JP2756262B2 - 液晶組成物およびこれを含む液晶素子 - Google Patents

液晶組成物およびこれを含む液晶素子

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は液晶表示素子や液晶−光シヤツター等に利用
される液晶素子に用いる液晶組成物に関し、更に詳しく
は、電界に対する応答特性が改善された新規な液晶組成
物に関するものである。
〔背景技術〕
従来より、液晶は電気光学素子として種々の分野で応
用されている。現在実用化されている液晶素子はほとん
どが、例えばM.SchadtとW.Helfrich著“Applied Physic
s Letters"Vo.18、No.4(1971.2.15)、P.127〜128の
“Voltage−Spendent Optical Activity of a Twisted
Nematic Liquid Crystal"に示されたTN(twisted nemat
ic)型の液晶を用いたものである。
これらは、液晶の誘電的配列効果に基づいており、液
晶分子の誘電異方性のために平均分子軸方向が、加えら
れた電場により特定の方向を向く効果を利用している。
これらの素子の光学的な応答速度の限界はミリ秒である
といわれ、多くの応用のためには遅すぎる。一方、大型
平面デイスプレイへの応用では、価格、生産性などを考
え合せると単純マトリクス方式による駆動が最も有力で
ある。単純マトリクス方式においては、走査電極群と信
号電極群をマトリクス状に構成した電極構成が採用さ
れ、その駆動のためには、走査電極群に順次周期的にア
ドレス信号を選択印加し、信号電極群には所定の情報信
号をアドレス信号と同期させて並列的に選択印加する時
分割駆動方式が採用される。
しかしこのような駆動方式の素子に前述したTN型の液
晶を採用すると走査電極が選択され、信号電極が選択さ
れない領域、或いは走査電極が選択されず、信号電極が
選択される領域(所謂“半選択点”)にも有限に電界が
かかってしまう。選択点にかかる電圧と、半選択点にか
かる電圧の差が充分に大きく、液晶分子を電界に垂直に
配列させるのに要する電圧閾値がこの中間の電圧値に設
定されるならば、表示素子は正常に動作するわけである
が、走査線数(N)を増やして行った場合、画面全体
(1フレーム)を走査する間に一つの選択点に有効な電
界がかかっている時間(duty比)が1/Nの割合で減少し
てしまう。このために、くり返し走査を行った場合の選
択点と非選択点にかかる実効値としての電圧差は、走査
線数が増えれば増える程小さくなり、結果的には画像コ
ントラストの低下やクロストークが避け難い欠点となっ
ている。このような現象は、双安定性を有さない液晶
(電極面に対し、液晶分子が水平に配向しているのが安
定状態であり、電界が有効に印加されている間のみ垂直
に配向する)を時間的蓄積効果を利用して駆動する(即
ち、繰り返し走査する)ときに生ずる本質的には避け難
い問題点である。この点を改良するために、電圧平均化
法、2周波駆動法や、多重マトリクス法等が既に提案さ
れているが、いずれの方法でも不充分であり、表示素子
の大画面化や高密度化は、走査線数が充分に増やせない
ことによって頭打ちになっているのが現状である。
この様な従来型の液晶素子の欠点を改善するものとし
て、双安定性を有する液晶素子の使用がClark及びLager
wallにより提案されている(特開昭56−107216号公報、
米国特許第4367924号明細書等)。双安定性液晶として
は一般に、カイラルスメクテイツクC相(SmC)又は
H相(SmH)を有する強誘電性液晶が用いられる。こ
の強誘電性液晶は電界に対して第1の光学的安定状態と
第2の光学的安定状態からなる双安定状態を有し、従っ
て前述のTN型の液晶で用いられた光学変調素子とは異な
り、例えば一方の電界ベクトルに対して第1の光学的安
定状態に液晶が配向し、他方の電界ベクトルに対しては
第2の光学的安定状態に液晶が配向される。また、この
型の液晶は、加えられる電界に応答して、上記2つの安
定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加のないときは
その状態を維持する性質(双安定性)を有する。
以上のような双安定性を有する特徴に加えて、強誘電
液晶は高速応答性であるという優れた特徴を持つ。それ
は強誘電液晶の持つ自発分極と印加電場が直接作用して
配向状態の転移を誘起するためであり、誘電率異方性と
電場の作用による応答速度より3〜4オーダー速い。
このように強誘電液晶はきわめて優れた特性を潜在的
に有しており、このような性質を利用することにより、
上述した従来のTN型素子の問題点の多くに対して、かな
り本質的な改善が得られる。特に、高速光学光シヤツタ
ーや、高密度、大画面デイスプレイへの応用が期待され
る。このため強誘電性を持つ液晶材料に関しては広く研
究がなされているが、現在までに開発された強誘電性液
晶材料は、低温作動特性、高速応答性等を含めて液晶素
子に用いる十分な特性を備えているとは云い難い。
