JPH09255666A - ピペラジンアミド化合物及びピペラジンアミド誘導体の製造方法 - Google Patents

ピペラジンアミド化合物及びピペラジンアミド誘導体の製造方法

Info

Publication number
JPH09255666A
JPH09255666A JP8073983A JP7398396A JPH09255666A JP H09255666 A JPH09255666 A JP H09255666A JP 8073983 A JP8073983 A JP 8073983A JP 7398396 A JP7398396 A JP 7398396A JP H09255666 A JPH09255666 A JP H09255666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
formula
piperazine
amino
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8073983A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Horie
隆一 堀江
Satoshi Hanzawa
敏 半澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP8073983A priority Critical patent/JPH09255666A/ja
Publication of JPH09255666A publication Critical patent/JPH09255666A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】酵素を用いて光学活性なピペラジンアミド誘導
体を合成する方法を提供する。 【解決手段】新規物質である4−N−(N−ベンジルオ
キシカルボニル−フェニルアラニル)−ピペラジン−2
−N−t−ブチルカルボキサミドを、キモトリプシンに
て不斉加水分解し、光学活性なピペラジン−2−N−t
−ブチルカルボキサミドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品の合成中間
体として有用なピペラジンアミド誘導体の、酵素を用い
た加水分解による製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学活性ピペラジンアミド誘導体の分割
に関する方法は、すでに報告されている(Tetrah
edron Lett.,673頁(1994)等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知の方法であるカンファースルホン酸など光学分割剤に
よる分割法は、工業的規模に於いては、必ずしも高い収
率で目的物を回収できるとは限らなかった。また、高価
な光学分割剤を用いる場合には、光学分割剤を回収する
必要があり、光学分割剤によらない化合物の不斉合成法
の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酵素触媒
による不斉加水分解反応に適する4−N−アシル化ピペ
ラジンアミド化合物を創製し、目的の光学活性体を合成
するための不斉合成法を検討し、その不斉収率、反応収
率ともに満足できる結果を得ることができた。すなわち
本発明は、一般式[I]
【0005】
【化4】
【0006】(式中、R1は、アミノ基の保護基または
アミノ基を保護したアミノ酸もしくはペプチドを表し、
2は、疎水性基を表す)で表わされる4−N−アシル
化ピペラジンアミド化合物にある。
【0007】また本発明は、一般式[II]
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1は、アミノ基の保護基または
アミノ基を保護したアミノ酸もしくはペプチドを表し、
3は、アリールアルキル基を表す)で表される4−N
−アシル化ピペラジンアミド化合物を、該化合物を不斉
加水分解する能力を有する酵素の存在下、不斉加水分解
することを特徴とする式[III]
【0010】
【化6】
【0011】で表されるピペラジンアミド誘導体の製造
方法にある。以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】一般式[I]で表される4−N−アシル化
ピペラジンアミド化合物は、不斉炭素を有するため、光
学異性体が存在するが、本願発明はそのいずれであって
もよい。
【0013】一般式[I]及び[II]中、R1は、ベ
ンジルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル
等や、ベンゾイル、アセチル、フォルミルなどのN−ア
シル基に代表されるアミノ基の保護基、またはそれらに
よってアミノ基を保護されたアミノ酸もしくはペプチド
を用いることができる。アミノ酸としては特に限定はな
く、例えばグリシン、アラニンなどがあげられる。ペプ
チドとしては特に限定はなく、例えばグリシルグリシ
ン、グリシルアラニンなどがあげられる。
【0014】一般式[I]中、R2は疎水性基を示し、
特に限定はされないが、例えばアルキル基、アリールア
ルキル基などがあげられる。アルキル基としては、炭素
数1〜4の低級アルキル基が挙げられ、具体的にはメチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、i−プロピ
ル、i−ブチルなどが挙げられる。アリールアルキル基
としては、フェニル基、−C86N基(インドール基)
などのアリール基に、前述のアルキル基が結合した物が
挙げられ、具体的には、ベンジル基、−CH2−C86
N基などがあげられる。
