾性袋体11は、法面用密着部材1の法面対向側2に
クリップ、接着剤等の接合手段により接合された状態
で、予め装着され又は着脱可能な状態で取付けられてい
ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の法面
用密着部材1」である。
【0011】請求項4に係る発明の採った手段は、「受
圧板4、支圧板5、これらに類する成形体、法枠部材6
等の法面密着部材1を用いて法面2を安定化させるため
の法面密着施工方法であって、前記法面用密着部材1を
法面2上に取付け施工するための弾性袋体11を装着し
た状態又は着脱可能な状態で取付施工し、その後該法面
用密着部材1の注入口111よりセメントミルク、モル
タル等の流体注入物12を注入し、該流体注入物硬化さ
せて前記法面用密着部材1の法面対向側10と凹凸法面
20とを硬化した流体注入物を介在して密着した状態で
取付け施工することを特徴とする法面密着施工方法」で
ある。
【0012】請求項5に係る発明の採った手段は、「上
記受圧板4は、支圧板5の機能を兼ね備えた支圧板兼用
の構造物45であって、コンクリート、モルタル又は鋼
板製の鋼性材料等からなる前記構造物45を用いたアン
カー工法であることを特徴とする請求項4に記載された
法面密着施工方法」である。
【0013】法面用密着部材1としては、例えばコンク
リート、モルタル製又は鋼材等からなる法面用の剛性部
材よりなり、使用目的に応じて各種の形状や大きさを有
するものがある。
【0014】弾性袋体11としては、例えば合成樹脂成
形体、ゴム弾性体等の弾性成形体からなり、セメントミ
ルク、モルタル85等の流体注入物12を注入するに当
り、注入圧力によっては、注入直後に破損しない程度の
耐久性を有することが必要である。これにより、流体注
入物12が固化するまでは、少なくとも凹凸法面20の
形状に応じて自由に変形して法面用密着部材1における
法面対向側11と凹凸法面20との隙間49、59をな
くすことにより、法面用密着部材1を法面2に密着した
状態で取付け施工することができる。従って、法面用密
着部材1は、法面2上において、流体注入物12が固化
した状態の弾性袋体11を介在して上記隙間49、59
をなくした状態で取付け施工できる。
【0015】流体注入物12としては、例えばセメント
ミルク、モルタル又は常温硬化型の各種合成樹脂溶液状
物、例えばウレタン樹脂発泡体製造用の溶液であること
が好ましい。これにより、流体注入物12は弾性袋体1
1への注入時においては、すくなくとも圧送ポンプ等に
より流体物として注入することができ、硬化後において
は仮に弾性袋体11が破損しても法面対向側10と凹凸
法面20との隙間4959を塞ぐことができる。
【0016】弾性袋体11の注入口111は、流体注入
物12を弾性袋体11内に注入充填するために少なくと
も1カ所、必要に応じては数カ所において法面用密着部
材1の外面より突出した状態であることが好ましい。こ
れにより、弾性袋体11内に流体注入物12を注入充填
し易くなる。また、注入口111は、圧送ポンプ等に接
続された圧送用ホース86の先端部に、着脱可能なジョ
イント具(接続具)112を有することが好ましい。こ
れにより、注入口111と圧送用ホースとの接続が容易
になり、施工性が向上する。
【0017】弾性袋体11は、予め法面用密着部材1の
法面対向側10において、クリップや接着剤42等の接
合手段により、予め接合された状態で装着され、又は着
脱可能な状態で取付けられているものであることが好ま
しい。これにより、法面用密着部材1のプレハブ化度が
向上し、法面2へ法面用密着部材1を取付け施工するに
当り、作業性等取付け施工性が向上する。また、弾性袋
体11が不要な場合又は不要な部分については、その使
用直前に取り外すことができる。
【0018】法面用密着部材1としては、例えば受圧板
4、支圧板5、これらに類する成形体、法枠部材6及び
これらの組み合わせた複合体又はこれらに使用する補助
的な部品であって、少なくとも法面用密着部材1におい
て法面対向側10に一定の大きさの面積の平坦部を有す
るものであることが好ましい。これにより、法面用密着
部材1と法面2との間に隙間が存在しない、施工密着性
に優れた法面施工用部材及びこれを用いた法面補強用施
工法を提供することができる。
【0019】
【発明の作用】以上のようにして構成した本発明の法面
用密着部材及びこれを用いた法面密着施工方法の作用に
つき、実施例の図面符号を用いて具体的に説明する。本
発明の法面用密着部材1は、法面対向側10において、
弾性袋体11を有している。そのため、弾性袋体11内
に流体注入物12を注入し、その後流体注入物12が固
