JP2756867B2 - 高速溶融メッキ方法 - Google Patents

高速溶融メッキ方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鋼板に被覆金属を高純度に高速で溶融メッキ
する方法に関するもので、特にZn,Al,Sn,Pbおよびこれ
らの金属の合金系被覆鋼板は自動車用、建築用、電気機
器用、缶用の材料として広く用いられており、品質と生
産性の向上が重要である。
(従来の技術) 従来の溶融メッキ方法は鋼帯を還元性ガスの雰囲気中
で加熱することにより表面を清浄化した後、被覆したい
金属の溶融浴に導いて浸漬メッキし、その後メッキ浴よ
り引き上げて、直後にスリット状のノズルにより噴射す
る気体で過剰に付着した溶融金属を除去し付着量を制御
するもの、あるいは片面だけを溶融金属に接触させた
後、噴射気体により過剰の溶融金属を除去し付着量を制
御するものがある。この様な浸漬メッキはZnメッキ、Al
メッキおよびターンメッキに代表されるように、今日一
般に広く使用される素材の製造法として採用されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) この方法の欠点は鋼帯がメッキ浴中を通過する際、鋼
帯の一部がメッキ浴中に溶出し、この溶出した大部分の
Feはその後、浴成分と金属間化合物を形成して浴中に浮
遊し、いわゆる浮遊ドロスとなる。この浮遊ドロスはメ
ッキの際メッキ層中に混入し、製品の外観や耐食性、加
工性などを低下させていた。次にメッキ浴の容量につい
ては鋼帯をポットロールでメッキ浴中に導入し浸漬でき
る程の大容量が必要である。
従来この大容量にしたメッキ浴の浴組成を変更する場
合、特に大幅に変更して製品品種を切り替える場合はメ
ッキ浴の一部をくみ出して、メッキ金属や添加金属を補
給もしくは添加する必要がある。このため多大の費用、
時間、労力を必要とするので、単一のメッキラインで製
造できる製品の種類には限界があった。また浸漬時間が
長いので金属と鋼板が反応して加工性を劣化させる脆い
合金層が厚く形成するため、メッキ浴に添加元素を加え
て金属層を薄くする手段が採られてきたが、今日の様に
加工の程度が厳しくなると限界が生じている。さらに空
気中の酸素と溶融金属が反応して酸化ドロスが発生して
溶融金属を無駄に消費するとともに鋼帯表面に付着して
外観を損なっている。
次にメッキ付着量の制御は前述の如く気体絞り法によ
り行うことが一般的であるが、ラインスピードが160m/m
in以上になると絞り落とされた金属が激しく飛散しスプ
ラッシュとなって鋼帯に付着したり、鋼帯により持ち上
げられるメッキ金属量も多くなってドロスの発生量が多
くなり、高速化には限界があった。
特公昭57−24066号公報に開示されている溶融金属を
ロールコート方式で塗布してメッキする方法によれば浴
組成切り替えには有利であるが、メッキ浴の汚染、高速
化の問題は解決できない。
米国特許第3,201,275号明細書にも、溶融メッキに適
用した場合に上記の問題解決となる方法が開示されてい
るが、この方法はコーティングノズルより液面が低い樹
脂溶液から毛細管現象で樹脂溶液を吸い上げ、コーティ
ンノズルに樹脂溶液のメニスカスを形成しテープと接触
することによりコーティングを行っている。この方法を
溶融メッキに適用しようとすると次のような問題が生じ
る。毛細管現象により溶融金属を吸い上げるためには管
の壁が溶融金属と濡れ性がよいことが必要であり、この
様な材質のものでは同時に溶融金属と反応してしまい、
吸い上げる途中で溶融金属を汚染するとともに毛細管を
閉塞してしまう。また溶融金属は樹脂溶液と比較すると
