JP2763576B2 - インクジェットカートリッジ - Google Patents

インクジェットカートリッジ

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JP2763576B2
JP2763576B2 JP1082315A JP8231589A JP2763576B2 JP 2763576 B2 JP2763576 B2 JP 2763576B2 JP 1082315 A JP1082315 A JP 1082315A JP 8231589 A JP8231589 A JP 8231589A JP 2763576 B2 JP2763576 B2 JP 2763576B2
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満 蔵田
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Preventing or detecting of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
    • B41J2/16517Cleaning of print head nozzles
    • B41J2/16552Cleaning of print head nozzles using cleaning fluids

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インクを吐出する記録ヘッドを具備したイ
ンクジェットカートリッジに関する。
[従来の技術] 記録用液体を液吐出手段(記録ヘッド)から吐出させ
て文字や画像等の情報記録を行うインクジェット記録装
置(液体噴射記録装置)では、記録用液体(以下でイン
クという)を記録ヘッドの吐出口から直接吐出させて記
録を行うので、インクを常に吐出可能な状態に保つため
に他の方式の記録装置には見られない特別な配慮が必要
とされる。
すなわち、インクは非記録時においても記録ヘッドの
液吐出部(吐出口)内に残留するので、この吐出口内の
インクの乾燥ないし、蒸発による粘度増加などの変質を
防止する措置が必要であり、このために、非記録時に記
録ヘッドの吐出口を蓋で覆って、インクの乾燥や、蒸発
を防止するいわゆるキャッピング手段を設けた装置が知
られている。
ところが、低湿度の環境下、あるいは長期休止時など
の場合には上述のような乾燥防止手段のみではインクの
粘度増加は避けられず、上述のキャッピング手段ととも
に、記録ヘッドを覆うキャップ内の空気を吸引して吐出
口から負圧を与え、ヘッドの吐出口内に滞っているイン
クを吸い出したり、あるいはポンプなどを用いて吐出口
に至るインク供給系内に圧力を与え、吐出口から変質し
たインクを排出させる、あるいはキャッピング手段等に
対し吐出口から吐出(予備吐出)を行ってノズル内の増
粘インクを排出するという回復機構が用いられてきた。
しかしながら、このような回復機構は、一般に電源投
入時などに自動的に駆動され、一般に記録動作中はイン
クの消費量を節減するために、できるだけ長いインター
バルで駆動することが望ましく、記録動作中吐出口の不
使用によるインクの変質に対処するには、短い間隔で繁
雑に記録動作を中断し、吐出回復処理が行われることに
なり、この結果記録処理効率が低下することになる。
特に、多数の吐出口がライン状に配列された所謂マル
チオリフィスの記録ヘッドによる液体噴射記録装置で
は、記録データの統計的性質によってはほとんど記録に
使用されない吐出口があり、このため吐出インターバル
が非常に長くなるというように、吐出駆動にバラツキが
ある。したがって、吐出回数が少ない、ないしは吐出間
隔が長い場合の吐出口内のインクは、湿度や温度などの
雰囲気の条件によって乾燥による粘度上昇が生じ、吐出
口のインク吐出性能が不安定になったり、また吐出不能
になったりする問題があった。
[発明が解決しようとする課題] そこで、最近では、回復機構による吐出回復動作の実
施頻度を大幅に少なくし、無駄にインクを吐出させるこ
となく、しかも安定したインク吐出を得られるようにす
るために、吐出口付近を湿潤化する湿潤手段を具えたイ
ンクジェット記録装置が提案されている。
このような湿潤手段は、一般には液体状の湿潤剤を記
録ヘッドのインク吐出口を設けた面(以下吐出口面とい
う)に塗布する等により付与するものであり、シリアル
タイプの記録装置では記録ヘッドの記録範囲外の所定位
置、例えば上記キャッピング手段に並設されて、湿潤処
理に際しては吐出口面に湿潤剤の塗布を行う部材が係合
するように構成されている。
しかしながら、そのような構成では、湿潤剤の使用量
に応じた湿潤剤の残量検知手段や補給手段の配設が必須
となり、装置構成を複雑化することになる。
また、湿潤手段を動作させるための機構の構成と、湿
潤剤の蒸発を防止して保存維持するための構成との両立
が難しく、装置がより複雑化することになる。
さらに、湿潤手段の劣化、すなわち塗布部材の汚れや
特性劣化等による湿潤機能の低下が生じると、吐出口の
汚染を招来することにもなり、ひいては記録品位の低下
を引き起こすことになる。
加えて、湿潤手段が複雑化すると、その分塵埃等の異
物も混入し易くなる。
一方、装置の非使用時等には、前述のように吐出口面
をキャッピング手段によって覆っておくことが望まし
く、これを行わない場合には塵埃の付着やインクの増粘
によって吐出不良ないしは不吐出が生じることがある。
また、吐出口面に塵埃等が付着する場合もあるので、こ
れを除去するクリーニング手段も設けられている場合が
ある。
そこで、キャッピング手段,クリーニング手段を装置
本体に設け、これらを吐出口面に接合ないしは係合させ
てキャッピングやクリーニングを可能とすべく、従来は
キャッピング手段,クリーニング手段と記録ヘッドとを
相対的に移動させるための駆動手段、例えば記録ヘッド
とキャッピング手段とを対向させた後にキャッピング手
段を記録ヘッドに向けて移動させたり、あるいはクリー
ニング手段と吐出口面とを係合させる構成の駆動手段等
が設けられていた。
しかしながら、このような駆動手段の配設は、湿潤手
段のための構成と併せて、装置を一層複雑化することに
なる。
本発明の目的は、前述の問題点を解決し、構成を簡単
にして確実かつ安定した湿潤処理、クリーニングおよび
キャッピング等を行えるインクジェットカートリッジを
提供することである。
[課題を解決するための手段] そのために、本発明は、インクを吐出する記録ヘッド
と、該記録ヘッドに供給されるインクを貯蓄したインク
タンクと、前記記録ヘッドの吐出口面を清掃する清掃部
材と、前記記録ヘッドの吐出口面を覆うキャップ部材
と、前記記録ヘッドの駆動に寄与する信号を伝達するた
めの電気接続部と、を1つの筐体に収納配置して構成さ
れるインクジェットカートリッジをインクジェット記録
装置に備えられた走査キャリッジに対して着脱交換自在
に構成したことを特徴津するものである。
ここで、前記インクジェットカートリッジにはさらに
前記記録ヘッドの吐出口面を湿潤する湿潤部材が備えら
れてもよい。
前記キャップ部材は、前記筐体と一体化されて構成さ
れてもよく、また前記キャップ部材は、前記筐体と別体
で構成され、かつ前記筐体に対して着脱可能に構成され
てもよい。
前記キャップ部材の駆動は、機械的な駆動が伝達され
てなされてもよい。
[作用] 本発明によれば、1つの筐体中に使用により劣化を招
く構成部材として記録ヘッドおよびインクタンク等を配
し、インクの終了によるヘッドの交換と共に一括して交
換する構成とすることで、上記構成部材の交換のタイミ
ングをインクの終了に転嫁して判断すると共に、構成部
材個々を個々のタイミングで交換する手間を省き、記録
装置の長期にわたる安定使用を可能とすることができ
る。
また、湿潤部材を備えたものでは、記録ヘッド寿命に
合せて湿潤部材の寿命を設定すれば無駄なく良好な湿潤
処理が確実に保証される。
さらに、キャップ部材を筐体と一体化したものでは、
筐体を交換することでキャップ部材も一括して交換する
ことができる。
また、キャップ部材を筐体と別体とし、かつ、筐体に
対して着脱可能としたものでは、筐体の交換とは無関係
に、キャップ部材のみを交換することができる。
また、キャップ部材の駆動を機械的な駆動が伝達され
てなされるものとしたものでは、キャッピングの応答性
に優れ、直ちにキャッピングすることができるので、記
録ヘッド保護に優れている。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(実施例1) 第1図は本発明の一実施例として、記録用液体にイン
クを用いるインクジェット記録装置の一構成例を示す。
ここで、1は記録ヘッド等を有し、装置本体に着脱可
能に構成したカートリッジである。その構成については
後述する。3はカートリッジ1を着脱可能に保持するキ
ャリッジであり、図中矢印Sで示す方向に走査駆動され
る。5はキャリッジ3が固着されるとともにその移動範
囲両端に設けたプーリ7に張架されたワイヤである。9
は一方のプーリに結合し、キャリッジ3をS方向に走査
駆動するための駆動源としてのモータである。11Aおよ
び11Bは、S方向に延在してキャリッジ3を案内するた
めの第1および第2のガイドレールである。
13は用紙,フィルム等の記録媒体の被記録面を規制す
るとともに、記録媒体を搬送するためのプラテンロー
ラ、15はプラテンローラ13に組み合され、記録媒体搬送
時にこれを回転駆動するモータである。また、17は制御
信号伝達用のケーブルであり、一端がキャリッジ3に取
付けられ、他端が不図示の制御手段に接続されて、制御
手段とカートリッジ1との間で画像データ,制御信号そ
の他の伝達を行う。そして、このケーブル17はキャリッ
ジ3の変位に追従すべくフレキシブルケーブルの形態と
してある。
かかる構成において、キャリッジ3の適宜の位置C、
例えば実際の記録が行われる画像形成域外のホーム位置
等で、キャリッジ3に対してカートリッジ1の交換作業
を行うことができる。カートリッジ1がキャリッジ3に
装着されると、これに伴ってカートリッジ1に設けてあ
る電気接点とキャリッジ3に設けてある接点受部材とが
結合し、記録ヘッド等と制御手段とが電気的に接続され
て記録動作が可能となる。
記録動作時には、キャリッジ3はモータ9によりS方
向に走査され、当該移動の過程で記録ヘッドが駆動され
てプラテンローラ13に支持された記録媒体に対してイン
クを吐出し、記録が行われる。そして、1ライン分の記
録が終了すると、記録媒体はモータ15の駆動に伴って所
定量搬送される。
第2図および第3図は、それぞれ、カートリッジ1の
外観構成の一例を示す斜視図およびその内部構成の一例
を示す断面図である。
まず、第2図において、100は以下の各部を収納した
