JP2763933B2 - 点火コイル一体型ディストリビュータ - Google Patents

点火コイル一体型ディストリビュータ

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JP2763933B2
JP2763933B2 JP1251036A JP25103689A JP2763933B2 JP 2763933 B2 JP2763933 B2 JP 2763933B2 JP 1251036 A JP1251036 A JP 1251036A JP 25103689 A JP25103689 A JP 25103689A JP 2763933 B2 JP2763933 B2 JP 2763933B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は点火コイル一体型ディストリビュータに関
し、特に、内燃機関に適用され小ペースで配設すること
ができ、小型の磁気シールド部材を用いて点火コイルの
2次高電圧出力を低下させることなくピックアップコイ
ルに対する点火コイルからの磁束漏洩を有効に低減する
ことできる点火コイル一体型ディストリビュータに関す
る。
〔従来の技術〕
第14図乃至第17図に基づき従来自動車に用いられる一
般的点火装置を説明する。101は内燃機関の回転に比例
して回転するシャフト102に取付けられたリラクタであ
り、リラクタ101は、内燃機関のシリンダ数と同数の突
起を有し、永久磁石103と結合されたステータ104に近接
して配設される。リラクタ101とステータ104と永久磁石
103は閉じた磁気回路を形成する。リラクタ101の回転に
伴うリタクタ101とステータ104の間のギャップ間隔の変
化により前記磁気回路の磁気抵抗が変化し、磁気回路中
の磁束密度が変化する。ピックアップコイル105にはこ
のコイルに鎖交する磁束の変化によって第15図の(A)
に示されるような波形をした点火制御電圧106が発生す
る。107は点火信号増幅器で、この点火信号増幅器107は
前記点火制御電圧106を入力し、第15図(A)に示す点
火しきい電圧108を用いて点火コイル109へ供給する電流
を制御する。具体的には、第15図(A),(B)に示す
ように点火制御電圧106が点火しきい電圧108よりも高い
時には点火コイル109の1次側へ点火電流110を通電し、
点火制御電圧106が点火しきい電圧108よりも低くなると
前記点火電流110を遮断する。点火コイル109の1次側へ
の点火電流が遮断されると、点火コイルコアの中の磁束
が大きく変化し、2次側に高電圧が誘起される。点火コ
イル109の2次側に発生した高電圧は配電部111を介して
内燃機関の各シリンダの点火プラグ112a〜112dに分配さ
れ、点火が行われる。なお、リラクタ101の回転シャフ
トと配電部111の回転部材のシャフトとは破線102aで示
すように連動している。
点火コイルコアにおける前記のギャップは、磁気回路
の磁気抵抗を増加させ、昇圧動作中に磁気回路の透磁率
のヒステリシス特性を低減し且つ高い透磁率を保持する
ために必要なものである。ところが、第16図に示すよう
にこの点火コイルコア113のギャップ113aや点火コイル
コアの角部113bは不整漏洩磁束114を非常に放射しやす
い箇所である。従って、小スペースに配設するという観
点からコンパクトになるよう点火コイル113とピックア
ップコイル部が一体化されたディストリビュータでは、
点火コイル113から出た不整漏洩磁束114がピックアップ
コイル105に鎖交する。その結果、第17図(A),
(B)に示すように点火制御電圧106と不整漏洩磁束に
よる電磁ノイズ115が重なることになり、点火制御電圧1
06の波形を狂わせ、点火の誤動作を引き起こすことにな
る。
そこで従来の点火コイル一体型ディストリビュータで
は、不整漏洩磁束に起因する点火の誤動作を防止するた
め、一般的に点火コイル全体を磁気シールド板で覆うよ
うにしていた。また従来のその他の防止手段としては、
ピックアップコイルの周囲を覆うように磁気シールド板
