JPH04299988A - リジン−ε−ペプチドの製造方法 - Google Patents

リジン−ε−ペプチドの製造方法

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JPH04299988A
JPH04299988A JP6214991A JP6214991A JPH04299988A JP H04299988 A JPH04299988 A JP H04299988A JP 6214991 A JP6214991 A JP 6214991A JP 6214991 A JP6214991 A JP 6214991A JP H04299988 A JPH04299988 A JP H04299988A
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JP
Japan
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lysine
peptide
group
protease
lys
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Application number
JP6214991A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kitaguchi
博司 北口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロテアーゼを用いて
高選択的に非天然型ペプチド結合を形成する方法に関す
るものであり、さらに詳しくは、リジン誘導体と他の基
質エステル体を反応させてリジン−ε−ペプチドを高選
択的に合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リジンにはα位およびε位の2種のアミ
ノ基が存在し、天然型のペプチドはα位のアミノ基がペ
プチド結合を形成している。しかし、ε位のアミノ基が
ペプチド結合に関与しているペプチド異性体(ε−ペプ
チド)はプロテアーゼに対する高い抵抗性をはじめユニ
ークな性質を有することが知られている。(J.Adv
.Exp.Med.Biol.誌、105巻、549頁
(1978))。リジンの2種のアミノ基を区別してε
−アミノ基のみと反応させる方法としては、例えば、泉
屋信夫等著「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善株式会
社、昭和62年)、p.57〜59に記載の如くL−リ
ジン塩酸塩と銅塩を反応させα位のアミノ基を保護した
後、Z−Cl又は(Boc)2Oを反応させ、続いて硫
化水素を1〜3時間通して銅イオンを硫化銅として析出
させることにより、ε−Z−L−リジン又はε−Boc
 −L−リジンを得る方法が知られている。しかしこの
化学合成法は、銅イオンを当量必要とし、更にそれを除
去するために、硫化水素の吹込みを必要とする等、大量
製造法としては問題が多い。また、この方法は銅塩の形
成を利用しており、リジンのカルボキシル基がエステル
やアミドに変換されている場合には適用できない。
【0003】一方酵素法によるペプチド合成が近年活発
に進められている。その化学合成法に対する長所として
は、反応条件が緩和である、反応の選択性が高い、ラセ
ミ化が起きない等が挙げられる。またその欠点としては
、一旦生成したペプチド結合が同じ酵素によって加水分
解されること、他に存在するペプチド結合が切断されて
しまうこと、あるいは天然型のα−ペプチドしか生成し
ないこと、などが挙げられる。
【0004】例えば、α−キモトリプシンを触媒として
用いた場合、L−リジンのα位のアミノ基が反応した天
然型ペプチドのみが選択的に得られたという報告が、J
ournal of Protein Chemist
ry  誌(2巻、289頁、(1983))およびA
gric. Biol. Chem.誌(53巻、72
9頁(1989))においてなされている。しかし一方
、α−キモトリプシンを用いればα−ペプチドとε−ペ
プチドの混合物を与えるが、Bacillus sub
tilis 由来のプロテアーゼやリパーゼを用いれば
ε−ペプチドのみを選択的に合成できる、という報告も
存在し(Tetrahedron Letter誌、2
9巻、5487頁(1988))、用いる酵素の種類と
選択性の関係は、学界においても産業界においても明確
になっていないのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リジ
ン又はその誘導体と基質エステル体を反応させて、高選
択的にリジン−ε−ペプチドを製造する方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、リジン又は
その誘導体を、プロテアーゼ存在下で他の基質エステル
体と反応させて、リジン−ε−ペプチドを製造する方法
において、プロテアーゼが、バチルス・アミロリクイフ
ァシエンス(Bacillus amylolique
faciens) 由来のセリンプロテアーゼ(Sub
tilisin BPN′) 、トリティラチウム・ア