応答時間τと自発分極の大きさPsおよび粘度ηの間に
の関係が存在する。したがって応答速度を速くするに
は、 (ア)自発分極の大きさPsを大きくする (イ)粘度ηを小さくする (ウ)印加電圧Eを高くする 方法がある。しかし印加電圧は、IC等で駆動するため上
限があり、出来るだけ低い方が望ましい。よって、実際
には粘度ηを小さくするか、自発分極の大きさPsの値を
大きくする必要がある。
一般的に自発分極の大きい強誘電性カイラルスメクチ
ツク液晶化合物においては、自発分極のもたらすセルの
内部電界も大きく、双安定状態をとり得る素子構成への
制約が多くなる傾向にある。又、いたずらに自発分極を
大きくしても、それにつれて粘度も大きくなる傾向にあ
り、結果的には応答速度はあまり速くならないことが考
えられる。
また、実際のデイスプレイとしての使用温度範囲が例
えば5〜40℃程度とした場合、応答速度の変化が一般に
20倍程もあり、駆動電圧及び周波数による調節の限界を
越えているのが現状である。
以上述べたように、強誘電性液晶素子を実用化するた
めには、粘度が低く高速応答性を有し、かつ応答速度の
温度依存性の小さな強誘電性カイラルスメクチツク液晶
組成物が要求される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、強誘電性液晶素子を実用できるよう
に、応答速度が速く、しかもその応答速度の温度依存性
が軽減されたカイラルスメクチツク液晶組成物および該
液晶組成物を使用する液晶素子を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、下記一般式(I) (式中、R1、R2はC1〜C18の直鎖状又は分岐状のアルキ
ル基であり、X1、X2は単結合、 であり、Y1は−CH2O−又は−OCH2−である。m、nは1
又は2を示す。) で表される化合物の少なくとも1種と、 下記一般式(II) (式中、R3はアルコキシ基によって置換されていてもよ
いC1〜C18の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、X3
は単結合、 のいずれかであり、Zは単結合又は であり、 である。p、qは1〜12を示す。) で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを
特徴とする強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物、
並びに該液晶組成物を一対の電極基板間に配置してなる
液晶素子を提供するものである。
前述の一般式(I)で示される化合物のうち、好まし
い化合物としては、下記(I−a)〜(I−f)式で表
わされる化合物が挙げられる。
又さらに、上述の(I−a)〜(I−f)式における
X1、X2の好ましい例としては下記(I−i)〜(I−vi
ii)を挙げることができる。
又さらに、上述の(I−a)〜(I−f)式における
R1,R2の好ましい例としては(I−ix)〜(I−xiii)
を挙げることができる。
(I−ix) R1がn−アルキル基, (pは0〜7であり、R5は直鎖状又は分岐状のアルキル
基) (I−x) (p,qは0〜7であり、R5,R6は直鎖状もしくは分岐状の
アルキル基) (I−xi) R1がn−アルキル基, (rは1〜12) (I−xii) R1がn−アルキル基, (sは0〜7、tは0または1、R7は直鎖状もしくは分
岐状のアルキル基) また、前述の一般式(II)で示される化合物のうち、
好ましい化合物例としては、下記式(II−a)〜、(II
−b)式で示される化合物が挙げられる。
前記一般式(I)で示される化合物の具体的な構造式
の例を以下に示す。
前記一般式(I)で示される化合物は特開昭60−1495
47(1985年)、特開昭61−63633(1986年)に記載され
る合成法により得られる。代表的な合成例を以下に示
す。
合成例1(化合物No.1−54の合成) 30mlナスフラスコに下記アルコール誘導体1.0g (4.81mmol)を入れ、冷却下、塩化チオニル3mlを加
え、撹拌しながら室温まで昇温させ、さらに冷却管を取
りつけ、外浴70℃〜80℃で4時間加熱還流を行った。反
応後過剰の塩化チオニルを留去し、塩化物を得た。これ
をトルエン15mlに溶解した。
次に200mlの三つ口フラスコに60%油性水素化ナトリ
ウム0.33gを入れ乾燥n−ヘキサンで数回洗った後、下
記フエノール誘導体1.52g(4.81mmol) のTHF溶液15mlを室温下滴下し、さらにDMSOを20ml加え
1時間撹拌した。これに、先に述べた塩化物のトルエン
溶液をゆっくりと滴下し、滴下終了後さらに室温にて16
時間撹拌を続けた。
反応終了後約200mlの氷水にあけ、有機層を分離しさ
らに水層をベンゼン50mlにて2回抽出を行い、先に分離
した有機層と共に5%塩酸水溶液で2回洗った後、イオ
ン交換水で1回、さらに5%NaOH水溶液で1回洗いその
後、水層のpH値が中性を示すまでイオン交換水で有機層
を水洗した。