化することにより、法面用密着部材1の法面対向側10
と凹凸法面20との間に存在していた隙間49、59、
69がなくなり、法面用密着部材1と法面2とが密着し
た状態になる。
【0020】これは、弾性袋体11が合成樹脂成形体、
ゴム弾性体等の弾性成形体よりなるため、該弾性袋体1
1内に流体注入物12が注入されることにより、流体注
入物12の注入量に応じて凹凸法面20との形状により
形成される不陸部分としての隙間49、59の各種形状
に相応した形状に自由変形することができるからであ
る。
【0021】また、本発明の法面用密着部材1は、その
弾性袋体11を、弾性に優れたポリプロピレン樹脂、ア
クリル樹脂等の合成樹脂成形体、ゴム弾性体等の弾性成
形体によって構成したから、この弾性袋体11内にモル
タル等の流体注入物12を注入するに当り、注入圧力に
よって注入直後に破損しないものとなっており、十分な
耐久性を有したものとなっているのである。特に、流体
注入物12としてウレタン樹脂発泡体製造用の溶液であ
る場合には、弾性袋体11を、弾性に優れたポリプロピ
レン樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂成形体、ゴム弾性
体等の弾性成形体によって液密的かつ気密的に構成した
から、この弾性袋体11内からウレタン樹脂や、発泡気
体が洩れ出ないようにし得るのである。
【0022】さらに、上記弾性袋体11は、十分な厚さ
を有するものであるから、法面2に凹凸法面20が存在
しない場合においても、法面用密着部材1と法面2との
間に介在してシール材及びクッション材としての役割を
果たすことができるものである。
【0023】法面用密着部材1の注入口111は、少な
くとも1カ所存在しているため、流体注入物12を法面
用密着部材1内に容易に注入することができる。また、
注入口111が法面用密着部材1の外部に突出した状態
である場合には、流体注入物12を法面用密着部材1内
に更に容易に注入することができる。また、注入口11
1が着脱可能な圧送用ホースの先端部との接続具112
を有している場合は、流体注入物12の注入作業性が向
上する。
【0024】また、法面用密着部材1は、受圧板4、支
圧板5、これらに類する成形体、法枠部材6等の各種鋼
性部材であって、少なくとも法面対向側10において一
定の面積の平坦面を有しているため、該法面対向側10
と凹凸法面20との間に存在する隙間49、59を塞ぐ
ことにより、法面用密着部材1と法面2との施工密着性
が向上する。
【0025】従って、本発明によれば、法面用密着部材
と法面との施工密着性が優れた法面補強を主目的とした
各種アンカー工法等及びこれに類する工法を提供するこ
とができる。
【0026】
【実施例】(実施例1) 本発明の実施例である法面用密着部材1及びこれを用い
た法面密着施工方法につき、図1、図2を用いて説明す
る。本例においては、図1に示す如く、受圧板4として
のコンクリート製パネルである法面用密着部材1及びこ
れを用いた法面密着施工方法を提供するものである。
【0027】受圧板4は、鉄筋45により補強緊張した
高品質のプレストレスコンクリートからなる蓋状成形体
40(以下コンクリート製パネルとも呼ぶ)よりなる。
そして、この受圧板4は、略中央部において、グラウン
ドアンカー7の頭部71が突出した状態で装着されるア
ンカー挿入部43を有する。このアンカー挿入部43の
周囲は略円筒状内部壁44が形成してある。そして、該
略円筒状の内部壁44及びコンクリート製パネルの下方
においては、モルタル等の流体注入物12を注入するた
めの注入用空隙部46が形成されている。
【0028】ここで注目すべきことは、受圧板4の下方
底面部である法面対向側41において、接着剤42又は
クリップ等の接合手段により予め接合された合成樹脂成
形体等よりなる弾性袋体11が装着され、又は着脱可能
に取付けられていることである。
【0029】弾性袋体11は、弾性に優れたポリプロピ
レン樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂素材よりなり、法
面対向側41の平面形状と略同一形状を有する袋状合成
樹脂成形体である。そして、弾性袋体11は予めコンク
リート製パネル製造後において、例えば工場等で接着剤
42又はクリップ(図示略)により接合されており、法
面2上に法面用密着部材1を取付け施工するに当り、法
面2に凹凸法面20が存在する場合は勿論のこと、凹凸
法面20が存在しない場合においても法面用密着部材1
と法面2との間に介在してシール材及びクッション材と
しての役割を果たすものである。
【0030】そのため、弾性袋体11は凹凸法面20が
