JP4116951B2 - まくら木及びまくら木固定構造 - Google Patents

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JP4116951B2 JP2003286935A JP2003286935A JP4116951B2 JP 4116951 B2 JP4116951 B2 JP 4116951B2 JP 2003286935 A JP2003286935 A JP 2003286935A JP 2003286935 A JP2003286935 A JP 2003286935A JP 4116951 B2 JP4116951 B2 JP 4116951B2
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Description

本発明はまくら木及びまくら木固定構造に関し、さらに詳細には、交換等の際の現場施
工性がよいまくら木及びまくら木固定構造に関する。本発明のまくら木及びまくら木固定
構造は、特に橋まくら木に好適である。
橋梁に使用される橋まくら木においては、橋げたの高さが場所によってそれぞれ異なる
ために、固定の際にはまくら木ごとに個別に高さ調整を行う必要がある。個々の橋まくら
木の高さ調整を行うための代表的手段は、スペーサとしてのパッキンを介在させて高さ調
整をすることである。具体的には、まず個々のまくら木において必要とされるパッキンの
高さを以下のようにして求める。即ち、レールレベルと橋桁レベルを測定し、この差し引
きした値よりレール高さとタイプレート厚さを引いた値がまくら木高さである。このまく
ら木高さからまくら木本体厚さを引いた残りがパッキン厚さとなる。そして、工場で各々
の厚さのパッキンを作製し、当該パッキンを現場に持ち込んで施工する。また、別の方法
としては、まくら木本体にパッキン材を貼り付け、上記の方法で算出したパッキン厚さと
なるようNCマシーンで切削加工して仕上げる方法があり、個々のまくら木に番号を付し
て区別する。
一方、パッキンによらずにまくら木の高さを調整する手段としては、特許文献1に記載
されているような可変パッド(含浸パッドともいう)を介在させる方法がある。特許文献
1に記載されている方法は、可変パッドとしてゴム等で製された注入袋(袋体)にポリウ
レタン樹脂等の2液常温硬化型樹脂組成物を封入したものを使用するものである。即ち、
まずレールを持ち上げてレールの高さ調整を行った後に、空の注入袋をまくら木と橋桁の
間に挿入する。次に、注入袋の封入口から2液常温硬化型樹脂組成物を封入して注入袋を
膨張させ、まくら木と橋桁の表面に隙間なく密着させる。そして、この状態で樹脂を硬化
させてそのままスペーサとして使用する。この方法は、パッキンを使用する方法のように
調整に必要な高さをあらかじめ実測する必要がなく、現場で全ての作業を済ませることが
できる。
特開平10−306401号公報
しかし、特許文献1に記載されている方法においては、注入袋がまくら木とは独立した
単品の部材であり、まくら木とは別に調達しなければならない。また、まくら木の横ずれ
防止のためにはまくら木と注入袋の接触面において相当の摩擦力等が必要であるが、その
ための方策についての言及はない。さらに、注入袋に樹脂を封入して膨張させてまくら木
と橋桁の表面に隙間なく密着させるためには、注入袋は縦方向に効率よく膨張させる必要
があり、周方向への膨張は極力抑えられるべきであるが、そのための対策についての言及
もない。したがって、現場施工性がさらによく、且つまくら木の固定性能がさらに優れた
可変パッドを介したまくら木固定構造が求められている。
本発明の目的は、現場施工性がさらによく、且つまくら木の固定性能がさらに優れた袋
体を介したまくら木固定構造を提供することである。
本発明に係るまくら木においては、まくら木本体と変形可能な袋体を有し、まくら木本体の下面側に前記袋体が設けられている
本発明のまくら木は、まくら木本体と変形可能な袋体を有する。そして、袋体はまくら
木本体の下面側に設けられている。かかる構成によれば、まくら木を構造物に固定する際
にまくら木を設置すると同時に袋体がまくら木の下面側に配され、直ちに袋体への樹脂の
封入等の次作業を開始することができ、作業効率がよい。ここで袋体とは、内部に空間を
