JP2760084B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

Info

Publication number
JP2760084B2
JP2760084B2 JP1252213A JP25221389A JP2760084B2 JP 2760084 B2 JP2760084 B2 JP 2760084B2 JP 1252213 A JP1252213 A JP 1252213A JP 25221389 A JP25221389 A JP 25221389A JP 2760084 B2 JP2760084 B2 JP 2760084B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
acrylate
methacrylate
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1252213A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03115479A (ja
Inventor
俊規 阪上
敏行 鈴木
秀行 花岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP1252213A priority Critical patent/JP2760084B2/ja
Publication of JPH03115479A publication Critical patent/JPH03115479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2760084B2 publication Critical patent/JP2760084B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコーティング用組成物に関し、さらに詳細に
は、耐水性、耐薬品性、耐クラック性および耐熱性に優
れ、かつ基体に対する密着性に優れた皮膜を形成するた
めのコーティング用組成物に関する。
〔従来技術〕
ダクタイル鋳鉄管や鋼管などの金属製水道管の内面の
腐食を防止するために、一般にセメントモルタルライニ
ングを施すことが広く行われている。そしてこの方法に
おいては、セメントモルタル中のアルカリ分の溶出が原
因となって当該モルタルライニングの耐久性が低下する
ことを防止するために、通常、アクリル樹脂または塩化
ビニル樹脂などによるコーティング皮膜が施されてい
る。
しかしながら、このようなコーティング皮膜を施した
場合であっても、当該コーティング皮膜にはピンホール
などの欠陥部が相当に存在するため、当該水道管内を流
れる水が、例えばpH7以下の酸性水であったり遊離炭酸
を含有する浸食性水などであるときには、モルタルライ
ニング中のセメントのアルカリ分が溶出するようにな
り、このため、長期間が経過する間にはモルタルライニ
ングが劣化し、その結果として当該モルタルライニング
上のコーティング皮膜の密着力が低下し、水の流れ方向
の変化、流速の変化または流速の強弱などの物理変化に
よってコーティング皮膜が剥離して遂には水道管の内面
の腐食を招くおそれがあった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、以上のような技術的背景の下になされたも
のであって、種々の材料よりなる基体の表面に、ピンホ
ールなどの欠陥を発生することなく、耐水性、耐薬品
性、耐クラック性および耐熱性に優れ、かつ、基体に対
する密着性に優れた皮膜を形成するためのコーティング
組成物、特に水道管の内面のモルタルライニング上に塗
布されたときに当該モルタルライニングに優れた撥水
性、耐水性および耐久性を付与することができ、長期間
にわたって水道管の内面の腐食を有効に防止することの
できるコーティング組成物を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るコーティング用組成物は、下記の第1成
分10〜90重量%と、下記の第2成分90〜10重量%とを含
有することを特徴とする。
第1成分: 一般式(I) R1 mSi(OR24-m (式中、R1は炭素数1〜8の有機基を示し、R2は炭素数
1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示
し、mは1または2である。) で表わされるオルガノシランおよび/または当該オルガ
ノシランの加水分解物、部分縮合物および/または部分
共縮合物。
第2成分: 下記(A)成分および(B)成分の両方。
(A)成分: 一般式(II) (式中、R3およびR4はそれぞれ水素原子またはアルキル
基、アリール基およびアラルキル基より選ばれる一価の
炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、
アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアル
コキシ基およびアミノ基より選ばれる基であって少なく
とも1個はアルコキシ基であり、nは0〜2の整数であ
る。) で表わされるシリル基を分子中に少なくとも1個有する
シリル基含有アクリル樹脂。
(B)成分: メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イミノ
ールアクリレート、グリシジルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イミノー
ルメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートから
選ばれる1種または2種類以上のモノマーによる重合体
よりなるアクリル樹脂。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のコーティング用組成物は、以下に詳述する第
1成分および第2成分を含有するものである。
第1成分: この第1成分は、前記一般式(I)で表わされるオル
ガノシラン(以下、「特定オルガノシラン」という)、
当該特定オルガノシランを加水分解して得られる加水分
解物、部分的に縮合して得られる部分縮合物若しくは部
分共縮合物、またはこれら全四者から選ばれた2種以上
の混合物よりなる。
特定オルガノシランを表わす前記一般式(I)におい
て、R1は炭素数1〜8の有機基であり、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、γ−クロ
ロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプロピル
基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキ
シプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル
基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などであ
る。
また、R2は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1
〜4のアシル基であり、例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、アセチル基、プロピオニル基など
である。
前記一般式(I)において、mは1または2の整数で
ある。
特定オルガノシランの具体例としては、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ
メトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピル
トリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピ
ルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,
4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルト
リアセトキシシランなどを挙げることができる。
以上の特定オルガノシランのうち、好ましいものはメ
チルトリメトキシシランまたはメチルトリエトキシシラ
ンである。
特定オルガノシランとして、メチルトリメトキシシラ
ンおよび/またはメチルトリエトキシシランを使用する
場合には、これらと共に、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキ
シシランまたはγ−メタクリルオキシプロピルトリエト
キシシランを併用することが好ましく、特にγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランまたはγ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシランを併用することによ
り、最終的に得られるコーティング用組成物を、貯蔵安
定性と成膜性に優れたものとすることができる。
以上の特定オルガノシランは、酸性水媒体中で加水分
解することによってアルコールを遊離し、対応するシラ
ノールを加水分解物として生成する。また、これをさら
に部分的に縮合させることにより、分子量が1,000〜50,
000程度の部分縮合物または部分共縮合物とすることが
できる。そして、これらの部分縮合物および/または部
分共縮合物も、本発明における第1成分として使用する
ことができる。
この第1成分を含有することにより、本発明のコーテ
ィング用組成物は、塗布された基体の表面に撥水性の皮
膜を形成する。そして、基体がセメントモルタルである
場合には、その表面のみでなく空隙を介してモルタル内
部に浸透した上で撥水性の皮膜を形成すると共に、さら
に当該モルタル中の水分やアルカリ分によって当該第1
成分の縮合が進行し、これにより、当該皮膜は一層強固
なものとなってセメント組織を包み、それによって水溶
性物質が溶出することを防止する作用が得られる。
この第1成分のコーティング用組成物における割合は
10〜90重量%、好ましくは20〜70重量%とされる。この
割合が10重量%未満の場合には、コーティング用組成物
は撥水性の皮膜を形成することが困難となり、一方この
割合が90重量%を超える場合には、皮膜の撥水性は十分
であっても脆いものとなり、その結果、例えば遊離炭酸
を含有する浸食性水が長時間接触されたときには、当該
皮膜にクラックが発生し、シール性が失われることとな
る。
第2成分: この第2成分は、次の(A)成分および(B)成分の
両方からなる成分である。
(A)成分: この(A)成分は、前記一般式(II)で表わされるシ
リル基を分子中に少なくとも1個以上有するシリル基含
有アクリル樹脂よりなる。
一般式(II)において、R3およびR4のアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、
ノニル基などを、アリール基としては、フェニル基、キ
シリル基、トリル基、ナフチル基などを、アラルキル基
としてはベンジル基、フェネチル基、クミル基などを挙
げることができ、Xのハロゲン原子としては、塩素原