筐体、102は筐体100に着脱自在の保護カバーである。10
4は筐体100に設けた係合溝、106は保護カバー102に設け
られて掛止溝104に係合可能な掛止部材であり、両者の
掛合によって保護カバー102の筐体100に対する装着状態
が保持される。カートリッジ1の使用に際しては保護カ
バー102は取外され、これによって少なくとも記録ヘッ
ド110のインク吐出口が設けられている面(吐出口面)1
12が開放されて記録媒体と対向可能となる。しかして、
カートリッジ1の未使用時または取外し時には、保護カ
バー102が筐体100に装着されることによりカートリッジ
1内部の記録ヘッド110等が保護される。
120は記録ヘッド110の吐出口面112を露出するための
開口部122を有する帯状部材(以下テープという)であ
る。このテープ120の構成については第6図および第7
図について後述する。140は筐体100の外側部に設けら
れ、テープ120に駆動力を伝達する駆動ギアである。
次に、第3図において、142は駆動ギア140と同軸に設
けた駆動ローラ、144は駆動ローラ142にテープ120を押
付けるピンチローラであり、ばね144Aにより駆動ローラ
142に向けて回動習性を付与されたローラアーム144Bの
一端に設けてある。146は、本例においてエンドレスベ
ルト状に形成したテープ120の搬送路を規制すべく設け
たローラである。148はテープ120に張力を付与すべく設
けたテンションローラであり、ばね148Aによりテープ12
0に向けて回動習性を付与されるテンションアーム148B
の一端に設けてある。すなわち、このテンションローラ
149の作用により、テープ120の搬送経路に沿った移動が
確保されるとともに、テープ120が吐出口面112に摺接す
る。
150は記録用液体としてのインクを貯留した貯留部材
(以下インクタンクという)であり、本例では記録ヘッ
ド110に対するインクの主供給源をなし、液路152を介し
て記録ヘッド110のチップ114にインクを供給する。154
はインクタンク150の上面に設けた大気連通口であり、
インクタンク150内のインク消費に伴って空気を導入す
る。なお、このインクタンク150は必ずしもカートリッ
ジ1に設けられていなくてもよく、その場合には装置本
体に固定されたインク供給源からチューブ等を介して記
録ヘッド110にインクを供給するように構成することが
できる。また、この場合において、インクタンクをサブ
タンクの形態としてもよい。
160は湿潤剤室であり、湿潤剤を含浸させた吸収体等
の含浸材162を収容する。そして、含浸材162をテープ12
0の裏側表面(吐出口面112との摺接面)に係合させ、湿
潤剤を塗布可能に形成してある。すなわち、テープ120
のA方向の搬送に伴って、湿潤剤を塗布されたテープ12
0の裏面は、吐出口面112の位置に至ってこれに湿潤剤を
付与する。なお、湿潤剤室は、液体状湿潤剤を貯留した
タンクの形態となし、これに浸漬される部分とテープ12
0に係合する部分とを有する含浸材を配置した形態であ
ってもよい(第12図参照)。
170はコネクタ形態の電気接点部材であり、画像信号
ないし駆動信号やその他の制御信号を受容するための接
点群、インク残量検知信号等カートリッジ1側の状態通
知信号を伝送するための接点群等を設けた構成とするこ
とができる。また、チップ112は、複数のインク吐出口
を配列してなるものであり、各吐出口に対応させて駆動
信号に応じインクに吐出エネルギを作用させる吐出エネ
ルギ発生素子が設けられている。この吐出エネルギ発生
素子としては、例えば通電に応じて発熱し、インクに発
泡を生じさせてインクを吐出させる電気熱変換体を用い
ることができる。なお、100Aは筐体100に設けた検知用
開口であり、これについては第5図につき後述する。ま
た、106は筐体100内部を大気に連通させるための筐体連
通口であり、記録時にはこれと大気連通口154とを介し
てインクタンク150内が大気に連通する。さらに、筐体1
00のヘッド110下部の凹凸部は本体キャリッジ3に対す
る位置決め部100Bを構成している。
第4図および第5図はカートリッジ1をキャリッジ3
に搭載して記録動作を可能とした状態を示す。
ここで、31Aおよび31Bは、それぞれ、第1レール11A
および第2レール11Bの軸受、33はカートリッジ1を固
定し、その装着状態を確実にすべくキャリッジ3に設け
たロックアーム、37はカートリッジ1の電気接点部材17
0を受容してケーブル17に接続させる電気接点部材であ
る。
40はキャリッジ3に設けられ、湿潤処理に際してテー
プ120の搬送の駆動源をなす湿潤処理モータ、42はモー
タ40の軸に設けたモータギアである。44はギア42に噛合
するとともに図示のカートリッジ装着状態において駆動
ギア140に噛合し、モータ40の回転を駆動ギア140に伝動
する駆動ギアである。無論かかる伝動機構の構成はいか
なるものであってもよい。
第4図において、48はキャリッジ3に設けたマイクロ
スイッチであり、筐体100に設けてある検知用開口100A
を介してテープ120に係合可能なアクチュエータ48Aを有
する。このマイクロスイッチ48は、カートリッジ1の装
着時にはテープ120の開口部122が至ったときにアクチュ
エータ48Aの係合状態が解かれてオフとなる。そして、
当該オフ時点からのモータの操作量を制御することによ
ってテープ120を搬送せしめ、開口部122を吐出口面112
に位置付けて記録可能状態とすることができる。また、
このスイッチ48は、カートリッジ1の装着の有無を検知
するセンサに兼用することも可能である。なお、この機
能を果たすためのセンサとしては、マイクロスイッチ48
のみに限られることなく、いかなる形態であってもよ
い。例えばカートリッジ1側およびキャリッジ3側に設
けられて一対をなす透過型のフォトセンサ、あるいはい
ずれか一方に設けられた反射型のフォトセンサとするこ
ともできる。また、画像形成域(第1図参照)の所定位
置に、吐出口面112と対向可能に設けた反射型のフォト
センサとすることもできる。反射型のフォトセンサを用
いる場合には、テープ120の一方の表面、すなわち表側
表面が光反射性を有するものとすればよい。なお、キャ
リッジ3のプラテンローラ13近傍には、カートリッジ3
の位置決め部100Bを嵌合してカートリッジのキャリッジ
3に対する位置を決定するためのキャリッジ側位置決め
部3Aが設けてある。
さらに、第5図において、80は回復ユニットであり、
記録ヘッド110の記録範囲(画像域)外の所定位置(例
えばホーム位置)に記録ヘッド110の吐出口面112と対向
可能に配設され、記録ヘッド110の吐出回復処理等にあ
たってこれと相対的に移動する。82は当該移動に伴って
吐出口面112を覆うゴム等のキャッピング部材、84はそ
のホルダである。
吐出回復処理としては、記録ヘッド110を通常駆動と
同様に駆動してインク吐出(予備吐出)を行わせること
により、あるいは回復ユニット80側に設けたポンプを駆
動して記録ヘッド110側からインク吸引を行わせること
により、記録ヘッド110内の増粘インク,気泡,塵埃等
を除去する処理とすることができる。また、本例のよう
にインクタンク150をカートリッジ1内に備えるのでは
なく、記録ヘッド110に対して装置側のインク供給系よ
りインク供給を行う構成であれば、そのインク供給系内
を加圧してインクを排出させるようにしてもよい。
また、回復ユニット80は、記録の休止時に記録ヘッド
110に接合してこれを保護するものとしてもよい。
第6図は本例に係るテープ120の構成例を示す。
前述したように、含浸材162により湿潤剤を転写され
てこれを記録ヘッド110の吐出口面112に付与するテープ
120は、記録に際してインク吐出を阻害しないようにす
るための開口部122を有している。また、この開口部122
は、筐体連通口106をも開放できる寸法を有している。
テープ120のうち、湿潤剤を付与すべく機能する湿潤機
能部は、開口部122を除いたテープ120の裏側表面全体で
あってもよく、斜線で示すように一部(符号124で示
す)であってもよい。
次に、本例において用いた湿潤手段、すなわちテープ
120,湿潤剤,含浸材等について詳述する。
まず、テープ120の材質について述べる。
テープ120に要求される機能は、次の通りである。
(i)引張り強度が高いこと。
(ii)可撓性があること。
すなわち、記録ヘッド110の吐出口面112に対しての密
着性を高めて、吐出口面112の湿潤化を完全に行うため
である。
(iii)良好な摺動性があること。
すなわち、吐出口面112に摺接するためである。
(iv)表面の改質等が容易であること。
すなわち良好に湿潤剤が転写されること、あるいは当
該転写を良好とすべく施す表面の改質や他の物質の形成
を行うことが容易であることである。
以上の機能を考慮すれば、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET),ポリイミド(PI),ポリテトラフロオロエ
チレンとパーフロロアクリルビニルエーテルとの共重合
体(PFA),ポリビニルアルコール(PVA)等の高分子フ
ィルムや、強化紙、さらにはAl等の金属薄膜等をテープ
120の材質として挙げることができる。
第7図はテープ基体(ベース)121上に上記処理によ
り湿潤機能部124としての湿潤層125を設けて構成したテ
ープ120の構成例を示すものである。なお、静電防止層1
27は静電気による塵埃等の付着を防止すべく、テープ12
0の表側表面に設けたものであり、金属の蒸着や、カー
ボン等の導電性の微粒子を混入して形成することができ
る。
次に、テープ120の表面(本例では含浸材162および吐
出口面112との接触する側の面)のうち湿潤機能部124
は、湿潤剤で濡れ易く、しかもある程度の時間その状態
を保持するのが望ましいので、表面を多孔性化を凹凸化
等で改質させるなどして吸湿性を良好にするのが好適で
ある。このためには、 (i)表面を細かくあらして吸湿性の湿潤機能部124を
形成する。
(ii)テープに成形する上記の如き樹脂中に微粒子を混
入したり、紫外線を照射する等によりテープ表面に細か
な凹凸を設けて、この凹凸部に湿潤剤を保持させる。
(iii)PVA等、吸湿性および発泡性のある物質を表面に
塗布形成することにより、湿潤機能部を設ける。
(iv)上述したようなテープ基体上に、湿潤機能を有す
る表層材を貼付,ラミネート加工等によって接合形成す
ることにより湿潤機能部を設ける。等を挙げることがで
きる。
次に、含浸材162については、湿潤剤をテープ120表面
に均一に塗布すべくスポンジ状の多孔な材質を有するも
のとすればよい。
例えば、ポリウレタン,PVA(ポリビニルアルコール)
等の高分子物質を高密度に発泡させたものを挙げること
ができる。また、羊毛その他繊維より成るフェルト等も
挙げることができる。
