JP2763206B2 - 通帳印字装置 - Google Patents

通帳印字装置

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JP2763206B2
JP2763206B2 JP7376691A JP7376691A JP2763206B2 JP 2763206 B2 JP2763206 B2 JP 2763206B2 JP 7376691 A JP7376691 A JP 7376691A JP 7376691 A JP7376691 A JP 7376691A JP 2763206 B2 JP2763206 B2 JP 2763206B2
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誠 猿谷
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金融機関において使用さ
れる通帳処理装置の通帳印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は特開昭63−12
0673号に開示されるものがあり、図6は通帳処理装
置の全体構成を示す側断面図、図7は図6の要部側面図
であり、図6に示す通帳処理装置はオペレータが介在し
ないで新通帳を自動的に発行する機能を有している。
【0003】1は新規発行用の通帳2を繰り出し可能
に、折り畳んだ状態で収納する新通帳収納部、3は通帳
2を挿入,排出する通帳挿入排出口、4は通帳2へ印字
ヘッド5により印字処理を行う印字部である。
【0004】ここで、図8は通帳2の説明図であり、上
述したように2は通帳で、顧客氏名や口座番号等が印字
される表紙2a、表紙2aと一連で対をなす裏表紙2
b、取引内容等が印字される複数枚の中紙2c等から構
成され、センタホールド2dを折り目として開いたり閉
じたりすることができる。2eはページ等の情報が組み
込まれているページコード、2fは顧客情報や取引情報
等各種情報が磁気的に記録されている磁気ストライプで
ある。この通帳2における印字行は、中紙2cにおいて
センタホールド2dを境に1〜12行目と13〜24行
目に分割されている。
【0005】図6に戻り、6は通帳2の磁気ストライプ
2f上に磁気ヘッド6aにより情報を磁気的に書き込み
または磁気ストライプ2f上の情報を磁気的に読み取る
磁気読み取り書き込み部、8は頁めくりローラ9により
通帳2の頁をめくる改頁部、10は以上の各部を結ぶ搬
送路で、15は通帳2を上下より挟み、圧接、回転駆動
することで通帳2を搬送路10に沿って搬送する搬送ロ
ーラ系、7は以上各部の動作を制御する主制御部であ
る。
【0006】図7は上述したように図6の要部側面図
で、印字部4における搬送系を示している。15a,1
5bは改頁部8と印字部4間の通帳搬送を行う搬送ロー
ラ、16は通帳2が開いた状態で中紙2c側に当接する
側の搬送ローラ15aをベルト17を介して回転駆動す
るステッピングモータ、18は通帳2が開いた状態で表
紙2a側(裏表紙2b側)に当接する側の搬送ローラ1
5bをベルト19を介して回転駆動するステッピングモ
ータ、20,21は前記ステッピングモータ16,18
の回転駆動および搬送量(回転量)を制御するモータ制
御部であり、図6に示す主制御部7の指示により制御を
行う。22は通帳2を所定の位置に搬送するために通帳
2の上下端面を検出するセンサであり、通帳2の位置を
把握し、種々の制御切り替えのトリガとするものであ
る。
【0007】以上の構成により、通帳2を通帳挿入排出
口3より挿入すると、磁気読み取り書き込み部6にて挿
入された通帳2の磁気ストライプ2fから情報を読み取
り、図示せぬセンタコンピュータに情報を送り、該セン
タコンピュータより未記帳データ等を受信し、印字部4
により印字処理を行う。また、開かれたページの全行に
印字処理しても未記帳データが残っている場合には、改
頁部8において通帳2の中紙改頁を行い、印字部4で印
字処理するという動作を繰り返し、印字処理が終了する
と磁気読み取り書き込み部6で通帳2の磁気ストライプ
2fの情報の更新を行い、通帳挿入排出口3より排出す
る。
【0008】前述印字処理中に通帳2の印字可能な頁が
尽きて通帳繰越が発生したり、新通帳発行命令を受信し
た場合には、新通帳収納部1より通帳2を1冊繰り出し