を配置したり(特開昭59−65571号)、点火コイルの側
面に磁性体リングを設置する(特開昭63−205464号)と
いう手段が提案されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前述した従来の点火コイル等の漏洩磁束防止
のための構成によれば次のような問題が提起される。
磁気シールド板がピックアップコイルの周囲を覆うよ
うに形成された従来例では、磁気シールドされた空間の
中に磁気シールド板を貫通する構成部品がある場合、そ
の構成部品の中に大きな磁束が流れるおそれがある。点
火コイルの側面に磁性体リングを設置する従来例では、
その配設位置或いは形状に依存して磁気シールドリング
に生じる渦電流が小さくなり、漏洩磁束を低減する効果
が十分に発揮されないおそれがある。このような理由に
より、点火コイル周囲の磁束分布を分析し正確に見積も
って磁気シールド板や磁気シールドリングの位置や形状
を最適化しないと、磁気シールド効果が不十分になる。
またこのような従来手段で磁気シールド効果を十分に発
揮させるためには、磁気シールド部材の面積を大きくし
なければならなず、このため材料コストが増大するとい
う不具合が生じる。
磁気体シールド板は導電性を有しているので、シール
ドしようとする対象の磁場が非定常磁場であるときに
は、磁気シールド板に渦電流が発生する。渦電流が生じ
ると、磁気シールド板の中にジュール熱を発生させる。
一方、点火コイルの1次側には大電流が流れ、点火コイ
ルコアにも渦電流が流れるので、点火コイルの部分から
も熱が発生している。そのため、点火コイル一体型ディ
ストリビュータでは点火コイルと磁気シールド板が接近
して配設されているので、これらの熱のために温度が上
昇してディストリビュータの動作信頼性が損なわれると
いう不具合を有する。更に、磁気シールド板において渦
電流が生じると、点火コイルに入力されたエネルギが浪
費されることになり、そのため2次コイルの出力電圧が
低下し、点火動作が不完全になるという問題が生じる。
磁気シールド板を用いて高い磁気シールド効果を得る
ためには、比透磁率が高い磁性体を用いて磁気シールド
板を形成すればよい。しかしながら、高い比透磁率を持
つ磁性体は一般に高価であり、また飽和磁束密度が小さ
いために、強い磁界にさらされると磁性体中の磁束密度
が飽和し十分な磁気シールド効果が得られないという問
題が生じる。
加えて、覆われる点火コイルの形状が複雑な形状を有
している場合には、磁気シールド板を作るための加工工
数が多くなり、製造コストが増大するという問題も発生
する。
本発明の目的は、最少の材量を用いて小型の形状に形
成しながら最も有効に点火コイルからの漏洩磁束をシー
ルドし、非定常磁場による渦電流に起因する磁気シール
ド部材からの発熱を抑制し、またシールド対象が強い磁
場であっても有効な磁気シールド効果を発揮し、更に簡
便に且つ安価に製造することが可能な点火コイル一体型
ディストリビュータを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る点火コイル一体型ディストリビュータ
は、内燃機関の回転速度に比例して回転するシャフト
と、このシャフトに取付けられたリラクタと、このリラ
クタの回転に伴う磁束変化を検出し点火タイミング信号
を発生するピックアップコイルと、途中にギャップを有
する状態で閉磁路を形成する点火コイルコアに1次コイ
ル及び2次コイルを巻いて成る点火コイルとを含む点火
コイル一体型ディストリビュータにおいて、前記点火コ
イルに対し、前記ピックアップコイル側に位置する前記
点火コイルコアの角部を覆うカップ形状の第1の磁気シ
ールド部材を配設するとともに、前記第1の磁気シール
ド部材の磁束が集中する部分の壁面内側に飽和磁束密度
の高い第2の磁気シールド部材を複数配設するように構
成される。
本発明に係る点火コイル一体型ディストリビュータ
は、前記構成において、前記第1の磁気シールド部材は
磁性体繊維の束を用いて形成されることを特徴とする。
本発明に係る点火コイル一体型ディストリビュータ