さらに、湿潤剤としては、吐出口面112を有効に湿潤
させて目詰り等を防止すべく、次のような条件を満たす
ものが望ましい。
(i)水混和性があり、水溶液中で化学的に安定。
(ii)保水性がある。
(iii)低粘度(例えば1〜10cP,更には1〜100cP),
高表面張力(例えば40dyn/cm以上)。
(iv)インク染料の溶解度が高い。
(v)無害,無臭。
(vi)低温で凍結しない。
以上の条件をすべて満足するものとしては、グリコー
ル類,グリコールエーテル類,アミド類,ピロリドン類
等の100%純粋液、またはこれに水を加えたものであっ
てもよいし、これら複数種類のものを混合して形成した
液体を挙げることができる。また、蒸発により増粘した
インクを低粘度化するなど、目的用途によっては他の物
質も使用可能である。例えばそのような目的のために
は、クリアインク,水,アルコール等のように上記条件
をすべて満足するものでなくてもよい。
第8図ば本例に係る湿潤処理制御部の一例を示し、こ
こでは記録装置本体の制御系の一部として構成してあ
る。
500は、例えば、CPU,ROM,RAM等を有するマイクロコン
ピュータ形態の制御部であり、ROMに格納された処理手
順等に従って各部を制御し、ホスト装置等から受信した
イメージデータにつきヘッド1を駆動して記録その他の
処理を制御する。また、記録媒体Pを検知するセンサPS
による紙検知等に応じて制御部500はプラテン駆動用モ
ータ15を介してプラテンローラ13を駆動し記録媒体の搬
送を制御する。また、キャリッジ位置センサCSにより検
出されたキャリッジ位置情報に応じて制御部500はキャ
リッジモータ9を介してキャリッジ3の駆動やホームポ
ジション等への位置付けを制御する。
また、制御部500は、回復ユニット駆動部86を介して
回復ユニット80を駆動し、記録ヘッド110へのキャッピ
ングや吐出回復処理等を行わせる。さらに、制御部500
は、テープ搬送に用いるモータ40を制御することによ
り、湿潤処理時のテープ120の搬送やスイッチ48の状態
に基づいた開口部122の位置設定等を行わせる。
第9図は本例による湿潤処理手順の一例を示す。
本手順が起動されると、まずステップS1にてモータ40
を駆動し、テープ120を第3図中A方向に搬送させる。
これに伴って、含浸材162よりテープ120の湿潤機能部12
4(湿潤層125)には湿潤剤が付与され、これが吐出口面
112に至ったときに湿潤剤が吐出口面112に塗布されて行
く。
次に、ステップS3にて、ステップ48からの信号に基づ
いて、その位置を開口部122が通過したか否かを判定す
る。そして、肯定判定がなされると、テープ120の長さ
が既知であれば所定量モータ40の駆動を行うことにより
(このときにも湿潤剤は吐出口面112に塗布され続けて
いる)、開口部122が吐出口面112の位置に至るので、そ
の時点でモータ40を停止する(ステップS5)。
このようにモータ40を起動してから停止させるまでの
テープ120の搬送量は、すなわちエンドレスベルト状の
テープ120の回転数は、湿潤処理が適切になされるので
あれば1回転でも数回転でもよい。また、テープ120に
複数の開口部122が設けてあるのであれば、1回転以下
でもよい。
また、このような手順は、適宜のタイミングで起動す
ることができる。例えば、装置本体の電源オン時,記録
開始時,吐出回復処理後等とすることができる他、所定
時間の経過毎,所定量の記録毎とすることもできる。ま
た、そのときのキャリッジ位置も、本例ではプラテンロ
ーラ13側に突出する部材がないので、必ずしも画像域外
で行う必要はなく、キャリッジ3のリターン時に行うこ
ともでき、また記録動作中にも一旦それを中断してその
位置で行うようにすることもできる。
以上述べた実施例によれば、テープ120,含浸材162等
を含む湿潤手段により記録時中吐出口面112が湿潤な状
態に保たれるようにしたので、吐出口近傍を乾燥から守
り、インク吐出や排出による回復動作の頻度を減らして
もインクの増粘による不吐出を抑制することができ、全
体的に記録速度をそれだけ高めることができると共に、
無用なインクの消耗を防止することができる。
また、記録ヘッド110と湿潤手段とを一体のカートリ
ッジに設けたことにより、記録ヘッド110の寿命に対応
させて湿潤手段の寿命を設定することができ、湿潤剤や
テープ120の交換は記録ヘッド110の交換と同時に行われ
るので、高い記録品位を長く維持できる。
さらに、湿潤手段と吐出口面112とを空間的に近接配
置できるので、湿潤動作時における塵埃等の異物混入の
確率が低くなって信頼性が向上すると共に、湿潤動作の
応答性も良好なものとなる。
加えて、記録装置本体側の構成に殆ど依存せずに、カ
ートリッジ単独での湿潤動作も可能となり、動作時間の
制約も小さく、本体の休止時間も小とすることもできる
ようになる。
さらに加えて、本例によれば、テープに対して含浸材
162と吐出口面112とが同一面側にあり、記録中に邪魔に
なることがないので、機構および動作が簡略となる。
また、吐出口面112に対してテープ120が摺接しつつ湿
潤剤を付与するので、吐出口内のインクのメニスカスの
後退や空気の取込みも防止できる。さらに、このように
薄い部材であるテープ120を用いることは、カートリッ
ジ1の小型化や画像域内での湿潤処理の容易化等の効果
も奏するものであり、またその可撓性によって吐出口面
112によくなじみ、湿潤機能の向上も達成できるもので
ある。
さらに加えて、本例において湿潤剤室160に含浸材162
をすべて満たすのではなく、液体状湿潤剤を貯留したタ
ンクを有する形態とした場合には、キャリッジ走査に伴
って、加速度により湿潤剤が適切に攪拌されることにな
る。これは、湿潤剤には泡立ちの弊害は少なく、逆に攪
拌による均一化の効果が大であることから望ましいこと
である。
なお、テープ状の塗布部材を用いて吐出口面112に湿
潤剤を付与する構成は、上例のみに限られない。
例えば、第10図に示すように、テープをエンドレスベ
ルト状に構成するのではなく両端をばね等の弾性部材12
0−2で支持した構成とし(符号120−1で示す)、弾性
部材120−2の引張力によってテープ120−1の吐出口面
112等への密着性を高めるとともに、湿潤処理時にはテ
ープ120−1をA方向へ、終了後にはB方向に搬送して
湿潤剤の付与や開口部の位置設定等を行うようにするこ
ともできる。
また、湿潤剤室を設けずに記録ヘッド110の吐出口面1
12に対して湿潤処理が行われるようにしてもよい。
第11図はその構成例を示すもので、予め湿潤機能部
(第6図,第7図参照)に湿潤剤を含ませたテープ120
−3を用いたものである。また、そのように湿潤剤を予
め含ませていなくても、湿潤機能部に記録ヘッド110よ
り吐出等によってインクの供給を受け、これを湿潤剤と
して用いてもよい。この場合、インク中の染料がテープ
に吸収され、水成分のみをテープ表面に保水させて使用
することが好ましい。ここで、インクとは、着色剤とし
ての染料または顔料と、それを溶解または分散する液媒
体を主成分とし、その他必要に応じて使用される各種添
加剤よりなるものであり、着色剤としては直接染料,酸
性染料等の水溶性の染料が、溶媒としては水および湿潤
剤に関して上述した成分が用いられるものである。
なお、以上の各実施例においてテープの搬送経路ない
し走行の向きは、吐出口面112が有効に湿潤化されるも
のであれば、いかなるものであってもよいのは言うまで
もない。すなわち、上例ではテープを鉛直面内で搬送し
たが、例えば水平面内で搬送するようにしてもよい。
以上では、湿潤剤塗布のためにテープ状の部材を設け
た構成について述べたが、そのようなテープを有さない
湿潤手段の実施例を以下に述べる。
第12図は本発明に係るカートリッジ1の他の構成例を
示し、上例と同様に構成できる部分については対応箇所
に同一符号を付してある。
図において、200は本例に係るカートリッジ1の筐体
であり、湿潤剤室260を収納可能な収納部201を有してい
る。202は上記保護カバー102と同様の保護カバーであ
り、吐出口面112を含む記録ヘッド110の前面と収納部20
1を覆うように形成してある。
湿潤剤室206は、液体の湿潤剤Wを貯留するととも
に、この湿潤剤Wを湿潤させる含浸材262を有してお
り、湿潤処理に際してはこの含浸材262を吐出口面112に
当接させて湿潤剤を付与する。そして、湿潤処理を終了
した場合には、図中矢印で示すように湿潤室260を回動
させ、破線で示すように収納部201に収納する。これに
より記録動作が阻害されることはない。なお、湿潤剤室
260の構成としては、上例のように内部に含浸材を満た
した構成としてもよい(第3図参照)。
第13図(A)および(B)は、湿潤剤室260を変位さ
せるための機構の構成例を示す。
ここで、240は湿潤剤室260を支持し、回動軸240Aのま
わりに回動可能な駆動アームであり、ばね244により図
中時計方向、すなわち湿潤剤室260を収納部201に収納す
る方向に付勢されている。242は駆動アーム240に設けた
ギア部であり、中継ギア246を介してキャリッジ3側の
駆動ギア44と結合している。
かかる構成において、湿潤処理を行う場合には、モー
タ40を正転させる。これに伴って駆動アーム240はばね2
44の付勢力に抗して図中反時計方向に回動し、第13図
(B)に示すように湿潤剤室260の含浸材262が吐出口面
112と接合する位置に設定され、湿潤剤が吐出口面112に
付与される。なお、かかる処理は、本例の場合画像域外
にキャリッジ3を設定して行えばよい。
このような処理終了後には、モータ40を逆転させ、再
び湿潤剤室260を第13図(A)に示す位置に設定する。
湿潤処理時以外には、同図に示す状態とすることによっ
て記録動作やキャッピング等は阻害されない。また、こ
の状態はばね244の作用によって保持されることにな
る。
第14図は本発明に係るカートリッジ1のさらに他の構
成例を示す。本例は、第12図示の実施例のように湿潤剤
室を変位させるのではなく、固定された湿潤剤室から湿
潤剤を受容し、これを吐出口面112に付与すべく運搬す
る揺動部材を設けたものである。
図において、300は筐体、360は筐体300に固定した湿
潤剤室、362は湿潤剤を含んだ含浸材である。364は吐出
口面112との接合位置(実線)と、含浸材362との接合位
置(破線)との間で揺動するキャップであり、当該接合
を行う湿潤含浸材366を有している。また、366はキャッ
プ364に設けた密閉部材であり、これを設けることによ
り、キャップ364を非記録時の記録ヘッド110の保護部材
として、あるいは湿潤剤室360を乾燥や塵埃から保護す
る部材として用いることができる。
第15図はキャップ364の移動機構の構成例を示し、キ
ャップ364を揺動アーム369により支持し、上記揺動を可