て印字部4へ搬送し、表紙2aに口座番号、氏名、店番
等を印字し、次に改頁部8へ搬送し改頁(表紙めくり)
後、再び印字部4へ搬送し、中紙2cに未記帳データを
印字し、磁気読み取り書き込み部6に搬送し、磁気スト
ライプ2fに情報の書き込みを行い、通帳挿入排出口3
より排出し、処理は終了する。
【0009】ここで、特開昭63−120673号で開
示されている技術の要旨である新通帳の改頁(表紙めく
り)後の搬送動作について説明すると、新規発行用の通
帳2は閉じられた状態で新通帳収納部1に収納されてい
るため特に折りぐせが強く、表紙2aに所定の印字処理
を行ったのち改頁部8で改頁動作を行ったとき、図9に
示すように中紙2cにふくらみが発生し、ふくらみ分だ
け通帳2の中紙2cが表紙2aに対しΔLのずれが発生
する。
【0010】このふくらみを除去するため、表紙印刷の
なされた新規発行の通帳2が改頁部8にて改頁動作が行
われたのち、再度印字部4に搬送される際、センサ22
が通帳2の先端を検知するまでは搬送ローラ15a,1
5bとも、モータ制御部20,21にそれぞれ制御され
たステッピングモータ16,18により、同一搬送量と
なるように回転させる。そして、センサ22が通帳2の
先端を検知したことを制御部7が認識すると、これを受
けてモータ制御部20が搬送ローラ15aの搬送量を搬
送ローラ15bの搬送量より一定時間多くする。これに
より、中紙2cを表紙2aより若干多く搬送することで
中紙2c側のずれΔLを解消し、中紙2cのずれによる
印字位置ずれを防止するものであった。なお、通帳2の
センタホールド2dの位置と搬送方向により、搬送ロー
ラ15aの搬送量を搬送ローラ15bに対し多くするか
または少なくするかが決定されるが、センターホールド
2dが近づいてくる方向に搬送する際に搬送量を多く制
御することは言うまでもない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の通帳印字装置であると、以下に示すような問題
がある。すなわち、改頁により開かれた中紙に発生する
中紙のふくらみ量は中紙枚数,紙厚,改頁枚数による変
動が多く、表紙に対する中紙のずれ量も一定ではない
が、この変動量を個々に把握してそれに合わせて搬送ロ
ーラによる搬送量を変化させるように制御するのは困難
であり、ずれ量に関係なく搬送量の差を一定に設定して
いる。しかしながら、搬送量の差を少なく設定して動作
させると、ずれ量が多い場合は一定時間内にずれ量を吸
収することができず、また、搬送量の差を多く設定して
動作させると、ずれ量が吸収されたにも係わらず中紙に
当接する搬送ローラの搬送量が多いままとなって、中紙
と搬送ローラとの間でスリップ状態が発生し、同位置で
汚れ(スリップ跡)が発生して品質の低下となるという
問題がある。
【0012】また、搬送ローラ間で搬送量を変化させる
ため搬送ローラを駆動するステッピングモータを複数個
必要とすることになり、ドライブ回路等を含め部材費が
増加するとともに、これにより装置が大型化するという
問題もある。
【0013】さらに、通帳の面と水平な方向である搬送
方向に力を加えて中紙を伸ばし、中紙のふくらみを除去
してずれ量を吸収することとしているので、搬送ローラ
と通帳表紙、または通帳中紙の摩擦係数によっては、通
帳中紙のばし時に通帳自身が移動してしまう場合があ
り、摩擦係数の変化(例えば、紙粉の付着、インクの転
写)や、通帳表紙の印刷処理と通帳種類さらに磁気スト
ライプ面の存在を考慮すると、搬送ローラの表面材質や
圧力の設定は極めて設定しにくいものである。
【0014】また、発行済である流通通帳の場合は改頁
動作を行っても中紙のふくらみ量はすくないので、新規
発行の通帳における中紙のふくらみに対応するように搬
送ローラ間の搬送量の差を大きく設定している装置であ
ると、ふくらみ量が少ない通帳を処理するとかえって問
題が発生することを考慮して、新規発行の通帳の場合と
流通通帳の場合において処理を変化させようとすると、
制御方法が複数となり制御が複雑になるという問題があ
る。
【0015】本発明は、以上述べた確実に中紙のずれを
除去することの困難さ、中紙のずれを除去するための複
雑な制御と部材費の増加、装置の大型化という問題を解
決するためになされたもので、搬送ローラによる搬送量
を変化させることなく通帳中紙のふくらみを除去し、印
