JP2764281B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2764281B2 JP63247032A JP24703288A JP2764281B2 JP 2764281 B2 JP2764281 B2 JP 2764281B2 JP 63247032 A JP63247032 A JP 63247032A JP 24703288 A JP24703288 A JP 24703288A JP 2764281 B2 JP2764281 B2 JP 2764281B2
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真用感光体に関し、詳しくは支持体上
にアルミニウム蒸着層を設け、その上に光導電性層を設
けた電子写真感光体の改良に関する。
〔従来の技術〕
支持体上にアルミニウム蒸着層を設け、その上に光導
電性層を設けた感光体が知られているが、この感光体は
経時によって帯電電位、感度あるいは残留電位等の感光
体特性が変化するという欠点がある。
この欠点を解消するために、アルミニウム蒸着層と光
導電性層の間に特定のアンダー層を設けた電子写真感光
体が提案されている(特開昭58−189645号公報)が、こ
のものは感度、帯電電位などの特性に優れたものである
が、アルミニウム蒸着層の酸化度が異なることにより感
光体特性が変動する難点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、経時による感度や帯電電位等の感光体特性
の変化がなく、高品質の複写画像を与える電子写真用感
光体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、支持体上にアルミニウム蒸着層を設
け、その上に光導電性層を形成してなる電子写真用感光
体において、アルミニウム蒸着層の表面にAl2O3とAlと
が混在し、かつその表面のAl2O3及びAl濃度がX線光電
分光法による測定法でAl2O3が80%以上であり、Alが20
%以下であることを特徴とする電子写真用感光体が提供
される。
本発明者らは、アルミニウム蒸着層を導電層とした感
光体の経時による感度や帯電電位の変動を解決すべく鋭
意検討した結果、アルミニウム蒸着層の表面の酸化度が
大きくなると、感光体特性の変動が小さくなり、感光体
の品質のばらつきがなくなることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
即ち、一般にアルミニウム蒸着層は自然酸化を受け、
その表面層にはX線光電分光法による測定法で50〜75%
程度のAl2O3が含有されているが、この程度の酸化状態
では金属アルミニウム中のフリーキャリアが感光層に注
入したり、あるいは経時によるアルミニウム蒸着層の酸
化があるため、安定した感光体特性を呈しないが、X線
光電分光法による測定法でアルミニウム蒸着層の表面に
Al2O3とAlとが混在し、かつその表面のAl2O3及びAl濃度
がAl2O3が80%以上、Alが20%以下であると、意外にも
経時によって感度や帯電電位等の感光体特性が変化しな
いことが判明した。
X線光電分光法は一般にXPSと呼ばれる測定法である
が、本発明においてはVG ESCALAB MK−2(VGサイエン
ティフィック社製)を用いてアルミニウム蒸着層の表面
のAl2O3及び Alの濃度を測定した。
本発明においては、アルミニウム蒸着層の表面層のAl
2O3濃度を80%以上及びAl濃度を20%以下とするが、表
面から50〜150Åの付近のAl2O3及びAl濃度がAl2O3 60%
以上、Al 40%以下となるようにすると更に安定した感
光体特性が得られる。
本発明において、アルミニウム蒸着層の表面あるいは
内部のAl2O3濃度を上記特定範囲にするには、酸化手段
として、たとえばオゾン酸化、熱による酸化、水による
酸化、酸、アルカリによる酸化、化学反応、蒸着による
酸化等の方法が採用されるが、取扱い上、品質上の点か
らみてオゾン酸化法や化学反応蒸着による酸化法を採る
ことが望ましい。オゾン酸化法を採る場合、その条件
は、濃度:10〜20ppm、導入速度:0.1〜0.2m/分(幅1mの
曝露装置)程度とするのが良い。
本発明で用いる支持体としては、プラスチックを主体
とする支持体が挙げられ、このような例としては、AB
S、ACS、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、塩素
化ポリマーエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポ
リアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリア
リレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリイミド、メタクリル樹脂、ポリメチルペンテ
