JP5097104B2 - 新規イソジペプチド - Google Patents

新規イソジペプチド

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Description

本発明はペプチド等の合成ユニットとして有用な新規イソジペプチドに関する。
“Difficult sequence”含有ペプチド合成はペプチド化学領域において重大な問題の一つである。この問題を有するペプチドは通常の固相合成法では、しばしば収率・純度の顕著な低下が観察される。またこの様なペプチドは一般に疎水性が高く、合成・精製過程において、種々の溶媒中で容易に凝集する。その原因は、ペプチド鎖間の疎水的相互作用および水素結合により形成されるβ-sheet構造による微小な凝集体のためと考えられている。
最近本発明者らは、difficult sequence含有ペプチドの効率的合成法として “O-アシルイソペプチド法”を開発した(非特許文献1,2参照)。この方法はセリン残基のような水酸基含有アミノ酸においてアミド結合をエステル結合に異性化したO-アシルイソペプチドを合成し、続いてO−N分子内アシル転位反応により目的のペプチドを得る方法である。
しかしながら、この方法を実施して、目的のペプチド等(短鎖、長鎖ペプチド、蛋白質、以下これらを含めて、ペプチドと記す。)を高収率、高純度で合成するには、なお高度な技術が要求されると共に、合成反応途上、即ちエステル化反応の際に、例えばエステル化されたバリン残基においてラセミ化が高い割合で起こり、収率の低下並びに分離の煩雑さを伴うことが判明した。
Tetrahedoron Letters 45 (2004) 5965-5968 Chem. Commun., 2004, 124-125
本発明者らは上記問題を解決するために、更に鋭意検討の結果、下記の新規ジイソペプチド(1)を、特に固相合成法における合成ユニットとして用いることにより、目的のペプチドが簡便にして、高収率、高純度で合成しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記式(1)
Figure 0005097104
(式中、AはN−保護アミノ酸の酸残基を意味し、Raはアミノ基の保護基を意味し、Xaはカルボキシル基、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を意味し、Yaはカルボキシル基、水素原子またはアルキル基を意味し、Zは水素原子またはアルキル基を意味し、そしてnは0−3の整数を意味する。ただし、XaとYaのいずれか一方のみはカルボキシル基を意味する。)
で表されるイソジペプチドを提供することにある。
固相合成法において、本発明のイソジペプチド合成ユニットを用いれば、所望のペプチドを全自動的に合成しうるので、その合成が極めて簡便であると共に、工業的見地から極めて大きなメリットを有する。
更には本発明の上記イソジペプチド(1)をペプチドの合成ユニットとして用いることにより、意外にも上記の様なラセミ化の副反応を防止しうることを見出し、目的のペプチドが高収率、高純度で得られることが判明した。
発明を実施するための形態
本発明は、式(1)
Figure 0005097104
(式中、A、Ra、Xa、Yaおよびnは前掲と同じである。)
で表されるイソジペプチドに関する。
式(1)のXaおよびYaにおけるアルキル基としては、特に限定されないが、好ましくは炭素数1−6の直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられる。また、式(1)のXaにおけるアラルキル基、アリール基またはヘテロアリール基におけるアリールまたはヘテロアリール部はメチル、ニトロ、クロロなどの置換基を有していてもよい。
好ましいイソジペプチドとしては、式(1)において、nが0または1であるイソペプチド、式(1)において、Xaがカルボキシル基であり、Yaが水素原子、アルキル基であり、そしてnが0であるイソペプチドまたはその光学活性体、そして式(1)において、Xaが水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、Yaがカルボキシル基であり、そしてnが0であるイソペプチドまたはその光学活性体が、それぞれ挙げられる。
式(1)におけるアミノ酸のN保護基およびRで示される保護基としては、通常のアミノ酸のアミノ保護基が対象とされる。好ましい保護基としては、イソジペプチド(1)におけるエステル結合が開裂することなく、その保護基のみが脱離される基が望ましく、ウレタン型アミノ基保護基、例えば9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、2−クロロベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。
なお、Aで示されるN−保護アミノ酸の酸残基において、該アミノ酸が水酸基、更なるカルボキシル基等の側鎖官能基を有する場合は、それらを適当な公知の保護基で保護することが望ましい。
イソジペプチド(1)の中で特に好ましい化合物は、
下記式(1a)
Figure 0005097104
(式中、AおよびRaは前掲と同じであり、そしてRは水素原子またはメチル基を意味する。)
で表されるイソジペプチドである。この化合物(1a)はL-スレオニンまたはL-セリンを構成因子として含むポリペプチドを合成する方法において、特に利用価値が高い。