存在する場合においては、法面用密着部材1と法面2と
の隙間49を塞ぐための流体注入物12を注入充填する
役割を有すると共に、凹凸法面20が存在しない場合に
おいては、部分的に弾性袋体11を取り外すかそのまま
装着した状態で使用し、法面用密着部材1と法面2とが
密着するためのクッション材及びシール材としての役割
を果たす。
【0031】これにより、法面2上において法面用密着
部材1を取付け施工するに当り、法面用密着部材1に生
じる衝撃や振動を減少することができると共に、法面用
密着部材1の取付け施工後において、法面用密着部材1
と法面2との間に隙間49が存在する場合には、法面用
密着部材1の弾性袋体11内にセメントミルク等の流体
注入物12を接続具付の注入口111を通じて注入す
る。
【0032】流体注入物12は、所定の流動性と粘性と
を有する液状物である。そして、この流体注入物12
は、圧送ポンプ等により弾性袋体11内に注入充填され
る。この時、流体注入物12はパスカルの原理より、均
一な内圧でもって隙間49が存在する各所の弾性袋体1
1内に、万遍に注入充填される。
【0033】注入口111は、法面2に平坦な部分が比
較的多い場合には、多数のカ所でしかも複数方向に散在
した状態で配置されている。一方、法面2に平坦な部分
が比較的少ない場合には、少数カ所に配置されている。
【0034】ここで、上記法面用密着部材1を法面2上
に取付け施工する方法について、具体的に説明する。ま
ず、図1、図2に示す如く、上記としての受圧板4を法
面2上に、クレーン等を用いて載置する。この時、法面
2上に凹凸法面20が多数存在している場合には、図1
に示す如く、受圧板4の法面用密着部材1と凹凸法面2
0との間に多くの隙間49が生じる。一方、法面2上に
凹凸法面20が少ない場合、特に法面2上に平坦部分が
多い場合には、法面用密着部材1と凹凸法面20との密
着した状態が多くなる。
【0035】次に、凹凸法面が多数存在し隙間49が生
じている場合には、セメントミルク等の流体注入物12
を注入口111を通じて、弾性袋体11内に圧送する。
そして、弾性袋体11内に流体注入物12が注入し終わ
ると、注入口111をクリップ等を用いて塞ぐ。これに
より、図2に示す如く、弾性袋体11内に流体注入物1
2が注入されると、法面用密着部材1が法面2上におい
て、隙間49が塞がれたように密着した状態で取付けら
れる。一方、法面2が平坦な部分においては、弾性袋体
11がクッション材及びシール材として働き、法面対向
側10が密着した状態で取付け施工される。
【0036】従って、本例によれば、コンクリート製パ
ネルを用いたアンカー工法等における高品質のコンクリ
ート製パネルを用いた法面補強施工において、法面用密
着部材1の取付け時における施工密着性に優れた法面用
密着部材1及びこれを用いた法面密着施工方法を提供す
ることができる。
【0037】(実施例2) 本例は、図3に示す如く、実施例1に係る受圧板4に代
えて、法枠部材6と一体的に連結された支圧板5として
の法面用密着部材1及びこれを用いた法面密着施工方法
を提供するものである。
【0038】法面用密着部材1は、図3に示す如く、支
圧板5を用いるロックボルト工法において、該ロックボ
ルト51の頭部近傍に使用する略正方形状の金属製プレ
ートよりなる。上記法面用密着部材1をなす支圧板5
は、図3に示す如く、法枠部材6と一体的に取付けられ
ており、その略中央部において、ロックボルト7を挿入
するためのアンカー穴50を有する。そして、アンカー
穴52の穴あき部分を除く凹凸法面20(図1参照)と
当接する支圧板5の裏面側53には、予めその形状に相
応した弾性袋体11が各種の接合手段により接合されて
いる。
【0039】そのため、ロックボルト工法において、ロ
ックボルト7を取付け施工するに当り、凹凸法面20と
支圧板5との間に生じた隙間59(図1参照)を弾性袋
体11によりなくし、支圧板5と法面2とが密着した状
態でロックボルト7及び法枠部材6を同時に取付け施工
することができる。
【0040】(実施例3) 本例は、図4に示す如く、受圧板4と支圧板5との両機
能を有する支圧板兼用の構造物45としての法面用密着
部材1及びこれを用いた法面密着施工方法を提供するも
のである。上記構造物45は、アーチ状蓋体451と、
その略中央部に形成されたアンカー挿入孔453と、そ
の下方底面部において、略平板状の支圧板452を有す
る。
【0041】上記支圧板452及びアーチ状蓋体451
の法面対向側450には、その形状に相応した弾性袋体
11が予め接着剤13を介して接合されている。そのた
め、構造物45を法面2上に取付け施工するに当って