子、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子などを、アルコ
キシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基などを、アシロキシ基としては、アセチ
ル基、プロピオニル基などを、チオアルコキシ基として
は、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基などを挙
げることができる。
このようなシリル基含有アクリル樹脂は、例えば次の
ようにして製造することができる。すなわち、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
などの(メタ)アクリルモノマーの重合において、(メ
タ)アクリル酸アリルなどをラジカル共重合させ、これ
によって炭素−炭素二重結合を導入したアクリル共重合
体を得、さらにこのアクリル共重合体の炭素−炭素二重
結合に、白金などの金属錯体触媒を用いてヒドロシラン
化合物を反応させてヒドロシリル化させ、これにより例
えば分子量が1,000〜100,000の目的とするシリル基含有
アクリル樹脂を得ることができる。
以上において、ヒドロシラン化合物としては、例えば
メチルジクロルヒドロシラン、トリクロルヒドロシラ
ン、フェニルジクロルヒドロシランなどのハロゲン化ヒ
ドロシラン類;メチルジエトキシヒドロシラン、メチル
ジメトキシヒドロシラン、フェニルジメトキシヒドロシ
ラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロ
シランなどのアルコキシヒドロシラン類;メチルジアセ
トキシヒドロフラン、フェニルジアセトキシヒドロシラ
ン、トリアセトキシヒドロシランなどのアシロキシヒド
ロシラン類;メチルジアミノキシヒドロシラン、トリア
ミノキシヒドロシラン、ジメチルアミノキシヒドロシラ
ン、トリアミノヒドロシランなどのアミノヒドロシラン
類を挙げることができる。
この(A)成分は、勿論、上記の方法によって製造さ
れたものである必要はなく、上述のシリル基含有アクリ
ル樹脂であれば、特にその製法が限定されるものではな
い。
(B)成分: この(B)成分は、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、イミノールアクリレート、グリシジルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、イミノールメタクリレートおよびグリシジル
メタクリレートから選ばれる1種または2種類以上のモ
ノマーによって得られる(共)重合体よりなるアクリル
樹脂である。このアクリル樹脂は、その分子量が10,000
〜200,000の範囲内のものが好ましい。
以上の(A)成分および(B)成分の両方により、第
2成分が構成される。この(A)成分および(B)成分
は、通常、各成分がそれぞれ第2成分の10重量%以上と
なるように使用する。これにより、本発明の組成物のア
ルカリシール性、耐遊離炭酸水性などを向上させること
ができる。
このように、第2成分として(A)成分と(B)成分
との両方を用いることにより、本発明の組成物の硬化物
に適度の柔軟性を付与することができる。
この第2成分のコーティング用組成物における割合
は、10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%とされる。
この割合が10重量%未満の場合には、形成される皮膜が
脆いものとなり、遊離炭酸を含有する浸食性水が長期間
接触されると、当該皮膜にクラックが発生するために十
分なシール性を得にくくなる。一方、この割合が90重量
%を超える場合には、酸性水や遊離炭酸を含有する浸食
性水が長期間接触されると、当該皮膜が白化し、また当
該皮膜が剥離しやすくなる。
本発明のコーティング用組成物は、上記の第1成分と
第2成分とを必須の成分として含有してなるものである
が、さらに通常は下記の各成分が配合される。
(a)成分:水 この(a)成分とされる水は、第1成分の硬化のため
に供されるものである。この水の種類は任意のものでよ
く、一般水道水、蒸溜水あるいはイオン交換水を用いる
ことができ、後述する金属酸化物ゾルなどの添加成分中
に含有される水を利用することもできる。
この(a)成分の割合は、第1成分100重量部に対し
て0〜100重量部、好ましくは5〜50重量部とされる。
この割合が100重量部を超える場合には、得られるコー
ティング用組成物が安定性の低いものとなる。
(b)成分:酸 この(b)成分の酸は、得られるコーティング用組成
物のオルガノシランの加水分解を促進する作用を有す
る。この(b)成分としての酸の具体例としては、硝
酸、塩酸などの無機酸、並びに酢酸、クエン酸、安息香
酸、ジメチルマロン酸、グルタル酸、グリコール酸、マ
ロン酸、トリエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸を
挙げることができる。これらのうち、硝酸、塩酸または
酢酸が好ましい。
この(b)成分の割合は、第1成分100重量部に対し
て0.05〜10重量部が好ましく、これによりコーティング
用組成物のpHを3.5〜5.5の硬化に好適な範囲に調整する
ことが可能となる。
本発明のコーティング用組成物には、通常、さらに以
下の成分が配合される。
(c)成分:有機溶剤 この(c)成分である有機溶剤は、第1成分および第
2成分の希釈用溶剤である。この有機溶剤は、特に得ら
れるコーティング用組成物のモルタル中への浸透性を向
上させるために有効であり、また当該組成物の硬化反応