有する袋状の部材であり、その外面には内部に通じる開口を有するものである。袋体の材
質としては変形可能な柔軟性をもつものであれば何でもよく、例えばゴム製のものが使用
可能である。また袋体はゴムのような不透過性のものの他、繊維のような透過性の材質で
もよい。袋体の形状はまくら木本体の下面側と構造物が交差する部分全体を覆う形状が好
ましく、通常は長方形である。また袋体の厚さは必ずしも均一でなくてもよく、例えばま
くら木に接する上面をより薄く形成してもよい。一方、まくら木本体は、木まくら木、合
成まくら木、PC(プレストレスト・コンクリート) まくら木のいずれでもよい。
本発明に係るまくら木においては、まくら木本体の袋体との接触部には凹凸が設けられている
本発明のまくら木においては、まくら木本体に凹凸が設けられており、その凹凸が設け
られている部分は袋体との接触部である。かかる構成によれば、変形可能な袋体がまくら
木本体の凹凸に沿って隙間なく密着することによりアンカー効果が生じ、まくら木の横ず
れ防止に好適である。ここで、まくら木本体に設けられる凹凸は、凹部、凸部、あるいは
これらの組み合わせからなる。凹凸の形状については特に制限はなく、例えば半球状、角
柱状、錐体状等の凹凸を採用することができる。また凹凸の数についても特に制限はなく
、1個又は2個以上の凹凸が採用可能である。
本発明に係るまくら木においては、前記袋体がまくら木本体に対して接着されている。
本発明においては、袋体がまくら木本体に対して接着されているので、まくら木本体と
構造物の間に袋体は容易に配置され、作業効率がよい。なお、袋体の接着箇所については
接触部の全面でもよいし、一部でもよい。
本発明に係るまくら木においては、前記袋体がまくら木本体に対して締結要素で取り付けられている。
本発明においては、袋体がまくら木本体に対して締結要素で取り付けられているので、
まくら木に対しての固定が確実である。したがって、袋体の配置が容易であり作業効率が
よい。締結要素としては、ボルト、釘、鋲などが使用可能である。
本発明に係るまくら木においては、前記袋体がゴムで製されている。
本発明においては、袋体がゴムで製されているので変形が容易であり、まくら木本体の
接触面の形状に沿って隙間なく密着することができる。
本発明に係るまくら木においては、樹脂が充填された袋体を介して構造物に固定される対し固定されるまくら木において、前記袋体が接する袋体接触部を有し、当該袋体接触部には凹凸が設けられている。
本発明においては、袋体に樹脂が充填されている。そして、樹脂が充填された袋体とま
くら木が接触しており、且つまくら木の接触部に凹凸が設けられている。かかる構成によ
れば、樹脂が充填された袋体がまくら木の凹凸に接触しているのでずれが生じにくく、ま
くら木はより安定に固定される。本発明に使用される袋体は、まくら木本体に直接設けて
もよく、まくら木とは独立の単品であってもよい。本発明に使用される樹脂としては、例
えば2液常温硬化型樹脂を用いることができ、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メチル
メタクリレート系樹脂、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
本発明に係るまくら木固定構造においては、構造物に対してまくら木を固定するまくら木固定構造において、まくら木と構造物との間に袋体が介在され、まくら木の前記袋体との接触面には凹凸が設けられ、袋体には樹脂が充填されており、袋体の一部がまくら木の前記凹凸と嵌合している。
本発明のまくら木固定構造においては、まくら木と構造物の間に樹脂が充填された袋体
が介在されている。そして、まくら木には凹凸が設けられており、樹脂が充填された袋体
の一部が凹凸に嵌合している。かかる構成によれば、凹凸部分によってアンカー効果が生
じ、安定してまくら木が固定された構造となる。
本発明に係るまくら木固定構造においては、前記樹脂の一部が袋体から流出してまくら木の前記凹凸内に侵入している
本発明のまくら木固定構造においては、樹脂の一部が袋体から漏出している。そして、
その漏出した樹脂がまくら木の凹凸内に侵入している。かかる構成によれば、まくら木の
凹凸内を樹脂が隙間なく満たすことができ、より確実にまくら木が固定された構造となる
。本発明で使用される袋体は、充填した樹脂の一部が漏出できるものであり、例えば麻袋
