JP2760285B2 - スチール缶の搬送装置 - Google Patents

スチール缶の搬送装置

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JP2760285B2
JP2760285B2 JP15645494A JP15645494A JP2760285B2 JP 2760285 B2 JP2760285 B2 JP 2760285B2 JP 15645494 A JP15645494 A JP 15645494A JP 15645494 A JP15645494 A JP 15645494A JP 2760285 B2 JP2760285 B2 JP 2760285B2
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸飲料缶、コーヒ飲
料缶、ジュース缶等の缶詰等の缶体に用いられるスチー
ル缶の搬送装置に関し、特に製造工程においてコンベア
に載置されて移送される多数のスチール缶の中で、移送
中に倒れた缶等をリジェクトすることが可能な搬送装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】スチール缶、特にスチールよりなる絞り
ーしごき成形缶(以下DI缶とよぶ)は従来、しごき−
ドーミング加工後、倒立状態で一旦アキュムレータの上
に密着状態で溜められ、その後多数の缶がアトランダム
に互いに若干の間隔を開けた倒立状態で、ネット・コン
ベアに載置されて水平方向に移送されながら、上下のノ
ズルから脱脂洗浄液、洗浄水、化成処理液、洗浄水等を
順次スプレーされ、次いで別のコンベアに移され、最終
水洗後上方から熱風を吹き付けられながら乾燥オーブン
中を通って、水分を乾燥除去されていた。上記スプレー
工程で、強いスプレー液圧によって横向きに倒れた缶や
傾斜した缶が生ずることがある。これらの倒れ缶や傾斜
缶は、脱脂や化成処理が不完全の箇所、あるいは脱脂洗
浄液や化成処理液の除去が不完全の箇所があったり、ま
たオーブンを出た後も缶内にこれらの液が僅かながら残
っていたりするので満足な製品とならない。さらに倒れ
缶等の内部に残った不純な水が、次工程の搬送乗り移り
時に飛散して付近の缶の外面あるいは内面に付着したり
する。そのため後工程の印刷工程や内面塗装工程におい
て、印刷不良缶や内面塗装不良缶が発生するという問題
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、送入コンベ
ア上にアトランダムに互いに若干の間隔を開けた状態で
載置され、水平方向に移送される複数のスチール缶に挟
まれる倒れ缶や傾斜缶を、搬送中にリジェクト可能なス
チール缶の搬送装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のスチール缶の搬
送装置は、多数のスチール缶を磁気吸着、懸下して水平
方向に搬送するコンベアと、コンベアの搬送部の上方に
近接して固定された永久磁石装置を備えるスチール缶の
搬送装置であって、永久磁石装置は、上流側磁石組立
体、搬送方向に直角に延びる、幅がスチール缶の胴径の
ほぼ半分である単極磁石および下流側磁石組立体をこの
順に備えており、上流側磁石組立体および下流側磁石組
立体は、下面がN極の磁石帯、およびS極の磁石帯の対
よりなる搬送方向に延びる帯状体が、幅方向に磁極順序
を同じにして複数個配列してなり、帯状体の幅はスチー
ル缶の胴径と等しいか、それよりやや小さく、上流側磁
石組立体の単極磁石近傍のコンベアの下面における平均
磁束密度が単極磁石のそれより小さく、下流側磁石組立
体の単極磁石近傍のコンベアの下面における平均磁束密
度が単極磁石のそれとほぼ等しいか、それよりやや大き
いことを特徴とする。上流側磁石組立体および下流側磁
石組立体と単極磁石の間にそれぞれ、第1の小間隙部お
よび第2の小間隙部が設けられていることが好ましい。
各上流側帯状体、単極磁石および下流側帯状体が、非磁
性体よりなるケースに収納されていることが好ましい。
【0005】
【作用】 搬送装置は、多数のスチール缶を磁気吸着、
懸下して水平方向に搬送するコンベアと、コンベアの搬
送部の上方に近接して固定された永久磁石装置を備えて
