JP2754145B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数個の図柄表示部か
らなる図柄組合わせ表示装置を備えたパチンコ機，スロ
ットマシン等の遊技機に関する。

【０００２】

【従来の技術】予め定められた種々の図柄を変動表示す
る複数の図柄表示部によって構成され、球検知装置を備
えた始動ゲートを遊技球が通過すると、球検知装置から
の球検知信号に基づいて各図柄表示部が図柄変動を開始
し、停止して種々の組合わせの図柄を表示する図柄組合
わせ表示装置を備え、該図柄組合わせ表示装置の各停止
図柄が所定の組合わせである場合に、遊技者にとって所
定の利益ある作動を生ずるパチンコ機は種々提案されて
いる。この利益ある作動としては、所定の特別入賞口を
開放するための条件装置を作動させるものや、又は特別
入賞口を直接開放させるようにしたもの等がある。ま
た、この種パチンコ機においては、他の図柄組合わせ表
示装置の当り確率を向上させることを利益内容とするも
のもある。

【０００３】さらには、図柄組合わせ表示装置を備えた
ものとして、スロットマシン等、他の遊技機においても
同様な構成のものが提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述の遊技機にあっ
て、昨今、大当りに対する期待感をさらに醸成して、ス
リリングな遊技内容なとが求められている。

【０００５】本発明は、かかる要望に対応するため、大
当りへの期待感を刺激する変化に富んだ図柄作動を生じ
て遊技の興趣を増大し得る図柄組み合わせ表示装置を提
供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、予め定められ
た種々の図柄を変動表示する複数の図柄表示部によって
構成され、所定条件の充足により、図柄表示部が変動を
開始し、順次停止して種々の組合わせの図柄を表示する
図柄組合わせ表示装置を備えたものにあって、図柄組合
わせ表示装置の図柄表示部のうち、所定の図柄表示部の
図柄群中に、オールマイティー図柄を備え、該オールマ
イティー図柄の出現前に複数一連の予告図柄群を順次表
出するようにした制御内容を備える制御指令手段を具備
したことを特徴とする遊技機である。かかる遊技機は、
パチンコ機の他、スロットマシン等種々の遊技機に適応
し得るものである。

【０００７】

【作用】前記オールマイティー図柄は、他の図柄相互が
揃えば、大当り組み合わせとなる図柄である。そして、
この図柄が表示される場合には、複数一連の予告図柄群
が表出する。これは例えば、「ス」、「マ」、「イ」、
「ル」のように、所定の概念のある言語が提案され、こ
の図柄が順次表示された後に、オールマイティー図柄と
なる。一方、このような、文字は、必ずオールマイティ
ー図柄が出るわけではなく、この文字群も、所定の図柄
表示部の図柄群を構成するものであり、表示図柄の抽選
の対象となるから、例えば「ス」、「マ」と表示され、
この「マ」で停止するような場合もあり得て、その過程
で遊技者の期待と落胆とが醸成されることとなり、遊技
が一層面白くなる。尚、この予告図柄群としては、必ず
しも言語を構成するものである必要はなく、相互に何ら
かの関連性を予見できるものであれば良い。

【０００８】

【実施例】添付図面について本発明の一実施例を説明す
る。

【０００９】図１は、誘導レール２に囲まれたパチンコ
機の遊技盤１の正面図であって、該パチンコ機の図示し
ない下部には玉受皿と、玉発射用の回転式ハンドル等が
設けられる。この遊技盤１の盤面中央には、図２で拡大
して示すように装着ケース（図示せず）の前部に固定さ
れたセンターケース３が配設され、該センターケース３
内に、三個の図柄表示部Ａ，Ｂ，Ｃが横方向に並成した
ドットマトリックス表示器又は液晶表示器からなる図柄
組合わせ表示装置４が配設される。

【００１０】またセンターケース３の下部には四個のパ
イロットランプからなる待機記憶ランプ列５が設けられ
る。

【００１１】さらには前記センターケース３の下方に
は、光電スイッチ、リミットスイッチ等により構成され
る球検知装置（図示せず）を備えた始動口８が設けられ
ている。この始動口８に遊技球が通過して該球検知装置
による球検知信号が発生すると、組合わせ表示装置４を
駆動すると共に、通常の入賞口と同様に、その遊技球の
通過に伴って所定数の景品球を発生する。