能としたものである。この揺動アーム369の駆動は、第1
3図(A)および(B)に示したような伝動機構の採用
によって行うことができる。
第12図示の実施例および第14図示の実施例において
も、第8図と同様な制御系を採用して湿潤処理が可能で
ある。制御手順としては、湿潤処理に際してモータ40を
駆動して含浸材262または366を吐出口面112に接合さ
せ、湿潤剤が十分付与されるまでこの状態を維持し、そ
の後にモータ40を逆転して第12図または第14図中破線で
示した位置に湿潤剤室206またはキャップ364を復帰すれ
ばよい。これら実施例の場合、湿潤手段がカートリッジ
1の前面より前方に出るので、上記処理はプラテンロー
ラ13または記録媒体との衝突を避けるべくプラテンロー
ラ13との非対向位置で行うようにすればよい。
これらによっても、前述した実施例と同様、湿潤処理
を施すことによる効果、記録ヘッドと湿潤処理手段とを
一体化したことによる効果、両者を近接配置したことに
よる効果等が得られるのに加え、湿潤処理を行う時間を
適切に設定できるので、湿潤動作の継続が容易であり、
湿潤効果を効率的に大とすることが可能となる。
なお、上記湿潤手段は湿潤機能のみならず、第14図の
如き構成ではキャップ機能を果たし、更に第12図やその
他のヘッドに摺接するテープにおいては、液吐出部のク
リーニング機能を併用させることができる。
以上の実施例では、記録ヘッドと湿潤手段とを一体に
した構成であれば、上述した各実施例にのみ限られるこ
となく、それらの構成や湿潤剤付与の態様、そのための
機構等を任意所望に定めることができるのは勿論であ
る。
例えば、湿潤手段とテープとした実施例の湿潤機能部
への湿潤剤の付与に関して、搬送経路中にテープが湿潤
剤を貯留した湿潤剤貯留部材中を通過するようにした
り、あるいは少なくとも一部の搬送ローラ146に湿潤剤
を予め湿潤させたローラを用いる、もしくは適宜の湿潤
剤貯留部材から湿潤剤をすくい上げるローラを用いるよ
うにすることもできる。さらには、テープを供給側と巻
取り側とを有する構成とし、再使用を行わないようにす
ることもでき、かかる構成について言えば、供給側のテ
ープ部分を湿潤剤貯留部材に浸しておくようにすること
もできる。このように湿潤剤貯留部材を設けると、カー
トリッジ1内は適当な蒸気圧を有する雰囲気に保たれる
という効果も得られる。
(実施例2) 本実施例では、インクジェット記録装置の全体構成と
して、第1図に示されたものと同じものを用いる。
第16図は、カートリッジ1の内部構成の一例を示す断
面図である。
第16図において、100は以下の各部を有する筐体であ
る。150は記録用液体としてのインクを貯留した貯留部
材(以下インクタンクという)であり、本例では記録ヘ
ッド110に対するインクの主供給源をなし、液路152を介
して記録ヘッド110のチップ114にインクを供給する。15
4はインクタンク150の上面に設けた大気連通口であり、
インクタンク150内のインク消費に伴って空気を導入す
る。なお、このインクタンク150は必ずしもカートリッ
ジ1に設けられていなくてもよく、その場合には装置本
体に固定されたインク供給源からチューブ等を介して記
録ヘッド110にインクを供給するように構成することが
できる。また、この場合において、インクタンクをサブ
タンクの形態としてもよい。
160Aはキャップであり、収納位置(破線)と、吐出口
面112および筐体連通口106をキャップするキャップ位置
(実線)とに設定可能である。162Aは湿潤剤を含浸させ
た含浸材であり、キャップ位置において記録ヘッド110
の吐出口面112に接合して湿潤剤を付与可能である。168
はキャップ160Aに設けられ、収納位置およびキャップ位
置においてキャップ160Aの内部を大気から密閉する密閉
部材であり、収納時には乾燥や塵埃等から含浸材162Aを
保護すべく、キャップ時には記録ヘッド110およびイン
クタンク150をも保護すべく機能する。なお、記録はキ
ャップ160Aを収納位置に設定した状態で行われるので、
キャップ160Aが吐出口面112を含む平面よりプラテンロ
ーラ13側に突出して記録を阻害することがないように、
筐体100には適宜の収納部108を設けてある。
また、含浸材162Aに代えて、液体状湿潤剤を貯留した
タンクと、これに浸漬される部分および吐出口面112に
接合する部分を有する含浸材とをキャップ160A内に配置
してもよい。
170はコネクタ形態の電気接点部材であり、画像信号
ないし駆動信号やその他の制御信号を受容するための接
点群、インク残量検知信号等カートリッジ1側の状態通
知信号を伝送するための接点群等を設けた構成とするこ
とができる。また、チップ112は、複数のインク吐出口
を配列してなるものであり、各吐出口に対応させて駆動
信号に応じインクに吐出エネルギを作用させる吐出エネ
ルギ発生素子が設けられている。この吐出エネルギ発生
素子としては、例えば通電に応じて発熱し、インクに発
泡を生じさせてインクを吐出させる電気熱変換体を用い
ることができる。また、106は筐体100内部を大気に連通
させるための筐体連通口であり、記録時にはこれと大気
連通口154とを介してインクタンク150内が大気に連通す
る。さらに、筐体100の記録ヘッド110下部の凹凸部は、
本体キャリッジ3に対する位置決め部100Bを構成してい
る。
本実施例において用いられる含浸材,湿潤剤の材質,
特性等としては、(実施例1)に記載したものと同じも
のを挙げることができる。
第17図(A)および(B)はカートリッジ1の外観お
よびこれをキャリッジ3に搭載した状態を示す。そし
て、同図(A)がキャップ状態、同図(B)が収納状態
である。
3Aはキャリッジ3のプラテンローラ13側近傍に設けら
れ、カートリッジ1の位置決め部100Bと嵌合してカート
リッジ1のキャリッジ3に対する位置を設定するための
キャリッジ側位置決め部である。
31Aおよび31Bは、それぞれ、第1レール11Aおよび第
2レール11Bの軸受、33はカートリッジ1を固定し、そ
の装着状態を確実にすべくキャリッジ3に設けたロック
アーム、37はカートリッジ1の電気接点部材170を受容
してケーブル17に接続させる電気接点部材である。
40はキャリッジ3に設けられ、キャップ160の移動の
駆動源をなすモータ、42はモータ40の軸に設けたモータ
ギアである。44はギアに噛合する駆動ギアである。
120および121は、それぞれの一端がキャップ160を支
持し、他端がそれぞれ筐体100に設けたピン120Aおよび1
21Aに軸支されて平行リンクをなす揺動アームである。1
23はばねであり、一方の揺動アーム120と筐体100とに結
合し、揺動アーム120を引張る方向に付勢してキャップ
状態および収納状態を確保する引張りばねとしてある。
勿論、ばね123の筐体100との結合位置およびばねの付勢
方向を適切に定めて収納状態またはキャップ状態を常態
としてもよく、前者の場合にはカートリッジ1の未使用
時や取外し時に記録ヘッド110等を保護すべく保護カバ
ーを設ければよい。
122は揺動アーム121に一体に設けられ、駆動ギア44と
噛合して駆動力の伝達を受けるギア部である。なお、以
上の伝動機能の構成はいかなるものであってもよい。
第18図は本例に係る湿潤処理制御部の一例を示し、こ
こでは記録装置本体の制御系の一部として構成してあ
る。
500は、例えば、CPU,ROM,RAM等を有するマイクロコン
ピュータ形態の制御部であり、ROMに格納された処理手
順等に従って各部を制御し、ホスト装置等から受信した
イメージデータにつきヘッド1を駆動して記録その他の
処理を制御する。また、記録媒体Pを検知するセンサPS
による紙検知等に応じて制御部500はプラテン駆動用モ
ータ15を介してプラテンローラ13を駆動し記録媒体の搬
送を制御する。また、キャリッジ位置センサCSにより検
出されたキャリッジ位置情報に応じて制御部500はキャ
リッジモータ9を介してキャリッジ3の駆動やホームポ
ジション等への位置付けを制御する。
80は回復ユニットであり、記録ヘッド110の記録範囲
(画像域)外の所定位置(例えばホーム位置)に記録ヘ
ッド110の吐出口面112と対向可能に配設される。そして
記録ヘッド110の吐出回復処理等にあたっては、制御部5
00制御の下に、回復ユニット駆動部86を介して記録ヘッ
ド110と相対的に移動させられる。
吐出回復処理としては、記録ヘッド110を通常駆動と
同様に駆動してインク吐出(予備吐出)を行わせること
により、あるいは回復ユニット80側に設けたポンプを駆
動して記録ヘッド110側からインク吸引を行わせること
により、記録ヘッド110内の増粘インク,気泡,塵埃等
を除去する処理とすることができる。また、本例のよう
にインクタンク150をカートリッジ1内に備えるのでは
なく、記録ヘッド110に対して装置側のインク供給系よ
りインク供給を行う構成であれば、そのインク供給系内
を加圧してインクを排出させるようにしてもよい。
なお、キャッピングはキャップ160を用いて行うの
で、予備吐出による吐出回復処理を行う構成であれば、
回復ユニット80を記録の休止時に記録ヘッド110に接合
させるための駆動手段は必ずしも設けなくてもよい。あ
るいはさらに、そのような予備吐出を記録媒体等に対し
て行うのであれば、回復ユニット80の配設も必須ではな
い。
さらに、制御部500は、モータ40を制御することによ
り、湿潤処理時および非記録時におけるキャップ160の
キャップ位置への設定や、記録時におけるキャップ160
の収納位置への位置設定等を行わせる。
第19図(A)は本例による湿潤処理手順の一例を示
す。
湿潤処理を行う場合には、まずステップS1にてモータ
40を正転させる。これに伴って揺動アーム121,120は第1
6図中矢印で示す反時計方向に回動し、第17図(A)に
示すようにキャップ160の含浸材162が吐出口面112と接
合する位置に設定され、湿潤剤が吐出口面112に付与さ
れる。なお、かかる処理は、本例の場合画像域外にキャ
リッジ3を設定して行えばよい。
このような状態を適切に設定した時間継続(ステップ
S3)した後には、ステップS5にてモータ40を逆転させ、
キャップ160を第17図(B)に示す位置に設定する。す
なわち、記録時には、同図に示す状態とすることによっ
て、そしてこの状態はばね123により保持されることに
よって記録動作は阻害されない。また、この状態では筐
体連通口106および大気連通口154を介してインクタンク
150内部が大気と連通するので、記録ヘッド110への円滑
なインク供給がなされる。
また、このような手順は、適宜のタイミングで起動す
ることができる。例えば、装置本体の電源オン時,記録
開始時,吐出回復処理後等とすることができる他、所定
時間の経過毎,所定量の記録毎とすることもできる。
また、上記手順において、続けて記録を行わない場合