いる。永久磁石装置を構成する上流側磁石組立体および
下流側磁石組立体は、下面がN極の磁石帯、およびS極
の磁石帯の対よりなる、搬送方向に延びる帯状体が、幅
方向に磁極順序を同じにして、複数個配列してなり、帯
状体の幅はスチール缶の胴径と等しいか、それよりやや
小さい。そのため上流側磁石組立体および下流側磁石組
立体の下面の全域にわたり隙間なく、下面がN極の磁石
帯と下面がS極の磁石帯の間に、それぞれ複数の磁力線
が形成される。従って倒立状態でアトランダムに搬送さ
れるスチール缶は、上流側磁石組立体の下方の幅方向
(搬送方向に対して直角方向)の何れの位置に来ても、
磁力線の作用を受けてコンベアに吸着される。コンベア
に吸着されたスチール缶は、磁力線の最大磁束密度の箇
所、すなわち各磁石帯の底面境界線に向って幅方向にコ
ンベアの下面を滑って近づく。その結果、スチール缶が
後述の単極磁石に近づくまでには、スチール缶は、胴部
の幅方向両端が底面境界線の下部にほぼ沿って、コンベ
アに吸着、懸下して搬送される。上記単極磁石の下方を
通過後も、姿勢正常なスチール缶(以下正常缶または正
常な缶とよぶ)は前記と同様にして搬送される。
【0006】 永久磁石装置は、上流側磁石組立体、搬
送方向に直角に延びる、幅がスチール缶の胴径のほぼ半
分である単極磁石および下流側磁石組立体をこの順に備
えている。かつ上流側磁石組立体の単極磁石近傍のコン
ベアの下面における平均磁束密度が単極磁石のそれより
小さい。従って単極磁石の下面が例えばN極の場合、単
極磁石と上流側磁石組立体の下面がS極の帯状体との間
に形成される磁力線の方が、スチール缶をコンベア下面
に吸着する磁力線より遙かに強い。そのためスチール缶
は単極磁石に吸引され、コンベアの下面を急速に滑って
前進し、ほぼ前半部が単極磁石の真下に達する。その間
にもコンベアは移動を続けているので、滑り終わった位
置でコンベアに吸着されているスチール缶は、下流側磁
石組立体に差し掛かる。下流側磁石組立体の単極磁石近
傍のコンベアの下面における平均磁束密度は、単極磁石
のそれとほぼ等しいか、それよりやや大きい。従って単
極磁石と、下流側磁石組立体の下面がS極の磁石帯の間
に、強い磁力線が形成されている。この強い磁力線に
は、磁束密度が最大の部分が、各磁力線のほぼ中央に位
置している。そのためコンベアの下面に比較的強く磁気
吸着されて、慣性下に前記最大の部分を僅かに通り過ぎ
たスチール缶は、前記最大部分に向ってコンベアの下
面を滑って急激に上流側に戻され後退する。
【0007】 このように倒れ缶や傾斜缶等を挟む正常
な複数のスチール缶は、コンベアの下面に吸着されて単
極磁石近傍の下方を通る際に、各自が別々に急激な滑り
前進、後退運動をするので、倒れ缶や傾斜缶は正常なス
チール缶の間から振るい落されてリジェクトされる。単
極磁石の幅がスチール缶の胴径のほぼ半分より大きい場
合は、隣の反対の極の磁石との間の磁力線の磁束密度
が、単極磁石中央付近で低くなり、磁気吸着力が低下す
るので、正常缶が落下し易くなる。反対に単極磁石の幅
が胴径のほぼ半分より小さい場合は、前記の磁束密度が
最大の部分が下流側磁石組立体側に寄り渦ぎて、下流側
磁石組立体の下面に形成される前記の磁力線の作用によ
り、スチール缶の上流側への急激な戻りが起こり難くな
る。上流側磁石組立体と単極磁石の間に、第1の小間隙
部が設けられている(請求項2)場合は、第1の間隙部
ではスチール缶をコンベアの下面に吸着する磁力線が作
用しないので、スチール缶はコンベア下面に沿って滑り
易くなる。従って第1の間隙部の間隙幅を適切な大きさ
にすることによって、スチール缶の単極磁石の方への引
寄せ長さ(滑り前進量)を大きくすることができる。下
流側磁石組立体と単極磁石の間に、第2の小間隙部が設
けられている(請求項2)場合は、第2の間隙部ではス
チール缶をコンベアの下面に吸着する磁力線が作用しな
いので、スチール缶はコンベア下面に沿って滑り易くな
る。従って第2の間隙部の間隙幅を適切な大きさにする
ことによって、スチール缶の単極磁石の方への戻り長さ
(滑り後退量)を大きくすることができる。従って第1
の間隙部および第2の間隙部を設けることにより、急激
な前進、後退運動の量を大きくすることができるので、