は、前記構成において、前記第1の磁気シールド部材は
複数のスリットを設けて形成されることを特徴とする。
本発明に係る点火コイル一体型ディストリビュータ
は、前記構成において、前記第1の磁気シールド部材は
多数のしわを設けて形成されることを特徴とする。
〔作用〕
本発明の点火コイル一体型ディストリビュータによれ
ば、点火コイルから漏洩する磁束の磁束密度分布を理論
的に厳密に行い、所定の姿勢にて配設される点火コイル
に対し最適な形態及び設置位置で磁気シールド部材を得
ることができたものであり、点火コイルコアのピックア
ップコイル側の角部を少なくとも覆うように形成される
とともに、磁気シールド部材において磁気飽和状態が生
じ易い箇所にて、壁面の内面側に磁束を低減させる機能
を有する第2の磁気シールド板を配設している。
また前記構成を有する点火コイル一体型ディストリビ
ュータにおいて、磁気シールド部材の壁面に渦電流が流
れないように、磁気シールド部材を磁性体繊維材で形成
したり、壁面にスロットやしわを設けたりしている。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図乃至第3図は本発明に係る点火コイル一体型デ
ィストリビュータの第1実施例を示す。第1図は要部縦
断面図、第2図は第1図中のII−II線断面図、第3図は
磁気シールド部材の斜視図である。
第1図において、1はディストリビュータのケーシン
グで、ケーシング1の基部1aはリラクタ2を固定するシ
ャフト3を回転自在に支持する構造を有すると共に、基
部1aの内部上面にはリラクタ2に近接させてピックアッ
プコイル4を永久磁石5とステータ6を、それらがリラ
クタ2と共に磁気回路を形成するよう所定構造にて配設
している。シャフト3は図示しない内燃機関のクランク
シャフトの回転力を伝達され、内燃機関の回転速度に比
例した速度で回転する。シャフト3が回転するとリラク
タ2も回転し、この回転作用によって磁気回路の磁束が
変化し、点火制御電圧信号が発生する。
リラクタ2の約2〜3cmの上方位置に点火コイル7が
配設され、点火コイル7はディストリビュータ1内の支
持内壁部材1bに固定される。点火コイル7において、8
は1次コイル、9は2次コイル、10はコイルコアであ
り、1次コイル8と2次コイル9とはコイルコア10のコ
ア中央部10aの回りに同軸的に巻かれている。コイルコ
ア10は第1図及び第2図に示されるようにほぼ水平の姿
勢にて配設される。11は点火コイル7の下部から図中下
方に突き出るように配設されたコイル出力電極であり、
コイル出力電極11の下端はロータヘッド12の図示されな
いロータ電極に接触している。ロータヘッド12は回転シ
ャフト3の先端に取付けられ、内燃機関の前記回転に連
動して回転する。ロータ電極はロータヘッド12の中央部
から先端にわたって形成されている。ロータヘッド12の
周囲には内燃機関の気筒数に等しい側電極13が配設さ
れ、ローダヘッド12の回転に従ってその先端12aが側電
極13に接触するようになっている。かかる構成により、
点火コイル7で昇圧された点火電圧はコイル出力電極1
1、ロータ電極、側電極13を介してロータヘッド12の回
転により各気筒の点火プラグに分配されて供給される。
水平姿勢に配設されたコイルコア10のコア中央部10a
は例えば直方体の形状に形成され、コア中央部10aの第
1図及び第2図中左端にはキャップ14が設けられ、コイ
ルコア10によって形成される磁路の一部にはギャップが
形成されている。第1図中コア中央部10aはその長手方
向が横向きに配設されており、第2図に示されるように
水平面内のその両側にコイルコア10による閉磁路が形成
される。点火コイル7から出た漏洩磁束がピックアップ
コイル4に鎖交するのを防止するため、点火コイル7と
ピックアップコイル4との間に磁性体材料で形成された
磁気シールド部材15が設置されている。点火コイル7の
周囲にシャフト3等の磁性体部材が存在する場合、点火
コイル7からの漏洩磁束はコイルコア10の角部やギャッ
プ14の周辺のコイルコア角部から多く漏洩する。点火コ