比重が大きいので円滑な吸い上げが困難で、金属帯の走
行速度が速くなると溶融金属の供給が不足し被覆ができ
なくなる。ところで、高速通板時には走行金属帯に付随
した雰囲気の気体が高速でメニスカス部に衝突し気体を
メニスカスに巻き込むため、形成された被覆層は連続で
なく使用に耐えないものとなる。
特開昭61−207555号公報には上記問題点を解決する手
段として以下の方法の開示がある。ノズルの開口部に溶
融金属のメニスカスを形成して、そのメニスカスに金属
帯を接触させながら金属帯を走行させると、開口部から
の溶融金属流出量は自由流出の場合より多く、連続操業
でのメッキ付着量を容易に制御できる。この流出量は溶
融金属の濡れ付着力によりもたらされるもので、走行す
る鋼帯の速度に応じて付着量は一定に制御される。とこ
ろが、金属帯とノズル開口部との距離を調整してメッキ
付着量を制御する場合、メッキ付着量は金属帯とノズル
開口部との距離がある値を境にして急激に変化し、しか
もその前後ではあまり変化しない傾向がある。このため
制御の安定上、金属帯とノズル開口部の距離はメッキ付
着量の大きく変動しない領域にするしかなく、目的のメ
ッキ付着量に設定できない欠点があった。そこで、特開
昭61−235550号公報に開示されている如く、メッキ用ノ
ズル開口部内部のせきが設置された部分の隙間を一定に
保持した状態で、開口部を部分的に閉鎖して溶融金属が
通過できる面積を狭め、溶融金属の吸い出され量を制御
する方法があり、具体的には、せきを隙間方向に個々に
摺動可能な複数の分割体より構成して、その一部を等間
隔で隙間方向に下ろす方法であるが、幅方向での流出速
度を精度良く一定に制御することが困難であり、またノ
ズルの間隙0.6mmが熱歪等により変化し幅方向の付着量
バラツキが生じた場合には修復する手段がなく、実際に
操業することは困難である。しかも、高速通板時に金属
帯に付随して搬送され雰囲気気体がメニスカスに衝突し
巻き込まれ、不連続被膜が形成される点については前記
公報記載の方法の場合と同様問題である。
特開昭59−67357号公報にはアモルファスリボンの製
造方法に着眼して、溶融金属をスリット状ノズルまたは
多孔ノズルを通して回転ディスクの代わりに走行する鋼
板上に吹き付け、吹き付けられた溶融金属は鋼板によっ
て冷却されて、そのまま被覆金属とする方法が開示され
ている。具体的には溶融金属を入れた容器をドラム上を
走行する鋼板の上方に設置し、溶融金属の入った容器に
はスリット状ノズルあるいは多孔ノズルを付けておき、
ノズル先端と鋼板との間隔を近接させ、通常1mm以下と
する。溶融金属の流量速度はヘッドの高さあるいはAr等
の不活性ガスによる加圧方式により制御される。この方
法においても幅方向の均一目付けに対しては溶融金属の
流出速度の幅方向のバラツキがそのまま幅方向の目付け
バラツキとなるため、その制御がこの方法の最も重要な
点であるが、この点についての開示はなく、実操業は困
難である。また高速で走行する金属帯に付随して搬送さ
れる雰囲気気体が、溶融金属と金属帯の間のメニスカス
部に衝突し、巻き込まれた気体は不メッキの原因とな
り、連続被膜を得ることは困難で高速化には限界があ
る。この様なことはTダイ法による溶融樹脂の押し出し
時にも経験されるところであり、雰囲気気体の除去、即
ち真空化も考えられるが、連続ラインでは差動排気シス
テムの様な高価な設備費が必要となり、高速化により益
々排気容量が増えるため工業的に採用することは困難で
ある。
本発明者らは雰囲気ガス噴射を併用して鋼帯幅方向の
付着量分布の制御が可能な近接ノズル法を創案したので