ルブム (Tritirachium album) 
由来のセリンプロテアーゼ (Proteinase 
K) 、及びストレプトミセス・グリセウス(Stre
ptomyces griseus) 由来のセリンプ
ロテアーゼ(放線菌アルカリ性プロテアーゼ)から成る
群から選ばれたものであることを特徴とするリジン−ε
−ペプチドの製造方法により達成された。
【0007】これら3種のプロテアーゼは当該分野では
いずれもよく知られた酵素であり、いずれも高純度品を
市販品として入手可能である。例えばSubtilis
in BPN′およびProteinase KはSi
gmaChem.Co.より放線菌アルカリ性プロテア
ーゼは生化学工業株式会社より市販されている。本発明
で用いられるリジン又はその誘導体は下記一般式(I)
または(II) で、また基質エステル体は一般式(I
II)で表される。
【0008】 H2N(CH2)4−CH(NH2)−CO−OR1 
 (I)H2N(CH2)4−CH(NH2)−CO−
NH−R1          (II)一般式(I)
または(II) において、R1は水素原子、置換また
は無置換のアルキル基またはアリール基を表す。 X−(NH−CH(Y2)) n −NH−CH(Y1
)−CO−OR2   (III)一般式(III)に
おいてR2は、置換又は無置換のアルキル基、置換又は
無置換のアリール基を表わし;Y1はメチル基、ベンジ
ル基、2−メチルプロピル基又は4−ヒドロキシベンジ
ル基を表し;Y2は水素原子又は置換又は無置換のアル
キル基を表し、Y2が2以上存在するときは同一でも異
なっていてもよく、nは0又は1乃至10の整数を表わ
し;Xはアミノ基の保護基を表わす。
【0009】一般式(I)または(II) で表わされ
るリジン誘導体のR1としては、水素原子、炭素数1乃
至15の置換又は無置換のアルキル基または炭素数6〜
15の置換又は無置換のアリール基が好ましく、環形成
していてもよい。それらの置換基としてはアルキル基、
フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基
が好ましい。R1として特に好ましいものは、水素原子
、炭素数3〜9の直鎖又は分岐の置換または無置換のア
ルキル基である。
【0010】一般式(III)で表わされる他の基質エ
ステル体のR2としては、炭素数1乃至10の置換又は
無置換のアルキル基、および炭素数6乃至16の置換又
は無置換のアリール基が好ましく、特に好ましくは炭素
数1乃至5の無置換又はクロルまたはフッ素原子が置換
したアルキル基である。Y1は特に好ましくは、ベンジ
ル基又はメチル基である。Y2の置換又は無置換アルキ
ル基は炭素数1乃至15のものが好ましく、置換基とし
てはアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カル
バモイル基、メルカプト基、フェニル基、アルキルチオ
基、3−インドリル基、2−イミダゾリル基などが挙げ
られる。 Y2は特に好ましくは、水素原子又は炭素数が1乃至7
の置換又は無置換のアルキル基であり、その置換基とし
て特に好ましいものは、メチル基、フェニル基、4−ヒ
ドロキシフェニル基およびヒドロキシ基である。nは好
ましくは0又は1〜5の整数であり、特に好ましくは0
又は1乃至2である。Xで表わされるアミノ基の保護基
として好ましいものは、炭素数1乃至6のアシル基、炭
素数2乃至15の置換又は無置換のアルコキシカルボニ
ル基であり、そのアルキル部は環形成していてもよい。 Xとして特に好ましいものは、アセチル基(Ac) 、
t−ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシ
カルボニル基(Z)、フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル基(Fmoc) である。
【0011】一般式(I)または(II)で表わされる
リジン誘導体はリジンを出発原料として、又、一般式(
III)で表わされる他の基質エステル体は市販のアミ
ノ酸、またはオリゴペプチドを出発原料として、前述の
泉屋信夫ら著の「ペプチド合成の基礎と実験」、16頁
、2.アミノ保護基、および41頁、3.カルボキシル
保護基に記載の方法により容易に合成できる。
【0012】一般式(I)または(II) で表される
リジン誘導体は、L−体、D−体、ラセミ体のいずれで
あってもよい。又、一般式(III)中に存在する不斉
炭素についても、いずれの光学活性体でもまたラセミ体
であってもよい。以下に、一般式(I)または(II)
 で表わされるリジン誘導体の具体例及び一般式(II
I)で表わされる基質エステル体の具体例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】リジン及びその誘導体 1. L−Lys−OH 2. L−Lys−OC2H5 3. L−Lys−OC4H9 (n)4. L−Ly
s−OC4H9(t) 5. L−Lys−OC5H1
1 (n) 6. L−Lys−OCH2−C6H57
. L−Lys−OC3H7(i) 8. D−Lys
−OC4H9(n) 9. D−Lys−OC4H9(