を調節する作用を有する。
この(c)成分としては、芳香族系溶剤、エステル
類、アルコール類、エーテル類などの各種の溶剤を用い
ることができ、芳香族系溶剤、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンなど;またはアルコール類、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、エチレングリコールなどが
好ましい。
この(c)成分の割合は、第1成分と第2成分の混合
物100重量部に対して通常100〜1,500重量部、好ましく
は200〜1,000重量部とされる。そして、本発明のコーテ
ィング用組成物の固形分濃度が5〜40重量%、特に、8
〜30重量%とされることが好ましい。この固形分濃度が
5重量%未満の組成物によれば、形成される塗膜の厚さ
が小さくなり過ぎてシール性の低下を生ずるようになる
と共に、多量の溶剤のために乾燥に長時間を要すること
があり、一方、70重量%を超える場合には、得られるコ
ーティング用組成物は、ゲル化し易く、また粘度が高い
ものとなり、さらに形成される塗膜が基体に対する密着
性の低いものになりやすい。
(d)成分:硬化剤 この(d)成分である硬化剤は、第1成分および第2
成分の(A)成分を硬化させるものである。この(d)
成分を配合することにより、形成される塗膜が硬化され
て塗膜強度が高くなり、強固なシール性を得ることがで
きる。
この(d)成分の具体例としては、オクチル酸スズな
どのカルボン酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジオ
クチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエートな
どの有機スズカルボン酸塩、ジノルマルブチルスズオキ
サイドなどの有機スズ酸化物、テトラブチルチタネート
などの有機チタン酸エステル、テトラブトキシジルコニ
ウムなどの金属アルコキシドおよびその部分加水分解
物、並びに金属アルコキシドの部分キレート化物および
その部分加水分解物、アミン類、アミン塩、4級アンモ
ニウム塩、グアニジン化合物などを挙げることができ
る。これらのうち、好ましいものは有機スズカルボン酸
塩、有機チタン酸エステル、金属アルコキシドの部分キ
レート化物および部分加水分解物およびアミン類であ
る。
(d)成分としては、金属アルコキシドなどを用いる
場合には、アセト酢酸エチルなどを添加することによ
り、金属アルコキシドの加水分解速度を調節することが
好ましい。
この(d)成分の割合は、第1成分と第2成分の混合
物100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.01
〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜2重量部とされ
る。この割合が0.01重量部未満の場合には、得られるコ
ーティング用組成物の硬化の程度が低いために塗膜の強
度が小さいものとなって十分大きなシール性を得にくく
なり、一方この割合が10重量部を超えると、硬化の進行
が速すぎるためにポットライフが短すぎて取り扱いにく
くなる。
本発明のコーティング用組成物には、以上の各成分の
他、さらに水分散金属酸化物ゾル、アルコール分散金属
酸化物ゾル、各種界面活性剤、各種顔料、各種染料、各
種充填剤、増粘剤、顔料分散剤、その他の添加成分を添
加混合することもできる。
本発明のコーティング用組成物を調製するためには、
例えば、第1成分の特定オルガノシランと、(a)成分
の水と、(b)成分の酸とを混合して第1成分の特定オ
ルガノシランの加水分解および部分的縮合を行わせ、そ
の後に第2成分を混合する。そして、その後に、得られ
る組成物の粘度の調節、その他の目的で(c)成分の有
機溶剤を混合する。この有機剤の混合は、第2成分の混
合時になされる場合もある。
上記の第1成分の特定オルガノシランと(a)成分の
水と(b)成分の酸との混合は、通常40〜80℃、好まし
くは50〜60℃で2〜24時間程度撹拌することによって行
われる。この混合時の温度が40℃未満の場合には、オル
ガノシランの加水分解および部分的縮合が進行しにく
く、80℃を超えると特定オルガノシランの加水分解およ
び部分的縮合が速くなりすぎる場合がある。
これらの混合物を常温まで冷却した後、第2成分また
は第2成分と(c)成分の有機溶剤とを加えて通常1〜
12時間混合する。そして必要に応じて硬化剤を加えるこ
とにより、本発明のコーティング用組成物が調製され
る。
本発明のコーティング用組成物は、刷毛、スプレー、
ロール、ディッピング、カーテンロールなどの塗布手段
により、セメント、モルタルおよびその他の無機窯業系
基材、ステンレス、アルミニウム、およびその他の金
属、並びにガラス、プラスチックなどよりなる基体の表
面に、例えばモルタルの上には、20〜300g/m2となる量
をコーティングし、常温〜300℃で乾燥することによ
り、適用される。この乾燥において、第1成分および第
2成分として配合された(A)成分の硬化が促進され、
目的とする良好な特性を有する皮膜を形成することがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明が
これらによって限定されるものではない。なお、以下に
おいて「部」は「重量部」を示す。
実施例1 還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、メチルト
リエトキシシラン100部と、水20部と、0.1規定の塩酸0.