は、弾性袋体11は実施例1及び実施例2における法面
用密着部材1の両機能を発揮することができる。
【0042】従って、本例によれば、実施例1及び実施
例2に比して、受圧板4及び支圧板5を同時に取付け施
工できる法面密着施工方法を提供することができる。
【0043】(実施例4) 本例は、図5及び図6に示す如く、平面形状が略十字状
の支圧板5及び法枠部材6の両機能を有する特殊形状ブ
ロック56からなる成形体を提供するものである。特殊
形状ブロック56は、図5に示す如く、略十字形状の法
枠部材6と、これらの交点である略中央部において、ア
ンカー挿入孔560及び支圧板561を有する。
【0044】そして、特殊形状ブロック56は、法面対
向側において弾性袋体(図面略)を有し、予め鉄筋8を
用いて緊張状態に成形されていないコンクリート製の成
形体である。そして、法枠部材6間には、略三角形状の
リブ562をそれぞれの4カ所に有する。
【0045】特殊形状ブロック56は、図6に示す如
く、法面2上において取付け施工することにより法面枠
563を多数形成することができる。そのため、特殊形
状ブロック56を用いて、アンカー工法の一種により法
面2を形成できる、施工密着性に優れた法面用密着部材
1及びこれを用いた法面密着施工方法を提供することが
できる。
【0046】従って、本例によれば、特殊形状ブロック
56と法面2とが密着した状態にある、法面用密着部材
1及び法面密着施工方法を提供することができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項に係る発明に
おいては、請求項1においても例示した如く、「受圧板
4、支圧板5、これらに類する成形体, 法枠部材6等の
法面用密着部材1を凹凸法面20と密着した状態で取付
け施工するための法面用密着部材1であって、該法面用
密着部材1の法面対向側10において流体注入物12を
充填硬化させるための弾性袋体11を有するものであ
り、 上記弾性袋体11は、弾性に優れたポリプロピレン
樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂成形体、ゴム弾性体等
の弾性成形体からなり、流体注入物12を注入するに当
り、注入圧力によって注入直後に破損しない程度の耐久
性を有し、流体注入物12としてウレタン樹脂発泡体製
造用の溶液である場合にも洩れ出ないようにし得る液密
的かつ気密的なものであり、 かつ、上記弾性袋体11
は、凹凸法面20が存在しない場合においても法面用密
着部材1と法面2との間に介在してシール材及びクッシ
ョン材としての役割を果たす程度の厚さを有するもので
あること」にその特徴が有り、これにより法面用密着部
材1の法面対向側10と法面2とを密着した状態で取付
け施工できる、施工密着性に優れた法面用密着部材1を
提供することができる。
【0048】また、本発明の法面用密着部材1は、その
弾性袋体11を、弾性に優れたポリプロピレン樹脂、ア
クリル樹脂等の合成樹脂成形体、ゴム弾性体等の弾性成
形体によって構成したから、この弾性袋体11内にモル
タル等の流体注入物12を注入したとき、注入圧力によ
って注入直後に破損せず、十分な耐久性を有したものと
なっているのである。特に、流体注入物12としてウレ
タン樹脂発泡体製造用の溶液である場合にも、弾性袋体
11を、弾性に優れたポリプロピレン樹脂、アクリル樹
脂等の合成樹脂成形体、ゴム弾性体等の弾性成形体によ
って液密的かつ気密的に構成したから、この弾性袋体1
1内からウレタン樹脂や、発泡気体が洩れ出るようなこ
とはないのである。
【0049】さらに、上記弾性袋体11は、十分な厚さ
を有するものであるから、法面2に凹凸法面20が存在
しない場合においても、法面用密着部材1と法面2との
間に介在してシール材及びクッション材としての役割を
果たすことができる。
【0050】請求項2に係る発明によれば、少なくとも
1カ所に流体注入物12を注入するための接続具112
が付けられた注入口111を有するため、流体注入物1
2を弾性袋体11内に注入するに当り、圧送用ホース等
と弾性袋体11との接続が迅速容易になる。
【0051】請求項3に係る発明によれば、弾性袋体1
1は、法面用密着部材1の法面対向側20において接合
された状態で予めクリップ、接着剤42等の接合手段に
より装着され、又は着脱可能な状態で取付けられている
ため、法面用密着部材1の取付け施工が簡単になる。
【0052】請求項4に係る発明によれば、受圧板4、
支圧板5等の各種の法面用鋼性部材からなる法面用密着
部材1を用いて硬化した流体注入物を介在して施工密着
性に優れたアンカー工法等の法面密着施工方法を提供す
