JP2021174886A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線とシールドとの接触による短絡を防止したコアを用いる磁場検出型の電流センサを提供する。【解決手段】電流センサのセンサ部20は、環状のコア222と、コアを収容する上側コアケース224U、下側コアケース224Lと、上側コアケース224U、下側コアケース224Lに巻回された巻線260と、巻線260を少なくとも部分的に覆う磁気シールド28と、を備える。上側コアケース224U、下側コアケース224Lには、外側へ突出する複数の突起部240が設けられている。巻線260は、突起部240を避けてコ上側コアケース224U、下側コアケース224Lに巻回されている。突起部240の夫々は、巻線260の巻厚サイズよりも大きい突出量サイズを有している。突起部240の夫々は、磁気シールド28に面している。【選択図】図7

Description

本発明は、電流センサに関し、特にコアを用いる磁場検出型の電流センサに関する。
電流センサの一つとして零相変流器が知られている。特許文献1に開示される零相変流器90は、図16に示されるように、環状のコア910と、コアケース920と、コア蓋930と、コイル(巻線)940と、第1及び第2シールド板(磁気シールド)950,952と、環状ケース960とを備えている。図16から理解されるように、コア910は、コアケース920に収容される。コア蓋930は、コアケース920の開口部922を塞ぎ、コア910及びコアケース920とともにコア部92を形成する。コイル940は、コア部92に巻回される。コイル940が巻回されたコア部92は、環状ケース960の第1収容空間962に第1シールド板950とともに収容される。第2シールド板952は、コイル940が巻回されたコア部92を挟んで第1シールド板950の反対側に位置するように、環状ケース960の第2収容空間964に収容される。
特許6520335号公報
特許文献1の零相変流器90において、第1シールド板950は、コイル940に接している。ここで、第1シールド板950は、パーマロイ、ケイ素鋼、純鉄などの比較的抵抗率の低い材料で構成されている。そのため、零相変流器90を組み立てる際にコイル940の絶縁被膜に傷がつくと、コイル940は第1シールド板950との接触によって短絡する虞がある。
本発明は、巻線と磁気シールドとの接触による短絡を防止した電流センサを提供することを目的とする。
本発明は、第1の電流センサとして、センサ部を備える電流センサであって、
前記センサ部は、環状のコアと、前記コアを収容するコアケースと、前記コアケースに巻回された巻線と、前記巻線を少なくとも部分的に覆う磁気シールドとを備えており、
前記コアケースには、外側へ突出する複数の突起部が設けられており、
前記巻線は、前記突起部を避けて前記コアケースに巻回されており、
前記突起部の夫々は、前記巻線の巻厚サイズよりも大きい突出量サイズを有しており、
前記突起部の夫々は、前記磁気シールドに面している
電流センサを提供する。
また、本発明は、第2の電流センサとして、第1の電流センサであって、
前記コアケースは、内周面と、外周面と、前記内周面と前記外周面とを接続する一対の端面とを有しており、
前記突起部は、前記端面の夫々に複数設けられている
電流センサを提供する。
また、本発明は、第3の電流センサとして、第2の電流センサであって、
前記端面の夫々に設けられた前記突起部は、前記コアケースの周方向において等間隔に配置されている
電流センサを提供する。
また、本発明は、第4の電流センサとして、第3の電流センサであって、
前記端面の夫々に設けられた前記突起部の数は、二つである
電流センサを提供する。
また、本発明は、第5の電流センサとして、第2から第4までの電流センサのうちのいずれかであって、
前記突起部の夫々は、前記磁気シールドに面する先端面を有しており、
前記コアケースは、前記先端面から突出する位置決め突起をさらに備えており、
前記磁気シールドは、前記位置決め突起を少なくとも部分的に受ける受部を有している
電流センサを提供する。
また、本発明は、第6の電流センサとして、第2から第5までの電流センサのうちのいずれかであって、
前記突起部の夫々は、前記外周面よりも前記内周面の近くに位置している
電流センサを提供する。
また、本発明は、第7の電流センサとして、第2から第6までの電流センサのうちのいずれかであって、
前記突起部の夫々は、前記コアケースの周方向において一対の側面を有しており、
前記側面の夫々は、前記コアケースの径方向に延びている
電流センサを提供する。
