JP2760005B2 - 電磁コイル - Google Patents

電磁コイル

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JP2760005B2
JP2760005B2 JP2779989A JP2779989A JP2760005B2 JP 2760005 B2 JP2760005 B2 JP 2760005B2 JP 2779989 A JP2779989 A JP 2779989A JP 2779989 A JP2779989 A JP 2779989A JP 2760005 B2 JP2760005 B2 JP 2760005B2
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electromagnetic coil
wound
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克徳 秋本
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Denso Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の制御に用いられる回転信号発生
用の電磁ピックアップ等の電磁コイルに関する。
[従来の技術] 従来より、電磁ピックアップ等の電磁コイルは、第4
図に示すように、両端に鍔部51,52を有するボビン54に
銅細線56を巻線し、更にその上に絶縁性糸58を巻いて絶
縁被覆している。そして、鍔部51に形成された溝60に銅
細線56の渡線部62を通し、外部の端子64に銅細線56の端
末部66を結線していた。この上に更に全体を覆うように
樹脂モールド層68を形成していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、こうした従来の電磁コイルでは、樹脂
モールド層68を形成する際には、モールド樹脂の射出成
形によっているが、射出成形した際に、銅細線56の端末
部66及び渡線部62はモールド樹脂と直接接触してしま
い、銅細線56とモールド樹脂との熱膨張係数の差による
熱応力や、成形する場合の樹脂射出圧力による応力等が
銅細線56の寿命に影響を与え、例えば、使用中の温度変
化によって銅細線56の渡線部62の断線等の不良が発生し
正常に作動しない場合があるという問題があった。その
為、その対策として、銅細線56の端末部66及び渡線部62
にシリコンゴム等の緩衝剤を塗布し、モールド樹脂との
接触や射出時の圧力の影響から銅細線56を保護していた
ので、作業が煩わしく生産性に問題があった。
また、前記銅細線56の端末部66及び渡線部62の露出を
避けるために、第8図に示すように、上型71、下型72及
び2つのスライド型74,76によって、両端に鍔部81,82を
有するボビン84の一方の鍔部81に端子部材86をインサー
トしてボビン84を構成することも考えられた。インサー
トした端子部材86の一方の端部86aは、リード線が接続
できるように露出させ、他方の端部86bは一方の鍔部81
から径方向に突出させている。そして、第5図に示すよ
うに、ボビン84に銅細線88を巻線し、一旦その上から絶
縁性糸90を巻いて絶縁被覆し、前記端子部材86の他方の
端部86bを巻線側に約90度折曲げて、更にその上に絶縁
性糸90を巻いて端子部材86を絶縁している。そして、こ
の端子部材86の一端を折曲げて鍔部81の外形からはみで
ないようにするために、インサートする端子部材86の裏
側の鍔部81の一部に切欠部92を設けて折曲げられるよう
にしている。更に前記絶縁被覆した後、モールド樹脂に
よって樹脂モールド層94を形成して構成することが考え
られた。
しかし、第6図及び第7図に示すように、モールド樹
脂が端子部材86を折曲げる際の切欠部92から侵入し、端
子部材の端部86bの厚みのために生じる絶縁性糸90間の
隙間96から端部86bに沿って侵入して、銅細線88の端末
部や渡線部に接触し、前述したと同様に、断線等の原因
となって正常に作動しない場合があるという問題があっ
た。
そこで本発明は上記の課題を解決することを目的と
し、モールド樹脂と電線が直接接触しない構造の電磁コ
イルを提供することにある。
[課題を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は課題を解決するた
めの手段として次の構成を取った。即ち、 両端に鍔部を有するボビンに巻線した電磁コイルにお
いて、 前記一方の鍔部は巻線側に形成した小径部と該小径部
に連接した大径部とを備え、前記大径部から離れた位置
の前記小径部から埋設した端子部材の端部を径方向に突
出させた状態で巻線した上を絶縁被覆し、その後に前記
端部を巻線側に前記小径部よりも内側に折曲げてその上
から更に前記端部を前記小径部をも含めて絶縁被覆し、
該絶縁被覆の上に樹脂モールド層を形成したことを特徴
とする電磁コイルの構成がそれである。
[作用] 前記構成を有する電磁コイルは、端子部材の端部を巻
線側に折曲げて、該端部を鍔部の小径部をも含めて絶縁
性糸により絶縁被覆して、隙間や溝を塞ぎ、その後の樹
脂モールド層を形成する際のモールド樹脂の侵入を遮断
して、電線とモールド樹脂との接触による断線等を防止
する。
[実施例] 以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例である電磁コイルの断面図
である。1は樹脂で成形されたボビンであり、このボビ
ン1は巻線される胴部2と、胴部2の両側に形成された
鍔部4,6とを備えている。そして、第2図に示すよう
に、ボビン1の一方の鍔部4は、巻線側としての胴部2