ることができる。
【0053】請求項5に係る発明によれば、受圧板4と
支圧板5の両機能を兼ね備えた支圧板兼用の構造物45
を用いるため、法面2上に受圧板4と支圧板5とを同時
に取付け施工し、地山3を補強安定できる、アンカー工
法等及びこれに類する工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係る法面用密着部材の断面図であ
る。
【図2】 実施例1に係る法面密着施工方法の効果を示
す断面図である。
【図3】 実施例2に係る法面用密着部材の斜視図であ
る。
【図4】 実施例3に係る法面用密着部材の断面図であ
る。
【図5】 実施例4に係る法面用密着部材の平面図であ
る。
【図6】 実施例4に係る法面用密着部材を用いて形成
した法面枠の部分平面図である。
【図7】 PCフレームを用いたアンカー工法を説明す
る断面図である。
【図8】 受圧板と支圧板の併用アンカー工法を説明す
る断面図である。
【図9】 従来のアンカー工法の問題点を説明する断面
図である。
【図10】 従来のアンカー工法施工後の問題点を説明
する断面図である。
【符号の説明】
1 法面用密着部材 10 法面対向側 11 弾性袋体 111 注入口 12 流体注入物 13 アンカー挿入孔 2 法面 20 凹凸法面 3 地山 4 受圧板 5 支圧板 45 受圧板兼支圧板の構造物 6 法枠部材 65 特殊形状ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−158826(JP,A) 実開 昭64−10547(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 17/20 103 E02D 17/20 106 E02D 5/80

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受圧板、支圧板、これらに類する成形
    体、法枠部材等の法面用鋼性部材を凹凸法面と密着した
    状態で取付け施工するための法面用密着部材であって、
    該法面用密着部材は法面対向側において流体注入物を充
    填硬化させるための弾性袋体を有するものであり、 上記弾性袋体は、弾性に優れたポリプロピレン樹脂、ア
    クリル樹脂等の合成樹脂成形体、ゴム弾性体等の弾性成
    形体からなり、流体注入物を注入するに当り、注入圧力
    によって注入直後に破損しない程度の耐久性を有し、流
    体注入物としてウレタン樹脂発泡体製造用の溶液である
    場合にも洩れ出ないようにし得る液密的かつ気密的なも
    のであり、 かつ、上記弾性袋体は、凹凸法面が存在しない場合にお
    いても法面用密着部材と法面との間に介在してシール材
    及びクッション材としての役割を果たす程度の厚さを有
    するものであることを 特徴とする法面用密着部材。
  2. 【請求項2】 上記弾性袋体は、少なくとも1カ所にお
    いて流体注入物を注入するための接続具付の注入口を有
    することを特徴とする請求項1に記載された法面用密着
    部材。
  3. 【請求項3】 上記弾性袋体は、法面用密着部材の法面
    対向側においてクリップ、接着剤等の接合手段により接
    合された状態で、予め装着され又は着脱可能な状態で取
    付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の法面用密着部材。
  4. 【請求項4】 受圧板、支圧板、これらに類する成形
    体、法枠部材等の法面用鋼性部材を用いて法面を安定化
    させるための法面密着施工方法であって、前記法面用鋼
    性部材を法面上に取付け施工するに当り、該法面用鋼性
    部材を法面対向側に流体注入物を充填固化させるための
    弾性袋体を予め装着した状態又は着脱可能な状態で取付
    け施工し、その後該法面用鋼性部材の注入口よりセメン
    トミルク、モルタル等の流体注入物を注入し、該流体注
    入物を硬化させて、前記法面用密着部材の法面対向側と
    凹凸法面とを硬化した流体注入物を介在して密着した状
    態で取付け施工することを特徴とする法面密着施工方
    法。
  5. 【請求項5】 上記受圧板は、支圧板の機能を兼ね備え
    た支圧板兼用の構造物であって、コンクリート又は鋼板
    製の鋼性材料からなる前記構造物を用いたアンカー工法
    であることを特徴とする請求項4に記載された法面密着
    施工方法。
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