また、本発明は、第8の電流センサとして、第2から第7までの電流センサのうちのいずれかであって、
前記突起部の夫々は、前記コアケースの径方向において外側に位置する外側面を有しており、
前記外側面は、前記径方向の外側へ張り出す形状を有している
電流センサを提供する。
また、本発明は、第9の電流センサとして、第1から第8までの電流センサのうちのいずれかであって、
前記電流センサは、さらにベースと回路基板とL字ピンとを備えており、
前記ベースは、前記センサ部と前記回路基板とを搭載するものであり、
前記L字ピンは、前記巻線の端部に接続される第1直線部と、前記回路基板に接続される第2直線部とを有しており、
前記L字ピンは、前記コアケースの周方向外側に位置しており、
前記L字ピンは、前記第1直線部が前記コアの中心軸と平行となり、前記第2直線部が前記中心軸と直交するように、前記ベースに保持されており、
前記回路基板は、前記第2直線部と直交するように、前記ベースに搭載されている
電流センサを提供する。
また、本発明は、第10の電流センサとして、第9の電流センサであって、
前記磁気シールドは、その内部に前記コア及び巻線を収容しており、
前記磁気シールドは、前記巻線の引き出し部を外部へ引き出すための開口部を有しており、
前記ベースは、前記開口部の近傍に位置するガイドピンを有しており、
前記ガイドピンは、前記引き出し部が前記開口部の縁に接触するのを防止する
電流センサを提供する。
さらに、本発明は、第11の電流センサとして、第10の電流センサであって、
前記ガイドピンは、少なくとも部分的に前記開口部内に位置している
電流センサを提供する。
本発明によれば、コアケースに突起部が設けられている。これにより、コアケースに巻回される巻線と、コアケースに近接配置される磁気シールドとの間に隙間を形成することができ、巻線と磁気シールドとの接触による短絡を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態による電流センサを示す分解斜視図である。電流センサに含まれる巻線は簡略化して描かれている。巻線の引き出し部は図示されていない。 図1の電流センサに含まれる磁心コイル部を示す平面図である。巻線は簡略化して描かれており、その引き出し部は図示されていない。 図2の磁心コイル部を示す正面図である。巻線は簡略化して描かれており、その引き出し部は図示されていない。 図2の磁心コイル部と巻線機のローラーとを示す斜視図である。巻線は簡略化して描かれており、その引き出し部は図示されていない。 図4の磁心コイル部とローラーとを示す正面図である。巻線は簡略化して描かれており、その引き出し部は図示されていない。 図1の電流センサに含まれるセンサ部の平面図である。巻線の引き出し部は図示されていない。 図6のセンサ部を示すA−A線断面図である。破線円内を拡大して示している。 図1の電流センサの半製品の第1状態を示す斜視図である。巻線の引き出し部は、省略されている。巻線は簡略化して描かれており、その引き出し部は図示されていない。 図1の電流センサの半製品の第2状態を示す斜視図である。巻線の引き出し部は、省略されている。巻線の引き出し部は図示されていない。 図1の電流センサの半製品の第3状態を示す斜視図である。巻線の引き出し部は、省略されている。巻線の引き出し部は図示されていない。 図9の半製品を示す平面図である。 図9の半製品を示す別の斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による電流センサに含まれるセンサ部の分解斜視図である。センサ部に含まれる巻線は簡略化して描かれており、その引き出し部は図示されていない。 図13のセンサ部の平面図である。巻線の引き出し部は図示されていない。 図14のセンサ部を示すB−B線断面図である。破線円内を拡大して示している。 特許文献1に開示された零相変流器を示す分解斜視図である。
図1を参照すると、本発明の一実施の形態による電流センサ10は、センサ部20と、ベース30と、回路基板40と、カバー50とを備えている。また、センサ部20は、磁心コイル部22と、磁気シールド28とを有している。
図2及び図3に示されるように、磁心コイル部22は、コア部220と、巻線260とを有している。図6及び図7から理解されるように、コア部220は、コア222とコアケース224とを有している。
図2、図6及び図7から理解されるように、本実施の形態において、コア222の形状は、断面矩形の円環状である。但し、本発明は、これに限られない。コア222の形状は環状であればよく、多角環状や楕円環状であってもよい。コアケース224及び磁気シールド28の形状は、コア222の形状に依存する。コア222は、高透磁率磁性材料からなる。高透磁率磁性材料は、例えば、パーマロイやフェライトである。