有機層を取り出し硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、
溶媒留去して粗製物を得た。これを展開液n−ヘキサン
/ジクロロメタン、3/10を用いて、シリカゲルカラムク
ロマトグラフイーにて精製を行った。
溶媒留去して得た結晶を、n−ヘキサンを用いて再結
晶して精製目的物を得た。さらに室温にて減圧乾燥を行
い最終精製目的物を0.68g得た。収率は28.5%であっ
た。
元素分析値(wt%) C H N 計算値 78.33 8.57 0.00 測定値 78.96 8.69 0.02 合成例2(化合物No.1−68の合成) 30mlナスフラスコに下記アルコール誘導体1.25g (4.01mmol)を入れ、冷却下、塩化チオニル3mlを加
え、撹拌しながら室温まで昇温させ、さらに冷却管を取
りつけ、外浴70℃〜80℃で4時間加熱還流を行った。反
応後過剰の塩化チオニルを留去し、塩化物を得た。これ
をトルエン15mlに溶解した。
次に200mlの三つ口フラスコに60%油性水素化ナトリ
ウム0.31gを入れ乾燥n−ヘキサンで数回洗った後、下
記フエノール誘導体0.79g(4.01mmol) のTHF溶液15mlを室温下滴下し、さらにDMSOを20ml加え
1時間撹拌した。これに、先に述べた塩化物のトルエン
溶液をゆっくりと滴下し、滴下終了後さらに室温にて16
時間撹拌を続けた。
反応終了後約200mlの氷水にあけ、有機層を分離しさ
らに水槽をベンゼン50mlにて2回抽出を行い、先に分離
した有機層と共に5%塩酸水溶液で2回洗った後、イオ
ン交換水で1回、さらに5%NaOH水溶液で1回洗いその
後、水層のpH値が中性を示すまでイオン交換水で有機層
を水洗した。
有機層を取り出し硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、
溶媒留去して粗製物を得た。これを展開液n−ヘキサン
/ジクロロメタン、3/10を用いて、シリカゲルカラムク
ロマトグラフイーにて精製を行った。
溶媒留去して得た結晶を、n−ヘキサンを用いて再結
晶して精製目的物を得た。さらに室温にて減圧乾燥を行
い最終精製目的物を0.51g得た。収率は26.0%であっ
た。
CHN分析値(wt%) C H N 計算値 78.33 8.63 0.00 理論値 78.62 8.86 0.02 IRスペクトル 2975,2925,2850,1610, 1510,1470,1380,1295, 1280,1240,1220,1130, 1020,1000,810 cm-1 前記一般式(II)で示される化合物の具体的な構造式
の例を以下に示す。
一般式(II)で示される化合物は下記に示すような合
成経路A,B,Cで得ることができる。
一般式(I)で示される化合物の代表的な合成例を以
下に示す。
合成例1(化合物No.2−17の合成) p−2−フルオロオクチルオキシフエノール1.00g
(4.16mM)をピリジン10ml、トルエン5mlに溶解させ、
トランス−4−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸
クロライド1.30g(6.00mM)をトルエン5mlに溶解した溶
液を、5℃以下、20〜40分間で滴下した。滴下後、室温
で一晩撹拌し、白色沈殿を得た。
反応終了後、反応物をベンゼンで抽出し、さらにこの
ベンゼン層を蒸留水で洗ったのち、ベンゼン層を硫酸マ
グネシウムで乾燥し、ベンゼンを留去した。さらにシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーを用いて精製し、さら
にエタノール/メタノールで再結晶して、トランス−4
−n−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸−p−2−フ
ルオロオクチルオキシフエニルエステル1.20g(2.85m
M)を得た。(収率68.6%) NMRデータ(ppm) 0.83〜2.83ppm(34H、m) 4.00〜4.50ppm(2H、q) 7.11ppm (4H、s) IRデータ(cm-1) 3456,2928,2852,1742,1508, 1470,1248,1200,1166,1132, 854。
(ここで、S3,S4,S5,S6は、SmCよりも秩序度の高い相
を示す。) 合成例2(化合物No.2−29の合成) 十分に窒素置換された容器に、(−)−2−フルオロ
ヘプタノール0.40g(3.0mmol)と乾燥ピリジン1.00g(1
3mmol)を入れ氷冷下で30分間乾燥した。その溶液にp
−トルエンスルホン酸クロリド0.69g(3.6mmol)を加
え、そのまま5時間撹拌を続けた。反応終了後、1NHC11
0mlを加え、塩化メチレン10mlで2回抽出を行った後、
その抽出液を蒸留水10mlで1回洗浄した。得られた塩化
メチレン溶液に無水硫酸ナトリウムを適宜加えて乾燥し
たのち、溶媒を留去し(+)−2−フルオロヘプチルp
−トルエンスルホン酸エステル0.59g(2.0mmol)を得
た。
収率は66%である。生成物の比旋光度およびIRデータ
は下記の通りである。