のような透過性のものが使用可能である。
また、前記袋体の周囲には袋体の周方向への膨らみを規制する膨出規制部材が設けられているのもよい
樹脂を充填した袋体を介するまくら木の固定構造においては、袋体はまくら木との接触
部分である縦方向に効率よく膨張させる必要があり、周方向への膨張は極力抑えられるべ
きである。本発明によれば、袋体の周囲に防出規制部材が設けられており、袋体が周方向
へ必要以上に膨張することを防いでいる。かかる構成によれば、袋体はより確実にまくら
木と接触することができ、さらに確実にまくら木が固定された構造となる。ここで、膨出
規制部材の例としては、袋体の周方向の一部又は全部を囲むような部材が挙げられ、板状
の部材を曲げて作製することができる。膨出規制部材の材質としては、例えば、FRP、
鉄、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
また、まくら木と構造物との間に介在されるまくら木支持用スペーサにおいて、スペーサ本体と変形可能な袋体を有し、スペーサ本体の上面側又は下面側に前記袋体が設けられているのもよい
袋体を介してまくら木を橋桁等の構造物に固定する際には、袋体に加えてスペーサを介
することもできる。本発明においては、まくら木と構造物の間にまくら木支持用スペーサ
が介在されている。そして、まくら木支持用スペーサはスペーサ本体と変形可能な袋体を
有しており、袋体はスペーサ本体の少なくとも下面側に設けられている。かかる構成によ
れば、構造物とまくら木の間隔が大きい場合でも袋体を介してまくら木を固定することが
できる。さらに、本発明のまくら木支持用スペーサには袋体が設けられているので、袋体
の配置が容易で作業効率がよい。本発明のまくら木支持用スペーサのスペーサ本体は、例
えば、従来より高さ調整用に用いられているパッキンを使用することができる。
本発明に係るまくら木支持用スペーサにおいては、スペーサ本体と袋体との接触部には凹凸が設けられている
本発明のまくら木支持用スペーサにおいては、スペーサ本体に凹凸が設けられており、
袋体が凹凸に接触している。かかる構成によれば、変形可能な袋体がスペーサ本体の凹凸
に沿って隙間なく密着することによりアンカー効果が生じ、スペーサのずれが防止され、
まくら木が安定に固定される。
本発明に係るまくら木固定構造においては、構造物に対してまくら木を固定するまくら木固定構造において、まくら木と構造物との間にスペーサ本体が介在され、スペーサ本体の上面側又は下面側に前記袋体が設けられ、スペーサ本体の前記袋体との接触面には凹凸が設けられ、袋体には樹脂が充填されており、袋体の一部がスペーサ本体の前記凹凸と嵌合している
本発明のまくら木固定構造は、まくら木と構造物の間にスペーサ本体が介在されている
。そして、スペーサ本体の上面側又は下面側に袋体が設けられており、スペーサ本体の袋
体との接触面には凹凸が設けられている。そして、袋体には樹脂が充填されており、袋体
の一部がスペーサ本体の前記凹凸と嵌合している。かかる構成によれば、スペーサ本体の
凹凸部分によってアンカー効果が生じ、安定してまくら木が固定された構造となる。
本発明に係るまくら木固定構造においては、前記樹脂がウレタン系樹脂を含有するものである。
本発明においては、樹脂がウレタン系樹脂を含有するものである。そのため、硬化にか
かる時間が短縮でき、まくら木を固定する際の作業効率がよい。本発明に使用される樹脂
は、ウレタン系樹脂のみでもよいし、ウレタン系樹脂に別成分を混合したものでもよい。
さらに、ウレタン系樹脂に若干の水を混入させた発泡性を有するものでもよい。
本発明によれば、現場施工性がさらによく、且つまくら木の固定性能がさらに優れた袋
体を介したまくら木固定構造が提供される。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1はまくら木の固定構造を表す分解斜視図である。図2は袋体を表し、(a)は斜視図
であり、(b)は(a)のA−A断面図である。図3はまくら木本体を表し、(a)は下
から見た斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。図4は枠材を表し、(a
)は枠材全体を表す斜視図、(b)は横材を表す斜視図、(c)は受材を表す斜視図であ