更には、下記式(1b)
Figure 0005097104
(式中、Fmocは9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基を意味し、Bocはtert-ブトキシカルボニル基を意味し、そしてRは前掲と同じである。)
で表される化合物である。
この化合物(1b)は、L-バリン-L-スレオニンまたはL-バリン−L-セリン 結合のジペプチドを構成因子とするペプチド合成に特に利用価値が高い。
イソジペプチド(1)の中で最も好ましい化合物は、下記式(1c)で表される化合物である(以下単に、"Boc-Thr(Fmoc-Val)-OH”と記すこともある。)。
Figure 0005097104
(式中、FmocおよびBocは前掲と同じである。)
なお、本発明に係るイソジペプチド(1)から誘導、あるいはそれを修飾した化合物であって、本発明の化合物と同じ機能を有する化合物も当然本発明の範囲に包含される。
本発明に係るイソジペプチド(1)は、カルボン酸とアルコールによる公知のエステル化法により製造される。
即ち、A−OHで示されるN−保護アミノ酸と下記式(2)
Figure 0005097104
(式中、Ra、Xa、Ya、Zおよびnは前掲と同じである。)
で示される側鎖に水酸基を有するアミノ酸であって、そのカルボキシル基を保護した化合物(2a)とを反応させ、イソエステル体(2b)を得、ついで該カルボキシル基の保護基のみを脱離せしめることによりジイソペプチド(1)が製造される。
式(2)で示される化合物としては、具体的にはスレオニン、セリン、スタチン、ノルスタチン等の側鎖に水酸基を有するアミノ酸が好ましく挙げられる。
AOHで示されるN−保護アミノ酸としては、特に制限されず、アミノ基が保護されたαまたはβ−アミノ酸等の種々のタイプのアミノ酸が含まれる。
A−OHで示されるN−保護アミノ酸が側鎖官能基を有する場合、副反応を防止するために、その基を適当な公知の保護基で保護しておくことが望ましい。
上記のエステル化反応は常法に従って実施される。用いられる溶媒としてはクロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられる。反応温度は用いる原料により異なるが、通常25℃前後である。
化合物(2a)のカルボキシル基の保護基は、他のエステル部の開裂を防ぐ意味から、ベンジル基、p−ニトロベンジル基、4−ピリジルメチル基等の水素添加により脱離しうる基が好ましく挙げられる。更には、この点からイソジペプチド(1)の上記アミノ基の保護基も水素添加により脱離しない基が好ましく用いられる。
中間生成物である化合物(2b)のカルボキシル基の脱離処理は、例えばPd/Cの存在下、水素ガスを導入して実施できる。
かくして得られたイソジペプチド(1)は、常法により、単離、精製し、純品を得た後、所望のポリペプチド合成の合成ユニットとして使用される。
原料となるAOHで示される化合物および化合物(2)は、それぞれ1個またはそれ以上の不斉炭素を有する場合がある。従って、原料の種類によっては、目的物のイソペプチドは光学活性体、そのラセミ混合物、ジアステレオマー、その混合物の形で得られる。例えば、それぞれの光学活性な原料を用いることにより、ジアステレオマータイプのイソジペプチド((1b)や(1c)参照)が得られる。
また、ラセミ混合物あるいはジアステレオマー混合物の形で得られた場合、目的に応じて、常法に従い光学分割、分離作業を行い、光学純度の高い所望のイソジペプチドを得ることができる。
以下にペンタペプチドであるAc-Val-Val-Thr-Val-Val-NH2(3a)を例にとり、Boc-Thr(Fmoc-Val)-OH(1c)を合成ユニットとして用い、固相合成法によるその合成法をスキームで表す。
Figure 0005097104
(上記式中のFmoc、Bocは前掲と同じ基を意味し、TFAはテトラフルオロ酢酸を意味する。そして構成アミノ酸は全てL-アミノ酸である。)
上記反応行程における各工程における反応条件は以下の通りである。
Reaction i: 20% ピペリジン/DMF 20分間
Reaction ii: Fmoc-Val-OH (2.5eq), 1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(2.5eq), 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.5eq) DMF中 2時間
Reaction iii: Boc-Thr(Fmoc-Val)OH(2.5eq), 1,3-ジイソプロピルカルボ
ジイミド)(2.5eq), 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(2.5eq) DMF中 2時間
Reaction iv: Ac2O(1.5eq), トリエチルアミン(1.0eq) DMF中 2時間
Reaction v: TFA-m-クレゾール-チオアニソール-H2O 1.5時間
Reaction vi: リン酸緩衝生理食塩水, pH 7.4(25℃)
上記のFmoc-Val-OHに代えて、Fmocなどで保護した他のアミノ酸を用いることにより、所望の種々のdifficult sequenceを含むペプチドを合成することができる。アミノ酸またはペプチドに対する他のアミノ酸のカップリング反応は、ペプチド合成における常法により実施される。またエステルのO−N分子内アシル転位反応(Reaction vi)も公知の方法(非特許文献1参照)で実施される。