【0015】一般式[I]で表される4−N−アシル化
ピペラジンアミド化合物の製法には特に限定はなく、種
々の方法で製造することができる。例えば、アミノ基を
保護したアミノ酸をDCC,EDCなどの脱水縮合剤の
存在下、ピペラジン−N−t−ブチル−カルボキサミド
と反応させればよい。この時の反応条件は、反応溶媒
は、ジクロロメタン、THF、DMFなど一般のペプチ
ド合成に用いられる溶媒を用い、HOBT,HONSu
(N−ビドロキシスクシンイミド)などの添加剤は、使
用しなくとも反応は進行するが、添加することにより、
反応が速く進行する。温度は特に限定はないが、好まし
くは−78℃〜100℃、さらに好ましくは−20℃〜
30℃の間で反応させることができる。
【0016】また別法として、アミノ基を保護したアミ
ノ酸を塩化トリメチルアセチルと反応させ、混合酸無水
物とした後、N−t−ブチルピペラジンカルボキサミド
と反応させる混合酸無水物法という方法も挙げることが
できる。
【0017】本発明において、一般式[II]で表され
る4−N−アシル化ピペラジンアミド化合物から式[I
II]で表されるピペラジンアミド誘導体を製造する事
ができる。一般式[II]において、R3はアリールア
ルキル基を示し、これは前述の一般式[I]のR2で例
示したアリールアルキル基と同様の物を例示することが
できる。反応に際し、一般式[II]で表される4−N
−アシル化ピペラジンアミド化合物は、光学的に純品で
ある必要はなく、ラセミ体のように、光学異性体の混合
物であってもよい。
【0018】反応に用いられる酵素には特に限定はな
く、一般式[II]で表される4−N−アシル化ピペラ
ジンアミド化合物を不斉加水分解する能力を有し、式
[III]で表されるピペラジンアミド誘導体を製造す
ることができるものであればよい。これらの酵素は、微
生物や動物組織より生産され、容易に入手できる。用い
る酵素は粗製品であっても、精製されたものであっても
良く、それを含有するものであればよい。また適当な担
体に担持させて固定化酵素として用いることもできる。
酵素としては、プロテアーゼなどが用いられる。
【0019】具体的には、アミノ基を保護したフェニル
アラニンやトリプトファンなどの疎水性アミノ酸で4−
N位をアシル化したピペラジンアミド誘導体を基質とし
て用いた場合、キモトリプシン、ズブチリシン等の酵素
で、加水分解することができるが、キモトリプシンを用
いた場合、加水分解反応は立体選択的に進行し、光学活
性なピペラジンアミド誘導体を得ることができる。酵素
の由来には特に限定はなく、例えばキモトリプシンは牛
膵臓由来のものを用いることができる。用いられる酵素
濃度には、特に限定はなく、通常用いられる濃度でよ
い。
【0020】加水分解反応は、温度は0から70度、好
ましくは10から40度である。pHは3から10、好
ましくは5から8で行われる。このため、緩衝液を使用
することが好ましい。反応時間は1から120時間で行
い、反応系に酵素が分散、あるいは溶解していることが
望ましい。
【0021】反応溶媒は、水だけで構成することもでき
るが、有機溶媒を添加することにより、反応の転換率を
向上させることができる場合がある。例えば有機溶媒と
しては、アセトン、メチルアルコール、ジメチルスルフ
ォキシド等の水溶性溶媒、または、シクロヘキサン、イ
ソプロピルエーテル等の非水溶性溶媒を用いることがで
きる。
【0022】反応生成物は一般的な方法で抽出、分離で
きる。例えば、反応液を減圧下濃縮乾固した後に有機溶
媒で抽出、分離することができる。用いる有機溶媒とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、メタノ
ール、エタノール、アセトンなどが挙げられる。また水
を多く含む場合には、反応液から酵素を除去した後、ク
ロロホルム、ベンゼン、酢酸エチル等の有機溶媒で抽出
することができる。さらに反応生成物は、再結晶やシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー等を用いて容易に精製
する事もできる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明をより具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されたものではない。な
お略語は以下の通りである。
【0024】 CBZ:カルボベンジロキシ基 Phe:フェニルアラニン Bz:ベンゾイル基 Trp:トリプトファン Ac:アセチル基 Gly:グリシン 実施例1 4−N−アシル化ピペラジンアミド化合物の
合成。
【0025】各種のN−保護アミノ酸(1mmol)と
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(1m
mol)の塩化メチレン溶液にトリエチルアミン(2m
mol),水溶性カルボジイミド(1.5mmol)を
加えた溶液に、さらにN−t−ブチル−ピペラジンカル
ボキサミド(1mmol)を加え室温で4時間撹拌し
た。反応液を減圧下濃縮乾固した後、得られた残渣を酢
酸エチルに溶解し、飽和食塩水で3回洗浄した。有機溶
媒層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−塩化
メチレン=4:96)にて精製した。以下に合成した各
4−N−アシル化ピペラジンアミド化合物の構造を示
し、各生成物の収率、核磁気共鳴スペクトルデータを示
す。
【0026】化合物1 4−N−(N−ベンジルオキシカルボニル−フェニルア
ラニル)−ピペラジン−2−N−t−ブチルカルボキサ
ミド
【0027】
【化7】
【0028】収率:90%1 H−NMR δppm (CDCl3)7.45−7.