【００１２】一方、センターケース３の右上部には、図
３で拡大して示すように、入賞口開閉装置１０を配設
し、その内部を特別入賞口１１としている。この入賞口
開閉装置１０はその開閉翼片対１２，１２の閉鎖状態
で、特別入賞口１１を遮蔽する閉鎖位置と、開閉翼片対
１２，１２が起立する開放状態で特別入賞口１１へ遊技
球を案内する開放位置とに電気的駆動手段を介して変換
制御されるものである。この入賞口開閉装置１０は、組
合わせ表示装置４が当り表示すると開放駆動する。

【００１３】前記特別入賞口１１の下部には、電動役物
１７が配設される。この電動役物１７は周部に六個の孔
が形成された回転体１８と、作動孔１９及び下部通過口
２０を備え、前記特別入賞口１１に配設した入賞検知ス
イッチ２１による玉検知に対応して孔一個分右回転し
て、順次該孔に入賞玉を貯留することを可能とするもの
であり、遊技球を三個検知したとき、または入賞口開閉
装置１０による特別入賞口１１の開放動作が完了したと
きに、常時回転に切り換わり、この回転動作により、作
動孔１９に玉一個を供給し、残余を下部通過口２０から
盤面裏側へ流出し、夫々を入賞玉とする。そして作動孔
１９への玉供給により、特別作動状態となる。

【００１４】この電動役物１７の下方には、図４で拡大
して示すように、下部役物３０が配設される。この下部
役物３０の上部には玉一個分の孔が周部に形成された回
転チャッカー３１が配設され、前記特別作動状態のとき
に、回転チャッカー３１の孔に玉が流入し、回転チャッ
カー３１の回転に伴って、玉がチャッカー通過孔３２に
供給されると、その回転チャッカー３１と一体的に構成
された電動役物４０の開閉翼片４１が9.6 秒開放（実線
位置）する。この電動役物４０に約10個の玉が流入した
ときには、開放作動中であっても、その開放動作が終了
する。また、回転チャッカー３１へ16個の遊技球が入賞
したときには、特別作動状態が終了する。

【００１５】次に組合わせ表示装置４の作動につき説明
する。

【００１６】前記図柄表示部Ａは、図５で示すように、
一連の循環図柄列を構成する１８図柄により構成され
る。このうち、その一つをオールマイティー図柄Ｘと
し、その前部に、キャンディ図柄からなる予告図柄Ｚと
「ス」，「マ」，「イ」，「ル」からなる、複数一連の
予告図柄Ｙ群が前置される。ここでは、オールマイティ
ー図柄Ｘとは、種々の当り組み合わせ図柄の中の、最初
に停止する図柄と等価の図柄ということができる。尚、
オールマイティー図柄Ｘは、図柄表示部Ｂまたは図柄表
示部Ｃに表出するようにしても良い。

【００１７】一方、図柄表示部Ｂ，Ｃは図６で示すよう
に、一連の循環図柄列を構成する１３図柄からなり、予
告図柄Ｙである「ス」，「マ」，「イ」，「ル」を有し
ない。

【００１８】かかる構成にあって、遊技盤１に遊技球が
打ち出されて、始動口８を通過すると、図１０で示す中
央制御装置ＣＰＵに接続された記憶装置ＲＯＭに格納さ
れた２３５コマからなる内部乱数からいずれかを選出
し、その内容を記憶する。この記憶数は最初の４個目ま
でとし、その記憶数は、上述した待機記憶ランプ列５に
より表示される。

【００１９】そして、組合わせ表示装置４が変動を開始
してから、その選出値に対応して、当り、またはハズレ
を決定する。このとき、所定条件が充足されることによ
り確率を向上するようにした確率変動制御手段を適用す
ることもでき、この場合には、例えば、低確率時には、
１／２３５とし、高確率時には８／２３５とする。そし
て、この当り、ハズレの決定により、記憶装置ＲＯＭに
格納された内部当り図柄乱数、または内部ハズレ図柄乱
数から、それぞれの時点の値を選出し、その内容に基づ
き各図柄表示部Ａ，Ｂ，Ｃの停止図柄を決定する。かか
る確率変動制御手段にあって、高確率状態は、特別入賞
口１１の開放作動が終了してから、次の開放作動開始ま
での間に発生する制御態様が提案される。