図7から理解されるように、コアケース224は、その内部にコア222を収容している。図2、図3及び図7から理解されるように、本実施の形態において、コアケース224は、上側コアケース224Uと下側コアケース224Lとからなる。上側コアケース224Uと下側コアケース224Lの夫々は、絶縁樹脂からなり、断面略U字形の円環状である。ただし、本発明は、これに限定されない。コアケース224は、例えば、断面略U字形の環状の容器と、略円板形状の蓋で構成されてもよい。なお、本実施の形態において、「上側」及び「下側」は、コア222の中心軸と平行になるように定めた上下方向に基づく。本実施の形態において、上下方向はZ方向であり、+Z方向が上方、−Z方向が下方である。
図7に示されるように、本実施の形態において、上側コアケース224Uの縁部226と下側コアケース224Lの縁部228とは、互いに嵌合する。上側コアケース224Uの縁部226と下側コアケース224Lの縁部228とは、スナップフィットにより相互に固定される。こうして、上側コアケース224Uと下側コアケース224Lとは、コア222を収容する内部空間を備えるコアケース224を構成する。ただし、本発明はこれに限られない。摩擦力によりロックするフリクションロック等の方法で固定されてもよいし、上側コアケース224Uと下側コアケース224Lとは、互いに嵌合することなく又は互い嵌合するとともに接着されてもよい。
図2及び図3に示されるように、コアケース224は、内周面232、外周面234及びこれらを互いに接続する一対の端面236を有している。コアケース224には、外側に向かって突出する複数の突起部240が設けられている。本実施の形態において、突起部240は、端面236に設けられている。詳しくは、端面236の夫々に複数の突起部240が設けられている。突起部240の夫々は、端面236の夫々から上方または下方へ突出している。本実施の形態において、端面236の夫々に設けられた突起部240の数は二つである。ただし、本発明は、これに限られない。突起部240の数は、三つ以上であってもよい。
図2に示されるように、突起部240は、コアケース224の周方向において、等間隔に配置されている。また、突起部240は、外周面234よりも内周面232に近い位置に設けられている。ただし、本発明はこれに限られない。突起部240は、内周面232よりも外周面234に近い位置に設けられてもよい。外周面234により近い位置に突起部240を設けることにより、突起部240の径方向サイズが一定であるとの条件下において、巻線260を巻き回せる領域をより広くすることができる。一方、巻線機(図示せず)を用いてコア部220に巻線260を巻き回す場合には、突起部240は、外周面234から離れ、内周面232により近い位置に設けられることが好ましい。これは、図4及び図5から理解されるように、突起部240と巻線機のローラー60との間の干渉を回避するためである。
図2に示されるように、突起部240の夫々は、内側面242、外側面244、一対の側面246及び先端面248を有している。内側面242は、コアケース224の内周側に位置している。外側面244は、コアケース224の外周側に位置している。側面246は、コアケース224の周方向において互いに離れている。
図2及び図3に示されるように、突起部240の先端面248からは、位置決め突起250がさらに上方または下方へ突出している。上側コアケース224Uの位置決め突起250の突出量サイズと下側コアケース224Lの位置決め突起250の突出量サイズとは互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
図8から理解されるように、本実施の形態において、コアケース224の内周面232と突起部240の内側面242とは、単一面を形成している。図2から理解されるように、本実施の形態において、突起部240の外側面244は、コアケース224の径方向外側へ張り出す形状を有している。突起部240の径方向サイズを大きくすることなく先端面248の面積をできるだけ大きくするためである。先端面248の面積を大きくすることで、磁気シールド28との接触面積(接着面積)を大きくすることができる。また、突起部240の側面246は、コアケース224の径方向に沿って延びている。突起部240の側面246が、コアケース224の径方向に対して傾きを有していると、巻線260を略径方向に沿って巻き回す際に、巻線260を巻き回すための領域を狭めてしまうからである。