2部とを仕込み(第1次仕込み)、60℃で6時間撹拌し
た後常温まで冷却した。その後、シリル基含有アクリル
樹脂「ゼムラックAP3701」(鐘淵化学工業社製、不揮発
分60重量%、Tg52℃)20部と、アクリル樹脂「ダイヤナ
ールLR−162」(三菱レーヨン社製、不揮発分35重量
%、ガラス転移点Tg52℃)140部と、トルエン550部とを
添加し(第2次仕込み)、1時間撹拌して主剤を得た。
この主剤に、テトラブトキシジルコニウム50部と、ア
セト酢酸エチル10部と、水2部と、イソプロピルアルコ
ール38部との混合物(以下「硬化剤」という)の40部
を添加し(第3次仕込み)、これによってコーティング
用組成物を調製した。
実施例2 実施例1の第2次仕込みにおいて、アクリル樹脂「ダ
イヤナールLR−162」の代わりにアクリル樹脂「ダイヤ
ナールLR−248」(三菱レーヨン社製、不揮発分40重量
%、Tg102℃)を用いたほかは、実施例1と同様にして
コーティング用組成物を調製した。
実施例3 実施例1において、その各成分の割合を第1表に示す
とおりに変えたほかは、実施例1と同様にしてコーティ
ング用組成物を調製した。
実施例4 実施例1の第3次仕込みにおいて、硬化剤の代わり
に、ジオクチルスズジラウレート「SNT1F」(三共有機
合成化学製)とトルエンとを重量で1:9の割合で混合し
た混合物(以下「硬化剤」という)の90部を用いたほ
かは、実施例1と同様にしてコーティング用組成物を調
製した。
比較例1 実施例1の第2次仕込みにおいて、シリル基含有アク
リル樹脂「ゼムラックAP3701」の代わりにエポキシ樹脂
「エピコート1002」(油化シェルエポキシ製、不揮発分
100重量%、エポキシ当量630)を用い、さらにアクリル
樹脂「ダイヤナールLR−162」の割合を110部並びにトル
エンの割合を570部としたほかは、実施例1と同様にし
てコーティング用組成物を調製した。
比較例2−比較例4 これらの各々において、アクリル樹脂「ダイヤナール
LR−162」、シリル基含有アクリル樹脂「ゼムラックAP3
701」、並びにエポキシ樹脂「エピコート1001」を単独
でコーティング剤とした。
比較例5 実施例1において、第二次仕込みを行わずにトルエン
240部のみを用い、硬化剤を20部としたほかは、実施
例1と同様にしてコーティング用組成物を調製した。
試験例 実施例1〜4で得られたコーティング用組成物および
比較例2〜4のコーティング剤並びに比較例1および5
のコーティング用組成物の各々を、60℃に加温した内径
10cm、長さ10cmの上水道用モルタルライニング管の内面
に塗布量が150g/m2になるよう刷毛により塗布し、室温
で4日間乾燥して試料管を得た。そして、得られた試料
管の各々について、アルカリシール性および耐遊離炭酸
水性を調べた。各測定の内容および評価法は下記のとお
りである。
アルカリシール性 試料管の内部に水道から得たpH7.0の供試水を入れて
試料管の両端を密栓し、静置して1日間経過後の試料管
内の水のpHを測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:pH7.0〜8.0 ○:pH8.1〜8.6 △:pH8.7〜9.0 ×:pH9.1以上 耐遊離炭酸水性 各試料管内に遊離炭酸水を継続的に通水し、通水を開
始してから1ケ月間経過後に皮膜の状態を観察し、ふく
れ、白化およびクラックの発生の有無を調べ、以下の基
準に従って判定した。
◎:全く異常なし ○:異常はシールコート面積の1%以下の部分に発生 △:異常はシールコート面積の1〜20%の部分に発生 ×:異常はシールコート面積の20%以上の部分に発生 結果は第1表に示すとおりである。
第1表から明らかなように、実施例1〜実施例4に係
るコーティング用組成物は、比較例1〜5のものに比
し、いずれも優れたアルカリシール性と耐遊離炭酸水性
を有するものである。
〔発明の効果〕
本発明のコーティング用組成物によれば、セメント、
モルタル、その他の無機窯業系基材、ステンレス、アル
ミニウムなどの金属、並びにガラス、プラスティックな
どの製品よりなる基体の表面に、ピンホールなどの欠陥
を発生することなく、耐水性、耐薬品性、耐クラック性
および耐熱性に優れ、かつ基体に対する密着性に優れた
皮膜を形成することができ、特に水道管の内面のモルタ
ルライニング上に塗布されたときに当該モルタルライニ
ングに優れた撥水性、耐水性および耐久性を付与するこ
とができ、長期間にわたって水道管の内面の腐食を有効
に防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−289642(JP,A) 特公 昭47−32416(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 183/04,183/06 C09D 133/14 C09D 163/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の第1成分10〜90重量%と、下記の第
    2成分90〜10重量%とを含有することを特徴とするコー
    ティング用組成物。 第1成分: 一般式(I) R1 mSi(OR24-m (式中、R1は炭素数1〜8の有機基を示し、R2は炭素数
    1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示
    し、mは1または2である。) で表わされるオルガノシランおよび/または当該オルガ
    ノシランの加水分解物、部分縮合物および/または部分
    共縮合物。 第2成分: 下記(A)成分および(B)成分の両方。 (A)成分: 一般式(II) (式中、R3およびR4はそれぞれ水素原子またはアルキル
    基、アリール基およびアラルキル基より選ばれる一価の
    炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、
    アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアル
    コキシ基およびアミノ基より選ばれる基であって少なく
    とも1個はアルコキシ基であり、nは0〜2の整数であ
    る。) で表わされるシリル基を分子中に少なくとも1個有する