倒れ缶等のリジェクトをより確実にすることができる。
上流側帯状体、単極磁石および下流側帯状体が、非磁性
体よりなるケースに収納されている(請求項3)場合
は、搬送されるスチール缶のサイズが変更になり、胴径
が変わった時に、変更になった胴径に等しい内幅の、予
め所定の帯状体等が収納されたケースを使用することに
より、装置の切替を短時間に容易に行なうことができ
る。
【0008】
【実施例】図1において、1はスチールよりなる、底部
1aに環状突部1a1を形成されたDI缶(図6参照)
であって、本実施例の場合、DI缶1の胴径は66m
m、高さは124mmである。DI缶1は、しごき−ド
ーミング加工後、倒立状態で一旦アキュムレータ(図示
されない)の上に密着状態で溜められ、その後多数の缶
がアトランダムに互いに若干の間隔を開けた倒立状態
で、案内ロール2aを備える無端(エンドレス)ネット
・コンベア2(以下送入コンベア2とよぶ)に載置され
て送り込まれ、上下のノズル(図示されない)から脱脂
洗浄液、洗浄水、化成処理液、洗浄水等を順次スプレー
されながら、矢印Aで示す水平方向に搬送される。その
間強いスプレー液圧によって横向きに倒れた缶や傾斜し
た缶が生ずることがある。
【0009】3は磁気吸着搬送装置であり、非磁性材
料、例えばプラスチックよりなる無端ネット・コンベア
4(以下中間コンベア4とよぶ)と永久磁石装置5を備
えている。中間コンベア4の水平な搬送部4aは、送入
コンベア2と同じ方向、すなわち矢印A方向に、例えば
約3〜4m/分の速度で移行する。磁気吸着搬送装置3
の下流端近傍の下方を通り、案内ロール12aを備える
無端ネット・コンベア12(以下送出コンベア12とよ
ぶ)が設けられている。送出コンベア12の、磁気吸着
搬送装置3の下流端近傍の下側に永久磁石13が配設さ
れている。送入コンベア2の搬送部2bと送出コンベア
12の搬送部12bは、水平であって同一レベルにあ
る。案内ロール2aと案内ロール12aの間に空隙部1
4が形成されている。
【0010】図2,図3に示すように、永久磁石装置5
は、非磁性であって、かつ適度の強度を有する板材、例
えばオーステナイト系不銹鋼板(例えば厚さ約1mmの
SUS304板)よりなる複数(本実施例では15個)
の、互いに密接した細長い角形ケース6、各ケース6に
収納された下面がN極の磁石帯7x、およびS極の磁石
帯7yの対よりなる搬送方向に延びる上流側帯状体7
z、下面がN極の単極磁石片7b1、および下面がS極
の磁石帯7p、およびN極の磁石帯7qの対よりなる搬
送方向に延びる下流側帯状体7s、および各帯状体7
z,7sならびに単極磁石片7b1の上に密接した軟鉄
よりなるヨーク8を備えている。ケース6は、側壁板6
a、端板6bおよび底板6cよりなっている(図2,図
3)。各ケース6の下方に、ケース6と同様な材料より
なるキャリヤー・カバー11が設けられている。各ケー
ス6とキャリヤー・カバー11は別個に、固定フレーム
(図示されない)に固着されている。ケース6の内幅、
従って帯状体7z,7sの幅w1(図2)は、DI缶1
の胴径D(図1)と等しいか、それよりやや小さく定め
られている。キャリヤー・カバー11は、中間コンベア
4の水平経路、すなわち搬送部4aにおけるガイド板と
して機能する。送入コンベア2の搬送部2b上面から、
中間コンベア4の搬送部4aの下面まで高さは、DI缶
1の高さより若干(通常は約5〜8mm)大きく定めら
れている。またキャリヤー・カバー11上面と搬送部4
aにおける中間コンベア4の下面までの距離は約15m
mである。
【0011】図1,図3に示すように、複数(本実施例
では15)の帯状体7zよりなる上流側磁石組立体7
a,搬送方向に直角に1列に延びる複数(本実施例では
15)の単極磁石片7b1よりなる単極磁石列7b、お
よび複数(本実施例では15)の帯状体7sよりなる下
流側磁石組立体7cによって永久磁石組立体7が構成さ
れている。上流側磁石組立体7aおよび下流側磁石組立
体7cと単極磁石列7bの間にそれぞれ、小間隙部9お
よび小間隙部10が設けられている。小間隙部9,10
の間隙幅は、DI缶1の胴径D、単極磁石列7bならび
にその近傍の上流側磁石組立体7a,下流側磁石組立体
7cの平均磁束密度等により異なるが、通常は約5〜1