比旋光度▲[α]26.4 D▼+2.59゜ (c=1、CHCl3)。
比旋光度▲[α]23.6 435▼+9.58゜ (c=1、CHCl3)。
IR(cm-1): 2900、2850、1600、1450、 1350、1170、1090、980、 810、660、550。
上記のようにして得られた(+)−2−フルオロヘプ
チルp−トルエンスルホン酸エステル0.43g(1.5mmol)
と5−オクチル−2−(4−ヒドロキシフエニル)ピリ
ミジン0.28g(1.0mmol)に1−ブタノール0.2mlを加え
よく撹拌した。その溶液に、あらかじめ1−ブタノール
1.0mlに水酸化ナトリウム0.048g(1.2mmol)を溶解させ
て調製しておいたアルカリ溶液を速やかに注ぎ5時間
半、加熱還流した。反応終了後蒸留水10mlを加え、ベン
ゼン10mlおよび5mlでそれぞれ1回づつ抽出を行った
後、その抽出液を無水硫酸ナトリウムを適宜加え乾燥し
た。乾燥後、溶媒を留去し、シリカゲルカラム(クロロ
ホルム)により目的物である(+)−5−オクチル−2
−[4−(2−フルオロヘプチルオキシ)フエニル]ピ
リミジン0.17g(0.43mmol)を得た。
収率は43%であり、以下のような比旋光度およびIRデ
ータが得られた。
比旋光度▲[α]25.6 D▼+0.44゜ (c=1、CHCl3)。
比旋光度▲[α]22.4 435▼+4.19゜ (c=1、CHCl3)。
IR(cm-1): 2900、2850、1600、1580、 1420、1250、1260、800、 720、650、550。
本発明の液晶組成物は前記一般式(I)で示される化
合物の少なくとも1種と、前記一般式(II)で示される
化合物の少なくとも1種と、さらに他の液晶性化合物1
種以上とを適当な割合で混合することにより得ることが
できる。また、本発明による液晶組成物は、強誘電性液
晶組成物、特に強誘電性カイラルスメクチツク液晶組成
物が好ましい。
本発明で用いる他の液晶性化合物の具体例を下記にあ
げる。
本発明の一般式(I)で示される液晶性化合物および
一般式(II)で示される液晶性化合物それぞれと、一種
以上の上述した他の液晶性化合物あるいは、それを含む
強誘電性液晶組成物(以下強誘電性液晶材料と略す)と
の配向割合は、強誘電性液晶材料100重量部当り、本発
明一般式(I)および一般式(II)で示される液晶性化
合物それぞれを1〜300重量部、より好ましくは5〜100
重量部とすることが好ましい。
また、本発明の一般式(I)および一般式(II)で示
される液晶性化合物の一方もしくは両方を2種以上用い
る場合も強誘電性液晶材料との配合割合は前述した強誘
電性液晶材料100重量部当り、本発明一般式(I)およ
び一般式(II)で示される液晶性化合物の一方もしくは
両方の2種以上の混合物を1〜500重量部、より好まし
くは10〜100重量部とすることが好ましい。
第1図は強誘電性液晶素子の構成の説明のために、本
発明の強誘電性液晶層を有する液晶素子の1例の断面概
略図である。
第1図において符号1は強誘電性液晶層、2はガラス
基板、3は透明電極、4は絶縁性配向制御層、5はスペ
ーサー、6はリード線、7は電源、8は偏光板、9は光
源を示している。
2枚のガラス基板2には、それぞれIn2O3,SnO2あるい
はITO(Indium−Tin Oxide)等の薄膜から成る透明電極
が被覆されている。その上にポリイミドの様な高分子の
薄膜をガーゼやアセテート植毛布等でラビングして、液
晶をラビング方向に並べる絶縁性配向制御層が形成され
ている。また絶縁物質として例えばシリコン窒化物、水
素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、硼素窒
化物、水素を含有する硼素窒化物、セリウム酸化物、ア
ルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物
やフツ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層を形成し、
その上にポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレン、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセター
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポ
リスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹
脂、アクリル樹脂やフオトレジスト樹脂などの有機絶縁
物質を配向制御層として、2層で絶縁性配向制御層が形
成されていてもよく、また無機物質絶縁性配向制御層あ
るいは有機物質絶縁性配向制御層単層であっても良い。
この絶縁性配向制御層が無機系ならば蒸着法などで形成
でき、有機系ならば有機絶縁物質を溶解させた溶液、ま
たはその前駆体溶液(溶剤0.1〜20重量%、好ましくは
0.2〜10重量%)を用いて、スピンナー塗布法、浸漬塗