図2及び図3に示されるように、巻線260は、コアケース224(コア部220)に巻き回されて、トロイダルコイルを形成する。巻線260は、突起部240を避けてコアケース224に巻き回されている。また、巻線260の巻始めと巻き終わりとは、周方向において互いに離れている。それゆえ、巻線260は、図2において、三分割されているように見える。しかしながら、本実施の形態において、巻線260は、連続する一本の被覆銅線である。また、本実施の形態の電流センサ10は、巻線260とは別にテスト巻線(図示せず)を備えている。テスト巻線は、巻線262の一部の上に数ターン巻き回されている。
図3から明らかなように、巻線260の巻厚サイズは、突起部240の突出量サイズよりも小さい。換言すると、突起部240は、巻線260の巻厚サイズよりも大きい突出量サイズを持つように形成されている。なお、本実施の形態において、突出量サイズは、突起部240の上下方向におけるサイズである。
図1及び図7に示されるように、磁気シールド28は、上側シールド28Uと下側シールド28Lとからなる。本実施の形態において、上側シールド28Uと下側シールド28Lとは、同一の形状を有している。詳しくは、上側シールド28U及び下側シールド28Lの夫々は、断面U字状の環状に形成されている。上側シールド28Uと下側シールド28Lとの形状を同一にすることによりコスト削減を実現している。ただし、本発明はこれに限られない。磁気シールド28は、互いに形状の異なる二つの磁気シールド部材で構成されてもよいし、三つ以上の磁気シールド部材で構成されてもよい。磁気シールド28は、飽和磁束密度の高い材料からなる。飽和磁束密度の高い材料は、例えば、ケイ素鋼や純鉄である。
図1及び図7から理解されるように、磁気シールド28は、巻線260を少なくとも部分的に覆っている。詳しくは、磁気シールド28は、その内部に磁心コイル部22を収容している。
図1及び図7から理解されるように、上側シールド28Uには、上側コアケース224Uに設けられている位置決め突起250を少なくとも部分的に受ける受部282が設けられている。同様に、下側シールド28Lには、下側コアケース224Lの位置決め突起250を少なくとも部分的に受ける受部282が設けられている。本実施の形態において、受部282の夫々は、上側シールド28U又は下側シールド28Lを上下方向に貫通する孔である。ただし、本発明はこれに限られない。受部282は、位置決め突起250の少なくとも一部を受ける凹部であってもよい。
図1及び図6に示されるように、磁気シールド28は、開口部284を備えている。開口部284は、巻線260の引き出し部(端部)262(図11又は図12参照)及びテスト巻線(図示せず)の引き出し部262A(図11又は図12参照)を磁気シールド28の外部へ引き出すのに用いられる。本実施の形態において、開口部284は、上側シールド28Uの上側開口部284U及び下側シールド28Lの下側開口部284Lによって構成されている。ただし、本発明はこれに限られない。開口部284は、必要に応じて、上側シールド28U及び下側シールド28Lのいずれか一方に形成された開口部によって構成されてもよい。
図1及び図7から理解されるように、上側シールド28Uと下側シールド28Lとは、磁心コイル部22を挟むように配置される。各突起部240の先端面248は、上側シールド28U又は下側シールド28Lの内面に面している。本実施の形態において、各突起部240の先端面248は、上側シールド28U又は下側シールド28Lの内面に部分的に接触している。上述したように、突起部240の突出量サイズは、巻線260の巻厚サイズよりも大きい。これにより、突起部240は、上下方向において、上側シールド28U又は下側シールド28Lが巻線260に接触するのを防止する。
図1に示されるように、ベース30は、底板部302と、円筒部304と、台状部306とを有している。
図11に示されるように、ベース30の底板部302は、上下方向に沿って見たとき、矩形の形状を有している。図10から理解されるように、底板部302は、センサ部20と回路基板40とを搭載するのに必要な大きさを有している。底板部302の縁部には、側壁312,314が形成されている。
図1に示されるように、ベース30の円筒部304は、底板部302から上方へ突出するように形成されている。本実施の形態において、円筒部304の内周側に、底板部302は存在しない。換言すると、底板部302は、円筒部304に対応する孔を有している。図8及び図9から理解されるように、円筒部304の外径は、磁気シールド28の内径よりも小さい。円筒部304は、電流センサ10の組み立て時に、センサ部20又は磁気シールド28の位置決めに利用される。