以下実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
Boc-Thr(Fmoc-Val)-OHの合成
Figure 0005097104
N-(t-ブトキシカルボニル)-L-スレオニンベンジルエステル(BocThrOBzl))(139 mg, 0.449 mmol)を脱水CHCl3(10 mL)に溶解し、N-(9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル)-L-バリン(FmocValOH),(183 mg, 0.539 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(5.5 mg, 0.045 mmol)および1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・HCl (104 mg, 0.539 mmol)を0℃で順次加えた。反応液を2時間かけて徐々に室温にし、さらに室温で5時間撹拌した。反応液をAcOEtで希釈した後、H2O、1M HCl、飽和NaHCO3および飽和食塩水で洗浄、MgSO4で乾燥し減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(AcOEt:hexane 1:4)で精製し、Boc-Thr(Fmoc-Val)-OBzlを得た(266mg, 0.422 mmol, 収率94%)。上記反応においてラセミ化は観察されなかった(これは別途D-バリン誘導体を合成することにより確認した。)。その後、Boc-Thr(Fmoc-Val)-OBzl(236 mg, 0.374 mmol)のAcOEt(10 mL)溶液にPd/C(12 mg)を加え、反応液を激しく3時間撹拌した。Pd/Cをセライトで濾去し、溶媒を減圧濃縮、シリカゲル(AcOEt:hexane 1:2)による濾過後、MeOHにて洗浄することで高純度の目的物Boc-Thr(Fmoc-Val)-OH(3a)を得た(186 mg, 0.346 mmol, 収率92%)。
HRMS (FAB): calcd. for C29H36N2O8Na (M+Na)+: 563.2369, found: 563.2373; HPLC analysis at 230 nm: 純度 95%以上; NMR (CD3OD, 400 MHz): δ 7.79 (d, 3J(H,H) = 7.3 Hz, 2 H, CH), 7.75-7.66 (m, 2H, CH), 7.38 (t, 3J(H,H) = 7.5 Hz, 2 H, CH), 7.33-7.29 (m, 2H, CH), 5.44-5.41 (m, 1H, CH), 4.38 (d, 3J(H,H) = 7.0 Hz, 2 H, CH2), 4.25-4.22 (m, 2 H, CH), 4.05-4.01 (m, 1 H, CH), 2.11-2.02 (m, 1 H, CH), 1.44 (s, 9 H, CH3), 1.25 (d, 3J(H,H) = 6.4 Hz, 3 H, CH3), 0.91, 0.89 (2d, 3J(H,H) = 7.7, 7.0 Hz, 6 H, CH3).
BocThrOBzlに代え、N-(t-ブトキシカルボニル)-L-セリンベンジルエステル(BocSerOBzl)を用い、上記実施例1の方法に準じて実施することによりBoc-Ser(Fmoc-Val)-OHを合成することができる。
Ac-Val-Val-Thr-Val-Val-NH2 (3a)の合成
Rink Amide AM resin(100 mg, 0.071 mmol)を使用し、この樹脂をDMF(1.5 mL, ×5)で洗浄した後、配列に従ってFmoc-Val-OHを用いて通常の方法によりH-Val-Val-NH-resin を構築した。これに、実施例1で合成したBocThr(FmocVal)OH (100 mg, 0.18 mmol)をDMF(1.5 mL)中、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(29.0 μL, 0.18 mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(28.4 mg, 0.18 mmol)存在下で縮合した。その後、Fmoc-Val-OH(62.8 mg, 0.18 mmol)導入、Ac2O(10.5 μL, 0.11 mmol)-トリエチルアミン(10.4 μL,0.071 mmol) によりN-アセチル化を行った。保護ペプチド樹脂をチオアニソール(66.7 μL)、m-クレゾール(66.7 μL)およびH2O(66.7 μL)存在下TFA (2.47 mL)中で90分間撹拌し、反応液を濃縮、Et2Oによる洗浄、H2Oに懸濁、凍結乾燥し、下記構造のO-アシルイソペプチド(4a)
Figure 0005097104
を白色無晶形として得た(21.2 mg, 収率44.5%)。
HRMS (FAB): calcd for C26H49N6O7 (M+H)+: 557.3663, found: 557.3666; HPLC analysis at 230 nm: 純度 95%以上.