ン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリス
ルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン
樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、エポキシ樹脂、メタクリル−スチレン共重合体等
が挙げられる。
本発明における光導電性層は、単層型でも積層型のい
ずれでも良い。
単層型の光導電性層とは電荷発生と電荷移動の両方の
機能を1つの層にもつものであり、画像露光によって電
荷潜像を形成させることを目的とする層である。
この種の光導電性層はフタロシアニン顔料、アゾ顔料
と結着剤樹脂とをまた必要に応じて後述する電荷移動物
質と共に導電性基体上に形成される。結着剤樹脂として
は後述する積層型光導電性層と同様のものが使用され
る。また、ポリ−N−ビニルカルバゾールと2,4,7−ト
リニトロ−9−フルオレノンからなるものやピリリウム
系染料とビスフェノールA系ポリカーボネートから形成
される共晶錯体に電荷移動性物質を添加した単層型光導
電性層も使用出来る。厚さは5〜30μmが適当である。
また、積層型光導電性層におけおる電荷発生層は、画
像露光によって電荷を発生分離させることを目的とする
層である。本発明においては、電荷発生層は、有機系染
顔料を電荷発生物質とするものであり、有機系顔料とし
てはフタロシアニン系顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ
顔料、ペリレン系顔料、スクアリック塩系染料、アズレ
ニウム塩系染料、キノン系縮合多環化合物等がある。ジ
スアゾ顔料およびトリスアゾ顔料の具体例を以下に示
す。
これらの有機系染顔料は、樹脂中でまたは樹脂無しで
有機溶媒を加えてボールミル法等の方法で分散して用い
る。これら有機系染顔料を分散する樹脂(結着剤)とし
てはたとえばポリアミド、ポリウレタン、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルな
どの縮合系樹脂並びにポリスチレン、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリNビニルカルバゾール、
ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の重合体お
よび共重合体があげられ、絶縁性と接着性が要求され
る。電荷発生層は上記の染顔料を分散し、同様の方法で
アルミニウム蒸着層上に成膜および乾燥して膜厚0.05μ
m乃至数μmの電荷発生層を形成する。有機系染顔料の
含有量は60重量%乃至100重量%が好ましい。
電荷発生層の上に設けられる電荷移動層は、帯電電荷
をその表面に保持させ、また、露光により電荷発生層で
発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と
結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持
させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求さ
れ、また保持した帯電電荷で高い表面電位を得る目的を
達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良
いことが要求される。これらの要件を満足させるべく、
有機電荷移動性物質を有効成分として含有する有機電荷
移動層が用いられる。有機電荷移動性物質としては、た
とえば、ポリ−N−ビニルカルバゾール系化合物、ピラ
ゾリン系化合物、α−フェニルスチレンベン系化合物、
ヒドラゾン系化合物、ジアリールメタン系化合物、トリ
フェニルアミン系化合物、ジビニルベンゼン系化合物、
フルオレイン系化合物、アントラセン系化合物、オキサ
ジアゾール系化合物、ジアミノカルバゾール系化合物な
ど従来知られている化合物を使用することができる。ポ
リビニルカルバゾール等の重合体以外のこれら有機電荷
移動物質は、前述の電荷発生層の結着剤として示したも
のと同様の樹脂へ配合して用いられる。ただし、電荷発
生層で使用される樹脂と電荷移動層で使用される樹脂と
が同じである必要はない。またこれらには、必要に応じ
て可塑剤が配合される。こうした可塑剤としては、例え
ばハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジブチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホ
スフェート等やポリエステル等の重合体及び共重合体な
どがあげられる。電荷移動物質と上記結合剤樹脂と(成
膜時のレベリング剤としての)シリコン油とを有機溶媒
に溶解して、中間層および電荷発生層と同様の方法で成
膜および乾燥して、膜膜5μm乃至100μmの電荷移動
