JP5874658B2 - 溶融金属めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融金属めっき鋼板の製造方法および連続溶融金属めっき装置に関する。
従来から、鋼板の溶融金属めっき、例えば鋼板に連続的に亜鉛めっきを施す場合には、付着量を制御するためにガスワイピング法が行なわれている。図4に示すように、めっき槽12に保持された溶融亜鉛13中にスナウト11内から鋼板1を連続的に供給し、シンクロール14を介して鋼板を連続的に上方に引上げ、ガスワイピングノズル15により、めっき厚みを制御する。
ガスワイピングノズル15を利用する方法では、ガスワイピングノズル15から加熱された又は常温の気体を吐出させ、鋼板1の表面に吹付けることにより、該鋼板面に付着して引き上げられてくる溶融亜鉛13をワイピングし、所要の付着量に制御している。このガスワイピング法は、現在幅広く用いられている方法である。
しかしながら、上記ガスワイピング法では、少ない付着量を得るためにガスワイピングノズルのガス衝突圧力を上げると、ガス衝突圧力増加によりスプラッシュと呼ばれる溶融亜鉛の飛散が起こり、それが鋼板表面に再付着することで外観欠陥となる。また、ガス衝突圧力を上げるとガスワイピングノズルからの空気と亜鉛とが反応し、反応物が亜鉛めっき浴表面に塊(ドロス)となって溜まる。これが鋼板表面に付着し、表面欠陥となる。また、ガス衝突圧力を上げると鋼板に反りや振動が生じたり、一方で、ガスワイピングノズルと鋼板との距離を近づけると接触により外観欠陥が生じることから、めっき付着量は30g/m程度が現状の限界である。
上記のようなガスワイピング法の問題を解決するために、特許文献1には、燃焼廃ガスにより鋼板温度を上げてワイピングする方法が開示されている。また、特許文献2には、電磁力を用いた方法が開示されている。
特開2009−263698号公報 特開2007−284775号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、燃焼廃ガスを用いても結局はガス衝突圧力によるワイピングであり、スプラッシュの発生が問題となる。また、特許文献2の方法では、めっき付着量10〜25g/mの薄めっき鋼板を得るためには大電流を流す必要があり、鋼板が加熱されてしまうといった問題がある。また、鋼板が加熱された際の温度分布は均一とはなっておらず、新たなめっき欠陥を生じるといった問題も挙げられる。また、いずれの方法においても、溶融亜鉛を保持する亜鉛めっき浴内を鋼板が通過する際に、鉄と亜鉛の反応により生じる反応物が亜鉛めっき浴内部にドロスとなって介在し、シンクロールへの付着、鋼板表面への付着により欠陥を生じるという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑み、外観欠陥がなく、かつドロスの発生を抑制することができ、美麗な薄めっき鋼板を製造することができる連続溶融金属めっき装置および溶融金属めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、スリットダイからロールを介して鋼板表面へ供給される溶融金属の供給量を予め制御するとともに、溝加工されたロールを用いることにより、外観欠陥がなく、かつドロスの発生を抑制することができ、美麗な薄めっき鋼板を製造することができることを見出した。本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]非酸化性雰囲気下において、溶融金属をスリットダイから回転するロールへ供給し、該ロールと連続的に走行する鋼板とを接触させて前記溶融金属を鋼板表面にめっきする際に、前記ロールの表面は溝加工されており、前記スリットダイと前記ロールとの間のギャップをG、前記鋼板表面のめっき厚みをHとする場合、0.050≦H/G≦0.70の範囲で前記スリットダイから前記ロールへ前記溶融金属を供給することを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造方法。
[2]前記スリットダイおよび前記ロールをそれぞれ溶融金属の融点以上の温度に加熱することを特徴とする[1]に記載の溶融金属めっき鋼板の製造方法。
[3]非酸化性雰囲気下において、溶融金属をスリットダイから回転するロールへ供給し、該ロールと連続的に走行する鋼板とを接触させて前記溶融金属を鋼板表面にめっきする連続溶融金属めっき装置において、前記ロールの表面は溝加工されており、前記スリットダイと前記ロールとの間には吸引装置が設置されていることを特徴とする連続溶融金属めっき装置。