    シリル基含有アクリル樹脂。 (B)成分: メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
    リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イミノー
    ルアクリレート、グリシジルアクリレート、メチルメタ
    クリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
    ート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イミノール
    メタクリレートおよびグリシジルメタクリレートから選
    ばれる1種または2種類以上のモノマーによる重合体よ
    りなるアクリル樹脂。
JP1252213A 1989-09-29 1989-09-29 コーティング用組成物 Expired - Lifetime JP2760084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1252213A JP2760084B2 (ja) 1989-09-29 1989-09-29 コーティング用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1252213A JP2760084B2 (ja) 1989-09-29 1989-09-29 コーティング用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03115479A JPH03115479A (ja) 1991-05-16
JP2760084B2 true JP2760084B2 (ja) 1998-05-28

Family

ID=17234081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1252213A Expired - Lifetime JP2760084B2 (ja) 1989-09-29 1989-09-29 コーティング用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2760084B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2628422B2 (ja) * 1991-12-02 1997-07-09 三洋化成工業株式会社 止水用材料
US5356960A (en) * 1993-08-11 1994-10-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Cathodic electrocoating compositions containing an anticrater agent
JPH1017823A (ja) * 1996-06-28 1998-01-20 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd コーティング剤組成物
JP3374368B2 (ja) * 1996-12-24 2003-02-04 松下電工株式会社 付着性低減コーティング用樹脂組成物とこれを用いた塗装品
JP2000044807A (ja) * 1998-05-25 2000-02-15 Chuo Rika Kogyo Corp 樹脂組成物及びその製造方法並びに塗装物
JP2011006612A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Kurimoto Ltd 金属管用塗料組成物およびそれを塗布してなる金属管

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2851350B2 (ja) * 1989-02-10 1999-01-27 鐘淵化学工業株式会社 熱硬化性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03115479A (ja) 1991-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0555879B1 (en) Coating composition and process for manufacturing the same
JPH1060280A (ja) 水系分散体
JP3120617B2 (ja) コーティング用組成物
JP2760084B2 (ja) コーティング用組成物
JP3450251B2 (ja) 水性塗料組成物
JPH08151552A (ja) ハードコートフィルム
JPH06329986A (ja) 塗装方法
JP2924018B2 (ja) コーティング用組成物
JP3457233B2 (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョン及びその製造方法
JP3279015B2 (ja) コーティング用組成物
JPH10273623A (ja) コーティング用組成物および硬化体
JP3457232B2 (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョン、その製造方法及び二液型コーティング組成物
JP3050848B2 (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョンの製造方法
JP3774377B2 (ja) 無溶剤塗料
JP3128197B2 (ja) コーティング組成物
JP2005298561A (ja) 水性オルガノポリシロキサン溶液の製造方法及びコーティング組成物
JP4998935B2 (ja) 塗料組成物
JP3415823B2 (ja) 無溶剤型塗料組成物
JP3900454B2 (ja) 有機無機複合樹脂水性エマルジョンの製造方法及びコーティング組成物
JP4169988B2 (ja) 着色セメント瓦の製造方法
JP3030954B2 (ja) コーティング用組成物
JP3017970B2 (ja) 有機無機複合樹脂の製造方法
JP3218948B2 (ja) コーティング用組成物
JP3179340B2 (ja) オルガノポリシロキサンの製造方法
JPH093402A (ja) コーティング用組成物