布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布
法等で塗布し、所定の硬化条件下(例えば加熱下)で硬
化させ形成させることができる。
絶縁性配向制御層の層厚は通常30Å〜1μm、好まし
くは30Å〜3000Å、さらに好ましくは50Å〜1000Åが適
している。
この2枚のガラス基板2はスペーサー5によって任意
の間隔に保たれている。例えば所定の直径を持つシリカ
ビーズ、アルミナビーズをスペーサーとしてガラス基板
2枚で挾持し、周囲をシール材、例えばエポキシ系接着
材を用いて密封する方法がある。その他スペーサーとし
て高分子フイルムやガラスフアイバーを使用しても良
い。この2枚のガラス基板の間に強誘電性液晶が封入さ
れている。
強誘電性液晶が封入された強誘電性液晶層は、一般に
は0.5〜20μm、好ましくは1〜5μmである。
また、この強誘電性液晶は室温を含む広い温度域(特
に低温側)でSmC相(カイラルスメクチツクC相)を
有し、かつ、素子とした場合には粘度が低く高速応答性
を有すことが望ましい。さらに応答速度の温度依存性が
小さいことが望まれる。
また、特に素子とした場合に良好な均一配向性を示し
モノドメイン状態を得るには、その強誘電性液晶は等方
相からch相(コレステリツク相)−SmA相(スメクチツ
クA相)−SmC相(カイラルスメクチツクC相)とい
う相転移系列を有していることが望ましい。
透明電極3からはリード線によって外部電源7に接続
されている。
またガラス基板2の外側には偏光板8が貼り合わせて
ある。
第1図は透明型なので光源9を備えている。
第2図は強誘電性液晶素子の動作説明のために、セル
の例を模式的に描いたものである。21aと21bはそれぞれ
In2O3,SnO2あるいはITO(Indium−Tin Oxide)等の薄膜
からなる透明電極で被覆された基板(ガラス板)であ
り、その間に液晶分子層22がガラス面に垂直になるよう
配向したSmC相またはSmH相の液晶が封入されてい
る。太線で示した線23が液晶分子を表わしており、この
液晶分子23はその分子に直交した方向に双極子モーメン
ト(P⊥)24を有している。基板21aと21b上の電極間に
一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子23のらせ
ん構造がほどけ、双極子モーメント(P⊥)24がすべて
電界方向に向くよう、液晶分子23は配向方向を変えるこ
とができる。液晶分子23は細長い形状を有しており、そ
の長軸方向と短軸方向と屈折率異方性を示し、従って例
えばガラス面の上下に互いにクロスニコルの偏光子を置
けば、電圧印加極性によって光学特性が変わる液晶光学
変調素子となることは容易に理解される。
本発明の光学変調素子で好ましく用いられる液晶セル
は、その厚さを充分に薄く(例えば10μ以下)すること
ができる。このように液晶層が薄くなるにしたがい、第
3図に示すように電界を印加していない状態でも液晶分
子のらせん構造がほどけ、その双極子モーメントPaまた
はPbは上向き(34a)または下向き(34b)のどちらかの
状態をとる。このようなセルに、第3図に示す如く一定
の閾値以上の極性の異る電界EaまたはEbを電圧印加手段
と31bにより付与すると、双極子モーメントは電界Eaま
たはEbの電界ベクトルに対応して上向き34aまたは下向
き34bと向きを変え、それに応じて液晶分子は、第1の
安定状態33aかあるいは第2の安定状態33bの何れか一方
に配向する。
このような強誘電性を光学変調素子として用いること
の利点は先にも述べたが2つある。
その第1は、応答速度が極めて速いことであり、第2
は液晶分子の配向が双安定性を有することである。第2
の点を例えば第3図によって更に説明すると、電界Eaを
印加すると液晶分子は第1の安定状態33aに配向する
が、この状態は電界を切っても安定である。また、逆向
きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の安定状態33
bに配向してその分子の向きを変えるが、やはり電界を
切ってもこの状態に留っている。また与える電界Eaある
いはEbが一定の閾値を越えない限り、それぞれ前の配向
状態にやはり維持されている。
以下実施例により本発明について更に詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 下記重量部で混合した液晶組成物1−Aを作成した。
この液晶組成物1−Aに対して例示化合物1−1,2−
3をそれぞれ下記の重量部で混合し、液晶組成物1−B
を得た。
次に、これらの液晶組成物を以下の手順で作製したセ
ルを用いて、光学的な応答を観察した。
2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラ
ス板上にITO膜を形成し、電圧印加電極を作成し、さら
にこの上にSiO2を蒸着させ絶縁層とした。
この基板上にポリイミド樹脂前駆体[東レ(株)SP−
510]1.0%ジメチルアセトアミド溶液を回転数3000r.p.