05(m,10H,Ph),5.09(m,2H,O−
CH2−Ph),2.95(m,2H,C−CH2−P
h),1.35(s,4.5H,t−Bu),1.34
(s,4.5H,t−Bu)。
【0029】化合物2 4−N−(N−ベンジルオキシカルボニル−トリプトフ
ァニル)−ピペラジン−2−N−t−ブチルカルボキサ
ミド
【0030】
【化8】
【0031】収率:89%1 H−NMR δppm(CDCl3)8.55(s,
0.5H,indoleNH),8.35(s,0.5
H,indole NH),7.70−6.95(m,
10H,Ph),5.12(m,2H,O−CH2−P
h),3.20(m,2H,C−CH2−indol
e),1.30(s,4.5H,t−Bu),1.29
(s,4.5H,t−Bu)。
【0032】化合物3 4−N−(N−ベンゾイル−フェニルアラニル)−ピペ
ラジン−2−N−t−ブチルカルボキサミド
【0033】
【化9】
【0034】収率:68%、1 H−NMR δppm(CDCl3)7.90−7.7
0(m,2H,Ph),7.60−7.10(m,8
H,Ph),3.10(m,2H,C−CH2−P
h),1.35(s,4.5H,t−Bu),1.34
(s,4.5H,t−Bu)。
【0035】化合物4 4−N−(N−アセチル−フェニルアラニル)−ピペラ
ジン−2−N−t−ブチルカルボキサミド
【0036】
【化10】
【0037】収率:17%、1 H−NMR δppm(CDCl3)7.40−7.1
0(m,5H,Ph),2.95(m,2H,C−CH
2−Ph),1.98(s,3H,Ac),1.33
(s,4.5H,t−Bu),1.31(s,4.5
H,t−Bu)。
【0038】化合物5 4−N−(N−フォルミル−フェニルアラニル)−ピペ
ラジン−2−N−t−ブチルカルボキサミド
【0039】
【化11】
【0040】収率:22%1 H−NMR δppm(CDCl3)8.13(s,1
H,N−CH=O),7.40−7.10(m,5H,
Ph),3.03(m,2H,C−CH2−Ph),
1.32(s,4.5H,t−Bu),1.30(s,
4.5H,t−Bu)。
【0041】化合物6 4−N−(N−ベンジルオキシカルボニル−グリシル−
フェニルアラニル)−ピペラジン−2−N−t−ブチル
カルボキサミド
【0042】
【化12】
【0043】収率:85%、1 H−NMR δppm(CDCl3)7.40−7.1
0(m,10H,Ph),5.12(m,2H,O−C
2−Ph),3.86(m,2H,N−CH2−C
O),2.96(m,2H,C−CH2−Ph),1.
32(s,4.5H,t−Bu),1.30(s,4.
5H,t−Bu)。
【0044】化合物7 4−N−(N−ベンジルオキシカルボニル−イソロイシ
ル)−ピペラジン−2−N−t−ブチルカルボキサミド
【0045】
【化13】
【0046】収率:80%、1 H−NMR δppm(CDCl3)7.34(m,5
H,Ph),5.09(m,2H,O−CH2−P
h),2.00−1.50(m,3H,CH,C
2),1.35(s,4.5H,t−Bu),1.3
4(s,4.5H,t−Bu),0.92(m,6H,
Me)。
【0047】化合物8 4−N−(N−ベンジルオキシカルボニル−バリニル)
−ピペラジン−2−N−t−ブチルカルボキサミド
【0048】
【化14】
【0049】収率:78%1 H−NMR δppm(CDCl3)7.35(m,5
H,Ph),5.09(m,2H,O−CH2−P
h),2.00(m,1H,CH),1.35(s,
4.5H,t−Bu),1.34(s,4.5H,t−
Bu),0.93(m,6H,Me)。
【0050】実施例2 4−N−フェニルアラニル−ピ
ペラジン−2−N−t−ブチルカルボキサミド(化合物
9)の合成。
【0051】化合物5(0.18mmol)を1,4−
ジオキサン(1ml)に溶解し、6N塩酸(1ml)加
え、1時間加熱環流した後、溶媒を留去した。残渣をエ
タノールと共沸した後、ジエチルエーテルから結晶化
し、化合物9を得た。
【0052】
【化15】
【0053】1H−NMR δppm(DMSO−d6
8.48(m,3H,NH),7.40−4.15
(m,5H,Ph),1.32(s,4.5H,t−B
u),1.30(s,4.5H,t−Bu)。
【0054】実施例3 ピペラジンアミド誘導体の製
造。
【0055】実施例1で得られた化合物(化合物1−
6)1mgをりん酸緩衝液(pH7.5)(0.5m
l)、シクロヘキサン(0.5ml)に懸濁し、キモト
リプシン水溶液(20mg/ml,0.5ml)を加
え、25度で24時間撹拌した。反応液を一部採取し、
逆層カラムTSK gel ODS−80TM(41%
アセトニトリル,0.0325%TFA)を用いたHP
LCにて、残存した基質の光学純度、反応の転換率を決
定した。残りの反応液を減圧下濃縮乾固し、残渣からエ
タノールで生成物を抽出し、この抽出液を減圧下濃縮乾
固した。得られた残渣をGITCアセトニトリル溶液で
処理し、TSK gel ODS−80TM(56%ア
セトニトリル,0.02%TFA)を用いたHPLCに
て、GITC化された生成物の光学純度を決定した。
【0056】以下に各化合物を用いた反応の反応式、転
換率、残存基質の光学純度、生成物の光学純度を示す。