る。図5は袋体を介したまくら木固定構造を表す断面図である。図6は図5のまくら木固
定構造の変形例を表す断面図である。図7は図5のまくら木固定構造の別の変形例を表す
断面図である。図8は図4の枠材の変形例を表す斜視図である。図9は図8の枠材を使用
したまくら木固定構造を表す断面図である。図10は袋体が設けられたまくら木を表す斜
視図である。図11は袋体が設けられたまくら木の別の実施形態を表す斜視図である。図
12はパッキン本体を表し、(a)は斜視図で、(b)は(a)のA−A断面図である。
図13 はパッキンを介するまくら木固定構造を表す断面図である。図14は図13のパッ
キンを介するまくら木固定構造の変形例を表す断面図である。図15は袋体が設けられた
パッキンを表す斜視図である。図16はレールの敷設方法及びまくら木を交換する手順を
表す図である。
まず図1を参照しながら、本実施形態のまくら木固定構造を簡単に説明する。図1に示
すまくら木固定構造は、橋桁6(構造物)、枠材20(膨出規制部材)、袋体1、まくら
木本体11、及びレール16が順に重なり、固定された構造を有している。袋体1はまく
ら木本体11と橋桁6の間に位置し、樹脂が注入されて膨張することにより高さ調整を行
うものである。袋体1の周囲には枠体20が設けられており、袋体1が周方向に無用に膨
張することを防いでいる。なお、枠体20は袋体1の中の樹脂が硬化した後に取り外すこ
とができる。まくら木本体11は後述するようにその下面部12に複数の凹部15を有し
ている。
次に図2を参照しながら、図1の袋体1について説明する。袋体1はゴム製であり、樹
脂を内部に注入するための注入口2を有する。袋体1は2枚のゴム板が重ねられて、その
縁部分が接着された袋状の形状を有している。即ち、袋体1は上面部3と下面部4を有す
る2重構造である。上面部3はまくら木本体11の下面部に接触する部分であり、その厚
さは下面部4よりも薄い。このため、上面部3は変形が容易であり、まくら木本体11の
形状に沿って容易に密着することができる。袋体1の形状はその平面が略長方形であり、
一方の辺の長さはまくら木本体11の幅方向の長さ、他方の辺の長さは橋桁6の幅と略同
一である。注入口2の内部には逆止弁(図示せず) が設けられており、注入された樹脂が
逆流して外部に漏れることを防いでいる。
次に図3(a)、図3(b)を参照しながら、図1のまくら木本体11について説明す
る。図3(a)に示すように、まくら木本体11はその下面部12に複数の凹部15を有
している。凹部15は袋体1との2つの接触部13に6個ずつ、計12個設けられている
。図3(b)に示すように、凹部15は半球状に窪んだ形状である。かかる構造によって
、図1で示したまくら木固定構造において樹脂を注入されて膨張した袋体1が凹部15に
密着し、勘合することができる。
なお、図3のまくら木本体11は合成木材で製された合成まくら木である。ここで、合
成木材の例としては、ガラス長繊維で強化されたプラスチック発砲体を使用することがで
きる。ガラス長繊維で強化されたプラスチック発砲体の具体例としては、ガラス繊維、炭
素繊維、セラミック繊維等の無機質繊維、芳香族ポリアミド繊維等の合成繊維や天然繊維
等の有機質繊維等を補強材として含み、マトリクスとして、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂
、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂等
の発泡体が挙げられる。また、圧縮強度の向上や低コスト化を図るために、発泡樹脂中に
炭酸カルシウム、石膏、タルク、水酸化アルミニウム、クレー等の無機充填剤、シラスバ
ルーン、パーライト、ガラスバルーン等の軽量骨材などの各種添加剤が添加されてもよい
。これらの中でも、好適な材料としては硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した発泡
体であり、例えば、商品名「エスロンネオランバーFFU」(積水化学工業株式会社製)
が挙げられる。
次に図4を参照しながら、枠材20を説明する。図4(a)に示すように、枠材20は
2つの横材21と2つの受材22が締結された構造を有している。図4(b)に示すよう
に、横材21は等辺山形鋼を寸法切りしたものであり、受材22とボルトで締結するため