mのスピンナーで15秒間塗布した。成膜後、60分間,300
℃加熱縮合焼成処理を施した。この時の塗膜の膜厚は約
120Åであった。
この焼成後の被膜には、アセテート植毛布によるラビ
ング処理がなされ、その後イソプロピルアルコール液で
洗浄し、平均粒径1.5μmのシリカビーズを一方のガラ
ス板上に散布した後、それぞれのラビング処理軸が互い
に平行となる様にし、接着シール剤[リクソンボンド
(チツソ(株))]を用いてガラス板をはり合わせ、60
分間,100℃に加熱乾燥しセルを作成した。このセルのセ
ル厚をベレツク位相板によって測定したところ約1.5μ
mであった。
このセルに上述の液晶組成物1−Bを等方性液体状態
で注入し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷することに
より、強誘電性液晶素子を作成した。
この強誘電性液晶素子を用いて、ピーク・トウ・ピー
ク電圧VPP=25Vの電圧印加により直交ニコル下での光学
的な応答(透過光量変化0〜90%)を検知して応答速度
(以後光学反応速度という)を測定した。その結果を次
に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 960μsec 265μsec 85μsec また、25℃におけるこの駆動時のコントラストは12
で、明瞭なスイツチング動作が観察された。
比較例1 実施例1で混合した液晶組成物I−Bのうち例示化合
物No.1−1を混合せずに1−Aに対して例示化合物No.2
−3のみを混合した液晶組成物1−Cと例示化合物No.2
−3を混合せずに1−Aに対して例示化合物No.1−1の
みを混合した液晶組成物1−Dを作成した。
液晶組成物1−Bを用いる代わりに液晶組成物1−A,
1−C及び1−Dをセル内に注入する以外は、全く実施
例1と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、光学応
答速度を測定した。その結果を次に示す。
応答速度 10℃ 25℃ 40℃ 1−A 1600μsec 430μsec 120μsec 1−C 1150μsec 290μsec 90μsec 1−D 1380μsec 380μsec 110μsec 実施例1と比較例1より明らかな様に、本発明による
液晶性組成物1−Bを含有する強誘電性液晶素子の方
が、低温における作動特性、高速応答性が改善され、か
つ応答速度の温度依存性が軽減されている。
実施例2 実施例1で混合した液晶組成物1−Aに対して、以下
に示す例示化合物を以下に示す重量部で混合して液晶組
成物2−Bを得た。
これを用いた他は実施例1と同様の方法で強誘電性液
晶素子を作成し、実施例1と同様の方法で光学応答速度
を測定し、スイツチング状態等を観察した。この液晶素
子内の均一配向性は良好であり、モノドメイン状態が得
られた。測定結果を次に示す。
応答速度 10℃ 25℃ 40℃ 940μsec 260μsec 85μsec また、25℃におけるこの駆動時のコントラストは13
で、明瞭なスイツチング動作が観察され、電圧印加を止
めた際の双安定性も良好であった。
比較例2 実施例2で混合した液晶組成物2−Bのうち例示化合
物No.1−5,1−24,1−37を混合せずに1−Aに対して例
示化合物No.2−26,2−54のみを混合した液晶組成物2−
Cと例示化合物No.2−26,2−54を混合せずに1−Aに対
して例示化合物No.1−5,1−24,1−37のみを混合した液
晶組成物2−Dを作成した。
液晶組成物1−Bを用いる代わりに液晶組成物2−C
及び2−Dをセル内に注入する以外は、全く実施例1と
同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、光学応答速度
を測定した。その結果を次に示す。
応答速度 10℃ 25℃ 40℃ 2−C 150μsec 275μsec 95μsec 2−D 130μsec 330μsec 110μsec 実施例2と比較例2より明らかな様に、本発明による
液晶性組成物2−Bを含有する強誘電性液晶素子の方
が、低温における作動特性、高速応答性が改善され、か
つ応答速度の温度依存性が軽減されている。
実施例3 下記重量部で混合した液晶組成物3−Aを作成した。
この液晶組成物3−Aに対して例示化合物1−1,2−
3をそれぞれ下記の重量部で混合し、液晶組成物3−B
を得た。
液晶組成物1−Bをこの液晶組成物3−Bに代えたほ
かは実施例1と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成
し、実施例1と同様の方法で光学応答速度を測定し、ス
イツチング状態等を観察した。この液晶素子内の均一配
向性は良好でありモノドメイン状態が得られた。測定結
果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 1280μsec 330μsec 115μsec また、25℃におけるこの駆動時のコントラストは14
で、明瞭なスイツチング動作が観察された。
比較例3 実施例3で混合した液晶組成物3−Bのうち例示化合
物No.1−1を混合せずに3−Aに対して例示化合物No.2
−3のみを混合した液晶組成物3−Cと例示化合物No.2
−3を混合せずに3−Aに対して例示化合物No.1−1の
みを混合した液晶組成物3−Dを作成した。
液晶組成物1−Bを用いる代わりに液晶組成物3−A,
3−C及び3−Dをセル内に注入する以外は、全く実施