字ずれのない通帳印字装置を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は通帳に印字を行う印字ヘッドと、前記印字
ヘッドを支持し通帳の面と直交する方向に移動するキャ
リッジと、該キャリッジを移動させるキャリッジ駆動手
段と、キャリッジが通帳に圧接状態となったことを検知
する検知手段と、前記キャリッジおよび印字ヘッドと対
向して設けられたプラテンとからなり、キャリッジが通
帳に圧接状態となったことを検知した後、該キャリッジ
を通帳から離れる方向に微小量移動させ、印字ヘッドと
通帳との間に印字ヘッドギャップを設ける印字ヘッドギ
ャップ調整機構を有する通帳印字装置であって、通帳の
搬送方向においてプラテンの両側にそれぞれ設けられ、
通帳と圧接状態で駆動手段からの動力を受けて該通帳の
搬送を行うとともに、解放手段により通帳に対する圧接
状態が独立して解放される第1および第2の搬送手段
と、通帳の印字開始行を認識する印字開始行認識手段
と、前記第1および第2の搬送手段で通帳を圧接した状
態で、前記印字開始行認識手段で認識した印字開始行の
存在する頁の折り目側近傍とプラテンが対向する位置ま
で該通帳を搬送し、前記第1および第2の搬送手段のう
ち、印字開始行が存在する頁と圧接状態の搬送手段を解
放して、キャリッジを通帳と近づく方向に移動させて
頁と圧接状態とし前記解放した搬送手段を再度圧接状
態に移行した後、キャリッジを通帳から離れる方向に移
させる制御手段とを設けることを特徴としている。
【0017】
【作用】上述した構成を有する本発明は、通帳に印字を
行う際、印字開始行認識手段により印字開始行を認識す
る。この認識結果に基づき、第1および第2の搬送手段
で圧接した状態で印字開始行の存在する頁の折り目側近
傍とプラテンが対向する位置に通帳を搬送する。通帳が
所定位置まで搬送されたら、印字開始行の存在する頁と
圧接状態にある第1もしくは第2の搬送手段を解放し、
キャリッジを通帳に近づく方向に移動させ前記頁に圧接
する。キャリッジが通帳と圧接状態となったことを検知
するとキャリッジの移動を停止するとともに、通帳に対
する圧接状態を解放していた第1もしくは第2の搬送手
段を再度圧接状態に移行する。その後、キャリッジを通
帳から離れる方向に移動させ第1及び第2の搬送手段に
より前記認識した印字開始行と印字ヘッドが対向する位
置に通帳を搬送し、キャリッジを通帳と近づける方向に
移動して印字ヘッドと通帳との間に最適な印字ヘッドギ
ャップを形成して印字を行う。
【0018】
【実施例】以下に、図面を参照して実施例を説明する。
図1は本発明の一実施例を示す制御系のブロック図、図
2は印字部の詳細を示す斜視図で、本実施例における印
字部には印字ヘッドギャップ調整機構が設けられている
ものである。なお、通帳印字装置の構成は従来の技術図
6で説明したものと同じであり、その説明は省略する。
【0019】先ず、図2において、31は印字ヘッドギ
ャップ調整を行うために、印字ヘッド5を搬送路10を
搬送される通帳2の面方向に対し鉛直方向に移動させる
ためのステッピングモータであり、軸にはモータギヤ3
2が固着されている。33a,33bはアイドルギヤで
あり、アイドルシャフト34を介して同軸上に取り付け
られており、アイドルギヤ33aが前記モータギヤ32
と噛み合っている。
【0020】35a,35bは前記アイドルギヤ33
a,33bと各々噛み合うドリブンギヤであり、このド
リブンギヤ35a,35bと同軸上には挿入排出口3か
らの通帳2の搬送方向に対して左側に位置するカム36
aと右側に位置するカム36bがそれぞれ固着されてい
る。そして、このカム36a,カム36bはステッピン
グモータ31が右回転すると、アイドルギヤ33a,3
3b及びドリブンギヤ35a,35bを介し右回転し、
初期位置からの右回転によりその径が増加するようなカ
ム面が形成されている。
【0021】37はスリットディスクであり、円板上の
外周近くに均等ピッチで設けられたスリットを有するも
ので、カム36aと同軸上に固着されている。38は前
記スリットディスク37のスリットに対応して一定の間
隔をとり配設されているスリット検出素子であり、前記
スリットディスク37とともにステッピングモータ31
の回転の検出等を行っている。なお、以上述べたアイド
ルギヤ33a,33b、ドリブンギヤ35a,35b、
カム36a及びカム36bは各々同歯数,同カム曲線の