【0057】1)基質 :化合物1 反応式
【0058】
【化16】
【0059】転換率 :27% 基質の光学純度 :44% (R体) 生成物の光学純度:83% (S体)。
【0060】2)基質 :化合物2 反応式
【0061】
【化17】
【0062】転換率 :12% 基質の光学純度 :17% (R体) 生成物の光学純度:87% (S体)。
【0063】3)基質 :化合物3 反応式
【0064】
【化18】
【0065】転換率 :15% 基質の光学純度 :10% (R体) 生成物の光学純度:78% (S体)。
【0066】4)基質 :化合物4 反応式
【0067】
【化19】
【0068】転換率 :17% 基質の光学純度 :23% (R体) 生成物の光学純度:93% (S体)。
【0069】5)基質 :化合物5 反応式
【0070】
【化20】
【0071】転換率 :24% 基質の光学純度 :17% (S体) 生成物の光学純度:31% (R体)。
【0072】6)基質 :化合物6 反応式
【0073】
【化21】
【0074】転換率 :33% 基質の光学純度 :62% (R体) 生成物の光学純度:52% (S体)。
【0075】以上のように当該方法を使用することによ
り容易に光学純度の高い生成物を得ることができた。ま
た、生成物の絶対配置はS体のエナンチオマーが優先的
に生成する場合が多かったが、5)に示したようにアミ
ノ酸の保護基を適宜選択することにより、R体のエナン
チオマーも過剰に生成することができた。
【0076】実施例4 化合物1(0.955g ,2.00mmol)を20m
molりん酸緩衝液(pH7.5)200mlに懸濁し、シ
クロヘキサン100mlを加えた。この懸濁液にキモトリ
プシン粉末(2.0g )を加え25度で2日間撹拌し
た。反応液にTFAを加え、生じた沈殿をろ去した。ろ
液を酢酸エチル(100ml,3回)で洗浄した後、水
層を減圧下濃縮乾固した。得られた残渣を飽和重炭酸ナ
トリウム水溶液に溶解し、クロロホルム(50ml,3
回)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
溶媒を減圧下留去した。
【0077】 収量:0.0345g(0.185mmol,9%) 生成物の光学純度:78%,(S)体。
【0078】比較例1 化合物7−9を実施例3の方法で加水分解反応を行っ
た。以下に各化合物を用いた反応の転換率、残存した基
質の光学純度を示す。
【0079】1)基質 :化合物7 転換率 :0% 基質の光学純度 :0%。
【0080】2)基質 :化合物8 転換率 :0% 基質の光学純度 :0%。
【0081】3)基質 :化合物9 転換率 :3% 基質の光学純度 :14%。
【0082】一般的にキモトリプシンは、疎水性アミノ
酸残基のカルボキシ末端側のペプチド結合あるいはアミ
ド結合を加水分解すると言われている。しかしながら本
発明方法においては、一般式[1]で表わされる4−N
−アシル化ピペラジンアミド化合物のR2が−CH26
5または−CH2−C86Nの場合は、キモトリプシン
による不斉加水分解反応が進行したものの、R2がi−
プロピル基、i−ブチル基などの他の疎水性基の場合
は、キモトリプシンによる不斉加水分解反応は進行しな
かった。
【0083】
【発明の効果】本発明により、4−N−アシル化ピペラ
ジンアミド化合物を酵素を用いて不斉加水分解を行い、
光学活性なピペラジンアミド誘導体を満足のいく光学純
度及び収率にて製造する事ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 (式中、R1は、アミノ基の保護基またはアミノ基を保
    護したアミノ酸もしくはペプチドを表し、R2は、疎水
    性基を表す)で表わされる4−N−アシル化ピペラジン
    アミド化合物。
  2. 【請求項2】一般式[I]においてR2が、−CH26
    5、または−CH2−C86Nである請求項1に記載の
    4−N−アシル化ピペラジンアミド化合物。
  3. 【請求項3】一般式[II] 【化2】 (式中、R1は、アミノ基の保護基またはアミノ基を保
    護したアミノ酸もしくはペプチドを表し、R3は、アリ
    ールアルキル基を表す)で表される4−N−アシル化ピ
    ペラジンアミド化合物を、該化合物を不斉加水分解する
    能力を有する酵素の存在下、不斉加水分解することを特
    徴とする式[III] 【化3】 で表されるピペラジンアミド誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】不斉加水分解する能力を有する酵素が、キ
    モトリプシンである請求項3に記載のピペラジンアミド
    誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式[II]において、R3が−CH2
    65または−CH2−C86Nを表す請求項3または4
    に記載のピペラジンアミド誘導体の製造方法。