あるが、実際の操業への適用性を検討した結果、必ずし
も十分でないことが判明した。一つは両面メッキでの問
題である。鋼板通板における振動等のパスライン変動を
支持ロールで安定支持し、鋼帯片面側に近接ノズルによ
りメッキを施す方法では、片面をメッキした後、もう片
方の面にメッキを施す時、既メッキ面は支持ロールに接
触することになる。溶融メッキの常法として鋼帯温度は
メッキ金属の融点近傍とするため、既メッキ面上のメッ
キ金属は溶融状態であるか半溶融状態となっており、支
持ロールとの接触により外観的、品質的に均質さを失
う。もう一つの問題点は連続操業性である。連続操業を
行うには鋼帯コイルと鋼帯コイルは必ず溶接により接続
する必要性があり、この溶接部は鋼帯幅方向に熱歪によ
る凹凸を生じるのが常であるため、近接したノズルに衝
突することとなる。このノズルを退避すればよいが、ノ
ズルには付随した装置として溶融金属の釜あるいは湯道
が接続されているため、これら一式の重量物を数〜数十
ミクロンの精度で移動させることは困難である。
本発明の目的は、前記従来法の難点を排除し得る高速
溶融メッキ方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは高速溶融メッキにおける付着量分布の制
御方法、両面メッキ方法及び連続操業性について種々検
討の結果、本発明を完成させた。即ち、本発明の要旨と
するところは、走行する鋼帯の面にロールを接触させ、
該ロールに対して近接して配設されたノズルを介して溶
融金属を該ロールに付着させ、次いで鋼帯に転写する高
速溶融メッキ法において、前記ノズルからの溶融金属吐
出流のロール回転方向下手側に前記ノズルに併設された
ガス噴射口から非酸化性ガスを噴出すること、さらには
噴射ガスの圧力をロール幅方向に制御することを特徴と
する高速溶融メッキ方法にある。
本発明の実施の態様を図面に基づいて説明する。
鋼帯1に対してコーティングロール2を接触させ、こ
のコーティングロール2にノズル3を近接して配置し、
Zn,Al,Sn,Pbまたはこれら各金属の合金系金属の溶融金
属をノズル3に供給し、コーティングロール2に溶融金
属を一旦付着させ、さらに鋼帯1に転写する。コーティ
ングロール2は少なくともロール面が炭化珪素、窒化珪
素の様に高温強度が高く、熱伝導性が大きく、熱膨張率
が低く、さらに溶融金属とを反応性の小さいセラミック
材である必要がある。ノズル3の開口部はスリット状あ
るいは多孔とし、ノズル3の先端開口部とコーティング
ロール2との間隔は通常1mm以下とし、好ましくは0.5mm
〜0.1mmとする。この間隔が1mmを超えるとノズル3から
吐出した溶融金属がストライプ状あるいは筋状にコーテ
ィングロール2へ付着し、鋼帯へ転写後も筋状メッキと
なりメッキ鋼板として用をなさない。さらに0.5mm以下
になると特に均一なメッキ外観を示す。またノズル3の
先端開口部とコーティングロール2との間隔が0.1mm未
満になると高温での熱歪や機械的振動などによりロール
幅方向にコーティングロール2とノズル3との間隔の精
度を確保することが困難となり、かえって筋状のメッキ
外観となる。溶融金属の吐出速度は溶融金属自身のヘッ
ド圧あるいは窒素等の非酸化性ガスによる加圧などの静
圧によって制御する。ノズル3には溶融金属の吐出用に
スリット8あるいは多孔9の開口部を設ける。スリット
8の幅あるいは多孔9の直径は3〜0.3mmの範囲とす
る。0.3mm未満ではノズルからの溶融金属の吐出が脈動
状に不安定となり、3mm超では付着量を制御するために
コーティングロール2とノズル3の先端との距離を0.1m
m未満とする必要がありメッキ外観が損なわれる。