イル7の周囲に配設される磁気シールド部材15は、コイ
ルコア10のピックアップコイル側の角部を下側から覆
う、上部開口部の形状が矩形のカップ形状を有してい
る。かかる形状により磁気シールド部材15はコイルコア
10の角部から出た漏洩磁束をその壁面で効果的に通過さ
せてコイルコア10に戻すようにしている。第3図に磁気
シールド部材15の外観を示す。磁気シールド部材15の形
状は、点火コイル7の下部周囲に設置する磁気シールド
板の形状を任意に変化させてシャフト3上の磁束密度の
変化を3次元磁場解析手法で解析することにより求めら
れたものである。なお、カップ形状の磁気シールド部材
15の底面には前記コイル出力電極11を挿通せしめる孔が
形成されている。また第1図では磁気シールド部材15の
部分のみに関してその右半分を側面図として、左半分を
断面図として示している。また第1図中、1次コイル8
及び2次コイル9の周囲は樹脂等で被覆されている。
次に、第4図乃至第6図に基づき平板形状の磁気シー
ルド部材と本発明に係るコイルコアを覆う形状の磁気シ
ールド部材とを比較して、本発明による磁気シールド部
材15の作用・効果につき説明する。第4図は点火コイル
7に対し平板形状の磁気シールド部材16をシャフト3と
の間に配設した例を示し、図示されるように寸法D,W及
びシャフト先端からの点火コイル7までの距離Lが定義
されている。第5図は基本的には第4図に示された構成
と同じであり、異なる点は、コイルコア10を下側から覆
う形状を有する磁気シールド部材15を用いると共にWが
44mmに設定されている点である。第6図はG,W,Hの各寸
法値に対する平板形状の場合の磁束密度特性(実線で示
される)とコイルコアを覆う形状の場合の磁束密度特性
(破線で示される)を示し、横軸が前記の距離Lを、縦
軸が磁束密度(Gauss)をそれぞれ表しており、シャフ
ト3におけるピックアップコイル設置位置(図中Aの範
囲)での漏洩磁束密度低減目標値は28Gaussに設定され
ている。
第6図において、特に特性BとCの比較で明らかなよ
うに、シャフト3のピックアップコイル設定位置Aでの
磁束密度低減目標値を達成するためには、第4図に示し
た磁気シールド部材16を用いる場合には、コイルコア10
のピックアップコイル側の面の面積の約4倍の大きさの
ものを配設しなければならない。これに対して第5図に
示した磁気シールド部材15を用いる場には、コイルコア
10のピックアップコイル側の面積とほぼ同じ面積の底面
を有するものでよい。また磁気シールド部材15の高さH
の設定については、少なくともコイルコア10におけるピ
ックアップコイル側の面と角部を覆う形状となるように
定めればよい。高さHの最適値としては、磁気シールド
部材15の上縁がコイルコア10の例えば第1図中の上下方
向の厚みの1/2の位置に到達するように設定される値で
ある。
第7図は磁気シールド部材の第2実施例を示し、第3
図と同様な図である。この実施例による磁気シールド部
材15Aは磁性体繊維の束によって形成されている。磁性
体繊維の束によって磁気シールド部材15Aを作るには、
例えば線状の多数の磁性体を磁気シールド部材の形状に
加圧して整形したり、或いは同じく線状の多数の磁性体
を合成樹脂などで相互の絶縁を図りながら磁気シールド
部材の形状に一体成型する等の方法がある。磁気シール
ド部材15Aの配設位置、形状、寸法等は前記第1実施例
の場合と同じである。この実施例による磁気シールド部
材15Aによれば、非定常の漏洩磁束に起因して変動する
電界が生じても、磁性体繊維を利用しているため磁気シ
ールド部材15Aの壁面における渦電流の発生が非常に抑
制され、渦電流のジュール熱によってディストリビュー
タ内の温度が上昇することが防止される。また点火コイ
ル7に供給された点火エネルギが前記渦電流によるジュ
ール熱で消費されないため、点火コイル7の2次出力電
圧が低下し、点火が不十分となることがない。
第8図は磁気シールド部材の第3実施例に示し、第3
図と同様な図である。この実施例による磁気シールド部
材15Bでは、その壁部に例えば縦横で互いに交差するス