t) 10. D−Lys−OCH2−C6H511.
 D−Lys−O−C6H11 12. L−Lys−O−C6H11 13. L−Lys−NH2 14. L−Lys−NH−p−C6H4−NO215
. L−Lys−L−Ala−OtBu16. L−L
ys−L−Phe−NH217. L−Lys−O−C
H2−p−C6H4−OCH318. L−Lys−O
−CH2−p−C6H4−NO2 19. L−Lys
−O−CH2−2,4−ジメトキシフェニル20. L
−Lys−NH−C10H7 21. L−Lys−N
H−C6H5 基質エステル体 1. N−Ac−L−Phe−OCH32. N−Ac
−L−Phe−OC2H5 3. N−Ac−D−Ph
e−OC2H5 4. N−Ac−L−Phe−OC2
H4Cl5. N−Z−L−Phe−OC2H56. 
N−Z−L−Phe−OC2H4Cl7. N−Ac−
L−Ala−OC2H5 8. N−Z−L−Ala−
OC2H4Cl9. N−Z−L−Ala−OC2H5
10. N−Z−D−Ala−OC2H4Cl11. 
N−Z−L−Leu−OC2H512. N−Z−L−
Leu−OC2H4Cl13. N−Ac−L−Tyr
−OCH314. N−Ac−L−Tyr−OC2H4
Cl15. N−Z−L−Ser−OC2H4Cl16
. N−Z−L−Asn−OC2H4Cl17. N−
Boc−L−Phe−L−Ala−OC2H518. 
N−Z−L−Ala−L−Phe−OC2H4Cl19
. N−Fmoc−Gly−L−Phe−OC2H4C
l20. N−Boc−Gly−L−Phe−OC6H
521. N−Ac−Ala−Leu−Phe−OCH
2CF3Lys はリジン、Phe はフェニルアラニ
ン、Ala はアラニン、Leu はロイシン、Tyr
 はチロシン、Ser はセリン、Asn はアスパラ
ギン、Gly はグリシンのそれぞれ残基を示す。C6
H11 はシクロヘキシル基、C10H7 はβ−ナフ
チル基を示す。
【0014】酵素反応は一般に水溶液中で行なわれるが
、本反応においては基質の溶解度を高め副反応を抑制す
るために水溶性有機溶媒を混合することが好ましい。 この場合有機溶媒は特に限定されないが、DMF、DM
SO、THF、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン
、N,N−ジメチルアセトアミド等が好ましい。また本
反応は、水に混じらない有機溶媒と酵素水溶液を同時に
使用するいわゆる二相系(バイオサイエンスとバイオイ
ンダストリー、47巻、825頁(1989))、また
は実質的に水を含まない有機溶媒に酵素を懸濁させて使
用する方法(CHEMTECH誌、16巻、354頁(
1986))で行うことができる。これらの方法は、水
溶液中での反応と比べ副反応が抑制されるので有利であ
る。この場合も有機溶媒は特に限定されないが、水に混
じりにくい酢酸エステル類(エチルエステル、ブチルエ
ステル等)、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、
t−ブタノール、t−アミルアルコール、i−アミルア
ルコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル
、ジブチルエーテル等が好ましい。また、実質的に無水
状態で酵素を懸濁させる方法の場合は、アセトニトリル
、THF、アセトン、ピリジン等の水と混じり合う溶媒
も好ましい。この方法を採用する場合、プロテアーゼを
あらかじめその至適pHの水溶液から凍結乾燥して用い
ることが望ましい。
【0015】本発明の反応は、またいわゆる「固定化酵
素」を用いても実施することができる。担体や固定化法
は、当該分野で既知の手段を有効に利用することができ
る。これらは、例えば“Methods in Enz
ymologyvol.44”や、“固定化生体触媒”
(千畑一郎編、講談社)に詳しく述べられている。
【0016】
【発明の効果】本発明方法によれば、リジン−ε−ペプ
チドを高選択的に製造することができる。
【0017】
【実施例】〔実施例1〕DMFを33%含有するpH8
.5の緩衝溶液に、N−Ac−L−Phe−OEt(1
00mM) 、L−Lys−O tBu(200mM)
を溶解した。これに、プロテアーゼの最終濃度が0.5
mg/mlになるようにプロテアーゼの水溶液を加え、
30℃で5分間インキュベートした後、酢酸を加えて反
応を停止して生成物をHPLCで定量した(カラム:Y
MC−pak ODS 、溶離液:アセトニトリル/水
/TFA=34/66/0.1、検出波長:254nm
、保持時間:N−Ac−L−Phe−OEt(14.5
分)、N−Ac−L−Phe− α−L−Lys−Ot
Bu(8.4分)、N−Ac−L−Phe− ε−L−
Lys−OtBu(6.1分))。結果を表1に示す。
【0018】                          
         表1──────────────
─────────────────────  酵素
               N−Ac−L−Phe
−OEt             生成率(%)  
                         