に連接した小径部8と、この小径部8に連接する小径部
8よりも大きな径の大径部10とが形成されている。この
大径部10の外径は他方の鍔部6の外径とほぼ同じとなる
ように一体的に形成されている。これらの小径部8と大
径部10とによって段差12が形成されている。
また、ボビン1が成形される際に、この一方の鍔部4
に2個の端子部材14がインサートされて一体的に形成さ
れ、端子部材14が埋設されている。この端子部材14の一
方の端部14aは、予め曲げられて鍔部4の外部に露出す
るように埋設されている。そして、端子部材14の他方の
端部14bは、大径部10から所定量A離れた位置の小径部
8から径方向に突出させた状態で埋設されている。更
に、端子部材14の他方の端部14bが小径部8から突出し
ている部分の、小径部8の胴部2側の一部が切り欠かれ
て溝16が形成されている。
前述した一方の端子部材14の他方の端部14bに電線と
しての銅細線18の一端が結線されて、ボビン1の胴部2
に、銅細線18が、巻き付けられる。所定量の銅細線18が
巻き付けられると銅細線18の末端が別の端子部材14の他
方の端部14bに結線される。そして、その上に絶縁性を
有する絶縁性糸20が、小径部8と他方の鍔部6との間
で、銅細線18の全体を覆って絶縁被覆するように所定量
巻き付けられる。この際、巻き付け後の径が小径部8の
径より小さく、前記溝16に被さらない程度に巻き付けら
れる。
その後、第2図に矢印で示すように、端子部材14の他
方の端部14bが巻線側に約90度折曲げられる。この折曲
げられる際に、折曲げた端子部材14の他方の端部14bが
溝16内に入り込み、そして、折曲げ後の端子部材14の他
方の端部14bが、小径部8の外径それよりも内側となる
ようにされる。
端子部材14の他方の端部14bが折曲げられた後、更に
この他方の端部14bの上に前記絶縁性糸20が大径部10と
他方の鍔部6との間で巻き付けられる。端子部材14の他
方の端部14bの全体を覆って、しかも小径部8までも含
めて絶縁性糸20によって覆われて絶縁被覆される。ま
た、両端子部材14の一方の端部14aには、それぞれリー
ド線22が結線される。その後、この絶縁被覆の上にモー
ルド樹脂の射出成形によって樹脂モールド層24が形成さ
れる。この樹脂モールド層24は、絶縁性糸20だけでな
く、端子部材14の一方の端部14aをも覆って一体とする
ように形成される。
尚、絶縁性糸20に代えて、絶縁テープや熱収縮チュー
ブによって絶縁被覆しても同様に実施可能である。
次に、本実施例の電磁コイルの作動について説明す
る。
まず、端子部材14の他方の端部14bの折曲げ後に絶縁
性糸20によって小径部8をも含めて絶縁被覆することに
よって、この他方の端部14bの全体が完全に覆われる。
即ち、小径部8をも含めて覆われるので、溝16は絶縁性
糸20によって完全に覆われて、溝16が塞がれて外部との
連通が遮断される。
従って、この状態で射出成形等によってモールド樹脂
を注入しても、モールド樹脂が溝16を介して侵入して端
子部材14の他方の端部14bや銅細線18の渡線部に接触す
ることがない。よって、注入されるモールド樹脂の圧力
によって銅細線18が断線したり、モールド樹脂と銅細線
18との熱膨張係数の違いによって使用中に銅細線18が断
線するといった故障が生じることがない。
以上本発明はこの様な実施例に何等限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々な
る態様で実施し得る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の電磁コイルは、一方の鍔
部に小径部と大径部とを設け、端子部材の他方の端部を
折曲げて、この端部と小径部とをも含めて絶縁被覆する
ので、樹脂モールド層を形成しても、隙間なく絶縁被覆
しているので、モールド樹脂が侵入することがなく、侵
入したモールド樹脂と電線とが接触して、モールド樹脂
の圧力や熱膨張係数の違いによって電線が断線すること
がなく、使用中の温度変化等による断線を防止して不良
が発生して正常な作動ができなくなるのを防止し、寿命
を増加させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての電磁コイルの断面
図、第2図は本実施例のボビンの正面図、第3図は本実
施例のボビンの側面図、第4図は従来の電磁コイルの断
面図、第5図は従来の他の例としての電磁コイルの断面
図、第6図は第5図の樹脂モールド層を形成前のB矢視
拡大図、第7図は第6図のCC断面図、第8図はこの従来
例のボビンの成形説明図である。 1,54,84…ボビン 4,6,51,52,81,82…鍔部 8…小径部、10…大径部 12…段差、14…端子部材 14b…端部、18,56,88…銅細線 20,58,90…絶縁性糸 24,68,94…樹脂モールド層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端に鍔部を有するボビンに巻線した電磁
    コイルにおいて、 前記一方の鍔部は巻線側に形成した小径部と該小径部に
    連接した大径部とを備え、前記大径部から離れた位置の
    前記小径部から埋設した端子部材の端部を径方向に突出
    させた状態で巻線した上を絶縁被覆し、その後に前記端
    部を巻線側に前記小径部よりも内側に折曲げてその上か
    ら更に前記端部を前記小径部をも含めて絶縁被覆し、該
    絶縁被覆の上に樹脂モールド層を形成したことを特徴と
    する電磁コイル。
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