の2つの長孔37を有する。横材21は袋体1の周方向の2つの面に接触し、膨張を防ぐ
機能を有している。一方、図4(c)に示すように、受材22は細長い板状の部材を2箇
所で折り曲げた形状であり、中央部に窪んだ形状の受部23を有している。横材21の長
孔37とボルトで固定するための2つの長孔38を有している。受材22は横材21を支
持及び固定するための部材であると同時に、受材22の方向に膨張した袋体1が受部23
に嵌ることにより、袋体1が橋桁6を掴むような形態となり、まくら木本体11が長手方
向にずれることを防止する機能を有している。なお、袋体1の樹脂が硬化した後には、ボ
ルトをはずすことによって枠材20を撤去することができる。
次に図5を参照しながら、まくら木本体11の固定構造を説明する。なお、図5に示さ
れる固定構造は、枠体20は取り除かれた状態である。図5に示すように、袋体1はウレ
タン系樹脂である樹脂18が注入されて膨張・変形し、袋体変形部27を形成している。
そして、袋体変形部27が凹部15に沿って隙間なく密着し、嵌合している。このとき、
凹部15内に袋体変形部27が入り込むのでアンカー効果が生じ、まくら木本体11は横
ずれに強く、橋桁6に強固に固定される。さらに、受材22の受部23によって、袋体1
は橋桁6を掴むように両脇にはみ出た形状となり、まくら木本体11が長手方向にずれる
ことを防止している。以上のように、本実施形態では、袋体1がまくら木本体11と橋桁
6の両方に強固に固定され、横ずれに強いまくら木固定構造が提供される。
上記した実施形態では樹脂18はウレタン系樹脂であったが、変形例としては、ウレタ
ン系樹脂に水を混合して発泡性をもたせたものでもよい。混合比としては、例えば、重量
比でウレタン系樹脂100に対して水1〜5のものが使用可能である。また発泡倍率を指
標に混合比を決めてもよく、例えば、発泡倍率が1.1〜2.0倍となるように水を混入
してもよい。また、樹脂ではなくシリコーン系のゲル剤のようなクッション材を使用する
と、振動を吸収することができる。
上記した実施形態では袋体1はゴム製で、樹脂18が袋体1から漏れることはなく、袋
体1が変形して袋体変形部27を形成し、袋体変形部27がまくら木本体11に接触して
いた。しかし、袋体1については以下に示す変形例も可能である。図6に示すまくら木固
定構造の袋体1は麻製であり、樹脂18が袋体1の表面から滲み出ることができる。した
がって、滲み出た樹脂18がまくら木本体11の凹部15の中に侵入し、凹部15内を満
たした状態で硬化する。本変形例では、凹部15内は隙間なく樹脂18が密着しているの
でまくら木本体11はより強固に袋体1に固定される。その結果、まくら木本体11は横
ずれすることなく橋桁6に強固に固定される。
また上記した実施形態では、まくら木本体11の下面部12に凹部15が設けられてい
たが、突起等の凸部を設けることも可能である。図7に示すまくら木固定構造では、まく
ら木本体11の下面部12には凸部25(凹凸)が設けられている。本実施例においても
袋体変形部27がまくら木本体11の凸部25に密着し、勘合することができる。したが
って、凸部25によってアンカー効果を生じ、まくら木本体11は袋体1に強固に固定さ
れ、その結果、橋桁6に強固に固定される。
また上記した実施形態では、枠材20は横材21と受材22から構成されていたが、別
の形態の受材のみからなる以下のような変形例も可能である。図8に示す受材40は板状
の部材を折り曲げて製されている。受材40は橋桁6を跨ぐような形状で、両端にはくぼ
んだ形状の受部41を有している。受材40は図8に示すように橋桁6に固定して使用す
るもので、その後に撤去することはない。受材40を使用したときのまくら木固定構造を
図9に示す。図9に示すように、受材41を使用したときのまくら木固定構造は、袋体1
が変形して受部41に嵌合し、受材40を介して橋桁6を掴むような構造になる。したが
って、まくら木11の長手方向のずれに強く、より安定なまくら木固定構造が提供される
。なお、受材41を橋桁6に固定することにより、まくら木固定構造はさらに安定化され
る。受材41を橋桁6に固定する方法としては、例えば、受材41の裏面に接着剤を塗布
して橋桁6に接着接合してもよいし、ボルト及びナットで締結して固定してもよい。
次に、袋体が設けられたまくら木の実施形態について説明する。図10に示すまくら木