図1に示されるように、台状部306は、底板部302から上方へ突出するように形成されている。図10から理解されるように、台状部306は、底板部302を二つの領域に区画する。二つの領域の一方は、センサ部20を搭載する領域であり、残りの一方は回路基板40を搭載する領域である。
図1及び図8に示されるように、台状部306は、複数のL字ピン322を保持している。また、台状部306は、一対のガイドピン332と複数の補助ガイドピン334とを有している。L字ピン322は、コアケース224の周方向外側に位置している。本実施の形態において、L字ピン322の数は四つである。ガイドピン332は、磁気シールド28の開口部284の近傍に位置している。補助ガイドピン334は、ガイドピン332よりも開口部284から離れた位置に位置している。本実施の形態において、補助ガイドピン334の数は、六つである。ただし、本発明はこれに限られない。補助ガイドピン334は、必要に応じて設けられてよい。また、ガイドピン332及び補助ガイドピン334の形状や大きさは特に限定されず、任意に設計可能である。
図8から理解されるように、L字ピン322は、第1直線部324と第2直線部326とを有している。第1直線部324は、巻線260の引き出し部262(図11参照)又はテスト巻線の引き出し部262A(図11参照)との接続に使用される。第2直線部326は、回路基板40との接続に使用される。L字ピン322は、第1直線部324がコア222の中心軸と平行になり、第2直線部326がコア222の中心軸と直交するように、台状部306に保持されている。換言すると、L字ピン322は、第1直線部324が上下方向と平行になり、第2直線部326が上下方向と直交する前後方向と平行になるように、台状部306に保持されている。ガイドピン332及び補助ガイドピン334は、上方へ延びている。本実施の形態において、L字ピン322は、絶縁樹脂を用いてベース30にインサート成型されている。ガイドピン332及び補助ガイドピン334は、台状部306と一体成型されている。なお、本実施の形態において、前後方向はY方向であり、−Y方向が前方、+Y方向が後方である。
図10に示されるように、回路基板40は、その主面がL字ピン322の第2直線部326と直交するように、ベース30に搭載される。L字ピン322の第2直線部326は、回路基板40を貫通する接続孔402に挿入され接続される。この構成により、上下方向から見たときの電流センサ10のサイズを小さくすることができる。
電流センサ10の組み立ては、以下のように行われる。なお、磁心コイル部22の作製は、下記の組み立て工程以前に行われるが、その説明は省略する。
まず、図8に示されるように、ベース30に下側シールド28Lを搭載する。ベース30の円筒部304は、下側シールド28Lの前後方向及び横方向の移動を規制する。なお、本実施の形態において横方向は、X方向である。
図1及び図11から理解されるように、ガイドピン332は、下側シールド28Lの下側開口部284L内に位置するように形成されている。そのため、ベース30に搭載された下側シールド28Lは、ガイドピン332によって、上下方向に沿った軸の周りの回転移動が規制される。
続いて、図8に示されるように、下側シールド28Lの上に磁心コイル部22を置く。組み立て装置を用いることにより、磁心コイル部22は、精度よく下側シールド28Lの上に配置される。したがって、前後方向及び横方向において、巻線260が下側シールド28Lと衝突することはない。
図7から理解されるように、下側シールド28Lの上に磁心コイル部22が置かれたとき、下側コアケース224Lの位置決め突起250は、下側シールド28Lの受部282に少なくとも部分的に受容される。これにより、磁心コイル部22は、下側シールド28Lに対して位置決めされる。このとき、下側コアケース224Lの突起部240の先端面248は、下側シールド28Lの内面に面している。本実施の形態において、下側コアケース224Lの突起部240の先端面248は、下側シールド28Lの内面に部分的に接触している。また、本実施の形態において、突起部240の先端面248と下側シールド28Lの内面との間には接着剤が塗布されている。上述したように、突起部240の突出量サイズは、巻線260の巻厚サイズよりも大きいので、上下方向において、巻線260が下側シールド28Lに接触することはない。
次に、図9に示されるように、磁心コイル部22の上に上側シールド28Uを置く。組み立て装置を用いることにより、上側シールド28Uは、精度よく磁心コイル部22の上に配置される。したがって、前後方向及び横方向において、巻線260が下側シールド28Lと衝突することはない。