鋼帯幅方向に均一なメッキ外観を得るためには上記条
件の他、さらに以下の条件が必要である。即ち、ノズル
3の開口部に対してコーティングロール2の回転方向下
手側のノズル部に非酸化性ガス噴射口5としてスリット
または多孔を設置する。このスリット5は鋼帯幅方向に
連続としてノズル内部を多分割してガス圧力制御する
か、スリット出口まで分割し、各々が独立にガス圧制御
できる様にする。多孔5も鋼帯幅方向に配置し各々独立
にガス圧制御できる様にする。この雰囲気ガス噴射の効
果は以下の様に説明される。第1図に示す様にガス噴射
をしない場合にはコーティングロール2の回転に伴う搬
送ガスがメニスカスに衝突し、メニスカスが回転方向下
出方向に流された形状となっており、ガスを巻き込み易
く鋼帯幅方向に連続したメニスカスを形成することが困
難である。第2図はガス噴射を行った場合であり、メニ
スカスはコーティングロール2の回転に伴う搬送ガスの
衝突圧に対抗して反対方向からガス噴射圧が働くため、
メニスカスはコーティングロール2の回転に伴う搬送ガ
スを跳ね返す様になり、ガスを巻き込むことがなくな
り、鋼帯幅方向に連続したメニスカスとなる。即ち鋼帯
幅方向に均一なメッキ外観を得ることができる。この様
子をコーティングロール2の幅方向に観察した一例が第
4図である。ガス噴射圧(ヘッダー圧)を上げる程、均
一塗着可能な最高ロール周速は増加し、鋼帯走行速度が
増加する一例を第5図に示す。さらにノズルの熱歪等に
より鋼帯とノズル間のギャップ偏差に起因して鋼帯幅方
向にメッキ付着量の分布に偏差が発生した場合、これを
補正する場合は非酸化性ガス噴射口を鋼帯幅方向に多分
割し、各々の噴射圧を独立に加減することにより所望の
メッキ付着量分布を得る。この例を第6図、第7図に示
す。
ところで、コーティングロール2の表面材質は寿命の
観点からセラミック材質が必要であることを述べた。セ
ラミックは溶融金属との反応性が低い事が長所である反
面、溶融金属との濡れ広がり性には欠ける。上述の均一
塗着条件に設定してもコーティングロール面の濡れ性が
乏しければコーティングロール2に一旦は均一塗着して
もロール面から溶融金属が弾かれて不均一塗着に到る。
この点を解決するためにはコーティングロール2を溶融
金属の融点直下に保つ様に温度制御し、一旦コーティン
グロール2に塗着した溶融金属を箔状に凝固させその形
状が保たれる様にし、しかる後溶融金属の融点以上に加
熱した鋼帯に融着させるか、溶融金属の融点直上に温度
制御したコーティングロール表面に多数の微細な凹凸を
設けグラビアロール状として凹部に溶融金属を保ち、し
かる後溶融金属の融点近傍に温度制御した鋼帯に転写
し、メッキとする方法を採ることができる。この際コー
ティングロールの回転方向は鋼帯の進行方向に対して、
順方向(ナチュラル)、逆方向(リバース)のいずれの
方向でも同様の結果を得ることができる。
この際、雰囲気は還元性とする。
この様にして鋼帯に施されたメッキは非酸化性ガスま
たは酸化性ガスまたは気水スプレーにより凝固され、か
くして溶融メッキ鋼帯製品が得られる。
両面メッキ製品を製造する必要のある時はコーティン
グロールを鋼帯表裏に一対設置し、同時に両面をメッキ
することが可能である。両面メッキおよび片面メッキ時
の配置例を第8図(a),(b)に示す。
ところで、連続操業においては鋼帯コイル間に繋目が
必ず発生し、この繋目は通常、溶接にて接合されるが、
この接合部は鋼帯厚みの数倍の厚みを持っている。この
接合部がコーティングロール2を通過する際、ロールを
痛めあるいは破損する。これを回避するためコーティン
グロール2の瞬時退避機構を設けることも可能で、溶接
