JP2764725B2 - 修飾酵素による光学活性ペプチドの製造法 - Google Patents

修飾酵素による光学活性ペプチドの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、修飾酵素を水と非混合性の有機溶媒中で用
いることにより、D−アミノ酸残基を導入した光学活性
なペプチドを得る製造法に関するものである。D−アミ
ノ酸を構成要素とするポリペプチドは、生体適合材料や
ドラッグデリバリーシステムを構築するうえで重要であ
り、L−アミノ酸よりなるペプチドへのD−アミノ酸残
基の導入方法が、注目されている。
[従来の技術] ペプチドの合成法としては、大別して、化学合成法、
酵素法、発酵法がある。この内、化学合成法には、N,
N′−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤を
用いる方法、活性エステル法、混合酸無水物法、NCA法
などがある。これらの方法の中、化学合成法では、目的
物がラセミ化する可能性があり、光学活性体を得るため
には、その後光学分割の過程が必要である。
他方、酵素法では、加水分解の逆反応を利用し、概ね
一段階の酵素反応によりペプチドが作られる。一段階の
反応が、関与するだけなので生産方法の企画、解析、管
理が、容易であるなどの特徴がある。しかし、酵素法で
は、基質特異性、即ちアミノ基、保護基に対する選択性
があり、化学合成法ほど広範囲の利用可能性はない。
近年、遺伝子工学の技術を用いて酵素の機能、安定
性、基質特異性の改善または改質、生産菌の改良が盛ん
に行われており、酵素を用いることによる各種ペプチド
の効率的な生産法が、確立されつつある。
一方、本発明者を含む発明者らによって、酵素を化学
修飾し、該酵素を有機溶媒中で働かせる方法をペプチド
合成に応用した発明が、出願されている。(特願昭63−
119,277号) 従来の酵素を用いるペプチド合成法は、天然酵素の立
体選択性、即ち、L−体のみを基質として認識し、加水
分解反応の逆反応であるペプチド合成反応を触媒し、L
−体のアミノ酸残基しかペプチド鎖に導入出来ない。
[発明者が解決しようとする問題点] 本発明者は、上記の酵素を用いたペプチド合成法の問
題点を解決し、L−アミノ酸よりなるペプチド鎖にD−
アミノ酸を効率良く導入する方法を検討した。本発明者
らは、既に酵素の化学修飾により得られた酵素−合成高
分子複合体が、水に不溶の有機溶媒に可溶化し、該有機
溶媒中で効率よくペプチド合成を触媒することを見いだ
している。
この修飾酵素のペプチド合成に於ける基質特異性を検
討する過程で適当なN−末端を保護したアミノ酸エステ
ルを第一基質に選べば、反応の過程で得られる修飾酵素
−基質複合体が、第二基質としてのD−アミノ酸エステ
ルと選択的に反応し、D−アミノ酸を導入したペプチド
が生成することを見いだした。
以上の説明から明らかなように本発明の目的は、特定
の修飾酵素を用いて上述の第一基質と第二基質を反応さ
せる新規な(D−アミノ酸を導入した)ペプチドの製造
を提供することである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、下記(1)の構成を有する。
(1)酵素として、分子中のアミノ基が2,4−ビス(0
−メトキシポリエチレングリコール)−6−クロル−S
−トリアジンで置換された修飾パパインを用い、第一基
質として、一般式 X−(A1−OR1 ………(1) (ここでnは整数)で示されるN−末端をアシル基で保
護したL−アミノ酸または、ペプチドのエステルを用
い、第二基質として、一般式 H−(A2)−OR2 ………(2) (ただし、Xはアシル型保護基、A1,A2はアミノ酸残
基、R1,R2はアルキル基を示す。)で示されるD−アミ
ノ酸エステルを用い、水と非混合性の有機溶媒中で該
(1)と(2)の化合物をカップリング反応させ、D−
体のアミノ酸を導入することを特徴とする修飾酵素によ
る光学活性ペプチドの製造法。
本発明の構成と効果につき以下に詳述する。
本発明において使用する酵素としては、プロテアーゼ
特には、キモトリプシン、トリプシン、スプチリシン、
カルボキシペプチダーゼなどのセリンプロテアーゼ、パ
パイン、プロメレイン、フィシンなどのチオールプロテ
アーゼ、サーモリシンなどの金属プロテアーゼ、好まし
くはパパインである。
修飾剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチ
ルセルロースなどの高分子を用いるが、特には、ポリエ
チレングリコールが好ましい。
これらの酵素を修飾する方法としては、上記の合成高
分子の末端を2,4,6−トリクロル−S−トリアジンやサ
クシニルイミドで活性化し、これに酵素のアミノ基を共
有結合させる方法または、合成高分子と酵素を非共有結
合で結合させた複合体を形成させる方法などがある。
本発明で使用する第一基質としては、一般式 X−(A1−OR1 ………(1) で示されるN−末端をアシル基で保護したL−アミノ酸
または、ペプチドのエステルであり、第二基質として、
一般式 H−(A2)−OR2 ………(2) で示されるD−アミノ酸エステルである(だたし、上記
(1)、(2)式において、A1,A2はアミノ酸残基、R1,
R2はアルキル基、nは1以上の整数、Xはアシル型保護
基を示す)。
このような各基質に係るアミノ酸またはペプチドの具
体例としては、限定されないが、後述の実施例に示され
るようなベンゾイル−L−アラニン、L−トリプトファ
ン、D−トリプトファン、D−アラニン若しくはL−ア
ラニンを挙げることができる。