にはステップS5の処理を行わずにキャップ160をそのま
ま吐出口面112に設定しておけばよい。また、一連の記
録が終了して記録を休止する場合にもキャップ160の吐
出口面112への設定を行う。これにより、吐出口面112に
キャッピングが施されてインク蒸発や塵埃付着等からの
吐出口の保護が可能となると共に、インクタンク150が
大気から遮断されるので、ここからのインク蒸発も防止
できる。さらに、インクカートリッジ1の未使用時やキ
ャリッジ3から取外したようなときには、ばね123の作
用によりキャップ状態が確保されるので、同様な保護が
行われる。
以上述べた実施例によれば、キャッピングに伴う湿潤
処理により記録時中吐出口面が湿潤な状態に保たれるよ
うにしたので、吐出口近傍を乾燥から守り、インク吐出
や排出による回復動作の頻度を減らしてもインクの増粘
による不吐出を抑制することができ、全体的に記録速度
をそれだけ高めることができると共に、無用なインクの
消耗を防止することができる。また、キャッピング時に
は筐体連通口106をも閉塞し、カートリッジ1内部の蒸
気圧を高めてヘッド保護がより効果的となる。
さらに、記録ヘッド110と湿潤手段とを一体のカート
リッジに設けたことにより、記録ヘッド110の寿命に対
応させて湿潤手段の寿命を設定することができ、湿潤手
段の交換は記録ヘッド110の交換と同時に行われるの
で、高い記録品位を長く維持できる。
さらに、湿潤手段と吐出口面112とを空間的に近接配
置できるので、湿潤動作時における塵埃等の異物混入の
確率が低くなって信頼性が向上すると共に、湿潤動作の
応答性も良好なものとなる。
加えて、記録装置本体側の構成に殆ど依存せずに、カ
ートリッジ単独での湿潤動作も可能となり、動作時間の
制約も小さく、本体の休止時間も小とすることもできる
ようになる。
また、吐出口面112に対して含浸材162がほぼ横から移
動してきてキャッピングがなされるので、吐出口内のイ
ンクのメニスカスの後退や空気の取込みも低減化でき
る。
さらに加えて、湿潤処理を行う時間を適切に設定でき
るので、湿潤動作の継続が容易であり、湿潤効果を効率
的に大とすることが可能となる。
第20図(A)および(B)は、本実施例の変形例を示
す。本例は、上述の実施例ではキャッピング中常に含浸
材162が吐出口112に接合するように構成したのに対し、
キャップ位置への移動およびキャップ位置からの移動時
にのみ当該移動の動作に伴って湿潤処理が行われるよう
にしたものである。
ここで、260は本例に係るキャップであり、同図
(A)中キャップ位置(実線)と収納位置(破線)とに
設定可能である。261はキャップ260に設けた中空の揺動
アームであり、軸261Aを中心に回動可能で、中空部に湿
潤剤Wを貯留するとともに、先端部には湿潤剤が湿潤す
る含浸材262を設けてある。264はばねであり、揺動アー
ム261に対し図中反時計方向、すなわちアーム先端部が
キャップ260から突出する方向に回動習性を付与する。2
66および267は、それぞれ、アーム261に設けた係止部お
よびキャップ160本体に設けたストッパであり、両者の
係合に応じて揺動アーム261のそれ以上の回動が阻止さ
れる。
208はキャップ260の収納時においてキャップ260の部
分が吐出口面112を含む平面より突出しないようにする
ための収納部であり、アーム261の含浸材262が接触しな
いように凹部208Aを設けてある。209は収納時にアーム2
61に係合してその回動を阻止するストッパである。
268はキャップ位置および収納位置においてキャップ2
60内の空間を大気から密閉するための密閉部材である。
すなわち、キャップ状態では、吐出口面112および含浸
材162等が乾燥や塵埃等から保護されるとともに筐体連
通口106が閉塞されるのでインクタンク150内のインク蒸
発が防止され、収納状態では含浸材162等が乾燥や塵埃
から保護される。
かかる構成において、キャップ260の移動や設定は、
上述した実施例と同様の機構の採用および制御によって
行うことができる。キャップ状態では、含浸材262は吐
出口面112に接触しないので、この状態では湿潤剤への
インク染料の拡散がない。
そして、キャップ位置への移動またはキャップ位置か
らの移動に伴って、第20図(B)に示すように、ばね26
4に付勢されたアーム261の回動力により吐出口面112に
含浸材262が接触しつつ移動する。従って、この過程で
湿潤剤が吐出口面112に付与される。また、吐出口面112
が含浸材262により拭われるので、そのクリーニング効
果も実現できる。なお、湿潤処理時において1回のキャ
ップ開閉動作で湿潤剤の付与が十分でない場合には、こ
れを複数回行うようにすればよい。
本実施例によっても、前述した実施例と同様、湿潤処
理を施すことによる効果、記録ヘッドと湿潤処理手段と
を一体化したことによる効果、両者を近接配置したこと
による効果等が得られるのに加え、液体状湿潤剤を貯留
した貯留部材を有する形態としたことにより、キャリッ
ジ走査に伴って、加速度により湿潤剤が適切に攪拌され
ることになる。これは、湿潤剤には泡立ちの弊害は少な
く、逆に攪拌による均一化の効果が大であることから望
ましいことである。
なお、本実施例では、記録ヘッドと湿潤手段とを一体
にした構成であれば、上述した各実施例にのみ限られる
ことなく、それらの構成や湿潤剤付与の態様、そのため
の機構等を任意所望に定めることができるのは勿論であ
る。
例えば、湿潤剤を含浸させる含浸材(162)や湿潤液
が湿潤する含浸材(262)を設けずに記録ヘッド110の吐
出口面112に対して湿潤処理が行われるようにすること
もできる。すなわち、スポンジ状の多孔な材質でなる含
浸材に記録ヘッド110より吐出等によってインクを供給
し、これを湿潤剤として用いてもよい。この場合には、
インク中の染料が含浸材に吸収され、水成分のみを表面
に保水させて使用するのが好ましい。
ここで、インクとは、着色剤としての染料または顔料
と、それを溶解または分散する液媒体を主成分とし、そ
の他必要に応じて使用される各種添加剤よりなるもので
あり、着色剤としては直接染料,酸性染料等の水溶性の
染料が、溶媒としては水および湿潤剤に関して上述した
成分が用いられるものである。
(実施例3) 本実施例では、第4図において、カートリッジ1の装
着時にテープ120の開口部122が至ったときにアクチュエ
ータ48Aの係合状態が解かれてマイクロスイッチ48がオ
フとなった時点からのモータの操作量を制御することに
よってテープ120を搬送せしめ、開口部122を吐出口面11
2に位置付けて記録可能状態としたり、あるいは後述の
ように非使用時のキャッピング状態とするようにする。
本実施例では、インクジェット記録装置の基本的な全
体構成,シーケンス等について(実施例1)とほぼ同じ
ものを用いるが、キャッピングを次に述べるようにテー
プ120の部分を用いて行うので、予備吐出による吐出回
復処理を行う構成であれば、回復ユニット80を記録の休
止時に記録ヘッド110に接合させるための駆動手段は必
ずしも設けなくてもよい。あるいはさらに、そのような
予備吐出を記録媒体等に対して行うのであれば、回復ユ
ニット80の配設も必須ではない。
第21図は本例に係るテープ120の構成例を示す。
本例に係るテープ120は、記録に際してインク吐出を
阻害しないようにするための開口部122を有している。
テープ120のうち、湿潤剤を付与すべく機能する湿潤機
能部は、開口部122と、装置の非使用時の吐出口面112を
覆うキャップ機能部130と、含浸材162により湿潤剤を転
写されてこれを記録ヘッド110の吐出口面112に付与すべ
く機能する湿潤機能部124とを有している。
本例では、開口部122は、記録時において吐出口面112
を露出させる他、筐体連通口106を開放してインクタン
ク150の大気連通口154を大気に連通させることができる
寸法とし、キャップ機能部130については非記録時にお
いて吐出口面112を覆うことで吐出口を塵埃等の付着お
よび乾燥から保護する他、筐体連通口106を閉塞して大
気連通口154からのインク蒸発を防止することができる
寸法とする。
次に、本例において用いた湿潤手段の内、テープ120
について詳述する。
まず、テープ120の材質について述べる。
テープ120に要求される機能は、次の通りである。
(i)引張り強度が高いこと。
(ii)可撓性があること。
すなわち、記録ヘッド110の吐出口面112に対しての密
着性を高めて、吐出口面112の湿潤化およびキャッピン
グを完全に行うためである。
(iii)良好な摺動性があること。
すなわち、吐出口面112に摺接するためである。
(iv)表面の改質等が容易であること。
すなわち良好に湿潤剤が転写されること、あるいは当
該転写およびキャッピングを良好とすべく施す表面の改
質や他の物質の形成を行うこが容易であることである。
以上の機能を考慮すれば、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET),ポリイミド(PI),ポリテトラフロオロエ
チレンとパーフロロアクリルビニルエーテルとの共重合
体(PFA),ポリビニルアルコール(PVA)等の高分子フ
ィルムや、強化紙、さらにはAl等の金属薄膜等をテープ
120の材質として挙げることができる。
第22図はテープ基体(ベース)121上に上記処理によ
り湿潤機能部124としての湿潤層125およびキャップ機能
部130としてのキャップ機能層132を設けて構成したテー
プ120の構成例を示すものである。なお、静電防止層127
は静電気による塵埃等の付着を防止すべく、テープ120
の表側表面に設けたものであり、金属の蒸着や、カーボ
ン等の導電性の微粒子を混入して形成することができ
る。
次に、テープ120の表面(本例では含浸材162および吐
出口面112との接触する側の面)のうち湿潤機能部124
は、湿潤剤で濡れ易く、しかもある程度の時間その状態
を保持するのが望ましいので、表面を多孔性化を凹凸化
等で改質させるなどして吸湿性を良好にするのが好適で
ある。また、キャップ機能部130については、非記録時
に吐出口面112に当接するものである。よってキャップ
機能部130が湿潤剤を含んでいると、含浸材162との接触
によって湿潤剤が吐出口内のインクを希釈してしまうお
それがある。これを避けるためには湿潤剤に対して撥液
性を有するのが好ましい。
このためには、 (i)表面を細かくあらして吸湿性の湿潤機能部124を
形成する。
(ii)テープに成形する上記の如き樹脂中に微粒子を混
入したり、紫外線を照射する等によりテープ表面に細か
な凹凸を設けて、この凹凸部に湿潤剤を保持させる。
(iii)PVA等、吸湿性および発泡性のある物質および撥
液性のある物質を表面に塗布形成することにより、それ
ぞれ、湿潤機能部およびキャップ機能部を設ける。
(iv)上述したようなテープ基体上に、湿潤機能を有す