接合部のトラッキング信号により自動的に瞬時退避も可
能となる。
溶融金属と鋼帯との濡れ性はメッキ密着性を確保する
ために必要であり、鋼帯表面の清浄度が重要である。こ
れは公知の方法、例えば還元性雰囲気中での加熱や脱
脂、酸洗等の予備処理、フラックス塗布等が利用でき
る。さらに鋼帯の温度を溶融金属の融点近傍に加熱する
ことも必要で、これも溶融メッキの常法である。
次に実施例により本発明を説明する。
(実施例1) 第3図は本発明の実施態様の1例を示すもので、鋼帯
1は還元性ガス雰囲気中で加熱して、表面を清浄にした
ものである。コーティングロール2にはフラットロール
を用い、鋼帯1に接触させ、コーティングロール2に近
接してノズル3を配置する。コーティングロール2とノ
ズル3の位置関係はロール2に対しノズル3を横に置
き、ロール2とノズル3の間の距離は0.5mmとした。ノ
ズル3先端のスリット開口幅は2mmとした。コーティン
グロール2およびノズル3は炭化珪素の材質とした。ノ
ズルへの溶融金属の供給は別に設けた溶解釜10に地金11
を連続的に供給しながら発生するヘッド圧により行う。
溶融金属の供給系を第9図に示す。地金11の供給速度は
メッキによって消費される速度、即ち目標メッキ厚みに
必要な量だけ供給する。供試した鋼帯の幅は500mm、厚
み0.3mm、鋼帯の走行速度は400m/minで溶融亜鉛を20μ
mの厚みにメッキした。メッキ装置での雰囲気は水素15
%−残窒素の組成のガスを用いた。ノズル3からの雰囲
気ガス噴射のヘッダー圧は0.25kgf/cm2とした。メッキ
時の鋼帯温度は450℃、コーティングロール2の温度は4
00℃とした。メッキ後の鋼帯温度は1秒の保定後、大気
中で空冷しメッキ層が凝固した後、水冷した。
この様にして製造したメッキ鋼帯は表面が均一美麗
で、地鉄との合金層量も従来のメッキ鋼帯の10分の1と
低減した。
(実施例2) 本実施例における鋼帯1は実施例1と同様に、還元性
ガス雰囲気中で加熱して、表面を清浄にしたものであ
る。コーティングロール2にはグラビアロールを用い、
鋼帯1に接触させ、コーティングロール2に近接してノ
ズル3を配置する。用いたグラビアロールは格子型セル
を有し、メッシュとして1inch当り75分割したもので、
1つの格子の深さが137μmのものである。また鋼帯1
の進行方向とコーティングロール2の回転方向は同一と
した。コーティングロール2とノズル3の位置関係はロ
ール2に対しノズル3を横に置き、ロール2とノズル3
の間の距離は0.9mmとした。ノズル3先端のスリット開
口幅は2mmとした。コーティングロール2およびノズル
3の材質は窒化珪素とした。ノズルへの溶融金属の供給
は別に設けた溶解釜10に地金11を連続的に供給しながら
発生するヘッド圧により行う。溶融金属の供給系を第9
図に示す。地金11の供給速度は必要メッキ量分を補給す
る。
供試した鋼帯の幅は500mm、厚み0.8mm、鋼帯の走行速
度は400m/minで溶融亜鉛を20μmの厚みにメッキした。
メッキ装置での雰囲気は水素15%−残窒素の組成のガス
を用いた。ノズル3からの雰囲気ガス噴射のヘッダー圧
は0.25kgf/cm2とした。メッキ時の鋼帯温度は450℃、コ
ーティングロール2の温度は450℃とした。メッキ後の
鋼帯温度は1秒の保定後、大気中で空冷しメッキ層が凝
固した後、水冷した。
この様にして製造したメッキ鋼帯は表面が均一美麗
で、地鉄との合金層量も従来のメッキ鋼帯の10分の1と
低減した。
(実施例3) 実施例2の実施態様において、グラビアロールのメッ
シュを1inch当り180分割とし、1つの格子の深さを45μ