ものが、対称に設けられている。
【0022】39は印字ヘッド5を搭載するキャリッジ
42をスペース方向に移動自在に支持するメインシャフ
ト、41はキャリッジ42に設けられたローラ42aを
介して、キャリッジ42を印字桁方向に移動自在に支持
するガイドビームであり、メインシャフト39及びガイ
ドビーム41は印字ヘッド5のスペース方向への移動ガ
イドとなる。44は前記メインシャフト39と同軸に設
けられたローラ40をカム36a及びカム36b方向に
付勢するスプリングであり、ローラ40とカム36a,
36bは常時密着するようになっている。13は印字ヘ
ッド5と対向して設けられたプラテンであり、メインシ
ャフト39は図示しないサイドフレームに設けられる案
内部によりこのプラテン13に対し直交する方向(矢印
方向)に移動方向が規制されており、カム36a,カム
36bの回転により印字ヘッド5が移動する方向は、プ
ラテン13に対し接近,離間する方向となる。
【0023】図3は上述したように印字部4の側面図
で、ここではその搬送系について説明する。図において
45aはフィードローラ、45bは前記フィードローラ
45aと対向して設けられたプレッシャローラで、この
プレッシャローラ45bは、シャフト45cを中心軸と
して回転可能に支持されているとともに、アーム45d
を介してプレッシャローラシャフト45eに支持されて
おり、ここでは図示しない駆動機構によりプレッシャロ
ーラシャフト45eを一定角度回転させると、アーム4
5dが下降してプレッシャローラ45bをフィードロー
ラ45aに圧接する方向に移動させたり、前記と逆の方
向にプレッシャローラシャフト45eを一定角度回転さ
せると、アーム45dが上昇してプレッシャローラ45
bがフィードローラ45aから離間する方向に移動させ
る。そして、プレッシャローラ45bをフィードローラ
45aに圧接する方向に移動した状態で通帳2を挟持し
てフィードローラ45aを回転させることで通帳2は搬
送される。
【0024】46aはフィードローラ、46bはフィー
ドローラ46aと対向して設けられたプレッシャローラ
で、前記フィードローラ45aおよびプレッシャローラ
45bに対しプラテン13を挟む位置で、互いが同時に
同じ通帳2を挟持することが可能な間隔をもって設けら
れている。前記プレッシャローラ46bは、シャフト4
6cを中心軸として回転可能に支持されているととも
に、アーム46dを介してプレッシャローラシャフト4
6eに支持されており、ここでは図示しない駆動機構に
よりプレッシャローラシャフト46eを一定角度回転さ
せると、アーム46dが下降してプレッシャローラ46
bをフィードローラ46aに圧接する方向に移動させた
り、前記と逆の方向にプレッシャローラシャフト46e
を一定角度回転させると、アーム46dが上昇してプレ
ッシャローラ46bがフィードローラ46aから離間す
る方向に移動させる。そして、プレッシャローラ46b
をフィードローラ46aに圧接する方向に移動した状態
で通帳2を挟持してフィードローラ46aを回転させる
ことで通帳2は搬送される。
【0025】以下に、図1を用いて本実施例の制御系の
説明を行う。上述したように42はキャリッジ、31は
該キャリッジ42の駆動手段であるステッピングモータ
である。100はキャリッジ42が通帳2に圧接状態と
なったことを検知する検知手段で、ここでは図2で説明
した、ステッピングモータ31の回転を検出しているス
リットディスク37およびスリット検出素子38等から
構成されている。
【0026】101は第1の搬送手段で、図3で説明し
たフィードローラ45a,プレッシャローラ45bから
構成される。102はプレッシャローラ45bを通帳2
に対して圧接および圧接の解放を行う解放手段であり、
プレッシャローラシャフト45eを回転駆動するマグネ
ット等から構成される。103は第2の搬送手段で、フ
ィードローラ46aとプレッシャローラ46bから構成
される。104はプレッシャローラ46bを通帳2に対
して圧接および圧接の解放を行う解放手段であり、プレ
ッシャローラシャフト46eを回転駆動するマグネット
等から構成される。
【0027】105はフィードローラ45aや46a、
および図6に示す通帳印字装置の各搬送ローラ系を一括
して駆動する、搬送系の駆動手段であるステッピングモ
ータで、本実施例では搬送系の駆動は基本的に一個のス
