JP2761355B2 - ソレノイド弁およびその製造・調整方法 - Google Patents

ソレノイド弁およびその製造・調整方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、管状の金属コア付のソ
レノイド弁に係り、特に、プラスチック製ボビンのハブ
上に巻回された電磁コイルと、そのボビンのハブ内に配
置され軸方向導管を形成する中心金属コアと、導管内の
ガス流を制御するために軸方向導管の端部へ向けて軸方
向の電磁力により変位されうる電機子(armature)とから
なるようなソレノイド弁に関する。
【０００２】
【従来の技術】このようなソレノイド弁は、特に、内燃
機関の可燃性混合物の供給システムに利用される。
【０００３】これらの装置においては、ソレノイドには
０〜１００％の間で変化する周期比率の間欠的電流が流
され、これによって、一般的に密閉結合を行なう電機子
と中心管状コア端部との間の距離を変化させる。その結
果として、弁の両側の差圧の所定値が得られるように弁
の出力を定める。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この種の
ソレノイド弁における重要な問題は、電機子と軸方向導
管端部との間の静止時の距離の調整にあることが分か
る。従来、この距離は、ソレノイド弁の異なる部品の超
精密加工および組立によって決定され、これはコスト高
を招来した。
【０００５】本発明の目的は、特別な精密加工を要せ
ず、その調整も簡単かつ迅速に行なえる、前述のタイプ
のソレノイド弁を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
まず、プラスチック性ボビンのハブ上に巻回された電磁
コイルと、そのボビンのハブ内に配置され軸方向導管を
形成する中心金属コアと、導管内のガス流を制御するた
めに軸方向導管の端部へ向けて軸方向の電磁力により変
位されうる電機子(armature)とから構成され、電機子に
対するコアの軸方向位置を調整するために、コアの外表
面上にハブの内表面と協働するねじ山（ねじ溝）(threa
d)を設けたことを特徴とする。
【０００７】コアには、好ましくは、ソレノイド弁の外
部から、コアをボビンに対して回転駆動する手段を設け
る。
【０００８】本発明の好適な実施例においては、ボビン
はコア上にモールドされる。
【０００９】
【作用】本発明において、電機子と軸方向導管端部との
間の距離の調整は、単にねじ回転によりコアの軸方向位
置を調節することにより行なえる。ボビンのプラスチッ
ク材料をコア上に単にモールドし、コアがボビンのハブ
内のインサート(insert)を構成するとき、最初にボビン
に対してコアを回転させれば、金属とプラスチック材料
との間の結合が解くことができる。さらに回転を続けれ
ば、ボビンに対してコアを軸方向に変位させることがで
きる。この際、コアのねじ山によりハブの内表面にねじ
溝が形成される。このねじ溝形成の結果、コアは依然と
してボビンのハブ内に固持され、距離の適切な調整後も
他の手段によるコアの固定は不要である。
【００１０】特定の実施例において、本発明によるソレ
ノイド弁は、Ｕ字型のリターンフラックス(return flu
x)磁気回路を備え、電機子はこのＵ字のアーム間を移動
するよう配設される。
【００１１】従来のソレノイド弁においては、Ｕ字のア
ームはその端部へ向かって広がるとともに、電機子はア
ームを超えて広がり、電機子がコアに近づくにつれてア
ームに次第に接近するようになっていた。このような構
成では、コアと電機子との間隔は、電機子に作用する電
磁力に寄与したが、軸方向の許容誤差の集積のために個
々の弁毎にばらついた。
【００１２】一方、本発明のソレノイド弁では、電機子
がＵ字のアームの間に配置されるので、適合すべき許容
誤差は半径方向のみであり、しかもその適合化はより容
易である。電機子とコアとの間の、中心の、機能的、駆
動ギャップ（間隔）を正確に調整することができるの
で、性能に影響するバラツキは他には存在しない。
【００１３】本発明の他の目的は、プラスチック性ボビ
ンのハブ上に巻回された電磁コイルと、そのボビンのハ
ブ内に配置され軸方向導管を形成する中心金属コアと、
導管内のガス流を制御するために軸方向導管の端部へ向
けて軸方向の電磁力により変位されうる電機子から構成
されるソレノイド弁の製造および調整方法を提供するこ
とにある。その手順は、次の通りである。
【００１４】コアの外表面上にねじ山を形成する、コア
上にボビンをモールドし、これによって、ボビンのプラ
スチック材料がねじ溝にしみこみコアの外表面に接着す
るようにする、ソレノイド弁を装着する、ボビンに対し
てコアを、その軸を中心に回転させることにより、ボビ
ンとコアとの結合状態を解除する、コアの回転を継続し
て、その軸方向位置を調整する。
【００１５】
【実施例】以下、本発明の特定の実施例につき、本発明
によるソレノイド弁の部分的な軸方向断面図を参照しな
がら、説明する。但し、これは単なる一例であり、本発
明を制限するものではない。
【００１６】ソレノイド弁の構成部材は、ハウジング１
内部に配設されている。ハウジング１は、その基部に、
排気管２につながる開口を有するほぼ筒状の容器を形成
している。容器１の下側(underside)は、任意の簡便な
方法により、カバー（図示せず）で閉じられ、ガスの導
入管が設けられる。
【００１７】部品（リターンフラックス磁気回路）３
は、容器１内に設けられる。この部品３は、Ｕ字型に湾
曲した磁性材料のプレートで形成され、そのＵ字の中央
部には穴４が設けられ、各アームの端部にはスロット
４’を有する。部品３の内側には、プラスチック材料製
のボビン５が配置され、このボビンの回りにコイル６が
巻かれる。このボビン５は、ハブ７とその両端のフリン
ジ部８，９からなる。
【００１８】磁性材料製の管状導管（コア）１０は、ハ
ブ７内にこれと同軸上に配置される。管状導管１０に
は、ねじ山が形成される。ボビン５は、そのプラスチッ
ク材料が導管１０のねじ溝中に入り込むように、導管１
０上にモールドされる。導管１０は、部品３の中央部に
形成された穴４を貫通し、排気管２へ入り込む。ジョイ
ント１２は、導管１０の外面と導管２の内面との間の密
閉性を保証するためのものである。
【００１９】導管２に係合する側の、導管１０の端部に