5mm、好ましくは約8〜10mmである。小間隙部9
および小間隙部10には、間隙幅を安定にするため、非
磁性体あるいは非磁性体に近い極く微弱磁性体、例えば
木材やプラスチック等よりなる平板(図示されない)が
挿入されている。従って上流側磁石組立体7aおよび下
流側磁石組立体7cと単極磁石列7bの間の部分には実
際は隙間がないのであるが、これらの部分は磁気的に比
較的小さい幅の間隙部となっているので、小間隙部9,
10と呼ぶ。単極磁石列7bは、空隙部14の水平方向
のほぼ中央真上に位置する。
【0012】上流側帯状体7zは、図2,図3に示すよ
うに、下面がそれぞれN極およびS極よりなり、搬送方
向に細長く延びる、幅および長さが等しい磁石帯7xお
よび磁石帯7yの対によって構成される。各帯状帯7z
の幅方向、すなわち搬送方向に対して直角方向の磁極順
序は同じである。図示は省略したが、磁石帯7xおよび
7yは、高さおよび長手方向において複数個の数種類の
磁石(例えば磁性が比較的強いフェライトや、磁性が比
較的弱いプラスチック磁石,ゴム磁石等の)の組み合わ
せよりなっている。本実施例では磁石帯7xおよび7y
の下面がそれぞれ、N極およびS極よりなっているが、
逆に磁石帯7xおよび7yの下面がそれぞれ、S極およ
びN極よりなっていてもよい。単極磁石列7bは本実施
例では、これを構成する単極磁石片7b1の全ての下面
がN極よりなっている。単極磁石列7bの幅w2は、D
I缶1の胴径Dのほぼ1/2に等しく定められている。
なお単極磁石片7b1の全ての下面がS極よりなってい
てもよい。
【0013】帯状体7sは、下面がそれぞれS極および
N極よりなり、搬送方向に細長く延びる、幅および長さ
が等しい磁石帯7pおよび磁石帯7qの対によって構成
される。各帯状帯7sの幅方向の磁極順序は同じであ
る。図示は省略したが、磁石帯7pおよび7qは、磁石
帯7xと同様に、複数個の数種類の磁石の組み合わせよ
りなっている。本実施例では磁石帯7pおよび7qの下
面がそれぞれ、S極およびN極よりなっているが、逆に
磁石帯7pおよび7qの下面がそれぞれ、N極およびS
極よりなっていてもよい。
【0014】図4は永久磁石装置5の中間コンベア4の
搬送部4a下面における平均磁束密度分布の例を示す。
上流側磁石組立体7aは、図の右端部、すなわち送入コ
ンベア2側において平均磁束密度分布が大きくなってい
る。そのため送入コンベア2上のDI缶1は、中間コン
ベア4に容易に磁気吸着され、環状突部1a1が中間コ
ンベア4の下面に吸着した状態で矢印A方向に搬送され
る(図6参照)。その際、倒れ缶1xや傾斜缶(図示さ
れない)も、複数の正常なDI缶1の間に挟まれて、送
入コンベア2から中間コンベア4に移行して搬送される
(図1,図7参照)。
【0015】図4に示すように、上流側磁石組立体7a
の小間隙部9から胴径Dにほぼ等しい幅の近傍部7a1
の平均磁束密度は、DI缶1が自重により落下しない範
囲内で、単極磁石列7bの平均磁束密度より遥かに小さ
い。本実施例の場合は、平均磁束密度が約150ガウス
以下になると、DI缶1が自重により落下し易い。下流
側磁石組立体7cの小間隙部10から胴径Dにほぼ等し
い幅の近傍部7c1の平均磁束密度は、単極磁石列7b
の平均磁束密度とほぼ等しい(図4において点線で示
す)か、それよりやや大きい。下流側磁石組立体7cの
平均磁束密度は、図4の左端部に向って0になるまで減
少している。従ってDI缶1が下流側磁石組立体7cの
下流端に達すると、当該DI缶1は永久磁石13によっ
て磁気吸着されて、送出コンベア12の搬送部12bの
上に落下し、矢印A方向に搬送される。以上のような平
均磁束密度の分布は、フェライト磁石,プラスチック磁
石およびゴム磁石等の適当な組合せによって実現され
る。
【0016】中間コンベア4の下面における平均磁束密
度分布、すなわちDI缶1の底部1aに作用する搬送方
向の平均磁束密度分布が上記のようになっているため、
図3に示すように、DI缶1は単極磁石列7bに接近す
ると、中間コンベア4の下面を滑って急激にA方向に、
すなわち単極磁石列7bに引き寄せられ前進し、そのま
ま中間コンベア4に吸着された状態で小間隙部10を越
えようとする。すると直ちに中間コンベア4の下面を滑