10は、まくら木本体11と袋体1から構成されており、まくら木本体11の下面部12
にゴム製の袋体1が設けられている。袋体1は図2に示したものと同様のものであるが、
、異なる点として、四隅にボルト固定用の取付穴45が設けられている。そして、袋体1
がボルト50(締結要素)によってまくら木本体11に固定されている。本実施形態のま
くら木10においては、まくら木本体11に袋体1が設けられているので、施工工事の際
に袋体1を単独でまくら木本体11の下に挿入する必要がなく、作業効率がよい。
上記したまくら木10はボルト50で固定されていたが、接着剤によって固定すること
もできる。図11に示すまくら木10は袋体1が接着剤によってまくら木本体11の下面
部12に設けられている。本実施形態ではボルト等の締結部材を用いないので、袋体1の
接合が容易である。
上記した実施形態では、袋体1のみを介してまくら木本体11を橋桁6に固定するもの
であった。以下に、袋体1とまくら木本体11の間にパッキン本体31(スペーサ本体)
が設けられた実施形態を説明する。
図12(a)に示すパッキン本体31はゴムで製された板状の部材であり、袋体1を用
いない従来のまくら木固定構造において、レールの高さ調整に用いられる部材である。た
だし、本実施形態ではパッキン本体31には高さ調整の機能はなく、高さ調整の機能は専
ら袋体1によって行われる。パッキン本体31はまくら木本体11の下面部12に設けら
れるものであり、パッキン本体31の下面部32には6個の凹部33が設けられている。
パッキン本体31の下面部32の略全面は、袋体1との接触部36である。図12(b)
に示すように、凹部33は半球状に窪んだ形状である。かかる構造によって、樹脂を注入
されて膨張した袋体1が袋体変形部27を形成し、袋体変形部27が凹部33に密着し、
勘合することができる。
図13に図12(a),図12(b)に示したパッキン本体31と袋体1を介して橋桁
6に固定されたまくら木本体11の固定構造を示す。図13においても図5と同様に枠材
20を用いている。図13に示すように、まくら木本体11はその下面部12にパッキン
本体31が設けられている。さらに、パッキン本体31の下面部32側にウレタン系樹脂
である樹脂18が充填され膨張された袋体1が配置されており、袋体変形部27がパッキ
ン本体31の凹部33に隙間なく密着し、嵌合している。このとき、凹部33内に袋体変
形部27が入り込むのでアンカー効果が生じ、まくら木本体11は横ずれに強く、橋桁6
に強固に固定される。さらに、受材22の受部23に袋体1が嵌合し、袋体1は橋桁6を
掴むように両脇にはみ出た形状となり、まくら木本体11が長手方向にずれることを防止
している。以上のように、本実施形態では、袋体1がまくら木本体11と橋桁6の両方に
強固に固定され、横ずれに強いまくら木固定構造が提供される。
上記したパッキン本体31には凹部33が設けられていたが、図14に示す変形例では
パッキン本体31は凸部35を有している。即ち、図14に示すまくら木固定構造におい
ては、パッキン本体31は複数の凸部35を有しており、袋体変形部27が凸部35に密
着して勘合している。
次に袋体が設けられたスペーサの実施形態について説明する。図15に示されるパッキ
ン30(スペーサ) はパッキン本体31(スペーサ本体)と袋体1から構成されており、
パッキン本体31の下面部32にゴム製の袋体1が設けられている。袋体1は図2に示し
たものと同様のものであるが、異なる点として四隅にボルト固定用の取付穴45が設けら
れている。そして、袋体1がボルト50によってパッキン本体31に固定されている。本
実施形態のパッキン30においては、パッキン本体31に袋体1が設けられているので、
施工工事の際に袋体1を単独でパッキン本体31の下に挿入する必要がなく、作業効率が
よい。なお、パッキン本体の下面部32には凹凸が設けられていてもよい。
次に図16を参照しながら、レール敷設方法の実施形態について説明する。本実施形態
においては従来型のパッキンで高さ調整されたまくら木(パッキン型まくら木)と、変形
可能な袋体によって高さ調整されたまくら木(袋型まくら木)の両方が使用されている。
そしてその並び方は規則的であり、パッキン型まくら木1本に対し袋型まくら木2本が繰
り返し並んでいる。即ち、2本の袋型まくら木が常に1本ずつのパッキン型まくら木に挟