図7から理解されるように、磁心コイル部22の上に上側シールド28Uが置かれたとき、上側コアケース224Uの位置決め突起250は、上側シールド28Uの受部282に少なくとも部分的に受容される。上側シールド28Uと下側シールド28Lとが互いに衝突して上側コアケース224Uの位置決め突起250が上側シールド28Uの受部282に届かなくなることを回避するように、上側シールド28U及び下側シールド28Lの上下方向サイズは定められている。
図7に示されるように、上側コアケース224Uの位置決め突起250が上側シールド28Uの受部282に少なくとも部分的に受容されたとき、上側コアケース224Uの突起部240の先端面248は、上側シールド28Uの内面に面している。本実施の形態において、上側コアケース224Uの突起部240の先端面248は、上側シールド28Uの内面に部分的に接触している。また、本実施の形態において、突起部240の先端面248と上側シールド28Uの内面との間には接着剤が塗布されている。上述したように、突起部240の突出量サイズは、巻線260の巻厚サイズよりも大きいので、上下方向において、巻線260が上側シールド28Uに接触することはない。
次に、図10に示されるように、ベース30上に回路基板40が搭載される。回路基板40の搭載に先立って、巻線260の引き出し部262及びテスト巻線の引き出し部262AがL字ピン322の第1直線部324に接続される。引き出し部262,262Aの第1直線部324への接続は、上側シールド28Uの搭載前又は後に行うことができる。図11及び図12に示されるように、引き出し部262,262Aは、ガイドピン332及び補助ガイドピン334によって、磁気シールド28と接触しないように引き出される。特に、ガイドピン332は、磁気シールド28の開口部284内に少なくとも部分的に配置することで、引き出し部262,262Aと磁気シールド28の間に位置し、引き出し部262,262Aが開口部284の縁に接触するのを防止している。回路基板40を搭載した後、ベース30には、カバー50(図1参照)が取り付けられ、センサ部20及び回路基板40はカバー50で覆われる。
以上説明したように、本実施の形態による電流センサ10において、コアケース224には突起部240が形成されており、突起部240は、巻線260の巻厚サイズよりも大きい突出量サイズを有している。この構成により、上下方向において巻線260が磁気シールド28に接触するのを防止することができ、巻線260の被覆が損傷した場合でも磁気シールド28との接触による短絡を防止することができる。
(第2の実施の形態)
図13を参照すると、本発明の第2の実施の形態による電流センサに含まれるセンサ部20Aは、第1の実施の形態のセンサ部20と同様の構成を有している。本実施の形態のセンサ部20Aが第1の実施のセンサ部20と相違する点は、センサ部20Aが位置決め突起250を有していない点である。また、本実施形態の上側シールド28UA及び下側シールド28LAは、受部282を備えていない。本実施の形態の電流センサにおけるセンサ部20A以外の構成については、第1の実施の形態の電流センサ10と同じである。
図14及び図15から理解されるように、下側コアケース224Lの突起部240の先端面248は、下側シールド28Lの内面に面しかつ接触している。また、上側コアケース224Uの突起部240の先端面248は、上側シールド28Uの内面に面しかつ接触している。これにより、上下方向において、巻線260と上側シールド28U及び下側シールド28Lの夫々との間に隙間を形成することができる。即ち、上下方向において巻線260が磁気シールド28に接触するのを防止することができ、巻線260の被覆が損傷した場合でも磁気シールド28との接触による短絡を防止することができる。
以上、本発明について、いくつかの実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、本発明の主旨を逸脱することなく種々の変更又は変形が可能である。例えば、上記実施の形態において突起部240は、コアケース224の端面236に形成され、上下方向における巻線260と磁気シールド28との接触を防止するものであったが、コアケース224の外周面234に突起部240を形成すれば、コア222の中心軸と直交する方向における巻線260と磁気シールド28との接触を防止することが可能である。
10 電流センサ
20,20A センサ部
22 磁心コイル部
220 コア部
222 コア
224 コアケース
224U 上側コアケース
224L 下側コアケース
226,228 縁部
232 内周面
234 外周面
236 端面
240 突起部
242 内側面
244 外側面
246 側面
248 先端面