層を電荷発生層上に形成する。電荷移動物質と樹脂結合
剤比は、2/8乃至8/2重量比であって、樹脂結合剤に対す
るシリコン油量は、0.001重量%乃至1重量%である。
また、本発明においては、アルミニウム蒸着層と、光
導電性層との間に中間層を設けることにより、本発明の
効果をいっそう向上させることが可能であり、また接着
性を改良することもできる。
中間層には、SiO、Al2O3等の無機材料を蒸着、スパッ
タリング、陽極酸化などの方法で設けたものや、ポリア
ミド樹脂(特開昭58−30757号公報、特開昭58−98739号
公報)、アルコール可溶性ナイロン樹脂(特開昭60−19
6766号公報)、水溶性ポリビニルブチラール樹脂(特開
昭60−232553号公報)、ポリビニルブチラール樹脂(特
開昭58−106549号公報)、ポリビニルアルコールなどの
樹脂層を用いることができる。
また、上記樹脂中間層にZnO、TiO2、ZnS等の顔料粒子
を分散したものも、中間層として用いることができる。
更に、本発明の中間層として、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を
使用することもできる。中間層の膜厚は0〜5μmが適
当である。
なお、本発明において、光導電性層の上にさらに絶縁
層や保護層を設けることも可能である。
〔効果〕
本発明の実施写真用感光体は、前記構成からなり、特
定のアルミニウム蒸着層を用いたことから、経時による
感度や帯電電位等の感光体特性の変化が極めて小さいた
め、高品質の複写画像を与える。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 膜厚75μmのポリエステルフィルム上にアルミニウム
を蒸着して膜厚800〜1000Åのアルミニウム蒸着層を設
けた。ついでその表面を幅1mのオゾン曝露装置を用い、
温度60〜70℃、オゾン濃度20ppm、導入速度0.1〜0.2m/
分の条件下でオゾン曝露して表面酸化し、XPS(X線光
電分光法VG ESCALAB MK−2)の測定法によってAl2O3
度80%、Al濃度20%からなるアルミニウム蒸着層を設け
た。
ついで、このアルミニウム蒸着層に下記組成からなる
電荷発生層塗工液を塗布して膜厚0.2μmの電荷発生層
を設けた。
〔電荷発生層用塗工液〕
ブチラール樹脂 5重量部 シクロヘキサノン 150重量部 下記トリアゾ顔料 15重量部 上記混合物を48時間、ボールミル中に分散して固形分
が2重量%となるようにシクロヘキサノンで希釈したも
の。
ついで、この電荷発生層上に下記組成からなる電荷輸
送層用塗工液をノズルコートし、130℃で15分間乾燥し
て膜厚20μmの電荷輸送層を設けて本発明の電子写真用
感光体を作製した。
ポリカーボネート 10重量部 ヒドラゾン化合物 9重量部 テトラヒドロフラン 90重量部 実施例2 実施例1において、オゾン曝露を100℃で行なった以
外は実施例1と同様にして本発明の電子写真感光体を作
製した。
なお、この感光体のアルミニウム蒸着層表面のXPSの
測定法によるAl2O3濃度及びAl濃度は以下のとおりであ
った。
表面:Al2O3 90%、Al 10% 表面から50〜150Å:Al2O3 60%、Al 40% 比較例1 実施例1において、アルミニウム蒸着層のオゾン曝露
を行なわない以外は実施例1と同様にして比較用の電子
写真用感光体を作製した。
なお、この感光体のアルミニウム蒸着層表面並びに表
面から50〜150ÅのXPSの測定法によるAl2O3濃度及びAl
濃度は以下のとおりであった。
表面:Al2O3 73%、Al 27% 表面から50〜150Å:Al2O3 38%、Al 62% 前記で得た感光体の感度(lux・sec)及び帯電電位
(V)をエレクトロスタティックペーパーアナライザー
SP−428(川口電機製作所社製)を用い、次の測定条件
で測定した。その結果を表−1に示す。
なお、感度及び帯電電位は以下のようにして算出し
た。
感度(lux・sec)=露光後の電位が800Vから80Vに低下
するのに必要な露光量 帯電電位=帯電20秒後の電位
フロントページの続き (72)発明者 後藤 久義 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭49−8345(JP,A) 特開 昭63−168661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上にアルミニウム蒸着層を設け、そ
    の上に光導電性層を形成してなる電子写真用感光体にお
    いて、アルミニウム蒸着層の表面にAl2O3とAlとが混在
    し、かつその表面のAl2O3及びAl濃度がX線光電分光法
    による測定法でAl2O3が80%以上であり、Alが20%以下
    であることを特徴とする電子写真用感光体。
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