まれている。このような配置によれば、まくら木の交換がきわめて容易となる。図16(
a)から図16(c)にパッキン型まくら木に挟まれた2本の袋型まくら木を交換する手
順を示す。図16(a)は2本の袋型まくら木が取り除かれた状態である。このとき、両
脇のパッキン型まくら木がレールの高さを保っているので、特に高さ保持のための部材は
必要ない。次に新しいまくら木本体11をレールに接合して、宙吊り状態とする。そして
、まくら木本体11の下に袋体1を挿入する。次に図16(c)のように袋体1に樹脂1
8を注入して膨張させ、まくら木本体11を橋桁6に固定させる。このように、本実施形
態においては袋型まくら木を交換する際に、両脇のパッキン型まくら木がレールの高さを
保っているので高さ調整を再度行う必要がなく、まくら木の交換がきわめて容易となる。
なお、袋型まくら木は袋体1があらかじめまくら木本体11に設けられたものでもよい。
まくら木の固定構造を表す分解斜視図である。 (a)は袋体を表す斜視図で、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)はまくら木本体を表す斜視図で、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)は枠材を表す斜視図で、(b)は横材を表す斜視図で、(c)は受材を表す斜視図である。 袋体を介したまくら木固定構造を表す断面図である。 図5のまくら木固定構造の変形例を表す断面図である。 図5のまくら木固定構造の別の変形例を表す断面図である。 図4の枠材の変形例を表す斜視図である。 図8の枠材を使用したまくら木固定構造を表す断面図である。 袋体が設けられたまくら木を表す斜視図である。 袋体が設けられたまくら木の別の実施形態を表す斜視図である。 (a)はパッキン本体を表す斜視図で、(b)は(a)のA−A断面図である。 パッキンを介するまくら木固定構造を表す断面図である。 パッキンを介するまくら木固定構造の変形例を表す断面図である。 袋体が設けられたパッキンを表す斜視図である。 レールの敷設方法及びまくら木を交換する手順を表す図である。
符号の説明
1 袋体
6 橋桁(構造物)
10 まくら木
11 まくら木本体
12 下面部
13 接触部
15 凹部(凹凸)
16 レール
18 樹脂
20 枠材(膨出規制部材)
25 凸部(凹凸)
30 パッキン(スペーサ)
31 パッキン本体(スペーサ本体)
32 下面部
33 凹部 (凹凸)
35 凸部(凹凸)
36 接触部
50 ボルト(締結部材)
55 パッキン(スペーサ)

Claims (8)

  1. まくら木本体と変形可能な袋体を有し、まくら木本体の下面側に前記袋体が設けられ、前記袋体はまくら木本体に対して締結要素で取り付けられていることを特徴とするまくら木。
  2. まくら木本体と袋体との接触部には凹凸が設けられていることを特徴とする請求項1記載のまくら木。
  3. 前記袋体がゴムで製されていることを特徴とする請求項1乃至2何れか記載のまくら木。
  4. 構造物に対してまくら木を固定するまくら木固定構造において、まくら木と構造物との間に袋体が介在され、まくら木の前記袋体との接触面には凹凸が設けられ、袋体には樹脂が充填されており、袋体の一部がまくら木の前記凹凸と嵌合していることを特徴とするまくら木固定構造。
  5. 前記樹脂の一部が袋体から漏出してまくら木の前記凹凸内に侵入していることを特徴とする請求項4記載のまくら木固定構造。
  6. 前記袋体の周囲には袋体の周方向への膨らみを規制する膨出規制部材が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載のまくら木固定構造。
  7. 構造物に対してまくら木を固定するまくら木固定構造において、まくら木と構造物との間にスペーサ本体が介在され、スペーサ本体の上面側又は下面側に前記袋体が設けられ、スペーサ本体の前記袋体との接触面には凹凸が設けられ、袋体には樹脂が充填されており、袋体の一部がスペーサ本体の前記凹凸と嵌合していることを特徴とするまくら木固定構造。
  8. 前記樹脂がウレタン系樹脂を含有するものであることを特徴とする請求項4、5、6、何れか記載のまくら木固定構造。
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