250 位置決め突起
260 巻線
262,262A 引き出し部
28,28A 磁気シールド
28U,28UA 上側シールド
28L,28LA 下側シールド
282 受部
284 開口部
284U 上側開口部
284L 下側開口部
30 ベース
302 底板部
312,314 側壁
304 円筒部
306 台状部
322 L字ピン
324 第1直線部
326 第2直線部
332 ガイドピン
334 補助ガイドピン
40 回路基板
402 接続孔
50 カバー
60 ローラー

Claims (11)

  1. センサ部を備える電流センサであって、
    前記センサ部は、環状のコアと、前記コアを収容するコアケースと、前記コアケースに巻回された巻線と、前記巻線を少なくとも部分的に覆う磁気シールドとを備えており、
    前記コアケースには、外側へ突出する複数の突起部が設けられており、
    前記巻線は、前記突起部を避けて前記コアケースに巻回されており、
    前記突起部の夫々は、前記巻線の巻厚サイズよりも大きい突出量サイズを有しており、
    前記突起部の夫々は、前記磁気シールドに面している
    電流センサ。
  2. 請求項1に記載の電流センサであって、
    前記コアケースは、内周面と、外周面と、前記内周面と前記外周面とを接続する一対の端面とを有しており、
    前記突起部は、前記端面の夫々に複数設けられている
    電流センサ。
  3. 請求項2に記載の電流センサであって、
    前記端面の夫々に設けられた前記突起部は、前記コアケースの周方向において等間隔に配置されている
    電流センサ。
  4. 請求項3に記載の電流センサであって、
    前記端面の夫々に設けられた前記突起部の数は、二つである
    電流センサ。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか一つに記載の電流センサであって、
    前記突起部の夫々は、前記磁気シールドに面する先端面を有しており、
    前記コアケースは、前記先端面から突出する位置決め突起をさらに備えており、
    前記磁気シールドは、前記位置決め突起を少なくとも部分的に受ける受部を有している
    電流センサ。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか一つに記載の電流センサであって、
    前記突起部の夫々は、前記外周面よりも前記内周面の近くに位置している
    電流センサ。
  7. 請求項2から請求項6までのいずれか一つに記載の電流センサであって、
    前記突起部の夫々は、前記コアケースの周方向において一対の側面を有しており、
    前記側面の夫々は、前記コアケースの径方向に延びている
    電流センサ。
  8. 請求項2から請求項7までのいずれか一つに記載の電流センサであって、
    前記突起部の夫々は、前記コアケースの径方向において外側に位置する外側面を有しており、
    前記外側面は、前記径方向の外側へ張り出す形状を有している
    電流センサ。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一つに記載の電流センサであって、
    前記電流センサは、さらにベースと回路基板とL字ピンとを備えており、
    前記ベースは、前記センサ部と前記回路基板とを搭載するものであり、
    前記L字ピンは、前記巻線の端部に接続される第1直線部と、前記回路基板に接続される第2直線部とを有しており、
    前記L字ピンは、前記コアケースの周方向外側に位置しており、
    前記L字ピンは、前記第1直線部が前記コアの中心軸と平行となり、前記第2直線部が前記中心軸と直交するように、前記ベースに保持されており、
    前記回路基板は、前記第2直線部と直交するように、前記ベースに搭載されている
    電流センサ。
  10. 請求項9に記載の電流センサであって、
    前記磁気シールドは、その内部に前記コア及び巻線を収容しており、
    前記磁気シールドは、前記巻線の引き出し部を外部へ引き出すための開口部を有しており、
    前記ベースは、前記開口部の近傍に位置するガイドピンを有しており、
    前記ガイドピンは、前記引き出し部が前記開口部の縁に接触するのを防止する
    電流センサ。
  11. 請求項10に記載の電流センサであって、
    前記ガイドピンは、少なくとも部分的に前記開口部内に位置している
    電流センサ。
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