【００２０】上述の当り図柄は、図７で示す２６組あ
る。この図柄組み合わせで解るように、前記オールマイ
ティー図柄Ｘは、その他の図柄表示部Ｂ，Ｃが相互に同
一であれば大当りとなるようにしている。すなわち、こ
のオールマイティー図柄Ｘは種々の当り組み合わせ図柄
の中の、当該図柄表示部Ａの図柄と等価となる。このた
め、図柄表示部Ａにオールマイティー図柄Ｘが表示され
た場合には、他の図柄が相互に一致すれば良いのである
から、大きな期待感を抱くこととなる。

【００２１】この停止態様として、各図柄表示部Ａ，
Ｂ，Ｃが変動を開始し、変動固定時間（あらかじめ設定
されたミニマム時間）が経過後、それぞれ既に決定され
た内部の停止図柄と一致した時点で変動が停止する。

【００２２】一方、図柄表示部Ａと図柄表示部Ｂの図柄
が一致した場合や、図柄表示部Ａの停止図柄がオールマ
イティー図柄Ｘの場合には、いわゆるリーチ状態とな
る。このリーチ状態の場合には、他の停止態様とは異な
る種々の変動停止態様を生ずる。このリーチの変動態様
は、リーチパターン乱数により決定される。そして例え
ば、ハズレが決まっている場合で、図柄表示部Ｃが図柄
表示部Ｂの循環図柄列の前後に位置する場合には、期待
感を持たせるために、図柄表示部Ｃの変動時間を長くし
たり、図柄表示部Ｃの図柄を一旦停止したり、さらには
逆戻りをさせる等の停止態様が提案される。

【００２３】次に本発明の要部に係る図柄表示部Ａがオ
ールマイティー図柄Ｘとなる場合の表出態様につき説明
する。

【００２４】上述したように内部乱数による当り、ハズ
レの決定、及び内部当り図柄乱数、または内部ハズレ図
柄乱数により、停止図柄が決定されるが、この場合に、
図柄表示部Ａとしてオールマイティー図柄Ｘが選出され
た場合には、当り、ハズレのいずれにあっても、図８で
示す態様によって停止する。すなわち、上述した変動固
定時間後に、キャンディ図柄に差し替えて、「ス」，
「マ」，「イ」，「ル」（４図柄）からなる、複数一連
の予告図柄Ｙ群が順次低速で、スクロールした後、オー
ルマイティー図柄Ｘで停止する。ここでキャンディ図柄
は予告図柄Ｙの予告図柄Ｚということができる。

【００２５】これにより、予告図柄Ｙの予告図柄Ｚであ
る前記キャンディ図柄により予告図柄Ｙを予感し、さら
に該予告図柄Ｙによってオールマイティー図柄Ｘを予感
することとなる。そして、予告図柄Ｙである「ス」，
「マ」，「イ」，「ル」が順次視認可能な速度で低速ス
クロールすることにより、言葉の概念と相俟って、期待
感が刺激され、高揚することとなる。

【００２６】そして図柄表示部Ｂは、上述の図柄表示部
Ａが停止した後に、高速で４図柄スクロールし、さらに
中速で所定の図柄を停止させる。そして、この場合には
リーチ状態となるから、この後、図柄表示部Ｃは上述し
たような特殊な態様で変動し、当りの場合には図柄表示
部Ｃに図柄表示部Ｂと同じ図柄が表出することとなり、
ハズレの場合には他の図柄が表出する。

【００２７】一方、図柄表示部Ａの停止図柄が、
「ス」，「マ」，「イ」，「ル」のいずれかの場合に
は、図９で示すように、キャンディ図柄に差し替えて、
該キャンディ図柄と１図柄を表出して後、図柄合わせし
て、当該図柄とする。そしてこの「ス」，「マ」，
「イ」，「ル」は、図柄表示部Ｂ，Ｃには無いから、か
かる図柄の停止により、大当りの可能性は消失する。こ
れにより、その過程で遊技者は、期待感と落胆とを味わ
い、遊技が一層面白くなる。

【００２８】このように大当りとなる特定の関係図柄で
ある場合には、図８で示すスピーカーが鳴音を発すると
共に、上述したように入賞口開閉装置１０が開放して所
定の利得を遊技者に供与することとなる。