は、スロット１３が形成されている。このスロット１３
は、導管２内に係合する道具(tool)の助けにより、軸回
りに導管１０を回転させるためのものである。
【００２０】この組立体の上部に弾性金属片１４が装着
される。その一端１４’は組立体に固定され、他端１
４”においては自身に平行な方向に組立体に対して摺動
し、弾性金属片１４が曲がるようになっている。
【００２１】弾性金属片１４は、その導管１０の端部
（スロット１３のない方）に面する側に、磁性材料製の
電機子１５を有し、さらにこの電機子１５は導管１０の
開口に面して密閉ジョイント１６を有する。
【００２２】静止時には、金属片１４は真っ直の状態
で、導管１０の軸とほぼ直角方向に伸びる。金属片１４
がコア１０の方向へ湾曲する動作時には、部品３のアー
ムの間で電機子１５が移動し、両アームと直交する方向
に極めて狭い２つの間隙１７が生じる。
【００２３】このソレノイド弁の組立は、次のように行
なわれる。
【００２４】まず、ボビン５を管状導管１０上にモール
ドし、次に、このボビン５の回りにコイル６を巻きつけ
る。このようにして形成されたコイル６および部品３
を、ジョイント１２を介して容器１に収納する。最後
に、電機子１５およびジョイント１６を有する金属片１
４を設置し、弁カバーを閉じる。
【００２５】調整は、導管２内に道具を挿入し、導管１
０を回転させることにより行われる。この回転は、最
初、プラスチック製ボビン５と金属製導管１０との間の
結合を解き、次いで、導管１０を電機子１５へ向けて上
方に変位させる。適切な調整がなされたとき（これは任
意簡便な手段により決定しうる）、導管１０の端部開口
と電機子１５との距離が所望の値となり、道具が抜き出
される。
【００２６】本ソレノイド弁の調整には、これ以上の作
業は不要である。
【００２７】
【発明の効果】本発明によれば、特別な精密加工を要せ
ず、その調整も簡単かつ迅速に行なえる、管状金属コア
付きソレノイド弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の一部の断面図である。
【符号の説明】
１…ハウジング、２…排気管、３…部品、４…穴、５…
ボビン、６…コイル、７…ハブ、８，９…フリンジ、１
０…管状導管、１１…ねじ山、１２…ジョイント、１３
…スロット、１４…弾性金属片、１４’…一端、１４”
…他端、１５…電機子、１６…密閉ジョイント、１７…
間隙。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】プラスチック製ボビン（５）のハブ上に巻
    回された電磁コイル（６）と、そのボビンのハブ内に配
    置され軸方向導管を形成する中心金属コア（１０）と、
    導管内のガス流を制御するために軸方向導管の端部へ向
    けて軸方向の電磁力により変位されうる電機子（１５）
    とを備え、前記電機子に対するコアの軸方向位置を調整
    するために、コアの外表面上にハブの内表面と協働する
    ねじ山を設けたことを特徴とするソレノイド弁。
  2. 【請求項２】請求項１に記載のソレノイド弁において、
    前記コアには、ソレノイド弁の外部から、コアをボビン
    に対して回転駆動する手段を設けたことを特徴とするソ
    レノイド弁。
  3. 【請求項３】請求項１または２記載のソレノイド弁にお
    いて、前記ボビンはコア上にモールドされたことを特徴
    とするソレノイド弁。
  4. 【請求項４】請求項１〜３のいずれかに記載のソレノイ
    ド弁において、Ｕ字型のリターンフラックス磁気回路
    （３）を備え、前記電機子をＵ字の両アーム間で移動す
    るよう配置したことを特徴とするソレノイド弁。
  5. 【請求項５】プラスチック製ボビンのハブ上に巻回され
    た電磁コイルと、そのボビンのハブ内に配置され軸方向
    導管を形成する中心金属コアと、導管内のガス流を制御
    するために軸方向導管の端部へ向けて軸方向の電磁力に
    より変位されうる電機子とを備えたソレノイド弁の製造
    ・調整方法であって、 コアの外表面上にねじ山を形成し、 ボビンのプラスチック材料がねじ溝にしみコアの外表面
    に接着するように、コア上にボビンをモールドし、 ソレノイド弁を装着し、 ボビンに対してコアを、その軸を中心に回転させること
    により、ボビンとコアとの結合状態を解除し、 コアの回転を継続して、その軸方向位置を調整する、 ことを特徴とするソレノイド弁の製造・調整方法。
JP6133205A 1993-06-16 1994-06-15 ソレノイド弁およびその製造・調整方法 Expired - Lifetime JP2761355B2 (ja)

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FR9307250A FR2706569B1 (fr) 1993-06-16 1993-06-16 Electrovanne à noyau métallique tubulaire.
FR937250 1993-06-16
FR9307250 1993-06-16

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JPH0757932A JPH0757932A (ja) 1995-03-03
JP2761355B2 true JP2761355B2 (ja) 1998-06-04

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EP (1) EP0631076B1 (ja)
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AT (1) ATE178697T1 (ja)
DE (1) DE69417630T2 (ja)
ES (1) ES2133506T3 (ja)
FR (1) FR2706569B1 (ja)
UA (1) UA37192C2 (ja)

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EP0631076A1 (fr) 1994-12-28
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