テッピングモータで行うこととしている。
【0028】106は通帳2に印字を行う時の印字開始
行を認識する印字開始行認識手段で、光学的なセンサに
より印字済行を検出するか、磁気ストライプに前回まで
の印字済行の情報を記憶しておき、該情報を読み取って
認識する等の方法、および新規発行の通帳の場合は1行
目が印字開始行であると認識する方法等がある。107
は上述した各部に対して通帳の中紙のふくらみを除去す
る制御を行う制御手段である。
【0029】ここで、図2に示す印字部4における印字
ヘッドギャップ調整方法を説明する。なお、この際プラ
テン13上には印字すべき位置まで通帳2がすでに搬送
されているものとする。ステッピングモータ31を右回
転させると、モータギヤ32,アイドルギヤ33a,3
3b、さらにドリブンギヤ35a,35bに回転が伝達
され、ドリブンギヤ35a,35bと同軸上のカム36
a,カム36bが回転し、コイルスプリング44の張力
に抗してメインシャフト39が押し下げられる。すなわ
ち、キャリッジ42がプラテン13方向に降下を開始す
る。ステッピングモータ31の回転をさらに続けると、
キャリッジ42と通帳2が接触し、続けて該通帳2が
ラテン13に押しつけられて、キャリッジ42と通帳2
が圧接状態となる。この状態ではステッピングモータ3
1が回転しようとしてもキャリッジ42は下降すること
はできず、ステッピングモータ31の回転は強制的に停
止させられる。
【0030】ここで、カム36aと同軸上に配設された
スリットディスク37のスリットは、回転することによ
スリット検出素子38によりON/OFF信号を発生
し、ステッピングモータ31の回転開始から強制停止ま
での動作量が検出される。ステッピングモータ31はキ
ャリッジ42が通帳2に接触し、圧接状態となった後
脱調し、所定ステップ数ステッピングモータ31に回転
命令を与えても、スリット検出素子38からのON/O
FF信号が発生しなかったら右回転命令を終了させる。
【0031】その後、キャリッジ42を図示しないスペ
ーシング手段で印字桁方向に移動させて印字処理を実行
し、印字処理が終了すると、ステッピングモータ31に
再び左回転命令が与えられ、キャリッジ42は通帳2よ
り離れる方向に上昇し、原点位置に戻される。
【0032】次に、本実施例における、中紙のふくらみ
の除去方法を説明する。図4は本実施例におけるフロー
チャート、図5は本実施例における機構的な作用を示す
説明図である。なお、ここでは新通帳収納部1からの新
規の通帳発行ととともに、通帳挿入排出口3から挿入さ
れる発行済の流通通帳の場合についても中紙のふくらみ
を除去することとして説明する。
【0033】新規に発行する通帳2を新通帳収納部1か
ら一部繰り出し、印字部4にて表紙2aに所定の印字処
理を行ったのち改頁部8に戻して改頁動作を行い、再度
印字部4に搬送するか、通帳挿入排出口3から発行済の
流通通帳2を所定のページを開いて挿入し、磁気ヘッド
6aにて磁気ストライプ2fから情報を読み取って印字
部4に該通帳を搬送するとき(S1)、制御手段107
は印字開始行認識手段106を介して印字開始行を認識
する。ここで、新規発行の通帳2の場合は印字開始位置
は基本的に1行目であり、発行済の流通通帳2の場合は
光学的なセンサにより印字済行を検知するか、磁気スト
ライプに前回までの印字済行の情報を記憶しておき、該
情報を読み取って認識する等の方法がある(S2)。
【0034】S2において、印字開始行が中紙2cの1
〜12行目に位置すると判断されると、中紙2cの1〜
12行目側のセンターホールド2d近傍、ここではセン
ターホールド2dの2行手前の10行目とプラテン13
および印字ヘッド5が対向する位置までフィードローラ
45a,46aをステッピングモータ105で駆動して
通帳2を搬送する。このとき、解放手段102,104
はプレッシャローラ45b,46bともフィードローラ
45a,46aと圧接する方向に移動させて通帳2を挟
持,搬送しており、搬送量は図示しないセンサが通帳2
の先端を検知してからのステッピングモータ105のス
テップ数をカウントしておくことで制御可能である(S
3)。
【0035】通帳2が所定の位置まで搬送されると、ス
テッピングモータ105によるフィードローラ45a,
46aの駆動を停止して通帳2を停止させる。そして、
解放手段104によりプレッシャロ−ラシャフト46e