る表層材およびキャップ機能を有する表層材を貼付,ラ
ミネート加工等によって接合形成することにより、それ
ぞれ、湿潤機能部およびキャップ機能部を設ける。
等を挙げることができる。
次に、キャップ機能部130としては、上記樹脂フィル
ムの表面にアルミニウム等の金属を蒸着して平滑面とし
たものや、樹脂フィルム自体の表面を平滑化したものと
することができ、これにより吐出口面112に対して密着
し易くなり、非使用時に吐出口からインクが蒸発するの
を防止することができる。なお、樹脂テープの一部を金
属薄テープに置換えて、この金属薄部をキャップ位置と
して用いてもよい。
含浸材,湿潤剤については、(実施例1)に記載した
ものと同じものを用いることができる。
本実施例では、第8図の制御部500によって、回復ユ
ニット駆動部86を介して回復ユニット80を駆動し、記録
ヘッド110へのキャッピングや吐出回復処理等を行わせ
ることができるが、前述したようにこれらの構成は必ず
しも必須ではない。さらに、制御部500は、テープ搬送
に用いるモータ40を制御することにより、湿潤処理時の
テープ120の搬送やスイッチ48の状態に基づいた開口部1
22およびキャップ機能部130の位置設定等を行わせる。
第23図(A)は本例による湿潤処理手順の一例を示
す。
本手順が起動されると、まずステップS1にてモータ40
を駆動し、テープ120を第3図中A方向に搬送させる。
これに伴って、含浸材162よりテープ120の湿潤機能部12
4(湿潤層125)には湿潤剤が付与され、これが吐出口面
112に至ったときに湿潤剤が吐出口面112に塗布されて行
く。
次に、ステップS3にて、スイッチ48からの信号に基づ
いて、その位置を開口部122が通過したか否かを判定す
る。そして、肯定判定がなされると、テープ120の長さ
が既知であれば所定量モータ40の駆動を行うことにより
(このときにも湿潤剤は吐出口面112に塗布され続けて
いる)、開口部122が吐出口面112の位置に至るので、そ
の時点でモータ40を停止する(ステップS5)。あるい
は、続けて記録を行わない場合にはキャップ機能部130
を吐出口面112に設定してもよい。
このようにモータ40を起動してから停止させるまでの
テープ120の搬送量は、すなわちエンドレスベルト状の
テープ120の回転数は、湿潤処理が適切になされるので
あれば1回転でも数回転でもよい。また、テープ120に
複数の開口部122が設けてあるのであれば、1回転以下
でもよい。
また、このような手順は、適宜のタイミングで起動す
ることができる。例えば、装置本体の電源オン時,記録
開始時,吐出回復処理後等とすることができる他、所定
時間の経過毎,所定量の記録毎とすることもできる。ま
た、そのときのキャリッジ位置も、本例ではプラテンロ
ーラ13側に突出する部材がないので、必ずしも画像域外
で行う必要はなく、キャリッジ3のリターン時に行うこ
ともできる。さらに、記録動作中にも一旦それを中断し
てその位置で行うようにすることもできる。
第23図(B)はテープ120の開口部122またはキャップ
機能部130の吐出口面112および筐体連通口106への設定
手順の一例を示す。
まず、ステップS11においては、適宜のタイミング
で、記録動作に移るか否かの判定を行う。すなわち、制
御部500が記録指令信号を受取ったときや、1行分の記
録を開始するとき、あるいはそれを終了してキャリッジ
リターンを行うとき等に当該判定を行う。また、第23図
(A)に示した手順に本手順を付加してもよい。
ここで、肯定判定がなされた場合にはステップS13で
開口部122の設定を行う。それまでキャップ機能部130が
設定されていればテープ120を第3図中A方向に搬送し
て設定を行うか、あるいはこれと逆方向に搬送して設定
を行えばよい。この設定により、吐出口面112が開放さ
れてインク吐出が可能となると共に、筐体連通口106お
よび大気連通口154を介してインクタンク150の内部が大
気に連通し、記録ヘッド110への円滑なインク供給がな
される。
一方、ステップS11で否定判定がなされた場合にはス
テップS15でキャップ機能部130の設定を行う。これによ
り、吐出口面112にキャッピングが施されてインク蒸発
や塵埃付着等からの吐出口の保護が可能となると共に、
インクタンク150が大気から遮断されるので、ここから
のインク蒸発も防止できる。
以上述べた実施例によれば、(実施例1)に記載した
優れた効果に加えて、吐出口面112に対してテープ120が
摺接しつつ湿潤剤の付与やキャッピングがなされるの
で、吐出口内のインクのメニスカスの後退や空気の取込
みも防止できる。さらに、このように薄い部材であるテ
ープ120を用いることは、カートリッジ1の小型化や画
像域内での湿潤処理およびキャッピングが可能になる等
の効果も奏するものであり、またその可撓性によって吐
出口面112によくなじみ、湿潤機能およびキャッピング
性能の向上も達成できるものである。加えて、テープを
用いることは、各機能部が形成可能という機能分離が可
能であるとともに、各種機能の有効面積を大きくできる
ことにもなる。
また、キャッピングの応答性にも優れ、吐出口面を記
録時以外には直ちにキャッピングすることができるの
で、記録ヘッド保護に優れた効果がある。
なお、テープ状の塗布部材を用いて吐出口面112に湿
潤剤を付与する構成は、上例のみに限られない。
例えば、第10図に示したように、テープをエンドレス
ベルト状に構成するのではなく両端をばね等の弾性部材
120−2で支持した構成とし(符号120−1で示す)、弾
性部材120−2の引張力によってテープ120−1の吐出口
面112等への密着性を高めるとともに、湿潤処理時には
テープ120−1をA方向へ、終了後にはB方向に搬送し
て湿潤剤の付与や開口部122あるいはキャップ機能部130
の位置設定等を行うようにすることができる。
本例によると、上例と同様の効果が得られるのみなら
ず、組立性の向上、並びにテープ製造が容易であること
によるその低廉化にも資することができる。また、基準
位置の設定が容易となるという利点もある。すなわち、
例えばキャップ機能部130が吐出口面112および筐体連通
口106を覆った位置を弾性部材120−2の平衡位置とする
等である。
また、第11図に示したような構成をとることによっ
て、湿潤剤室を設けずに記録ヘッド110の吐出口面112に
対して湿潤処理が行われるようにしてもよい。
なお、本実施例においてテープの搬送経路ないし走行
の向きは、吐出口面112が有効に湿潤化されるものであ
れば、いかなるものであってもよいのは言うまでもな
い。すなわち、上例ではテープを鉛直面内で搬送した
が、例えば水平面内で搬送するようにしてもよい。
第24図はさらに他の実施例を示すもので、上述した各
例が回転または往復移動によってテープ120を繰返し使
用するものであるのに対し、本例は再使用を行わないよ
うにしたものである。
ここで、220は巻取り型のテープ、246はテープ220の
未使用部分を巻き付けた従動軸、248は使用済部分を巻
取って行く巻取り軸である。巻取り軸248には、例えば
駆動ローラ144よりギア等の適宜の伝動機構を介して動
力を伝達することができる。また、250は従動軸246に巻
き付けられたテープ220の部分に摺接する摺動部材であ
り、板ばね252により付勢力を得てテープのたるみ等を
防止する。
本例においては、キャップ機能部,開口部および湿潤
機能部を、例えば巻取り軸248側から従動軸246に向けて
この順に複数設ければよい。
以上述べたような各例の構成において、未使用のカー
トリッジの保管時または寿命の尽きていないカートリッ
ジを一旦取外すような場合には、キャップ機能部が吐出
口面112および筐体連通口106を覆った状態であるのが望
ましい。その状態は、製造段階あるいは非記録時の設定
(第9図(B)参照)によって得ることができるが、外
力の作用によりその状態が保たれなくなると、すなわち
開口部や湿潤機能部が設定されてしまうと、インク蒸発
やインク希釈の問題が生じて不都合である。そこで、以
下のような構成を採ることができる。
第25図(A)および(B)は、未使用時等におけるキ
ャップ状態保持のための構成例を示す。
ここで、180はストッパアーム、181はストッパアーム
180の回動軸、182はテープ駆動ギア140の歯間に食い込
んでその回転を阻止するためのラッチ、190はラッチ182
がギア140に係合する方向にストッパアーム180を付勢す
るばねである。また、38はカートリッジ1の装着に伴っ
てストッパアーム180に係合し、これをばね190の付勢力
に抗して押し上げることによりラッチ182とギア140との
係合を解除する押上部材である。
かかる構成において、カートリッジ1がキャリッジ3
に搭載されていない状態では、第25図(A)に示すよう
に、ばね190の作用によりストッパアーム180のラッチ18
2がギア140の回転、すなわちテープの移動を阻止するの
で、キャップ機能部の設定状態が保持されることにな
る。また、カートリッジ1の装着時には、同図(B)に
示すようにギア140は駆動ギア44からの動力伝達によっ
て可動の状態となる。
さらに、第26図に示すように、テープ120,120−1,120
−3,220をパーフォレーション120Aを有する構成とする
とともに、駆動ローラ142にこれと噛み合う爪142Aを設
け、一方ピンチローラ144に爪142Aに対応した溝144Aを
設けておけば、テープの滑りが防止されてキャップ機能
部の設定状態が保持されるのみならず、斜行も防止され
て駆動精度も増すことになる。
なお、記録ヘッドを具備したカートリッジに、開口部
とキャップ機能部と湿潤機能部とを有するテープ(帯状
部材)を設けた構成であれば、上述した実施例にのみ限
られることなく、それらの構成や吐出口面あるいは湿潤
機能部への湿潤剤付与の態様、そのための機構等を任意
所望に定めることができるのは勿論である。
例えば、湿潤機能部への湿潤剤の付与に関して、搬送
経路中にテープが湿潤剤を貯留した部分を通過するよう
にしたり、あるいは少なくとも一部の搬送ローラ146に
湿潤剤を予め湿潤させたローラを用いる。もしくは適宜
の湿潤剤貯留部材から湿潤剤をすくい上げるローラを用
いるようにすることもできる。さらには、第24図示の構
成について言えば、図中破線で示すように、従動軸246
に巻き付けられているテープ220の部分を湿潤剤貯留部
材に浸しておくようにすることもできる。このように湿
潤剤貯留部材を設けると、カートリッジ1内は適当な蒸
気圧の有する雰囲気に保たれるという効果も得られる。
(実施例4) 本実施例では、カートリッジ1の装着時にはテープ12
0の開口部122が至ったときにアクチュエータ48Aの係合
状態が解かれてマイクロスイッチ48がオフとなった時点
からのモータの操作量を制御することによってテープ12