mとした。この場合溶融亜鉛メッキのメッキ厚みとして
5μmを得た。
(実施例4) 実施例3の実施態様において、溶融亜鉛メッキの代わ
りに溶融アルミニウムメッキを行った。この際メッキ時
の鋼帯温度は650℃、コーティングロール温度は650℃と
した。その結果メッキ厚みとして5μmの美麗な外観の
アルミニウムメッキ鋼帯を得た。
(実施例5) 実施例2においてコーティングロール2とノズル3と
の間の距離がロール幅方向に変動する場合、特に熱膨張
特性の差によりロールエッジ部分で距離が離れる場合に
は、第6図に示す様なメッキ厚み分布となる。この様な
場合には第7図に示す様にロール幅方向に噴射ガス圧を
変化させることにより幅方向に均一なメッキ厚みを分布
を得ることができた。
(比較例1) 実施例1、2、3、4の実施態様において、非酸化性
ガス噴射をしない場合、メッキ外観はいずれの場合にお
いても筋状となり均一な外観は得られなかった。
(発明の効果) 最近の溶融アルミニウムメッキラインや溶融亜鉛メッ
キラインは自動車、建材を中心に益々生産量が増え、そ
れに応じてライン速度は益々速くなると同時にメッキ後
の立ち上がり高さは益々高くなる傾向にあり、建設費コ
ストは高くなる。一方品種の多様化に伴い、同一ライン
での品種切り替えロスも多くなる一方である。さらに品
質上の要求レベルも益々高度になり、ドロス付着防止は
もちろん、付着量の均一化、加工性の向上が強く要求さ
れている。本発明の方法によれば以上の問題点を一挙に
解決できるとともに他分野、例えば有機樹脂溶液の高速
コーティングにも応用できる長所を持ち、従来の表面処
理方法を指向する画期的な価値のある方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図はガス噴射をしない場合のメニスカス形状を示す
図、第2図はガス噴射をする場合のメニスカス形状を示
す図、第3図は本発明の装置概念図、第4図はコーティ
ングロールの幅方向に形成されたメニスカスの態様を示
すもので、(a)はガス噴射なしの場合、(b)はガス
噴射ありの場合を示す図、第5図はガス噴射圧(ヘッダ
ー圧)と均一塗着可能な鋼帯走行速度との関係を示す
図、第6図は鋼帯幅方向にメッキ厚みバラツキが発生し
た例を示す図、第7図はガス噴射による幅方向メッキ厚
み均一化の例を示す図、第8図は両面メッキおよび片面
メッキ時のロール、ノズル配置例を示す図、第9図は溶
融金属の連続供給系を示す図である。 1……鋼帯、2……コーティングロール、3……ノズ
ル、4……ノズル開口部(溶融金属吐出口)、5……非
酸化性ガス噴射口、6……ロール退避装置、7……バッ
クアップロール、8……スリット、9……多孔、10……
溶解釜、11……地金、12……溶融メッキ金属、13……雰
囲気ガス(噴射用)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行する鋼帯の面にロールを接触させ、該
    ロールに対して近接して配設されたノズルを介して溶融
    金属を該ロールに付着させ、次いで鋼帯に転写する高速
    溶融メッキ法において前記ノズルからの溶融金属吐出流
    のロール回転方向下手側に前記ノズルに併設されたガス
    噴射口から非酸化性ガスを噴出することを特徴とする高
    速溶融メッキ方法。
  2. 【請求項2】噴射ガスの圧力をロール幅方向に制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の高速溶融メッキ方法。
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