を一定角度回転させ、プレッシャローラ46bをフィー
ドローラ46aと離間する方向に移動して、通帳2の印
字が行われるべき中紙2cとの圧接状態を解除する(S
4)。この状態を図5(a)に示す。
【0036】次に、制御手段107は上述した印字ヘッ
ドギャップ調整方法と同じようにステッピングモータ3
1を右回転させ、キャリッジ42がプラテン13方向に
降下を開始する(S5)。ステッピングモータ31の回
転をさらに続けると、キャリッジ42と通帳2が接触
し、圧接状態となる。この状態で印字を行おうとする中
紙2cのふくらみはキャリッジ42により押しつぶさ
れ、プレッシャローラ46b側に伸ばされる。このと
き、プレッシャローラ46bの中紙2cに対する圧接状
態が解除されているので、上記作用の妨げになることは
ない。
【0037】キャリッジ42が中紙2cに圧接した状態
からさらにステッピングモータ31が回転しようとして
もキャリッジ42は下降することはできず、ステッピン
グモータ31の回転は強制的に停止させられる。このた
め、中紙2cのふくらみ量には関係なく、確実にふくら
みは除去され、このとき、通帳2には通帳の面と垂直
つまり搬送方向と直交する方向に力が加わり、通帳2の
搬送方向には力が加わらない。
【0038】ステッピングモータ31はキャリッジ42
が通帳2に接触し、圧接状態となった後は脱調し、所定
ステップ数ステッピングモータ31に回転命令を与えて
も、スリット検出素子38からのON/OFF信号が発
生しなかったら右回転命令を終了させる。
【0039】さらに、プレッシャローラシャフト46e
を前記とは逆の方向に一定角度回転させ、プレッシャロ
ーラ46bを中紙2cに圧接状態にする。これにより、
通帳2はフィードローラ45aとプレッシャローラ45
bと、フィードローラ46aとプレッシャローラ46b
とにより中紙2cにふくらみがない状態で挟持される
(S6)。この状態を図5(b)に示す。
【0040】次にステッピングモータ31を左回転さ
せ、キャリッジ42を原点まで上昇させる。なお、この
時、通帳2の中紙2cに圧接した状態から原点までキャ
リッジ42を移動した際のステッピングモータ31のス
テップ数をカウントしておく(S7)。フィードローラ
45a,46aを駆動して通帳2を印字ヘッド5と印字
開始行が対向する位置まで搬送し、前記通帳2の中紙2
cに圧接した状態から原点までキャリッジ42を移動し
た際にカウントしたステッピングモータ31のステップ
数をもとにして、印字ヘッド5と中紙2cとの間に最適
な印字ヘッドギャップが得られる位置までキャリッジ
を移動させるためのステップ数を割り出し、該ステッ
プ数だけステッピングモータ31を右回転させ、最適な
印字ヘッドギャップを得た状態で印字処理を開始する。
【0041】なお、印字開始行がキャリッジ42による
中紙のふくらみを押しつぶす位置、ここでは10行目で
ある場合にはキャリッジ42を原点まで戻すことなく、
印字ヘッドギャップ調整方法で示したように予め定めら
れた一定量キャリッジを上昇させることで即印字可能状
態となり、処理時間の短縮が図れることなる。
【0042】前記S2において、印字開始行が中紙2c
の13〜24行目に位置すると判断されると、中紙2c
の13〜24行目側のセンターホールド2d近傍、ここ
ではセンターホールド2dの2行後の15行目とプラテ
ン13および印字ヘッド5が対向する位置までフィード
ローラ45a,46aをステッピングモータ105で駆
動して通帳2を搬送する。このとき、解放手段102,
104はプレッシャローラ45b,46bともフィード
ローラ45a,46aと圧接する方向に移動させて通帳
2を挟持,搬送しており、搬送量は図示しないセンサが
通帳2の先端を検知してからのステッピングモータ10
5のステップ数をカウントしておくことで制御可能であ
る(S8)。
【0043】通帳2が所定の位置まで搬送されると、ス
テッピングモータ105によるフィードローラ45a,
46aの駆動を停止して通帳2を停止させる。そして、
解放手段102によりプレッシャロ−ラシャフト45e
を一定角度回転させ、プレッシャローラ45bをフィー
ドローラ45aと離間する方向に移動して、通帳2の印
字が行われるべき中紙2cとの圧接状態を解除する(S
9)。この状態を図5(c)に示す。
【0044】次に、制御手段107は上述した印字ヘッ
ドギャップ調整方法と同じようにステッピングモータ3