[4]前記ロール表面に形成されている溝の容積は15cm/m未満であることを特徴とする[3]に記載の連続溶融金属めっき装置。
本発明によれば、外観欠陥がなく、かつドロスの発生を抑制することができ、美麗な薄めっき鋼板を製造することができる。
本発明の実施形態に係る連続溶融金属めっき装置の側面図である。 本発明の実施形態に係る連続溶融金属めっき装置における、スリットダイとロールの拡大図である。 本発明における、ロール表面の凹部容積とめっき付着量との関係を示す図である。 従来のガスワイピング法による連続溶融金属めっき装置の側面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の実施の形態に係る連続溶融金属めっき装置を示す。図1において、1は鋼板、2はロール、3はスリットダイ、4はブレード、5はめっき槽、6はめっき液供給装置、7は誘導加熱装置、8はシール装置、9はシールチャンバー、10は吸引装置である。鋼板1は、非酸化性ガスが導入されているシールチャンバー9内を連続的に走行する。非酸化性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等を使用することができる。スリットダイ3は、誘導加熱装置7により加熱されている。溶融金属は、スリットダイ3からロール2へ供給される。そして、ロール2により鋼板1の表面にめっきが施される。ブレード4は、ロール2上に残存する余分な溶融金属を掻き落とす。掻き落とされた溶融金属は、めっき槽5へ回収される。こうして掻き落とされた余分な溶融金属は再利用される。めっき液供給装置6はめっき液を供給する。めっき液供給装置6は、めっき槽5内の溶融金属の移送が可能な軸流ポンプを有している。めっき液供給装置6は、軸流ポンプの回転数を制御することにより、スリットダイ3へのめっき液の供給量を制御する。また、溶融金属表面の酸化を抑えるため、シール装置8により、シールチャンバー9内の酸素濃度は0.1vol%以内に抑えられている。なお、シールチャンバー9の入側は、焼鈍炉と直接繋がっており、非酸化雰囲気を保っている。
鋼板1とロール2との配置関係については、図1は縦型両面めっきとなっているが、横型で片面ずつめっきするタイプにも適用できる。両面同時にめっきする場合は、鋼板張力によりロール押し付け力を調整できるように、めっきする位置をずらすことが好ましい。
従来方式においては、溶融金属を保持するめっき浴内を鋼板が通過するため鉄と溶融金属の反応によりめっき浴内部に反応物がドロスとなって介在し、ロールへの付着および鋼板表面への付着により欠陥を生じる問題があった。本発明では、めっき槽から溶融金属をスリットダイへ供給後、ロールを介して鋼板へ供給することにより、鉄と溶融金属の反応を回避することが可能である。このため、ドロスを発生させることなく、ドロス起因の欠陥を防止することが可能である。
さらに本発明者らは、外観欠陥を抑制するためには、スリットダイからロールを介して鋼板表面に供給される溶融金属の供給量を安定させる必要があると考えた。そこで本発明者らは、図1に示す連続溶融金属めっき装置を用いて、鋼板表面のめっき膜厚H(以下、単にHと称することもある。)が均一になる条件について調べた。めっき液のロール2への供給は、吐出口として鋼帯幅方向に均等幅のスリットを設けたスリットダイ3から、めっき液をロール2の表面へ幅方向で均等に押し出すことによって行った。この際、スリットの幅は50μm、スリットダイとロールとの間のギャップG(以下、単にGと称することもある。)は20μmに設定した。スリットダイ3は、ステンレス鋼(以下、SUSと称する。)のものを用い、めっき液には溶融亜鉛を用いた。鋼板のライン速度は150mpmで、鋼板には板厚0.6mmの冷延鋼板を用いた。
ロール2の周速度は150mpmに設定した。スリットダイ3への塗布液の供給には、軸流ポンプを用いた。また、スリットダイ3の周囲に設置されている誘導加熱装置7により、スリットダイ3の温度は460℃に保持されている。ロール2はSUS製のものを用いた。また、ロール2は、内部より誘導加熱を行うジャケットロールを使用し、ロール2の表面温度が460℃となるように調整した。ブレード4は板厚0.2mmのSUS製のものを用いた。