例1同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し光学応答速
度を測定した。その結果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 μsec μsec μsec 3−A 2000 530 158 3−C 1500 380 125 3−D 1750 470 145 実施例3と比較例3より明らかな様に、本発明による
液晶組成物3−Bを含有する強誘電性液晶素子の方が低
温における作動特性、高速応答性が改善され、かつ応答
速度の温度依存性が軽減されている。
実施例4 実施例3で混合した液晶組成物3−Aに対して、以下
に示す例示化合物を以下に示す重量部で混合して液晶組
成物4−Bを得た。
これを用いた他は実施例1と同様の方法で強誘電性液
晶素子を作成し、実施例1と同様の方法で光学応答速度
を測定し、スイツチング状態等を観察した。この液晶素
子内の均一配向性は良好であり、モノドメイン状態が得
られた。測定結果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 1210μsec 300μsec 110μsec また、25℃におけるこの駆動時のコントラストは13
で、明瞭なスイツチング動作が観察され、電圧印加を止
めた際の双安定性も良好であった。
比較例4 実施例4で混合した液晶組成物4−Bのうち例示化合
物No.1−5,1−24,1−37を混合せずに3−Aに対して例
示化合物No.2−26,2−54のみを混合した液晶組成物4−
Cと例示化合物No.2−26,2−54を混合せずに3−Aに対
して例示化合物No.1−5,1−24,1−37のみを混合した液
晶組成物4−Dを作成した。
液晶組成物1−Bを用いる代わりに液晶組成物4−C
及び4−Dをセル内に注入する以外は、全く実施例1同
様の方法で強誘電性液晶素子を作成し光学応答速度を測
定した。その結果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 μsec μsec μsec 4−C 1440 360 120 4−D 1600 420 135 実施例4と比較例4より明らかな様に、本発明による
液晶組成物4−Bを含有する強誘電性液晶素子の方が低
温における作動特性、高速応答性が改善され、かつ応答
速度の温度依存性が軽減されている。
実施例5 下記重量部で混合した液晶組成物5−Aを作成した。
この液晶組成物5−Aに対して例示化合物1−1,2−
3をそれぞれ下記の重量部で混合し、液晶組成物5−B
を得た。
液晶組成物1−Bをこの液晶組成物5−Bに代えたほ
かは実施例1と同様の方法で強誘電性液晶素子を作成
し、実施例1と同様の方法で光学応答速度を測定し、ス
イツチング状態等を観察した。この液晶素子内の均一配
向性は良好でありモノドメイン状態が得られた。測定結
果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 365μsec 90μsec 35μsec また、25℃におけるこの駆動時のコントラストは14
で、明瞭なスイツチング動作が観察された。
比較例5 実施例5で混合した液晶組成物5−Bのうち例示化合
物No.1−1を混合せずに5−Aに対して例示化合物No.2
−3のみを混合した液晶組成物5−Cと例示化合物No.2
−3を混合せずに5−Aに対して例示化合物No.1−1の
みを混合した液晶組成物5−Dを作成した。
液晶組成物1−Bを用いる代わりに液晶組成物5−A,
5−C及び5−Dをセル内に注入する以外は、全く実施
例1同様の方法で強誘電性液晶素子を作成し光学応答速
度を測定した。その結果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 μsec μsec μsec 5−A 620 170 52 5−C 440 115 40 5−D 510 140 45 実施例5と比較例5より明らかな様に、本発明による
液晶組成物5−Bを含有する強誘電性液晶素子の方が低
温における作動特性、高速応答性が改善され、かつ応答
速度の温度依存性が軽減されている。
実施例6 実施例5で混合した液晶組成物5−Aに対して、以下
に示す例示化合物を以下に示す重量部で混合して液晶組
成物6−Bを得た。
これを用いた他は実施例1と同様の方法で強誘電性液
晶素子を作成し、実施例1と同様の方法で光学応答速度
を測定し、スイツチング状態等を観察した。この液晶素
子内の均一配向性は良好であり、モノドメイ状態が得ら
れた。測定結果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 370μsec 95μsec 35μsec また、25℃におけるこの駆動時のコントラストは13
で、明瞭なスイツチング動作が観察され、電圧印加を止
めた際の双安定性も良好であった。
比較例6 実施例6で混合した液晶組成物6−Bのうち例示化合
物No.1−5,1−24,1−37を混合せずに5−Aに対して例
示化合物No.2−26,2−54のみを混合した液晶組成物6−
Cと例示化合物No.2−26,2−54を混合せずに5−Aに対
して例示化合物No.1−5,1−24,1−37のみを混合した液
晶組成物6−Dを作成した。
液晶組成物1−Bを用いる代わりに液晶組成物6−C
及び6−Dをセル内に注入する以外は、全く実施例1同
様の方法で強誘電性液晶素子を作成し、光学応答速度を
測定した。その結果を次に示す。