1を右回転させ、キャリッジ42がプラテン13方向に
降下を開始する(S10)。
【0045】ステッピングモータ31の回転をさらに続
けると、キャリッジ42と通帳2が接触し、圧接状態と
なる。この状態で印字を行おうとする中紙2cのふくら
みはキャリッジ42により押しつぶされ、プレッシャロ
ーラ45b側に伸ばされる。このとき、プレッシャロー
ラ45bの中紙2cに対する圧接状態が解除されている
ので、上記作用の妨げになることはない。キャリッジ4
2が中紙2cに圧接した状態からさらにステッピングモ
ータ31が回転しようとしてもキャリッジ42は下降す
ることはできず、ステッピングモータ31の回転は強制
的に停止させられる。このため、中紙2cのふくらみ量
には関係なく、確実にふくらみは除去され、このとき、
通帳2には通帳の面と垂直、つまり搬送方向と直交する
方向に力が加わり、通帳2の搬送方向には力が加わらな
い。
【0046】ステッピングモータ31はキャリッジ42
が通帳2に接触し、圧接状態となった後は脱調し、所定
ステップ数ステッピングモータ31に回転命令を与えて
も、スリット検出素子38からのON/OFF信号が発
生しなかったら右回転命令を終了させる。さらに、プレ
ッシャローラシャフト45eを前記とは逆の方向に一定
角度回転させ、プレッシャローラ45bを中紙2cに圧
接状態にする。これにより、通帳2はフィードローラ4
5aとプレッシャローラ45bと、フィードローラ46
aとプレッシャローラ46bとにより中紙2cにふくら
みがない状態で挟持される(S11)。
【0047】次にステッピングモータ31を左回転さ
せ、キャリッジ42を原点まで上昇させる。なお、この
時、通帳2の中紙2cに接した状態から原点までキャリ
ッジ42を移動した際のステッピングモータ31のステ
ップ数をカウントしておく(S7)。フィードローラ4
5a,46aを駆動して通帳2を印字ヘッド5と印字開
始行が対向する位置まで搬送し、前記通帳2の中紙2c
に接した状態から原点までキャリッジ42を移動した際
にカウントしたステッピングモータ31のステップ数を
もとにして、印字ヘッド5と中紙2cとの間に最適な印
字ヘッドギャップが得られる位置までキャリッジを移動
させるためのステップ数を割り出し、該ステップ数だけ
ステッピングモータ31を右回転させ、最適な印字ヘッ
ドギャップを得た状態で印字処理を開始する。
【0048】なお、印字開始行がキャリッジ42による
中紙のふくらみを押しつぶす位置、ここでは15行目で
ある場合にはキャリッジ42を原点まで戻すことなく、
印字ヘッドギャップ調整方法で示したように予め定めら
れた一定量キャリッジを上昇させることで即印字可能状
態となり、処理時間の短縮が図れることなる。
【0049】本実施例において、発行済の流通通帳の場
合についても中紙のふくらみを除去することとしている
が、印字開始位置と中紙のふくらみの除去のための押し
つぶしを行うページが同一であれば、上述したように中
紙のふくらみの除去後に再度印字ヘッドギャップを調整
するための全工程を行うことなく、原点から即時に印字
ヘッドと通帳との間に印字に最適なギャップが得られる
位置までキャリッジを降下可能であり、全体の処理速度
への影響は殆ど無視できるものである。このように、本
実施例は通帳印字装置に設けられている既存の印字ヘッ
ドギャップ調整機構を用いており、部材費の増加がほと
んどなく、個々の条件に合わせて複雑な制御を行うこと
もない。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、通帳に印
字を行う印字ヘッドと、前記印字ヘッドを支持し通帳の
面と直交する方向に移動するキャリッジと、該キャリッ
ジを移動させるキャリッジ駆動手段と、キャリッジが通
帳に圧接状態となったことを検知する検知手段と、前記
キャリッジおよび印字ヘッドと対向して設けられたプラ
テンとからなり、キャリッジが通帳に圧接状態となった
ことを検知した後、該キャリッジを通帳から離れる方向
に微小量移動させ、印字ヘッドと通帳との間に印字ヘッ
ドギャップを設ける印字ヘッドギャップ調整機構を有す
る通帳印字装置であって、通帳の搬送方向においてプラ
テンの両側にそれぞれ設けられ、通帳と圧接状態で駆動
手段からの動力を受けて該通帳の搬送を行うとともに、
解放手段により通帳に対する圧接状態が独立して解放さ