この反応生成物において、H-Thr-Val-Val-NH2が観察されなかったことから、形成されたエステル結合がピペリジンやTFA処理中安定であること、そして最後のValにおける脱 Fmoc反応の際ジケトピペラジン形成反応が進行しなかったことが推察される。
上記O-アシルイソペプチド(4a) (3.0 mg)をpH 7.4の リン酸緩衝生理食塩液に溶解し (3 mL)、室温で一晩撹拌した。析出した白色沈殿物を濾過、H2OおよびMeOHで洗浄、真空ポンプで乾燥し、白色粉末のAc-Val-Val-Thr-Val-Val-NH2(3a)を得た(収量: 2.4 mg (96%))。
HRMS (FAB): calcd. for C26H49N6O7 (M+H)+: 557.3663, found: 557.3667; HPLC analysis at 230 nm: 純度 95%以上; 得られた化合物のHPLC (0100% CH3CN 40分間 230 nm) 上の保持時間は常法により合成したペプチド(3a)のそれと一致した。
化合物(4a)は4℃で少なくとも2年間安定であった。一方、化合物(4a)をリン酸緩衝液 (pH 7.4) に溶解、室温で撹拌した際、ペプチド(3a)への定量的なON分子内アシル転位反応が副反応を伴うことなく観察された。
本発明のイソジペプチド(1)をペプチドの合成ユニットとして用いることにより、ラセミ化等の副反応を防止しうると共に、固相法により所望のペプチドを全自動的に合成しうる。

Claims (8)

  1. 側鎖に水酸基を有するアミノ酸を構成因子として含むペプチドを合成する方法において、下記式(1)
    Figure 0005097104
    (式中、AはN−保護アミノ酸の酸残基を意味し、Raはアミノ基の保護基を意味し、Xaはカルボキシル基を意味し、Ya は水素原子またはアルキル基を意味し、Zは水素原子またはアルキル基を意味し、そしてnは0の整数を意味する。)
    で表されるイソジペプチドを合成ユニットとして用い、および
    反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、
    とを特徴とする該ペプチドの合成法。
  2. L−スレオニンまたはL−セリンを構成因子として含むペプチドを合成する方法において、下記式(1a)
    Figure 0005097104
    (式中、A、Raは請求項1の記載と同じであり、そしてRは水素原子またはメチル基を意味する。)
    で表されるイソジペプチドを合成ユニットとして用い、および
    反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、
    とを特徴とする該ペプチドの合成法。
  3. L−バリン−L−スレオニンまたはL−バリン−L−セリンを構成因子として含むペプチドを合成する方法において、下記式(1b)
    Figure 0005097104
    (式中、Fmocは9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基を意味し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を意味し、そしてRは請求項2の記載と同じである。)
    で表されるイソジペプチドを合成ユニットとして用い、および
    反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、
    とを特徴とする該ペプチドの合成法。
  4. L−バリン−L−スレオニンまたはL−バリン−L−セリンを構成因子として含むペプチドを合成する方法において、下記式(1c)
    Figure 0005097104
    (式中、FmocおよびBocは請求項3の記載と同じである。)
    で表されるイソジペプチドを合成ユニットとして用い、および
    反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、
    とを特徴とする該ペプチドの合成法。
  5. 側鎖に水酸基を有するアミノ酸を構成因子として含むペプチドを合成するための、下記式(1)
    Figure 0005097104
    (式中、AはN−保護アミノ酸の酸残基を意味し、Raはアミノ基の保護基を意味し、Xaはカルボキシル基を意味し、Ya は水素原子またはアルキル基を意味し、Zは水素原子またはアルキル基を意味し、そしてnは0の整数を意味する。)
    で表されるイソジペプチドの合成ユニットとしての使用であって、
    該ペプチドの合成において反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、該使用。
  6. L−スレオニンまたはL−セリンを構成因子として含むペプチドを合成するための、下記式(1a)
    Figure 0005097104
    (式中、A、Raは請求項の記載と同じであり、そしてRは水素原子またはメチル基を意味する。)
    で表されるイソジペプチドの合成ユニットとしての使用であって、
    該ペプチドの合成において反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、該使用。
  7. L−バリン−L−スレオニンまたはL−バリン−L−セリンを構成因子として含むペプチドを合成するための、下記式(1b)
    Figure 0005097104
    (式中、Fmocは9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニル基を意味し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を意味し、そしてRは請求項の記載と同じである。)
    で表されるイソジペプチドの合成ユニットとしての使用であって、
    該ペプチドの合成において反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、該使用。
  8. L−バリン−L−スレオニンまたはL−バリン−L−セリンを構成因子として含むペプチドを合成するための、下記式(1c)
    Figure 0005097104
    (式中、FmocおよびBocは請求項7の記載と同じである。)
    で表されるイソジペプチドの合成ユニットとしての使用であって、
    該ペプチドの合成において反応工程の最後にリン酸緩衝生理食塩水中でO−N分子内アシル転位反応を行う、該使用。
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