リット17を多数形成している。その他の構成については
第1実施例の場合と同様である。従って、磁気シールド
部材15Bに非定常磁場が作用して渦電流を生成する電界
が発生しても、多数のスリット17により渦電流が流れる
通電路が長くなり、その電気抵抗が大きくなって渦電流
が流れにくくなる。そのため、前記の第2実施例と同様
に非定常磁場による渦電流の発生が抑制され、ジュール
発熱が少なくなり、ディストリビュータ内の温度の上昇
を抑えることができると共に、2次出力電圧の低下を防
止することができる。
第9図は磁気シールド部材の第4実施例を示し、第3
図と同様な図である。本実施例による磁気シールド部材
15Cではその壁部に多数の細かいしわ18を形成してい
る。その他の構成は第1実施例の場合と同じである。磁
気シールド部材15Cによれば、前記第2及び第3との各
実施例と同じように、しわ18によって渦電流が流れにく
くなり、渦電流によるジュール熱の発生を抑制すること
ができる。従って、ディストリビュータ内の温度上昇を
抑制し、点火コイル7の2次出力電圧の低下を防止す
る。
第10図は磁気シールド部材の第5実施例を示し、第3
図と同様な図である。この実施例では、第1実施例にお
いて、コイルコア10のコア中央部10aの両端側に位置す
るコイルコア側面と第1実施例で示された磁気シールド
部材15の前記各側面に対応する側壁部との間に、低い透
磁率を有し且つ高い飽和磁束密度を有する磁性体で作ら
れた磁気シールド板19を配設するように構成される。磁
気シールド部材15の側壁の内面と磁気シールド板19との
間には隙間が設けられる。
高い磁気シールド効果を上げるためには比透磁率が高
い磁性体を用いて磁気シールド部材を作製すればよい。
しかし、高い比透磁率を有する磁性体は一般に飽和磁束
密度が小さく、強い磁界にさらされた場合には磁気シー
ルド効果が失われる。そこで、本実施例では、点火コイ
ル7から漏洩した磁束は先ず飽和磁束密度の大きい磁気
シールド板19で磁界の強さが弱められた後、外側に位置
する比透磁率の高い磁性体で形成した磁気シールド部材
15でシールドを行う。従って、本実施例による磁気シー
ルドの構成によれば、強い磁界にさらされた場合でも磁
気シールド効果が失われることがない。また磁気シール
ド部材15と磁気シールド板19との間に隙間を形成するよ
うにしているため、磁気シールド板19の中の磁束が外に
出て磁気シールド部材15の中に入り込み、磁気シールド
部材15の磁束密度を飽和させることはない。
なお、第11図と第12図において点火コイル一体型ディ
ストリビュータにおける上記第5実施例による磁気シー
ルド部材15と磁気シールド板19の配設状態を示してお
く。磁気シールド板19は実際上モールドの中に埋めこま
れる。
第13図は磁気シールド部材の第6実施例を示し、第3
図と同様な図面である。この実施例では、磁気シールド
部材15を、底面部15aと側面部15bの2つの部分に分離し
て製造し、ディストリビュータへの取付け時に接続する
ように構成される。本実施例による磁気シールド部材に
よれば、側面部と底面部がそれぞれ単純な形状で作るこ
とができるため、製造方法が容易となり、製造コストを
低減することができる 〔発明の効果〕 以上の説明で明らかなように、本発明によれば次の効
果が発揮される。
点火コイルから漏洩する磁束の分布状態を分析し正確
に把握するようにしたため、点火コイルからピックアッ
プコイルに漏洩する磁束を最小の磁気シールド面積で効
果的にシールドすることができる。
漏洩磁束が非定常の場合にも、磁気シールド部材にお
いて渦電流が発生しにくい構造を採用するようにしたた
め、渦電流のジュール熱で磁気シールド部材の温度が上
昇することはなく、またジュール熱によるエネルギ損失
が生じないため2次コイル出力電圧が低下することはな
い。
第1の磁気シールド部材に対して磁気シールド効果を
高める第2の磁気シールド部材を付設するようにしたた
め、点火コイルから強い磁界が漏洩したとしても磁気シ
ールド効果が消失することはない。
また、ほぼカップ形状の磁気シールド部材を分割して