   の消失(%)      ──────────
──────                   
                     α−ペプ
チド    ε−ペプチド  ───────────
────────────────────────S
ubtilisin BPN′          7
0                0       
     21      Proteinase K
              96         
       0            25   
   放線菌アルカリ性   プロテアーゼ            99   
             0           
 28      α−キモトリプシン       
 44              21      
      8.4      エラスターゼ    
          19             
 6.1            2.9      
─────────────────────────
──────────表1に示す様に、α−キモトリプ
シンやエラスターゼと比較して、本発明のプロテアーゼ
はL−リジンのε−アミノ基に高い選択性を有している
ことがわかった。 〔実施例2〕実施例1においてDMFの代わりにDMS
O、アセトニトリル、ジオキサンをそれぞれ用いて同様
の実験を行なった。結果を表2に示す。
【0019】                          
       表2   Proteinase K 
およびα−キモトリプシン(( ) 内)を用いた結果
─────────────────────────
──────────  溶媒           
    N−Ac−L−Phe−OEt       
      生成率(%)             
                 の消失(%)  
    ────────────────     
                         
          α−ペプチド    ε−ペプチ
ド  ──────────────────────
─────────────DMSO        
      99(99)        0(41)
    27(12)  アセトニトリル      
  97(5)          0(1.6)  
  23(0.7)  ジオキサン         
   97(29)        0(11)   
 16(3.1)  ───────────────
────────────────────表2に示す
様に、本発明のProteinase Kは、α−キモ
トリプシンと比べていずれの溶媒を用いたときもL−リ
ジンのε−アミノ基に高い選択性を有していることがわ
かる。 〔実施例3〕実施例1において、L−Lys−O tB
uの代わりにD−Lys−O tBuを用いて同様の実
験を行なった。結果を表3に示す。                          
         表3──────────────
─────────────────────  酵素
               N−Ac−L−Phe
−OEt               生成率(%)
                         
   の消失(%)      ──────────
──────                   
                       α−
ペプチド    ε−ペプチド───────────
────────────────────────S
ubtilisin BPN′          7
0                  0     
       18    Proteinase K
              98         
         0            24 
   放線菌アルカリ性   プロテアーゼ            99   
               0         
   26    ────────────────
───────────────────表3に示す様
に、本発明のプロテアーゼはD−リジンのε−アミノ基
に高い選択性を有していることがわかった。 〔実施例4〕N−Ac−L−Phe−OEt(100m
M)、L−Lys−O tBu(200mM)のt−ア
ミルアルコール(モレキュラーシーブ3Aで乾燥後)溶
液に、それぞれ表4の括弧内に示したpHの緩衝溶液か
ら凍結乾燥したプロテアーゼを5mg/mlの濃度で加
え、その懸濁液を150rpm で45℃24時間振と
うした。遠心沈降して酵素を除き、上澄みをHPLCで
解析した。結果を表4に示す。                          
         表4──────────────
─────────────────────  酵素
                    N−Ac−
L−Phe−OEt            生成率(
%)                       
           の消失(%)  ──────
────────                 
                         
  α−ペプチド  ε−ペプチド─────────
─────────────────────────
─Subtilisin BPN′(7.8)    
     51              0.3 
         49    Proteinase
 K    (7.8)         77   
           0.4          7
5    放線菌アルカリ性   プロテアーゼ(11.0)          7
5              2.2       
   66    ────────────────
───────────────────表4に示す様
に、実質上無水有機溶媒中に酵素を懸濁させた系におい
ても本発明のプロテアーゼはL−リジンのε−アミノ基
に高い選択性を有し、高収率でε−ペプチドを与えるこ
とがわかった。 〔実施例5〕実施例4において、L−Lys−O tB
uの代わりにD−Lys−O tBuを用いて同様の実
験を行なった。結果を表5に示す。                          
         表5──────────────
─────────────────────  酵素
               N−Ac−L−Phe
−OEt               生成率(%)
                         