スリットダイ3の上流部には吸引装置10を設置し、吸引装置10で吸引されためっき液はめっき槽5にて回収した。めっき膜厚H(μm)を種々変更し、スリットダイ3とロール2との間、ロール2表面、および鋼板1表面上の外観を目視により確認した。なお、膜厚H(μm)の制御は、スリットダイ3へ供給されるめっき液の供給量および吸引装置10を適宜調整することにより行った。
その結果、0.050>H/Gの場合には、ロール2表面上、鋼板1表面上で気泡の存在が確認された。これは、スリットダイ3とロール2のメニスカス部上流側で空気同伴と呼ばれる塗布欠陥が発生したためと考えられる。一方、0.050≦H/G≦0.70の範囲では、ロール2表面上、および鋼板1表面上でそれぞれ均一な液膜状態が確認された。これは、スリットダイ3とロール2間のメニスカス部が安定しているためと考えられる。また、0.70<H/Gの場合には、吸引装置10下部に設置しためっき槽5への液漏れが確認されるとともに、ロール2表面上、鋼板1表面上で外観不均一が確認された。これは、鋼板の走行方向に対してスリットダイ3の上流側へのめっき液供給量が過多となったためと考えられる。
以上の結果から、本発明において、溶融金属をスリットダイ3からロール2へ供給する際に、0.050≦H/G≦0.70とすることにより、スリットダイ3とロール2間のメニスカス部が安定化し、空気同伴に基づく外観欠陥を抑制することができる。
図2は、スリットダイ3とロール2の拡大図である。スリットダイ3としては、例えば、めっき液を供給する供給部3aを備えているスリットダイを用いることができる。また、スリットダイ3とロール2との間に設置されて、鋼板の走行方向に対して供給部3aの上流側に負圧を発生させる吸引装置10を備えることを特徴とする。ロールの回転により、供給部3aには空気の流れが発生する。そのため、吸引機構がなければめっき液膜中に空気同伴が起こる確率が高まり、外観欠陥となる場合がある。そこで、吸引装置10により負圧を発生させることで、空気同伴といった問題を解決することができる。その結果、供給されるめっき液のメニスカス形状が安定する。例えば、空気同伴により、メニスカス部に擾乱が付与された場合、メニスカス形状が不安定となる。この場合、広めのギャップでは液が保持できなくなる。一方、本発明は吸引することにより空気同伴を防止することが可能であることから、メニスカス部の擾乱の発生を抑制することができる。その結果、メニスカス部が安定化し広めのギャップでも均一なめっきが可能となると考えられる。ロール2上に形成される膜厚に対して数倍程度のギャップを確保することが可能となり、ロール偏芯などの変動によるギャップ変動の影響を緩和して安定塗布することが可能となる。
本発明において、負圧を発生させる吸引装置10としては、例えば、吸引ポンプがあり、めっき条件により吸引量を調整可能な装置であればよい。また、負圧は、0.25kPa〜3kPa程度が好ましい。
次に、本発明者らは、外観欠陥がなく、所望のめっき付着量を有する薄めっき鋼板を得るためには、前述したH/Gの制御に加えて、鋼板に塗布される溶融金属量が一定である必要があると考えた。そこで本発明者らは、表面が溝加工されているロールに着目した。表面が溝加工されているロールを用いると、溝の凹部に一定の溶融金属が入り込み、鋼板に塗布される溶融金属量が一定となると考えられる。その結果、めっき付着量の変動が少なく、所望のめっき付着量を有する薄めっき鋼板を得ることができると考えた。
本発明者らは、図1に示す溶融金属めっき装置を用いて、鋼板へ溶融金属を供給するロール2表面の溝の影響について調べた。ロール2表面の溝形状は、ロール周方向に対して斜め45°の斜線彫刻ロールを用いた。ロール2表面の凹部の容積については、1.0〜30cm/mに設定し、鋼板に転写されるめっき付着量について調査を行った。
めっき液のロール2への供給は、吐出口として鋼帯幅方向に均等幅のスリットを設けたスリットダイ3から、めっき液をロール2の表面へ幅方向で均等に押し出すことによって行った。この際、スリットの幅は50μm、スリットダイとロールとの間のギャップGは20μmに設定した。スリットダイ3は、SUS製のものを用い、めっき液には溶融亜鉛を用いた。鋼板のライン速度は150mpmで、鋼板には板厚0.6mmの冷延鋼板を用いた。また、スリットダイ3の周囲に設置されている誘導加熱装置7により、スリットダイ3の温度は460℃に保持されている。ロール2はSUS製のものを用いた。また、ロール2は、内部より誘導加熱を行うジャケットロールを使用し、ロール2の表面温度が460℃となるように調整した。ブレード4は板厚0.2mmのSUS製のものを用いた。