0を搬送せしめ、開口部122を吐出口面112に位置付けて
記録可能状態としたり、あるいは後述のように非使用時
のキャッピング状態とすることができる。また、後述の
ように、クリーニング部が湿潤機能部の摺接に先立って
吐出口面112に摺接する。
本実施例では、インクジェット記録装置の基本的な全
体構成,シーケンス等について(実施例3)と同じもの
を用いる。
第27図は本例に係るテープ120の構成例を示す。
本例に係るテープ120は、記録に際してインク吐出を
阻害しないようにするための開口部122を有している。
テープ120のうち、湿潤剤を付与すべく機能する湿潤機
能部は、開口部122と、装置の非使用時の吐出口面112を
覆うキャップ機能部130と、含浸材162により湿潤剤を転
写されてこれを記録ヘッド110の吐出口面112に付与すべ
く機能する湿潤機能部124と、第3図中方向の移動に伴
い、湿潤機能部124に先立って吐出口面112に摺接するク
リーニング部134とを有している。
本例では、開口部122は、記録時において吐出口面112
を露出させる他、筐体連通口106を開放してインクタン
ク150の大気連通口154を大気に連通させることができる
寸法とし、キャップ機能部130については非記録時にお
いて吐出口面112を覆う他、筐体連通口106を閉塞して大
気連通口154からのインク蒸発を防止することができる
寸法とする。
次に、本例において用いた湿潤手段の内、テープ120
について詳述する。
まず、テープ120の材質について述べる。
テープ120に要求される機能は、次の通りである。
(i)引張り強度が高いこと。
(ii)可撓性があること。
すなわち、記録ヘッド110の吐出口面112に対しての密
着性を高めて、吐出口面112の湿潤化,クリーニングお
よびキャッピングを完全に行うためである。
(iii)良好な摺動性があること。
すなわち、吐出口面112に摺接するためである。
(iv)表面の改質等が容易であること。
すなわち良好に湿潤剤が転写されること、あるいは当
該転写,クリーニングおよびキャッピングを良好とすべ
く施す表面の改質や他の物質の形成を行うことが容易で
あることである。
以上の機能を考慮すれば、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET),ポリイミド(PI)、ポリテトラフロオロエ
チレンとパーフロロアクリルビニルエーテルとの共重合
体(PFA),ポリビニルアルコール(PVA)等の高分子フ
ィルムや、強化紙、さらにはAl等の金属薄膜等のテープ
120の材質として挙げることができる。
第28図はテープ基体(ベース)121上に上記処理によ
り湿潤機能部124としての湿潤層125,クリーニング部134
としてのクリーニング層136およびキャップ機能部130と
してのキャップ機能層132を設けて構成したテープ120の
構成例を示すものである。なお、静電防止層127は静電
気による塵埃等の付着を防止すべく、テープ120の表側
表面に設けたものであり、金属の蒸着や、カーボン等の
導電性の微粒子を混入して形成することができる。
次に、テープ120の表面(本例では含浸材162および吐
出口面112との接触する側の面)のうち湿潤機能部124
は、湿潤剤で濡れ易く、しかもある程度の時間その状態
を保持するのが望ましいので、表面を多孔性化を凹凸化
等で改質させるなどして吸湿性を良好にするのが好適で
ある。また、キャップ機能部130については、非記録時
に吐出口面112に当接するものである。よってキャップ
機能部130が湿潤剤を含んでいると、含浸材162との接触
によって湿潤剤が吐出口内のインクを希釈してしまうお
それがある。これを避けるためには湿潤剤に対して撥液
性を有するのが好ましい。さらにクリーニング部134の
機能としては、吐出口面112に付着した塵埃や固化イン
ク等を単に払拭するのみならず、湿潤剤を適用したりし
て膨潤させた後にこれを払拭できるものであれば効果的
である。このためには、 (i)表面を細かくあらして吸湿性のクリーニング部13
4,湿潤機能部124を形成する。
(ii)テープに成形する上記の如き樹脂中に微粒子を混
入したり、紫外線を照射する等によりテープ表面に細か
な凹凸を設けて、湿潤機能部およびクリーニング部を形
成し、この凹凸部に湿潤剤を保持させる。
(iii)PVA等、吸湿性,発泡性のある物質、および撥液
性のある物質を表面に塗布形成することにより、それぞ
れ、湿潤機能部やクリーニング部およびキャップ機能部
を設ける。
(iv)上述したようなテープ基体上に、湿潤機能を有す
る表層材,クリーニング機能を有する表層材およびキャ
ップ機能を有する表層材を貼付,ラミネート加工等によ
って接合形成することにより、それぞれ、湿潤機能部,
クリーニング部およびキャップ機能部を設ける。
等を挙げることができる。
次に、キャップ機能部130としては、上記樹脂フィル
ムの表面にアルミニウム等の金属を蒸着して平滑面にし
たものや、樹脂フィルム自体の表面を平滑化したものと
することができ、これにより吐出口面112に対して密着
し易くなり、非使用時の吐出口からインクが蒸発するの
を防止することができる。なお、樹脂テープの一部を金
属薄テープに置換えて、この金属薄部をキャップ位置と
して用いてもよい。
またクリーニング部134については、樹脂フィルムや
金属薄テープによる基材上にポリウレタンフォーム,PV
A,各種ゴム材を塗布したり貼り付けたりして形成するこ
とができる。なお、テープ状のため吐出口と摺擦して移
動する場合は、吐出口面を傷損しない程度の表面性が求
められる。
含浸材,湿潤剤については、(実施例1)に記載され
たものと同じものを用いることができる。
本実施例では、第8図の制御部500によって、回復ユ
ニット駆動部86を介して回復ユニット80を駆動し、記録
ヘッド110へのキャッピングや吐出回復処理等を行わせ
ることができるが、前述したようにこれらの構成は必ず
しも必須ではない。さらに、制御部500は、テープ搬送
に用いるモータ40を制御することにより、湿潤処理時の
テープ120の搬送やスイッチ48の状態に基づいた開口部1
22、キャップ機能部130およびクリーニング部134の位置
設定等を行わせる。
本例による湿潤処理手順の一例を第23図(A)を用い
て説明する。
本手順が起動されると、まずステップS1にてモータ40
を駆動し、テープ120を第3図中A方向に搬送させる。
これに伴って、クリーニング部134が吐出口面112に摺接
してこれを清掃するとともに、含浸材162より120の湿潤
機能部124(湿潤層125)には湿潤剤が付与され、これが
吐出口面112に至った時に湿潤剤が吐出口面112に塗布さ
れて行く。すなわち、この塗布は吐出口面112が予めク
リーニング部134により清掃されて良好な状態となった
ところになされることになる。
次に、ステップS3にて、スイッチ48からの信号に基づ
いて、その位置を開口部122が通過したか否かを判定す
る。そして、肯定判定がなされると、テープ120の長さ
が既知であれば所定量モータ40の駆動を行うことにより
(このときにも湿潤剤は吐出口面112に塗布され続けて
いる)、開口部122が吐出口面112の位置に至るので、そ
の時点でモータ40を停止する(ステップS5)。あるい
は、続けて記録を行わない場合にはキャップ機能部130
を吐出口面112に設定してもよい。
本例におけるテープ120の開口部122またはキャップ機
能部130の吐出口面112および筐体連通口106への設定手
順については、第23図(B)を用いて前述のように説明
した通りである。
以上述べた実施例によれば(実施例3)に記載した優
れた効果に加えて、湿潤処理に先立ってクリーニングが
行われるので、吐出口面は良好にされた状態で湿潤液が
付与されるので、その効果を一層高めることができる。
また、吐出口面112に対してテープ120が摺接しつつ湿
潤剤の付与やキャッピングがなされるので、吐出口内の
インクのメニスカスの後退や空気の取込みも防止でき
る。さらに、このように薄い部材であるテープ120を用
いることは、カートリッジ1の小型化や画像域内でのク
リーニング,湿潤処理およびキャッピングが可能になる
等の効果も奏するものであり、またその可撓性によって
吐出口面112によくなじみ、クリーニング状態,湿潤機
能およびキャッピング性能の向上も達成できるものであ
る。加えて、テープを用いることは、各機能部が形成可
能という機能分離が可能であるとともに、各種機能の有
効面積を大きくできることにもなる。
なお、テープ状の塗布部材を用いて吐出口面112に湿
潤剤を付与する構成は、上例のみに限られない。
例えば、第10図に示したように、テープをエンドレス
ベルト状に構成するのではなく両端をばね等の弾性部材
120−2で支持した構成とし(符号120−1で示す)、弾
性部材120−2の引張力によってテープ120−1の吐出口
面112等への密着性を高めるとともに、湿潤処理時には
テープ120−1をA方向へ、終了後にはB方向に搬送し
てクリーニングおよび湿潤剤の付与や開口部122あるい
はキャップ機能部130の位置設定等を行うようにするこ
とができる。
本例によると、上例と同様の効果が得られるのみなら
ず、組立性の向上、並びにテープ製造が容易であること
によるその低廉化にも資することができる。また、基準
位置の設定が容易となるという利点もある。すなわち、
例えばキャップ機能部130が吐出口面112および筐体連通
口106を覆った位置を弾性部材120−2の平衡位置とする
等である。
また、第11図に示すような構成をとることによって、
湿潤剤室を設けずに記録ヘッド110の吐出口面112に対し
て湿潤処理が行われるようにしてもよい。
なお、以上の各例においてテープの搬送経路ないし走
行の向きは、吐出口面112が有効に湿潤化されるもので
あれば、いかなるものであってもよいのは言うまでもな
い。すなわち、上例ではテープを鉛直面内で搬送した
が、例えば水平面内で搬送するようにしてもよい。
上述した各例が回転または往復移動によってテープ12
0を繰返し使用するものであるのに対し、本例は第24図
のように再使用を行わないようにしたものであってもよ
い。
本例においては、第29図に示すように、キャップ機能
部230、開口部222、クリーニング部234および湿潤機能
部224を、例えば巻取り軸248側から従動軸246に向けて
この順に複数設ければよい。
(実施例5) 上述した各例においては、記録ヘッドを有するカート
リッジ内にテープを設け、記録ヘッドと一体に交換され
るものとして説明したが、本発明は上例にのみ限られる
ことなく、テープが別体に設けられていてもよい。
第30図はその実施例を示し、ここで、第1図と同様に
構成できる各部には対応箇所に同一符号を付してある。
ここで、310は記録ヘッド、330はキャリッジ、350は
インクタンクである。記録ヘッド310は、装置に固定の