10℃ 25℃ 40℃ 応答速度 μsec μsec μsec 6−C 490 130 45 6−D 530 140 45 実施例6と比較例6より明らかな様に、本発明による
液晶組成物6−Bを含有する強誘電性液晶素子の方が低
温における作動特性、高速応答性が改善され、かつ応答
速度の温度依存性が軽減されている。
実施例7 実施例1及び比較例1で使用した液晶組成物をSiO2
用いずに、ポリイミド樹脂だけで配向制御層を作成した
以外は全く実施例1と同様の方法で強誘電性液晶素子を
作成し、実施例1と同様の方法で光学応答速度を測定し
た。その結果を次に示す。
応答速度 10℃ 25℃ 40℃ 1−B 900μsec 240μsec 80μsec 1−C 1080μsec 275μsec 90μsec 1−D 1300μsec 370μsec 105μsec 1−A 1520μsec 420μsec 120μsec 実施例7より明らかな様に、素子構成を変えた場合で
も本発明に従う強誘電性液晶組成物を含有する素子は、
他の液晶性組成物を含む素子に比べ実施例1と同様に低
温作動特性が非常に改善され、かつ応答速度の温度依存
性が軽減されたものとなっている。
実施例8〜15 実施例1,3,5で用いた例示化合物および液晶性組成物
に代えて表1に示した例示化合物および液晶性組成物を
各重量部で用い8−B〜15−Bの液晶性組成物を得た。
これらを用いた他は全く実施例1と同様の方法により強
誘電性液晶素子を作成し、実施例1と同様の方法で光学
応答速度を測定し、スイツチング状態等を観察した。そ
れぞれの液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノド
メイン状態が得られた。測定結果を表1に示す。
実施例8〜15より明らかな様に、本発明による液晶性
組成物8−B〜15−Bを含有する強誘電性液晶素子が低
温における作動特性、高速応答速度が改善され、かつ応
答速度の温度依存性が軽減されている。
〔発明の効果〕
本発明の強誘電性液晶組成物を含有する素子は、スイ
ツチング特性が良好で、作動特性の改善された液晶素
子、および応答速度の温度依存性が軽減された液晶素子
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は強誘電性液晶を用いた液晶表示素子の1例の断
面概略図、 第2図および第3図は強誘電性液晶素子の動作説明のた
めに、素子セルの一例を模式的に表す斜視図、 第1図において、 1……強誘電性液晶層 2……ガラス基板 3……透明電極 4……絶縁性配向制御層 5……スペーサー 6……リード線 7……電源 8……偏光板 9……光源 Io……入射光 I……透過光 第2図において、 21a……基板 21b……基板 22……強誘電性液晶層 23……液晶分子 24……双極子モーメント(P⊥) 第3図において、 31a……電圧印加手段 31b……電圧印加手段 33a……第1の安定状態 33b……第2の安定状態 34a……上向きの双極子モーメント 34b……下向きの双極子モーメント Ea……上向きの電界 Eb……下向きの電界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 一春 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 純子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 19/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) (式中、R1、R2はC1〜C18の直鎖状又は分岐状のアルキ
    ル基であり、X1、X2は単結合、 であり、Y1は−CH2O−又は−OCH2−である。m、nは1
    又は2を示す。) で表される化合物の少なくとも1種と、 下記一般式(II) (式中、R3はアルコキシ基によって置換されていてもよ
    いC1〜C18の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、X3
    は単結合、 のいずれかであり、Zは単結合又は であり、 である。p、qは1〜12を示す。) で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを
    特徴とする強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。
  2. 【請求項2】下記一般式(I) (式中、R1、R2はC1〜C18の直鎖状又は分岐状のアルキ
    ル基であり、X1、X2は単結合、 であり、Y1は−CH2O−又は−OCH2−である。m、nは1
    又は2を示す。) で表される化合物の少なくとも1種と、 下記一般式(II) (式中、R3はアルコキシ基によって置換されていてもよ
    いC1〜C18の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、X3
    は単結合、 のいずれかであり、Zは単結合又は であり、 である。p、qは1〜12を示す。) で表される化合物の少なくとも1種とを含有することを
    特徴とする強誘電性カイラルスメクチック液晶組成物。 で表される化合物の少なくとも1種とを含有する強誘電
    性カイラルスメクチック液晶組成物を一対の電極基板間
    に配置してなることを特徴とする液晶素子。
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