図3に示すように、ロールの表面が溝加工されているロールを用いることにより、所望の薄めっき鋼板を得ることができることがわかった。さらに、ロール表面の凹部容積を15cm/m未満とすることにより、めっき付着量が10g/m未満の薄めっき鋼板を得られることがわかった。
本発明において、ロールの表面は溝加工されているロールを用いることを特徴とする。表面が溝加工されているロールを用いる場合、溝の凹部に一定の溶融金属が入り込むため、鋼板に塗布される溶融金属量が一定となる。その結果、めっき付着量の変動が少なく、所望のめっき付着量を得ることができる。溝加工がない場合には、ロール偏芯の影響を受けやすいため、めっき付着量の変動が発生する場合がある。
本発明において、ロール表面に形成されている溝の容積は15cm/m未満とすることが好ましい。溝の容積を15cm/m未満とすることにより、めっき付着量が10g/m未満の薄めっき鋼板を得ることができる。なお、溝の容積は3cm/m以上であることが好ましい。それより溝の容積が小さいと摩擦が増大し擦れが発生しやすくなる。
溝の形状としては、回転する際に摩擦が低減できる周方向に線または斜線で彫刻することが好ましい。なお、本発明において、一実施形態として用いたロールの周方向に対して斜め45°斜線彫刻の形状のほかに、格子状、ピラミッド状などの形状でも構わない。
本発明において、鋼板へ塗布後ロール表面に残った余分な溶融金属を掻き取るために、掻き取り装置を備えてもよい。鋼板に塗布されずにロールに残った溶融金属が、スリットダイとロールとの間で形成されるメニスカス部に再度供給されると、スリットダイからのめっき量が変動するため、メニスカス形状を乱し安定供給の妨げになる。また、鋼板の板幅が変化することを踏まえて、通常、スリットダイおよびロールの幅は、鋼板の幅に比べ大きく設定する。このため、特に板幅エッジよりも広いところでめっき液がロール上へ残り、それが再度スリットダイへ供給されるとエッジ部分から幅方向への流れ込みが発生し、結果として付着量むらになってしまう可能性が高い。したがって、掻き取り装置を設けることにより、安定供給の妨げを回避することができる。掻き取り装置は、鋼板に塗布されずにロールに残った溶融金属がスリットダイに再供給される手前に取り付けられればよい。また、掻き取り装置は溶融金属が掻き取れればどのようなものでも良く、例えばブレードを設置する方法が簡易である。ブレードの素材は金属でもセラミックでも良く、460℃程度の高温状態でも均一な掻き取りが実施できればよい。
本発明のスリットダイとしては、耐熱性を考慮すると、材質はSUS製が好ましい。また、スリットの幅としては、薄めっきに必要な供給量とスリット部の詰まり防止の両立を考慮した場合、50〜100μm程度が好ましい。また、めっき槽としては、溶融金属を保持するために耐熱性のある材質であれば特に規定しないが、例えばSUS製のものが好ましい。
また、スリットダイとロールの温度は、いずれも溶融金属の融点以上の温度に加熱することが好ましい。加熱方法は、スリットダイの表面およびロール表面を加熱できる方法であれば特に限定されない。例えば、誘導加熱装置、雰囲気加熱、流体循環等が挙げられる。スリットダイの表面が溶融金属の融点以下になると、スリットダイのノズル出口にて溶融金属の詰まりが発生する。また、ロール表面が溶融金属の融点以下になると、ロール上の溶融金属は瞬時に凝固し、鋼板表面がめっきされない。
ロールの材質については、溶融金属の腐食や熱に耐えられるSUSやセラミック、ステライト合金等の剛体ロールが好ましい。また、ロールの回転方向については、鋼板の走行方向と同一方向、逆方向のいずれの回転であってもめっきすることができる。
本発明のシール装置、シールチャンバーとしては、材質について特に限定されず、耐熱性とシール性が確保できればよい。
なお、本発明は、種々の溶融金属に適用することができる。
以上より、本発明の連続溶融金属装置を用いて溶融金属めっきを行うことにより、従来法では困難であっためっき付着量10〜25g/mの薄めっき鋼板を製造することができる。
以下の本発明例および比較例により、本発明を詳細に説明する。
本発明例および比較例として、図1に示した装置を用いて、板厚0.45mm、板幅200mmの鋼板に亜鉛めっきを行い、めっき付着量およびめっき外観の評価を行った。スリットダイはSUS製のものを用い、ノズル出口における開口部の長さは50μm、スリットダイ先端部とロールとの間のギャップを5〜20μmに設定した。また、スリットダイの温度は誘導加熱装置により460℃に保持した。鋼板へ溶融亜鉛を塗布するロールにはSUS製のロールを用いた。また、ロールは、表面温度をコントロールできるよう内部より誘導加熱を行うジャケットロールを使用し、表面温度が460℃となるよう調整した。溶融金属は亜鉛(融点419.53℃)とし、Alを質量%で0.2%添加した亜鉛−Al浴を用いた。それ以外の条件は表1に示すとおりである。なお、ロールの回転方向は、鋼板の走行方向に対して逆方向である。また、シールチャンバー内には窒素ガスを充填し、チャンバー内の酸素濃度は0.1vol%以内に制御した。