れる第1および第2の搬送手段と、通帳の印字開始行を
認識する印字開始行認識手段と、前記第1および第2の
搬送手段で通帳を圧接した状態で、前記印字開始行認識
手段で認識した印字開始行の存在する頁の折り目側近傍
とプラテンが対向する位置まで該通帳を搬送し、前記第
1および第2の搬送手段のうち、印字開始行が存在する
頁と圧接状態の搬送手段を解放して、キャリッジを通帳
と近づく方向に移動させて該頁と圧接状態とし前記解
放した搬送手段を再度圧接状態に移行した後、キャリッ
ジを通帳から離れる方向に移動させる制御手段とを設け
ることとしたものである。
【0051】したがって、キャリッジにより通帳の面と
直交する方向に力を加えて印字を行う中紙を折り目近傍
で押しつぶすこととしたので、中紙のふくらみを除去し
て表紙に対する中紙のずれを吸収し、印字位置にずれが
発生することを防止できる。このとき、キャリッジの移
動する量はキャリッジが通帳をプラテンとの間で圧接す
るまでであるが、このことを認識することは容易であ
り、中紙のふくらみ量が変化しても確実に押しつぶすこ
とができる。
【0052】また、通帳の搬送面と平行な方向、つまり
搬送方向には何ら力を加えないので、ずれの補正をしよ
うとして通帳全体が移動してしまうことや、移動し得な
い通帳に搬送方向に力を加えることで、通帳を汚すこと
もない。このように、確実に中紙のずれを吸収できるの
で、中紙記録されているページコードの位置も読取手
段に対して正確に位置決めされ、読取エラーが減少す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す制御系のブロック図で
ある。
【図2】本実施例における印字部を示す斜視図である。
【図3】本実施例における印字部の搬送系を示す側面図
である。
【図4】本実施例の作用を示すフローチャートである。
【図5】本実施例の機構的な作用を示す説明図である。
【図6】通帳印字装置を示す側断面図である。
【図7】従来の印字部を示す側面図である。
【図8】通帳を示す斜視図である。
【図9】通帳の中紙に発生するふくらみを示す説明図で
ある。
【符号の説明】
2 通帳 31 ステッピングモータ 42 キャリッジ 100 検知手段 101 第1の搬送手段 102 解放手段 103 第2の搬送手段 104 解放手段 105 ステッピングモータ 106 印字開始行認識手段 107 制御手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 13/26 B41J 25/308

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通帳に印字を行う印字ヘッドと、前記印
    字ヘッドを支持し通帳の面と直交する方向に移動するキ
    ャリッジと、該キャリッジを移動させるキャリッジ駆動
    手段と、キャリッジが通帳に圧接状態となったことを検
    知する検知手段と、前記キャリッジおよび印字ヘッドと
    対向して設けられたプラテンとからなり、キャリッジが
    通帳に圧接状態となったことを検知した後、該キャリッ
    ジを通帳から離れる方向に微小量移動させ、印字ヘッド
    と通帳との間に印字ヘッドギャップを設ける印字ヘッド
    ギャップ調整機構を有する通帳印字装置であって、 通帳の搬送方向においてプラテンの両側にそれぞれ設け
    られ、通帳と圧接状態で駆動手段からの動力を受けて該
    通帳の搬送を行うとともに、解放手段により通帳に対す
    る圧接状態が独立して解放される第1および第2の搬送
    手段と、 通帳の印字開始行を認識する印字開始行認識手段と、前記第1および第2の搬送手段で通帳を圧接した状態
    で、前記印字開始行認識手段で認識した 印字開始行の存
    在する頁の折り目側近傍とプラテンが対向する位置まで
    該通帳を搬送し、前記第1および第2の搬送手段のう
    ち、印字開始行が存在する頁と圧接状態の搬送手段を解
    放して、キャリッジを通帳と近づく方向に移動させて
    頁と圧接状態とし前記解放した搬送手段を再度圧接状
    態に移行した後、キャリッジを通帳から離れる方向に移
    させる制御手段とを設けたことを特徴とする通帳印字
    装置。
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