部材であっても、あるいは交換可能なものであってもよ
い。また、インクタンク350は、インク残量が無しとな
ったときに交換されるカートリッジタンクの形態であっ
ても、あるいは不図示のインク供給源からインクを受容
して記録ヘッド310に供給するサブタンクの形態であっ
てもよい。すなわち、記録ヘッド310およびインクタン
ク350は、両者を一体として同時に、もしくは別体とし
て各別に、またはいずれか一方のみが交換される交換部
材であってもよいし、交換を前提としないものでもよ
い。また、記録ヘッド310が不図示のインク供給源から
直接インク供給を受けるものであれば、インクタンク35
0の配設は不要である。
310は記録ヘッド310の吐出口面に摺接しつつ、適宜の
駆動手段(不図示)により搬送されるテープであり、記
録時に記録ヘッド310の吐出口面に対向した位置に設定
されて全吐出口を露出するための開口部322を有すると
ともに、吐出口面310に摺接して湿潤剤を付与する機能
を有している。当該機能を果たすための湿潤機能部は、
吐出口面に摺接する面全体であってもよく、一部であっ
てもよい。そして、上述した第21図または第27図と同様
に、キャップ機能部,クリーニング部を有するものとし
てもよい。
346はキャリッジ330に設けられ、テープ310の搬送路
を規制してこれを案内するガイド用ローラ、348は開口
部322の通過を検知して開口部322の位置設定等を行う制
御に供されるセンサであり、第4図について述べたマイ
クロスイッチ48と同様の機能を有する。
360は湿潤剤を貯留した湿潤剤容器であり、弾性を有
する含浸材形態のパッド362を有する。パッド362は容器
内部の湿潤剤に浸漬される部分と、テープ320に当接し
てこれに湿潤剤を付与するとともにこれを押圧してテー
プ320に張力を付与する部分とを有する。すなわち、こ
のパッド362によりテープ320は記録ヘッド310の吐出口
面に密着して、良好な湿潤処理がなされる。なお、湿潤
剤容器360は、その他予め湿潤剤を含浸させた含浸材を
満たした構成であってもよく、湿潤剤にインクを用いる
のであればその配設は不要である。また、湿潤剤容器36
0は単体で、もしくはインクタンク350や記録ヘッド310
等と一体に交換されるものであってもよいし、キャリッ
ジ330に固定されて適宜湿潤剤の補給を受けるものであ
ってもよい。
本実施例においても、湿潤手段その他には前述したよ
うな構成,部材,材料等を選択でき、機能の選択に応じ
て前述と同様な効果を得ることができるものである。
なお、ここまで、本発明の代表的な実施例について記
載したが、本発明はこれらの実施例に限られるものでは
なく、各実施例の各構成を互いに組合せたものまで含む
ものであることは言うまでもない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、1つの筐体中
に使用により劣化を招く構成部材として記録ヘッドおよ
びインクタンク等を配し、インクの終了によるヘッドの
交換と共に一括して交換する構成とすることで、上記構
成部材の交換のタイミングをインクの終了に転嫁して判
断すると共に、構成部材個々を個々のタイミングで交換
する手間を省き、記録装置の長期にわたる安定使用を可
能とすることができる。
また、湿潤部材を備えたものでは、記録ヘッド寿命に
合せて湿潤部材の寿命を設定すれば無駄なく良好な湿潤
処理が確実に保証される。
さらに、キャップ部材を筐体と一体化したものでは、
筐体を交換することでキャップ部材も一括して交換する
ことができる。
また、キャップ部材を筐体と別体とし、かつ、筐体に
対して着脱可能としたものでは、筐体の交換とは無関係
に、キャップ部材のみを交換することができる。
また、キャップ部材の駆動を機械的な駆動が伝達され
てなされるものとしたものでは、キャッピングの応答性
に優れ、直ちにキャッピングすることができるので、記
録ヘッド保護に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置の構成例を示す平面図、 第2図および第3図は、それぞれ、本発明に係るカート
リッジの一実施例として、湿潤手段にテープを用いた構
成の一例を示す斜視図およびその内部構成例を示す断面
図、 第4図は、第2図および第3図示のカートリッジを第1
図示の記録装置に搭載した状態を示す一部断面図、 第5図は同じくその斜視図、 第6図および第7図は、本実施例で用いたテープの構成
を説明するための説明図、 第8図は本実施例における制御系の一構成例を示すブロ
ック図、 第9図は本実施例による湿潤処理手順の一例を示すフロ
ーチャート、 第10図および第11図は湿潤手段にテープを用いたカート
リッジの他の構成の2例を示す断面図、 第12図は本発明に係るカートリッジに設けられる湿潤手
段の他の実施例を示す断面図、 第13図(A)および(B)は第12図示の湿潤手段を動作
させる機構の構成例および動作を示す側面図、 第14図は本発明に係るカートリッジに設けられる湿潤手
段のさらに他の実施例を示す断面図、 第15図は第14図示の湿潤手段を動作させる機構の構成例
を示す斜視図である。 第16図は本発明に係るカートリッジの別の実施例を示す
断面図、 第17図(A)および(B)は第16図示のカートリッジの
キャッピング手段を駆動するための機構の構成例および
その動作を説明するための側面図、 第18図は本実施例における制御系の一構成例を示すブロ
ック図、 第19図は本実施例による湿潤処理手順の一例を示すフロ
ーチャート、 第20図(A)および(B)は本発明のさらに別の実施例
に係るカートリッジおよびその動作を説明するための側
面図である。 第21図および第22図は、本発明の実施例の1つで用いた
テープの構成を説明するための説明図、 第23図(A)および(B)は本発明の実施例の1つによ
る処理手順の一例を示すフローチャート、 第24図は本発明に係るカートリッジの他の構成の3例を
示す断面図、 第25図(A)および(B)はテープ位置設定に採用可能
な機構の構成例および動作を示す側面図、 第26図はテープ搬送系に採用可能な機構の構成例を示す
斜視図である。 第27図および第28図は、本発明の実施例の1つで用いた
テープの構成を説明するための説明図、 第29図は本発明の実施例の1つにおいて採用可能なテー
プの構成例を示す説明図である。 第30図は本発明のさらに他の実施例を説明するための斜
視図である。 1…カートリッジ(インクジェットカートリッジ)、3,
330…キャリッジ、13…プラテンローラ、17…信号伝達
用ケーブル、32…ロックアーム、37…電気接点受部材
(電気接続部)、40…湿潤処理モータ(湿潤部材)、4
2,44,140…ギア、100,200,300…筐体、102,202…保護カ
バー、110…記録ヘッド、112…吐出口面、120,120−1,1
20−3,220,320…テープ、121…ベース、122,222,322…
開口部、124,224…湿潤機能部(湿潤部材)、125…湿潤
層(湿潤部材)、127…静電防止層、130,230…キャップ
機能部(キャップ部材)、132…キャップ機能層(キャ
ップ部材)、134,234…クリーニング部(清掃部材)、1
42…駆動ローラ、144,146…ローラ、150,350…インクタ
ンク、152…液路、154…大気連通口、160,260,360…湿
潤剤室(湿潤部材)、162,262,362,366…含浸材、170…
接点部材(電気接続部)、180…ストッパアーム、240…
駆動アーム、246…従動軸、248…巻取軸、360…湿潤剤
容器(湿潤部材)、364…キャップ、369…揺動アーム、
500…制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願昭63−76376 (32)優先日 昭63(1988)3月31日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭63−76377 (32)優先日 昭63(1988)3月31日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 蔵田 満 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 平林 弘光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 野村 明宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小板橋 規文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−162655(JP,A) 特表 平2−503175(JP,A) 実開 昭56−48644(JP,U) 実開 昭58−171345(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/165

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを吐出する記録ヘッドと、 該記録ヘッドに供給されるインクを貯蓄したインクタン
    クと、 前記記録ヘッドの吐出口面を清掃する清掃部材と、 前記記録ヘッドの吐出口面を覆うキャップ部材と、 前記記録ヘッドの駆動に寄与する信号を伝達するための
    電気接続部と、 を1つの筐体に収納配置して構成されるインクジェット
    カートリッジをインクジェット記録装置に備えられた走
    査キャリッジに対して着脱交換自在に構成したことを特
    徴とするインクジェットカートリッジ。
  2. 【請求項2】前記インクジェットカートリッジにはさら
    に前記記録ヘッドの吐出口面を湿潤する湿潤部材が備え
    られていることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェットカートリッジ。
  3. 【請求項3】前記キャップ部材は、前記筐体と一体化さ
    れて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットカートリッジ。
  4. 【請求項4】前記キャップ部材は、前記筐体と別体で構
    成され、かつ前記筐体に対して着脱可能に構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットカ
    ートリッジ。
  5. 【請求項5】前記キャップ部材の駆動は、機械的な駆動
    が伝達されてなされることを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェットカートリッジ。
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