また、OR1又はOR2基を形成すべきアルコールとして
は、メチルアルコール、エチルアルコールなどを挙げる
ことができる。更に、Xとしてはベンゾイル基を挙げる
ことができる。
また、水と非混合性の有機溶媒としては、極性基を有
しない不活性溶媒が望ましく、例えばベンゼン、トルエ
ンのような芳香族炭化水素または、ヘキサン、ヘプタン
のような脂肪族炭化水素を挙げることができる。
修飾チオールプロテアーゼは、上述の溶媒の溶液とし
て使用する。使用濃度は限定されないが0.1〜100mg/溶
液ml、好ましくは1〜50mg/溶媒mlである。
また、第一及び第二基質のカップリング反応は、両者
の有機溶媒溶液に上述の修飾チオールプロテアーゼの溶
媒溶液を混合し酸素の作用温度で、例えば12〜120時間
撹拌、振とう又は静置して反応させる。反応物は、常法
により、原料基質、酵素、目的物に分離する。カップリ
ング反応に使用する修飾酵素の反応原料(基質)に対す
る使用比率は限定されないが、各基質100mM当り有機溶
媒溶液として100μ(10mg/ml)程度である。
[発明の効果] 本発明の効果を列挙すると以下の通りである。
1.一段階の反応でL−アミノ酸よりなるペプチド鎖にD
−アミノ酸が挿入された一連のペプチドが得られる。
2.第二基質として、ラセミ体のアミノ酸エステルを用い
ても、D−体のアミノ酸エステルを選択的にペプチドに
導入できる。
3.有機溶媒中で反応溶液は、均一である。
また、水分は、飽和濃度しか存在しないので、第一基
質の加水分解がおこらず効率よくペプチド合成が行え
る。
[実施例] 実施例1(修飾パパインの合成) パパイアの果実乳液により得たパパイン50mgを含む0.
2M酢酸緩衝液(pH4.5)10mlに0.1M水酸化ナトリウム水
溶液を加えpHを10に調整し、2,4−ビス(0−メトキシ
ポリエチレングリコール)−6−クロル−S−トリアジ
ン(ポリエチレングリコール部分の分子量が、5000のも
の)0.9gを加え、28℃で一時間反応させた。これを常法
により精製し、パパイン分子中のアミノ基の37%に2,4
−ビス(0−メトキシポリエチレングリコール)−6−
クロル−S−トリアジンが置換した修飾パパインを得
た。
この修飾パパインは、水溶液中で未修飾パパインの72
%の酵素活性を保持していた。
実施例2(光学活性ペプチドの製造) 実施例1で得た修飾酵素を用い、118mMのベンゾイル
−L−アラニンメチルエステル(BZ−L−a1a−0Me)と
50mMのD−トリプトファンメチルエステル(D−Trp−0
Me)(第1図A)または、53mMのL−トリプトファンメ
チルエステル(L−Trp−0Me)(第1図B)のベンゼン
溶液の各々100μを採り、これに20mMジオスレイトー
ルを含む修飾パパインのベンゼン溶液(10mg/ml)100μ
加えて、37℃で恒温振とうし、反応させた。24時間後
の反応溶液を1μとり、生成物をイアトロスキャンで
分析した。D−アミノ酸エステルが、選択的にペプチド
に挿入されていることは、次の結果より明らかである。
第1図(A,B)は、24時間後の反応溶液のイアストロ
スキャンのクロマトグラムを示す。縦軸は、カウント
数、横軸は、保持時間(分)を示す。展開溶媒には、ク
ロロフォルム:メタノール=20:1の混合溶媒を用いた。
ピーク番号の1から5は、各々、1は第一基質(N−ベ
ンゾイル−L−アラニンメチルエステル)、2は、ペプ
チド生成物(N−ベンゾイル−L−アラニル−D−トリ
プトファンメチルエステル(第1図A)、または、N−
ベンゾイル−L−アラニル−L−トリプトファンメチル
エステル(第1図B)、3は、ペプチド第二生成物(N
−ベンゾイル−L−アラニル−L−トリプトファンメチ
ルエステル−L−トリプトファンメチルエステル)、4
は、第二基質(D−トリプトファンメチルエステル)
(第1図A)または、L−トリプトファンメチルエステ
ル(第1図B)、5は、修飾酵素を示す。
クロマトグラムの面積より計算した、D−体ペプチド
とL−体ペプチドの生成比は、8:1である。
実施例3(光学活性ペプチドの製造) 実施例2と同様の修飾酵素と第一基質を用い、第二基
質として、D−アラニンメチルエステル(D−Ala−0M
e)(20mM)または、D−アラニンメチルエステル(L
−Ala−0Me)(20mM)を用いて、ペプチド合成反応を行
った。この場合のD−体ジペプチドとL−体ジペプチド
の生成比は、7.8:1であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例2における反応溶液のイアト
ロスキャンのクロマトグラムを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素として、分子中のアミノ基が2,4−ビ
    ス(0−メトキシポリエチレングリコール)−6−クロ
    ル−S−トリアジンで置換された修飾パパインを用い第
    一基質として、一般式 X−(A1−OR1 ………(1) (ここでnは整数)で示されるN−末端をアシル基で保
    護したL−アミノ酸または、ペプチドのエステルを用
    い、第二基質として、一般式 H−(A2)−OR2 ………(2) (ただし、Xはアシル型保護基、A1,A2はアミノ酸残
    基、R1,R2はアルキル基を示す。)で示されるD−アミ
    ノ酸エステルを用い、水と非混合性の有機溶媒中で該
    (1)と(2)の化合物をカップリング反応させ、D−
    体のアミノ酸を導入することを特徴とする修飾酵素によ
    る光学活性ペプチドの製造法。
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