JP8073983A 1996-03-28 1996-03-28 ピペラジンアミド化合物及びピペラジンアミド誘導体の製造方法 Pending JPH09255666A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8073983A JPH09255666A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 ピペラジンアミド化合物及びピペラジンアミド誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8073983A JPH09255666A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 ピペラジンアミド化合物及びピペラジンアミド誘導体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09255666A true JPH09255666A (ja) 1997-09-30

Family

ID=13533859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8073983A Pending JPH09255666A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 ピペラジンアミド化合物及びピペラジンアミド誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09255666A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4171423B2 (ja) 高純度ペリンドプリルの調製方法および合成に有用な中間体
JPH07304770A (ja) 新規ベンゾアゼピノン誘導体
JPS60164495A (ja) N‐ホルミルアミノ酸とペプチド残基の酵素的結合法
EP1603558B1 (en) Process for preparation of perindopril and salts thereof
EP1140795A1 (en) N-3, 3-dimethylbutyl-l-aspartic acid and esters thereof, the process of preparing the same, and the process for preparing n-[n-(3,3-dimethylbutyl)-l-alpha-aspartyl)-l-phenylalanine-1-methylester therefrom
US6639094B2 (en) Process for producing α-aminoketone derivatives
JPH09255666A (ja) ピペラジンアミド化合物及びピペラジンアミド誘導体の製造方法
JPH02256655A (ja) 光学活性なスレオージヒドロキシフェニルセリン誘導体の製造方法
JP2641464B2 (ja) 酵素によるペプチド結合の生成反応
US7960558B2 (en) Pharmaceutical intermediate for synthesizing ACE inhibitors and the use thereof
JP4856184B2 (ja) オリゴペプチドアミドからオリゴペプチドアルキルエステルへの酵素転化
JP2000154198A (ja) 環状デプシペプチドの固相合成方法及びその中間体
US3948971A (en) N-protected-α-amino acid compounds
JP2004504405A (ja) 化学的方法
EP1123410B1 (en) The enzyme-mediated synthesis of peptidomimetics
US4760162A (en) Inorganic acid salt of N-(1(S)-ethoxycarbonyl-3-phenylpropyl)-L-alanylchloride and process for preparing the same
CA2268544A1 (en) N.alpha.-2-(4-nitrophenylsulfonyl)ethoxycarbonyl-amino acids
JP2748897B2 (ja) 新規なアルギニン誘導体およびこれを用いるペプチドの製造方法
Goodman et al. The stereocontrolled synthesis of orthogonally protected (R)-α-methyltryptophan
JPH0786102B2 (ja) 光学活性な6−(4−イミダゾリルメチル)−3−置換−2,5−ピペラジンジオンの製造法
TW201605782A (zh) 具有硫醇基之d-體或l-體胺基酸衍生物的製造方法
JP3005072B2 (ja) セファロスポリン誘導体の製法
EP1440977B1 (fr) Procédé de synthèse amélioré de dérivés diamides du tripeptide KPV
Sureshbabu et al. HOAt. DCHA as co-coupling agent in the synthesis of peptides employing Fmoc-amino acid chlorides as coupling agents: Application to the synthesis of β-casomorphin
JPH01193296A (ja) ジペプチド