     の消失(%)    ──────────
──────                   
                       α−
ペプチド    ε−ペプチド───────────
────────────────────────S
ubtilisin BPN′          8
0                  0     
       75    Proteinase K
              58         
         0            56 
   放線菌アルカリ性   プロテアーゼ            52   
               0         
   48    ────────────────
───────────────────表5に示す様
に、実質上無水有機溶媒中に酵素を懸濁させた系におい
ても、本発明のプロテアーゼはD−リジンのε−アミノ
基に高い選択性を有し、高収率でε−ペプチドを与える
ことがわかった。 〔実施例6〕実施例4の反応条件を用い、さまざまな基
質と酵素の組み合わせで反応を行ない、生成物をHPL
Cで解析した。結果を表6に示す。
【0020】                          
       表  6──────────────
─────────────────────    
                         
                         
  生成比(%)                 
                         
        ──────────  基質エステ
ル体      リジン誘導体        酵素(
*)   α−ペプ  ε−ペプ          
                         
                 チド      
チド    ───────────────────
────────────────1. N−Z−L−
Ala−OEt          L−Lys−O 
tBu       1)        0    
    742. N−Ac−D−Phe−OEtCl
       L−Lys−O tBu       
2)        0        563. N
−Ac−L−Leu−OEtCl       D−L
ys−OBu(n)      2)        
0        70  4. N−Z−L−Ser
−OEtCl        L−Lys−NH−C6
H5     3)        1.2     
 72  5. N−Z−L−Ala−OEtCl  
      L−Lys−OCH2−C6H5   2
)        0        80  6. 
N−Z−L−Ala−L−Phe−OEtCl  D−
Lys−O tBu       3)       
 0        537. N−Ac−L−Tyr
−OEtCl       L−Lys−NH2   
      1)        0        
68  ─────────────────────
──────────────(*) ただし  酵素
 1) はSubtilisin BPN′を、 2)
 はProteinase Kを、 3) は放線菌ア
ルカリ性プロテアーゼを表す。
【0021】Etはエチル基、EtClは2−クロロエ
チル基を表す。表6からわかるように、いずれの場合も
本発明のプロテアーゼはリジンのε−アミノ基に高い反
応性と選択性を有していることがわかった。 〔実施例7〕(プレパラティブスケールの合成例)2.
5mmolのN−Ac−L−Phe−OEtClと3.
0mmolのL−Lys−O tBuを25mlのt−
アミルアルコール(モレキュラーシーブ3Aで乾燥)に
溶解し、Proteinase K(pH7.8のリン
酸緩衝液より凍結乾燥)125mgを加え45℃で24
時間撹拌した。終了後酵素を濾別し、溶媒を減圧留去し
た後、残渣を酢酸エチルと4%炭酸ナトリウム水溶液を
加え抽出、分液した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄した
後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去した。残渣をn
−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(5/1)より再結
晶し、N−Ac−L−Phe−ε−L−Lys−OtB
u2.0mmolを得た。収率80%。この生成物はH
PLCで単一ピークを与え、さらに物性値は文献値(T
etrahedron Lett. 誌、29巻、54
87頁(1988))と一致した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  リジン又はその誘導体を、プロテアー
    ゼ存在下で他の基質エステル体と反応させて、リジン−
    ε−ペプチドを製造する方法において、プロテアーゼが
    、バチルス・アミロリクイファシエンス(Bacill
    us amyloliquefaciens) 由来の
    セリンプロテアーゼ(Subtilisin BPN′
    ) 、トリティラチウム・アルブム (Tritira
    chium album) 由来のセリンプロテアーゼ
     (Proteinase K) 、及びストレプトミ
    セス・グリセウス(Streptomyces gri
    seus) 由来のセリンプロテアーゼ(放線菌アルカ
    リ性プロテアーゼ)から成る群から選ばれたものである
    ことを特徴とするリジン−ε−ペプチドの製造方法。
  2. 【請求項2】  有機溶媒を反応溶媒に用いることを特
    徴とする請求項1記載のリジン−ε−ペプチドの製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2708938A1 (fr) * 1993-08-09 1995-02-17 Bioeurope Procédé enzymatique perfectionné de préparation d'oligomères de L-lysine.

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FR2708938A1 (fr) * 1993-08-09 1995-02-17 Bioeurope Procédé enzymatique perfectionné de préparation d'oligomères de L-lysine.

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