って逆方向に、すなわちB方向に急激に押し戻され後退
する。
【0017】その理由は次のように推測される。図6に
示されるように、DI缶1の底部1aには環状突部1a
1が形成されていて、この環状突部1a1が中間コンベア
4の下面に吸着,保持されて、DI缶1は中間コンベア
4と共に矢印A方向に搬送される。上流側磁石組立体7
aの下面には、図2に示すように、隣合うN極−S極−
N極−S極・・・間に、複数の磁力線15が形成されて
いる。そのためDI缶1は、他のDI缶1によって妨げ
られない場合、磁力線15の最大磁束密度の箇所15
a、すなわち各磁石帯7x,7yの底面境界線20およ
び隣合うケース6の底面境界線21(図2)に、コンベ
ア4の下面を幅方向に滑って近づく。DI缶1の底部の
環状突部1a1は、線状の円形であるので、摩擦係数は
極く小さい故、この滑りはスムースに行なわれる。その
結果、DI缶1が小間隙部9に近づくまでには、図5に
示すように、DI缶1は、その中心が底面境界線20
(または21)の下部に沿って、かつ胴部の幅方向両端
が底面境界線21,21(または20,20)の下部に
ほぼ沿って(帯状体7zの幅w1は胴径Dと等しいか、
それよりやや小さい故)、中間コンベア4に吸着、懸下
して矢印A方向に移動する。
【0018】上流側帯状体7zの小間隙部9の近傍部7
z1(図3,図4の7a1に対応する)のコンベア4下面
における平均磁束密度は、単極磁石片7b1のそれより
小さい(図4参照)。従って単極磁石片7b1(下面が
N極)と、下面がS極の磁石帯7yの上流側近傍部(7
z1)の間に形成される磁力線16の方が、DI缶1を
コンベア4の下面に吸着する磁力線15(図2,図5)
より遥かに強い。そのためDI缶1は単極磁石片7b1
に吸引され、中間コンベア4の下面を急速に滑って、図
5,図6の記号1’で示すように、ほぼ前半部が単極磁
石片7b1の真下に達し、さらに記号1”で示すよう
に、中間コンベア4と共に小間隙部10を越えて、下流
側帯状体7sに差し掛かる。上記の滑り距離は、小間隙
部9の幅が大きい程大きい。しかし小間隙部9の幅が大
きくなる程、磁気吸着力が低下して正常なDI缶1が落
下し易くなる。そのため小間隙部9の幅は約5〜15m
mが好ましく、約8〜10mmであることがより好まし
い。
【0019】下流側帯状体7sの小間隙部10の近傍部
7s1(図3,図4の7c1に対応する)のコンベア4下
面における平均磁束密度は、単極磁石片7b1のそれに
ほぼ等しいか、それよりやや大きい(図4参照)。従っ
て単極磁石片7b1(下面がN極)と、下面がS極であ
る磁石帯7p,7pの下流側近傍部(7s1)の間に、
図5,図6に示すように、強い磁力線17,18が形成
されている。磁力線17,18には、磁束密度が最大の
部分17a,18aが、各磁力線のほぼ中央に位置して
いるので、DI缶1”は最大部分17a,18aに向っ
て中間コンベア4の下面を滑って、図3に示すように、
矢印B方向に急激に戻され後退する。この滑りによる後
退距離は、単極磁石片7b1の幅や小間隙部10の間隙
幅等によって異なり、前述の範囲内(約5〜15mm)
で小間隙部10の幅が大きい程大きい傾向がある。図4
に示す平均磁束密度分布の場合、小間隙部10の幅が約
10mmの場合は、後退距離は約10mmである。小間
隙部10の幅を大きくする場合は、それに応じて単極磁
石列7bおよび下流側磁石組立体7cの小間隙部10近
傍部7c1の平均磁束密度を大きくしなければ、上記の
戻り距離が大きくならない。
【0020】 倒れ缶1xを挟む正常な複数のDI缶1
は、倒れ缶1xによって動きを制約されるので、必ずし
も全部が胴部の幅方向両端が底面境界線21,21(ま
たは20,20)の下部にほぼ沿って移動するとは限ら
ない。しかし胴部の幅方向両端が底面境界線21,21
(または20,20)から若干外れた缶も、単極磁石列
7b近傍では、外れない缶と同様な挙動をする。そのた
め倒れ缶1xを挟む何れのDI缶1も、前記のように単
極磁石列7b近傍の下方を通る際に、各自別個に急激な
前進、後退運動をするので、倒れ缶1xや傾斜缶は正常
なDI缶1の間から振るい落される。そして図1に示す
ように、単極磁石列7bの下方近傍で空隙部14を通っ
