JP2755846B2 - 杭芯の位置合せ治具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は既製杭の打込みまたは
沈設時に使用し、特に杭芯の位置合せを容易に行えるよ
うにした杭芯の位置合せ治具に関するものである。

【０００２】

【従来技術とこの発明が解決しようとする課題】従来、
既製杭の打込みまたは沈設に際しては地盤の杭芯位置に
鉄筋等の目印を立てて、既製杭をセットして打込みまた
は中掘り等により沈設を始める。

【０００３】ところで前記方法では既製杭のセット時
に、すでに杭芯ずれを発生している場合が少なくなく、
また埋設を始めて最初の２〜３ｍの沈設時に杭芯ずれを
発生する恐れがある。

【０００４】この発明は前記事情に鑑み開発したもので
杭芯の位置合せを容易ならしめたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の杭芯の位置合
わせ治具は、敷き鉄板をその上に杭埋設機が乗り上が っ
て固定しやすいようにＨ形に組み立て、この敷き鉄板の
中央部に施工すべき杭の杭径より僅かに大きい径の穴を
設け、かつこの穴の周囲に前記杭を穴の中心に導くよう
なテーパを有するブラケットを複数立設して構成されて
いる。

【０００６】また、敷き鉄板は、長方形鉄板を３枚Ｈ字
形に組み立て、かつ中間の長方形鉄板の中央部に施工す
べき杭の杭径より僅かに大きい径の穴を穿設して形成さ
れている。

【０００７】

【実施例】以下この発明の詳細を図示した実施例に基い
て説明する。

【０００８】敷き鉄板Ａは長方形鉄板を３枚Ｈ字形に組
み立てたもので、中間の長方形鉄板１の中央部に沈設す
べき杭Ｂの径より僅かに大きい径の穴２が穿設してあ
り、四隅には吊り環３が設けてある。中間の長方形鉄板
１の両端部に両側の長方形鉄板４，４が溶接またはボル
ト締によって組立ててある。

【０００９】また、前記穴２の周囲にはガイド用のブラ
ケット５が複数立設してあり、このブラケット５のうち
２組を互いに直交させてある。また、ブラケット５の両
側には杭Ｂを穴２の中心に導くようなテーパ部（傾斜
部）5aが形成してある。

【００１０】施工に際しては、直交するブラケット５間
に糸等を渡して杭芯と穴２の中心とを合せて敷き鉄板Ａ
の位置決めをなし、杭打ち機Ｃ等の杭埋設機を敷き鉄板
Ａの側部の長方形鉄板４上に乗り上げることによりその
位置を固定し、杭Ｂを吊り込んで杭打ち機Ｃを作動し、
杭Ｂを穴２を通して地盤中に打込む。

【００１１】

【発明の効果】この発明は以上説明した構成からなり、
杭埋設の施工に際して地盤上に杭芯の位置決め治具を使
用して打込むべき杭芯の位置合せが容易となり、しかも
この敷鉄板の穴がガイドとなり、杭の沈設中に杭の芯ず
れを生ずる恐れがない。

【００１２】また、敷き鉄板は杭埋設機本体で位置を固
定されるとともに敷き鉄板を順次所要位置に移動させる
ことも容易であり、施工能率を向上できる。その際、特
に敷き鉄板は杭埋設機が乗り上がって固定しやすいよう
にＨ形に組み立てられているので、打込むべき杭芯の位
置に確実に固定できる。また、穴の周囲に杭を穴の中心
に導くようなテーパを有するブラケットが複数立設して
あるので、杭を杭径より僅かに大きく形成された穴の中
心に容易に導くことができる。さらに、敷き鉄板は長方
形鉄板を３枚Ｈ字形に組み立ててあるので、容易に製作
できる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】敷き鉄板の平面図である。

【図２】施工状態の断面図である。

【符号の説明】

Ａ…敷き鉄板、Ｂ…杭、Ｃ…杭打ち機、 １…長方形鉄板、２…穴、３…吊り環、４…長方形鉄
板、 ５…ブラケット、5a…テーパ。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 敷き鉄板をその上に杭埋設機が乗り上が
   って固定しやすいようにＨ形に組み立て、この敷き鉄板
   の中央部に施工すべき杭の杭径より僅かに大きい径の穴
   を設け、かつこの穴の周囲に前記杭を穴の中心に導くよ
   うなテーパを有するブラケットを複数立設してなること
   を特徴とする杭芯の位置合わせ治具。
2. 【請求項２】 長方形鉄板を３枚Ｈ字形に組み立て、か
   つ中間の鉄板の中央部に施工すべき杭の杭径より僅かに
   大きい径の穴を穿設して敷き鉄板を形成してなることを
   特徴とする請求項第１項記載の杭芯の位置合わせ治具。