【００２９】尚、前記始動口８に遊技球が連続的に流入
した場合には、待機記録ランプ列５が順次点灯し最高四
回まで記憶される。

【００３０】この大当りに伴う利得のその他の提供態様
は、下方に開口部の大きな特別入賞口を配設して、これ
を開放する等、種々の態様が提供され得る。

【００３１】上述の一連の作動は図１０で示す中央制御
装置ＣＰＵ等からなる制御指令手段により容易に実行さ
れ得る。また各乱数発生手段は、記憶装置ＲＯＭ又は中
央制御装置ＣＰＵ内のリフレッシュカウンターを用いて
構成される。

【００３２】以上は、三個の図柄表示部Ａ，Ｂ，Ｃを適
用したものであるが、二個の図柄表示部Ａ，Ｂにより構
成した図柄組合わせ表示装置を適用することもできる。
この場合には、図柄表示部Ａにオールマイティー図柄Ｘ
が停止した場合には、他の図柄組み合わせ表示装置の大
当り確率を高確率とする等の、利益を付与するようにし
ても良い。

【００３３】さらに上述では、図柄表示部Ａ，Ｂ，Ｃを
順次停止する構成につき説明したが、その停止順序は種
々提案される。さらには既に述べたように、図柄表示部
Ｂまたは図柄表示部Ｃにもオールマイティー図柄Ｘを表
出するようにしても良い。以上、パチンコ機を例にとっ
て述べたが、スロットマシン等、図柄組み合わせ表示装
置を備えた種々の遊技機に適用することもできる。

【００３４】

【発明の効果】本発明は、図柄組合わせ表示装置の図柄
表示部のうち、所定の図柄表示部の図柄群中に、種々の
当り組み合わせ図柄の中に、オールマイティー図柄Ｘを
備え、該オールマイティー図柄Ｘの出現前に複数一連の
予告図柄Ｙ群を順次表出するようにしたものであるか
ら、オールマイティー図柄Ｘの出現に対する期待感を、
予告図柄Ｙ群の表出により高揚させることができ、この
種遊技機の興趣を増大し得る等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパチンコ機１の遊技盤２を示す正面図
である。

【図２】本発明の図柄組合わせ表示装置４の正面図であ
る。

【図３】入賞口開閉装置１０の正面図である。

【図４】下部役物３０の正面図である。

【図５】図柄表示部Ａの循環図柄列を示す配列図であ
る。

【図６】図柄表示部Ｂ，Ｃの循環図柄列を示す配列図で
ある。

【図７】当り図柄の組み合わせパターン図である。

【図８】図柄表示部Ａにオールマイティー図柄Ｘが選出
された場合のタイムチャート図である。

【図９】図柄表示部Ａに予告図柄Ｙが選出された場合の
タイムチャート図である。

【図１０】中央制御装置ＣＰＵを示すブロック回路図で
ある。

【符号の説明】

１ パチンコ機 ４ 図柄組合わせ表示装置 ８ 始動口 １０ 入賞口開閉装置 １１ 特別入賞口 １７ 電動役物 ３０ 下部役物 ４０ 電動役物 Ａ，Ｂ，Ｃ 図柄表示部 Ｘ オールマイティー図柄 Ｙ 予告図柄

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め定められた種々の図柄を変動表示す
   る複数の図柄表示部によって構成され、所定条件の充足
   により、図柄表示部が変動を開始し、順次停止して種々
   の組合わせの図柄を表示する図柄組合わせ表示装置を備
   えたものにあって、 図柄組合わせ表示装置の図柄表示部のうち、所定の図柄
   表示部の図柄群中に、オールマイティー図柄を備え、該
   オールマイティー図柄の出現前に複数一連の予告図柄群
   を順次表出するようにした制御内容を備える制御指令手
   段を具備したことを特徴とする遊技機。
2. 【請求項２】予め定められた種々の図柄を変動表示する
   複数の図柄表示部によって構成され、球検知装置を備え
   た始動口を遊技球が通過すると、球検知装置からの球検
   知信号に基づいて図柄表示部が変動を開始し、順次停止
   して種々の組合わせの図柄を表示する図柄組合わせ表示
   装置を備えたものにあって、 図柄組合わせ表示装置の図柄表示部のうち、所定の図柄
   表示部の図柄群中に、オールマイティー図柄を備え、該
   オールマイティー図柄の出現前に複数一連の予告図柄群
   を順次表出するようにした制御内容を備える制御指令手
   段を具備したことを特徴とするパチンコ機からなる遊技
   機。