てリジェクトされる。正常なDI缶1は、後退した(例
えば約5〜15mm)後、そのままコンベア4の下面に
吸着保持されて、矢印A方向に搬送され、送出コンベア
12の搬送部12bの上に落下し、矢印A方向に搬送さ
れる。
【0021】本発明は、以上の実施例によって制約され
るものでなく、例えばスチール缶は、絞りー再絞り缶、
絞りー再絞り−しごき缶等のシームレス缶、あるいは溶
接缶もしくは接着剤によるサイドシーム缶等であっても
よい。単極磁石は、1本の永久磁石よりなっていてもよ
い。この場合ケース6の側壁板6aは、単極磁石が通る
位置において欠落している。小間隙部は必ずしも設けら
れなくてもよい。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係わる発明は、送入コンベア
上にアトランダムに互いに若干の間隔を開けた状態で載
置され、水平方向に搬送される複数のスチール缶に挟ま
れる倒れ缶や傾斜缶を、搬送中にリジェクトすることが
できるという効果を奏する。請求項2に係わる発明は、
上記のリジェクトをより確実に行なうことができるとい
う利点を有する。請求項3に係わる発明は、搬送される
スチール缶の胴径Dが変わった時に、装置の切替を短時
間に容易に行なうことができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送装置および付帯装置の説明用正面
図である。
【図2】図3のIIーII線に沿う縦断面図である。
【図3】 図1のIII−III線からみた、永久磁石
装置の説明用要部底面図である。
【図4】図3の永久磁石装置の、搬送方向における平均
磁束密度の分布の例を示す線図である。
【図5】図3の要部拡大図面であって、単極磁石近傍に
おいてスチール缶が、コンベア下面に沿って前後方向に
急激に滑動する理由を説明するための図面である。
【図6】図5のVIーVI線に沿う説明用縦断面図であ
る。
【図7】図1のVIIーVII線からみた要部底面図で
ある。
【符号の説明】
1 DI缶(スチール缶) 1’ DI缶(スチール缶) 1” DI缶(スチール缶) 3 磁気吸着搬送装置(スチール缶の搬送装置) 4 中間コンベア(コンベア) 4a 搬送部 5 永久磁石装置 6 ケース 7a 上流側磁石組立体 7b 単極磁石(単極磁石列) 7c 下流側磁石組立体 7z 上流側帯状体 7s 下流側帯状体 7p 磁石帯(下面がS極) 7q 磁石帯(下面がN極) 7x 磁石帯(下面がN極) 7y 磁石帯(下面がS極) 9 小間隙部 10 小間隙部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のスチール缶を磁気吸着、懸下して
    水平方向に搬送するコンベアと、コンベアの搬送部の上
    方に近接して固定された永久磁石装置を備えるスチール
    缶の搬送装置であって、永久磁石装置は、上流側磁石組
    立体、搬送方向に直角に延びる、幅がスチール缶の胴径
    のほぼ半分である単極磁石および下流側磁石組立体をこ
    の順に備えており、上流側磁石組立体および下流側磁石
    組立体は、下面がN極の磁石帯、およびS極の磁石帯の
    対よりなる搬送方向に延びる帯状体が、幅方向に磁極順
    序を同じにして複数個配列してなり、帯状体の幅はスチ
    ール缶の胴径と等しいか、それよりやや小さく、上流側
    磁石組立体の単極磁石近傍のコンベアの下面における平
    均磁束密度が単極磁石のそれより小さく、下流側磁石組
    立体の単極磁石近傍のコンベアの下面における平均磁束
    密度が単極磁石のそれとほぼ等しいか、それよりやや大
    きいことを特徴とするスチール缶の搬送装置。
  2. 【請求項2】 上流側磁石組立体および下流側磁石組立
    体と単極磁石の間にそれぞれ、第1の小間隙部および第
    2の小間隙部が設けられている請求項1記載のスチール
    缶の搬送装置。
  3. 【請求項3】 各上流側帯状体、単極磁石および下流側
    帯状体が、非磁性体よりなるケースに収納されている請
    求項1記載のスチール缶の搬送装置。
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