外観評価は、摺れ欠陥、スプラッシュ欠陥、スジ欠陥、不めっき、ドロス欠陥により評価した。各評価基準は以下のとおりである。なお、めっき付着量はランダムに抽出した10箇所の付着量を重量法により測定し平均を算出した。めっき付着量としては、10〜25g/mが望ましい。
(1)擦れ欠陥
鋼板外観を十分に明るい蛍光灯の下で目視確認し判定を行った。擦れのないものをなしとした。製品として問題にならない軽微な擦れについては微少とした。エッジ部の一部に発生した場合については少とした。エッジ部および幅方向の一部に発生した場合については中とした。幅方向全面に発生した場合については大とした。なし、微少、少を合格とする。
(2)スプラッシュ欠陥
鋼板エッジから200mmの位置に設置した100×100mmの捕集容器に付着したスプラッシュ量により評価した。スプラッシュの付着がないものをなしとした。スプラッシュ量が10g/分以下のものを微少、15g/分以下のものを少、30g/分以上のものを多とした。なし、微少を合格とする。
(3)スジ欠陥
鋼板外観を十分に明るい蛍光灯の下で目視確認し判定を行った。スジのないものをなしとした。製品として問題にならないほど軽微なスジについては微少とした。欠陥として認められる僅かなスジが一部に発生している場合は少、鋼板全面に発生している場合は中、鋼板全面に顕著なスジ模様が見られる場合は多とした。なし、微少、少を合格とする。
(4)不めっき
鋼板の外観を十分に明るい蛍光灯の下で目視確認し判定を行った。不めっきの発生していないものをなし、鋼板の幅方向エッジ部の極微少な領域に発生している場合には微少、エッジ部の一部に発生している場合を少、幅方向に中央部の微少領域に発生している場合を中、全面に発生している場合を大とした。なし、微少、少を合格とする。
(5)ドロス欠陥
鋼板外観を十分に明るい蛍光灯下で、走行方向に1m毎に鋼板を目視確認し判定を行った。粒上の模様が50m毎に0個であればなし、3個未満であれば少、3個以上10個未満で中、10個以上で多とした。なし、少を合格とした。
なお、従来例として、図4に示した装置を用いて、上記と同様の評価を行った。従来例については、ガスワイピングノズルのスリット幅は1mm、ノズル−鋼板間距離は7mm、ノズル内圧力は80kPaとした。
結果を表1に示す。
Figure 0005874658
表1に示すように、いずれの実施例も、従来よりも少ない付着量でめっき外観良好な結果となった。比較例では、上記いずれかの評価基準を満たさなかった。また、従来例では、溶融金属のスプラッシュ欠陥が発生し、めっき付着量を削減できなかった。
1 鋼板
2 ロール
3 スリットダイ
3a めっき液供給部
4 ブレード
5 めっき槽
6 めっき液供給装置
7 誘導加熱装置
8 シール装置
9 シールチャンバー
10 吸引装置
11 スナウト
12 めっき槽
13 溶融亜鉛
14 シンクロール
15 ガスワイピングノズル

Claims (3)

  1. 非酸化性雰囲気下において、溶融金属をスリットダイから回転するロールへ供給し、該ロールと連続的に走行する鋼板とを接触させて前記溶融金属を鋼板表面にめっきする際に、前記ロールの表面は溝加工されており、前記スリットダイと前記ロールとの間のギャップをG、前記鋼板表面のめっき厚みをHとする場合、0.050≦H/G≦0.70の範囲で前記スリットダイから前記ロールへ前記溶融金属を供給することを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記スリットダイおよび前記ロールをそれぞれ溶融金属の融点以上の温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記ロール表面に形成されている溝の容積は15cm /m 未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融金属めっき鋼板の製造方法。
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