形成し後に組立てるように構成したため、加工及び製造
の工数が少なくなり、製造コストが低減されるという効
果が生じる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る点火コイル一体型ディストリビュ
ータの要部縦断面図、第2図は第1図におけるII−II線
断面図、第3図は磁気シールド部材の第1実施例を示す
斜視図、第4図乃至第6図は本発明に係る磁気シールド
部材と従来の磁気シールド部材とを比較するための図、
第7図乃至第9図は磁気シールド部材のそれぞれ第2、
第3、第4の実施例を示す斜視図、第10図は磁気シール
ド部材の第5実施例を示す斜視図、第11図は第5実施例
の磁気シールド部材の配設状態を示すディストリビュー
タの要部縦断面図、第12図は第5実施例の磁気シールド
部材の配設状態を示す第11図中のXII−XII線断面図、第
13図は磁気シールド部材の第6実施例を示す斜視図、第
14図は点火コイル一体型ディストリビュータの構成を示
す図、第15図は点火制御電圧と点火電流を示す波形図、
第16図は点火コイルからの漏洩磁束を説明するための斜
視図、第17図は漏洩磁束がノイズとして加わったときの
第15図と同様な波形図である。 〔符号の説明〕 1……ディストリビュータ 2,101……リラクタ 3,102……シャフト 4,105……ピックアップコイル 5,103……永久磁石 6,104……ステータ 7,109……点火コイル 8……1次コイル 9……2次コイル 10……コイルコア 14……ギャップ 15,15A,15B,15C……磁気シールド部材 17……スリット 18……しわ 19……磁気シールド部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越田 良一 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社日立製作所佐和工場内 (56)参考文献 実開 昭63−24378(JP,U) 実開 平2−35979(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 7/00 F02P 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の回転速度に比例して回転するシ
    ャフトと、このシャフトに取付けられたリラクタと、こ
    のリラクタの回転に伴う磁束変化を検出し点火タイミン
    グ信号を発生するピックアップコイルと、途中にギャッ
    プを有する状態で閉磁路を形成する点火コイルコアに1
    次コイル及び2次コイルを巻いて成る点火コイルとを含
    む点火コイル一体型ディストリビュータにおいて、 前記点火コイルに対し、前記ピックアップコイル側に位
    置する前記点火コイルコアの角部を覆うカップ形状の第
    1の磁気シールド部材を配設するとともに、前記第1の
    磁気シールド部材の磁束が集中する部分の壁面内側に飽
    和磁束密度の高い第2の磁気シールド部材を複数配設し
    たことを特徴とする点火コイル一体型ディストリビュー
    タ。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第1の磁気シール
    ド部材は磁性体繊維の束を用いて形成したことを特徴と
    する点火コイル一体型ディストリビュータ。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記第1の磁気シール
    ド部材は複数のスリットを設けて形成したことを特徴と
    する点火コイル一体型ディストリビュータ。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記第1の磁気シール
    ド部材は多数のしわを設けて形成したことを特徴とする
    点火コイル一体型ディストリビュータ。
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